JPH11187700A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents
誘導電動機の制御装置Info
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- JPH11187700A JPH11187700A JP9354951A JP35495197A JPH11187700A JP H11187700 A JPH11187700 A JP H11187700A JP 9354951 A JP9354951 A JP 9354951A JP 35495197 A JP35495197 A JP 35495197A JP H11187700 A JPH11187700 A JP H11187700A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】誘導電動機の枠番を大きくすることなく、誘導
電動機の始動時のみトルクを増大できる制御装置を提供
する。 【解決手段】誘導電動機3の制御装置30における磁束
補正器31と乗算器32とにより、誘導電動機3の低速
領域で二次磁束指令値φ2 **を高速領域より大きくする
ことで、誘導電動機3のM軸電流指令値iM * をより大
きくし、T軸電流指令値iT * をより小さくし、インバ
ータ2の許容最大電流i1maxの範囲内に制限器33でT
軸電流iT を抑制しつつ、誘導電動機3の発生トルクの
増大を計る。
電動機の始動時のみトルクを増大できる制御装置を提供
する。 【解決手段】誘導電動機3の制御装置30における磁束
補正器31と乗算器32とにより、誘導電動機3の低速
領域で二次磁束指令値φ2 **を高速領域より大きくする
ことで、誘導電動機3のM軸電流指令値iM * をより大
きくし、T軸電流指令値iT * をより小さくし、インバ
ータ2の許容最大電流i1maxの範囲内に制限器33でT
軸電流iT を抑制しつつ、誘導電動機3の発生トルクの
増大を計る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ベクトル制御に
よって誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装
置に関する。
よって誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、この種の誘導電動機の制御装置
の従来例を示す回路構成図である。図5において、1は
商用電源などの交流電源、2は半導体スイッチなどで構
成されるインバータ、3は誘導電動機、4は誘導電動機
3の負荷、5は誘導電動機3の回転速度を検出する速度
検出器、6は誘導電動機3の入力の相電流を検出する電
流検出器、10は制御装置を示す。
の従来例を示す回路構成図である。図5において、1は
商用電源などの交流電源、2は半導体スイッチなどで構
成されるインバータ、3は誘導電動機、4は誘導電動機
3の負荷、5は誘導電動機3の回転速度を検出する速度
検出器、6は誘導電動機3の入力の相電流を検出する電
流検出器、10は制御装置を示す。
【0003】この制御装置10は速度設定器11と、速
度指令演算器12と、速度調節器13と、磁束指令演算
器14と、第1除算器としての除算器15と、すべり周
波数演算器16と、第2除算器としての除算器17と、
制限器18と、T軸電流調節器19と、M軸電流調節器
20と、積分器21と、座標変換器22,23とを備え
ている。
度指令演算器12と、速度調節器13と、磁束指令演算
器14と、第1除算器としての除算器15と、すべり周
波数演算器16と、第2除算器としての除算器17と、
制限器18と、T軸電流調節器19と、M軸電流調節器
20と、積分器21と、座標変換器22,23とを備え
ている。
【0004】図5に示した誘導電動機3の制御装置10
の動作を以下に説明する。速度設定器11は誘導電動機
3が運転するべき速度設定値ωr # を設定し、速度指令
演算器12は予め定めた加減速度により変化し、最終的
には該速度設定値ωr # に一致する速度指令値ωr * を
出力する。速度調節器13はこの速度指令値ωr * と速
度検出器5が検出した速度検出値ωr との偏差を入力
し、調節動作によりその入力偏差を零にするトルク指令
値τ* を出力する。一方、磁束指令演算器14は前記速
度検出値ωr から、後述の如く二次磁束指令値φ2 * を
演算して出力する。
の動作を以下に説明する。速度設定器11は誘導電動機
3が運転するべき速度設定値ωr # を設定し、速度指令
演算器12は予め定めた加減速度により変化し、最終的
には該速度設定値ωr # に一致する速度指令値ωr * を
出力する。速度調節器13はこの速度指令値ωr * と速
度検出器5が検出した速度検出値ωr との偏差を入力
し、調節動作によりその入力偏差を零にするトルク指令
値τ* を出力する。一方、磁束指令演算器14は前記速
度検出値ωr から、後述の如く二次磁束指令値φ2 * を
演算して出力する。
【0005】前記トルク指令値τ* と二次磁束指令値φ
2 * とにより式(1),(2)に従って、誘導電動機3
の一次電流の二次磁束と平行なM軸電流指令値iM * と
該二次磁束と垂直なT軸電流指令値iT * を演算する。
2 * とにより式(1),(2)に従って、誘導電動機3
の一次電流の二次磁束と平行なM軸電流指令値iM * と
該二次磁束と垂直なT軸電流指令値iT * を演算する。
【0006】
【数1】 iM * =(1/LM )・φ2 * …(1) ここで、LM は誘導電動機3の励磁インダクタンスであ
る。
る。
【0007】
【数2】 iT * =τ* /φ2 * …(2) すなわち、除算器17は前記式(1)の演算をし、除算
器15は前記式(2)の演算をしている。座標変換器2
2は、電流検出器6で検出された相電流iU ,iV ,i
W から誘導電動機3の一次電流i1 の二次磁束φ2 と平
行なM軸電流検出値iM と該二次磁束と垂直なT軸電流
検出値iT に変換するもので、誘導電動機3のU相巻線
と該二次磁束とのなす角度をΨ2 として、式(3),
(4)の演算を行っている。
器15は前記式(2)の演算をしている。座標変換器2
2は、電流検出器6で検出された相電流iU ,iV ,i
W から誘導電動機3の一次電流i1 の二次磁束φ2 と平
行なM軸電流検出値iM と該二次磁束と垂直なT軸電流
検出値iT に変換するもので、誘導電動機3のU相巻線
と該二次磁束とのなす角度をΨ2 として、式(3),
(4)の演算を行っている。
【0008】
【数3】 iT =iU ・cosΨ2 +iV ・cos(Ψ2 −120°) +iW ・cos(Ψ2 +120°) …(3)
【0009】
【数4】 iM =iU ・sinΨ2 +iV ・sin(Ψ2 −120°) +iW ・sin(Ψ2 +120°) …(4) T軸電流調節器19は、前記T軸電流指令値iT * とT
軸電流検出値iT との偏差を入力し、調節動作によりそ
の入力偏差を零にするT軸電圧指令値vT * を出力す
る。また、M軸電流調節器19は、前記M軸電流指令値
iM * とM軸電流検出値iM との偏差を入力し、調節動
作によりその入力偏差を零にするM軸電圧指令値vM *
を出力する。
軸電流検出値iT との偏差を入力し、調節動作によりそ
の入力偏差を零にするT軸電圧指令値vT * を出力す
る。また、M軸電流調節器19は、前記M軸電流指令値
iM * とM軸電流検出値iM との偏差を入力し、調節動
作によりその入力偏差を零にするM軸電圧指令値vM *
を出力する。
【0010】座標変換器23は、前記T軸電圧指令値v
T * とM軸電圧指令値vM * とを入力し三相電圧指令値
VU * ,VV * ,VW * を出力するもので、誘導電動機
3のU相巻線と二次磁束とのなす角度をΨ2 として、式
(5)〜(7)の演算を行っている。
T * とM軸電圧指令値vM * とを入力し三相電圧指令値
VU * ,VV * ,VW * を出力するもので、誘導電動機
3のU相巻線と二次磁束とのなす角度をΨ2 として、式
(5)〜(7)の演算を行っている。
【0011】
【数5】 VU * =vM * ・cosΨ2 +vT * ・sinΨ2 …(5)
【0012】
【数6】 VV * =vM * ・cos(Ψ2 −120°) +vT * ・sin(Ψ2 −120°) …(6)
【0013】
【数7】 VW * =vM * ・cos(Ψ2 +120°) +vT * ・sin(Ψ2 +120°) …(7) この三相電圧指令値VU * ,VV * ,VW * はインバー
タ2により所定の電圧,周波数の三相交流電圧に変換さ
れ、誘導電動機3に供給される。
タ2により所定の電圧,周波数の三相交流電圧に変換さ
れ、誘導電動機3に供給される。
【0014】すべり周波数演算器16は、下記式(8)
の演算を行いすべり周波数ωS を出力する。
の演算を行いすべり周波数ωS を出力する。
【0015】
【数8】 ωS =R2 ・iT * /φ2 * …(8) 積分器21は、前記すべり周波数ωS と速度検出値ωr
との加算値(=一次周波数ω1 )を積分演算すること
で、周知の如く誘導電動機3のU相巻線と二次磁束φ2
とのなす角度Ψ2 が得られる。
との加算値(=一次周波数ω1 )を積分演算すること
で、周知の如く誘導電動機3のU相巻線と二次磁束φ2
とのなす角度Ψ2 が得られる。
【0016】誘導電動機3の一次電流i1 とT軸電流検
出値iT およびM軸電流検出値iMとの関係は、式
(9)で表される。
出値iT およびM軸電流検出値iMとの関係は、式
(9)で表される。
【0017】
【数9】 i1 =〔(iT )2 +(iM )2 〕1/2 …(9) 一方、半導体スイッチなどで構成されるインバータ2に
は許容電流がある。この許容最大電流をi1maxとしM軸
電流定格値をiM100とすると、T軸電流最大値iTmaxは
式(10)で表される。
は許容電流がある。この許容最大電流をi1maxとしM軸
電流定格値をiM100とすると、T軸電流最大値iTmaxは
式(10)で表される。
【0018】
【数10】 iTmax=〔(i1max)2 −(iM100)2 〕1/2 …(10) T軸電流最大値iTmax以上にインバータ2から一次電流
i1 を流すと、インバータ2の許容最大電流をi1maxを
超えてしまうので、制限器18ではT軸電流指令値iT
* がT軸電流最大値iTmaxを超えないように制限し、こ
れをT軸電流指令値iT **として出力している。その制
限レベル値は、T軸電流定格値をiT100とすると、下記
式(11)の関係がある。
i1 を流すと、インバータ2の許容最大電流をi1maxを
超えてしまうので、制限器18ではT軸電流指令値iT
* がT軸電流最大値iTmaxを超えないように制限し、こ
れをT軸電流指令値iT **として出力している。その制
限レベル値は、T軸電流定格値をiT100とすると、下記
式(11)の関係がある。
【0019】
【数11】 制限レベル値=(iTmax/iT100)×100% …(11) すなわち、M軸電流定格値iM100を流すと誘導電動機3
には100%の二次磁束が発生し、この状態でT軸電流
定格値iT100を流すと誘導電動機3には定格トルクが得
られ、また、T軸電流最大値iTmaxを流すと、インバー
タ2と誘導電動機3とを組み合わせての最大トルクが得
られる。
には100%の二次磁束が発生し、この状態でT軸電流
定格値iT100を流すと誘導電動機3には定格トルクが得
られ、また、T軸電流最大値iTmaxを流すと、インバー
タ2と誘導電動機3とを組み合わせての最大トルクが得
られる。
【0020】前述の磁束指令演算器14は誘導電動機3
の回転速度ωr が基底回転速度ωbまでは100%の二
次磁束に相当する二次磁束指令φ2 * を出力し、基底回
転速度ωb 以上では回転速度ωr に反比例した二次磁束
指令φ2 * を出力する。図6は、この制御装置10によ
りインバータ2を介して誘導電動機3を可変速制御した
ときの誘導電動機3の発生トルクτと回転速度ωr との
関係を表した特性曲線図を示し、発生トルクτM の点が
T軸電流が最大(iTmax)でM軸電流が定格の
(iM100)ときの最大トルクである。誘導電動機3の回
転速度ωr が零から基底回転速度ωb までの間は、その
発生トルクの最大値はτM であるが(すなわち定トルク
特性)、基底回転速度ωb を超えると、磁束指令演算器
14により回転速度ωr に反比例して二次磁束指令φ2
* を下げるため、発生トルクτは回転速度ωr に反比例
して低下する(すなわち定出力特性)。
の回転速度ωr が基底回転速度ωbまでは100%の二
次磁束に相当する二次磁束指令φ2 * を出力し、基底回
転速度ωb 以上では回転速度ωr に反比例した二次磁束
指令φ2 * を出力する。図6は、この制御装置10によ
りインバータ2を介して誘導電動機3を可変速制御した
ときの誘導電動機3の発生トルクτと回転速度ωr との
関係を表した特性曲線図を示し、発生トルクτM の点が
T軸電流が最大(iTmax)でM軸電流が定格の
(iM100)ときの最大トルクである。誘導電動機3の回
転速度ωr が零から基底回転速度ωb までの間は、その
発生トルクの最大値はτM であるが(すなわち定トルク
特性)、基底回転速度ωb を超えると、磁束指令演算器
14により回転速度ωr に反比例して二次磁束指令φ2
* を下げるため、発生トルクτは回転速度ωr に反比例
して低下する(すなわち定出力特性)。
【0021】また、誘導電動機3のT軸、M軸の電圧
(vT ,vM )と電流(iT ,iM )の関係は式(1
2),(13)で表すことができる。但し、ここでは電
流値が変化する際の過渡項については省略している。
(vT ,vM )と電流(iT ,iM )の関係は式(1
2),(13)で表すことができる。但し、ここでは電
流値が変化する際の過渡項については省略している。
【0022】
【数12】 vT =R1 ・iT +Lσ・ω1 ・iM +LM ・ω1 ・iM …(12)
【0023】
【数13】 vM =R1 ・iM −Lσ・ω1 ・iT …(13) ここで、R1 :一次抵抗、Lσ:漏れインダクタンス、
LM :励磁インダクタンス、ω1 :一次角周波数であ
る。さらにまた、誘導電動機3の一次電圧V1 とT軸電
圧vT とM軸電圧vM との関係は式(14)で表され
る。
LM :励磁インダクタンス、ω1 :一次角周波数であ
る。さらにまた、誘導電動機3の一次電圧V1 とT軸電
圧vT とM軸電圧vM との関係は式(14)で表され
る。
【0024】
【数14】 V1 =〔(vT )2 +(vM )2 〕1/2 …(14) すなわち、誘導電動機3が無負荷運転時にはT軸電流i
T が零なので、式(12)の右辺第1項および式(1
3)の右辺第2項は零となる。また、誘導電動機3が零
回転では一次角周波数ω1 も零となるので、式(12)
の右辺第2,3項が零となり、式(13)は右辺第1項
のみとなる。さらに定トルク範囲ではM軸電流iM が一
定で、一次角周波数ω1 が大きくなるので式(12)の
右辺第2,3項が誘導電動機3の回転速度に比例して大
きくなり、定出力範囲では誘導電動機3の回転速度に反
比例してM軸電流iM が減少するので、ω1 ×iM が一
定になり式(12)の右辺第2,3項は回転速度に関係
なく一定値となる。
T が零なので、式(12)の右辺第1項および式(1
3)の右辺第2項は零となる。また、誘導電動機3が零
回転では一次角周波数ω1 も零となるので、式(12)
の右辺第2,3項が零となり、式(13)は右辺第1項
のみとなる。さらに定トルク範囲ではM軸電流iM が一
定で、一次角周波数ω1 が大きくなるので式(12)の
右辺第2,3項が誘導電動機3の回転速度に比例して大
きくなり、定出力範囲では誘導電動機3の回転速度に反
比例してM軸電流iM が減少するので、ω1 ×iM が一
定になり式(12)の右辺第2,3項は回転速度に関係
なく一定値となる。
【0025】また、誘導電動機3が一定負荷運転時には
T軸電流iT に関連する式(12)の右辺第1項が、回
転速度に関係なく一定値となり、式(13)の右辺第2
項は回転速度に比例して大きくなる。図7は、上述の式
(12)〜(14)の関係を図示した特性図であり、
は無負荷時、が定格トルク時、が最大トルク時をそ
れぞれ示している。
T軸電流iT に関連する式(12)の右辺第1項が、回
転速度に関係なく一定値となり、式(13)の右辺第2
項は回転速度に比例して大きくなる。図7は、上述の式
(12)〜(14)の関係を図示した特性図であり、
は無負荷時、が定格トルク時、が最大トルク時をそ
れぞれ示している。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】従来の制御装置10に
より、インバータ2を介して誘導電動機3と負荷4とし
ての台車を駆動する台車走行システムへ適用した場合に
ついて説明する。台車走行に必要なトルクτD は式(1
5)で表される。
より、インバータ2を介して誘導電動機3と負荷4とし
ての台車を駆動する台車走行システムへ適用した場合に
ついて説明する。台車走行に必要なトルクτD は式(1
5)で表される。
【0027】
【数15】 τD =μ・ΣW・G・D/(2・a) 〔N・m〕 …(15) ここで、μ:摩擦係数、ΣW:総質量〔kg〕、G:
9.8〔m/s〕、D:車輪直径〔m〕、a:減速比を
示す。この摩擦係数μは台車が静止時(始動時)と走行
時とで値が異なり、一般に、静止時の摩擦係数の方が大
きい。
9.8〔m/s〕、D:車輪直径〔m〕、a:減速比を
示す。この摩擦係数μは台車が静止時(始動時)と走行
時とで値が異なり、一般に、静止時の摩擦係数の方が大
きい。
【0028】この台車走行システムを所定の加減速度
で、始動・加速・一定速・減速・停止運転させた場合の
速度とトルクとの関係を図8に示す。図8において、破
線で示したトルクは走行トルクで、台車の始動時は静止
摩擦の影響で若干大きくなる。また、台車の加速時には
前記走行トルクに台車の加速に必要な加速トルクが加算
される。すなわち必要最大トルクは台車の始動時にあ
り、この必要最大トルクτA で誘導電動機3を選定する
と、誘導電動機3の枠番(体格)が大きくなり、価格が
増大するという難点があった。
で、始動・加速・一定速・減速・停止運転させた場合の
速度とトルクとの関係を図8に示す。図8において、破
線で示したトルクは走行トルクで、台車の始動時は静止
摩擦の影響で若干大きくなる。また、台車の加速時には
前記走行トルクに台車の加速に必要な加速トルクが加算
される。すなわち必要最大トルクは台車の始動時にあ
り、この必要最大トルクτA で誘導電動機3を選定する
と、誘導電動機3の枠番(体格)が大きくなり、価格が
増大するという難点があった。
【0029】この発明の目的は上記問題点を解決するた
めに、図8で示すτB (台車の始動時を無視した最大ト
ルク)で選定した誘導電動機3とし、この誘導電動機を
用いた制御装置を提供することにある。
めに、図8で示すτB (台車の始動時を無視した最大ト
ルク)で選定した誘導電動機3とし、この誘導電動機を
用いた制御装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】この第1の発明は、イン
バータにより駆動される誘導電動機であって、該電動機
に流れる一次電流を座標変換した該電動機の二次磁束と
平行の座標軸(M軸)成分と、このM軸に直交する座標
軸(T軸)成分とに基づくベクトル制御によって該電動
機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、前
記電動機の速度指令値(ωr * )と速度検出値(ωr )
との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏差を零に
するトルク指令値(τ* )を出力する速度調節器と、前
記速度検出値(ωr )から二次磁束指令値(φ2 * )を
演算して出力する磁束指令演算器と、前記速度検出値
(ωr )の低速領域での二次磁束補正係数を演算して出
力する磁束補正器と、前記二次磁束指令値(φ2 * )と
二次磁束補正係数とを乗算演算し、この演算値を新たな
二次磁束指令値(φ2 **)として出力する乗算器と、前
記トルク指令値(τ* )を二次磁束指令値(φ2 **)で
除算演算し、この演算値をT軸電流指令値(iT * )と
して出力する第1除算器と、前記二次磁束指令値(φ2
**)とT軸電流指令値(iT * )と前記電動機の二次抵
抗値(R2 )とからすべり周波数(ωS )を演算して出
力するすべり周波数演算器と、前記二次磁束指令値(φ
2 **)を前記電動機の励磁インダクタンス(LM )で除
算演算し、この演算値をM軸電流指令値(iM * )とし
て出力する第2除算器と、前記インバータの許容最大出
力電流(i1max)とM軸電流指令値(iM * )とからT
軸電流最大値(iTmax)を演算し、このT軸電流最大値
(iTm ax)とT軸電流定格値(iT100)とから電流制限
レベル値を演算し、前記T軸電流指令値(iT * )を該
電流制限レベル値以内に制限し、この制限値を新たなT
軸電流指令値(iT **)として出力する制限器と、前記
T軸電流指令値(iT **)とT軸電流検出値(iT )と
の偏差を入力し、調節動作によりその入力偏差を零にす
るT軸電圧指令値(vT * )を出力するT軸電流調節器
と、前記M軸電流指令値(iM * )とM軸電流検出値
(iM )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするM軸電圧指令値(vM * )を出力するM軸
電流調節器とを備えたことを特徴とする。
バータにより駆動される誘導電動機であって、該電動機
に流れる一次電流を座標変換した該電動機の二次磁束と
平行の座標軸(M軸)成分と、このM軸に直交する座標
軸(T軸)成分とに基づくベクトル制御によって該電動
機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、前
記電動機の速度指令値(ωr * )と速度検出値(ωr )
との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏差を零に
するトルク指令値(τ* )を出力する速度調節器と、前
記速度検出値(ωr )から二次磁束指令値(φ2 * )を
演算して出力する磁束指令演算器と、前記速度検出値
(ωr )の低速領域での二次磁束補正係数を演算して出
力する磁束補正器と、前記二次磁束指令値(φ2 * )と
二次磁束補正係数とを乗算演算し、この演算値を新たな
二次磁束指令値(φ2 **)として出力する乗算器と、前
記トルク指令値(τ* )を二次磁束指令値(φ2 **)で
除算演算し、この演算値をT軸電流指令値(iT * )と
して出力する第1除算器と、前記二次磁束指令値(φ2
**)とT軸電流指令値(iT * )と前記電動機の二次抵
抗値(R2 )とからすべり周波数(ωS )を演算して出
力するすべり周波数演算器と、前記二次磁束指令値(φ
2 **)を前記電動機の励磁インダクタンス(LM )で除
算演算し、この演算値をM軸電流指令値(iM * )とし
て出力する第2除算器と、前記インバータの許容最大出
力電流(i1max)とM軸電流指令値(iM * )とからT
軸電流最大値(iTmax)を演算し、このT軸電流最大値
(iTm ax)とT軸電流定格値(iT100)とから電流制限
レベル値を演算し、前記T軸電流指令値(iT * )を該
電流制限レベル値以内に制限し、この制限値を新たなT
軸電流指令値(iT **)として出力する制限器と、前記
T軸電流指令値(iT **)とT軸電流検出値(iT )と
の偏差を入力し、調節動作によりその入力偏差を零にす
るT軸電圧指令値(vT * )を出力するT軸電流調節器
と、前記M軸電流指令値(iM * )とM軸電流検出値
(iM )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするM軸電圧指令値(vM * )を出力するM軸
電流調節器とを備えたことを特徴とする。
【0031】また第2の発明は前記誘導電動機の制御装
置において、前記電動機の速度指令値(ωr * )と速度
検出値(ωr )との偏差を入力し、調節動作によりその
入力偏差を零にするトルク指令値(τ* )を出力する速
度調節器と、前記速度検出値(ωr )から二次磁束指令
値(φ2 * )を演算して出力する磁束指令演算器と、前
記トルク指令値(τ* )を二次磁束指令値(φ2 * )で
除算演算し、この演算値をT軸電流指令値(iT * )と
して出力する第1除算器と、前記速度検出値(ωr )の
低速領域での二次抵抗補正係数を演算して出力するR2
補正器と、前記電動機の二次抵抗値(R2 )と二次抵抗
補正係数とを乗算演算し、この演算値を二次抵抗演算値
(R2 * )として出力する乗算器と、前記二次磁束指令
値(φ2 * )とT軸電流指令値(iT * )と二次抵抗演
算値(R2 * )とからすべり周波数(ωS )を演算して
出力するすべり周波数演算器と、前記二次磁束指令値
(φ 2 * )を前記電動機の励磁インダクタンス(LM )
で除算演算し、この演算値をM軸電流指令値(iM * )
として出力する第2除算器と、前記インバータの許容最
大出力電流(i1max)とM軸電流定格値(iM100)とか
らT軸電流最大値(i Tmax)を演算し、このT軸電流最
大値(iTmax)とT軸電流定格値(iT100)とから電流
制限レベル値を演算し、前記T軸電流指令値(iT * )
を該電流制限レベル値以内に制限し、この制限値を新た
なT軸電流指令値(iT **)として出力する制限器と、
前記T軸電流指令値(iT **)とT軸電流検出値
(iT )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするT軸電圧指令値(vT * )を出力するT軸
電流調節器と、前記M軸電流指令値(iM * )とM軸電
流検出値(iM )との偏差を入力し、調節動作によりそ
の入力偏差を零にするM軸電圧指令値(vM * )を出力
するM軸電流調節器とを備えたことを特徴とする。
置において、前記電動機の速度指令値(ωr * )と速度
検出値(ωr )との偏差を入力し、調節動作によりその
入力偏差を零にするトルク指令値(τ* )を出力する速
度調節器と、前記速度検出値(ωr )から二次磁束指令
値(φ2 * )を演算して出力する磁束指令演算器と、前
記トルク指令値(τ* )を二次磁束指令値(φ2 * )で
除算演算し、この演算値をT軸電流指令値(iT * )と
して出力する第1除算器と、前記速度検出値(ωr )の
低速領域での二次抵抗補正係数を演算して出力するR2
補正器と、前記電動機の二次抵抗値(R2 )と二次抵抗
補正係数とを乗算演算し、この演算値を二次抵抗演算値
(R2 * )として出力する乗算器と、前記二次磁束指令
値(φ2 * )とT軸電流指令値(iT * )と二次抵抗演
算値(R2 * )とからすべり周波数(ωS )を演算して
出力するすべり周波数演算器と、前記二次磁束指令値
(φ 2 * )を前記電動機の励磁インダクタンス(LM )
で除算演算し、この演算値をM軸電流指令値(iM * )
として出力する第2除算器と、前記インバータの許容最
大出力電流(i1max)とM軸電流定格値(iM100)とか
らT軸電流最大値(i Tmax)を演算し、このT軸電流最
大値(iTmax)とT軸電流定格値(iT100)とから電流
制限レベル値を演算し、前記T軸電流指令値(iT * )
を該電流制限レベル値以内に制限し、この制限値を新た
なT軸電流指令値(iT **)として出力する制限器と、
前記T軸電流指令値(iT **)とT軸電流検出値
(iT )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするT軸電圧指令値(vT * )を出力するT軸
電流調節器と、前記M軸電流指令値(iM * )とM軸電
流検出値(iM )との偏差を入力し、調節動作によりそ
の入力偏差を零にするM軸電圧指令値(vM * )を出力
するM軸電流調節器とを備えたことを特徴とする。
【0032】この発明によれば、後述の如く、誘導電動
機の始動時の低速領域のみ発生トルクを若干大きくする
ことができ、このベクトル制御による誘導電動機を台車
走行システムに適用したときにも、該誘導電動機の枠番
を大きくする必要がない。
機の始動時の低速領域のみ発生トルクを若干大きくする
ことができ、このベクトル制御による誘導電動機を台車
走行システムに適用したときにも、該誘導電動機の枠番
を大きくする必要がない。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施例
を示す誘導電動機の制御装置の回路構成図であり、図5
に示した従来例回路と同一機能を有するものには同一符
号を付してその説明を省略する。すなわち、図1に示し
た誘導電動機3の制御装置30には速度設定器11,速
度指令演算器12、速度調節器13,磁束指令演算器1
4,除算器15,すべり周波数演算器16,除算器1
7,T軸電流調節器19,M軸電流調節器20,積分器
21,座標変換器22,23の他に、磁束補正器31
と、乗算器32と、制限器18に代わる制限器33とを
備えている。
を示す誘導電動機の制御装置の回路構成図であり、図5
に示した従来例回路と同一機能を有するものには同一符
号を付してその説明を省略する。すなわち、図1に示し
た誘導電動機3の制御装置30には速度設定器11,速
度指令演算器12、速度調節器13,磁束指令演算器1
4,除算器15,すべり周波数演算器16,除算器1
7,T軸電流調節器19,M軸電流調節器20,積分器
21,座標変換器22,23の他に、磁束補正器31
と、乗算器32と、制限器18に代わる制限器33とを
備えている。
【0034】図1において、誘導電動機3の発生トルク
τは式(16)で表される。
τは式(16)で表される。
【0035】
【数16】τ=φ2 ・iT =LM ・iM ・iT …(16) インバータ2が流せる許容最大電流i1maxは一定値であ
るので、式(16)において、誘導電動機3の発生トル
クτをより大きくするには誘導電動機3の二次磁束φ2
を大きくする、すなわち、先述の式(9)の関係により
誘導電動機3のM軸電流iM を大きくし、その分T軸電
流iT を小さくすればよい。
るので、式(16)において、誘導電動機3の発生トル
クτをより大きくするには誘導電動機3の二次磁束φ2
を大きくする、すなわち、先述の式(9)の関係により
誘導電動機3のM軸電流iM を大きくし、その分T軸電
流iT を小さくすればよい。
【0036】図1に示した制御装置30の磁束補正器3
1は図2に示す特性を有し、入力される速度検出器5の
検出値ωr が零(ωr =0)のときは二次磁束補正係数
kをk1 (k1 >1)として出力し、速度検出器5の検
出値ωr が予め設定したω0以上(ωr ≧ω0 )で二次
磁束補正係数kを1.0として出力し、この間(0≦ω
r ≦ω0 )に出力する二次磁束補正係数kは直線的に減
少させている。
1は図2に示す特性を有し、入力される速度検出器5の
検出値ωr が零(ωr =0)のときは二次磁束補正係数
kをk1 (k1 >1)として出力し、速度検出器5の検
出値ωr が予め設定したω0以上(ωr ≧ω0 )で二次
磁束補正係数kを1.0として出力し、この間(0≦ω
r ≦ω0 )に出力する二次磁束補正係数kは直線的に減
少させている。
【0037】すなわち、磁束指令演算器14が出力する
二次磁束指令値φ2 * と、磁束補正器31が出力する二
次磁束補正係数kとを乗算器32で乗算演算し、この乗
算値を新たな二次磁束指令値(φ2 **)とすることによ
り、除算器15が出力するT軸電流指令値iT * が誘導
電動機3の低速領域(0≦ωr ≦ω0 )でより小さくな
り、除算器17が出力するM軸電流指令値iM * が誘導
電動機3の低速領域(0≦ωr ≦ω0 )でより大きくす
ることができる。
二次磁束指令値φ2 * と、磁束補正器31が出力する二
次磁束補正係数kとを乗算器32で乗算演算し、この乗
算値を新たな二次磁束指令値(φ2 **)とすることによ
り、除算器15が出力するT軸電流指令値iT * が誘導
電動機3の低速領域(0≦ωr ≦ω0 )でより小さくな
り、除算器17が出力するM軸電流指令値iM * が誘導
電動機3の低速領域(0≦ωr ≦ω0 )でより大きくす
ることができる。
【0038】さらに制御装置30の制限器33では、M
軸電流指令値iM * を入力し、先述の式(9)に代えて
下記の式(17)の演算を行わせている。
軸電流指令値iM * を入力し、先述の式(9)に代えて
下記の式(17)の演算を行わせている。
【0039】
【数17】 iTmax=〔(i1max)2 −(iM * )2 〕1/2 …(17) 式(17)に示したT軸電流最大値iTmax以上に、イン
バータ2から一次電流i1 を流すと、インバータ2の許
容最大電流をi1maxを超えてしまうので、制限器33で
はT軸電流指令値iT * がT軸電流最大値iTmaxを超え
ないように先述の式(10)に基づく制限レベル値を求
めて制限し、これを新たなT軸電流指令値iT **として
出力している。
バータ2から一次電流i1 を流すと、インバータ2の許
容最大電流をi1maxを超えてしまうので、制限器33で
はT軸電流指令値iT * がT軸電流最大値iTmaxを超え
ないように先述の式(10)に基づく制限レベル値を求
めて制限し、これを新たなT軸電流指令値iT **として
出力している。
【0040】上述の如く、図1に示した誘導電動機3の
制御装置30において、磁束補正器31と乗算器32と
制限器33とを備えることにより、このベクトル制御に
よる誘導電動機3を先述の台車走行システムに適用した
ときにも、誘導電動機3の始動時の低速領域のみ、発生
トルクτを台車走行の必要最大トルクτA (図8参照)
に調整でき、誘導電動機3の枠番を大きくする必要がな
い。
制御装置30において、磁束補正器31と乗算器32と
制限器33とを備えることにより、このベクトル制御に
よる誘導電動機3を先述の台車走行システムに適用した
ときにも、誘導電動機3の始動時の低速領域のみ、発生
トルクτを台車走行の必要最大トルクτA (図8参照)
に調整でき、誘導電動機3の枠番を大きくする必要がな
い。
【0041】図3は、この発明の第2の実施例を示す誘
導電動機の制御装置の回路構成図であり、図5に示した
従来例回路と同一機能を有するものには同一符号を付し
てその説明を省略する。すなわち、図3に示した誘導電
動機3の制御装置40には速度設定器11,速度指令演
算器12、速度調節器13,磁束指令演算器14,除算
器15,すべり周波数演算器16,除算器17,制限器
18,T軸電流調節器19,M軸電流調節器20,積分
器21,座標変換器22,23の他に、R2 補正器41
と、乗算器42とを備えている。
導電動機の制御装置の回路構成図であり、図5に示した
従来例回路と同一機能を有するものには同一符号を付し
てその説明を省略する。すなわち、図3に示した誘導電
動機3の制御装置40には速度設定器11,速度指令演
算器12、速度調節器13,磁束指令演算器14,除算
器15,すべり周波数演算器16,除算器17,制限器
18,T軸電流調節器19,M軸電流調節器20,積分
器21,座標変換器22,23の他に、R2 補正器41
と、乗算器42とを備えている。
【0042】図3に示した制御装置40のR2 補正器4
1は図4に示す特性を有し、入力される速度検出器5の
検出値ωr が零(ωr =0)のときは二次抵抗補正係数
hをh1 (h1 <1)として出力し、速度検出器5の検
出値ωr が予め設定したω0以上(ωr ≧ω0 )で二次
抵抗補正係数hを1.0として出力し、この間(0≦ω
r ≦ω0 )に出力する二次抵抗補正係数hは直線的に増
加させている。
1は図4に示す特性を有し、入力される速度検出器5の
検出値ωr が零(ωr =0)のときは二次抵抗補正係数
hをh1 (h1 <1)として出力し、速度検出器5の検
出値ωr が予め設定したω0以上(ωr ≧ω0 )で二次
抵抗補正係数hを1.0として出力し、この間(0≦ω
r ≦ω0 )に出力する二次抵抗補正係数hは直線的に増
加させている。
【0043】すなわち、誘導電動機3の二次抵抗値R2
と、R2 補正器41が出力する二次抵抗補正係数hとを
乗算器42で乗算演算し、この乗算値を二次抵抗演算値
R2 **としてすべり周波数演算器16に入力している。
このとき、誘導電動機3の実際の二次抵抗値R2 に対し
て、R2 補正器41と乗算器42とによる二次抵抗演算
値R2 **とすることにより、下記式(18),(19)
の関係がある。
と、R2 補正器41が出力する二次抵抗補正係数hとを
乗算器42で乗算演算し、この乗算値を二次抵抗演算値
R2 **としてすべり周波数演算器16に入力している。
このとき、誘導電動機3の実際の二次抵抗値R2 に対し
て、R2 補正器41と乗算器42とによる二次抵抗演算
値R2 **とすることにより、下記式(18),(19)
の関係がある。
【0044】
【数18】 R2 ・iT /(LM ・iM ) =R2 **・iT ’/(LM ・iM ’) …(18)
【0045】
【数19】 〔(iT )2 +(iM )2 〕1/2 =〔(iT ’)2 +(iM ’)2 〕1/2 …(19) すなわち、上記式(18),(19)において、二次抵
抗演算値R2 **を誘導電動機3の低速領域(0≦ωr ≦
ω0 )で該電動機の二次抵抗値R2 より小さい値にする
ことで、制御装置40の内部で演算されるT軸電流iT
より小さい値のT軸電流iT ’が実際に誘導電動機3に
流れ、同様に、制御装置40の内部で演算されるM軸電
流iM より大きな値のM軸電流iM ’が実際に誘導電動
機3に流れることにより、このベクトル制御による誘導
電動機3を先述の台車走行システムに適用したときに
も、誘導電動機3の始動時の低速領域のみ、発生トルク
τを台車走行の必要最大トルクτA (図8参照)に調整
でき、誘導電動機3の枠番を大きくする必要がない。
抗演算値R2 **を誘導電動機3の低速領域(0≦ωr ≦
ω0 )で該電動機の二次抵抗値R2 より小さい値にする
ことで、制御装置40の内部で演算されるT軸電流iT
より小さい値のT軸電流iT ’が実際に誘導電動機3に
流れ、同様に、制御装置40の内部で演算されるM軸電
流iM より大きな値のM軸電流iM ’が実際に誘導電動
機3に流れることにより、このベクトル制御による誘導
電動機3を先述の台車走行システムに適用したときに
も、誘導電動機3の始動時の低速領域のみ、発生トルク
τを台車走行の必要最大トルクτA (図8参照)に調整
でき、誘導電動機3の枠番を大きくする必要がない。
【0046】
【発明の効果】この発明によれば、上述の如く、誘導電
動機の始動時の低速領域のみ、発生トルクを若干大きく
することができ、このベクトル制御による誘導電動機を
エレベータの巻上機などの台車走行システムに適用した
ときにも、該誘導電動機の枠番を大きくする必要がな
く、価格の上昇も抑制できる。
動機の始動時の低速領域のみ、発生トルクを若干大きく
することができ、このベクトル制御による誘導電動機を
エレベータの巻上機などの台車走行システムに適用した
ときにも、該誘導電動機の枠番を大きくする必要がな
く、価格の上昇も抑制できる。
【図1】この発明の第1の実施例を示す誘導電動機の制
御装置の回路構成図
御装置の回路構成図
【図2】図1に示した磁束補正器の動作を説明する特性
図
図
【図3】この発明の第2の実施例を示す誘導電動機の制
御装置の回路構成図
御装置の回路構成図
【図4】図3に示したR2 補正器のの動作を説明する特
性図
性図
【図5】従来例を示す誘導電動機の制御装置の回路構成
図
図
【図6】図5の動作を説明する誘導電動機の特性図
【図7】図5の動作を説明する誘導電動機の特性図
【図8】図5の動作を説明する台車走行システムの特性
図
図
1…交流電源、2…インバータ、3…誘導電動機、4…
負荷、5…速度検出器、6…電流検出器、10…制御装
置、11…速度設定器、12…速度指令演算器、13…
速度調節器、14…磁束指令演算器、15…除算器、1
6…すべり周波数演算器、17…除算器、18…制限
器、19…T軸電流調節器、20…M軸電流調節器、2
1…積分器、22,23…座標変換器、30…制御装置
30、31…磁束補正器、32…乗算器、33…制限器
33、40…制御装置、41…R2補正器、42…乗算
器。
負荷、5…速度検出器、6…電流検出器、10…制御装
置、11…速度設定器、12…速度指令演算器、13…
速度調節器、14…磁束指令演算器、15…除算器、1
6…すべり周波数演算器、17…除算器、18…制限
器、19…T軸電流調節器、20…M軸電流調節器、2
1…積分器、22,23…座標変換器、30…制御装置
30、31…磁束補正器、32…乗算器、33…制限器
33、40…制御装置、41…R2補正器、42…乗算
器。
Claims (2)
- 【請求項1】インバータにより駆動される誘導電動機で
あって、該電動機に流れる一次電流を座標変換した該電
動機の二次磁束と平行の座標軸(M軸)成分と、このM
軸に直交する座標軸(T軸)成分とに基づくベクトル制
御によって該電動機を可変速制御する誘導電動機の制御
装置において、 前記電動機の速度指令値(ωr * )と速度検出値
(ωr )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするトルク指令値(τ* )を出力する速度調節
器と、 前記速度検出値(ωr )から二次磁束指令値(φ2 * )
を演算して出力する磁束指令演算器と、 前記速度検出値(ωr )の低速領域での二次磁束補正係
数を演算して出力する磁束補正器と、 前記二次磁束指令値(φ2 * )と二次磁束補正係数とを
乗算演算し、この演算値を新たな二次磁束指令値(φ2
**)として出力する乗算器と、 前記トルク指令値(τ* )を二次磁束指令値(φ2 **)
で除算演算し、この演算値をT軸電流指令値(iT * )
として出力する第1除算器と、 前記二次磁束指令値(φ2 **)とT軸電流指令値(iT
* )と前記電動機の二次抵抗値(R2 )とからすべり周
波数(ωS )を演算して出力するすべり周波数演算器
と、 前記二次磁束指令値(φ2 **)を前記電動機の励磁イン
ダクタンス(LM )で除算演算し、この演算値をM軸電
流指令値(iM * )として出力する第2除算器と、 前記インバータの許容最大出力電流(i1max)とM軸電
流指令値(iM * )とからT軸電流最大値(iTmax)を
演算し、このT軸電流最大値(iTmax)とT軸電流定格
値(iT100)とから電流制限レベル値を演算し、前記T
軸電流指令値(iT * )を該電流制限レベル値以内に制
限し、この制限値を新たなT軸電流指令値(iT **)と
して出力する制限器と、 前記T軸電流指令値(iT **)とT軸電流検出値
(iT )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするT軸電圧指令値(vT * )を出力するT軸
電流調節器と、 前記M軸電流指令値(iM * )とM軸電流検出値
(iM )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするM軸電圧指令値(vM * )を出力するM軸
電流調節器とを備えたことを特徴とする誘導電動機の制
御装置。 - 【請求項2】インバータにより駆動される誘導電動機で
あって、該電動機に流れる一次電流を座標変換した該電
動機の二次磁束と平行の座標軸(M軸)成分と、このM
軸に直交する座標軸(T軸)成分とに基づくベクトル制
御によって該電動機を可変速制御する誘導電動機の制御
装置において、 前記電動機の速度指令値(ωr * )と速度検出値
(ωr )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするトルク指令値(τ* )を出力する速度調節
器と、 前記速度検出値(ωr )から二次磁束指令値(φ2 * )
を演算して出力する磁束指令演算器と、 前記トルク指令値(τ* )を二次磁束指令値(φ2 * )
で除算演算し、この演算値をT軸電流指令値(iT * )
として出力する第1除算器と、 前記速度検出値(ωr )の低速領域での二次抵抗補正係
数を演算して出力するR2 補正器と、 前記電動機の二次抵抗値(R2 )と二次抵抗補正係数と
を乗算演算し、この演算値を二次抵抗演算値(R2 * )
として出力する乗算器と、 前記二次磁束指令値(φ2 * )とT軸電流指令値(iT
* )と二次抵抗演算値(R2 * )とからすべり周波数
(ωS )を演算して出力するすべり周波数演算器と、 前記二次磁束指令値(φ2 * )を前記電動機の励磁イン
ダクタンス(LM )で除算演算し、この演算値をM軸電
流指令値(iM * )として出力する第2除算器と、 前記インバータの許容最大出力電流(i1max)とM軸電
流定格値(iM100)とからT軸電流最大値(iTmax)を
演算し、このT軸電流最大値(iTmax)とT軸電流定格
値(iT100)とから電流制限レベル値を演算し、前記T
軸電流指令値(iT * )を該電流制限レベル値以内に制
限し、この制限値を新たなT軸電流指令値(iT **)と
して出力する制限器と、 前記T軸電流指令値(iT **)とT軸電流検出値
(iT )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするT軸電圧指令値(vT * )を出力するT軸
電流調節器と、 前記M軸電流指令値(iM * )とM軸電流検出値
(iM )との偏差を入力し、調節動作によりその入力偏
差を零にするM軸電圧指令値(vM * )を出力するM軸
電流調節器とを備えたことを特徴とする誘導電動機の制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9354951A JPH11187700A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 誘導電動機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9354951A JPH11187700A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 誘導電動機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11187700A true JPH11187700A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18441001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9354951A Pending JPH11187700A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 誘導電動機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11187700A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1128545A3 (en) * | 2000-02-24 | 2002-04-24 | Hitachi, Ltd. | Speed controlling method for induction motor |
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