JPH11184297A - 定着ロール用クリーニングシート、定着ロール用クリーニング材、及び定着ロール用クリーニング装置 - Google Patents

定着ロール用クリーニングシート、定着ロール用クリーニング材、及び定着ロール用クリーニング装置

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JPH11184297A
JPH11184297A JP36420897A JP36420897A JPH11184297A JP H11184297 A JPH11184297 A JP H11184297A JP 36420897 A JP36420897 A JP 36420897A JP 36420897 A JP36420897 A JP 36420897A JP H11184297 A JPH11184297 A JP H11184297A
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JP
Japan
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fiber
fixing roll
cleaning sheet
amount
cleaning
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JP36420897A
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English (en)
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Masahiro Nakajima
正博 中島
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー量が多い場合であってもオフセット防
止性に優れる定着ロール用クリーニングシート、定着ロ
ール用クリーニング材、定着ロール用クリーニング装置
を提供すること、及び好適には定着ロールに十分な量の
離型剤を塗布することもできる定着ロール用クリーニン
グシート、定着ロール用クリーニング材、定着ロール用
クリーニング装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の定着ロール用クリーニングシー
トは、繊維量の少ない領域と繊維量の多い領域とを有す
る繊維シートからなる。本発明の定着ロール用クリーニ
ング材及び定着ロール用クリーニング装置は上記のクリ
ーニングシートを使用したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定着ロール用クリー
ニングシート、定着ロール用クリーニング材、及び定着
ロール用クリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、レーザービームプリンター、フ
ァクシミリなどの電子写真装置においては、従来から、
定着ロールと加圧ロールとの間に、未定着トナー像を担
持した紙などの複写シートを通し、熱及び圧力の作用に
より、複写シート表面にトナーを定着していた。そのた
め、定着ロール及び/又は加圧ロール表面に未定着トナ
ーが転写され、そのトナーが複写シートの後端部又は次
に通過する複写シートへ再度転写されて複写シートを汚
す、いわゆるオフセットという問題があった。
【0003】そのため、この定着ロール及び/又は加圧
ロール表面に転写された未定着トナーを除去するため
に、芳香族ポリアミド繊維を未延伸ポリエチレンテレフ
タレート繊維で固定した不織布に、シリコーンオイルな
どの離型剤を含浸させたクリーニングシート1aを、巻
き出しシャフト2aに巻回し、しかもこのクリーニング
シート1aの他端を巻き取りシャフト3aに固定したク
リーニング材が知られている(図1参照)。このクリー
ニング材は巻き出しシャフト2aからクリーニングシー
ト1aが巻き出され、この巻き出されたクリーニングシ
ート1aは押圧手段4aによって定着ロール5aに押圧
された後、巻き取りシャフト3aで巻き取られるように
作動する。このクリーニング材は耐熱性や払拭性などに
優れるものであったが、オフセットを完全に防止するこ
とができない場合があった。例えば、近年開発されたカ
ラー複写機のように、多種類のトナーを複写シートに多
量に担持させた場合には、定着ロール及び/又は加圧ロ
ール表面に転写される未定着トナー量も大幅に増加する
が、このような場合に上記のクリーニングシートではこ
の大量の未定着トナーを払拭し、保持することが困難で
あり、オフセットを生じる場合があった。
【0004】他方、トナーが定着ロールへ転写されにく
いように、及びトナーの離型性を高めるために、特開平
6−289746号公報においては、定着ロールへの押
圧手段として離型剤を供給することのできるロールを開
示し、特開平8−190297号公報においては、定着
ロールへの押圧手段として離型剤を供給することのでき
るブラシを開示している。しかしながら、これらの方法
により離型剤を付加的に供給したとしても、クリーニン
グシートによって保持される量も多いため、定着ロール
に十分な量の離型剤を塗布することができなかったり、
十分な量の離型剤を定着ロールに塗布するためには大量
の離型剤が必要となるなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、トナー量が多い
場合であってもオフセット防止性に優れる定着ロール用
クリーニングシート、定着ロール用クリーニング材、定
着ロール用クリーニング装置を提供すること、及び、好
適には定着ロールに十分な量の離型剤を塗布することも
できる定着ロール用クリーニングシート、定着ロール用
クリーニング材、定着ロール用クリーニング装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の定着ロール用ク
リーニングシート(以下、単に「クリーニングシート」
という)は、繊維量の少ない領域と繊維量の多い領域と
を有する繊維シートからなり、繊維量の多い領域によっ
て払拭されたトナーを繊維量の少ない領域を通じてクリ
ーニングシートの内部及び裏面へと拡散して保持できる
ため、未定着トナー量が多くなってもオフセットを生じ
にくい。また、本発明のクリーニングシートに対して付
加的に離型剤を供給すると、繊維量の少ない領域を通じ
て離型剤を定着ロール表面へ塗布することができるた
め、十分な量の離型剤を定着ロールへ塗布することがで
きる。
【0007】本発明の定着ロール用クリーニング材は上
記のクリーニングシートがシャフトに巻回されており、
このクリーニングシートの他端が別のシャフトに固定さ
れている。そのため、常に新しいクリーニングシートと
定着ロール表面とを接触させることができ、オフセット
防止性に優れている。
【0008】本発明の定着ロール用クリーニング装置は
上記の定着ロール用クリーニング材から定着ロール用ク
リーニングシートを巻き出し、押圧手段によりこの定着
ロール用クリーニングシートを定着ロールに押圧した
後、この定着ロール用クリーニングシートを巻き取る機
構を有する。そのため、常に新しいクリーニングシート
と定着ロール表面とを接触させることができ、オフセッ
ト防止性に優れている。
【0009】本発明の別の定着ロール用クリーニング装
置は、上記の定着ロール用クリーニング材から定着ロー
ル用クリーニングシートを巻き出し、押圧供給手段によ
りこの定着ロール用クリーニングシートを定着ロールに
押圧すると同時に、定着ロール用クリーニングシートに
離型剤を供給した後、この定着ロール用クリーニングシ
ートを巻き取る機構を有するものである。そのため、大
量の離型剤を定着ロール表面に塗布することができ、大
量のトナーを使用するカラー複写機などのクリーニング
装置として使用しても、オフセットを生じにくい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のクリーニングシートを構
成する繊維シートとしては、織物、編物、不織布、或い
はこれらの複合体であることができる。これらの中でも
繊維が三次元的に配置していることによって形成される
微細孔によって、トナーの保持性及び払拭性に優れてい
る不織布であるのが好ましい。以下、不織布をもとに説
明する。
【0011】本発明のクリーニングシートは繊維量の少
ない領域と繊維量の多い領域とを有し、繊維量の多い領
域を構成する繊維によって払拭されたトナーは繊維量の
少ない領域を通じてクリーニングシート内部及び裏面へ
と拡散して保持されるため、未定着トナー量が多くなっ
てもオフセットを生じにくい。また、クリーニングシー
トに対して付加的に離型剤を供給すると、繊維量の少な
い領域を通じて離型剤を定着ロール表面へ塗布すること
ができるため、十分な量の離型剤を定着ロールに塗布す
ることができる。
【0012】この繊維量の少ない領域は上記のような働
きをする領域であるため、エンボス処理を実施するなど
して部分的にフィルム化したような領域は、上記のよう
な作用をしないため、本発明の繊維量の少ない領域には
該当しない。
【0013】この繊維量の少ない領域は繊維量の多い領
域よりも繊維量が少ないというだけで、量的な限定は特
にないが、払拭したトナーの拡散性及び付加的な離型剤
の供給性に優れるように、繊維量が0であるのが最も好
ましい。
【0014】この繊維量の少ない領域の大きさは特に限
定するものではないが、繊維量の少ない領域1つあたり
の大きさは、トナーの保持性及び離型剤の塗布性に優れ
るように0.07mm2以上であるのが好ましく、払拭
性が悪くなり過ぎないように、またクリーニングシート
の強度が著しく低下しないように、5mm2以下である
のが好ましく、0.2〜3mm2であるのがより好まし
い。
【0015】なお、クリーニングシートの長さ方向にお
ける繊維量の少ない領域の長さは、クリーニングシート
が定着ロール表面に押圧され、クリーニングシートの繊
維量の多い領域におけるトナーの払拭性に優れるよう
に、クリーニングシートの定着ロールへの押圧手段又は
押圧供給手段の作用幅よりも短いのが好ましく、より好
ましくは作用幅の0.5倍以下であるのが好ましい。ま
た、トナーの保持性に優れるように、押圧手段又は押圧
供給手段の作用幅の0.05倍以上であるのが好まし
い。より具体的には、一般的にクリーニングシートの定
着ロールへの押圧手段又は押圧供給手段の作用幅は3m
m程度であるため、クリーニングシートの長さ方向にお
ける繊維量の少ない領域の長さは0.15〜3mmであ
るのが好ましく、0.15〜1.5mmであるのがより
好ましい。
【0016】この繊維量の少ない領域のクリーニングシ
ート全体に対して占める面積比率は10〜60%である
のが好ましい。10%未満であると、トナーの保持性が
低下する傾向にあり、60%を超えると、払拭性が低下
しやすく、またクリーニングシートの強度が著しく低下
する場合があるためで、20〜50%であるのがより好
ましい。
【0017】本発明の繊維量の少ない領域はどのように
配置していても良いが、規則正しく配置していると、ト
ナーの払拭性や離型剤の塗布性にバラツキが生じにくい
ため好適である。この規則正しい配置状態として、例え
ば、市松模様状、千鳥状などがあり、これらの中でも定
着ロール表面及び/又は加圧ロール表面全体と接触可能
な千鳥状であるのがより好適である。
【0018】また、繊維量の少ない領域の形状も特に限
定するものではないが、例えば、円形状、楕円形状、長
円形状、或いは多角形状(例えば、三角形状、四角形
状、六角形状など)であることができる。
【0019】他方、本発明のクリーニングシートの繊維
量の多い領域は前述の繊維量の少ない領域の残余領域で
あり、繊維量の少ない領域によって定まるため、詳細な
説明は省略する。
【0020】本発明のクリーニングシートは形態安定性
に優れるように、部分的又は全面的に接着されているの
が好ましく、全面的に接着されていると、定着ロールと
接触しても収縮しにくく、離型剤の塗布ムラが生じにく
いため好適である。この接着はエマルジョンなどの接着
剤により実施しても良いが、定着ロールに余計なものが
転写されることがないように、クリーニングシートを構
成する接着性繊維により接着するのが好ましい。
【0021】この接着性繊維としてはトナーを保持でき
る微細孔を閉鎖しにくく、しかもクリーニングシート全
体に均一に分散するように、繊維径が30μm以下であ
るのが好ましく、25μm以下であるのがより好まし
い。なお、本発明において、繊維が非円形断面形状を有
する場合には、非円形断面積と同じ面積を有する円の直
径を繊維径とみなす。
【0022】なお、接着性繊維の繊維径が細くても含有
量が多いと、微細孔が閉鎖される傾向があるため、クリ
ーニングシート中の含有量は70mass%以下である
のが好ましく、60mass%以下であるのがより好ま
しい。他方、クリーニングシートの形態安定性に優れる
ように、10mass%以上含有しているのが好まし
く、20mass%以上含有しているのがより好まし
い。
【0023】この接着性繊維としては、例えば、定着ロ
ールと接触しても接着力を維持できる、未延伸ポリエチ
レンテレフタレート繊維、未延伸ポリブチレンテレフタ
レート繊維、未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維、
6ナイロンや66ナイロンなどのナイロン系未延伸繊維
などを使用できる。これらの中でも未延伸ポリエチレン
テレフタレート繊維は(1)融点が255℃と高く、定
着ロールと接触しても接着力が低下してクリーニングシ
ートが破断するということがない、(2)接着する際の
温度が比較的低温かつ接着温度範囲が広いため製造しや
すい、という理由から好適に使用することができる。
【0024】なお、接着性繊維の断面形状は円形である
必要はなく、三角形、四角形などの多角形状や、Y形
状、X形状のアルファベット形状や、楕円形状や長円形
状などの非円形であっても良い。
【0025】本発明のクリーニングシートは上述の接着
性繊維以外に、定着ロールと接触した際に軟化変形可能
な軟化繊維を含んでいるのが好ましい。この軟化繊維は
定着ロールと接触した際に軟化変形可能であるため、ク
リーニングシートと定着ロールとの接触面積が広くなっ
て、トナーの払拭性が向上したり、定着ロールを損傷し
にくくなる。なお、クリーニングシートが離型剤を含有
している場合には、クリーニングシートの厚さを減じる
ことによって離型剤を押し出すことができるため、定着
ロールに多量の離型剤を塗布することが可能になる、と
いう特長も生じる。
【0026】この軟化繊維は定着ロールと接触する前に
軟化変形することがないように、定着ロール設置箇所の
雰囲気温度以上の軟化温度を有し、しかも定着ロールに
押圧されることによって軟化変形できるように、定着ロ
ールの表面温度よりも100℃高い温度以下の軟化温度
を有するのが好ましい。例えば、定着ロールの表面温度
が200℃で、定着ロール設置箇所の雰囲気温度が15
0℃程度の場合には、150〜300℃の範囲内の軟化
温度を有する軟化繊維を使用する。なお、軟化温度は繊
維に一定荷重(0.01g/d以下)をかけながら、1
℃/分の割合で昇温させ、急激に収縮した時の温度をい
う。
【0027】このような軟化繊維としては、例えば、6
ナイロン繊維や66ナイロン繊維などのポリアミド系繊
維、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維や延伸ポリブ
チレンテレフタレート繊維などのポリエステル系繊維、
アクリル系繊維、ビニロン系繊維、延伸ポリフェニレン
サルファイド繊維などを使用できる。これらの中でも、
延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を好適に使用でき
る。
【0028】また、例えば、ポリアミド系樹脂とポリエ
ステル系樹脂の二成分からなる、機械的及び/又は化学
的に分割可能な分割性繊維を分割して、ポリアミド系極
細繊維とポリエステル系極細繊維とを発生させると、よ
り小さな微細孔を形成でき、トナーの払拭性や離型剤の
保持性に優れているため、軟化繊維として好適に使用で
きる。このような分割性繊維としては、例えば、海島型
繊維、多重バイメタル型繊維、或いはオレンジ型繊維が
ある。
【0029】このような軟化繊維の繊維径は微細孔を形
成しやすいように、14μm以下であるのが好ましく、
13μm以下であるのがより好ましい。なお、軟化繊維
の断面形状は円形である必要はなく、多角形状(例え
ば、三角形、四角形など)やアルファベット形状(例え
ば、Y形状、X形状など)、楕円形状や長円形状などの
非円形であっても良い。
【0030】このような軟化繊維はトナーの払拭性に優
れ、定着ロールを損傷しにくいように、5%〜70%含
んでいるのが好ましい。なお、前述の接着性繊維も軟化
繊維として作用する場合があるが、前述のような接着性
繊維は軟化繊維とはみなさない。
【0031】上述のような繊維以外に、200℃におけ
る収縮率が2%以下の繊維(以下、「低収縮性繊維」と
いう)を含んでいると、クリーニングシートが定着ロー
ルと接触した際に収縮しにくい。そのため、厚みを増し
て摩擦抵抗が大きくなって定着ロールを傷つけるという
ことがなく、また、シート長が短くなって使用期間が短
くなるということもない。なお、収縮率は、繊維に一定
荷重(0.01g/d以下)をかけ、200℃の雰囲気
下で20分間放置した後の寸法変化率をいう。
【0032】この低収縮性繊維としては、例えば、メタ
型又はパラ型の芳香族ポリアミド繊維、ポリアミドイミ
ド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、芳香族ポリ
エーテルアミド繊維、ポリベンツイミダゾール繊維、ポ
リフェニレンサルファイド繊維、芳香族ポリエステル繊
維、或いは、前述の軟化繊維を弛緩熱処理により既に収
縮した繊維などを1種類以上使用できる。これらの中で
も芳香族ポリアミド繊維は収縮しにくいこと以外に、耐
熱性やトナーの払拭性にも優れているため好適に使用で
きる。
【0033】この低収縮性繊維はクリーニングシートが
収縮しにくいように、クリーニングシート中、5mas
s%以上含まれているのが好ましく、10mass%以
上含まれているのがより好ましい。他方、他の繊維との
兼ね合いから、70mass%以下であるのが好まし
い。
【0034】この低収縮性繊維の繊維径は微細孔を形成
しやすいように、14μm以下であるのが好ましく、1
3μm以下であるのがより好ましい。なお、低収縮性繊
維の断面形状は円形断面である必要はなく、多角形状
(例えば、三角形、四角形など)、アルファベット形状
(例えば、Y形状、X形状など)、楕円形状や長円形状
などの非円形であっても良い。また、低収縮性繊維が非
円形断面形状を有する芳香族ポリアミド繊維であると、
トナーの払拭性及び保持性に優れているため好適であ
る。
【0035】本発明のクリーニングシートは上述のよう
な繊維から構成されるのが好ましいが、トナーの払拭性
及びトナーの保持性に優れるように、クリーニングシー
ト構成繊維の平均繊維径が14μm以下であるのが好ま
しく、13μm以下であるのがより好ましい。また、ク
リーニングシート構成繊維の平均繊維長は1〜160m
m程度であるのが好ましく、25〜110mmであるの
がより好ましい。なお、平均繊維径は無作為に選んだ繊
維100本の繊維径の平均値をいい、平均繊維長は無作
為に選んだ繊維100本の繊維長の平均値をいう。
【0036】本発明のクリーニングシートの製造方法に
ついて簡単に述べる。まず、上述のような繊維を含む繊
維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法として
は、例えば、カード法、エアレイ法などの乾式法や、湿
式法などがある。なお、カード法により長さ方向に配向
させた繊維ウエブを含んでいると、クリーニングシート
の長さ方向における強度を強くすることができ、クリー
ニングシート使用中に破断しにくいため好適である。な
お、繊維ウエブは一層である必要はなく、二層以上積層
しても良い。
【0037】次いで、この繊維ウエブを構成する繊維を
再配列させて、繊維量の少ない領域と多い領域とを形成
する。この再配列方法としては、例えば、開口部を有す
る支持体上に繊維ウエブを載置した後、この繊維ウエブ
に対して水流などの流体流を噴出する方法がある。この
流体流の噴出圧力を高くすれば、本発明において好適で
ある繊維量が0の領域を有するクリーニングシートを製
造することができる。なお、この流体流の作用により繊
維が絡合されて繊維の自由度が小さくなるため収縮しに
くく、しかもより小さな微細孔を有するクリーニングシ
ートを製造することができる。
【0038】より具体的には、例えば、ノズル径0.0
5〜0.3mm、好適には0.08〜0.2mm、ピッ
チ0.2〜3mm、好適には0.4〜2mmで、一列又
は二列以上に配列されたノズルプレートから、圧力0.
1〜30MPa、好適には0.5〜20MPaの流体を
噴出する。このような流体流は1回以上、繊維ウエブの
両面又は片面に対して噴出する。
【0039】この繊維ウエブに対して流体流を噴出する
際に、繊維ウエブを支持する支持体を適宜選択すること
によって、所望のクリーニングシートを製造することが
できる。つまり、繊維ウエブに対して流体流を噴出する
と、支持体の非開口部に存在していた繊維が流体流によ
って押し避けられて、支持体の開口部へと移動するた
め、所望の繊維量の少ない領域に相当する非開口部を有
する支持体を使用することによって、所望のクリーニン
グシートを製造することができる。
【0040】例えば、線径0.71mm、目開き1.1
68mm(14メッシュ)で、開口部が市松模様状に配
置したネット状支持体上に、このネット状支持体の打ち
込み方向に対して45°の角度となるように繊維ウエブ
を載置し、この繊維ウエブに対して圧力7MPa以上の
流体流を噴出すれば、不織布の長さ方向における繊維量
が0の領域の長さが約1mm、不織布の幅方向における
繊維量が0の領域の長さが約0.5mm、1つあたりの
面積が約0.45mm2で長円形状の繊維量0の領域が
千鳥状に配置した、繊維量が0の領域の占める面積比率
(不織布全体に対して)が約30%の不織布を製造する
ことができる。
【0041】なお、流体流による繊維の再配列は一種類
の支持体で実施するのではなく、最初に目の粗い支持体
を使用して再配列させた後、更に目の細かい支持体を使
用して再々配列させるなど、二種類以上の支持体を使用
しても良い。また、実質的に繊維の再配列が生じない目
の細かい支持体を使用し、あらかじめ絡合した後に目の
粗い支持体を使用して再配列しても良い。
【0042】このように再配列されて繊維量の少ない領
域と繊維量の多い領域とを有する不織布をクリーニング
シートとして使用しても良いが、より収縮しにくいよう
に、接着性繊維を接着するのが好ましい。この接着は部
分的であっても良いが、より収縮しにくいように、全面
的に接着するのがより好ましい。
【0043】この接着方法としては、例えば、加熱した
カレンダーロール間に再配列した不織布を通したり、平
板プレス機により再配列した不織布を加熱加圧すること
により実施できるが、前者の方法であると連続生産性に
優れている。このカレンダーロール間を通す場合の条件
としては、十分に接着でき、かつ厚みを調整できるよう
に、温度170〜250℃、線圧98〜980N/cm
で実施するのが好ましく、温度190〜230℃、線圧
294〜686N/cmで実施するのがより好ましい。
【0044】本発明のクリーニングシートの別の製造方
法としては、例えば、図2に模式的断面図を示すよう
に、付根部分における断面形状がクリーニングシートの
繊維量が0の領域の形状と同じである突起7aを多数担
持したロール7と、この突起7aを挿入可能な窪み8a
を有するロール8とからなる一対のロールを使用し、少
なくとも一方のロールを接着性繊維が接着可能な温度ま
で加熱した後、これらロール7、8間に、上述の繊維ウ
エブ6を供給することにより、繊維量が0の領域の形成
と接着性繊維の接着とを同時に実施して、一工程で本発
明のクリーニングシートを製造することができる。つま
り、前記突起7aが繊維を強制的に排除しながら貫通し
て繊維量が0の領域を形成すると同時に、突起7aの不
存在箇所で接着性繊維を接着する。
【0045】この突起7aは繊維をフィルム化すること
がないように、鋭利な先端部を有するのが好ましい。ま
た、突起7aの付根の大きさ、隣接する突起との距離、
突起7aのロール7表面全体に対して占める面積比率、
突起7aの配置状態、及び突起7aの付根の形状を適宜
設定することによって、容易に所望のクリーニングシー
トを製造することができる。
【0046】なお、ロール7、8間の設定条件として
は、温度170〜250℃、線圧98〜980N/cm
で実施するのが好ましく、温度190〜230℃、線圧
294〜686N/cmで実施するのがより好ましい。
なお、図2に示す態様は一対のロールからなる態様であ
るが、少なくとも一方のロールが平板状であったり、少
なくとも一つのロールがベルト状であっても、同様に本
発明のクリーニングシートを製造することができる。
【0047】以上のようにして製造できるクリーニング
シートの厚さ(繊維量の多い領域における厚さ)は20
〜120μmであるのが好ましく、40〜90μmであ
るのがより好ましい。なお、面密度は10〜60g/m
2であるのが好ましい。
【0048】本発明のクリーニングシートは離型剤を含
有していなくても良いが、定着ロール表面に傷をつけな
いように、離型剤を含有しているのが好ましい。離型剤
を含有させる場合には、クリーニングシートに離型剤を
含浸したり、スプレーしたり、或いは塗布すれば良い。
【0049】この離型剤としては、例えば、メチルシリ
コーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、エチルシリ
コーンオイル、フェニルシリコーンオイル、アミノ変性
シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、
3,3,3−トリフロロプロピルシリコーンオイルなどの
シリコーンオイルを使用することができる。これらの中
でも、ジメチルシリコーンオイルはトナーの離型性に優
れているため好適に使用でき、3,3,3−トリフロロプ
ロピルシリコーンオイルは表面張力が小さく、定着ロー
ル表面での拡散性に優れているため好適に使用できる。
【0050】この離型剤の含有量はクリーニングシート
の厚さ(繊維量の多い領域における厚さ)などによって
異なるが、100g/m2以下であるのが好ましい。ま
た、離型剤の粘度は定着ロール及び/又は加圧ロールで
の拡散性に優れるように、100〜60,000センチ
ストークスであるのが好ましい。
【0051】本発明のクリーニング材は上述のようなク
リーニングシートがシャフトに巻回されており、このク
リーニングシートの他端が別のシャフトに固定されたも
のである。そのため、本発明のクリーニング材はシャフ
トから順次クリーニングシートを巻き出すことによっ
て、常に新しいクリーニングシートを定着ロールと接触
させることができるため、オフセット防止性に優れてい
る。
【0052】なお、クリーニングシートのシャフトへの
固定方法としては、例えば、(1)両面テープによる固
定、(2)ホットメルト樹脂などの接着樹脂による固
定、(3)シャフトが熱可塑性樹脂からなる場合にはク
リーニングシートとの熱接着による固定、(4)シャフ
トにピンなどを設置し、クリーニングシートを差し込む
ことによる固定、(5)シャフトに溝を形成し、その溝
にクリーニングシートを差し込むことによる固定、など
がある。なお、上記(1)〜(3)の方法により固定す
る場合には、シャフトの全面に固定しても良いし、部分
的に固定しても良い。また、巻き出しシャフト側におい
ては、クリーニングシートを必ずしも固定する必要はな
く、シャフトに単に巻き込むだけでも良い。
【0053】本発明のクリーニング装置の1つは、上述
のクリーニング材からクリーニングシートを巻き出し、
押圧手段によってこのクリーニングシートを定着ロール
に押圧した後、このクリーニングシートを巻き取る機構
を有するものである。このクリーニング装置について図
3をもとに説明すると、例えば離型剤を含有するクリー
ニングシート1bは巻き出しシャフト2bから巻き出さ
れ、押圧手段4bにより定着ロール5bに押圧される。
この際、主として繊維量の多い領域によってトナーが払
拭され、この払拭されたトナーは主として繊維量の少な
い領域を通じてクリーニングシート1bの内部及び裏面
へと移動して保持される。また、押圧手段4bの押圧に
よって定着ロール5bに離型剤が塗布される。なお、ク
リーニングシート1bが軟化繊維を含んでいる場合に
は、定着ロール5bの熱及び押圧手段4bによる圧力に
よって軟化繊維が軟化変形する。そのため、トナーの払
拭性が向上し、また離型剤を押し出して定着ロール5b
に離型剤を塗布する。その後、押圧されたクリーニング
シート1bは巻き取りシャフト3bによって巻取られ
る。
【0054】クリーニングシート1bの押圧手段4bと
しては、断面形状が円形状や多角形状(例えば、四角
形、六角形など)の棒状体やR面を持つ板状体からなる
のが好ましく、均一に押圧できる円形状の棒状体である
のがより好ましい。この押圧手段4bは弾性及び耐熱性
に優れているのが好ましいため、例えば、発泡又は無発
泡のシリコーンゴムなどからなるのが好ましい。なお、
この押圧手段4bによる押圧力はトナーの払拭性に優れ
るように、押圧手段4bと定着ロール5bとの作用幅
(ニップ幅)が3mm以下となるような押圧力であるの
が好ましい。
【0055】また、クリーニングシートが離型剤を含有
しているかしていないかに関わらず、クリーニングシー
トに対して離型剤を付与できる手段を備えていても良
い。この離型剤を付与する手段としては、例えば、図4
に示すように、少なくとも一方が離型剤貯蔵ロールであ
る一対のロール9による方法、1本の離型剤貯蔵ロール
による方法、少なくとも一方が離型剤貯蔵浴などから供
給された離型剤を転写できるロールである一対のロール
による方法、離型剤貯蔵浴などから供給された離型剤を
転写できる1本のロールによる方法、或いは離型剤貯蔵
浴などから供給された離型剤を転写できる1つ以上のブ
ラシによる方法などがある。
【0056】本発明の別のクリーニング装置は上述のク
リーニング材からクリーニングシートを巻き出し、押圧
供給手段によりこのクリーニングシートを定着ロールに
押圧すると同時に、クリーニングシートに離型剤を供給
した後、このクリーニングシートを巻き取る機構を有す
るものである。このクリーニング装置について図5をも
とに説明すると、例えば離型剤を含有するクリーニング
シート1cは巻き出しシャフト2cから巻き出され、押
圧供給手段4cにより定着ロール5cに押圧される。こ
の際、主として繊維量の多い領域によってトナーが払拭
され、この払拭されたトナーは主として繊維量の少ない
領域を通じてクリーニングシート1cの内部及び裏面へ
と移動して保持される。同時に、押圧供給手段4cから
離型剤が供給されるが、このクリーニングシート1cは
繊維量の少ない領域を有するため、この繊維量の少ない
領域を通じて離型剤を定着ロール5c表面へ塗布するこ
とができる。更に、クリーニングシート中に含有されて
いる離型剤も同時に定着ロール5cに塗布される。
【0057】また、クリーニングシート1cが軟化繊維
を含んでいる場合には、定着ロール5cの熱及び押圧供
給手段4cによる圧力により軟化繊維が軟化変形するた
め、トナーの払拭性が向上するとともに、離型剤を押し
出して定着ロール5cに離型剤を塗布する。なお、クリ
ーニングシート1cが離型剤を含有していると、クリー
ニングシート1cは押圧供給手段4cから供給される離
型剤を保持することができないため、より効率的に離型
剤を定着ロール5cに塗布することができる。その後、
押圧されたクリーニングシート1cは巻き取りシャフト
3cによって巻取られる。
【0058】このクリーニング装置における押圧供給手
段4cとしては、離型剤を含有したものであれば良く、
特に限定されるものではないが、断面形状が円形状や多
角形状(例えば、四角形、六角形など)の棒状体やR面
を持つ板状体からなるのが好ましく、均一に押圧できる
円形状の棒状体であるのがより好ましい。より具体的に
は、離型剤貯蔵浴などから供給された離型剤を保持する
ロール、離型剤貯蔵ロール、離型剤貯蔵浴などから供給
された離型剤を保持するブラシなどを例示できる。な
お、この押圧供給手段4cは弾性及び耐熱性に優れてい
るのが好ましいため、例えば、少なくとも表面が発泡又
は無発泡のシリコーンゴムなどからなるのが好ましい。
【0059】なお、この押圧供給手段4cによる押圧力
はトナーの払拭性に優れるように、押圧供給手段4cと
定着ロール5cとの作用幅(ニップ幅)が3mm以下と
なるような押圧力であるのが好ましい。
【0060】また、クリーニングシートが離型剤を含有
しているかしていないかに関わらず、クリーニングシー
トに対して更に離型剤を付与する手段を備えていても良
い。このような離型剤を付与する手段としては、例え
ば、少なくとも一方が離型剤貯蔵ロールである一対のロ
ールによる方法、1本の離型剤貯蔵ロールによる方法、
少なくとも一方が離型剤貯蔵浴などから供給された離型
剤を転写できるロールである一対のロールによる方法、
離型剤貯蔵浴などから供給された離型剤を転写できる1
本のロールによる方法、或いは離型剤貯蔵浴などから供
給された離型剤を転写できる1つ以上のブラシによる方
法などがある。
【0061】以下に、本発明の実施例を記載するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
【実施例】(実施例)未延伸ポリエチレンテレフタレー
ト繊維(繊維径22.6μm、繊維長38mm、円形断
面)40mass%と、メタ型芳香族ポリアミド繊維
(繊維径12.4μm、繊維長38mm、円形断面)6
0mass%とを混綿し、カード機により開繊して一方
向性繊維ウエブを形成した。
【0063】他方、上記一方向性繊維ウエブと同様にし
て形成した一方向性繊維ウエブを、クロスレイヤーによ
り繊維ウエブの長さ方向に対して交差させ、交差繊維ウ
エブを形成し、上記一方向性繊維ウエブに積層した。上
記一方向性繊維ウエブの面密度は10g/m2で、交差
繊維ウエブの面密度は20g/m2であった。
【0064】次いで、この積層繊維ウエブを85メッシ
ュのネット状支持体で支持しながら、この積層繊維ウエ
ブに対して、ノズル径0.13mm、ピッチ0.6で、
一列に配列したノズルプレートから圧力3MPaの水流
を噴出して積層繊維ウエブ全体を均一に絡合した。
【0065】次いで、線径0.71mm、目開き1.1
68mm(14メッシュ)で、開口部が市松模様状に配
置したネット状支持体上に、このネット状支持体の打ち
込み方向に対して45°の角度となるように上記繊維ウ
エブを支持しながら、この繊維ウエブの最初の噴出面と
は反対面に対して、ノズル径0.13mm、ピッチ0.
6で、一列に配列したノズルプレートから7MPaの水
流を噴出して、繊維量が0の領域と繊維量が多い領域と
を有する絡合繊維ウエブを形成した。
【0066】次いで、この絡合繊維ウエブを温度210
℃のスチールロールとコットンロール間(線圧392N
/cm)を通過させることにより接着繊維を接着し、面
密度30g/m2、繊維量の多い領域における厚さ70
μmのクリーニングシートを製造した。このクリーニン
グシートは、繊維量が0の領域の大きさ約0.45mm
2、クリーニングシートの長さ方向における繊維量が0
の領域の長さ約1mm、クリーニングシートの幅方向に
おける繊維量が0の領域の長さ約0.5mm、繊維量が
0の領域のクリーニングシート全体に対する面積比率約
30%で、略長円形状の繊維量が0の領域が千鳥状に配
置していた。
【0067】(比較例)実施例と全く同様にして形成し
た一方向性繊維ウエブを、水流で絡合することなく、温
度210℃のスチールロールとコットンロール間(線圧
392N/cm)を通過させることにより接着繊維を接
着し、面密度30g/m2、厚さ70μmのクリーニン
グシートを製造した。このクリーニングシートは全体に
わたって繊維が均一に分散しており、繊維量の偏在は実
質的になかった。
【0068】(離型剤の塗布性)実施例及び比較例のク
リーニングシートを離型剤を含ませることなく、一方を
巻き出しシャフトに巻回し、他方を巻き取りシャフトに
両面テープにより固定して、それぞれクリーニング材を
製造した。
【0069】次いで、このクリーニング材を複写機(N
P−3050、キヤノン(株)製)の定着装置のクリー
ニング材としてそれぞれ装着した。なお、シャフトの周
囲に発泡シリコーンゴム層が設けられた円柱状の押圧供
給手段(アスカーC硬度25°)を、クリーニングシー
トを介しての定着ロールとの作用幅(ニップ幅)が約3
mmとなるように設置した。また、この押圧供給手段へ
離型剤貯蔵浴からジメチルシリコーンオイルを供給可能
な構成とし、クリーニングシートを介さない状態におけ
る(つまり、押圧供給手段を定着ロールへ直接接触させ
た状態)、定着ロールへのオイル塗布量を測定したとこ
ろ、0.50mg/A4であった。
【0070】次いで、ベタ白コピーを行ってA4サイズ
の複写シートを定着ロールと加圧ロール間を通過させ、
その複写シートの吸収オイル量を抽出し、定量すること
により、ジメチルシリコーンオイルの定着ロールへの塗
布量を比較測定したところ、実施例のクリーニング材を
使用した場合には0.31mg/A4で、比較例のクリ
ーニング材を使用した場合には0.18mg/A4であ
った。そのため、実施例のクリーニング材は比較例のク
リーニング材よりも70%以上もオイル塗布性が向上し
ていることを確認できた。
【0071】(トナーの払拭性)上記(離型剤の塗布
性)と同様にクリーニング材を設置した複写機により、
ベタ黒コピーを連続して30枚行い、次いで、ベタ白コ
ピーを行ない、このベタ白コピーを行った複写シートを
観察したところ、比較例のクリーニング材を使用した複
写シートには数十点のオフセットが見られたのに対し、
実施例のクリーニング材を使用した複写シートにはオフ
セットがほとんど見られず、本発明のクリーニングシー
トはトナーの払拭性にも優れていることが確認できた。
また、実施例のクリーニング材のクリーニング後のクリ
ーニングシートを観察したところ、繊維量0の領域にト
ナーが多く捕捉されていた。
【0072】
【発明の効果】本発明の定着ロール用クリーニングシー
トは、繊維量の少ない領域と繊維量の多い領域とを有す
る繊維シートからなり、繊維量の多い領域によって払拭
されたトナーを繊維量の少ない領域を通じてクリーニン
グシートの内部及び裏面へと拡散して保持できるため、
未定着トナー量が多くなってもオフセットを生じにく
い。また、本発明のクリーニングシートに対して付加的
に離型剤を供給すると、繊維量の少ない領域を通じて離
型剤を定着ロール表面へ塗布することができるため、十
分な量の離型剤を定着ロールへ塗布することができる。
【0073】本発明の定着ロール用クリーニング材は上
記のクリーニングシートがシャフトに巻回されており、
このクリーニングシートの他端が別のシャフトに固定さ
れている。そのため、常に新しいクリーニングシートと
定着ロール表面とを接触させることができ、オフセット
防止性に優れている。
【0074】本発明の定着ロール用クリーニング装置は
上記の定着ロール用クリーニング材から定着ロール用ク
リーニングシートを巻き出し、押圧手段によりこの定着
ロール用クリーニングシートを定着ロールに押圧した
後、この定着ロール用クリーニングシートを巻き取る機
構を有する。そのため、常に新しいクリーニングシート
と定着ロール表面とを接触させることができ、オフセッ
ト防止性に優れている。
【0075】本発明の別の定着ロール用クリーニング装
置は、上記の定着ロール用クリーニング材から定着ロー
ル用クリーニングシートを巻き出し、押圧供給手段によ
りこの定着ロール用クリーニングシートを定着ロールに
押圧すると同時に、定着ロール用クリーニングシートに
離型剤を供給した後、この定着ロール用クリーニングシ
ートを巻き取る機構を有するものである。そのため、大
量の離型剤を定着ロール表面に塗布することができ、大
量のトナーを使用するカラー複写機などのクリーニング
装置として使用しても、オフセットを生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のクリーニング装置の模式的断面図
【図2】 繊維量の少ない領域と繊維量の多い領域とを
形成すると同時に接着性繊維を接着することのできる装
置の模式的断面図
【図3】 本発明のクリーニング装置の模式的断面図
【図4】 本発明の別のクリーニング装置の模式的断面
【図5】 本発明の更に別のクリーニング装置の模式的
断面図
【符号の説明】
1a、1b、1c クリーニングシート 2a、2b、2c 巻き出しシャフト 3a、3b、3c 巻き取りシャフト 4a、4b、 押圧手段 4c 押圧供給手段 5a、5b、5c 定着ロール 6 繊維ウエブ 7 ロール 7a 突起 8 ロール 8a 窪み 9 一対のロール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維量の少ない領域と繊維量の多い領域
    とを有する繊維シートからなることを特徴とする定着ロ
    ール用クリーニングシート。
  2. 【請求項2】 繊維量の少ない領域における繊維量が0
    であることを特徴とする、請求項1記載の定着ロール用
    クリーニングシート。
  3. 【請求項3】 定着ロール用クリーニングシートの長さ
    方向における、繊維量の少ない領域の長さが、この定着
    ロール用クリーニングシートの定着ロールへの押圧手段
    の作用幅よりも短いことを特徴とする、請求項1又は請
    求項2記載の定着ロール用クリーニングシート。
  4. 【請求項4】 離型剤を含有していることを特徴とす
    る、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着ロール
    用クリーニングシート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    定着ロール用クリーニングシートがシャフトに巻回され
    ており、この定着ロール用クリーニングシートの他端が
    別のシャフトに固定されていることを特徴とする定着ロ
    ール用クリーニング材。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の定着ロール用クリーニン
    グ材から定着ロール用クリーニングシートを巻き出し、
    押圧手段によりこの定着ロール用クリーニングシートを
    定着ロールに押圧した後、この定着ロール用クリーニン
    グシートを巻き取る機構を有することを特徴とする定着
    ロール用クリーニング装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の定着ロール用クリーニン
    グ材から定着ロール用クリーニングシートを巻き出し、
    押圧供給手段によりこの定着ロール用クリーニングシー
    トを定着ロールに押圧すると同時に、定着ロール用クリ
    ーニングシートに離型剤を供給した後、この定着ロール
    用クリーニングシートを巻き取る機構を有することを特
    徴とする定着ロール用クリーニング装置。
JP36420897A 1997-12-17 1997-12-17 定着ロール用クリーニングシート、定着ロール用クリーニング材、及び定着ロール用クリーニング装置 Pending JPH11184297A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007079311A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Japan Vilene Co Ltd 定着部用クリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置
US7363252B2 (en) 2000-09-28 2008-04-22 Takashi Fujimoto Mobile telephone
JP2008209585A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置

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