JPH11327173A - 感光ドラム用余剰塗膜除去テープ - Google Patents

感光ドラム用余剰塗膜除去テープ

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JPH11327173A
JPH11327173A JP13080298A JP13080298A JPH11327173A JP H11327173 A JPH11327173 A JP H11327173A JP 13080298 A JP13080298 A JP 13080298A JP 13080298 A JP13080298 A JP 13080298A JP H11327173 A JPH11327173 A JP H11327173A
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JP
Japan
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fiber
tape
fibers
net
photosensitive drum
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JP13080298A
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Inventor
Hiroshi Tanaka
広志 田中
Masahiro Nakajima
正博 中島
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Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリが発生せず、しかもテープの幅が狭くな
ることなく、安定して感光ドラムを製造することのでき
る感光ドラム用余剰塗膜除去テープを提供すること。 【解決手段】 本発明の感光ドラム用余剰塗膜除去テー
プは、1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1)と、
1cm2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)との差(d
1−d2)が、0.05mm以上であり、しかも少なくと
も一方向における3%モジュラス強度が25N/20mm幅
以上の繊維シートからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンター、ファクシミリなどの電子写真装置で
使用される感光ドラムを製造する際に、余剰に付着した
塗膜を除去することのできるテープに関する。
【0002】
【従来の技術】感光ドラムを製造する場合、ドラム基材
を感光体塗料液中に浸漬して、感光塗膜層を形成するの
が一般的である。この場合、ドラム基材を感光体塗料液
中に浸漬しているため、ドラム基材表面全体に感光塗膜
層を形成してしまうことになる。このようなドラム基材
表面全体に感光塗膜層を形成した感光ドラムを電子写真
装置に組み込むと、用紙を送るコロなどとの接触により
感光塗膜層が剥離して、用紙を精密に送ることができな
くなったり、また、感光ドラムをアースするための接点
として利用することができない。そのため、感光ドラム
の両端部における感光塗膜層を除去するのが好ましい。
【0003】この感光塗膜層の除去方法として、水流絡合不
織布とフィルムとをラミネートしたテープや、2つ以上
の水流絡合不織布をラミネートしたテープを順次巻き出
し、これらテープに溶剤を供給した後、これらテープを
感光ドラムの両端部に接触させて除去する方法が知られ
ている。より具体的には、図2に示すように、ドラム支
持治具5で固定されて回転する感光ドラム3の端部から
ドラム支持治具5にかけて、前記テープを押し付けて感
光塗膜層4を除去していた。
【0004】しかしながら、前者の水流絡合不織布とフィル
ムとをラミネートしたテープを使用する方法は、有効な
感光塗膜層の除去方法であるが、感光塗膜層の厚さが厚
い場合や、感光塗膜層の粘度が高いような場合には、図
2(b)に示すように、感光塗膜層4の端部が盛り上が
る、いわゆるバリZが発生しやすいという問題があっ
た。
【0005】また、後者の2つ以上の水流絡合不織布をラミ
ネートしたテープを使用した場合、バリZの発生をある
程度抑制することができるものの、引張り強度が低いた
め、感光塗膜層の除去中にテープの幅が狭くなるという
問題があった。そこで、このテープに更にフィルムをラ
ミネートして引張り強度を付与することも試みられた
が、ラミネートすることによって、バリZが発生しやす
くなるという結果をもたらした。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、バリが発生せ
ず、しかもテープの幅が狭くなることなく、安定して感
光ドラムを製造することのできる感光ドラム用余剰塗膜
除去テープを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の感光ドラム用余
剰塗膜除去テープ(以下、「除去テープ」という)は、
1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1)と、1cm
2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)との差(d1
2)が、0.05mm以上であり、しかも少なくとも
一方向における3%モジュラス強度が25N/20mm幅以
上の繊維シートからなる。このように、本発明の除去テ
ープは小さい力によって容易に厚さを減らすことができ
るため、除去テープが保持している溶剤を大量に押し出
すことができる。そのため、感光塗膜層が溶解しやす
く、払拭可能な状態になりやすい。しかも、容易に厚さ
を減らすことができるということは、それだけ空隙が多
いことを意味するため、溶解した感光塗膜層を払拭して
保持しやすい。したがって、払拭されないで残留する感
光塗膜層がほとんどなくなり、バリが発生しない。
【0008】また、本発明の除去テープは少なくとも一方向
における3%モジュラス強度が25N/20mm幅以上であ
り、除去テープ使用時において、テープの幅がほとんど
狭くならないため、安定して感光塗膜層を除去できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の除去テープは1cm2
たり10gf荷重時の厚さ(d1)と、1cm 2あたり2
0gf荷重時の厚さ(d2)との差(d1−d2)が、
0.05mm以上の繊維シートである。なお、それぞれ
の荷重は1cm2あたり10gf又は20gfであれば
良く、どのような方法で荷重しても良い。例えば、1c
2あたり10gf又は20gfの鉄板を除去テープに
載置して厚さを測定すれば良い。また、厚さは、例え
ば、前田式圧縮弾性試験機を用いて測定することができ
る。更に、好ましい厚さの差(d1−d2)は0.06m
m以上、1.5mm以下であり、より好ましくは0.0
7mm以上、1.0mm以下である。
【0010】本発明の除去テープは、少なくとも一方向にお
ける3%モジュラス強度が25N/20mm幅以上であり、
好ましくは30N/20mm幅以上であり、より好ましくは
40N/20mm幅以上である。このように3%モジュラス
強度が25N/20mm幅以上であると、感光塗膜層を除去
している際に除去テープの幅が狭くならないので、この
3%モジュラス強度が25N/20mm幅以上である方向が
除去テープの長さ方向と一致しているのが好ましい。
【0011】なお、3%モジュラス強度は、幅20mmの除
去テープを、引張強さ試験機(オリエンテック製、テン
シロンUCT−500)のチャック間(チャック間距
離:100mm)に固定し、引張り速度100mm/分
で3mm(チャック間の3%)だけ引っ張るのに要する
力をいう。
【0012】本発明の除去テープは上述のような物性を有す
る繊維シート(例えば、ネット、織物、編物、不織布、
これらの複合体など)であれば、その態様は限定される
ものではないが、ネットに繊維が絡みついた繊維シート
は、上述のような物性を満足していることが多い。つま
り、ネットによって3%モジュラス強度を向上させるこ
とができ、またネットに繊維が絡みついた嵩高な状態に
あるため、厚さを容易に減じて多量の溶剤を放出できる
と同時に、感光塗膜層を払拭して保持できるのである。
【0013】この好適である繊維シートのネットは特に限定
されるものではないが、例えば、繊維が絡みつきやすい
ように、たて方向、よこ方向ともに、糸が2〜10本/
cmの割合で配置されているのが好ましく、強度的に優
れるように、フィラメント糸からなるのが好ましい。な
お、繊維が絡みつきやすいように、マルチフィラメント
糸から構成されているのが好ましく、より具体的には、
20〜200本のフィラメントからなる50〜700デ
ニール程度のマルチフィラメント糸から構成されている
のが好ましい。また、このネットを構成する糸は3%モ
ジュラス強度を高くすることができるように、単繊維強
度(JIS L 1015に規定される引張り強さ)が
2g/d以上の繊維(例えば、ポリエステル繊維)から
構成されているのが好ましい。更に、ネットの組織は、
平織状、斜文織状、朱子織状などの織組織を有するもの
であっても良いし、たて糸及びよこ糸を織らず、適当に
積層した後に接着した組織を有するものであっても良
い。
【0014】他方、ネットに絡みついた繊維としては、例え
ば、合成繊維(例えば、6ナイロン繊維、66ナイロン
繊維などのポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレ
ート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維などのポリ
エステル系繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ビニリ
デン繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、ポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維な
どのポリオレフィン系繊維など)、再生繊維(例えば、
レーヨン繊維など)、半合成繊維(例えば、アセテート
繊維など)、無機繊維(例えば、炭素繊維など)、植物
繊維(例えば、綿繊維、麻繊維など)、動物繊維(例え
ば、羊毛など)などを使用できる。なお、感光ドラムの
感光塗膜層を除去しやすいように、感光塗膜層を溶解可
能な溶剤を除去テープに含ませた状態で使用するのが好
ましいため、耐溶剤性に優れるポリアミド系繊維、ポリ
エステル系繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、フッ素
繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリオレフィン系繊維、
再生繊維、或は植物繊維を含んでいるのが好ましい。
【0015】上記のような繊維の断面形状が、例えば、三角
形状、四角形状などの多角形状、Y形状やX形状などの
アルファベット形状、扇形状、十字形状、或いは一字形
状などの非円形断面形状であると、感光塗膜層の除去性
や保持性に優れているため好適である。このような非円
形断面形状を有する繊維は除去テープ中(ネットは除
く)、10mass%以上含まれているのが好ましく、
30mass%以上含まれているのがより好ましく、5
0mass%以上含まれているのが最も好ましい。
【0016】また、ネットに絡んでいる繊維の繊維径が小さ
いと、(1)感光塗膜層を払拭しやすい、(2)繊維に
よって形成される微細孔が除去した感光塗膜を保持しや
すい、(3)強固にネットに絡みやすい、(4)感光ド
ラムとの摩擦によっても脱落しにくい、などの特長を有
するため、繊維径が10μm以下の極細繊維を含んでい
るのが好ましく、8μm以下の極細繊維を含んでいるの
がより好ましく、6μm以下の極細繊維を含んでいるの
が最も好ましい。他方、感光ドラムとの摩擦によって繊
維自体が破断して脱落しないように、0.001μm以
上の繊維径であるのが好ましい。このような極細繊維は
除去テープ中(ネットは除く)、50mass%以上含
まれているのが好ましく、70mass%以上含まれて
いるのがより好ましく、80mass%以上含まれてい
るのが最も好ましい。なお、非円形断面形状を有する繊
維(極細繊維など)の繊維径は、その断面積と同じ面積
を有する円の直径をいう。
【0017】この好適な極細繊維は、例えば、メルトブロー
法や、物理的処理によりフィブリル化可能な繊維をフィ
ブリル化したり、物理的及び/又は化学的処理により極
細繊維に分割可能な分割性繊維を分割して得ることがで
きる。フィブリル化可能な繊維や分割性繊維から形成で
きる極細繊維は、耐磨耗性により優れているため、好適
に使用できる。
【0018】このフィブリル化可能な繊維としては、例え
ば、溶剤抽出法によって形成したセルロース繊維、特開
平2−175915号公報などに記載されているような
アクリル系繊維、紡糸後に熱処理をしていない液晶ポリ
エステル系繊維(例えば、クラレ(株)製、商標名、ベ
クトランNT)などがある。
【0019】他方、分割性繊維としては、例えば、一成分中
に他成分が島状に分散した断面を有する海島型繊維、一
成分と他成分とが交互に層状に積層した断面を有する多
重バイメタル型繊維、或いは、一成分を繊維軸付近から
繊維表面に伸びる他成分で分割した断面を有するオレン
ジ型繊維などがある。これらの中でも、多重バイメタル
型繊維やオレンジ型繊維を分割して得られる極細繊維
は、略台形形状や扇形状などの鋭利な部分を有する断面
形状を有し、感光塗膜層の除去性に優れているため、多
重バイメタル型繊維やオレンジ型繊維を好適に使用でき
る。
【0020】この分割性繊維は2種類以上の樹脂成分からな
っていれば良く、例えば、2成分からなる場合の組み合
わせとして、ポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂とポリオレフィン系樹脂などの異種の樹脂成分
の組み合わせ、或いは、ポリプロピレンとポリエチレン
のような同種の樹脂成分の組合わせなどがある。
【0021】本発明の除去テープは常法により製造すること
ができるが、本発明において好適であるネットに繊維が
絡みついた繊維シートの製造方法について、以下に説明
する。
【0022】まず、前述のような繊維を使用して、例えば、
乾式法(例えば、カード法、エアレイ法、メルトブロー
法、スパンボンド法など)又は湿式法により繊維ウエブ
を形成する。なお、繊維ウエブは1種類である必要はな
く、2種類以上の繊維ウエブを積層しても良い。例え
ば、繊維ウエブの長さ方向に繊維が配向した繊維ウエブ
と、繊維ウエブの長さ方向と交差するように繊維が配向
した繊維ウエブとを積層することができる。また、繊維
がネットに絡みやすいように、繊維長が25〜110m
m程度の繊維を使用するのが好ましい。
【0023】他方、前述のようなネットを用意する。そし
て、繊維ウエブ1つ以上とネット1つ以上とを積層す
る。この積層順序は特に限定されるものではないが、ネ
ットと繊維ウエブとを交互に積層するのが好ましい。な
お、繊維ウエブの数を増やすと嵩高となり、より厚さを
減じやすい除去テープを製造できる傾向があるため、繊
維ウエブ2つでネット1つを挟んだり、繊維ウエブ2つ
とネット2つとを交互に積層したり、或いは繊維ウエブ
3つ以上とネット2つ以上とを交互に積層するのが好ま
しい。また、繊維ウエブ2つでネット1つを挟んだ場合
のように、両表面が繊維ウエブとなるように積層する
と、両表面の繊維ウエブ同士の絡みが促進され、強固に
ネットに絡み付くため、繊維がより脱落しない除去テー
プを製造することができる。
【0024】次いで、この繊維ウエブとネットとの積層シー
トを、ニードルパンチ法や水流などの流体流絡合法によ
り、ネットに繊維が絡み付いた繊維シートを製造するこ
とができる。これらの中でも、繊維がより高度かつ均一
にネットに絡み付きやすく、しかもネットを損傷しにく
い流体流により絡合するのが好ましい。なお、ネットが
マルチフィラメント糸を含んでいると、流体流によって
個々のフィラメントに解されると同時に繊維が絡みつく
ため、より繊維が脱落しにくい。また、繊維ウエブが流
体流によってフィブリル化可能な繊維や、極細繊維を発
生可能な分割性繊維を含んでいる場合には、流体流によ
ってフィブリル化又は分割すると同時にネットに絡みつ
くため、より繊維が脱落しにくい。
【0025】好適である流体流の噴出条件としては、例え
ば、ノズル径0.05〜0.3mm、好適には0.08
〜0.2mm、ピッチ0.2〜3mm、好適には0.4
〜2mmで、一列又は二列以上にノズルを配列したノズ
ルプレートから、圧力1〜30MPa、好適には5〜2
0MPaの流体を噴出する。このような流体流は、1回
又は2回以上作用させることができる。また、積層シー
トを支持する支持体は繊維がネットに絡まりやすいよう
に、線径0.25mm以下で、40メッシュよりも目の
細かいネット(支持体)、又はこのネットに相当する多
孔板を使用するのが好ましい。
【0026】なお、ネットと繊維との絡みを強くするため
に、流体流は繊維ウエブ側のみから噴出するのが好まし
い。例えば、繊維ウエブ1つとネット1つとからなる積
層シートに対して流体流を噴出する場合には、繊維ウエ
ブ側のみから噴出し、ネット側からは噴出しないのが好
ましい。なお、繊維ウエブ2つの間にネット1つを挟み
込んだ積層シートに対して流体流を噴出する場合には、
両面から噴出するのが好ましい。
【0027】次いで、水流などのように液体を利用してネッ
トと繊維ウエブとを絡ませ、乾燥する必要がある場合に
は、通常の乾燥機により乾燥する。なお、この乾燥する
際に、繊維シートを構成する繊維が溶融するとフィルム
化して、感光塗膜層の除去性が低下するため、繊維シー
トを構成する繊維が溶融しない温度で乾燥するのが好ま
しい。つまり、繊維シートを構成する繊維の融点以下で
乾燥するのが好ましい。
【0028】そして、前述のような物性を有する繊維シート
を幅10〜30mm程度に裁断して、本発明の除去テー
プを製造することができる。上述のようにネットに繊維
が絡みついた繊維シートからなる場合には、所望のモジ
ュラス強度を得ることができるように、ネットを構成す
る糸の配向方向と平行に裁断するのが好ましい。
【0029】本発明の除去テープは前述のような物性を有す
る繊維シートからなるため、この繊維シートを感光塗膜
層と接触させると、効率的に溶剤を押し出すことができ
るとともに、感光塗膜を払拭して保持することができ
る。なお、ネットに繊維が絡みついた除去テープを使用
する場合、ネットが表面に露出していない面(つまり、
繊維露出面)を感光塗膜層と接触させて払拭するのが好
ましい。
【0030】本発明の除去テープは、その一端を紙管などの
巻き出しロールに固定した後に巻回し、この除去テープ
の他端を別の紙管などの巻き取りロールに固定すれば、
巻き出しロールから順次除去テープを巻き出し、常に新
しい除去テープを感光塗膜層に接触させて、感光塗膜層
を除去することができるので、好適な実施態様である。
【0031】なお、除去テープに感光塗膜層を溶解可能な溶
剤を含ませた状態で、回転する感光ドラムの感光塗膜層
の端部に除去テープを接触させて、感光塗膜層を除去す
ることができる。この溶剤としては、感光塗膜層の種類
によって異なるが、例えば、テトラヒドロフランや、ク
ロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶剤を使用で
きる。
【0032】本発明の除去テープは感光ドラムの回転方向と
反対方向に移動させながら感光塗膜層と接触させると、
感光塗膜層の除去性により優れている。除去テープを感
光ドラムの感光塗膜層の端部に接触させる方法は、例え
ば、1つ又は2つ以上の加圧部材2によって加圧する方
法(図1(a)、(c)参照)、除去テープに加わるテ
ンションによって加圧する方法(図1(b)参照)など
がある。なお、除去テープ1は巻き取りロールで巻き取
っても良いし(図1(a)、(b)参照)、送りローラ
6で引き取った後に回収容器7に回収しても良い(図1
(c)参照)。
【0033】以下に、本発明の除去テープの実施例を記載す
るが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、
3%モジュラス強度は幅20mmの除去テープを、引張
強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUCT−5
00)のチャック間(チャック間距離:100mm)に
固定し、引張り速度100mm/分で3mm(チャック
間の3%)だけ引っ張って測定した値である。
【0034】
【実施例】(実施例1)扇形状のポリプロピレン成分
を、繊維の中心から繊維表面に向かって放射状に伸びる
ポリエステル成分で10分割したオレンジ状の断面形状
を有する、繊度3デニール、繊維長51mmの分割性繊
維(ポリプロピレン成分からなる繊維径5.2μmで扇
形状の極細繊維と、ポリエステル成分からなる繊維径
3.6μmで一字形状の極細繊維とを発生可能)90m
ass%と、扇形状のポリエステル成分を、繊維の中心
から繊維表面に向かって放射状に伸びるポリアミド成分
で8分割したオレンジ状の断面形状を有する、繊度2デ
ニール、繊維長38mmの分割性繊維(ポリエステル成
分からなる繊維径4.2μmで扇形状の極細繊維と、ポ
リアミド成分からなる繊維径3.0μmで一字形状の極
細繊維とを発生可能)10mass%とを混綿し、カー
ド機により開繊して一方向性繊維ウエブ(面密度15g
/m2)を形成した。
【0035】他方、上記一方向性繊維ウエブと同様にして一
方向性繊維ウエブを形成した後、繊維ウエブの流れ方向
に対して交差させながら積層して、交差繊維ウエブ(面
密度65g/m2)を形成した。
【0036】更に、250デニールのマルチフィラメント糸
(5.2デニールのポリエステルフィラメント48本か
らなる)をたて方向に6本/cmの割合で、また500
デニールのマルチフィラメント糸(5.2デニールのポ
リエステルフィラメント96本からなる)をよこ方向に
2本/cmの割合で配置したネットを用意した。なおこ
のネットは、たて糸に対して上下交互によこ糸を配置し
た組織を有し、20mass%のアクリル系バインダに
より接着された、面密度40g/m2のものであった。
【0037】次いで、ネット上に、一方向性繊維ウエブ、交
差繊維ウエブの順に積層した後、この積層シートを線径
0.15mm、100メッシュのネット(支持体)上に
載置し、ノズル径0.15mm、ピッチ0.6mmで一
列に配列したノズルプレートから、積層シートの交差繊
維ウエブ側に対して圧力10MPaの水流を噴出した
後、積層シートの交差繊維ウエブ側に対して更に2回、
圧力15MPaの水流を噴出して、各分割性繊維を分割
すると同時にネットと絡合させた。
【0038】次いで、この絡合シートを温度140℃のドラ
イヤーで乾燥して、ネットを構成する糸の配向方向と平
行に、20mm幅で裁断して、面密度120g/m2
厚さ0.65mmの除去テープを形成した。この除去テ
ープの1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1)と、
1cm2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)とを、前田
式圧縮弾性試験機を用いて測定したところ、その差(d
1−d2)は0.07mmであり、除去テープの長さ方向
における3%モジュラス強度は70N/20mm幅であっ
た。
【0039】(実施例2)実施例1の20mm幅に裁断する
前の絡合シート、実施例1と同じ一方向性繊維ウエブ、
及び実施例1と同じ交差繊維ウエブを用意した。
【0040】次いで、実施例1の絡合シートのネット側に一
方向性繊維ウエブ、交差繊維ウエブの順に積層した後、
この積層シートを線径0.15mm、100メッシュの
ネット上に載置し、ノズル径0.15mm、ピッチ0.
6mmで一列に配列したノズルプレートから、積層シー
トの新たに積層した交差繊維ウエブに対して、圧力10
MPaの水流を噴出した後、積層シートの新たに積層し
た交差繊維ウエブに対して、更に2回、圧力15MPa
の水流を噴出して、各分割性繊維を分割すると同時に実
施例1の絡合シートに更に絡合させた。
【0041】次いで、この絡合シートを温度140℃のドラ
イヤーで乾燥し、ネットを構成する糸の配向方向と平行
に、20mm幅で裁断して、面密度200g/m2、厚
さ1mmの除去テープを形成した。この除去テープの1
cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1)と、1cm2
あたり20gf荷重時の厚さ(d2)とを、前田式圧縮
弾性試験機を用いて測定したところ、その差(d1
2)は0.07mmであり、除去テープの長さ方向に
おける3%モジュラス強度は40N/20mm幅であった。
【0042】(比較例1)実施例1と同じ一方向性繊維ウエ
ブ、及び実施例1と同じ交差繊維ウエブとを用意した。
【0043】次いで、一方向性繊維ウエブと交差繊維ウエブ
とを積層した後、この積層シートを線径0.15mm、
100メッシュのネット上に載置し、ノズル径0.15
mm、ピッチ0.6mmで一列に配列したノズルプレー
トから、積層シートの交差繊維ウエブ側に対して、圧力
10MPaの水流を噴出した後、積層シートの交差繊維
ウエブ側に対して、更に2回、水圧15MPaの水流を
噴出して、各分割性繊維を分割すると同時に絡合させ
た。次いで、この絡合シートを温度140℃のドライヤ
ーで乾燥した。
【0044】次いで、この絡合シートの一方向性繊維ウエブ
側に、溶融押出しした厚さ80μmのポリプロピレンフ
ィルムを積層し、直ちに、ニップロール間を通して、絡
合シートとフィルムとからなる、面密度152g/
2、厚さ0.3mmの繊維シートを製造した。次い
で、この繊維シートを繊維シートの長さ方向と平行に2
0mm幅に裁断して、除去テープを形成した。この除去
テープの1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1
と、1cm2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)とを、
前田式圧縮弾性試験機を用いて測定したところ、その差
(d1−d2)は0.02mmであり、除去テープの長さ
方向における3%モジュラス強度は50N/20mm幅であ
った。
【0045】(比較例2)比較例1と同様にして製造した絡
合シートを2枚用意した。次いで、一辺の長さが25.
7mmの仮想正方形の頂点に、一辺が2mmの正方形の
凸部が配置され、この仮想正方形の各々の辺上に、1m
m×2mmの長方形の凸部がそれぞれ4個均等間隔で配
置されたエンボスロールと、超音波を発生させるホーン
との間を、前記2枚の絡合シートを積層した状態で通過
させることにより、前記エンボスロールの凸部との接触
箇所を部分的に融着(融着面積が全体の3.6%)させ
ると共に2枚の絡合シートを一体化させ、凹凸構造を有
する面密度160g/m 2、厚さ0.8mmの繊維シー
トを形成した。尚、2枚の絡合シートの交差繊維ウェブ
側がエンボスロール側となるように積層して通過させ
た。
【0046】次いで、この繊維シートを繊維シートの長さ方
向と平行に20mm幅に裁断して、除去テープを形成し
た。この除去テープの1cm2あたり10gf荷重時の
厚さ(d1)と、1cm2あたり20gf荷重時の厚さ
(d2)とを、前田式圧縮弾性試験機を用いて測定した
ところ、その差(d1−d2)は0.05mmであり、除
去テープの長さ方向における3%モジュラス強度は20
N/20mm幅であった。
【0047】(比較例3)比較例2と同様にして作成した凹
凸構造を有する繊維シートの一方向性繊維ウエブ側に、
比較例1と同様の方法でフィルムを貼り合わせて、2枚
の絡合シートとフィルムとからなる、面密度232g/
2、厚さ0.7mmの繊維シートを形成した。次い
で、この繊維シートを繊維シートの長さ方向と平行に2
0mm幅に裁断して、除去テープを形成した。この除去
テープの1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1
と、1cm2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)とを、
前田式圧縮弾性試験機を用いて測定したところ、その差
(d1−d2)は0.03mmであり、除去テープの長さ
方向における3%モジュラス強度は70N/20mm幅であ
った。
【0048】(感光塗膜層の除去性試験)実施例1、2及び
比較例1〜3の除去テープの一端を、それぞれ紙管に巻
回し、しかもこれら除去テープの他端を別の紙管に固定
した除去部材を準備した。そして、これら除去部材から
除去テープを巻き出し、これら除去テープをクロロホル
ム浴に浸漬した後、ドラム支持治具で固定されて40m
m/秒で回転している、ポリカーボネートからなる感光
塗膜層を有する感光ドラムの端部から10mmまでの感
光塗膜層に、除去テープを接触(実施例1、比較例2の
場合には交差繊維ウエブ側、実施例2の場合には最初に
積層した交差繊維ウエブ側、比較例1、比較例3の場合
には繊維層側)させながら、感光ドラムの回転方向とは
反対方向に60mm/分の速度で移動させ、別の紙管で
巻き取った。なお、図1(b)に示すように、感光ドラ
ムとは直接接触していない2つの加圧部材2によって、
感光ドラム3の円周の15%に亘って接触するように、
2.5kgf/20mm幅のテンションを加えた。
【0049】この時の、感光塗膜層の除去状態(バリの有
無)、及び各除去テープの幅の減少の有無について観察
したところ、表1に示す通りであった。この表1から明
らかなように、本発明の除去テープはバリを発生させ
ず、しかも幅が減少することなく、安定して感光塗膜層
を除去することができるものである。なお、実施例2の
除去テープはより短い長さで、安定して感光塗膜層を除
去することができたため好適であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の感光ドラム用余剰塗膜除去テー
プは、1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d1)と、
1cm2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)との差(d
1−d 2)が、0.05mm以上であり、しかも少なくと
も一方向における3%モジュラス強度が25N/20mm幅
以上の繊維シートからなる。このように、本発明の除去
テープは小さい力によって容易に厚さを減らすことがで
きるため、除去テープが保持している溶剤を大量に押し
出すことができる。そのため、感光塗膜層が溶解しやす
く、払拭可能な状態になりやすい。しかも、容易に厚さ
を減らすことができるということは、それだけ空隙が多
いことを意味するため、溶解した感光塗膜層を払拭して
保持しやすい。したがって、払拭されないで残留する感
光塗膜層がほとんどなくなり、バリが発生しない。
【0052】また、本発明の除去テープは少なくとも一方向
における3%モジュラス強度が25N/20mm幅以上であ
り、除去テープ使用時において、テープの幅がほとんど
狭くならないため、安定して感光塗膜層を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の感光ドラム用余剰塗膜除去テ
ープの使用状態を表す断面模式図 (b) 本発明の感光ドラム用余剰塗膜除去テープの別
の使用状態を表す断面模式図 (c) 本発明の感光ドラム用余剰塗膜除去テープの更
に別の使用状態を表す断面模式図
【図2】(a) 感光ドラムの感光塗膜層を従来の感光
ドラム用余剰塗膜除去テープで除去する前の状態を表す
部分拡大図 (b) 感光ドラムの感光塗膜層を従来の感光ドラム用
余剰塗膜除去テープで除去した状態を表す部分拡大図
【符号の説明】
1 除去テープ 2 加圧部材 3 感光ドラム 4 感光塗膜層 5 ドラム支持治具 6 送りローラ 7 回収容器 Z バリ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1cm2あたり10gf荷重時の厚さ(d
    1)と、1cm2あたり20gf荷重時の厚さ(d2)と
    の差(d1−d2)が、0.05mm以上であり、しかも
    少なくとも一方向における3%モジュラス強度が25N
    /20mm幅以上の繊維シートからなることを特徴とする、
    感光ドラム用余剰塗膜除去テープ。
JP13080298A 1998-05-13 1998-05-13 感光ドラム用余剰塗膜除去テープ Pending JPH11327173A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7232635B2 (en) 2002-02-04 2007-06-19 Konica Corporation Image forming method, image forming apparatus, and processing cartridge
US7316876B2 (en) 2004-06-07 2008-01-08 Konica Minolta Holdings, Inc. Electrophotographic photoreceptor and a manufacturing method thereof
US7498111B2 (en) 2004-06-08 2009-03-03 Konica Minolta Holdings, Inc. Electrophotographic photoreceptor and an image forming method employing the same

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