JPH11180845A - 尿素配合皮膚化粧料 - Google Patents
尿素配合皮膚化粧料Info
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Abstract
も、長期間の保存によるpH上昇、アンモニア臭発生と
いった問題の生じない皮膚化粧料を提供すること。 【解決手段】 尿素と、リン酸水素二ナトリウム及びク
エン酸又はリン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナト
リウムの組み合わせから選ばれた緩衝剤とを含有する尿
素配合皮膚化粧料並びに、更に、これにアラントインを
含有してなる尿素配合皮膚化粧料。
Description
湿に有用な尿素を配合する皮膚化粧料に関し、更に詳細
には、尿素を配合しながら保存時に発生するアンモニア
臭を抑えた皮膚化粧料に関する。
細胞内の保湿性因子(NMF:Natural Moi
sturizing Factor)及び皮膚表面を覆
う皮脂膜が重要であることが知られている。これらの働
きが充分でないと、肌の水分が不足し、乾燥肌、肌あれ
等が発生してしまうのである。
能を補う成分として、グリセリン、プロピレングリコー
ルのような多価アルコルー類;ソルビトール、マルチト
ール等の糖類;アミノ酸類;ヒアルロン類、コンドロイ
チン酸等の高分子物質;乳酸菌培養上清等が配合されて
いる。
おり、化粧料用素材として頻繁に使用されている。この
尿素の作用としては、角質中での水分保持、細胞賦活作
用、抗菌作用、止痒作用等が挙げられ、皮膚の肌荒れ防
止や保湿を目的として化粧料や医薬品に配合されてい
る。
保存中に尿素がアンモニアと二酸化炭素に分解し、製品
pHの上昇やアンモニア臭の発生といった問題が生じて
いる。
の手段が知られており、例えば特開昭52−10948
7号公報には、尿素に対して1重量%以上のアラントイ
ンを配合することで尿素の安定性を得られ、アンモニア
臭も抑制できる旨が開示されている。また、同様の効果
を奏する技術として、特開昭51−48441号公報に
は尿素に緩衝液を加えてpH6〜9に調製し、アンモニ
ウム塩、アラントイン、アラントイン誘導体または尿酸
を配合する技術が、特開昭61−30509号公報には
尿素に塩基性アミノ酸を配合する技術が、特公平4−8
1567号公報には尿素にタウリンを配合する技術が、
特公平4−56002号公報には尿素に中性アミノ酸、
酸性アミノ酸または酸性アミノ酸のアルカリ塩を配合す
る技術が、特公平5−31541号公報には尿素にレシ
チンを配合する技術が、特開平4−364104号公報
には尿素にレシチンを配合する技術が、それぞれ開示さ
れている。
を経日的に安定させ、且つアンモニア臭の抑制を行うた
めには充分ではなかった。
膚の肌荒れ、保湿に有用な尿素を配合しても、長期間の
保存によるpH上昇、アンモニア臭発生といった問題の
生じない化粧料を提供することを目的とするものであ
る。
定に配合する組成物について鋭意研究の結果、尿素が安
定に配合しうるか否かは、単にpHのみの問題でなく、
化粧品等の組成物の系を構成する緩衝液にも大きく依存
することを知った。そして、特定の緩衝液を選択、使用
することにより、上記課題を解決する化粧品が得られる
ことを見出した。また、これにアラントインを配合する
ことにより、従来のものと比べ、より尿素の分解を抑え
た化粧品が得られることを見出し、本発明を完成した。
二ナトリウム及びクエン酸又はリン酸二水素カリウム及
びリン酸水素二ナトリウムの組み合わせから選ばれた緩
衝剤とを含有する尿素配合皮膚化粧料を提供するもので
ある。また本発明は、上記皮膚化粧料に更にアラントイ
ンを配合した尿素配合皮膚化粧料を提供するものであ
る。
尿素はNMFの主成分であり、本発明の尿素配合化粧料
中には、好ましくは5w/w%(以下、単に「%」で示
す)程度まで配合することができる。
トリウム及びクエン酸又はリン酸二水素カリウム及びリ
ン酸水素二ナトリウムの組み合わせから選ばれた緩衝剤
(以下、「特殊緩衝剤」という)は、尿素と共に配合
し、その経日的安定性を得るために使用するものであ
る。この特殊緩衝剤は、リン酸水素二ナトリウム−クエ
ン酸系及びリン酸二水素カリウム−リン酸水素二ナトリ
ウム系の一方の系のみ用いても良く、また、両者の系を
混合して用いても良い。本発明におけるこの特殊緩衝剤
の配合量は、尿素に対し10〜70%の範囲、より好ま
しくは20〜50%の範囲で配合する必要がある。 特
殊緩衝剤の配合量が50%以上であると塩濃度が高くな
って皮膚に対する刺激が強くなったり、また、乳液等の
乳化形製剤の場合は乳化がこわれやすくなることがあ
る。
Hを安定化させるのは周知のことである。尿素を配合し
た化粧品においても、緩衝液を配合したものは知られて
いる。しかし、上記の特殊緩衝剤の系が、他の緩衝剤の
系に比較して顕著な安定化能を有することは全く知られ
ておらず、本発明が初めて見出したことである。すなわ
ち、化粧料に頻繁に使用されている他の緩衝剤の系、例
えばクエン酸−水酸化ナトリウム系、PCA−PCAナ
トリウム系等を利用した場合はpH安定化、匂いの抑制
を充分には行えないのである。
合した本発明の尿素配合皮膚化粧料は、pH安定化効
果、アンモニア臭抑制効果に優れたものである。しかし
ながら、少しでもアンモニア臭があると製品の品質が著
しく低下する様な場合には、これを完全に抑えることが
必要となる。
併用することにより、より優れたアンモニア臭抑制効果
を得ることが可能である。但し、アラントインの併用に
より完全にアンモニア臭の発生をおさえることのできる
緩衝剤は、前述の特殊緩衝剤のうちでもリン酸水素二ナ
トリウム−クエン酸系のものに限られ、リン酸二水素カ
リウム−リン酸水素二ナトリウム系のものでは併用によ
る効果はあまり認められない。
用によりアンモニアの発生が促進される場合と抑制され
る場合とがある。例えば、PCA−PCAナトリウム系
の緩衝剤にアラントインを併用しても、かえってアンモ
ニア臭の発生が促進されてしまうのである。また、アラ
ントインを併用しても、緩衝剤がpH安定化能に与える
影響にさほど変化は見られず、アラントイン単独では臭
気の抑制効果は見られない。
ニア臭抑制効果はpH安定化に必ずしも起因するもので
はなく、理由は必ずしも明らかではないが、リン酸水素
二ナトリウム−クエン酸系との相乗作用によるものと考
えられる。
場合の配合量は特に限定されるものではないが、尿素に
対し1%以上であれば本発明の緩衝剤との併用により好
ましいアンモニア臭抑制効果が得られる。
系緩衝剤をアラントインと併用する場合の配合量もやは
り尿素に対し10〜70%程度であり、より好ましくは
20〜50%程度である。
合皮膚化粧品を製造する場合には、その初期pHをpH
4.5〜pH6.5にすることが好ましい。
各成分を混合、均一化することにより調製されるが、そ
の形状としては、液剤、乳液剤、クリーム剤、ゲル状剤
等とすることができる。そして、これらの剤形に応じ、
本発明の効果を損なわない範囲で他の任意成分、例えば
ホエイ(2)、ヒアルロン酸ナトリウム、ラメラ構造脂
質等を配合することもできる。
粧料は、尿素の有する皮膚の肌荒れ防止作用や、保湿作
用を保持しながら、保存時、特に高温保存時に発生する
アンモニア臭を抑えたものであり、尿素配合皮膚化粧料
の商品的価値を高めたものである。
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等になん
ら制約されるものではない。
の緩衝剤を使用して尿素溶液を調製し、下記方法でpH
安定性およびアンモニア臭の発生の有無を調べた。この
結果より、各緩衝液が尿素の経時的安定性に及ぼす影響
を判断した。結果は、表1から表4に示す。
剤2) クエン酸−水酸化ナトリウム(緩衝剤3) PCA−PCAナトリウム(緩衝剤4)
確認した。まず、各溶液をガラス製のビンに充填し、4
0℃及び50℃の恒温槽中で保存した。2週及び4週目
にサンプリングし、pHを測定した。また、サンプリン
グ時の各尿素溶液の臭気の発生を、専門パネル5人の官
能評価により評価した。また、評価が困難な場合には、
アンモニア検知管を使用し、その値を参考にした。な
お、pH変化は、pHの変化幅(ΔpH)で示し、臭気
の発生は、下記の評価基準により示した。
H変化を表2にそれぞれ示す。また、40℃保存時の臭
気の発生を表3に、50℃保存時の臭気の発生を表4に
それぞれ示す。
二ナトリウム−クエン酸系もしくはリン酸二水素カリウ
ム−リン酸水素二ナトリウムを使用した場合に、pH安
定化効果、アンモニア臭抑制効果共に良好となることが
わかった。
能の検討:試験例1と同じ4種類の緩衝剤を用い、アラ
ントインを併用する下記の尿素液を調製した。この尿素
液について、試験例1と同じ方法でpH安定性およびア
ンモニア臭の発生の有無を調べ、この結果より、各緩衝
液が尿素の経時的安定性に及ぼす影響を判断した。結果
は、表5〜表8に示す。
H変化を表6にそれぞれ示す。また、40℃保存時の臭
気の発生を表7に、50℃保存時の臭気の発生を表8に
それぞれ示す。
二ナトリウム−クエン酸系を使用すると50℃、4週間
の保存後も臭気の発生は見られなかった。一方、リン酸
二水素カリウム−リン酸水素二ナトリウムにアラントイ
ンを併用しても特に効果は変化しなかった。また、アラ
ントインを併用する場合には、緩衝剤の種類によって効
果が促進する場合と抑制される場合とに分かれた。
て、最も併用効果の高かったリン酸水素二ナトリウム−
クエン酸系の緩衝剤(緩衝剤1)を用い、アラントイン
の単独使用を行った場合と、併用した場合の、pH安定
性及びアンモニア臭の発生防止効果を試験例1と同様に
して比較検討した。対照としては、尿素のみの溶液を用
いた。なお、本実験例で用いた尿素溶液の設定pHは
6.0である。
(3.0%)、パラオキシ安息香酸メチル(0.1%)を
用い、残部をイオン交換水として4種類の尿素溶液を調
製した。
pH変化を表11にそれぞれ示す。また、40℃保存時
の臭気の発生を表12に、50℃保存時の臭気の発生を
表13にそれぞれ示す。
合と、アラントインを併用した場合とでpH安定性に及
ぼす差は見られなかった。しかしながら、アラントイン
併用により、臭気の発生は抑制された。また、アラント
イン単独使用の系での臭気の発生は、緩衝剤及びアラン
トイン無添加の系と同等であった。このことから、アラ
ントインの併用による効果の向上は上記緩衝剤との相乗
効果によるものであることが示唆された。
系の緩衝剤(緩衝剤1)の濃度を変化させ、アラントイ
ンを併用した場合のpH安定性及びアンモニア臭の発生
防止効果を試験例1と同様にして比較検討した。対照と
しては、緩衝剤なしの溶液を用いた。なお、本実験例で
用いた尿素溶液の設定pHは6.0である。
ル(3.0%)、パラオキシ安息香酸メチル(0.1%)
を用い、残部をイオン交換水として4種類の尿素溶液を
調製した。
pH変化を表16にそれぞれ示す。また、40℃保存時
の臭気の発生を表17に、50℃保存時の臭気の発生を
表18にそれぞれ示す。
上(全体量に対し1.0%以上)配合すれば、好適な尿
素安定性が得られることが明らかとなった。
二ナトリウム−クエン酸系の緩衝剤(緩衝剤1)濃度を
一定とし、設定pHのみを変化させた尿素溶液を調製し
た。この尿素溶液について、pH安定性及びアンモニア
臭の発生防止効果を試験例1と同様にして比較検討し
た。
0.2%、リン酸水素二ナトリウム−クエン酸系の緩衝
剤(緩衝剤1)濃度は2.0%であり、設定pHになる
よう調製した。実際測定した場合の測定pHは下の表1
9の通りである。
pH変化を表21にそれぞれ示す。また、40℃保存時
の臭気の発生を表22に、50℃保存時の臭気の発生を
表23にそれぞれ示す。
以下で、好適な尿素安定性が得られることが明らかにな
った。
を製造した。
をアトピー様皮膚疾患患者(主にアトピー性皮膚炎、急
性湿疹及び脂漏性皮膚炎)36名の疾患部位に継続的に
通常量塗布した。塗布回数は1日2回程度とし、塗布開
始から2、4、7週間後の皮膚の状態を乾燥、鱗屑、潮
紅およびそう痒感を指標として判定した。 判定は、症
状の程度を高度、中等度、軽度、軽微、なしの5段階と
して行った(被験患者の最初の症状は、総合判断が軽度
のもの30名、軽微のもの6名で、高度および中等度の
患者はいなかった)。この結果をそれぞれ表24〜表2
7に示す。
湿作用を有する尿素を化粧料等に配合する際に生じる、
尿素分解による製品pHの上昇、臭気の発生といった問
題を抑制することができる。 以 上
Claims (4)
- 【請求項1】 尿素と、リン酸水素二ナトリウム及びク
エン酸又はリン酸二水素カリウム及びリン酸水素二ナト
リウムの組み合わせから選ばれた緩衝剤とを含有する尿
素配合皮膚化粧料。 - 【請求項2】 緩衝剤の配合量が尿素に対して20w/
w%〜50w/w%である請求項第1項記載の尿素配合
皮膚化粧料。 - 【請求項3】 更に、アラントインを含有する請求項第
1項または第2項記載の尿素配合皮膚化粧料。 - 【請求項4】 尿素、アラントイン及びリン酸水素二ナ
トリウムとクエン酸を組み合わせた緩衝剤を含有する尿
素配合皮膚化粧料。
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