JP2001288048A - 頭皮頭髪用組成物 - Google Patents

頭皮頭髪用組成物

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JP2001288048A JP2000099527A JP2000099527A JP2001288048A JP 2001288048 A JP2001288048 A JP 2001288048A JP 2000099527 A JP2000099527 A JP 2000099527A JP 2000099527 A JP2000099527 A JP 2000099527A JP 2001288048 A JP2001288048 A JP 2001288048A
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陽介 中沢
Masashi Ogo
正志 尾郷
Masahiro Tajima
正裕 田島
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 頭皮の柔軟効果に優れ、血流促進効果が相乗
的に高められおり、かつ、安全性にも優れる頭皮頭髪用
組成物を提供。 【解決手段】 血流促進剤、並びに、アデノシン、アデ
ノシン5′−リン酸およびアデノシン5′−リン酸を塩
からなる群のアデノシン類から選ばれる1種又は2種以
上を含有する頭皮頭髪用組成物。上記血流促進剤は、ニ
コチン酸類、ミノキシジル類、セファランチン、ビタミ
ンE類、γ−オリザノール、アルコキシカルボニルピリ
ジンN−オキシド、塩化カルプロニウム及びアセチルコ
リン類からなる群の血流促進剤から選ばれる1種又は2
種以上である。上記血流促進剤の含有量は、頭皮頭髪用
組成物全量に対して0.001〜5.0質量%である。
上記アデノシン類の含有量は、頭皮頭髪用組成物全量に
対して乾燥固形分として0.0001〜10.0質量%
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外用組成物のう
ち、特に、頭皮や頭髪において用いる頭皮頭髪用組成物
に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】頭皮頭髪用組成物には様々な種類があ
り、様々な頭皮頭髪状態に対応した製品が毛髪組成物、
育毛剤等として開発されている。例えば、柔軟効果によ
り頭皮を柔軟にし、脱毛を防止する製品が開発されてい
る。
【0003】頭皮における様々なトラブルは、高齢化社
会を迎えた今日では社会的ストレスの増大も伴って増加
しつつあり、頭皮におけるトラブルに対応した頭皮頭髪
組成物の需要は急増している。
【0004】一般に、頭部の禿や脱毛、毛の細り、頭皮
のフケやカユミ等の原因としては、毛根の皮脂腺等の器
官における男性ホルモンの活性化、過剰な皮脂分泌、過
酸化脂質の生成、毛包への血流量の低下およびストレス
等が挙げられる。また、丈夫で美しい髪を育てるうえ
で、十分な毛包への栄養補給が出来ない場合、細毛やや
せ毛の原因となる。また、毛包への血流量の低下は、栄
養不足や老廃物排泄の機能低下を招く結果となる。この
ような観点から、頭皮における角質層のターンオーバー
や過剰な皮脂分泌等を改善することは、少なくとも頭皮
における血流機能の低下を改善することと共に、頭皮お
よび頭髪のトラブルを解決する上で欠かせないポイント
となっている。
【0005】従来の頭皮頭髪用組成物は、一般に、これ
らの禿や脱毛の原因と考えられる要素を取り除いたり軽
減する作用を持つ物質を配合したものである。例えば、
ビタミンB、ビタミンE等のビタミン類、セリン、メチ
オニン等のアミノ酸類、センブリエキス、アセチルコリ
ン誘導体などの血管拡張剤、紫根エキス等の抗炎症剤、
エストラジオール等の女性用ホルモン剤、セファランチ
ンなどの皮膚機能亢進剤等が配合され、禿や脱毛、髪の
細りの予防および治療に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の成分を少量のみ頭皮頭髪用組成物中に配合しても十分
な効果を得ることは難しく、逆に多く配合すると使用部
分およびその周辺に不快な刺激感や発赤を伴う傾向が強
まるためその配合量には制限があり、必ずしも所望の効
果が充分に得られないといった問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の観
点を鑑み鋭意研究を重ねた結果、血流促進剤とアデノシ
ン類とを組み合わせて配合すると、頭皮の柔軟効果に優
れるだけではなく、アデノシン類のもつ血流促進効果が
相乗的に高められ、さらに安全性にも優れる頭皮頭髪用
組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、血流促進剤およびア
デノシン類を含有する頭皮頭髪用組成物(以下、本頭皮
頭髪用組成物ともいう)である。なお、本発明におい
て、「頭皮頭髪用組成物」とは、頭皮や頭髪に対して用
いる外用組成物であり、その剤型や形態は、「頭皮頭髪
用」という用途からは直接的な制限を受けず、また、化
粧品、医薬部外品、医薬品等の、外用組成物の薬事法上
の範疇の別を問うものでもない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本頭皮頭髪用組成物に含有させ得るアデノシン類
は、アデノシン、アデノシン5'−リン酸および/または
アデノシン5'−リン酸の塩である。
【0010】アデノシンは、リボヌクレオシドの一つで
塩基部分にプリン誘導体であるアデニンを含むものであ
る。アデノシン5'−リン酸は5'−アデニル酸とも呼ば
れ、アデノシンのリボースの5'位のヒドロキシル基にリ
ン酸が1分子結合したヌクレオチドである。
【0011】また、アデノシン5'−リン酸の塩におい
て、塩を形成する対イオンとしては、酸と対イオンを形
成する物質であればいずれの物質でもよく、例えばナト
リウム,カリウム,カルシウム等を挙げることができ
る。また、アデノシン5'−リン酸の塩としては、その水
和物を使用することもできる。
【0012】本頭皮頭髪用組成物において、アデノシ
ン、アデノシン5'−リン酸および/またはアデノシン5'
−リン酸の塩は、試薬として市販されているものを使用
することもできる。
【0013】本頭皮頭髪用組成物におけるアデノシン類
の配合量は、通常は、乾燥固形分として、頭皮頭髪用組
成物全量に対して0.0001〜10.0質量%、好ま
しくは、同0.001〜5.0質量%である。乾燥固形
分として、頭皮頭髪用組成物全量に対して0.0001
質量%未満では十分な血流促進や養毛効果が得られず、
また、同10.0質量%を超えると製剤上の問題が生じ
る傾向が認められる。
【0014】一方、本頭皮頭髪用組成物に含有させる血
流促進剤は、ニコチン酸およびニコチン酸誘導体(本願
においては、これをニコチン酸類と定義する)、ミノキ
シジル並びにその誘導体およびその類縁体(本願におい
てこれをミノキシジル類と定義する)、セファランチ
ン、ビタミンEおよびその類縁体(本願においてこれを
ビタミンE類と定義する)、γ−オリザノール、アルコ
キシカルボニルピリジンN−オキシド、塩化カルプロニ
ウム、アセチルコリンおよびその誘導体(本願において
これをアセチルコリン類と定義する)、センブリ、ソフ
ォラ等の、従来から毛髪化粧料に血流促進剤として配合
されているものを適宜選択することができる。本頭皮頭
髪用組成物には、これらの血流促進剤を、単独で、また
は、2種以上組み合わせて配合することができる。
【0015】ニコチン酸類としては、例えばニコチン酸
ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β−
ブトキシエチル、ニコチン酸アミド等を挙げることがで
きる。これらのニコチン酸類は、現在市販されており、
また、通常公知の方法で製造することができる。
【0016】本発明に用いる血流促進剤の配合量は、通
常は、頭皮頭髪用組成物全量に対して0.001〜5.
0質量%、好ましくは、同0.01〜3.0質量%であ
る。頭皮頭髪用組成物全量に対して0.001質量%未
満では、十分な血流促進や養毛効果が得られず、また、
同5.0質量%を超えると製剤上配合が困難になる場合
や頭皮に不快な刺激感を与える場合が認められる。
【0017】このように、血流促進剤およびアデノシン
類を含有する本頭皮頭髪用組成物は、これらの相乗作用
により、頭皮における血行を十分に促進することがで
き、優れた養毛効果を有する頭皮頭髪用組成物である。
【0018】なお、本頭皮頭髪用組成物には、上記した
必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通
常、外用組成物に用いられる他の成分、例えば、油分、
界面活性剤、増粘剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、香料、色素、水、アルコール等の溶媒を必要に応じ
て適宜配合することができる。
【0019】本頭皮頭髪用組成物は、目的とする剤型に
応じて常法により製造することができる。本頭皮頭髪用
組成物の採り得る剤型は任意であり、例えば、液状、乳
液、軟膏、クリーム、ゲル、エアゾールなど、外用に適
用可能な剤型のものであればいずれでもよい。また、そ
の製品形態も任意であり、例えば、トニック、スカルプ
トリートメント、シャンプー、リンス等の形態で用いら
れ得る。
【0020】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の技術的範囲が、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、以下の実施例にお
いて、配合量は、配合対象に対する質量%であり、アデ
ノシン類については、固形分量として表示している。
【0021】〔実施例1〜8、比較例1〜10、対照例
1〕第1表および第2表に示す処方で、下記の製造方法
に従い頭皮頭髪用ローションを調製し、さらに、下記の
試験および評価方法により、これらの頭皮頭髪用ローシ
ョンの血流促進効果および養毛効果を検討した。その試
験結果を併せて第1表および第2表に示す。
【0022】(1)製造方法 95%エタノールに、アデノシン類、血流促進剤、シリ
コーン誘導体、防腐剤および香料を溶解させた(エタノ
ール部)。次に、精製水にリンゴ酸および色素を溶解さ
せ、これを、前記エタノール部に加えた後、攪拌するこ
とによって、透明液状のローションを得た。
【0023】(2)血流促進効果試験 実施例、比較例および対照例の試料(ローション)を、
それぞれ、ヒトの上腕に10μL塗布し、レーザードップ
ラー計(OMEGA-FLOW FLO-N1)で経時血流量を、塗布1時
間後まで測定した。試験結果は、以下の判定基準に従っ
て示す。
【0024】<判定基準> ++:対照例1の試料塗布部位に対して、試料塗布部位
の血流量が有意に増加した(きわめて有効)。 +:対照例1の試料塗布部位に対して、試料塗布部位の
血流量の増加が認められた(有効)。 ±:対照例1の試料塗布部位に対して、試料塗布部位の
血流量がやや増加した(やや有効) 。 −:対照例1の試料塗布部位に対して、試料塗布部位の
血流量が増加しないか、減少した(無効) 。
【0025】(3)養毛効果試験 本頭皮頭髪用組成物の養毛効果を検討するために、トリ
コグラム試験を行った。被験者は男性で、比較例では5
名、実施例では4名とした。試料塗布期間は4ヶ月間と
し、この試料を1日2回、1回につき2〜4mLを頭皮に
塗布した。試験開始直前および試験開始から4ヶ月経過
後に、それぞれ被験者1名につき、頭頂部から毛髪を無
作為に50本抜去し、抜去毛の毛根を顕微鏡下で観察
し、毛根の状態から毛根休止期率(%)を計算した。試
験開始直前の毛根休止期率に対して、試験開始から4か
月経過後の毛根休止期率がどの程度減少したかを算出
し、その平均値を求めて、以下の基準で判定した。
【0026】<判定基準> 顕著な効果(+):試験開始直前の毛根休止期率に対し
て、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、30
%以上(平均値)減少した。 弱い効果(±):試験開始直前の毛根休止期率に対し
て、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、10
%以上、30%未満(平均値)減少した。 効果無し(−):試験開始直前の毛根休止期率に対し
て、試験開始から4か月経過後の毛根休止期率が、10
%未満(平均値)減少した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】第1表および第2表から、本頭皮頭髪用組
成物は、血流促進効果および養毛効果に優れることが明
らかになった。よって、本頭皮頭髪用組成物を、頭皮ま
たは頭髪において用いることにより、頭皮において血行
を促進することができ、また、発毛を促進することがで
きることが明らかとなった。
【0030】以下に、本頭皮頭髪用組成物の処方例を、
実施例として示す。なお、いずれの実施例の頭皮頭髪用
組成物も、上記の試験(血流促進効果試験・養毛効果試
験)において、優れた血流促進効果と優れた養毛効果が
認められた。また、これらの頭皮頭髪用組成物は、安全
性・安定性にも優れているものであった。
【0031】 〔実施例9〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 55.0 アデノシン 0.02 ニコチン酸アミド 0.001 コハク酸 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシンを溶解さ
せ、これに、ニコチン酸アミドおよび香料を溶解させた
(エタノール部)。次に、精製水に、コハク酸および色
素を溶解させ、これを、前記エタノール部に加えた後、
攪拌することにより、透明液状のローションを得た。
【0032】 〔実施例10〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 75.0 アデノシン5'−リン酸 0.0001 ミノキシジル 5.0 乳酸 適 量 乳酸ナトリウム 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシン5'−リン
酸を溶解させ、さらに、ミノキシジルおよび香料を溶解
させた(エタノール部)。次に、精製水に、乳酸、乳酸
ナトリウムおよび色素を溶解させ、これを、前記エタノ
ール部に加えた後、攪拌することにより、透明液状のロ
ーションを得た。
【0033】 〔実施例11〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 60.0 アデノシン5'−リン酸2ナトリウム 1.0 ニコチン酸ベンジル 0.2 リン酸 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシン5'−リン
酸2ナトリウムを溶解させ、さらに、ニコチン酸ベンジ
ルおよび香料を溶解させた(エタノール部)。次に、精
製水にリン酸および色素を溶解させ、これを、前記エタ
ノール部に加えた後、攪拌することにより、2層状のロ
ーションを得た。
【0034】 〔実施例12〕 ローション 配合成分 配合量(質量%) 95%エタノール 60.0 アデノシン5'−リン酸2カリウム 1.0 ニコチン酸ベンジル 0.2 リン酸 適 量 香料および色素 適 量 精製水 残 量 <製造方法>95%エタノールに、アデノシン5'−リン
酸2カリウムを溶解させ、さらに、ニコチン酸ベンジル
および香料を溶解させた(エタノール部)。次に、精製
水にリン酸および色素を溶解させ、これを、前記エタノ
ール部に加えた後、攪拌することにより、2層状のロー
ションを得た。
【0035】
【発明の効果】本発明により、頭皮における血流促進効
果と養毛効果に優れる、安全性の高い頭皮頭髪用組成物
が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/14 A61K 31/14 31/205 31/205 31/216 31/216 31/355 31/355 31/455 31/455 31/4741 31/4741 31/519 31/519 31/7076 31/7076 45/00 45/00 A61P 9/08 A61P 9/08 17/14 17/14 43/00 121 43/00 121 // C07H 19/167 C07H 19/167 19/20 19/20 (72)発明者 田島 正裕 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 Fターム(参考) 4C057 BB02 CC03 DD01 LL41 LL44 4C083 AB012 AC092 AC102 AC302 AC691 AC692 AC851 AC852 AD162 AD391 AD392 AD531 AD532 AD601 AD602 AD661 AD662 CC31 CC37 DD01 DD23 DD34 EE01 EE07 EE10 EE12 EE22 4C084 AA19 MA63 NA05 NA14 ZA392 ZA911 ZA921 4C086 AA01 AA02 BA09 BC19 BC30 CB22 EA18 GA02 GA07 MA63 NA14 ZA39 ZA91 ZA92 4C206 AA01 AA02 DB22 FA41 FA42 MA04 MA83 NA14 ZA39 ZA91 ZA92

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血流促進剤、並びに、アデノシン、アデ
    ノシン5'−リン酸およびアデノシン5'−リン酸の塩から
    なる群のアデノシン類から選ばれる1種または2種以上
    を含有する頭皮頭髪用組成物。
  2. 【請求項2】 血流促進剤が、ニコチン酸類、ミノキシ
    ジル類、セファランチン、ビタミンE類、γ−オリザノ
    ール、アルコキシカルボニルピリジンN−オキシド、塩
    化カルプロニウムおよびアセチルコリン類からなる群の
    血流促進剤から選ばれる1種または2種以上である、請
    求項1記載の頭皮頭髪用組成物。
  3. 【請求項3】 血流促進剤の含有量が、頭皮頭髪用組成
    物全量に対して0.001〜5.0質量%である、請求
    項1または2記載の頭皮頭髪用組成物。
  4. 【請求項4】 アデノシン類の含有量が、頭皮頭髪用組
    成物全量に対して乾燥固形分として0.0001〜1
    0.0質量%である、請求項1〜3のいずれかの請求項
    記載の頭皮頭髪用組成物。
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