JPH11180240A

JPH11180240A - エアバッグ装置

Info

Publication number: JPH11180240A
Application number: JP9354634A
Authority: JP
Inventors: Yorito Okuda; 頼人奥田
Original assignee: Kansei Corp
Current assignee: Marelli Corp
Priority date: 1997-12-24
Filing date: 1997-12-24
Publication date: 1999-07-06

Abstract

(57)【要約】【課題】ラッピングを施してなるエアバッグ装置の
ラッピングシートの破断性能を高めると共に、ラッピン
グシートのラッピング作業の容易性を高めることを目的
とする。【解決手段】ラッピングシートに施す間欠スリット
は、該ラッピングシートの挟持引張り部２５との対応位
置では、切断応力を高め、またその挟持引張り部非対応
位置では、上記切断応力に比較して低めの切断応力とな
るように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車に設備するエア
バッグ装置であって、特に、エアバッグをコンパクトに
折り畳んで収容してなるエアバッグ装置のエアバッグ折
り畳み形態を維持せしめるためのラッピングを施してな
るエアバッグ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車の衝突事故発生時等において、乗
員を保護するために、自動車のインストルメントパネル
内又はステアリングカバー内に設備使用されるエアバッ
グ装置は周知である。このエアバッグ装置の一般的な構
造は、車体等に固定される金属製の容器内にガスを噴射
するインフレータと、このガスの噴射力を受けて膨張す
るエアバッグを収納し、さらにその容器の開口部にはカ
バーが取付けられている。そして上記エアバッグは、小
さく折り畳まれた状態で容器内に収納され、自動車の衝
突などでインフレータから噴射されるガスの噴射圧力に
より膨張して上記カバーを開裂させ乗員の前面に展開さ
れるようになっている。

【０００３】ところが、上記のようにエアバッグを小さ
く折り畳んで容器内へ収納する構成では、折り畳まれた
エアバッグの復元作用により、この容器内へ一旦収納さ
れたエアバッグが容器内からはみ出される（脹らみ出さ
れる）現象が生じて、折り畳んだエアバッグの形態を維
持することができなくなり、このために上記エアバッグ
装置を車体に設備する等の取扱い作業時において、容器
からはみ出されているエアバッグが邪魔となったり、あ
るいは車体への組付けが不可能となる等の不具合が生じ
る。

【０００４】そこで、この不具合を解消するための手段
として、例えば特開平８−２６８１９８号公報で示され
るように、小さく折り畳まれたエアバッグが、そのエア
バッグの復元力で折り畳み形態が崩されることがないよ
うにするため、つまり一旦折り畳まれたエアバッグの折
り畳み形態を維持させるための手段として、所望の形態
に折り畳まれたエアバッグ上に、ラッピングシートを被
着すること、及びこのラッピングシートには、エアバッ
グがインフレータからのガス噴射力を受けて膨張展開し
ようとするとき、そのエアバッグの膨張力で、ラッピン
グシートが容易に破断されるようにする破断線（ミシン
目）を施していることが示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
８−２６８１９８号公報で開示されているラッピングシ
ートに施されている破断線は、図５で示すように、その
ラッピングシート１の幅全長に亘って、一定長さ、一定
間隔のスリット２を均一に形成しているものである。従
って上記均一スリット２を形成しているラッピングシー
ト１を、所望形態に折り畳んだエアバッグ３上に、覆い
被せる作業は、そのラッピングシート１の辺縁部かつ幅
方向両端部４，４を摘まみながらそのラッピングシート
１を長手方向へ緊張させ、さらに上記ラッピングシート
１の幅方向両端部４，４に形成されている係止孔５に、
被取付部材６に突設されている係止爪７に係止させて、
エアバッグ３へのラッピングを行なっているものであ
る。

【０００６】ところが、上記スリット２は、ラッピング
シート１の幅全長に亘って形成されていて、そのスリッ
ト２によるラッピングシート１の破断強度が幅方向に一
定であるために、ラッピングシート１の幅方向両端部
４，４を挟持しかつその長手方向へ緊張させながら、そ
のラッピングシート１に設けられている係止孔５を係止
爪７に係止させるラッピング作業時に作用するラッピン
グシート１長手方向の緊張力により、誤って上記ラッピ
ングシート１をスリット２に沿って破断させてしまうと
いう危険性があった。

【０００７】本発明は、かかることに着目してなされた
もので、エアバッグの折り畳み形態を維持せしめるため
に折り畳まれたエアバッグ上にラッピングするラッピン
グシートに、そのラッピング作業時には、破断されるこ
とがなく、またインフレータからのガス噴射に伴なうエ
アバッグの膨張展開時には、そのラッピングシートを確
実に破断させることができる破断線を設けてなるエアバ
ッグ装置の提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１では、折り畳まれたエアバッグを
収納するケースと、該ケース内の上記エアバッグをその
折り畳み状態を保つように覆うラッピングシートとを備
え、該ラッピングシートは、その幅方向に形成され、か
つ上記エアバッグの膨張展開時に破断される間欠スリッ
トと、上記間欠スリットと平行する辺縁部に穿設され、
かつ上記エアバッグ上への被せ作業時に、上記ケースに
設けられている複数のフック部に係止させる複数の係止
孔と、上記辺縁部における上記係止孔が穿設された部分
以外の辺縁部分に形成され、かつ上記エアバッグ上への
被せ作業時に挟持して引っ張る挟持引張り部とを有する
エアバッグ装置において、上記間欠スリットは、上記挟
持引張り部との対応位置では、スリット長さを小さく設
定し、上記挟持引張り部との非対応位置では、スリット
長さを大きく設定したエアバッグ装置であることを特徴
としている。

【０００９】また本発明の請求項２では、折り畳まれた
エアバッグを収納するケースと、該ケース内の上記エア
バッグをその折り畳み状態を保つように覆うラッピング
シートとを備え、該ラッピングシートは、その幅方向に
形成され、かつ上記エアバッグの膨張展開時に破断され
る間欠スリットと、上記間欠スリットと平行する辺縁部
に穿設され、かつ上記エアバッグ上への被せ作業時に、
上記ケースに設けられている複数のフック部に係止させ
る複数の係止孔と、上記辺縁部における上記係止孔が穿
設された部分以外の辺縁部分に形成され、かつ上記エア
バッグ上への被せ作業時に挟持して引っ張る挟持引張り
部とを有するエアバッグ装置において、上記間欠スリッ
トは、上記挟持引張り部との非対応位置にのみ施されて
いるエアバッグ装置であることを特徴としている。

【００１０】また本発明の請求項３では、折り畳まれた
エアバッグを収納するケースと、該ケース内の上記エア
バッグをその折り畳み状態を保つように覆うラッピング
シートとを備え、該ラッピングシートは、その幅方向に
形成され、かつ上記エアバッグの膨張展開時に破断され
る間欠スリットと、上記間欠スリットと平行する辺縁部
に穿設され、かつ上記エアバッグ上への被せ作業時に、
上記ケースに設けられている複数のフック部に係止させ
る複数の係止孔と、上記辺縁部における上記係止孔が穿
設された部分以外の辺縁部分に形成され、かつ上記エア
バッグ上への被せ作業時に挟持して引っ張る挟持引張り
部とを有するエアバッグ装置において、上記間欠スリッ
トは、上記複数の係止孔との対応位置にのみ施されてい
るエアバッグ装置であることを特徴としている。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施形
態に基いて詳細に説明する。

【００１２】先ずエアバッグ装置の全体構造について図
１を基にして説明する。

【００１３】１１は、ブラケット１２を介して車体に取
付けられるケースであって、このケース１１内には、イ
ンフレータ収納筒１３及びこのインフレータ収納筒１３
の内部に収納されているインフレータ１４が収納されて
おり、さらにそのケース１１内のケース開口部におい
て、インフレータ収納筒１３の外部でコンパクトに折り
畳まれているエアバッグ１５が収納されている。

【００１４】上記ケース１１の外側面には、フック部１
６が一体に設けられており、このフック部１６には、エ
アバッグリッド（蓋体）７の裏側に形成されている係止
片１８が係止保持されて、インストルメントパネル１９
に設けられているエアバッグ膨出口２０がエアバッグリ
ッド１７により常閉されている。さらに上記の如く折り
畳まれているエアバッグ１５には、例えば不織布等から
なるラッピングシート２１の一辺２１Ａが縫着されてお
り、そして図２で示すように、このラッピングシート２
１の他辺２１Ｂに穿設されている複数個の係止孔２２
を、上記ケース１１の外側面に設けられているフック部
１６に引掛けて、このラッピングシート２１で折り畳ま
れているエアバッグを押えることにより、ケース内でコ
ンパクトに折り畳まれているエアバッグ１５が、その復
元作用でばらけてケース外へはみ出されないように抑制
されていて、エアバッグ１５のコンパクトな折り畳み形
態が保持されている。

【００１５】またこのラッピングシート２１には、その
幅方向に沿って一列に配列されている間欠スリット２３
が設けられており、この間欠スリット２３を設けること
により上記インフレータ１４の起爆作用によって、エア
バッグ１５が膨張展開されるときに、そのラッピングシ
ート２１がその間欠スリット２３に沿って破断され、こ
れによってエアバッグ１５が円滑に膨張され、さらにこ
のエアバッグ膨張力でエアバッグリッド１７が開口し、
膨張されたエアバッグ１５が乗員に向けて膨出されるよ
うになっている。

【００１６】図２で示す実施形態にあっては、上記間欠
スリット２３の配列形態が、ラッピングシート２１の他
辺２１Ｂに沿って複数穿設されている係止孔２２との対
応位置では、そのスリット２３の長さ（Ｓ）を長く設定
し、かつ各スリット２３間の間欠幅（Ｌ）を短くして破
断応力を弱く設定しており、また上記左右両側の係止孔
２２とラッピングシート２１の左右両側端縁２４との間
で形成されているラッピングシートの挟持引張り部２５
に対応する位置から、その両側端縁にかけてはスリット
２３の長さ（Ｓ）を短くし、かつ多数の間欠部２６を設
けて、上記係止孔２２との対応位置の破断応力よりも強
くなるように設定している。

【００１７】従ってこの実施形態において、ケース１１
内に、インフレータ１４等共にコンパクトに折り畳まれ
たエアバッグ１５を収納した後、そのエアバッグ１５に
縫着せしめているラッピングシート２１を、そのラッピ
ングシート２１の他辺２１左右両側に設けられている挟
持引張り部２５を挟持し、かつ引張りながらそのラッピ
ングシート２１を緊張させながら、エアバッグ１５上に
被せ、さらにそのラッピングシート２１の他辺２１に設
けられているそれぞれの係止孔２２をケース１１に設け
られている各フック部１６に係止させることによりラッ
ピング作業を終える。

【００１８】このようなラッピング作業時にラッピング
シート２１の挟持引張り部２５を引張ってそのラッピン
グシート２１を緊張させるが、その挟持引張り部２５に
対応する位置のスリット２３にあっては、他の位置のス
リット２３と比較してその切断応力を強めとなるように
設定（形成）しているので、そのラッピングシート２１
のラッピング時において、ラッピングシート２１に緊張
力を作用しても、上記スリット２３に沿って破断される
ことが未然に防止でき、ラッピングの作業性が容易とな
る。また上記挟持引張り部２５に対応するスリット部以
外の部分すなわち、係止孔２２とフック部１６との係止
部に対応する位置のスリット２３の切断応力は、上記挟
持引張り部２５に対応するスリット２３の切断応力より
も弱く設定しているので、インフレータ１４の動作時に
おけるエアバッグ１５の膨張展開力で、ラッピングシー
ト２１が確実に破断され、そのエアバッグ１５の膨張展
開が妨げられることがない。

【００１９】図３は、スリットの他の実施形態を示すも
ので、この実施形態では、ラッピングシート２１の挟持
引張り部２５に対応する位置２６１にはスリットを形成
せず、その挟持引張り部２５の非対応位置のみにラッピ
ングシート２１の幅方向へのスリット２３を設けたもの
である。また図４で示す実施形態では、係止孔２２に対
応する位置のみにラッピングシート２１の幅方向へのス
リット２３を設けたものである。

【００２０】従って上記図３及び図４で示すスリットの
実施形態では、挟持引張り部２５に対応する位置にはス
リット２３が施されていないので、そのラッピングシー
ト２１のラッピング時において、ラッピングシート２１
に緊張力を作用してもラッピングシートの誤った破断を
有効に回避することができる。

【００２１】なお上記の各実施形態におけるラッピング
シート２１は、その一辺がエアバッグ１５に縫着されて
おり、その他辺を、係止孔２２とフック部１６との係止
作用でエアバッグのラッピングを維持させる構造となし
ているが、これとは別に、ラッピングシート２１をエア
バッグ１５と別体となすと共に、そのラッピングシート
２１の両側辺縁にそれぞれの係止孔２２を配列し、また
ケース１１の両側の辺縁にそれぞれのフック部１６を設
けて、ラッピングシート２１の両側辺縁をケース１１の
両側辺縁に係止させるようにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、コンパク
トに折り畳まれてケース１１内に収納されているエアバ
ッグ１５上にラッピングシートを被せるラッピング作業
時に、そのラッピングシートを、そのラッピングシート
に設けられているスリットに沿って誤って破断させてし
まうという不具合を未然に防止することができるので、
ラッピングの作業性が大幅に向上される。またラッピン
グシートに設けた係止孔との対応位置には、挟持引張り
部の対応位置と比較して破断しやすいスリットを設けて
いるので、エアバッグの膨張展開が円滑になされるとい
う作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明よりなるエアバッグ装置の実施形態を示
した断面図。

【図２】本発明よりなるエアバッグ装置の要部材を示し
た斜視図。

【図３】本発明よりなるエアバッグ装置に用いられるラ
ッピングシートの他の実施形態を示した要部斜視図。

【図４】本発明よりなるエアバッグ装置に用いられるラ
ッピングシートのさらに他の実施形態を示した要部斜視
図。

【図５】従来のエアバッグラッピング構造を示した斜視
図。

【符号の説明】

１１…ケース１２…ブラケット１３…インフレータ収納筒１４…インフレータ１５…エアバッグ１６…フック部１７…エアバッグリッド１８…係止片１９…インストルメントパネル２０…エアバッグ膨
出口２１…ラッピングシート２２…係止孔２３…スリット２４…端縁２５…挟持引張り部２６…間欠幅

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】折り畳まれたエアバッグ（１５）を収納
するケース（１１）と、該ケース（１１）内の上記エア
バッグ（１５）をその折り畳み状態を保つように覆うラ
ッピングシート（２１）とを備え、該ラッピングシート
（２１）は、その幅方向に形成され、かつ上記エアバッ
グ（１５）の膨張展開時に破断される間欠スリット（２
３）と、上記間欠スリット（２３）と平行する辺縁部
（２１Ｂ）に穿設され、かつ上記エアバッグ（１５）上
への被せ作業時に、上記ケース（１１）に設けられてい
る複数のフック部（１６）に係止させる複数の係止孔
（２２）と、上記辺縁部（２１Ｂ）における上記係止孔
（２２）が穿設された部分以外の辺縁部分に形成され、
かつ上記エアバッグ（１５）上への被せ作業時に挟持し
て引っ張る挟持引張り部（２５）とを有するエアバッグ
装置において、上記間欠スリット（２３）は、上記挟持
引張り部（２５）との対応位置では、スリット長さ
（Ｓ）を小さく設定し、上記挟持引張り部（２５）との
非対応位置では、スリット長さ（Ｓ）を大きく設定した
ことを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項２】折り畳まれたエアバッグ（１５）を収納
するケース（１１）と、該ケース（１１）内の上記エア
バッグ（１５）をその折り畳み状態を保つように覆うラ
ッピングシート（２１）とを備え、該ラッピングシート
（２１）は、その幅方向に形成され、かつ上記エアバッ
グ（１５）の膨張展開時に破断される間欠スリット（２
３）と、上記間欠スリット（２３）と平行する辺縁部
（２１Ｂ）に穿設され、かつ上記エアバッグ（１５）上
への被せ作業時に、上記ケース（１１）に設けられてい
る複数のフック部（１６）に係止させる複数の係止孔
（２２）と、上記辺縁部（２１Ｂ）における上記係止孔
（２２）が穿設された部分以外の辺縁部分に形成され、
かつ上記エアバッグ（１５）上への被せ作業時に挟持し
て引っ張る挟持引張り部（２５）とを有するエアバッグ
装置において、上記間欠スリット（２３）は、上記挟持
引張り部（２５）との非対応位置にのみ施されているこ
とを特徴とするエアバッグ装置。
【請求項３】折り畳まれたエアバッグ（１５）を収納
するケース（１１）と、該ケース（１１）内の上記エア
バッグ（１５）をその折り畳み状態を保つように覆うラ
ッピングシート（２１）とを備え、該ラッピングシート
（２１）は、その幅方向に形成され、かつ上記エアバッ
グ（１５）の膨張展開時に破断される間欠スリット（２
３）と、上記間欠スリット（２３）と平行する辺縁部
（２１Ｂ）に穿設され、かつ上記エアバッグ（１５）上
への被せ作業時に、上記ケース（１１）に設けられてい
る複数のフック部（１６）に係止させる複数の係止孔
（２２）と、上記辺縁部（２１Ｂ）における上記係止孔
（２２）が穿設された部分以外の辺縁部分に形成され、
かつ上記エアバッグ（１５）上への被せ作業時に挟持し
て引っ張る挟持引張り部（２５）とを有するエアバッグ
装置において、上記間欠スリット（２３）は、上記複数
の係止孔（２２）との対応位置にのみ施されていること
を特徴とするエアバッグ装置。