JPH11180108A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH11180108A JPH11180108A JP9351117A JP35111797A JPH11180108A JP H11180108 A JPH11180108 A JP H11180108A JP 9351117 A JP9351117 A JP 9351117A JP 35111797 A JP35111797 A JP 35111797A JP H11180108 A JPH11180108 A JP H11180108A
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
ヤを提供する。 【解決手段】 空気入りタイヤのトレッド部2は、半径
方向内側に配され体積固有抵抗が1×108 Ωcm未満の
導電性ゴム材g2からなるベースゴム体10と、このベ
ースゴム体10の外側に配されることによりトレッド面
2aをなしかつシリカにより補強されたキャップゴム体
11と、ベースゴム体10に内端部12aが連結しかつ
半径方向外側にキャップゴム体11を貫通して外端部1
2bがトレッド面2aの一部をなす導電部12とからな
る。また前記ベースゴム体10の導電性ゴム材g2が、
補強短繊維を導電材料で被覆して導電性を付与した導電
短繊維を含むことを特徴とする。
Description
しつつ車両内の静電気を路面に効果的に放出しうる空気
入りタイヤに関する。
深刻化する地球温暖化問題の改善策として、排気ガスの
低減を図るべく自動車の低燃費化が急務となっている。
自動車の燃費性の向上には、内燃機関の改善に加え、タ
イヤの転がり抵抗を低減することも効果的であり、タイ
ヤの転がり抵抗を低減するためには、トレッドゴムのヒ
ステリシスロスを低減することが重要である。
するためには、ゴム基材に補強材として配合されている
カーボンブラックに換えて又はカーボンブラックの添加
量を減じてシリカを配合することが有効であることが知
られている。
め、シリカを配合したトレッドゴムは電気抵抗が大とな
り、車両で発生した静電気が地上へアースされず車両に
溜まりやすくなる。このような静電気の蓄積は、例えば
ガソリンスタンドでの給油に際して燃料タンクの蓋を開
けるときに火花を発生させる危険があり、また車両走行
中に、ラジオノイズ等の電波障害を引き起こすなど多く
の電気的誤動作の原因ともなる。
12号公報を提案した。この公報で示されるタイヤは、
シリカ(ケイ酸)を配合した不良導電材からなるトレッ
ドゴム体と、その半径方向内側に配される良導電性材か
らなる導電層とを設けるとともに、この導電層からトレ
ッド面に露出してトレッド面の一部をなす導電部材とを
具えている。このため、車両内の静電気は、導電層から
導電部材を経由して地上に放出される。
報では、カーボンブラックなどのカーボン系及び金属粉
などをゴムに配合することにより、前記導電層に導電性
を付与するものである。特に、この導電層に良導電性を
付与するためには、自ずとカーボンなどの添加量が増大
して導電層のヒステリシスロスが高められ、ひいては転
がり抵抗を効果的に低減しえない傾向がある。
されたもので、トレッド面をなしかつシリカにより補強
されたキャップゴム体の優れた低転がり抵抗特性を活か
しつつ導電性を有するベースゴム体、導電部材により電
気抵抗特性を改善した空気入りタイヤにおいて、前記ベ
ースゴム体に補強短繊維を導電材料で被覆して導電性を
付与した導電短繊維を含む導電性ゴム材を用いることを
基本として、従来よりも少ないカーボン量で導電性を確
保してさらに転がり抵抗を減じうる空気入りタイヤを提
供することを目的としている。
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部か
らサイドウオール部をへてビード部のビードコアで折り
返すカーカスを具えた空気入りタイヤであって、前記ト
レッド部は、半径方向内側に配され体積固有抵抗が1×
108 Ωcm未満の導電性ゴム材からなるベースゴム体
と、このベースゴム体の外側に配されることによりトレ
ッド面をなしかつシリカにより補強されたキャップゴム
体と、前記ベースゴム体に内端部が連結しかつ半径方向
外側にキャップゴム体を貫通して外端部が前記トレッド
面の一部をなす導電部とからなるとともに、前記導電性
ゴム材が、補強短繊維を導電材料で被覆して導電性を付
与した導電短繊維を含むことを特徴としている。
は、前記ベースゴム体と同じ導電性ゴム材からなり、か
つ前記内端部よりも巾の狭い狭小部を有することを特徴
とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
ゴム体は、ジエン系ゴム基材100重量部に対して、3
0〜100重量部のシリカと3〜20重量部のカーボン
ブラックとを含み、かつ体積固有抵抗が1×108 Ωcm
以上の絶縁性ゴム材からなるとともに、前記導電性ゴム
材は、ジエン系ゴム基材100重量部に対して、2〜3
0重量部の前記導電短繊維を含むことを特徴とする請求
項1又は2記載の空気入りタイヤである。
ゴム体をなす絶縁性ゴム材は、その損失正接の値が前記
ベースゴム体をなす導電性ゴム材の損失正接の値以上で
あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記
載の空気入りタイヤ。
ム体は、タイヤ周方向の複素弾性率E*cとタイヤ軸方
向の複素弾性率E*aとの比(E*c/E*a)が1.
1以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
か1に記載の空気入りタイヤである。
抗は、ADVANTESTER8340Aの電気抵抗測
定器を用いて、印加電圧500V、気温25℃、湿度5
0%で測定された値で表示している。また、複素弾性率
E* 、損失正接(tanδ)は、試料を所定の短冊状試
料に切り取って、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクト
ロメーターを用い、温度70℃、初期伸張10%、動歪
±1%、周波数10Hzの条件で測定した値で表示して
いる。
に基づき説明する。図1には、JATMA、TRA、E
TRTO等の規格で定めうる正規のリムJにリム組みさ
れかつ規格で定めうる使用内圧が充填された無負荷状態
のタイヤ子午断面を示している。
トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4
のビードコア5で折り返されて係止されたトロイド状の
カーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレ
ッド部2の内部に配されたベルト層7とを具える乗用車
用のラジアルタイヤが例示される。
スプライから形成され、その本体部6aとその折返し部
分6bとの間には、硬質のビードエーペックスゴム9が
配される。また前記カーカスプライは、コードをタイヤ
赤道Cに対して75〜90度の角度で配列して形成さ
れ、カーカスコードには、スチールコードや、ナイロ
ン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミドなどの
有機繊維コードが好適に採用できる。
に対して15〜40度の角度で配列した例えば半径方向
内、外2枚のベルトプライからなり、各プライ間でコー
ドが交差するように配置される。なおベルトコードに
は、本例ではスチールコードが用いられており、ベルト
層7は良好な導電性を示す。
に配され体積固有抵抗が1×108Ωcm未満の導電性ゴ
ム材g2からなるベースゴム体10と、このベースゴム
体10の外側に配されることによりトレッド面2aをな
しかつシリカにより補強されたキャップゴム体11と、
図2に拡大して示すように、前記ベースゴム体10に内
端部12aが連結しかつ半径方向外側にキャップゴム体
11を貫通して外端部12bが前記トレッド面2aの一
部をなす導電部12とを含んで構成されている。
2aの大部分をなし、転がり抵抗には重要である。本発
明では、キャップゴム体11は、シリカを配合すること
により補強されたゴム材からなる。一般に、シリカによ
って補強されたゴムは、高温時にヒステリシスロスが小
さく、かつ低温時にヒステリシスロスが大きくなる傾向
があり、いわゆるドライ路面での転がり抵抗が低減で
き、かつウエット路での耐ウエットスキッド性を向上す
ることが可能となる。
系ゴム基材100重量部に対して、30〜100重量部
のシリカを配合するのが好ましい。これによって、キャ
ップゴム体11は、タイヤの転がり抵抗の低減とウエッ
ト性能とを高いレベルで両立しうる。
(NR)、スチレンとブタジエンの共重合体であるスチ
レンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンの重合体で
ある合成ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエンの重
合体であるブタジエンゴム(BR)、ブタジエンとアク
リロニトリルとの共重合体であるニトリルゴム(NB
R)、クロロプレンの重合体であるクロロプレンゴム
(CR)などを挙げることができ、特にNR、IR、B
R、SBRが好適であるが、その他2種以上をブレンド
したゴムも用いることができる。
比表面積(BET)が150〜250m2 /gの範囲、
かつフタル酸ジブチル(DBP)吸油量が180ml/
100g以上のコロイダル特性を示すものが、ゴムへの
補強効果及びゴム加工性等の点で好ましい。
の物性、例えばゴム弾性や、ゴム硬度、発熱性等を得る
ために、カーボンブラックを補助的に配合するのが好ま
しい。前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム
基材100重量部に対して3〜20重量部とするのが好
ましい。
部を超えると、シリカによる低転がり抵抗性等の優れた
効果が減少し、またゴムが硬くなる傾向にあるなどキャ
ップゴム体11として満足のゆくゴム物性が得られ難
い。なお前記シリカの配合量が100重量部を超える
と、前記他のゴム物性を得るために、カーボンブラック
の3重量部以上の配合が困難となり、光酸化防止効果が
下がり耐候性を著しく損ねるため好ましくない。
の配合により、例えば体積固有抵抗が1×108 Ωcm以
上となる絶縁性ゴム材g1から構成される。
車両から生じる静電気を路面へと放出するために重要に
役割を担う。本例ではベースゴム体10、導電部12は
いずれも同じ導電性ゴム材g2から形成されるものを示
す。この導電性ゴム材g2は、かかる役割を果たすため
に体積固有抵抗が1×108 Ωcm未満に限定されなけれ
ばならない。
厚さで前記キャップゴム体11の内面に接してのび、本
例では前記ベルト層7の両端と略一致して終端している
ものを示す。なおキャップゴム体11、ベースゴム体1
0のタイヤ軸方向両端には、ウイングゴム体15が設け
られる。
にその内端部12aが連結しかつ半径方向外側にキャッ
プゴム体11を貫通してのびるとともに、その外端部1
2bが前記トレッド面2aの一部をなす如く設けられ
る。
いうときは、トレッド部2が路面と接地する面部を指す
もので、トレッド部2に形成された排水用のトレッド溝
Gの外面などは除外される。
生した静電気を、リムJからタイヤのビード部4、サイ
ドウォール部3の外面を形成する外皮ゴムを経由してベ
ースゴム体10、導電部12から路面へと放電する導電
通路を形成しうる。なお一般にトレッド部2よりもタイ
ヤ半径方向内側に位置するサイドウォール部3、ビード
部4には、通常のゴムないし構造が採用されるが、この
部分では良導電特性となっており、例えばサイドウォー
ル部3、ビード部4の外皮ゴムは、体積固有抵抗が1×
108 Ωcm未満で構成される。
置において図2、図3に示すように、タイヤ周方向に連
続するリング状に形成される。このため、タイヤの1回
転中に、前記導電部12を常に路面に接地させることが
できるから、より確実に車両の静電気除去効果を発揮で
き、しかも、直進時及び旋回時のいずれにおいても接地
が可能でありかつ接地圧が比較的高いタイヤ赤道Cの位
置に導電部12が設けられるため、静電気の路面への放
出効果をさらに高めうる点で好ましいものとなる。
内端部12aよりも巾の狭い狭小部13を有するものを
例示している。この導電部12の狭小部13は、本例で
は、導電部12のタイヤ軸方向の巾を漸減しながらトレ
ッド面2aに向かってのびることにより形成され、トレ
ッド面2aで最小巾をなすものを示す。導電部12が、
その内端部12aよりも巾の狭い狭小部13を有する
と、剛性の低い狭小部13に歪みを集中させることがで
き、導電部12の内端部12aでのゴム割れや、異種ゴ
ムであるキャップゴム体11との剛性段差を効果的に緩
和することが可能となる。このような観点から、前記狭
小部13のタイヤ軸方向の最小巾Wbは、前記内端部の
巾Waの60〜80%とするのが好ましい。
れる外端部12bのタイヤ軸方向巾Wb(本例では狭小
部の最小巾となる)は、例えば0.5〜20.0mm、よ
り好ましくは5〜20mmの範囲から設定するのが好まし
い。前記外端部12bの巾Wbが0.5mm未満では、路
面への通電効果が低下しがちとなり、逆に20mmを超え
ると、この導電部12のゴム物性がキャップゴム体11
に影響して、低転がり抵抗性及びウエット性能の向上効
果を充分に発揮し得ない傾向がある。
ベースゴム体10を構成する導電性ゴム材g2が、補強
短繊維を導電材料で被覆して導電性を付与した導電短繊
維を含むことを特徴の一つとしている。
ては、ゴム中にカーボンブラックを大量に配合すること
が行われていたが、この方法ではゴムのヒステリシスロ
スが高まる傾向があり、前記キャップゴム体11の優れ
た低転がり特性が、ヒシテリシスロスの高いベースゴム
体10の影響によって十分に発揮できなくなる。また金
属粉をゴム中に混入させることも考えられるが、錆の問
題を生じるほかゴムの補強効果としては不十分である。
が、補強短繊維を導電材料で被覆して導電性を付与した
導電短繊維を含むことにより、前記カーボン量を低減し
転がり抵抗の増加を防ぎつつもゴムに良好な導電性と強
度を与えることができるのである。
ヨン、ビニロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、芳香族ポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、セルロー
ス等の有機繊維が特に好ましいが、ガラス、アルミナ等
の無機繊維を用いることもできる。最も好ましいのは、
有機短繊維であって、特にナイロン短繊維は、伸度が高
く柔軟性に優れるとともに強度が大であるため好まし
い。
000μmの範囲とすることが好ましい。繊維長をこの
ように限定することにより、ゴムを押し出して成形する
と、該押し出されたゴム中で補強短繊維の90%以上の
配向方向がゴム押し出し方向に向くため、効果的にゴム
を補強することができる。なお補強短繊維の繊維長が前
記範囲から外れると、短繊維としての配向性が妨げら
れ、また分散性も低下してしまう傾向がある。
に、キャップゴム体11をなす絶縁性ゴム材g1、ベー
スゴム体10をなす導電性ゴム材g2は、一体となって
押出機の口金から帯状体に押し出しされ、この帯状体の
両端をジョイントしてリング状に接続しトレッド部2に
用いている。このため、前記ベースゴム体10では、タ
イヤ周方向に沿って前記導電短繊維材を配向でき、例え
ばベースゴム体10のタイヤ周方向の複素弾性率E*c
とタイヤ軸方向の複素弾性率E*aとの比(E*c/E
*a)を1.1以上とすることができる。
方向の複素弾性率E*cとタイヤ軸方向の複素弾性率E
*aとの比(E*c/E*a)を1.1以上とすること
により、乗り心地を損なうことなくタイヤ周方向の剛性
を高めることができる。
導電性のために有利であるが、細すぎると、繊維が過度
に絡み合って分散不良を発生させ、均一なゴム組成が得
られ難くなる。従って繊維径は1〜100μmの範囲と
するのが好ましい。
は、例えばポリピロール、ポリアニリン、アルキレンオ
キサイドなど主鎖にπ電子共役を有する導電性ポリマー
及び各種金属塩が使用でき、導電性ポリマーを用いる時
には、ヨウ素、五フッ化砒素等の電子受容性物質あるい
はカリウム、ナトリウム等の電子供与性物質を少量添加
(ドーピング)して導電性をさらに高めることが望まし
い。
き、前記導電材料には導電性ポリマーを用いるのが好ま
しく、特にポリピロール骨格を有する化合物は、導電性
状態における総合的安定性に優れているため好適であ
る。ここで「ポリピロール骨格を有する化合物」とは、
ポリマー中の主鎖がピロール環を結合してなるピロール
鎖で形成された化合物を意味する。
については、特に限定されないが、導電性ポリマーの場
合には、補強短繊維の存在下でモノマーを重合させて導
電性ポリマーを形成するのが良い。より詳しくは、導電
性ポリマーとしてポリピロールを使用するときには、塩
化第二鉄六水和物(FeCl3 ・6H2 O)の水溶液中
に、例えばナイロンである補強短繊維を入れ、撹拌分散
させる。これに、ピロール水溶液を添加し、数時間撹拌
して共役重合させた後、濾別する。次に、水及びメタノ
ールで洗浄を充分繰り返した後、真空乾燥させることに
よりナイロン短繊維をポリピロールで被覆した導電短繊
維を得ることができる。
には、電気メッキ、蒸着等の種々のメッキ処理技術を採
用できる。
維100重量部に対して1重量部以下で十分な導電性を
発揮させることができ、そのときの被覆厚さは、0.0
2〜0.1mm程度である。
中に導電短繊維が適度に絡み合った網目状の電気導通路
が確実かつ均一に形成される結果、例えば金属粉などの
導電材料を直接にゴム基材に配合するものに比して、遥
かに少ない導電材料の使用量で導電性を最大限に発揮で
き、ベースゴム体10、導電部12の電気抵抗を大巾に
低減しうる。
いるため、前記補強性低下の弊害に対する導電材料の寄
与率自体も低減され、前記導電材料の使用量の削減と相
俟って、補強性低下の弊害を抑制しうる。
電性付与という観点からのカーボンの使用を極力抑制し
うる結果、ゴムのヒステリシスロスを増加を招くことが
なく、キャップゴム体11の優れた低転がり特性を十分
に発揮させることが可能になる。また導電性ゴム材g2
は、補強短繊維による補強効果によって、従来のカーボ
ンブラック等の補強剤の全部と置き換えて使用すること
もでき、必要なタイヤ強度を確保しつつ転がり抵抗及び
導電性の改善を達成しうる点でも好ましい。さらに導電
性ゴム材g2は、導電短繊維を内添しているので走行に
よってトレッド部2が摩耗しても、その導電性は大きく
は低下せず、使用の初期から末期にかけて安定した性能
が発揮される。
述のジエン系ゴムが好適であり、特にSBRを含む場合
には、S−SBRが望ましく、さらに好ましくはガラス
転移温度Tgが−50゜C以下のS−SBRが低転がり
抵抗性能を発揮しうるため望ましい。
量は、前述のジエン系ゴム基材に対して2〜30重量部
とするのが好ましい。前記導電短繊維の配合量が2重量
部未満では導電性の低下傾向があり、逆に30重量部を
越えると、導電性は良好ではあるが例えばゴムの耐摩耗
性などが低下する傾向がある。
維の他に必要に応じてシリカ等のゴム補強剤、及び硫
黄、老化防止剤などの従来の添加剤が配合できるが、ゴ
ムの導電性は主として導電短繊維にて得られるため、添
加剤の中でもとりわけカーボンブラックについは、主と
してゴムの補強という観点で用いられ、従来カーボンブ
ラックによりゴムの導電性を高めていた導電性ゴムに比
べてその使用量を大幅に減じうるのは前述の通りであ
る。
ファーネスブラック(SAF、 ISAF、 HAF)、アセチレンブラ
ック、ケッチェンブラックが採用でき、例えばゴム基材
100重量部に対して35重量部以下とするのが好まし
い。カーボンブラックの配合量が35重量部を越える
と、ゴムのステリシスロスが増加する傾向があるため好
ましくない。
ム体11の絶縁性ゴム材g1で使用するカーボンブラッ
クの種類は、特に限定されないが、平均粒子径Ncが3
0nm以下のハードカーボンを使用するのが好ましい。
リカは実質的に絶縁体とは言えヒステリシスロスを減じ
るため、前記導電短繊維と併用することが可能であり、
例えばゴム基材100重量部に対してシリカ配合量は1
0重量部以下とするのが良い。なお好ましくはシリカを
全く配合しないのがさらに良い。
2には、必要に応じて、公知の加硫剤、加硫促進剤、加
硫促進助剤、可塑剤、老化防止剤、およびシランカップ
リング剤等を適宜添加できることは勿論である。なおシ
ランカップリング剤としては、ビス(トリエトキシシリ
ルプロピル)テトラスルフィド、α−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランが好適である。
性ゴム材g1は、その損失正接の値が前記ベースゴム体
10をなす導電性ゴム材g2の損失正接の値以上である
ことが望ましく、本例では絶縁性ゴム材g1の損失正接
の値を、導電性ゴム材g2の損失正接の値より大として
いる。
で補強しており、他方ベースゴム体10は導電短繊維で
補強されかつカーボン量を減じているため、両ゴム体と
もにヒシテリシスロス自体は小さいが、両者の損失正接
の値に差を設けることにより、さらに転がり抵抗を減少
させ車両の低燃費化を促進しつつ優れた乗り心地を確保
できる。また、ベースゴム体10の損失正接の値をキャ
ップゴム体11のそれよりも小さくした場合には、タイ
ヤ内部での過度の発熱を防止しうる点でも好ましい。
と、ベースゴム体10の厚さh2とは、タイヤの転がり
抵抗、電気抵抗特性などを考慮して種々定めうるが、例
えばその比(h1/h2)を1.5〜4.0とするのが
好ましい。
組みして所定の内圧を充填したタイヤにタイヤ最大荷重
の80%荷重を負荷した静止状態において、トレッド面
2aの接地部と前記リムJとの間の電気抵抗を1×10
8 Ωcm未満とすることができる。またタイヤの1000
km走行後においても、前記電気抵抗を1×109 Ωcm
以下に規制することができ、静電気のスパークを原因と
する火災、電波障害等を防止した安全走行を、使用初期
から終期に至り保証できる。
抗の測定は、ドイツの WDK、 Blatt3で規定される「荷重
下でのタイヤ電気抵抗の測定手順」に基づき測定しうる
ものであって、図6に示すように、台板30に対して絶
縁状態で取付く鋼板31上に、タイヤ1を前記負荷状態
で垂直に接地させ、リムJと鋼板31との間の電気抵抗
を、印可電圧500V、気温25℃、湿度50%、内圧
2.0kgf /cm2 の条件で測定した。
す。この例では、導電部12は、そのタイヤ半径方向長
さの略中央部分に前記狭小部13を有し、この狭小部1
3の半径方向外側は、再び拡巾し、外端部12bは内端
部12aとほぼ等しいタイヤ軸方向の巾を有している。
この場合、トレッド面2aにて導電部12の接地面積を
大としうる点で好ましく、また導電部12は、導電部1
2の略中央部分の狭小部13で剛性が小さくなるため、
特に歪を狭小部13に集中させることで、キャップゴム
体11との剛性段差を緩和することができる。
赤道Cを挟んで両側に設けることや、リング状以外にも
外端面が例えば円形、矩形などをなす柱状体としてベー
スゴム体10から立ち上げでき、しかもタイヤ周方向に
疎らに分散配置することもできる。この場合、タイヤが
1周する際にトレッド面が接地するフットプリント上で
常に1つ以上の導電部が接地しているのが良い。なお導
電部12は、内端部12aが前記ベースゴム体10と例
えば円弧によって滑らかに接することによって、応力集
中の緩和を図ることも好ましく実施しうる。
スゴム体(導電部もこれと同じ)に用いたゴム材の配合
例を表1に示す。
%、ビニル量57%、非油展) *2 日本ゼオン製BR1220(ハイシスBR シス分98%) *3 Degusa 製ウルトラシルVN3 (シリカ:BET175m2
/g、DBP 給油量210ml/100g) *4 三菱化学製試作カーボン(1次粒子径16nm) *5 昭和キャボット製N351カーボン(1次粒子径28n
m) *6 Degussa 製シランカップリング剤 (Si69:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラス
ルフィド) *7 日本カーリット製JCP114(繊維長800 μ、繊維径
16μm) *8 日本カーリット製JCP113(繊維長400 〜600 μ、
繊維径16μm) *9 Log 表示
(サイズ:205/65R15)を表1に示したゴムを
適宜表2に示すように組み合わせて試作し、タイヤの転
がり抵抗、ウエット性能、負荷状態でのタイヤ電気抵抗
をそれぞれ測定して評価した。なおビード部、サイドウ
ォール部のゴムの体積固有抵抗をそれぞれ略1×107
Ωcmとし、またベースゴム体〜については、前記複
素弾性率の比(E*c/E*a)を1.1に統一した。
また転がり抵抗は、神戸機械(株)製の転がり抵抗試験
機を用いて測定し、またウェツト性能はドライバーによ
る官能評価であり、いずれも従来例を100とする指数
で評価した。数値が高いほど優れている。なお負荷状態
でのタイヤ電気抵抗については前記の通りである。テス
トの結果を表2に示す。
ゴム体にカーボンで導電性を付与した従来例に比べ転が
り抵抗、電気抵抗特性がともに良好であることが確認で
きた。なおシリカの配合量の少ないキャップゴム体を
含む比較例2では、ころがり抵抗が十分に改善されてい
ない。また、導電短繊維の配合量が少ないと、体積固有
抵抗値を低減できない(比較例3)。
明では、トレッド面をなすキャップゴム体をシリカによ
り補強したことにより、転がり抵抗の低減が可能とな
り、、車両の低燃費化に大きく貢献しうる。また、キャ
ップゴム体の内側に導電性ゴム材からなるベースゴム体
を配しかつ内端部がこのベースゴム体に連通するととも
にキャップゴム体を貫通してのびトレッド面の一部をな
す導電部を具えることにより、転がり抵抗を低減しつつ
タイヤの電気抵抗を小さくして車両内で生じた静電気を
路面に放出でき、種々の静電気障害を効果的に除去しう
る。
導電材料で被覆して導電性を付与した導電短繊維を含む
ことにより、従来の導電性ゴムに比べてカーボン使用量
を低減しつつ導電性とゴム強度とを確保できるから、ベ
ースゴム自体のヒステリシスロスを小にでき、ベースゴ
ム体でも転がり抵抗の低減効果が発揮でき、さらなる車
両の低燃費化を実現できる。
が、前記ベースゴム体と同じ導電性ゴム材からなり、か
つ前記内端部よりも巾の狭い狭小部を有することによ
り、狭小部に歪みを集中させ、内端部でのゴム割れや、
キャップゴム体との剛性段差を緩和することが可能とな
る。
ップゴム体、ベースゴム体の配合乃至体積固有抵抗をそ
れぞれ限定したことにより、より確実に転がり抵抗とタ
イヤ電気抵抗を低減しうる。
ップゴム体をなす絶縁性ゴム材は、その損失正接の値が
前記ベースゴム体をなす導電性ゴム材の損失正接の値以
上としてため、ベースゴム体でも転がり抵抗を低減でき
る。
スゴム体をなす導電性ゴム材は、タイヤ周方向の複素弾
性率E*cとタイヤ軸方向の複素弾性率E*aとの比
(E*c/E*a)が1.1以上であるため、タイヤ周
方向剛性を乗り心地を損なうことなく高めることができ
る。
図である。
し出した帯状体の断面図である。
を説明する線図である。
Claims (5)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部をへてビ
ード部のビードコアで折り返すカーカスを具えた空気入
りタイヤであって、 前記トレッド部は、半径方向内側に配され体積固有抵抗
が1×108 Ωcm未満の導電性ゴム材からなるベースゴ
ム体と、 このベースゴム体の外側に配されることによりトレッド
面をなしかつシリカにより補強されたキャップゴム体
と、 前記ベースゴム体に内端部が連結しかつ半径方向外側に
キャップゴム体を貫通して外端部が前記トレッド面の一
部をなす導電部とからなるとともに、 前記導電性ゴム材が、補強短繊維を導電材料で被覆して
導電性を付与した導電短繊維を含むことを特徴とする空
気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記導電部は、前記ベースゴム体と同じ導
電性ゴム材からなり、かつ前記内端部よりも巾の狭い狭
小部を有することを特徴とする請求項1記載の空気入り
タイヤ。 - 【請求項3】前記キャップゴム体は、ジエン系ゴム基材
100重量部に対して、30〜100重量部のシリカと
3〜20重量部のカーボンブラックとを含み、かつ体積
固有抵抗が1×108 Ωcm以上の絶縁性ゴム材からなる
とともに、 前記導電性ゴム材は、ジエン系ゴム基材100重量部に
対して、2〜30重量部の前記導電短繊維を含むことを
特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】前記キャップゴム体をなす絶縁性ゴム材
は、その損失正接の値が前記ベースゴム体をなす導電性
ゴム材の損失正接の値以上であることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項5】前記ベースゴム体は、タイヤ周方向の複素
弾性率E*cとタイヤ軸方向の複素弾性率E*aとの比
(E*c/E*a)が1.1以上であることを特徴とす
る請求項1乃至4のいずれか1に記載の空気入りタイ
ヤ。
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