JP3964511B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低転がり抵抗性とウエット性能(耐ウエットスキッド性)との向上のためにトレッドゴムの補強剤としてシリカを用いたタイヤにおいて、この優れた低転がり抵抗性能及びウエット性能を維持し、かつ操縦安定性を損ねることなく車両に発生する静電気を路面に効果的に放電でき、しかもこれらの特性を使用初期から終期にいたり安定して発揮する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
近年、自動車の低燃費性を高めかつ排気ガスの低減化を促進するために、シリカをトレッドゴムの補強剤として用いたタイヤが提案されている。このものは、低温側でのヒステリシスロスが高く維持されるため優れたウエット性能を発揮する一方、高温側でのヒステリシスロスが低いため転がり抵抗が減じるなど、低転がり抵抗性能とウエット性能とを両立して向上しうるという利点がある。
【0003】
しかしながらその半面、シリカは電気絶縁性が高いため、シリカ配合のトレッドゴムのタイヤを使用した場合、車両に静電気が溜まりやすいという欠点があり、この静電気の蓄積は、例えば運転者がガソリンスタンドで燃料タンクの蓋を開けようとした際に、火花を発生させる恐れを招くなど危険であり、又走行中、ラジオノイズ等の電波障害を引き起こすなど多くの電気的誤動作の原因ともなる。
【0004】
なお、特開平8−120120号の公報、及び米国特許番号第5518055号の公報には、シリカ配合のトレッドゴムの表面に、主にカーボンブラックを用いた導電性薄膜を貼り付け、その電気抵抗を改善したタイヤが提案されている。
【0005】
しかし、これらのタイヤでは、元来性質の異なる2種類の配合ゴムを内外に積層して使用しているため、外側の導電性薄膜の摩滅によってシリカ配合のトレッドゴムの全面が露出する以前と以後とで、タイヤ性能に大きな変化をもたらすなど、自動車の4輪間での摩耗量の違いにより車両の挙動が不安定になるなどの問題が考えられる。又このものは、外側の導電性薄膜の摩滅後においては、トレッド溝の溝壁面及びバットレス面に残存する導電性薄膜の端面が路面と接地して、導電性を確保するが、導通面積が小でありしかもトレッド溝及びバットレス面の上縁は偏摩耗が最も顕著に発生する箇所であるなど、路面との導通状態を極めて不安定なものとしている。
【0006】
そこで本発明のうち請求項1記載の発明は、シリカを主補強剤とした絶縁性ゴム材からなるキャップゴム体の内部に、導電性ゴム材からなりかつ前記キャップゴム体を貫通してトレッド接地面の一部をなす貫通端子部を立ち上げたベースゴム体を設けるとともに、前記絶縁性ゴム材及び導電性ゴム材のゴム組成を規制することを基本として、優れた低転がり抵抗性能及びウエット性能を維持しかつ操縦安定性を損ねることなく車両に発生する静電気を路面に効果的に放電でき、しかもこれらの特性を使用初期から終期にいたり安定して発揮し、かつ貫通端子部がキャップゴム体とバランスよく摩耗し、路面との導通を確実かつ安定して行いうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0007】
請求項2に係る発明は、低転がり抵抗性能の維持を図るとともに、使用末期にベース層が露出してタイヤ性能が大きく変化するのを抑制する空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、負荷状態におけるタイヤの電気抵抗値を特定することによって、実車走行における放電の効果を確実化する空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、ベースゴム体からリムに至るタイヤの導電通路を、タイヤ内部に形成し、タイヤ外面の腐食、損傷に影響されることなく放電を安定に行いうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0010】
請求項5,6に係る発明は、シリカの粒度及びストラクチャーを特定し導電性ゴム材及び導電性副ゴム材に必要なゴム物性、ゴム加工性などを維持するとともに、カーボンブラックの比Wc/Ncを特定して低い体積固有抵抗を保証する空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0011】
請求項7に係る発明は、路面との馴染み性に劣る慣らし走行などの使用初期における導電性を維持できる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0012】
請求項8記載の発明は、低転がり抵抗性能及びウエット性能の利点を損ねることなく、必要な導通面積を確保して放電の効果を保証する空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウオール部をへてビード部のビードコアで折り返すカーカス、このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方に配される補強部材、体積固有抵抗が1×108 Ωcm以上の絶縁性ゴム材から成りかつトレッド部を形成するキャップゴム体、及びこのキャップゴム体のタイヤ半径方向内側に配されるベース層とこのベース層から前記キャップゴム体を貫通してのびかつ外端面がトレッド接地面の一部をなす貫通端子部とを具えるとともに体積固有抵抗が1×107 Ωcm以下の導電性ゴム材からなるベースゴム体を具える一方、
前記絶縁性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、30〜100重量部のシリカと3〜20重量部のカーボンブラックとを含むとともに、
前記導電性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、0〜50重量部のシリカと25重量部以上のカーボンブラックとを含み、
しかも25゜Cの温度における前記絶縁性ゴム材のゴム硬度Hs1を前記導電性ゴム材のゴム硬度Hs2以下とし、
前記導電性ゴム材の摩耗抵抗指数K2は絶縁性ゴム材の摩耗抵抗指数K1より大であることを特徴とする。
【0014】
又請求項2に係る発明は、請求項1の発明と主要部を同じくし、かつキャップゴム体の体積V1とベースゴム体の体積V2との比V2/V1は、0.5以下であることを特徴とする。空気入りタイヤ。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1の発明と主要部を同じくし、かつ基準リムにリム組みされるとともに、前記トレッド接地面の接地部と前記基準リムとの間の電気抵抗は、タイヤ最大荷重で規定される内圧の80%内圧を充填しかつ前記タイヤ最大荷重の80%荷重を負荷した負荷状態において、未走行時は1×10 8 Ωcm以下、かつ1000km走行後は1×10 9 Ωcm以下であることを特徴とする。
【0016】
又請求項4に係る発明は、前記ベースゴム体に接し前記補強部材をコーティングする補強部材ゴム層、この補強部材ゴム層に接しかつカーカスをコーティングするカーカスゴム層或いはサイドウオールゴム層、及びビード部に配され前記カーカスゴム層或いはサイドウオールゴム層に接するとともにリムに着座するクリンチゴム層を具え、しかも 補強部材ゴム層と、カーカスゴム層或いはサイドウオールゴム層と、クリンチゴム層は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、シリカ0〜50重量部とカーボンブラック25重量部以上とを含むことによって体積固有抵抗を1×10 7 Ωcm以下とした導電性副ゴム材からなることを特徴とする。
【0017】
さらに請求項5に係る発明は、前記導電性ゴム材は、シリカの窒素吸着比表面積(BET)を150〜250m 2 /gかつDBP吸油量を180ml/100g以上、かつカーボンブラックの配合量Wc(重量部)と平均粒子径Nc(単位nm)との比Wc/Ncを1.5以上としたことを特徴とし、かつ請求項6に係る発明は、シリカの窒素吸着比表面積(BET)を150〜250m 2 /gかつDBP吸油量を200ml/100g以上、カーボンブラックの配合量Wc(重量部)と平均粒子径Nc(単位nm)との比Wc/Ncを1.5以上としたことを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る発明は、前記貫通端子部が、主部の先端に、タイヤ軸方向の巾を増した増巾部を設けた茸状の該貫通端子部を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【0019】
又請求項8記載の発明は、貫通端子部の主部先端における貫通端子部最小巾を0.5〜20.0mmとすることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。
図1は、JATMA、TRA、ETRTO等のタイヤ基準で定める基準リムRにリム組みされかつタイヤ基準で定めるタイヤ最大荷重によって規定される内圧の80%を充填した80%内圧状態におけるタイヤ子午断面を示し、空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部2と、このトレッド部2の両端からからタイヤ半径方向内方にのびるサイドウオール部3、3と、各サイドウオール部3の内方に位置するビード部4とを具える。又空気入りタイヤ1は、前記ビード部4、4間を跨るトロイド状のカーカス6、及びこのカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2内部に配されるベルト層7などの補強部材8によって補強されかつ必要なタイヤ強度、剛性などが付与される。
【0021】
前記カーカス6は、トレッド部2からサイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5の周りで両端が折返される少なくとも1枚、本例では1枚のカーカスプライから形成される。またカーカス6の本体部分とその折返し部分との間には、ビードエーペックスゴム9が充填されタイヤ横剛性を高めている。
【0022】
又前記カーカスプライは、タイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で引き揃えたカーカスコードの配列体からなり、この配列体をいわゆるトッピングゴムであるカーカスゴム層11によってコーティングすることによって、シート状体に形成される。なおカーカスコードとしては、スチールコードの他、例えばナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードも好適に採用できる。
【0023】
又前記補強部材8は、本例では、前記トレッド部2をタガ効果を有して補強し低い偏平率でタイヤを拘束するベルト層7、及びこのベルト層7外側に配されそのリフティングを抑制するバンド層10(図2に示す)とを具える。なお補強部材8は、要求するタイヤ性能によって、バンド層10を排除しても良い。
【0024】
前記ベルト層7は、タイヤ赤道Cに対して10〜30度の角度で配列するベルトコードの配列体からなる例えば2枚のベルトプライを具え、各ベルトコードはプライ間相互で交差するトラス構造を有する。また各ベルトコードには、本例ではスチールコードが用いられ、前記トラス構造による高い曲げ剛性とともにタイヤ強度を維持している。
【0025】
またバンド層10は、例えばナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維のバンドコードを螺旋巻きしたスパイラルコードのバンドプライからなり、このバンドプライが少なくともベルト層7外面の両端、本例では、ベルト層7外面の全体を被覆することにより、タイヤ回転に伴うベルト層7の弛み、リフティングなどを抑制し高速耐久性を高めている。
【0026】
なお前記ベルトプライをなすベルトコードの配列体及びバンドプライをなすバンドコードの配列体も、前記カーカスコードと同様に、補強部材ゴム層12によって被覆され、それぞれシート状体として形成される。
【0027】
又前記トレッド部2を形成するトレッドゴム13は、トレッド面を有する半径方向外側のキャップゴム体15と、その内側に配されるベースゴム体16との2層構造をなし、キャップゴム体15は、前記トレッド部2の全巾に亘って延在し、トレッド面にはタイヤ周方向にのびる縦溝Gm及びこれに交わる方向にのびる横溝Gyなどで構成する自在なパターン形状のトレッド溝Gを凹設している。
【0028】
前記ベースゴム体16は、ほぼ均一な厚さを有して前記キャップゴム体15の内面に接してのびるベース層17と、このベース層17から立ち上がり前記キャップゴム体15を貫通してのびる貫通端子部19とを一体に具え、この貫通端子部19の外端面が、トレッド接地面2Sと整一してその一部を構成する。なおトレッド接地面2Sとは、トレッド面のうちトレッド溝Gを除外した面部、すなわちタイヤ転動に際して路面と接地しうる面部を意味する。
【0029】
又前記キャップゴム体15は、前記トレッド溝Gの溝深さ以上の厚さを有するとともに、前記ベースゴム体16は、その体積V2を前記キャップゴム体15の体積V1の0.5倍以下とした薄肉であり、これによってトレッドのボリューム増加を抑制しながら、摩耗終期においてキャップゴム体15が摩滅してベース層17が露出するのを確実に防止する。
【0030】
前記貫通端子部19は、本例では図3に示すように、タイヤ赤道Cの両側に位置して円周方向に連続してのびるリブ状をなし、例えば接地圧が高いトレッド中央域に形成する。又貫通端子部19は、図2にその断面形状を示すように、タイヤ軸方向の巾を漸減しながらベース層17からトレッド面に向かって立ち上がる主部20を具え、この主部20の根元部分が前記ベース層17と例えば円弧によって滑らかに接することによって、応力集中の緩和が図られるとともにベース層17との間の静電気の流れを円滑化している。なお根元部分の曲率半径rは、主部20先端の巾Wの0.5〜2.0倍程度が良く、又この巾Wは、根元部分の最大巾Wcの0.2〜0.8倍程度が好ましい。
【0031】
本例では、一方の貫通端子部19Aは、前記主部20のみで形成される。この時、主部20先端がトレッド接地面2Sを形成することになり、必要な導電面積を確保すべく、トレッド接地面2Sでの貫通端子部19Aの巾Waを0.5〜20.0mmの範囲とする。0.5mm未満では導電性を損ね、また20mmを超えると、ベ−スゴム体16の弾性、剛性等のゴム物性が影響して、低転がり抵抗性及びウエット性能の向上効果を充分に発揮し得ない。
【0032】
又他方の貫通端子部19Bは、本例では、前記主部20の先端に、タイヤ軸方向の巾を増した増巾部21を設けた茸状に形成しており、この時くびれ状の主部20先端が前記ベ−スゴム体16のゴム物性の影響を緩和する緩和部として機能する。従って、茸状の貫通端子部19Bでは、トレッド接地面2Sでの巾Wbを前記貫通端子部19Aの巾Waより大きく設定でき、例えばその上限を40mm程度まで高めうる。これによって、例えば路面との馴染み性に劣る慣らし走行などの使用初期における導電性を維持できる。なお、貫通端子部19Bの主部20先端の巾Wは、貫通端子部19Aの巾Waより小である。
【0033】
ここで前記キャップゴム体15は、シリカを主の補強剤として配合した体積固有抵抗が1×108 Ωcm以上の絶縁性ゴム材22からなり、この絶縁性ゴム材22は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、30〜100重量部のシリカと3〜20重量部のカーボンブラックとを含む。すなわち、タイヤの低転がり抵抗性とウエット性能とを両立して高いレベルで発揮するために、シリカを30重量部以上配合することが必要であり、この時、他の必要なゴム物性、例えばゴム弾性、ゴム硬度、発熱性等を得るために、カーボンブラックを補助的に配合し、その配合量を20重量部以下とする。なおカーボンブラックが20重量部を超えると、前記低転がり抵抗性等のシリカによる効果が減じられ、かつゴム硬度が過大となるなど前記他のゴム物性が得られ難い。又シリカが100重量部を超えると、前記他のゴム物性を得るために、カーボンブラックの3重量部以上の配合が困難となり、光酸化防止効果が減じて耐候性を著しく損ねる。
【0034】
なお前記ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレインの重合体である合成ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエンの重合体であるブタジエンゴム(BR)、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体であるニトリルゴム(NBR)、クロロプレンの重合体であるクロロプレンゴム(CR)などがあり、特にNR、IR、BRが好適である。又前記共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体とは、共役ジエン系モノマーである前記ブタジエン、イソプレイン等と、芳香族ビニル化合物であるスチレン、アルファメチルスチレン等との共重合体であって、いわゆる乳化重合のスチレンブタジエンゴム(E−SBR)及び溶液重合のスチレンブタジエンゴム(S−SBR)が好適である。従って、絶縁性ゴム材22のゴム基材としては、前記NR、IR、BR、並びにSBR(E−SBR、S−SBR)から選択される一種のゴム、又は二種以上を混合したブレンドゴム、特にSBRを含むことが望ましい。そのときには、SBRとして、スチレン量が10〜40%、好ましくは15〜30%の範囲で、又ビニル量が10〜70%、好ましくは15〜60%、さらに好ましくはS−SBRでかつビニル量が40〜60%の範囲のものが良い。
【0035】
又前記ベースゴム体16は、カーボンブラックを主の補強剤として配合した体積固有抵抗が1×107 Ωcm以下の導電性ゴム材23から形成され、この導電性ゴム材23は、前記ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、0〜50重量部のシリカと25重量部以上のカーボンブラックとを含む。すなわち1×107 Ωcm以下の優れた導電性を得るために、カーボンブラックの25重量部以上の配合が必要であり、他のゴム物性を得るために、シリカを補助的に配合してもよく、そのときシリカ配合量は50重量部以下とする。なおシリカが50重量部を超えると、カーボンブラックによるものに比べて耐摩耗抵抗指数に劣り、又ゴム硬度の増加に伴う発熱性が増して低転がり抵抗性を損ねる結果となる。
【0036】
なお導電性ゴム材23のゴム基材としては、絶縁性ゴム材22と同様に、前記NR、IR、BR、並びにSBR(E−SBR、S−SBR)から選択される一種のゴム、又は二種以上を混合したブレンドゴムが好適であるが、特にSBRを含むことは必要ない。なおSBRを含む場合には、S−SBRが望ましく、特にTg(ガラス転移温度)が−50゜C以下のS−SBRが低転がり抵抗性能の面から望ましい。
【0037】
ここで前記導電性ゴム材23で使用するカーボンブラックの種類は、特に限定されないが、前記配合量Wc(重量部)と平均粒子径Nc(単位nm)との比Wc/Ncを1.5以上とすることが好ましい。これは、前記導電性ゴム材23の体積固有抵抗は、カーボンブラックの配合量Wcとその平均粒子径Ncとに関係し、Wcの増加又はNcの減少によって体積固有抵抗は減少する。従って、比Wc/Ncを1.5以上に規制することによって、必要な導電性が保証される。なお好適には、平均粒子径Ncが30nm以下のハードカーボンが使用される。
【0038】
又導電性ゴム材23に用いるシリカとしては、窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m2 /gの範囲、かつフタル酸ジブチル(DBP)吸油量が180ml/100g以上のコロイダル特性を示すものが、ゴムへの補強効果及びゴム加工性等の点で好ましい。
【0039】
なお、絶縁性ゴム材22に用いるカーボンブラック及びシリカも、特に制限されないが、上記の規制に準じたものが使用でき、又前記導電性ゴム材23、絶縁性ゴム材22、さらには後述する導電性副ゴム材26には、必要に応じて、公知の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、可塑剤、老化防止剤、およびシランカップリング剤等を適宜添加できることは勿論である。なおシランカップリング剤としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、α−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好適である。
【0040】
又トレッドゴム13は、操縦安定性を維持するために、前記絶縁性ゴム材22の例えば25゜Cの温度におけるゴム硬度Hs1を、導電性ゴム材23のゴム硬度Hs2以下、すなわちHs1≦Hs2とすることが必要であり、もしHs1>Hs2の時、ベース層17に動きが生じるなど腰が弱くコーナリングフォースが過小、かつ応答性が損なわれるなど直進安定性が悪くなる。しかも前記貫通端子部19が圧縮変形して路面との導通性が低下する。又貫通端子部19の最小巾Waが20.0mmを超えると、キャップゴム体15による接地面積が減じ、シリカによる低転がり抵抗性等のメリットが減じられる。
【0041】
又前記導電性ゴム材23は、その摩耗抵抗指数K2を、絶縁性ゴム材22の摩耗抵抗指数K1より大とする。もし摩耗抵抗指数K2が摩耗抵抗指数K1以下の時、トレッド接地面2Sにおいて、貫通端子部19がキャップゴム体15より早期に摩耗して接地がしなくなり、使用途中からタイヤの導電性が著しく低下する。なお本例では、摩耗抵抗指数は、JISK6264に従い、島多技研社製ランボーン摩耗試験機を用いて、荷重2.0kg、スリップ率40%の条件下において測定したものを比較している。
【0042】
又低転がり性能をさらに高めるためには、実質的に接地しないベースゴム体16側の導電性ゴム材23の損失正接 tanδ2を0.09以上かつ絶縁性ゴム材22の損失正接 tanδ1以下の範囲に減じるのが好ましく、またこれによって内部発熱を減じ耐久性向上にも役立つ。なお絶縁性ゴム材22の損失正接 tanδ1は、通常0.24以下である。又前記損失正接の値は、本例では岩本製作所製粘弾性スペクトロメータにて温度70℃、初期伸張10%、導歪み±1.0%、周波数10Hzの条件下で測定した値である。
【0043】
又空気入りタイヤ1は、図1に示すように、ビード部4に配されることにより前記基準リムRに着座する、リムずれ防止用のクリンチゴム層25を具え、本例では、前記ベース層17と、補強部材ゴム層12と、カーカスゴム層11及びサイドウオールゴム層27と、クリンチゴム層25とが順次接続して配されることによって、前記貫通端子部19から基準リムRに至るタイヤの導電通路をタイヤ内部に形成している。
【0044】
そのために、前記補強部材ゴム層12、カーカスゴム層11、サイドウオールゴム層27、及びクリンチゴム層25は、前記導電性ゴム材23と略同様に、前記ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、シリカ0〜50重量部とカーボンブラック25重量部以上とを含むことによって体積固有抵抗を1×107 Ωcm以下とした導電性副ゴム材26から形成している。なお前記導電通路を形成するために、本例の如くカーカスゴム層11及びサイドウオールゴム層27の双方を導電性副ゴム材26で構成することが好ましいが、一方を体積固有抵抗が1×107 Ωcmより大の非導電性のゴム材で形成することもできる。又導電性副ゴム材26に用いるカーボンブラックも、その配合量Wc(重量部)と平均粒子径Nc(単位nm)との比Wc/Ncを1.5以上としたものが使用され、必要な導電性が保証される。又シリカとしては、窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m2 /gの範囲、かつフタル酸ジブチル(DBP)吸油量が200ml/100g以上のコロイダル特性を示すものを使用する。
【0045】
又そしてこのようなタイヤ構成とすることによって、前記80%内圧のタイヤにタイヤ最大荷重の80%荷重を負荷した負荷状態において、トレッド接地面2Sの接地部と前記基準リムRとの間の電気抵抗を、未走行時において1×108 Ωcm以下、かつ1000km走行後において1×109 Ωcm以下に規制する。これにより、静電気のスパークを原因とする火災、電波障害等を防止した安全走行を、使用初期から終期に至り保証できる。なお負荷状態における前記電気抵抗値は、ドイツの WDK、 Blatt3で規定される「荷重下でのタイヤ電気抵抗の測定手順」に基づき測定されたものであって、図6に示すように、台板30に対して絶縁状態で取付く鋼板31上に、タイヤ1を前記負荷状態で垂直に接地させ、リムRと鋼板31との間の電気抵抗を、印可電圧100ボルト以上を有する抵抗測定器32を用いて測定する。
【0046】
なお本例では、貫通端子部19は、円周方向に連続してのびるリブ状に形成しているが、横溝Gyが横切ることによって貫通端子部19の外端面が円周方向に不連続に表われてもよく、又その形成位置は、トレッドショルダー域の他、図4に示すように、縦溝Gmの壁面を跨いで形成も良い。又貫通端子部19はリブ状の他、図5に示すように、端面が例えば円形、矩形などの点状をなす柱状体として形成してもよく、この時、トレッド接地面2Sの全周に亘り均一又は不均一に分散して配置することもできる。
【0047】
【実施例】
図1に示す構造を有し、かつトレッドゴム13として表1の仕様の配合ゴム材(A1〜A6)と表2の仕様の配合ゴム材(B1〜B6)と組み合わせたタイヤサイズが205/65R15のタイヤを、表3の仕様に基づき試作するとともに、試供タイヤの耐候性、低転がり抵抗性、ウエット性能、直進安定性、負荷状態のタイヤ電気抵抗をそれぞれ測定しかつ比較した。なおキャップゴム体15として配合ゴム材(A1〜A6)を用い、かつベースゴム体16として配合ゴム材(B1〜B6)を用いている。
【0048】
又前記トレッドゴム13以外に導電性副ゴム材26として用いた補強部材ゴム層12、カーカスゴム層11、サイドウオールゴム層27、及びクリンチゴム層25のゴム配合、及びその体積固有抵抗を表4に示す。なお表4中、比較例であるクリンチゴム層Bは、体積固有抵抗が1×1013.7 Ωcmと1×107 Ωcmを大きく越えているため、タイヤ電気抵抗を1×108 Ωcm以下に減じることは困難である。
【0049】
・低転がり抵抗性は、前記試供タイヤの転がり抵抗を、転動抵抗試験機を用いて測定し、サンプル品7を100とした指数で評価したものであり、数値が高いほど優れている。
・ウエット性能は、前記試供タイヤを、JATMAの基準で定める標準リム、標準内圧にて乗用車両の前輪に装着し、半径50mのアスファルト路面に水深約5mmの水たまりを設けたコース上を、速度を段階的に増加させながら実車走行した時に測定した最大横加速度(横G)をもってウエット性能とした。なお該性能はサンプル品7を100とした指数で評価し、数値が高いほど優れている。
・直進安定性は、前記装着状態の基で、乾燥アスファルト路面のコースを実車走行し、レーンチェンジの際の応答性、収斂性及び接地性などをドライバーの官能により総合判定したものであり、サンプル品7を100とした指数で評価した。数値が高いほど優れている。
・負荷状態のタイヤ電気抵抗は、前述のドイツの WDK、 Blatt3で規定される「荷重下でのタイヤ電気抵抗の測定手順」に基づき測定した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
表3に示すように、本願の比較例タイヤであるサンプル品1、2、3、6、7、12のうち、サンプル品1、2は、低転がり抵抗性、ウエット性能、直進安定性、タイヤ電気抵抗等の諸性能に優れているが、キャップゴム体15にカーボンブラックを含んでいないため耐候性が悪く商品化が難しい。
サンプル品3は、ベースゴム体16における体積固有抵抗が高いため、未走行時においても必要なタイヤ電気抵抗が得られない。
サンプル品6、7は、キャップゴム体15のカーボンブラック含有量が過大であるため、シリカによる低転がり抵抗性及びウエット性能の向上効果が発揮できない。なおこのものは、ベースゴム体16の摩耗抵抗指数K2がキャップゴム体15の摩耗抵抗指数K1より低いため、1000km走行後の摩耗によって貫通端子部19の接地性が減じ、タイヤ電気抵抗を悪くしている。この傾向はサンプル品11にも見られる。
又サンプル品12では、ベースゴム体16のゴム硬度HS2がキャップゴム体15のゴム硬度HS1より小であり、好ましい直進安定性等の操縦安定性が得られない。
【0055】
又本願の実施例タイヤであるサンプル品4、5、8、9、10、11、13、14、15のうち、サンプル品8では、ベースゴム体16の体積比V1/V2が過大であるため、特にキャップゴム体15におけるシリカの低転がり抵抗性向上効果を損ねている。
又サンプル品9では、貫通端子部19の巾Waが過大となり、キャップゴム体15の接地面積が損なわれるため、シリカによる低転がり抵抗性及びウエット性能の向上効果を損ねている。
【0056】
なお表2におけるサンプルB7のゴムは、シリカのBETが高すぎ、ゴムとして固くなりすぎるため、工程面で薄く押し出すことができずに、タイヤ用材料を得ることができなかった。そのため、体積固有抵抗摩擦指数の物性の測定ができなかった。
【0057】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は構成しているため、シリカ配合によって得られる優れた低転がり抵抗性能及びウエット性能を維持しうるとともに、操縦安定性を損ねることなく車両に発生する静電気を路面に効果的に放電でき、しかもこれらの特性を使用初期から終期にいたり安定して発揮しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す空気入りタイヤの断面図である。
【図2】貫通端子部を拡大して示す部分断面図である。
【図3】トレッドパターンの一例を示すトレッド部の平面図である。
【図4】貫通端子部の他の実施例を示す部分断面図である。
【図5】貫通端子部のさらに他の実施例を示すトレッド部の平面図である。
【図6】負荷状態におけるタイヤの電気抵抗の測定方法を説明する線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
2S トレッド接地面
3 サイドウオール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
8 補強部材
11 カーカスゴム層
12 補強部材ゴム層
15 キャップゴム体
16 ベースゴム体
17 ベース層
19 貫通端子部
20 貫通端子部の主部
22 絶縁性ゴム材
23 導電性ゴム材
25 クリンチゴム層
26 導電性副ゴム材
27 サイドウオールゴム層
Claims (8)
- トレッド部からサイドウオール部をへてビード部のビードコアで折り返すカーカス、このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方に配される補強部材、体積固有抵抗が1×108 Ωcm以上の絶縁性ゴム材から成りかつトレッド部を形成するキャップゴム体、及びこのキャップゴム体のタイヤ半径方向内側に配されるベース層とこのベース層から前記キャップゴム体を貫通してのびかつ外端面がトレッド接地面の一部をなす貫通端子部とを具えるとともに体積固有抵抗が1×107 Ωcm以下の導電性ゴム材からなるベースゴム体を具える一方、
前記絶縁性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、30〜100重量部のシリカと3〜20重量部のカーボンブラックとを含むとともに、
前記導電性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、0〜50重量部のシリカと25重量部以上のカーボンブラックとを含み、
しかも25゜Cの温度における前記絶縁性ゴム材のゴム硬度Hs1を前記導電性ゴム材のゴム硬度Hs2以下とし、
前記導電性ゴム材の摩耗抵抗指数K2は絶縁性ゴム材の摩耗抵抗指数K1より大であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部からサイドウオール部をへてビード部のビードコアで折り返すカーカス、このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方に配される補強部材、体積固有抵抗が1×10 8 Ωcm以上の絶縁性ゴム材から成りかつトレッド部を形成するキャップゴム体、及びこのキャップゴム体のタイヤ半径方向内側に配されるベース層とこのベース層から前記キャップゴム体を貫通してのびかつ外端面がトレッド接地面の一部をなす貫通端子部とを具えるとともに体積固有抵抗が1×10 7 Ωcm以下の導電性ゴム材からなるベースゴム体を具える一方、
前記絶縁性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、30〜100重量部のシリカと3〜20重量部のカーボンブラックとを含むとともに、
前記導電性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、0〜50重量部のシリカと25重量部以上のカーボンブラックとを含み、
しかも25゜Cの温度における前記絶縁性ゴム材のゴム硬度H s1 を前記導電性ゴム材のゴム硬度H s2 以下とし、
前記キャップゴム体の体積V1とベースゴム体の体積V2との比V2/V1は、0.5以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド部からサイドウオール部をへてビード部のビードコアで折り返すカーカス、このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方に配される補強部材、体積固有抵抗が1×10 8 Ωcm以上の絶縁性ゴム材から成りかつトレッド部を形成するキャップゴム体、及びこのキャップゴム体のタイヤ半径方向内側に配されるベース層とこのベース層から前記キャップゴム体を貫通してのびかつ外端面がトレッド接地面の一部をなす貫通端子部とを具えるとともに体積固有抵抗が1×10 7 Ωcm以下の導電性ゴム材からなるベースゴム体を具える一方、
前記絶縁性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、30〜100重量部のシリカと3〜20重量部のカーボンブラックとを含むとともに、
前記導電性ゴム材は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、0〜5 0重量部のシリカと25重量部以上のカーボンブラックとを含み、
しかも25゜Cの温度における前記絶縁性ゴム材のゴム硬度H s1 を前記導電性ゴム材のゴム硬度H s2 以下とし、
基準リムにリム組みされるとともに、前記トレッド接地面の接地部と前記基準リムとの間の電気抵抗は、タイヤ最大荷重で規定される内圧の80%内圧を充填しかつ前記タイヤ最大荷重の80%荷重を負荷した負荷状態において、未走行時は1×10 8 Ωcm以下、かつ1000km走行後は1×10 9 Ωcm以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ベースゴム体に接し前記補強部材をコーティングする補強部材ゴム層、この補強部材ゴム層に接しかつカーカスをコーティングするカーカスゴム層或いはサイドウオールゴム層、及びビード部に配され前記カーカスゴム層或いはサイドウオールゴム層に接するとともにリムに着座するクリンチゴム層を具え、しかも 補強部材ゴム層と、カーカスゴム層或いはサイドウオールゴム層と、クリンチゴム層は、ジエン系ゴム、及び共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体の内の一種又は二種以上を用いたゴム基材の100重量部に対して、シリカ0〜50重量部とカーボンブラック25重量部以上とを含むことによって体積固有抵抗を1×107 Ωcm以下とした導電性副ゴム材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記導電性ゴム材は、シリカの窒素吸着比表面積(BET)を150〜250m2 /gかつDBP吸油量を180ml/100g以上、かつカーボンブラックの配合量Wc(重量部)と平均粒子径Nc(単位nm)との比Wc/Ncを1.5以上としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記導電性副ゴム材は、シリカの窒素吸着比表面積(BET)を150〜250m2 /gかつDBP吸油量を200ml/100g以上、カーボンブラックの配合量Wc(重量部)と平均粒子径Nc(単位nm)との比Wc/Ncを1.5以上としたことを特徴とする請求項4記載の空気入りタイヤ。
する - 前記貫通端子部は、主部の先端に、タイヤ軸方向の巾を増した増巾部を設けた茸状の該貫通端子部を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記貫通端子部は、タイヤ軸方向の巾を漸減しながらベース層からトレッド接地面に向かって滑らかに立ち上がる主部を具え、この主部先端における貫通端子部最小巾を0.5〜20.0mmとしたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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