JPH11179811A - 熱可塑性樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法

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JPH11179811A
JPH11179811A JP9355121A JP35512197A JPH11179811A JP H11179811 A JPH11179811 A JP H11179811A JP 9355121 A JP9355121 A JP 9355121A JP 35512197 A JP35512197 A JP 35512197A JP H11179811 A JPH11179811 A JP H11179811A
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liquid crystal
resin
thermoplastic resin
temperature
foam
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JP9355121A
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English (en)
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Yasushi Kawabata
康史 川端
Kenji Miyazaki
健次 宮崎
Kouichi Karikaya
孝一 刈茅
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡体樹脂の機械的強度を高めることがで
き、かつ比較的簡便な方法で機械的強度及び寸法安定性
に優れた賦形発泡体を得ることを可能とする熱可塑性樹
脂系発泡体の成形方法を得る。 【解決手段】 液晶樹脂と、液晶樹脂の液晶転移点より
も低い融点もしくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂とを
液晶樹脂の液晶転移点以上の温度で溶融混合し、液晶樹
脂がフィブリル状となって分散されている混合物を得、
該混合物に熱分解性発泡剤を加えて混合し、シート状発
泡性一次混合体を得、シート状発泡性一次混合体を加熱
発泡し、発泡体シートを得、得られた発泡体シートを熱
可塑性樹脂の溶融温度以上かつ液晶樹脂の液晶転移点未
満の温度で真空・圧空成形し、フィブリル状とされてい
る液晶樹脂を実質的に伸長方向に配向させる、熱可塑性
樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂系発
泡体の真空・圧空成形方法に関し、より詳細には、液晶
樹脂を併用することにより、寸法安定性及び機械的強度
に優れた熱可塑性樹脂系発泡体を得ることを可能とする
熱可塑性樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂系発泡体は、緩衝
材、断熱材、電気絶縁体などに幅広く用いられている。
【0003】ところが、従来の熱可塑性樹脂系発泡体の
性能は、用途によっては必ずしも十分ではなく、寸法安
定性や機械的強度等を改良する試みが種々なされてい
る。例えば、特許第2503109号公報には、熱可塑
性樹脂系発泡体の表面に接着成分及び強力成分からなる
複合繊維及び/または複合糸により構成された布を加熱
圧接し、接着してなる発泡体の補強方法が提案されてい
る。
【0004】しかしながら、この補強方法では、板状発
泡体の剛性向上や発泡体の衝撃破壊時の飛散防止には効
果はあるものの、上記布を接着するため全体の重量が増
加するという問題があった。加えて、発泡層自身の強度
は何ら高められず、また、発泡体を成形した後に上記布
を接着する必要があるため、製造が煩雑であるという問
題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、全体
の重量をさほど増加させることなく、発泡体自身の機械
的強度を高めることができ、かつ比較的簡便な方法で機
械的強度及び寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂系発泡体
を得ることを可能とする熱可塑性樹脂系発泡体の成形方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、液晶樹脂と、該液晶樹脂の液晶転移点よりも低い融
点もしくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂を、液晶樹脂
の液晶転移点以上の温度で溶融混合し、液晶樹脂がフィ
ブリル状となって分散されている混合物を得る工程と、
前記混合物に熱可塑性樹脂の融点もしくは溶融温度以上
かつ液晶樹脂の液晶転移点以下の分解温度を有する熱分
解性発泡剤を加え、該熱分解性発泡剤の分解開始温度以
下の温度で溶融混合し、発泡性一次混合体をシート状に
成形する工程と、得られたシート状発泡性一次混合体
を、発泡剤の分解開始温度以上の温度で発泡させ、発泡
体シートを得る工程と、得られた発泡体シートを熱可塑
性樹脂の溶融温度以上かつ液晶樹脂の液晶転移点未満の
温度で真空・圧空成形することにより、フィブリル状に
されている液晶樹脂を実質的に伸長方向に配向させる工
程とを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂系発泡体の真
空・圧空成形方法である。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、上記熱可
塑性樹脂の少なくとも一部として架橋性熱可塑性樹脂を
用い、かつ上記発泡性一次混合体を架橋する工程をさら
に備えることを特徴とする。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、上記液晶
樹脂として、液晶転移点が250℃以上であるものを用
いることを特徴とする。
【0009】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいて、上記熱可塑性樹脂としては、発泡可能な熱可塑
性樹脂であれば特に限定されず、例えば、ABS樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、アセター
ル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、
アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリ
フェニレンオキシド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレ
タン等、及びこれらの変性材あるいはブレンド材(アロ
イ材)等の溶融成形可能な樹脂を用いることができ、な
かでも、液晶樹脂との相溶性が良好であるため、ポリオ
レフィン、ポリスチレン及びこられの共重合体などを用
いることが好ましい。
【0010】上記熱可塑性樹脂は、必要に応じて、架橋
されたものであってもよい。架橋された熱可塑性樹脂を
用いることにより、高倍率発泡が可能となり、得られる
発泡体の軽量化を図ることができると共に、熱安定性も
高められるため、好ましい。
【0011】上記架橋方法については、特に限定される
ものではなく、例えば、電子線などの電離性放射線を照
射する電子線架橋方法、有機過酸化物を用いた化学架橋
法、あるいはシラン変性樹脂を用いたシラン架橋法など
を挙げることができる。
【0012】上記液晶樹脂としては、熱可塑性樹脂の融
点もしくは溶融温度よりも液晶転移点が高いものであれ
ば、任意の液晶樹脂を用いることができ、特に限定され
るわけではないが、熱可塑性樹脂中でフィブリル状とさ
れやすいため、熱可塑性液晶ポリエステル、熱可塑性ポ
リエステルアミドを用いることが好ましい。このような
用い得る液晶樹脂の具体的な例としては、商品名ベクト
ラ(ポリプラスチック社製)、スミカスーパー(住友化
学工業社製)、ザイダー(日本石油化学社製)、ロッド
ラン(ユニチカ社製)などの市販の全芳香族系もしくは
半芳香族系液晶樹脂を挙げることができる。
【0013】また、上記液晶樹脂及び熱可塑性樹脂の混
合物には、液晶樹脂、熱可塑性樹脂の組成に応じ、互い
の相溶性を改善するために、成形前もしくは成形時に相
溶化剤を添加してもよい。相溶化剤としては、特に限定
されるわけではないが、例えば、熱可塑性樹脂がオレフ
ィン樹脂の場合には、オレフィン成分とスチレン成分や
芳香族ポリエステル成分を共重合したもの;マレイン酸
成分やアクリル酸成分を有するオレフィン樹脂;グリシ
ジルメタクリレート成分を有するオレフィン樹脂共重合
体などを挙げることができる。また、上記相溶化剤の添
加割合については、混合物に用いた樹脂の種類や混合割
合により適宜選択すればよい。
【0014】上記熱可塑性樹脂に対する液晶樹脂の混合
割合については、混合組成物全体として発泡成形可能な
濃度域にある限り、特に限定されず、その割合について
は熱可塑性樹脂の組成や最終製品に必要な性能によって
適宜選択すればよい。もっとも、通常、熱可塑性樹脂及
び液晶樹脂の混合物全体に対し、液晶樹脂の割合は、
0.1〜60重量%、好ましくは1〜30重量%、より
好ましくは3〜20重量%の範囲が適当である。液晶樹
脂の混合割合が0.1重量%未満の場合には、液晶樹脂
を熱可塑性樹脂に混合し発泡体を得た場合、液晶樹脂の
添加による機械的強度及び寸法安定性の向上を望めない
ことがあり、60重量%を超えると、破泡が随所に見ら
れ、均一な発泡体を得られないことがある。
【0015】発泡体の発泡倍率については、混合樹脂組
成物の組成や製品に必要な性能もしくは用途に応じて適
宜選択されるが、通常、2〜50倍、好ましくは2〜3
0倍の範囲とすることが望ましい。発泡倍率が50倍を
超えると、発泡セルの径や分布が不均一となり、均一な
発泡成形品を得ることができないことがある。
【0016】上記熱分解性発泡剤は、用いられる熱可塑
性樹脂の溶融温度よりも高い分解温度を有するものであ
れば、特に限定されるものではなく、例えば、重炭酸ナ
トリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、ア
ジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型
発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニ
トリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、P,P’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
P,P’−オシキビスベンゼンスルホニルヒドラジロ、
アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン
等が挙げられ、分解温度や分解速度の調整が容易でガス
発生量が多く、衛生上優れたアゾジカルボンアミドが好
ましい。
【0017】上記熱可塑性樹脂及び液晶樹脂の混合物に
対する熱分解性発泡剤の添加割合は、熱可塑性樹脂及び
液晶樹脂の合計100重量部に対し、1〜30重量部と
することが望ましい。熱分解性発泡剤の混合割合が1重
量部未満の場合には、発泡に長時間を要したり、均一に
発泡させることが困難となることがあり、30重量部を
超えると、得られる発泡体の機械的強度及び寸法安定性
が低下することがある。
【0018】なお、本発明においては、上記液晶樹脂及
び熱可塑性樹脂の混合物に、上述した相溶化剤の他、必
要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で、難燃剤、
充填剤、抗酸化剤、造核剤、顔料などの添加剤を配合し
てもよい。例えば、難燃剤としては、ヘキサブロモビフ
ェノールエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等の
臭素系難燃剤;ポリ燐酸アンモニウム、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート等の含燐系難燃剤;
メラミン誘導体;無機系難燃剤等がある。
【0019】次に、本発明に係る熱可塑性樹脂系発泡体
の真空・圧空成形方法の具体的な工程につき説明する。
先ず、熱可塑性樹脂及び液晶樹脂を、液晶樹脂の液晶転
移点以上の温度で溶融混練し、混合物を得る。この混合
物を得るにあたっては、一般的な方法により、熱可塑性
樹脂と液晶樹脂とを含む樹脂組成物を溶融混練すればよ
く、具体的な方法については、特に限定されるものでは
ない。
【0020】上記熱可塑性樹脂及び液晶樹脂を含む樹脂
組成物に対し、液晶樹脂の液晶転移点以上の温度で剪断
応力や伸長応力などの外部応力を加えることにより、組
成物中の液晶樹脂をフィブリル状として分散させること
ができる。より具体的には、例えば、熱可塑性樹脂及び
液晶樹脂を含む組成物に、押出機内や金型内などにおい
て剪断応力を与えることにより、液晶樹脂を容易にフィ
ブリル状とすることができる。この場合、得られた混合
物の形態は、次に行われる熱分解性発泡剤との混合を考
慮し、ペレット状または粒子状とすることが望ましい。
【0021】次に、上記熱可塑性樹脂及び液晶樹脂の混
合物と、熱分解性発泡剤とを、液晶樹脂の液晶転移点以
下、熱分解性発泡剤の分解温度以下の温度で溶融混練
し、シート状に成形し、シート状発泡性一次混合体を得
る。次に、上記熱可塑性樹脂の少なくとも一部に架橋性
熱可塑性樹脂を用いている場合には、シート状発泡性一
次混合体に架橋処理を施す。
【0022】しかる後、シート状発泡性一次混合体を熱
分解性発泡剤の分解開始温度以上の温度に加熱し、発泡
させる。発泡性一次混合体において、熱分解性発泡剤は
熱可塑性樹脂中に分散されており、液晶樹脂の液晶転移
点未満の温度で発泡させることにより、熱可塑性樹脂が
発泡し、液晶樹脂は発泡しないので、得られた発泡体で
は、フィブリル状の液晶樹脂が残存し、分散されること
になる。
【0023】発泡後、熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度
まで冷却し、固化させることにより、発泡体シートを得
る。この場合、加熱及び冷却方法については、特に限定
されるものではない。
【0024】しかる後、上記発泡体シートを、熱可塑性
樹脂の溶融温度以上かつ液晶樹脂の液晶転移点以下の温
度に加熱し、賦形型にて真空成形または圧空成形する。
熱可塑性樹脂は溶融温度以上に加熱されるが、液晶樹脂
は液晶転移点未満の状態にあるため、フィブリル状の液
晶樹脂が保たれたまま、該フィブリル状液晶樹脂が実質
的に発泡体シートの伸長方向に沿って配向することにな
る。
【0025】上記のようにして、フィブリル状液晶樹脂
が賦形型に沿って配向・分散された発泡体を得ることが
でき、このフィブリル状の液晶樹脂が分散されているこ
とにより、得られた発泡体が補強される。
【0026】なお、フィブリル状とは、熱可塑性樹脂中
に分散している液晶樹脂が、少なくともアスペクト比
(分散長/分散径)1.5以上の状態にあることをいう
ものとし、好ましくは、上記アスペクト比は10以上と
されることが望ましい。また、フィブリル径について
は、100μm以下が好ましく、10μm以下であるこ
とがより好ましい。
【0027】上記のようにして成形された発泡体中に含
まれている液晶樹脂のフィブリル化の割合については、
顕微鏡観察もしくは軟X線観察により確認することがで
きる。本発明においては、含まれている液晶樹脂のう
ち、少なくとも10%以上、好ましくは30%以上がフ
ィブリル状であることが望ましい。
【0028】また、上記液晶樹脂の60%以上が配向し
ていることが望ましく、この場合の配向度については、
薄く切った発泡体を光学顕微鏡で観察し、その画像を画
像解析することにより求められる。より詳細には、基準
となる配向方向を決定し、この配向方向と直交する面と
フィブリルとのなす角度が45°以上、90°以下のフ
ィブリルを配向しているフィブリルとし、この角度範囲
のフィブリルの割合が60%以上であることが望まし
い。
【0029】(作用)請求項1に記載の発明に係る熱可
塑性樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法では、液晶樹脂
及び熱可塑性樹脂を、液晶樹脂の液晶転移点以上の温度
で溶融混合するため、液晶樹脂がフィブリル状とされて
分散されている混合物を得ることができる。また、この
混合物に、熱分解性発泡剤を加え、該発泡剤の分解開始
温度以下の温度で溶融混合してシート状発泡性一次混合
体を得、得られたシート状発泡性一次混合体を発泡剤の
分解開始温度以上の温度で加熱することにより、発泡体
シートが得られる。また、この発泡体シートを、上記熱
可塑性樹脂の溶融温度以上かつ液晶樹脂の液晶転移点未
満の温度で真空・圧空成形することにより、目的とする
形状の発泡成形体を得ることができると共に、フィブリ
ル化された液晶樹脂が実質的に伸長方向に配向されるた
め、配向されたフィブリル状液晶樹脂により、機械的強
度及び寸法安定性が効果的に高められる。
【0030】請求項2に記載の発明では、熱可塑性樹脂
の少なくとも一部として架橋性熱可塑性樹脂を用いてお
り、発泡性一次混合体を架橋する工程をさらに含むた
め、より一層機械的強度及び寸法安定性に優れ、かつ高
発泡倍率の発泡体を得ることができる。
【0031】請求項3に記載の発明では、上記液晶樹脂
として、液晶転移点が250℃以上であるものを用いる
ため、フィブリル化した液晶樹脂の状態が安定であり、
さらに、機械的強度及び寸法安定性が高められる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明をより詳細に説明する。
【0033】(実施例1)液晶樹脂として、ユニチカ社
製、商品名:ロッドランLC3000(液晶転移温度1
85℃)10重量部、熱可塑性樹脂として、無架橋ポリ
プロピレン樹脂(融点165℃、MI=10g/10
分)70重量%及びシラン架橋性ホモポリプロピレン
(三菱化学社製、商品名:XPM800H、融点167
℃、MI=10g/10分)30重量%を含むオレフィ
ン樹脂90重量部とからなる配合物を、シリンダー温度
が220℃に設定された二軸押出機にて溶融混練し、ス
トランド状に押し出した後、カッティングし、混合ペレ
ットを得た。混合ペレットにおける液晶樹脂の形態を、
電子顕微鏡(倍率500倍)で観察したところ、ほとん
どの液晶樹脂がフィブリル化していた。
【0034】得られた混合ペレット100重量部に対
し、熱分解性発泡剤として、アゾジカルボンアミド(分
解開始温度200℃)11重量部を、シリンダー温度が
180℃に設定された二軸押出機にて溶融混練し、シー
ト状ダイ(出口寸法幅100mm×厚さ1mm)より押
出し、シート状発泡性一次混合体を得た。上記シート状
発泡性一次混合体を100℃の熱湯に浸漬し、架橋処理
した。
【0035】次に、上記発泡性一次混合体をオーブンに
て220℃に加熱し、発泡し、発泡体シートを得た。こ
の場合、発泡倍率は18倍であった。
【0036】上記のようにして得た発泡体シートを、オ
ーブンにて180℃に加熱した後、図1(a),(b)
に示す、幅160mm×深さ80mmの賦形型を用い、
圧空成形時に空気圧を5kg/cm2 として圧空成形
し、賦形発泡体を得た。
【0037】上記賦形発泡体を液体窒素下で破断し、そ
の破断面を電子顕微鏡で観察したところ、セル膜を形成
しているポリプロピレン中に液晶樹脂の80%がフィブ
リル状で残存し、かつ分散しており、75%のフィブリ
ルが配向していた。
【0038】(実施例2)液晶樹脂として、ユニチカ社
製、商品名:ロッドランLC5000(液晶転移温度2
85℃)10重量部、熱可塑性樹脂として、無架橋ポリ
プロピレン樹脂(融点165℃、MI=10g/10
分)70重量%及びシラン架橋性ホモポリプロピレン
(三菱化学社製、商品名:XPM800H、融点167
℃、MI=10g/10分)30重量%を含むオレフィ
ン樹脂90重量部とからなる配合物を、シリンダー温度
が290℃に設定された二軸押出機にて溶融混練し、ス
トランド状に押し出した後、カッティングし、混合ペレ
ットを得た。混合ペレットにおける液晶樹脂の形態を、
電子顕微鏡(倍率500倍)で観察したところ、ほとん
どの液晶樹脂がフィブリル化していた。
【0039】得られた混合ペレット100重量部に対
し、熱分解性発泡剤として、アゾジカルボンアミド(分
解開始温度200℃)11重量部を、シリンダー温度が
180℃に設定された二軸押出機にて溶融混練し、シー
ト状ダイ(出口寸法幅100mm×厚さ1mm)より押
出し、シート状発泡性一次混合体を得た。上記シート状
発泡性一次混合体を100℃の熱湯に浸漬し、架橋処理
した。
【0040】次に、上記発泡性一次混合体をオーブンに
て220℃に加熱し、発泡し、発泡体シートを得た。こ
の場合、発泡倍率は18倍であった。
【0041】上記のようにして得た発泡体シートを、オ
ーブンにて180℃に加熱した後、図1に示す、幅16
0mm×深さ80mmの賦形型を用い、圧空成形時に空
気圧を5kg/cm2 として圧空成形し、賦形発泡体を
得た。
【0042】上記賦形発泡体を液体窒素下で破断し、そ
の破断面を電子顕微鏡で観察したところ、セル膜を形成
しているポリプロピレン中に液晶樹脂のほとんどがフィ
ブリル状で残存し、かつ分散しており、80%のフィブ
リルが配向していた。
【0043】(実施例3)実施例1において、架橋性ホ
モポリプロピレンを用いず、熱可塑性樹脂として実施例
1で用いた無架橋ポリプロピレン90重量部と、液晶樹
脂として、実施例2で用いたユニチカ社製ロッド欄LC
5000を10重量部を用いたことを除いては、実施例
1と同様にして賦形発泡体を得た。なお、発泡体の発泡
倍率は18倍であった。
【0044】得られた賦形発泡体を、実施例1と同様に
して破断し、電子顕微鏡で観察したところ、セル膜を形
成しているポリプロピレン中において、液晶樹脂のほと
んどがフィブリル状で残存しかつ分散しており、70%
のフィブリル状液晶を樹脂が配向していた。
【0045】(比較例1)液晶樹脂を用いなかったこと
を除いては、実施例1と同様にして賦形発泡体を得た。
なお、発泡倍率は18倍であった。
【0046】(実施例及び比較例で得た賦形発泡体の評
価)得られた賦形発泡体を恒温槽に入れ、雰囲気温度を
30℃(T1)から60℃(T2)に昇温し、30℃に
おける長さL1と、60℃における長さL2の長さ方向
の寸法変化を測定し、その長さの変化率を温度差で除算
し、すなわち下記の式に従って熱膨張係数を求めた。 熱膨張係数(α)={(L2−L1)/L1}/(T2
−T1)
【0047】また、各賦形発泡体から、幅40mm及び
長さ70mmのシートを切り出し、スパン間50mm及
びクロスヘッド下降速度25mm/分の条件で常温下に
て、オートグラフを用いて3点曲げ試験を行い、得られ
たS−Sカーブの初期勾配から曲げ弾性率を求めた。
【0048】結果を下記の表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1及び表2から明らかなように、比較例
1で得られた賦形発泡体に比べ、実施例1〜3で得られ
た賦形発泡体では、液晶樹脂をフィブリル状に配向させ
ているた、熱膨張係数が著しく低くなり、かつ曲げ弾性
率が効果的に高められていることがわかる。すなわち、
実施例1〜3によれば、温度変化による寸法変化が生じ
難く、すなわち寸法安定性に優れており、かつ機械的強
度に優れた賦形発泡体の得られることがわかる。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る熱可塑性樹
脂系発泡体の真空・圧空成形方法によれば、液晶樹脂及
び熱可塑性樹脂を液晶樹脂の液晶転移点以上の温度で溶
融混合することにより液晶樹脂がフィブリル状として分
散され、熱分解性発泡剤を加えて得られたシート状発泡
性一次混合体を加熱し発泡してなる発泡体シートを得、
該発泡体シートを液晶樹脂の液晶転移点未満の温度で真
空・圧空成形することにより賦形発泡体を得るため、上
記フィブリル状の液晶樹脂が最終的に得られる賦形発泡
体においてフィブリル状として維持され、かつ実質的に
伸長方向に配向される。従って、配向されたフィブリル
状液晶樹脂により、機械的強度及び寸法安定性が高めら
れた賦形発泡体を提供することが可能となる。
【0053】請求項2に記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂の少なくとも一部が架橋性熱可塑性樹脂により構成
されており、発泡性一次混合体の段階で、架橋性熱可塑
性樹脂が架橋されるので、より一層機械的強度及び寸法
安定性に優れていると共に、高発泡倍率の発泡体を得る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、実施例において真空・圧
空成形に用いた賦形型を説明するための正面断面図及び
平面図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶樹脂と、該液晶樹脂の液晶転移点よ
    りも低い融点もしくは溶融温度を有する熱可塑性樹脂
    を、液晶樹脂の液晶転移点以上の温度で溶融混合し、液
    晶樹脂がフィブリル状となって分散されている混合物を
    得る工程と、 前記混合物に熱可塑性樹脂の融点もしくは溶融温度以上
    かつ液晶樹脂の液晶転移点以下の分解温度を有する熱分
    解性発泡剤を加え、該熱分解性発泡剤の分解開始温度以
    下の温度で溶融混合し、発泡性一次混合体をシート状に
    成形する工程と、 得られたシート状発泡性一次混合体を、発泡剤の分解開
    始温度以上の温度で発泡させ、発泡体シートを得る工程
    と、 得られた発泡体シートを熱可塑性樹脂の溶融温度以上か
    つ液晶樹脂の液晶転移点未満の温度で真空・圧空成形す
    ることにより、フィブリル状にされている液晶樹脂を実
    質的に伸長方向に配向させる工程とを含むことを特徴と
    する熱可塑性樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂として、少なくとも一
    部に架橋性熱可塑性樹脂を用い、かつ前記シート状発泡
    性一次混合体において熱可塑性樹脂を架橋する工程をさ
    らに含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性
    樹脂系発泡体の真空・圧空成形方法。
  3. 【請求項3】 前記液晶樹脂として、液晶転移点が25
    0℃以上である液晶樹脂を用いることを特徴とする請求
    項1または2に記載の熱可塑性樹脂系発泡体の真空・圧
    空成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143803A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Sanwa Kako Co Ltd 耐熱性架橋ポリエチレン系樹脂発泡体及びその成形方法
JP2009184239A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Du Pont Toray Co Ltd 繊維強化複合材及びその製造方法

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