JPH11320730A - 熱可塑性樹脂発泡積層体及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡積層体及びその製造方法

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JPH11320730A
JPH11320730A JP10127636A JP12763698A JPH11320730A JP H11320730 A JPH11320730 A JP H11320730A JP 10127636 A JP10127636 A JP 10127636A JP 12763698 A JP12763698 A JP 12763698A JP H11320730 A JPH11320730 A JP H11320730A
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JP
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resin
thermoplastic resin
liquid crystal
foam
temperature
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JP10127636A
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Yasushi Kawabata
康史 川端
Kenji Miyazaki
健次 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高倍率の発泡体であっても、機械的強度が低
下することがなく、低圧で簡単な方法により表皮材が積
層出来、且つ、積層強度も充分である成形性に優れた熱
可塑性樹脂発泡積層体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 フィブリル状の液晶樹脂が、該液晶樹脂
の転移点よりも低い融解温度を有する熱可塑性樹脂内で
分散してなる熱可塑性樹脂板状発泡体と、表皮材とが積
層されてなる熱可塑性樹脂発泡積層体及びその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱可塑性樹脂発
泡積層体及びその製造方法に関する。なお、本発明にお
いて「発泡性樹脂シート」、及び、「板状発泡体」と
は、その厚みに基づく厳密な意味での「シート」又は
「板」ではなく、「発泡性樹脂シート」を発泡して得ら
れたものを「板状発泡体」ということとする。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂繊維強化発泡体
は、緩衝材、断熱材、電気絶縁体などに幅広く利用され
ている。そしてその表面に、表皮材を積層して表面性を
改善した積層体が、自動車用内装材として提案されてい
る(特開平4−331137号公報、特開平9−390
10号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記積層成形
体において、表皮材と樹脂シートを積層させるためには
複雑な構造の金型が必要であり、又、成形体の比重は必
ずしも軽いものではなかった。
【0004】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
め、高倍率の発泡体であっても、機械的強度が低下する
ことがなく、低圧で簡単な方法により表皮材が積層出
来、且つ、積層強度も充分である成形性に優れた熱可塑
性樹脂発泡積層体及びその製造方法を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明1の熱可塑性樹脂
発泡積層体は、フィブリル状の液晶樹脂が、該液晶樹脂
の転移点よりも低い融解温度を有する熱可塑性樹脂内で
分散してなる熱可塑性樹脂板状発泡体と、表皮材とが積
層されてなるものである。
【0006】本発明2の熱可塑性樹脂発泡積層体の製造
方法は、本発明1の積層体の製造方法であって、液晶樹
脂と、該液晶樹脂の転移点よりも低い融解温度を有する
熱可塑性樹脂とを、液晶樹脂の転移点以上の温度で溶融
混合させ、溶融状態の液晶樹脂をフィブリル状に分散さ
せて混合物を得る第1の工程と、得られた混合物に、上
記熱可塑性樹脂の融解温度より高く、液晶樹脂の転移点
よりも低い分解温度を有する熱分解性発泡剤を添加、混
合し、該熱分解性発泡剤の分解温度以下でシート状に成
形して、発泡性樹脂シートを得る第2の工程と、得られ
た発泡性樹脂シートを、上記熱分解性発泡剤の分解温度
以上、液晶樹脂の転移点よりも低い温度で発泡させて熱
可塑性樹脂板状発泡体を得る第3の工程と、得られた熱
可塑性樹脂板状発泡体と、表皮材とを、上記熱可塑性樹
脂の融解温度より高く、液晶樹脂の転移点よりも低い温
度で積層する第4の工程とを、この順で行うものであ
る。
【0007】本発明3の熱可塑性樹脂発泡積層体は、本
発明1の熱可塑性樹脂発泡積層体において、熱可塑性樹
脂が架橋性樹脂を含むものである。
【0008】本発明1〜3において使用される熱可塑性
樹脂としては、発泡成形可能な熱可塑性樹脂であれば特
に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系
樹脂、及びそれらの共重合体、ABS樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、フッ素系樹脂、アセタール系樹
脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹
脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリレート系
樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂等、及びこれらの変性材あるいはブレンド
材(アロイ材)等の溶融成形可能な樹脂が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられるが、な
かでもオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、及びそれら
の共重合体等の1種もしくは2種以上がより好適に用い
られる。
【0009】熱可塑性樹脂は、本発明3に示したよう
に、必要に応じて、架橋されたものであってもよく、架
橋されたものを用いることは、発泡倍率が向上し、得ら
れる発泡成形体の軽量化を図ることが出来るとともに、
熱安定性をも向上させることが出来るので、好適であ
る。
【0010】ここで、架橋の方法は、特に限定されるも
のではなく、例えば、電子線などの電離性放射線を照射
する電子線架橋法、有機過酸化物を用いる化学架橋法、
又は、シラン変成樹脂を用いるシラン架橋法等が挙げら
れ、いずれの方法も好適に採用される。
【0011】本発明1〜3において使用される液晶樹脂
としては、上記熱可塑性樹脂の融解温度より、液晶転移
温度が高いものであれば、特に限定されるものではな
く、例えば、熱可塑性液晶ポリエステル、熱可塑性液晶
ポリエステルアミド等が好ましく、これらの具体例とし
ては、特に限定されるものではないが、ポリプラスチッ
ク社製、商品名「ベクトラ」;住友化学工業社製、商品
名「スミカスーパー」;Amoco社製、商品名「ザイ
ダー」;ユニチカ社製、商品名「ロッドラン」などが挙
げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れる。
【0012】上記融解温度及び転移温度はJIS K7
121に準拠して測定される示差熱分析(DTA)又は
示差熱走査熱量測定(DSC)により測定される昇温時
のピークに示されるもので、融解ピーク温度を示し、結
晶性樹脂の場合には融解温度は融点を示し、非晶性樹脂
の場合においては常圧で成形可能な温度に最も近いピー
ク温度を示す。
【0013】本発明1〜3において、液晶樹脂は、熱可
塑性樹脂中でフィブリル状であり、且つ、板状発泡体の
厚み方向に配向していることが必要である。このように
フィブリル状態になることで、得られる発泡体が高強度
で且つ優れた耐熱変形性を発現することが可能となり、
それを用いた積層体は、高強度なものとなる。
【0014】このフィブリル状の液晶樹脂は、熱可塑性
樹脂発泡体を補強する効果に富む。フィブリル状とは、
熱可塑性樹脂及び樹脂中に分散している液晶樹脂によっ
て異なるが、通常少なくともアスペクト比(分散長/分
散径)1.5以上の状態を示す。
【0015】本発明における液晶樹脂フィブリルの平均
アスペクト比としては、10以上が好ましい。又、平均
フィブリル径としては、0.1〜100μmが好まし
く、1〜10μmがより好ましい。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂発泡体中に含まれる
液晶樹脂のフィブリル化の度合いは、顕微鏡観察もしく
は、軟X線観察により、可視化することが出来る。本発
明においては、少なくとも含まれる液晶樹脂の10%以
上、より好ましくは30%以上、がフィブリル状である
ことが望ましい。
【0017】熱可塑性樹脂と液晶樹脂からなる樹脂組成
物に、液晶樹脂の液晶転移温度以上の温度で、剪断応力
や伸長応力等の外部応力を加えることにより、樹脂組成
物中の液晶樹脂の分散状態をフィブリル状態とすること
が出来る。
【0018】樹脂組成物中の液晶樹脂の分散状態をフィ
ブリル状態とするには上記剪断応力を剪断速度にして通
常1×102 〜1×105 /sec、好ましくは3×1
2〜1×104 /sec、とする。このような剪断速
度で押し出された樹脂組成物中の液晶樹脂は、容易にフ
ィブリル化され、通常、フィブリル径として、0.1〜
10μmのフィブリル状液晶樹脂となる。
【0019】本発明1又は3における熱可塑性樹脂に対
する液晶樹脂の割合、及び、本発明2の第1の工程にお
いて混合される割合は、組成物全体として発泡成形可能
な濃度域にあり、その割合は熱可塑性樹脂の組成や製品
に必要な性能によって適宜選択されるが、通常、0.5
〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、より好まし
くは3〜20重量%の範囲が適当である。
【0020】ここで、液晶樹脂の混合割合が0.5重量
%未満の場合には、上記問題点の解決が困難となり、本
発明の効果が得られない。又、液晶樹脂の混合割合が3
0重量%を超えると、破泡が随所に見られ、均一で且つ
高発泡倍率の発泡体が得られない。
【0021】本発明1において表皮材に積層される熱可
塑性樹脂板状発泡体は、上記フィブリル状の液晶樹脂
が、熱可塑性樹脂内で厚み方向に配向しているのが好ま
しい。上記フィブリル状の液晶樹脂を、熱可塑性樹脂内
で厚み方向に配向させる方法は、本発明2の第2の工程
で得られた発泡性樹脂シートを、前記熱分解性発泡剤の
分解温度以上、液晶樹脂の転移点よりも低い温度で厚み
方向に発泡させる(即ち、他の2方向を拘束する)こと
によって達成される。このようにすることで、液晶樹脂
は発泡しないので、フィブリル状の液晶樹脂が、熱可塑
性樹脂内で厚み方向に配向される。
【0022】又、熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率は、組
成や製品に必要な性能、用途に応じて適宜選択される
が、通常、2〜50倍、好ましくは2〜30倍の範囲が
適当である。熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が50倍を
超えると、発泡セルの径、分布が不均一となり、均一な
発泡成形品が得られない。
【0023】また必要により、液晶樹脂と熱可塑性樹脂
の混合樹脂組成物には、液晶樹脂及び熱可塑性樹脂の組
成に応じて、互いの相溶性を改善するために、成形前も
しくは成形時に相溶化剤が添加されても良い。相溶化剤
としては、特に限定されるものではないが、例えば熱可
塑性樹脂がオレフィン系樹脂の場合には、オレフィン成
分とスチレン成分や芳香族ポリエステル成分とを共重合
した共重合体、マレイン酸成分やアクリル酸成分を有す
るオレフィン樹脂共重合体、グリシジルメタクリレート
成分を有するオレフィン樹脂共重合体等が挙げられ、こ
れらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。尚、
相溶化剤の添加部数は、混合系の組成、割合等に応じて
適宜選択されれば良い。
【0024】さらに必要により、上記混合樹脂組成物に
は、本発明の効果を損なわない範囲で、難燃剤、充填
剤、抗酸化剤、造核材、顔料等の各種添加剤の1種もし
くは2種以上が添加されても良い。
【0025】上記難燃剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ヘキサブロモビフェニルエーテ
ル、デカブロモビフェニルエーテル等の臭素系難燃剤;
ポリ燐酸アンモニウム、トリメチルホスフェート、トリ
エチルホスフェート等の有機燐系難燃剤;メラミン誘導
体;無機系難燃剤等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0026】本発明1〜3において使用される表皮材と
しては、用途、混合樹脂組成物の組成等によって適宜選
定されれば良く、特に限定されるものではないが、例え
ば、オレフィン系樹脂シート、熱可塑性樹脂エラストマ
ーシート、織布、不織布あるいはこれらの積層シート等
が挙げられ、好適に用いられる。
【0027】上記表皮材の積層方法は特に限定されず、
例えば、上記熱可塑性樹脂板状発泡体と表皮材とを、使
用した熱可塑性樹脂の融解温度より高く、液晶樹脂の転
移点よりも低い温度で押圧する方法が挙げられる。
【0028】本発明1又は3の熱可塑性樹脂発泡積層体
は、物理型発泡剤によって製造してもよいが、好ましく
は本発明2による。
【0029】本発明2の製造方法において使用する熱分
解性発泡剤は、用いる熱可塑性樹脂の溶融温度より高い
分解温度を有するものであれば良く、特に限定されるも
のではないが、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモ
ニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、硼水素化
ナトリウム等の無機系熱分解性発泡剤;アゾジカルボン
アミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N´−ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン,P,P´−ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、P,P´−オシキビスベ
ンゼンスルホニルヒドラジロ、アゾジカルボン酸バリウ
ム、トリヒドラジノトリアジン等の有機系熱分解性発泡
剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられが、なかでも分解温度や分解速度の調整が容
易でガス発生量が多く、衛生上優れたアゾジカルボンア
ミドがより好適に用いられる。
【0030】上記熱分解性発泡剤の量は、熱可塑性樹脂
及び液晶樹脂の混合樹脂組成物100重量部に対して1
〜30重量部が好ましい。
【0031】
【作用】本発明1の熱可塑性樹脂発泡積層体は、フィブ
リル状の液晶樹脂が、該液晶樹脂の転移点よりも低い融
解温度を有する熱可塑性樹脂内で分散してなる熱可塑性
樹脂板状発泡体と、表皮材とが積層されてなるから、こ
れによって液晶樹脂による補強効果が発現され、耐熱変
形性、剛性、および強度に優れているとともに、高発泡
倍率を有する熱可塑性樹脂板状発泡体が得られ、それを
用いた熱可塑性樹脂発泡積層体は軽量で高強度なものと
なる。
【0032】本発明2の熱可塑性樹脂発泡積層体の製造
方法は、液晶樹脂と、該液晶樹脂の転移点よりも低い融
解温度を有する熱可塑性樹脂とを、液晶樹脂の転移点以
上の温度で溶融混合させ、溶融状態の液晶樹脂をフィブ
リル状に分散させて混合物を得る第1の工程と、得られ
た混合物に、上記熱可塑性樹脂の融解温度より高く、液
晶樹脂の転移点よりも低い分解温度を有する熱分解性発
泡剤を添加、混合し、該熱分解性発泡剤の分解温度以下
でシート状に成形して、発泡性樹脂シートを得る第2の
工程と、得られた発泡性樹脂シートを、上記熱分解性発
泡剤の分解温度以上、液晶樹脂の転移点よりも低い温度
で発泡させて熱可塑性樹脂板状発泡体を得る第3の工程
と、得られた熱可塑性樹脂板状発泡体と、表皮剤とを、
上記熱可塑性樹脂の融解温度より高く、液晶樹脂の転移
点よりも低い温度で積層する第4の工程とを、この順で
行うものであるから、液晶樹脂は発泡せず、フィブリル
状の液晶樹脂が、熱可塑性樹脂内で厚み方向に配向され
た熱可塑性樹脂板状発泡体と表皮材とが積層された軽量
で高強度な熱可塑性樹脂発泡積層体が得られる。
【0033】本発明3の熱可塑性樹脂発泡積層体は、本
発明1の熱可塑性樹脂発泡積層体において、熱可塑性樹
脂が架橋性樹脂を含むものであるから、発泡倍率が向上
し、得られる発泡成形体の軽量化を図ることが出来ると
ともに、熱安定性をも向上させることが出来る。
【0034】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施例を比較例
とともに説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0035】(実施例1)液晶樹脂(ユニチカ社製、商
品名「ロッドランLC−5000」、液晶転移温度28
0℃)10重量部、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレ
ン樹脂(融点165℃、MI=0.5g/10分、密度
0.9g/cm3 )72重量部を2軸押出機(池貝機工
社製、型式「PCM−30」)で、バレル温度、金型温
度共に290℃で溶融混練し、直径3mmのストランド
ダイから押し出し(剪断速度5×10 /sec)て水
冷し、ペレタイザーでペレット化して、混合物を得た
(第1の工程)。この混合物のペレットを液体窒素中で
破断し、破断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
平均フィブリル径10μm、平均アスペクト比210
(アスペクト比1.5以上が80%以上)のフィブリル
化した液晶樹脂が、熱可塑性樹脂中に分散されていた。
【0036】上記混合物のペレット82重量部とシラン
架橋性ポリプロピレン樹脂(三菱化学社製、商品名「X
PM800H」)18重量部、発泡剤としてアゾジカル
ボンアミド(分解温度201℃)10重量部からなる配
合物を、シリンダ温度185℃に設定された2軸押出機
にて溶融混練し、シート状押出口を有するダイ(出口幅
300mm、同厚さ3mm)により押出成形し、発泡性
樹脂シートを得た(第2の工程)。
【0037】この発泡性樹脂シートを100℃の熱湯に
2時間浸漬し、架橋処理を行なった。
【0038】この発泡性樹脂シートを200mm×20
0mmのシートにカットし、該シートを、230℃のオ
ーブンで10分間加熱して発泡させ、放冷して熱可塑性
樹脂発泡体を得た(第3の工程)。この発泡体を100
mm×100mm×5mmに切断し、重量を測定して発
泡倍率(発泡体の密度を計算し、発泡性樹脂シートの密
度をこれで除す)を求めたところ20.2倍であった。
【0039】上記のようにして得られた発泡体(300
mm×300mm×5mm)の発泡性樹脂シートの上下
面に当たる両面に、厚さ1mmのオレフィン系熱可塑性
樹脂エラストマーシートを載置し、170℃、0.5k
gf/cm2 で押圧成形し、熱可塑性樹脂発泡積層体を
得た(第4の工程)。得られた熱可塑性樹脂発泡積層体
の熱可塑性樹脂エラストマーシートを治具に挟んで、両
側から引張試験機を用いて剥離試験を行ったところ、発
泡体が材料破壊し、その剥離強度は1.13kgf/c
mであった。
【0040】(実施例2)第2の工程まで実施例1と同
様にして得られた発泡性樹脂シートを、上方だけ開放さ
れかつ底面の大きさ200mm×200mmの箱状の型
の底に敷き、230℃のオーブンで加熱して発泡さ
せ、、放冷して熱可塑性樹脂発泡体を得た。この発泡体
の発泡倍率(実施例1と同様にして測定)は19.8倍
であった。
【0041】又、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発
泡積層体を得た。得られた熱可塑性樹脂発泡積層体の剥
離強度は1.64kgf/cmであった(材料破壊)。
【0042】(実施例3)シラン架橋性ポリプロピレン
樹脂を使用せず、液晶樹脂10重量部、ポリプロピレン
樹脂90重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にし
てペレット化して、混合物を得た(第1の工程)。この
混合物のペレットを液体窒素中で破断し、破断面を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、平均フィブリル径10
μm、平均アスペクト比12(アスペクト比1.5以上
が80%以上)のフィブリル化した液晶樹脂が、熱可塑
性樹脂中に分散されていた。このペレットを用いて、第
2〜第4の工程まで、シラン架橋性ポリプロピレン樹脂
を使用しないこと以外は実施例1と同様にして熱可塑性
樹脂発泡体、熱可塑性樹脂発泡積層体を得た。この発泡
体の発泡倍率は19.2倍、得られた熱可塑性樹脂発泡
積層体の剥離強度は1.05kgf/cmであった(材
料破壊)。
【0043】(比較例1)第1の工程なしに、ポリプロ
ピレン樹脂80重量部、シラン架橋性ポリプロピレン樹
脂20重量部を用いて、第2〜第4の工程まで、実施例
1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体、熱可塑性樹脂発泡
積層体を得た。この発泡体の発泡倍率は19.0倍、得
られた熱可塑性樹脂発泡積層体の剥離強度は0.63k
gf/cmであった(材料破壊)。
【0044】実施例1〜3、及び、比較例1の結果を纏
めて表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜3の熱可塑性樹脂発泡積層体は、いずれも、高
発泡倍率であるにもかかわらず、優れた剥離強度(材料
破壊強度)を発揮した。
【0047】これに対し、第1の工程を省略した、即
ち、フィブリル状の液晶樹脂を含有しない発泡性樹脂シ
ートを用いて製造した比較例1の熱可塑性樹脂発泡積層
体は、実施例1〜3の熱可塑性樹脂発泡積層体と同程度
の発泡倍率であるにもかかわらず、剥離強度(材料破壊
強度)が低かった。
【0048】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂発泡積層体は、上
述の如き構成となされているので、軽量で高強度であ
り、且つ、成形性に優れた熱可塑性樹脂発泡積層体とな
る。又、本発明の熱可塑性樹脂発泡積層体の製造方法
は、上述の如き構成となされているので、成形性に優
れ、軽量で高強度な熱可塑性樹脂発泡積層体を得るに適
する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 105:12 105:24 267:00 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィブリル状の液晶樹脂が、該液晶樹脂
    の転移点よりも低い融解温度を有する熱可塑性樹脂内で
    分散してなる熱可塑性樹脂板状発泡体と、表皮材とが積
    層されてなることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡積層
    体。
  2. 【請求項2】 液晶樹脂と、該液晶樹脂の転移点よりも
    低い融解温度を有する熱可塑性樹脂とを、液晶樹脂の転
    移点以上の温度で溶融混合させ、溶融状態の液晶樹脂を
    フィブリル状に分散させて混合物を得る第1の工程と、
    得られた混合物に、上記熱可塑性樹脂の融解温度より高
    く、液晶樹脂の転移点よりも低い分解温度を有する熱分
    解性発泡剤を添加、混合し、該熱分解性発泡剤の分解温
    度以下でシート状に成形して、発泡性樹脂シートを得る
    第2の工程と、得られた発泡性樹脂シートを、上記熱分
    解性発泡剤の分解温度以上、液晶樹脂の転移点よりも低
    い温度で発泡させて熱可塑性樹脂板状発泡体を得る第3
    の工程と、得られた熱可塑性樹脂板状発泡体と、表皮材
    とを、上記熱可塑性樹脂の融解温度より高く、液晶樹脂
    の転移点よりも低い温度で積層する第4の工程とを、こ
    の順で行うことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹
    脂発泡積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が架橋性樹脂を含むことを
    特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡積層体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009280650A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形品

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JP2009280650A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形品

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