JP2000095887A - 熱可塑性樹脂発泡シート - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡シート

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JP2000095887A
JP2000095887A JP26643398A JP26643398A JP2000095887A JP 2000095887 A JP2000095887 A JP 2000095887A JP 26643398 A JP26643398 A JP 26643398A JP 26643398 A JP26643398 A JP 26643398A JP 2000095887 A JP2000095887 A JP 2000095887A
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liquid crystal
thermoplastic resin
foam
sheet
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JP26643398A
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Yoshinori Nakano
良憲 中野
Yasushi Kawabata
康史 川端
Kenji Miyazaki
健次 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量性及び柔軟性に優れているだけでなく、
寸法安定性、耐熱性および賦形性に優れた圧縮回復率の
大きい熱可塑性樹脂発泡体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂中に、フィブリル状液晶樹
脂が分散されてなる発泡倍率2〜15倍の発泡シートで
あって、上記発泡シート中に、厚み方向に対し、±15
°の範囲に配向したフィブリル状液晶樹脂が、75〜1
00%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂発泡
シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂発泡体は、緩衝
材、断熱材、電気絶縁体などに幅広く利用されている。
特にポリエチレン発泡体をはじめとするポリオレフィン
発泡体は、断熱性、軽量性及び柔軟性に優れているの
で、緩衝性と軽量性との両立が要求されている用途、例
えばサンバイザー、ドアパッド、天井材などの自動車用
内装材に広く用いられている(実公平4−21807号
公報等)。
【0003】しかしながら、多くの自動車用内装材で
は、断熱性および軽量性等に優れているだけでなく、寸
法安定性や耐熱性に優れていることも要求されている。
ところが、上記ポリオレフィン発泡体では、寸法安定性
や耐熱性は必ずしも十分ではなかった。
【0004】他方、近年、耐熱性が要求される用途にお
いてエンジニアリングプラスチックが用いられてきてい
る。特に、電子機器で用いられている液晶樹脂は、エン
ジニアリングプラスチックとしても優れた特性を有する
ため、エンジニアリングプラスチックとしての利用が注
目されてきている。
【0005】例えば、特開平3−179042号公報に
は、液晶樹脂を発泡成形して発泡成形品を製造する方法
が開示されており、液晶樹脂を用いているため、耐熱性
および剛性に優れた成形品を得ることができる旨が記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶樹
脂は密度が高いため低発泡の発泡体しか得ることができ
ず、自動車用内装材のように軽量化が求められる用途に
は利用し難かった。また、自動車用内装材の中には、形
状が複雑なものもあるため、賦形性に優れていることが
要求されるが、液晶樹脂は、その剛性の高さからも賦形
は難しく、賦形するにも融点が高いため、高い温度での
賦形が必要となり、冷却等を考えると生産性は悪い。
【0007】本発明は、上記の課題を解決し、軽量性及
び柔軟性に優れているだけでなく、寸法安定性、耐熱性
および賦形性に優れた圧縮回復率の大きい熱可塑性樹脂
発泡体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1記載の
発明)は、熱可塑性樹脂中に、フィブリル状液晶樹脂が
分散されてなる発泡倍率2〜15倍の発泡シートであっ
て、上記発泡シート中に、厚み方向に対し、±15°の
方向に配向したフィブリル状液晶樹脂が、75〜100
%となされているものである。
【0009】本発明に使用される熱可塑性樹脂として
は、発泡可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、
例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ABS樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素系樹脂、ア
セタール系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、アミド
イミド系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、オ
レフィン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキシド、熱可塑性ウレタン系樹脂等、及
びこれらの変性または共重合体等が挙げられる。これら
は単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよ
い。これらのうち、オレフィン系樹脂、スチレン系樹
脂、及びそれらの共重合体等が好ましい。
【0010】上記熱可塑性樹脂のメルトインデックス
(MI)は大きすぎても小さすぎても発泡性が低下する
ので、好ましくは熱可塑性樹脂のMIは0.1〜20g
/10分の範囲であることが好ましく、0.2〜15g
/10分の範囲内がより好ましい。なお、本明細書にお
けるMIはJIS K 7210に従って測定された値
である。
【0011】熱可塑性樹脂は、必要に応じて、架橋され
たものであってもよく、架橋されたものを用いること
は、発泡倍率が向上し、得られる発泡成形体の軽量化を
図ることができ、また熱安定性も向上するため好適であ
る。
【0012】架橋の方法は特に限定されるものではな
く、例えば、電子線などの電離性放射線を照射する電子
線架橋法、有機過酸化物を用いた化学架橋法、またはシ
ラン変性樹脂を用いたシラン架橋法などを挙げることが
できる。
【0013】本発明に使用される液晶樹脂としては、上
記熱可塑性マトリックス樹脂の融点より、液晶転移点温
度が高いものであれば、特に限定されるものではない
が、熱可塑性液晶ポリエステル、熱可塑性ポリエステル
アミドが好ましく、例えば、熱可塑性液晶ポリエステル
として、ポリプラスチックス社製、商品名「ベクト
ラ」;、住友化学社製、商品名「エコノール」;ポリプ
ラスチックス社製、商品名「ザイダー」;ユニチカ社
製、商品名「ロッドラン」等が挙げられる。
【0014】また、フィブリル状とは、熱可塑性樹脂中
に分散している液晶樹脂が少なくともアスペクト比(分
散長/分散径)1.5以上の状態をさす。本発明におけ
るフィブリルのアスペクト比としては、小さすぎると、
液晶樹脂による発泡体の補強効果が小さくなり、大きす
ぎると熱可塑性樹脂樹脂の発泡性が低下し、発泡倍率が
上がらず、本発明の効果が発現困難となので、好ましく
は50〜5000、より好ましくは100〜3000の
範囲である。また、フィブリル径としては、100μm
以下が好ましく、10μm以下であることがより好まし
い。
【0015】上記液晶樹脂をフィブリル状態とするに
は、液晶樹脂と熱可塑性樹脂とを混合し、液晶樹脂の転
移点以上の温度で溶融混練した後、伸長流動を与えなが
ら押し出すことによって可能である。上記溶融混練の方
法は混練機、押出機など常法によって行われ、通常、液
晶樹脂及びその液晶樹脂の転移点温度より低い融解温度
を有する熱可塑性樹脂を用いる。
【0016】熱可塑性樹脂に対するフィブリル状態の液
晶樹脂の割合は、組成物全体として発泡成形可能な濃度
域にあり、その割合は熱可塑性樹脂の組成や製品に必要
な性能によって適宜選択されるが、少なすぎると本発明
の効果が得られず、多すぎると発泡時に破泡が随所に見
られ、均一な発泡体が得られないので、好ましくは全樹
脂成分中0.1〜60重量%、より好ましくは、1〜3
0重量%、さらに好ましくは3〜20重量%である。
【0017】また、必要により応じ、液晶樹脂、熱可塑
性樹脂の組成によっては、互いの相溶性を改善するため
に、相溶化剤が添加されてもよい。上記相溶化剤として
は、例えば、熱可塑性樹脂がオレフィン樹脂の場合、オ
レフィン成分とスチレン成分や芳香族ポリエステル成分
を共重合したもの、マレイン酸成分やアクリル酸成分を
有するオレフィン樹脂、グリシジルメタクリレート成分
を有するオレフィン樹脂共重合体等が挙げられる。ま
た、相溶化剤の添加部数は、液晶樹脂、熱可塑性樹脂の
組成ににより適宜選択される。
【0018】本発明において発泡体の発泡倍率は、組成
や製品に必要な性能、用途に応じて適宜選択されるが、
低すぎると、発泡によりフィブリル状液晶樹脂が厚み方
向に十分に配向しなくなり、本発明の効果が発現しなく
なり、高すぎると発泡体自体の剛性が低くなるため、2
〜15倍が好ましく、より好ましくは2〜10倍であ
る。
【0019】上記発泡体を得るための発泡剤としては、
熱分解性発泡剤及び物理的発泡剤発泡剤が挙げられる。
熱分解性発泡剤としては、用いられる熱可塑性樹脂の融
解温度より高い分解温度を有するものが好ましく、例え
ば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アン
モニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無
機系熱分解型発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリル、N,N' −ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン,P,P' −ジニトロソペンタメチレン
テトラミン,P,P' −オシキビスベンゼンスルホニル
ヒドラジロ、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジ
ノトリアジン等が挙げられ、分解温度や分解速度の調整
が容易でガス発生量が多く、衛生上優れたアゾジカルボ
ンアミドが好ましい。
【0020】物理的発泡剤発泡剤としては、水、二酸化
炭素、有機溶媒などが挙げられる。
【0021】発泡剤として、熱分解性発泡剤を使用する
場合、上記熱可塑性樹脂と液晶樹脂の混合樹脂に対する
熱分解性発泡剤の量は、熱可塑性樹脂及び液晶樹脂の合
計100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。そ
れより少ないと発泡が不十分で発泡セル構造が形成され
ず、それより大きいと発泡時の発泡圧が発泡性樹脂の伸
長応力を超えてしまい、セルが破泡し、高強度な発泡体
が得られない。
【0022】なお、いずれの場合も発泡性樹脂組成物に
は、この発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じ
て、難燃剤、充填剤、抗酸化剤、造核剤、顔料等の添加
剤を配合してもよい。このような添加剤は広く知られて
いる。例えば難燃剤としては、ヘキサブロモビフェノー
ルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系
難燃剤、ポリ燐酸アンモニウム、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート等の含燐系難燃剤、メラミ
ン誘導体、無機系難燃剤等がある。
【0023】本発明において、配向とは、厚み方向とフ
ィブリル状液晶樹脂とのなす角度が±15°の範囲であ
ることをさす。上記配向したフィブリル状液晶樹脂度
は、75〜100%であることが好ましい(請求項2記
載の発明)。75%未満では、フィブリルは厚み方向に
対して、十分に配向しておらず、厚み方向からの外部応
力に対する反発性を示さなくなる。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法の
一例としては、まず上記熱可塑性樹脂と液晶樹脂を混合
し、熱分解性発泡剤を液晶樹脂の転移点以下、発泡剤の
分解温度以下の温度で溶融混練し、発泡性樹脂組成物を
得る。
【0025】また、用いた熱可塑性樹脂が架橋性樹脂で
ある場合は、溶融混練後、架橋処理を施す。架橋方法は
上述した通りである。
【0026】加熱および冷却の方法は、特に限定される
ものではない。
【0027】次いで、上記発泡性樹脂組成物を熱可塑性
樹脂の融解温度及び熱分解型発泡剤の分解温度以上かつ
液晶樹脂の転移点以上の温度で発泡させる。この時、図
4に示すように発泡性樹脂組成物を2枚の板状体で厚み
方向に拘束し、発泡と同時に板状体を上記発泡性樹脂組
成物に接触させつつ、2枚の板状体間距離を増大させ
る。この時、上記発泡性樹脂組成物は板状体に発泡中に
常に接触していることが必要である。このことで、上記
発泡性樹脂組成物は厚み方向にのみ発泡するので、上記
発泡性樹脂組成物中のフィブリル状液晶樹脂が発泡中で
厚み方向に選択的に配向するようになる。
【0028】この効果をより高めるために板状体に該発
泡性一次混合樹脂成形体を吸引する機構が備わっていれ
ば、特に好ましい。吸引機構を設けることで発泡中、該
発泡性成形体が板状体から常に離れなくすることが可能
になる。その方法としては、例えば、板状体表面に均一
に多数の細孔が設けられ、その細孔から吸引が行われる
形式を挙げることができる。
【0029】板状体の材質は特に限定されないが、ある
程度、該発泡性樹脂成形体と接着性のあるものの方が好
ましい。具体的には、鋼板、木板、プラスチック板等が
挙げられる。
【0030】また、発泡性樹脂組成物の製造方法は、以
下に示す方法でも良い。
【0031】はじめに熱可塑性樹脂と液晶樹脂を液晶樹
脂の転移点以上の温度で溶融混練する。この際、例えば
押出機内もしくは金型内などで伸長を与えることによ
り、容易に液晶樹脂をフィブリル状とすることができ
る。この際に、必要な見かけの伸長速度は1×10-1
1×103 /秒とすることが好ましい。それ以下でもそ
れ以上でも混合樹脂組成物中の液晶樹脂はあまりフィブ
リル化しない。また、得られる混合物の形態は、次の熱
分解性発泡剤との混合を考慮し、ペレット状または粒子
状であることが望ましい。
【0032】次いで、熱可塑性樹脂と液晶樹脂の混合物
と、熱分解性発泡剤を液晶樹脂の転移点以下、発泡剤の
分解温度以下の温度で溶融混練し、発泡性樹脂組成物を
得る。用いた熱可塑性樹脂が架橋性樹脂である場合は、
上記発泡性樹脂組成物に架橋処理を施す。その後、一次
混合樹脂成形体を上記方法等により、一方向にのみ発泡
させれば、フィブリル状の液晶樹脂が厚み方向に高度に
配向した発泡体を得ることができる。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートにおい
て、発泡シートに厚み方向50%圧縮歪みをかけた後に
解放した際の、圧縮した変位量に対する回復率(以下、
「圧縮回復率」という)が70〜100%であることが
好ましい。圧縮回復率70%未満では、本発明の効果が
十分に発現できないからである。上記圧縮回復率は、以
下の式により定義される。 圧縮回復率=(t1 /t0)×100(%) (1) t0 :発泡体の始めの厚み(mm) t1 :発泡体を圧縮した後除厚後の厚み(mm)
【0034】(作用)本発明の熱可塑性樹脂発泡シート
は、熱可塑性樹脂中に、フィブリル状液晶樹脂が分散さ
れてなる発泡倍率2〜15倍の発泡シートであって、上
記発泡シート中に、厚み方向に対し、±15°の範囲に
配向したフィブリル状液晶樹脂が、75〜100%であ
るから、液晶樹脂が厚み方向に高度に配向した発泡体が
得られる。液晶フィブリルが、厚み方向に高度に配向し
ているため、厚み方向からの外部応力がかかった際に
は、その外部応力に対して、厚み方向に配向した高剛性
の液晶フィブリルが補強剤として効果的に働く。さらに
は、液晶樹脂は耐熱性に優れているため、高温でも液晶
樹脂の剛性は低下することなく、そのため発泡体の厚み
方向の圧縮回復機能は、高温でも室温と同様に作用す
る。
【0035】その高温での圧縮回復特性により、賦形の
際に問題となるひけは解消され、賦形性は向上する。例
えば、図1(a)に示す様に、上型1と下型2からなる
賦形型の間にフィブリル状液晶樹脂4が厚み方向に配向
した発泡体3を供給する。賦形直後には賦形型と発泡体
3との間には空間5が生じ、その空間5は賦形型の絞り
比および絞り角が大きくなるにつれて増加する。この際
に、フィブリル状液晶樹脂4が厚み方向に高度に配向し
ているので、発泡体3のひけの生じている部位すなわち
高度に圧縮された部位は、圧縮方向に高度に配向したフ
ィブリル状液晶樹脂の剛性により厚みは回復し、発泡体
は賦形型に添うようになる〔図1(b)〕。
【0036】
【実施例】以下、本発明について、実施例をもって、さ
らに詳細に説明する。 (実施例1)表1に示した所定量のポリプロピレン(日
本ポリオレフィン社製:品番「PS201A」、メルト
インデックス0.5g/10分、密度0.9g/c
3 )と液晶樹脂(ポリプラスチック社製:品番「ベク
トラA950」、液晶転移温度280℃)を表1に示す
割合で混合し2軸の混練押出機(池貝社製:型式「PC
M−30」)で溶融混練し、直径3mmのストランドダ
イから押し出し、水冷し、ペレタイザーでペレット化す
ることにより、液晶樹脂とポリプロピレンの複合ペレッ
トを得た。この時、バレル温度、金型温度ともに290
℃に設定した。
【0037】得られた液晶樹脂/ポリプロピレン複合ペ
レットを120℃のキシレン中に24時間浸積すること
でポリプロピレンのみを溶出させ、液晶樹脂がフィブリ
ル化していることを確認した。取り出したフィブリル状
の液晶樹脂をSEMにより観察したところ、繊維径は3
μm、長さは3mmであった。
【0038】次に上記複合ペレットとシラン架橋性ポリ
プロピレン(三菱化学社製:商品名「リンクロンXPM
800HM」、MI=10g/10分、融解温度167
℃、完全に架橋した時のゲル分率80%)とシラン架橋
触媒マスターバッチ(三菱化学社製:商品名「PZ−1
0S」、ポリプロピレン100重量部にジブチル錫ジラ
ウレートが1重量部添加されたもの)及び熱分解型発泡
剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学社製:商品名
「ユニフォームAZ」、品番「SO−20」分解温度2
01℃)を表1に示す割合で混合し、2軸の混練押出機
(池貝社製:型式「PCM−30」)で溶融混練し、リ
ップクリアランス3mm、巾300mmのシートダイか
ら押し出し、上下1対の水冷式三連ロールでサイジング
することにより、厚み3.0mm、幅250mm、長さ
250mmの発泡性シートを得た。この時、バレル温
度、金型温度ともに180℃に設定した。
【0039】続いて上記発泡性シートを100℃の熱水
に2時間浸積し、架橋させた。架橋された発泡性シート
を図2に示した、220℃に温調された500mm四方
の2枚の鉄板6の間に挟んだ。鉄板6の表面には直径が
0.2mmの吸引用孔61が1m2 当たり10000個
の割合で開いており、そこから吸引できる機構になって
いる(図3)。上記該発泡性シートが発泡を始めると同
時に鉄板2の吸引用孔を用いて吸引しながら、2枚の鉄
板距離を増大させた。最終的に6枚の鉄板距離は3mm
から30mmに拡幅させた(図4)。
【0040】続いて鉄板6表面からの吸引を停止し、す
ぐに鉄板6、6間の発泡体を取り出し、10℃に温調さ
れた水槽内に投入して発泡体を冷却固化させた。発泡体
内部まで熱可塑性樹脂の融解温度以下に冷却させたこと
を確認した後、上記水槽内から発泡体を取り出し、厚み
30mm、幅250mm、長さ250mmの発泡体を得
た。
【0041】(実施例2、3)表1に示した所定量のポ
リプロピレン、液晶樹脂、シラン架橋性ポリプロピレ
ン、シラン架橋触媒マスターバッチ及び熱分解型発泡剤
を混合し、2軸の混練押出機(池貝機工社製 商品名
PCM−30)で溶融混練し、リップクリアランス3.
0mm、巾300mmのシートダイからバレル温度、金
型温度ともに180℃に設定して押し出し、続いて上記
発泡性シートを100℃の熱水に2時間浸積し、実施例
1と同様にして架橋させた。架橋された発泡性シート
を、図5に示した、300℃に温調された500mm四
方の2枚の鉄板6の間に挟み、実施例1と同様にして発
泡体を得た(図5、6)。また、得られた発泡体を熱キ
シレン(120℃)中に24時間浸積することでポリプ
ロピレンのみを溶出させ、その後ゲルを取り除くことに
より、液晶樹脂がフィブリル化していることを確認し
た。
【0042】(実施例4)表1に示した所定量の組成物
を溶融混練し、押し出す際のリップクリアランスを5m
mにすること以外は、実施例2と同と同様にして発泡体
を得た。
【0043】(比較例1)発泡性シートを2枚の鉄板の
間に挟まずフリーで発泡させたこと以外は実施例1と同
様にして発泡体を得た。
【0044】(比較例2)発泡性シートを2枚の鉄板の
間に挟まずフリーで発泡させたこと以外は実施例2と同
様にして発泡体を得た。
【0045】(比較例3)発泡性シートを2枚の鉄板の
間に挟まずフリーで発泡させたこと以外は実施例3と同
様にして発泡体を得た。
【0046】(比較例4)発泡性シートを2枚の鉄板の
間に挟まずフリーで発泡させたこと以外は実施例4と同
様にして発泡体を得た。
【0047】(比較例5)液晶樹脂を全く用いなかった
こと以外は実施例1と同様にして発泡体を得た。
【0048】
【表1】
【0049】発泡体の評価 実施例1〜4、比較例1〜5で得られた発泡体を以下の
評価に供した。
【0050】1)発泡倍率 発泡体の比重を比重計により測定し、その逆数をとるこ
とにより、発泡倍率を求めた。
【0051】2)厚み方向配向率 得られた発泡体を薄く切った後、発泡体を光学顕微鏡で
観察し、その画像を、発泡体の厚み方向とフィブリルと
のなす角が±15°の範囲にある割合を求めた。
【0052】3)圧縮回復率 得られた発泡体を23℃、65%RHにおいて、50%
圧縮歪みをかけた後、1分後に歪みから解放し、定常状
態になった際の圧縮方向の変位量に対する回復率を、前
記式(1)により算出した。なお、t1は、JIS K
6767に準拠して測定した。また80℃における圧
縮回復率の評価も上記と同様にして行った。
【0053】4)賦形性 得られた発泡体を、厚み5mm、幅250mm、長さ2
50mmに切断し、180℃の温度に加熱した後、図
7、8に示す上型1および下型2をからなるキャビティ
内に供給し、180℃の温度で押圧成形を行い、図9に
示す成形体3を作成し、その凹部31の賦形状態により
判断した。なお、図中L1 =300mm、L2 =300
mm、L3 =180mm、L4 =120mm、L5 =6
0mmL6=60mmであった。有するプレス機を用
い、プレス成形し、この際、賦形された発泡体に、ひけ
がなく、破断もしていないものには○、多少ひけがみら
れるものには△、破断したものには×を記した。以上の
結果を表2に纏めて示した。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートは、上
述の如き構成となされているので、軽量性及び柔軟性に
優れているだけでなく、寸法安定性、耐熱性および賦形
性に優れた圧縮回復率の大きいものとなる。なお、発泡
シートに厚み方向50%圧縮歪みをかけた後に解放した
際の、圧縮した変位量に対する回復率が70〜100%
にすると、賦形性及び寸法安定性じゃさらに優れたもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートを押圧成形す
ることにより、ひけが解消する機構を示す断面図であ
り、(a)は押圧成形前の状態を示し、(b)は押圧成
形後の状態を示す。
【図2】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの拡幅に用い
る鉄板を示す斜視図である。
【図3】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの拡幅前の状
態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの拡幅後の別
の例を示す断面図である。
【図5】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの拡幅前の状
態の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの拡幅後の別
の例を示す断面図である。
【図7】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの賦形性の評
価に用いる上型の平面図である。
【図8】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートの賦形性の評
価に用いる型の断面図である。
【図9】図7、8の型を用いて賦形された発泡体の平面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA24 AA68 AA98 AB05 BA13 CA22 CA29 CC04Y DA02 DA32 DA33 DA35

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂中に、フィブリル状液晶樹
    脂が分散されてなる発泡倍率2〜15倍の発泡シートで
    あって、上記発泡シート中に、厚み方向に対し、±15
    °の範囲に配向したフィブリル状液晶樹脂が、75〜1
    00%であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡シー
    ト。
  2. 【請求項2】 発泡シートに厚み方向50%圧縮歪みを
    かけた後に解放した際の、圧縮した変位量に対する回復
    率が70〜100%であることを特徴とする請求項1記
    載の熱可塑性樹脂発泡シート。
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