JP2000034360A - 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法

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JP2000034360A
JP2000034360A JP11520999A JP11520999A JP2000034360A JP 2000034360 A JP2000034360 A JP 2000034360A JP 11520999 A JP11520999 A JP 11520999A JP 11520999 A JP11520999 A JP 11520999A JP 2000034360 A JP2000034360 A JP 2000034360A
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Japan
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resin
liquid crystal
thermoplastic resin
resin composition
temperature
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JP11520999A
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English (en)
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Yasushi Kawabata
康史 川端
Kenji Miyazaki
健次 宮崎
Shunji Hyozu
俊司 俵頭
Yoshinori Nakano
良憲 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高発泡倍率に容易に発泡させることができ、し
かも、軽量、耐熱変形性および寸法安定性に優れた熱可
塑性樹脂発泡成形体を得ることができる。 【解決手段】主体となる熱可塑性樹脂に対して、この熱
可塑性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点の液晶樹脂
をフィブリル化された状態で混合して樹脂組成物とし、
この樹脂組成物に対して、熱可塑性樹脂の溶融温度より
も高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも低い分解温度を有
する熱分解型発泡剤を混合して発泡性樹脂組成物とす
る。得られた発泡性樹脂組成物を、熱可塑性樹脂の溶融
温度よりも高く、熱分解型発泡剤の分解温度よりも低い
温度で、射出成形用金型20内に射出して成形した後
に、熱分解型発泡剤の分解温度よりも高く、液晶樹脂の
液晶転移点よりも低い温度にて加熱して発泡させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂に対
して液晶樹脂が混合された樹脂組成物を原料とした熱可
塑性樹脂発泡成形体の製造方法に関し、より詳しくは、
高倍率に発泡された寸法安定性に優れている熱可塑性樹
脂発泡成形体が容易に得られる熱可塑性樹脂発泡成形体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂系の発泡成形体は、軽量で
あって、しかも安価であることから、緩衝材、断熱材、
電気絶縁体等として幅広く利用されている。しかしなが
ら、このような熱可塑性樹脂系の発泡成形体は、用途に
よっては、必ずしも十分な性能を有するものではなく、
寸法安定性、耐熱性等の改良が望まれている。例えば、
自動車内装材の用途等では、軽量性に加えて耐熱性も要
求されるようになっている。
【0003】このために、最近では、エンジニアリング
・プラスチック、特に液晶ポリマーを使用した発泡成形
体の研究が盛んに行われている。例えば、特開平3−1
79042号公報には、成形温度が異なる2種類の液晶
ポリマーを使用した発泡成形体の製造方法が開示されて
いる。このような構成によって、液晶ポリマー特有の耐
熱性が損なわれることなく、高強度であって、しかも、
高弾性率になった発泡成形体が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に開示された方法では、2種類の液晶ポリマーに対し
て発泡剤を混合して発泡することによって発泡成形体を
製造するようになっているために、液晶ポリマーを2倍
程度にしか発泡させることができず、耐熱性および軽量
性の両者を必ずしも十分に満足させる発泡成形体を得る
ことができないという問題がある。
【0005】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、その目的は、熱可塑性樹脂を主体とし
て、耐熱性の補強材として液晶樹脂を使用することによ
って、高発泡倍率に容易に発泡させることができ、しか
も、軽量であって、耐熱変形性および寸法安定性に優れ
た熱可塑性樹脂発泡成形体を製造することができる方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法は、主体となる熱
可塑性樹脂に、この熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高い
液晶転移点の液晶樹脂がフィブリル化された状態で混合
された樹脂組成物に対して、熱可塑性樹脂の溶融温度よ
りも高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも低い分解温度を
有する熱分解型発泡剤を、その分解温度よりも低い温度
で混合して発泡性樹脂組成物とする工程と、得られた発
泡性樹脂組成物を、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高
く、熱分解型発泡剤の分解温度よりも低い温度で、射出
成形用金型内に射出して成形する工程と、射出成形され
た発泡性樹脂組成物を、熱分解型発泡剤の分解温度より
も高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも低い温度にて加熱
する工程と、を包含することを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載の本発明の熱可塑性
樹脂発泡成形体の製造方法は、主体となる熱可塑性樹脂
に、この熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点
の液晶樹脂が混合された樹脂組成物に対して、熱可塑性
樹脂の溶融温度よりも高く、液晶樹脂の液晶転移点より
も低い分解温度を有する熱分解型発泡剤を、その分解温
度よりも低い温度で混合して発泡性樹脂組成物とする工
程と、得られた発泡性樹脂組成物を、液晶樹脂の液晶転
移点よりも高い温度で、射出成形用金型内に射出して成
形する工程と、を包含することを特徴とする。
【0008】これらの請求項1または請求項2の製造方
法では、前記樹脂組成物には、液晶樹脂が 0.5〜30重量
%の割合で混合されており、前記発泡性樹脂組成物に
は、その樹脂組成物 100重量部に対して、 0.5〜30重量
部の割合で熱分解型発泡剤が混合されている。
【0009】また、これらの請求項1または請求項2の
製造方法では、前記熱可塑性樹脂には架橋性樹脂が含ま
れている。
【0010】請求項5に記載の本発明の熱可塑性樹脂発
泡成形体の製造方法は、主体となる熱可塑性樹脂に、こ
の熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点の液晶
樹脂がフィブリル化された状態で混合された樹脂組成物
に対して、常温常圧下において気体状態になった発泡ガ
スを、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、液晶樹脂の
液晶転移点よりも低い温度にて加圧状態で含浸させて発
泡性樹脂組成物とする工程と、得られた発泡性樹脂組成
物を、常圧となった射出成形用金型内に射出して成形す
る工程と、を包含することを特徴とする。
【0011】また、請求項6に記載の本発明の熱可塑性
樹脂発泡成形体の製造方法は、主体となる熱可塑性樹脂
に、この熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点
の液晶樹脂が混合された樹脂組成物に対して、常温常圧
下において気体状態になった発泡ガスを、液晶樹脂の液
晶転移点よりも高い温度において加圧状態で含浸させて
発泡性樹脂組成物とする工程と、得られた発泡性樹脂組
成物を常圧になった射出成形用金型内に射出して成形す
る工程と、を包含することを特徴とする。
【0012】これらの請求項5または請求項6の製造方
法では、前記樹脂組成物には、液晶樹脂が 0.5〜30重量
%の割合で混合されており、前記発泡性樹脂組成物に
は、この樹脂組成物100 重量部に対して、 0.1〜15重量
部の発泡ガスが混合されている。
【0013】さらに、請求項8に記載の熱可塑性樹脂発
泡成形体の製造方法は、請求項5または6に記載の発泡
ガスに替えて、飽和炭化水素が使用される。
【0014】この場合、前記樹脂組成物には、液晶樹脂
が 0.5〜30重量%の割合で混合されており、前記発泡性
樹脂組成物には、この樹脂組成物 100重量部に対して、
0.2〜30重量部の飽和炭化水素が混合されている。
【0015】請求項10に記載の本発明の熱可塑性樹脂
発泡成形体の製造方法は、請求項2、5、6、8に記載
の方法において、前記発泡性樹脂組成物を射出成形用金
型内に射出成形して発泡させる際に、射出成形用金型内
の容積が増加されるようになっている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法で
は、主体となる熱可塑性樹脂に、フィブリル化された液
晶樹脂が混合された樹脂組成物に対して、熱分解型発泡
剤が混合された発泡性樹脂組成物を、射出成形用金型内
に射出成形するようになっている。
【0017】樹脂組成物に混合される液晶樹脂の液晶転
移点は、主体となる熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く
なっており、液晶転移点よりも低い温度では、液晶状態
または溶融状態になっている。そして、このような液晶
状態または溶融状態において、内部に剪断応力が発生す
るような外力を加えることによって、フィブリル化され
る。
【0018】樹脂組成物は、フィブリル化された液晶樹
脂が 0.5〜30重量%の割合で、主体となる熱可塑性樹脂
に対して添加されて、押出機内または金型内にて溶融状
態で混練される。この場合、押出機内または金型内の樹
脂組成物に対して、液晶樹脂の液晶転移点よりも高い温
度で加熱した状態で、樹脂組成物の内部に適当な剪断応
力が発生するように、伸長力等を加えると、樹脂組成物
内にて液晶または溶融状態になった液晶樹脂は容易にフ
ィブリル化される。押出機内または金型内にて液晶樹脂
をフィブリル化するために、樹脂組成物に対して伸長力
を付与する際には、押出機または金型からの樹脂組成物
を適当な伸長速度にて引き出せばよい。液晶樹脂をフィ
ブリル化するために必要とされる押出機または金型から
の樹脂組成物の伸長速度は、通常、1×102 〜1×105
sec -1程度、好ましは3×102 〜1×104 sec -1程度で
ある。このような伸長速度によって樹脂組成物が引っ張
られることにより、樹脂組成物内に剪断応力が発生し、
樹脂組成物内の液晶樹脂は、通常、フィブリル径10μm
以下、フィブリル長が0.1 mm以上にフィブリル化され
る。
【0019】樹脂組成物内のフィブリル化された液晶樹
脂は、アスペクト比(分散長/分散径)が少なくとも1
を越える状態、通常は5以上、好ましくは10以上であれ
ばよい。また、フィブリル化された液晶樹脂の径として
は、100 μm以下が好ましく、特に、10μm以下である
ことが好ましい。
【0020】樹脂組成物内の液晶樹脂のフィブリル化度
は、顕微鏡観察もしくは、軟X線観察によって、確認す
ることができる。熱可塑性樹脂に混合される液晶樹脂
は、少なくとも10%以上、より好ましくは30%以上がフ
ィブリル化されていることが望ましい。
【0021】フィブリル化された液晶樹脂と熱可塑性樹
脂とが混合された樹脂組成物は、ペレット状、粒子状等
とされて、熱分解型発泡剤が混合されることにより、発
泡性樹脂組成物とされる。熱分解型発泡剤が混合される
樹脂組成物は、その形態については、特に限定されるも
のではないが、熱分解型発泡剤が容易に混合されるよう
に、ペレット状または粒子状になっていることが望まし
い。樹脂組成物に混合される熱分解型発泡剤は、樹脂組
成物の主体となる熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、
しかも、樹脂組成物を構成する液晶樹脂の液晶転移点よ
りも低い分解温度になっており、例えば、樹脂組成物 1
00重量部に対して、0.5 〜30重量%の割合で混合され
る。
【0022】このようにして得られる発泡性樹脂組成物
は、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、熱分解型発泡
剤の分解温度よりも低い温度にて、射出成形用金型内に
射出されて所定の形状に成形される。従って、発泡性樹
脂組成物は、熱可塑性樹脂が溶融された状態であって、
フィブリル化された液晶樹脂も、フィブリル化された状
態を保持して、射出成形用金型内に射出成形されること
になる。この場合、発泡性樹脂組成物内に含まれる熱分
解型発泡剤は、その分解温度よりも低い温度になってい
るために、発泡されることがなく、従って、発泡性樹脂
組成物は、射出成形用金型内では、発泡されることな
く、所定の形状に成形される。なお、射出成形用金型の
形状は特に限定されず、成形形状に対応した形状とされ
る。
【0023】このようにして、発泡性樹脂組成物が射出
成形用金型内にて、発泡されることなく射出されて所定
の形状に成形されて発泡性成形体が得られると、得られ
た発泡性成形体は、熱分解型発泡剤の分解温度よりも高
く、液晶樹脂の液晶転移点よりも低い温度に加熱され
る。これにより、発泡性成形体内の液晶樹脂がフィブリ
ル化された状態を維持しつつ、加熱分解型発泡剤が発泡
する。その結果、フィブリル化された液晶樹脂によっ
て、発泡時における高い伸長応力が発生し、発泡性成形
体は、三次元方向にほぼ均等に発泡されることになる。
なお、この場合の加熱方法については、特に限定されな
い。
【0024】加熱分解型発泡剤の発泡が終了すると、発
泡体は、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低い温度にまで
冷却されて固化される。これにより、寸法安定性に優れ
た所望の形状の熱可塑性樹脂発泡成形体が得られる。な
お、この場合の冷却方法については、特に限定されな
い。
【0025】得られた熱可塑性樹脂発泡成形体は、三次
元方向にほぼ均等に発泡されていることによって、寸法
安定性に優れており、しかも、軽量であって、耐熱変形
性にも優れている。
【0026】本発明において、発泡性樹脂組成物の主体
となる熱可塑性樹脂としては、発泡可能な熱可塑性樹脂
であれば、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹
脂、スチレン系樹脂、ABS樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、フッ素樹脂、アセタール樹脂、アミド樹
脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレ
ン、熱可塑性ポリウレタン、これらの変性材あるいはブ
レンド材(アロイ材)等の溶融成形可能な樹脂が挙げら
れる。これらの中でも、液晶樹脂との相溶性が適切であ
るために、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、これら
のコモノマーを樹脂成分とする共重合体等が特に好まし
い。
【0027】熱可塑性樹脂は、必要に応じて一部が架橋
されたものであってもよい。一部が架橋された熱可塑性
樹脂を用いることによって、粘度が高くなるために、よ
り一層均等に発泡させることができる。その結果、高倍
率に発泡された寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂発泡成
形体が得られるために、熱可塑性樹脂発泡成形体をより
軽量化することができ、また、熱安定性も高められる。
【0028】この場合、一部が架橋された熱可塑性樹脂
は、全体のゲル分率が3〜45%になっていることが好ま
しい。ゲル分率が3%未満では、十分な架橋反応が得ら
れず、反対に、ゲル分率が45%を越えると、発泡性樹脂
組成物を射出成形用金型内にて射出成形した際の流動性
が不足することになる。いずれの場合も、本発明の熱可
塑性樹脂発泡成形体の製造方法には好ましいものではな
い。
【0029】なお、熱可塑性樹脂のゲル分率とは、架橋
樹脂成分を120 ℃のキシレン中に24時間浸漬した後の残
渣重量を、キシレン浸漬前の架橋樹脂成分の重量に対す
る重量百分率で表したものであり、熱可塑性樹脂内にお
ける架橋割合を推定する指標となる。
【0030】熱可塑性樹脂の架橋方法については、特に
限定されるものではなく、例えば、電子線などの電離性
放射線を照射する電子線架橋方法、有機過酸化物を用い
た化学架橋法、あるいは、シラン変性樹脂を用いたシラ
ン架橋法などを挙げることができる。
【0031】熱可塑性樹脂に混合される液晶樹脂として
は、主体(マトリックス)となる熱可塑性樹脂の溶融温
度よりも液晶転移点が高いものであれば、特に限定され
るものではなく、任意の液晶樹脂を用いることができる
が、熱可塑性樹脂内にて液晶樹脂が容易にフィブリル化
されるためには、熱可塑性液晶ポリエステル、熱可塑性
ポリエステルアミド等を用いることが好ましい。フィブ
リル化される液晶樹脂の具体的な例としては、商品名
「ベクトラ」(ポリプラスチック社製)、商品名「スミ
カスーパー」(住友化学工業社製)、商品名「ザイダ
ー」(日本石油化学社製)、商品名「ロツドラン」(ユ
ニチカ社製)などの市販の全芳香族系液晶樹脂または半
芳香族系液晶樹脂が挙げられる。
【0032】熱可塑性樹脂に対する液晶樹脂の混合割合
については、混合された樹脂組成物の全体にわたって発
泡成形可能な混合割合であれば、特に限定されるもので
はなく、熱可塑性樹脂の組成や最終製品に必要な性能に
よって適宜選択される。通常、樹脂組成物における液晶
樹脂の混合割合は、0.5 〜30重量%、好ましくは、1〜
25重量%、より好ましくは3〜20重量%である。液晶樹
脂の混合割合が0.5 重量%未満の場合には、得られる熱
可塑性樹脂発泡成形体は、十分な寸法安定性が得られな
いおそれがある。また、液晶樹脂の混合割合が30重量%
を超えると、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体に破泡が
随所に見られ、均一に発泡させることができないおそれ
がある。
【0033】熱可塑性樹脂に対して液晶樹脂が混合され
た樹脂組成物には、 液晶樹脂、熱可塑性樹脂の組成に応
じ、相互の相溶性を改善するために、成形前もしくは成
形時に相溶化剤を添加してもよい。相溶化剤としては、
特に限定されるわけではないが、例えば、熱可塑性樹脂
がオレフィン樹脂の場合には、オレフィン成分とスチレ
ン成分あるいは芳香族ポリエステル成分とを共重合した
もの、マレイン酸成分、アクリル酸成分等を有するオレ
フイン樹脂、グリシジルメタクリレート成分を有するオ
レフイン樹脂共重合体等を挙げることができる。また、
このような相溶化剤の添加割合については、樹脂組成物
に用いた熱可塑性樹脂の種類、混合割合等によって適宜
選択すればよい。
【0034】射出成形時における発泡倍率については、
樹脂組成物の組成、製造される熱可塑性樹脂発泡成形体
に要求される性能、用途等に応じて適宜選択されるが、
通常、2〜50倍、好ましくは2〜30倍の範囲とされる。
発泡倍率が50倍を超えると、発泡セルの径、分布等が不
均一となり、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体を全体に
わたって均一な材質にすることができないおそれがあ
る。
【0035】熱分解型発泡剤は、用いられる熱可塑性樹
脂の溶融温度よりも高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも
低い分解温度を有するものであれば、特に限定されるも
のではなく、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化
ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤、アゾジカルボン
アミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N'−ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、P,P'−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、P,P'−オシキビスベンゼンスルホ
ニルヒドラジロ、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒド
ラジノトリアジン等を使用することができる。特に、分
解温度、分解速度の調整が容易であって、ガス発生量が
多く、衛生的に優れているアゾジカルボンアミドが好適
に使用することができる。
【0036】熱可塑性樹脂と液晶樹脂とを有する樹脂組
成物に対する熱分解型発泡剤の添加割合は、熱可塑性樹
脂と液晶樹脂とを混合した樹脂組成物 100重量部に対し
て、0.5 〜30重量部、好ましくは1〜20重量部とされ
る。熱分解型発泡剤の添加割合が 0.5重量部よりも少な
い場合には、発泡が不十分となり、所望の特性を有する
熱可塑性樹脂発泡成形体を得ることができないおそれが
ある。反対に、30重量部を越えると、発泡時の発泡圧が
発泡性樹脂組成物(発泡性成形体)の伸長応力を越え、
発泡セルが破泡して良好な熱可塑性樹脂発泡成形体を得
ることができないおそれ、寸法安定性が低下するおそれ
がある。
【0037】なお、本発明においては、液晶樹脂と熱可
塑性樹脂とを混合した樹脂組成物に対して、上述した相
溶化剤のほか、必要に応じて、本発明の目的を損なわな
い範囲において、難燃剤、充填剤、抗酸化剤、造核剤、
顔料などの添加剤を配合してもよい。 例えば、難燃剤と
しては、ヘキサブロモビフェノールエーテル、デカブロ
モジフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、ポリ燐酸アン
モニウム、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフ
ェート等の含燐系難燃剤、メラミン誘導体、無機系難燃
剤等がある。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方
法では、熱可塑性樹脂に混合される液晶樹脂は、予めフ
ィブリル化されている必要はなく、フィブリル化されて
いない液晶樹脂を使用することもできる。そして、この
ような液晶樹脂と熱可塑性樹脂とを混合した樹脂組成物
に対して、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、液晶樹
脂の液晶転移点よりも低い分解温度を有する熱分解型発
泡剤が混合されて発泡性樹脂組成物とされ、その発泡性
樹脂組成物が、射出成形用金型内に、液晶樹脂の液晶転
移点よりも高い温度、従って、熱分解型発泡剤の分解温
度よりも高い温度にて射出される。
【0039】このように、液晶転移点よりも高い温度に
加熱された射出成形用金型内に発泡性樹脂組成物が溶融
状態で発泡されつつ射出されて成形されると、発泡性樹
脂組成物に加わる射出圧および発泡圧によって、発泡性
樹脂組成物内の液晶状態または溶融状態の液晶樹脂はフ
ィブリル化される。そして、液晶樹脂がフィブリル化さ
れた状態で、熱分解型発泡剤が射出成形用金型内にて成
形されることにより、発泡性樹脂組成物は、発泡時にお
ける高い伸長応力が発生し、三次元的にほぼ均等に発泡
されることになり、軽量であって、耐熱変形性および寸
法安定性に優れた熱可塑性発泡成形体が得られる。この
場合には、通常の射出成形法と同様の工程によって、発
泡性樹脂組成物が射出成形されるために、射出成形法特
有の高生産性が確保されており、また、異なる形状の発
泡成形体であっても容易に対応することができる。
【0040】さらに、フィブリル化された液晶樹脂また
はフィブリル化されていない液晶樹脂と熱可塑性樹脂と
の混合物である樹脂組成物を発泡させる際には、前述し
たように、熱分解型発泡剤を使用することなく、常温常
圧下において気体状態になっている発泡ガスを使用する
こともできる。
【0041】常温常圧下にて気体状態になっている発泡
ガスとしては、窒素や二酸化炭素、フロンガスなどが挙
げられる。発泡ガスの添加量は、発泡倍率に応じて選択
されるが、熱可塑性樹脂に対して液晶樹脂が混合された
樹脂組成物 100重量部に対して、通常、0.1 〜15重量部
の割合で添加される。発泡ガスの添加割合が 0.1重量部
よりも少ない場合には、発泡性樹脂組成物が全体にわた
って確実に発泡されず、反対に、発泡ガスの添加割合が
15重量部よりも多くなると、発泡性樹脂組成物の全体に
わたって均一に発泡させることができずに、製造される
熱可塑性樹脂発泡成形体は熱伝導率等の物性が低下する
おそれがある。
【0042】熱可塑性樹脂に対して液晶樹脂が混合され
た樹脂組成物に発泡ガスを含浸させる方法としては、一
軸、二軸等の押出機によって樹脂組成物と液晶樹脂とを
溶融混練した後に押出機バレル内に発泡ガスを注入する
方法、樹脂組成物に予め発泡ガスを含浸させた状態で樹
脂組成物を溶融混練する方法等が挙げられるが、いずれ
の場合も、発泡ガスは、加圧状態で樹脂組成物内に含浸
される。。
【0043】熱可塑性樹脂に対してフィブリル化された
液晶樹脂が混合されて樹脂組成物とされている場合に
は、発泡ガスを樹脂組成物に含浸させる際に、樹脂組成
物は、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高くて、液晶樹脂
の液晶転移点温度よりも低い温度とされる。この温度領
域では、熱可塑性樹脂が溶融しても、フィブリル化され
た液晶樹脂は、液晶状態または溶融状態にはならず、フ
ィブリル化された状態を保持することになる。
【0044】発泡ガスが含浸された発泡性樹脂組成物
は、常圧になった射出成形用金型内に射出成形される。
射出成形用金型の形状は特に限定されず、成形形状に対
応した金型が用いられる。発泡性樹脂組成物は、常圧の
射出成形用金型内に射出されることによって発泡され
る。樹脂組成物内に発泡ガスが含浸された発泡性樹脂組
成物が高温高圧下にて溶融および混練されると、発泡ガ
スは樹脂組成物内に溶解した状態になっており、このよ
うな状態で、発泡性樹脂組成物が常圧の射出成形用金型
内に射出されることにより常圧に解放されると、樹脂組
成物内にて溶解した発泡ガスが発泡する。この場合、発
泡樹脂組成物内の液晶樹脂は、フィブリル化されている
ために、そのフィブリル化された液晶樹脂によって伸長
応力が発揮され、三次元方向方向にほぼ均等に発泡され
る。
【0045】発泡性樹脂組成物が射出成形される場合の
射出成形用金型の温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度より
も低くなっていることが好ましい。射出成形用金型が、
熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低くなっていることによ
って、射出成形用金型内にて発泡された発泡樹脂組成物
が迅速に固化して、所望の熱可塑性樹脂発泡成形体とさ
れる。
【0046】液晶樹脂がフィブリル化されていない状態
で熱可塑性樹脂に混合して樹脂組成物とされている場合
には、常温および常圧下において気体状態になった発泡
ガスは、液晶樹脂の液晶転移点よりも高い温度において
加圧状態で樹脂組成物に含浸される。これにより、樹脂
組成物内の液晶樹脂は、液晶状態もしくは溶融状態にな
って、液晶状態または溶融状態の液晶樹脂内に発泡ガス
が含浸されて発泡性樹脂組成物とされる。そして、発泡
ガスが含浸された発泡性樹脂組成物が、常圧の射出成形
用金型内に射出されると、液晶または溶融状態の液晶樹
脂が伸張力を受けてフィブリル化されるとともに、発泡
性樹脂組成物内の発泡ガスが発泡される。これにより、
発泡性樹脂組成物内は、フィブリル化された液晶樹脂に
よって、三次元的にほぼ均一に発泡されることになる。
【0047】なお、フィブリル化された液晶樹脂または
フィブリル化されていない液晶樹脂が混合された熱可塑
性樹脂に含浸させる発泡剤として、このように、常温常
圧下において気体状になっている発泡ガスに替えて、飽
和炭化水素を使用するようにしてもよい。このような飽
和炭化水素としては、具体的には、ペンタン、n−ヘキ
サン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げ
られる。
【0048】飽和炭化水素を樹脂組成物に含浸させる方
法としては、液体で含浸させる方法、飽和炭化水素を加
熱して気体状とした後に含浸させる方法等が挙げられ
る。飽和炭化水素が含浸された発泡性樹脂組成物は、一
軸、二軸等の押出機によって溶融混練した後に、常圧の
射出成形用金型内に射出成形される。これにより、発泡
ガスを使用する場合と同様にして、液晶樹脂がフィブリ
ル化されるとともに、飽和炭化水素が発泡されて、熱可
塑性樹脂発泡成形体とされる。
【0049】飽和炭化水素の添加量としては、液晶樹脂
が熱可塑性樹脂に混合された樹脂組成物 100重量部に対
して 0.2〜30重量部であればよい。飽和炭化水素の添加
量が0.2重量部よりも少ない場合には、発泡性樹脂組成
物全体を確実に発泡させることができず、反対に、 100
重量部よりも多くなると、発泡性樹脂組成物を全体にわ
たって均一に発泡させることができなくなり、製造され
る熱可塑性樹脂発泡成形体は、熱伝導率等の物性が低下
するおそれがある。
【0050】本発明において、フィブリル化された液晶
樹脂またはフィブリル化されていない液晶樹脂が熱可塑
性樹脂に混合された樹脂組成物に、各種発泡剤を混合し
た発泡性樹脂組成物を、射出成形用金型内にて射出成形
する際には、発泡性樹脂組成物が射出成形用金型内に射
出された直後に、射出成形用金型内の容積を増大させる
ようにしてもよい。このようにすることにより、発泡性
樹脂組成物内に含まれるフィブリル化された液晶樹脂
が、所定の方向に配向されることになる。例えば、射出
成形機から射出成形用金型内に発泡性樹脂組成物が射出
される方向と同方向に、金型の一部を移動させることに
よって金型内の容積を増大させると、金型内に射出され
る発泡性樹脂組成物内のフィブリル化された液晶樹脂
は、金型内の容積の増大方向に沿って配向することにな
る。その結果、得られる熱可塑性樹脂発泡成形体は、補
強材であるフィブリル化された液晶樹脂が特定の方向に
配向されていることによって、その配向方向とは直交す
る方向の剪断力に対する機械的強度が向上することにな
る。しかも、この場合には、液晶樹脂が同方向に配向さ
れていることによって、寸法安定性も向上する。
【0051】また、このように、射出成形用金型内の容
積を変更して、射出成形用金型内に射出される発泡性樹
脂組成物を発泡させることにより、発泡性樹脂組成物
を、必要に応じて、低い倍率から高い倍率の任意の発泡
倍率に容易に発泡させることもできる。
【0052】射出成形用金型の容積を増大させる方法と
しては、射出成形機の遠方側に位置する射出成形用金型
の一部を、射出成形機から離れる方向にスライドさせれ
ばよい。射出成形用金型の容積を増大させるタイミング
としては、射出成形用金型内に射出された発泡性樹脂組
成物が溶融状態になっているときに行えばよい。射出成
形用金型の容積の増大量は、最終的に得られる熱可塑性
樹脂発泡成形体の発泡倍率に基づいて設定されるが、発
泡性樹脂組成物に含浸された発泡ガス量によって決まる
発泡倍率以上に、射出成形用金型内の容積を増加させる
必要がある。
【0053】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではな
い。なお、MIは、JIS K7210 に従って測定されたメルト
インデックスであり、単位は、g/10分である。
【0054】<実施例1>液晶樹脂(商品名「ロッドラ
ンLC−5000」(ユニチカ社製)、液晶転移点 280℃)
と、架橋されていないポリプロピレン(商品名「EA 9」
(三菱化学社製)、融点 165℃、MI=0.5 、密度=0.99
g/cm3 )とを、液晶樹脂 100重量部に対して、ポリプ
ロピレン 720重量部の割合で混合して、バレル温度およ
び金型温度をそれぞれ 290℃に設定した2軸の混練押出
機(商品名「PCM −30」(池貝機工社製))にて溶融状
態で混練して、直径3mmのストランドダイから押し出し
た。そして、押し出された混合物を水冷した後に、ペレ
タイザーによってペレット化することにより、熱可塑性
樹脂に対して液晶樹脂が混合された樹脂組成物のペレッ
トとした。
【0055】この樹脂組成物のペレットの一部を破断し
て、その破断面を走査型電子顕微鏡によって観察したと
ころ、樹脂組成物のペレット中の液晶樹脂は、ほぼ 100
%にわたってフィブリル化されていた。
【0056】次に、得られた樹脂組成物のペレットに対
して、シラン架橋性ポリプロピレン(商品名「リンクロ
ン XPM800HM 」(三菱化学社製)、MI=11、架橋後の到
達ゲル分率80重量%)を 180重量部と、熱分解型発泡剤
としてのアゾジカルボンアミド(商品名「ユニホームAZ
SO −20」大塚化学社製、分解温度 201℃) 100重量部
とを混合して発泡性樹脂組成物とした。各組成物の配合
割合を表1に示す。
【0057】得られた発泡性樹脂組成物は、図1に示す
インラインスクリュー式射出成形機10および射出成形
用金型20によって射出成形した。
【0058】図2(a)は、インラインスクリュー式の
射出成形機10に設けられた射出成形用金型20の断面
図、図2(b)は、その射出成形用金型20に設けられ
た下型21の平面図である。下型21は、下側になるに
つれて順次内径が小さくなった円錐台形状の凹部21a
を中央部に有しており、上型22は、この下型21の凹
部21a内に、適当な間隔をあけて嵌入されるコア部2
2aを中央部に有している。下型21は、上型22に対
して、上型22のコア部22aおよび下型21の凹部2
1aが同心状態で相互に接離するようにスライドし得る
ようになっている。このような金型20によって、大径
側の上面が開放された中空の円錐台形状の成形体とされ
る。
【0059】射出成形用金型20の上型22射出成形機
10に取り付けられており、射出成形機10から射出さ
れる発泡性樹脂組成物が、上型22のコア部22aに設
けられたゲート部を通って、上型22のコア部22aと
下型21の凹部21aとの間隙内に充填される。下型2
1は、射出成形機10から射出される発泡性樹脂組成物
の射出方向と同方向にスライドされる。
【0060】このような射出成形機10および射出成形
用金型20を使用して、前述した発泡性樹脂組成物を射
出成形した。なお、射出成形に際しては、射出成形機1
0のバレル温度を 180℃、射出成形用金型20の温度を
20℃に設定した。これにより、加熱分解型発泡剤が発泡
されていない所定の円錐台形状に成形された発泡性成形
体が得られた。
【0061】得られた発泡性成形体は 100℃の熱水に2
時間浸漬させて、シラン架橋性ポリプロピレンを架橋し
た。ポリプロピレンが架橋された発泡成形体のゲル分率
は15%であった。その後、発泡性成形体を、熱分解発泡
剤の分解温度よりも高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも
低い 230℃に温度調節した加熱用のオーブン内にて、10
分間にわたって加熱して発泡させた。得られた発泡成形
体を加熱用のオーブンから取り出して放冷することによ
って固化して、図3に示す断面の中空円錐台形状をした
熱可塑性発泡成形体30とした。
【0062】得られた熱可塑性樹脂発泡成形体30の底
面の中央部から試験片31(図3参照)を切り出して、
その破断面を走査型電子顕微鏡によって2000倍で観察し
たところ、80%以上の液晶樹脂がフィブリル化してポリ
プロピレン内に分散していることが認められた。
【0063】このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡
成形体30の発泡倍率を演算したところ、20.2倍であっ
た。なお、熱可塑性樹脂発泡成形体30の発泡倍率は、
得られた熱可塑性樹脂発泡成形体30の密度を、発泡前
の発泡性樹脂組成物の密度によって除算した数値の逆数
によって求めた。結果を表2に示す。
【0064】また、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体3
0の底面における外径L(図3参照)をノギスを用いて
測定し、その測定された外径Lと、金型20における下
型21の凹部21aの内径L0 (図2参照)とに基づい
て、下記(1)式に基づいて、熱可塑性樹脂発泡成形体
30における均等発泡からのズレX(%)を計算したと
ころ、4.6 %であった。なお、Tは全体の平均発泡倍率
である。結果を表2に併記する。
【0065】 X(%)=(L/L0 /T1/3 −1)×100 …(1) さらに、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体30を恒温槽
に入れて、内部の雰囲気温度を30℃(T1 )から60℃
(T2 )に昇温した際に、熱可塑性樹脂発泡成形体30
の30℃での軸方向長さL1 と、60℃での軸方向長さL2
とをそれぞれ測定して、熱可塑性樹脂発泡成形体30の
熱膨張係数α(10-5/℃)を演算した。熱可塑性樹脂発
泡成形体30の熱膨張係数αは、単位温度当たりの軸方
向長さの変化率であり、次の(2)式で求められる。得
られた熱膨張係数αは、6.0 (10-5/℃)であった。結
果を表2に併記する。
【0066】 α={(L2 −L1 )/L1 }/(T2 −T1 ) … (2) また、熱可塑性樹脂発泡成形体30から得られた試験片
31の曲げ強度、熱伝導率、線膨張率を、それぞれ、JI
S K 7171、JIS K 1412、JIS K 7197に準拠して測定し
た。曲げ強度は36.2(MPa )、熱伝導率は0.038 (kcal
/mhr ℃)、線膨張率は 6.0(1/℃)であった。結果
を表4に示す。
【0067】<実施例2>実施例1において、液晶樹脂
200重量部に対して、ポリプロピレン 640重量部を混合
した樹脂組成物のペレットに対して 160重量部のシラン
架橋性ポリプロピレンと 100重量部の熱分解型発泡剤と
をそれぞれ使用したこと以外は、実施例1と同様にし
て、中空円錐台形状の熱可塑性発泡成形体30を成形し
た。組成物の割合を表1に併記する。そして、成形され
た熱可塑性樹脂発泡成形体30の発泡倍率、均等発泡か
らのズレ、熱膨張係数を、それぞれ、実施例1と同様に
して求めたところ、発泡倍率が19.5(倍)、均等発泡か
らのズレが1.1 (%)、熱膨張係数が4.1 (10-5/℃)
であった。結果を表2に併記する。
【0068】また、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体3
0の底面中央部から切り出された試験片31の曲げ強
度、熱伝導率、線膨張率を、実施例1と同様にして測定
したところ、曲げ強度が58.4(MPa )、熱伝導率が 0.0
37(kcal/mhr ℃)、線膨張率が 4.1(1/℃)であっ
た。結果を表4に併記する。
【0069】<実施例3>液晶樹脂と、無架橋ポリプロ
ピレンと、シラン架橋性ポリプロピレンと熱分解型発泡
剤とを、実施例1と同様の配合割合で混合して、熱可塑
性樹脂に液晶樹脂を混合した樹脂組成物のペレットを製
造することなく、発泡性樹脂組成物とした。得られた発
泡性樹脂組成物を、図1に示す射出成形機10および射
出成形用金型20によって射出成形した。この場合の射
出成形機10のバレル温度は、液晶樹脂の軟化点よりも
高い 290℃とし、また、射出成形用金型20の温度は、
20℃とした。
【0070】この場合、射出成形機10内にて発泡性樹
脂組成物が液晶樹脂の軟化点よりも高い温度に加熱され
ることによって、発泡性樹脂組成物内の液晶樹脂が液晶
状態または溶融状態で、射出成形用金型20内に射出さ
れることにより、液晶樹脂は射出成形用金型20内にて
フィブリル化された状態で発泡されて成形される。そし
て、射出成形用金型20内にて発泡成形された発泡成形
体を冷却して固化することにより、中空円錐台形状の熱
可塑性樹脂発泡成形体30を得た。この場合の組成物の
割合を表1に併記する。
【0071】得られた熱可塑性樹脂発泡成形体30の発
泡倍率および熱膨張係数を、それぞれ、実施例1と同様
にして求めたところ、発泡倍率が20.0倍、熱膨張係数が
5.4(10-5/℃)であった。結果を表2に併記する。
【0072】また、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体3
0の底面から切り出された試験片31の曲げ強度、熱伝
導率、線膨張率を、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、曲げ強度が46.7(MPa )、熱伝導率が 0.038(kcal
/mhr ℃)、線膨張率が 5.4(1/℃)であった。結果
を表4に併記する。
【0073】<実施例4>液晶樹脂(商品名「ベクトラ
A950」(ポリプラスチック社製)、液晶転移温点280
℃)と、架橋されていないポリプロピレン(商品名「PF
814」(ハイモント社製)融点 165℃、MI=0.5 、密度
=3g/cm3 )とを、液晶樹脂 100重量部に対して、ポ
リプロピレン 400重量部の割合で混合して、2軸の混練
押出機(商品名「PCM −30」(池貝機工社製))にて溶
融状態で混練して、直径3mmのストランドダイから押し
出した。このとき、押し出される混練樹脂に対する伸長
速度が5.0 ×102sec-1になるように引き取りつつ水冷
し、引き取られる混練樹脂をペレタイザーによってペレ
ット化することにより、熱可塑性樹脂に液晶樹脂が混合
された樹脂組成物のペレットを得た。
【0074】得られたペレットを破断して、その破断面
を走査型電子顕微鏡により200 倍で観察したところ、複
合ペレット中の液晶樹脂は、ほぼ 100%にわたってフィ
ブリル化されていた。
【0075】次に、得られた樹脂組成物のペレット500
重量部に対して、発泡ガスとして気体状態の二酸化炭素
を2重量部を添加して、図1に示すインラインスクリュ
ー式射出成形機10によって、含浸されるように加圧状
態で混合した。このときの射出成形機10のバレル温度
は、ポリプロピレンの融点 165℃よりも高く、液晶樹脂
の液晶転移点 280℃よりも低い200 ℃に設定して、射出
成形用金型20内に射出成形した。射出成形用金型20
の温度は、20℃に設定した。二酸化炭素が含浸された樹
脂組成物は、常圧になった射出成形用金型20内に射出
される際に発泡されて、中空の円錐台形状をした熱可塑
性樹脂発泡成形体30が成形された。この場合の組成物
の割合および射出成形時の温度条件を表3に示す。
【0076】このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡
成形体30の発泡倍率を、実施例1と同様にして演算し
たところ、20.6倍であった。
【0077】また、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体3
0の底面中央部から切り出された試験片31の曲げ強
度、熱伝動率、線膨張率を、それぞれ、実施例1と同様
に測定したところ、曲げ強度が65.7(MPa )、熱伝導率
が0.034 (kcal/mhr ℃)、線膨張率が 3.5(1/℃)
であった。結果を、熱膨張率とともに表4に示す。
【0078】<実施例5>ポリプロピレンと液晶樹脂と
を混合した樹脂組成物をペレットにせず、液晶樹脂をフ
ィブリル化することなく、ポリプロピレンに混合して、
発泡ガスである二酸化炭素を含浸させて、射出成形時に
おける射出成形機10のバレル温度を、液晶樹脂の液晶
転移点 280℃よりも高い 290℃とした。その他の構成
は、実施例4と同様にして、中空円錐台形状の熱可塑性
樹脂発泡成形体30を成形した。この場合の組成物の割
合および射出成形時の温度条件を表3に併記する。成形
された熱可塑性樹脂発泡成形体30の発泡倍率は、19.4
倍であった。
【0079】また、熱可塑性樹脂発泡成形体30の底面
中央部から切り出された試験片31の曲げ強度、熱伝導
率、線膨張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定
したところ、曲げ強度が76.8(MPa )、熱伝導率が 0.0
32(kcal/mhr ℃)、線膨張率が 1.8(1/℃)であっ
た。結果を、熱膨張率とともに表4に併記する。
【0080】<実施例6>実施例4と同様にして、ポリ
プロピレンと液晶樹脂とを混合した樹脂組成物のペレッ
ト 500重量部に対して、飽和炭化水素であるヘキサン3.
75重量部を添加して、射出成形機10によって加圧状態
で含浸させて、実施例4と同様の条件にて射出成形し、
中空円錐台形状の熱可塑性発泡成形体30を成形した。
この場合の組成物の割合および射出成形時の温度条件を
表3に併記する。成形された熱可塑性樹脂発泡成形体3
0の発泡倍率は、20.3倍であった。
【0081】また、熱可塑性樹脂発泡成形体30の底面
中央部から切り出された試験片31の曲げ強度、熱伝導
率、線膨張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定
したところ、曲げ強度が63.1(MPa )、熱伝導率が 0.0
35(kcal/mhr ℃)、線膨張率が 3.6(1/℃)であっ
た。結果を、熱膨張率とともに、表4に併記する。
【0082】<実施例7>ポリプロピレンと液晶樹脂と
を混合した樹脂組成物をペレットにせず、液晶樹脂をフ
ィブリル化することなく、ポリプロピレンに混合して、
飽和炭化水素であるヘキサンを射出成形機10によって
加圧状態で含浸させて発泡性樹脂組成物とした。この場
合の射出成形機10のバレル温度は、液晶樹脂の液晶転
移点 280℃よりも高い 290℃とした。そして、発泡性樹
脂組成物を射出成形機10から射出成形用金型20内に
射出成形した。その他の構成は、実施例6と同様にし
て、中空円錐台形状の熱可塑性樹脂発泡成形体30を得
た。この場合の組成物の割合および射出成形時の温度条
件を表3に併記する。成形された熱可塑性樹脂発泡成形
体30の発泡倍率は、19.8倍であった。
【0083】また、熱可塑性樹脂発泡成形体の底面中央
部から切り出された試験片31の曲げ強度、熱伝導率、
線膨張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定した
ところ、曲げ強度が74.8(MPa )、熱伝導率が 0.033
(kcal/mhr ℃)、線膨張率が1.9(1/℃)であっ
た。結果を、熱膨張率とともに、表4に併記する。
【0084】<実施例8>実施例4と同様にして、ポリ
プロピレンに対して液晶樹脂を混合した樹脂組成物のペ
レット 500重量部に対して、50重量部の気体状態の二酸
化炭素を、バレル温度が 200℃の射出成形機10によっ
て加圧状態で含浸させて発泡性樹脂組成物とした。その
後、発泡性樹脂組成物を射出成形機10から20℃の温度
になった射出成形用金型20内に射出して成形した。こ
のとき、射出成形用金型20は、当初、図4(a)に示
すように、下型21が上型22に近接した状態になって
いたが、射出成形用金型20のキャビティ内に発泡性樹
脂組成物の射出を開始してから2秒が経過した時点で、
図4(b)に示すように、下型21を射出成形機10の
遠方側にスライドさせて、キャビティの容積を2.5 倍に
増加した。このようにして、中空円錐台形状であって肉
厚状態になった熱可塑性樹脂発泡成形体30を成形し
た。この場合の組成物の割合および射出成形時の温度条
件を表3に併記する。成形された熱可塑性樹脂発泡成形
体30の発泡倍率は、48.5倍であった。
【0085】また、熱可塑性樹脂発泡成形体30の底面
中央部から切り出された試験片31の曲げ強度、熱伝導
率、線膨張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定
したところ、曲げ強度が22.1(MPa )、熱伝導率が 0.0
24(kcal/mhr ℃)、線膨張率が 1.2(1/℃)であっ
た。結果を、熱膨張率とともに、表4に併記する。
【0086】<比較例1>液晶樹脂を用いずに、無架橋
ポリプロピレン 800重量部と、シラン架橋性ポリプロピ
レン 200重量部と、熱分解型発泡剤 100重量部とを混合
して発泡性樹脂組成物としたこと以外は実施例1と同様
にして、中空円錐台形状の熱可塑性樹脂発泡成形体を成
形した。この場合の組成物の割合を表1に併記する。そ
して、成形された熱可塑性樹脂発泡成形体の発泡倍率、
均等発泡からのズレ、および熱膨張係数を、それぞれ、
実施例1と同様にして求めたところ、発泡倍率が18.0
倍、均等発泡からのズレが14.5(%)、熱膨張係数が1
2.0であった。結果を表2に併記する。
【0087】また、熱可塑性樹脂発泡成形体の底面中央
部から切り出された試験片の曲げ強度、熱伝導率、線膨
張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、曲げ強度が27.3(MPa )、熱伝導率が 0.043(kcal
/mhr ℃)、線膨張率が12.0(1/℃)であった。結果
を、熱膨張率とともに表5に併記する。
【0088】<比較例2>液晶樹脂を用いずに、無架橋
ポリプロピレン 800重量部と、シラン架橋性ポリプロピ
レン 200重量部と、熱分解型発泡剤 100重量部とを混合
して発泡性樹脂組成物として、実施例3と同様にして、
中空円錐台形状の熱可塑性樹脂発泡成形体を成形した。
この場合の組成物の割合を表1に併記する。そして、成
形された熱可塑性樹脂発泡成形体の発泡倍率および熱膨
張係数を、それぞれ、実施例1と同様にして求めたとこ
ろ、発泡倍率が19.3、熱膨張係数が12.4であった。結果
を表2に併記する。
【0089】また、熱可塑性樹脂発泡成形体の底面中央
部から切り出された試験片の曲げ強度、熱伝導率、線膨
張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、曲げ強度が27.1(MPa )、熱伝導率が 0.041(kcal
/mhr ℃)、線膨張率が12.4(1/℃)であった。結果
を、熱膨張率とともに表5に併記する。
【0090】<比較例3>液晶樹脂 700重量部と、無架
橋ポリプロピレン 240重量部と、シラン架橋性ポリプロ
ピレン60重量部と、熱分解型発泡剤 100重量部とを混合
して発泡性樹脂組成物として、実施例3と同様にして、
中空円錐台形状の熱可塑性樹脂発泡成形体を成形したと
ころ、発泡倍率は4.1 倍であったが、破泡が随所に見ら
れ、均一な材質の熱可塑性樹脂発泡成形体とすることが
できなかった。この場合の組成物の割合を表1に、ま
た、発泡倍率を表2に併記する。
【0091】また、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体の
底面中央部から切り出された試験片の曲げ強度、熱伝導
率、線膨張率を、それぞれ、実施例1と同様にして測定
したところ、曲げ強度が 145.2(MPa )、熱伝導率が
0.121(kcal/mhr ℃)、線膨張率が1.2 (1/℃)で
あった。結果を、熱膨張率とともに表5に併記する。
【0092】<比較例3>実施例4と同様にして、ポリ
プロピレンに液晶樹脂が混合された樹脂組成物のペレッ
トを形成するとともに、気体状態の二酸化炭素を発泡ガ
スとして含浸させて、発泡性樹脂組成物を得た。その
後、インラインスクリュー式射出成形機10および射出
成形用金型20によって射出成形する際に、図4(b)
に示すように、下型21を予め射出成形機10の遠方側
にスライドさせて、キャビティの容積を、実施例4にお
ける場合よりも2.5 倍に増加した状態として、中空円錐
台形状の熱可塑性樹脂発泡成形体を成形した。この場合
の射出成形機10のバレル温度および射出成形用金型2
0の温度は、実施例4と同様に、それぞれ 200℃および
20℃とした。この場合の組成物の割合および射出成形時
の温度条件を表3に併記する。得られた熱可塑性樹脂発
泡成形体の発泡倍率は、47.8倍であった。
【0093】また、得られた熱可塑性樹脂発泡成形体の
底面中央部から切り出された試験片の曲げ強度、熱伝導
率、線膨張率を、それぞれ実施例1と同様にして測定し
たところ、曲げ強度が14.2(MPa )、熱伝導率が 0.028
(kcal/mhr ℃)、線膨張率が 3.6(1/℃)であっ
た。結果を、熱膨張率とともに表5に併記する。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造
方法は、発泡樹脂組成物内の液晶樹脂がフィブリル化さ
れていることによって、発泡性樹脂組成物の発泡時の伸
長応力が増大し、三次元方向にほぼ均等に発泡させるこ
とができる。その結果、容易に高発泡倍率に発泡させる
ことができるために、軽量であって、耐熱変形性および
寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂発泡成形体が確実に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法の
実施に使用される射出成形機および射出成形用金型の概
略部図である。
【図2】(a)はその射出成形用金型の断面図、(b)
は、その射出成形用金型における下型の平面図である。
【図3】その射出成形機および射出成形用金型によって
得られた熱可塑性樹脂発泡成形体の断面図である。
【図4】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の熱
可塑性樹脂発泡成形体の製造方法における射出成形用金
型の動作説明図である。
【符号の説明】
10 射出成形機 20 射出成形用金型 21 下型 21a 凹部 22 上型 22a コア部 30 熱可塑性樹脂発泡成形体 31 試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 良憲 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主体となる熱可塑性樹脂に、この熱可塑
    性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点の液晶樹脂がフ
    ィブリル化された状態で混合された樹脂組成物に対し
    て、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、液晶樹脂の液
    晶転移点よりも低い分解温度を有する熱分解型発泡剤
    を、その分解温度よりも低い温度で混合して発泡性樹脂
    組成物とする工程と、 得られた発泡性樹脂組成物を、熱可塑性樹脂の溶融温度
    よりも高く、熱分解型発泡剤の分解温度よりも低い温度
    で、射出成形用金型内に射出して成形する工程と、 射出成形された発泡性樹脂組成物を、熱分解型発泡剤の
    分解温度よりも高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも低い
    温度にて加熱する工程と、 を包含することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 主体となる熱可塑性樹脂に、この熱可塑
    性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点の液晶樹脂が混
    合された樹脂組成物に対して、熱可塑性樹脂の溶融温度
    よりも高く、液晶樹脂の液晶転移点よりも低い分解温度
    を有する熱分解型発泡剤を、その分解温度よりも低い温
    度で混合して発泡性樹脂組成物とする工程と、 得られた発泡性樹脂組成物を、液晶樹脂の液晶転移点よ
    りも高い温度で、射出成形用金型内に射出して成形する
    工程と、 を包含することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物には、液晶樹脂が 0.5〜
    30重量%の割合で混合されており、前記発泡性樹脂組成
    物には、その樹脂組成物 100重量部に対して、0.5〜30
    重量部の割合で熱分解型発泡剤が混合されている請求項
    1または2に記載の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂には架橋性樹脂が含ま
    れている請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂発泡成
    形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 主体となる熱可塑性樹脂に、この熱可塑
    性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点の液晶樹脂がフ
    ィブリル化された状態で混合された樹脂組成物に対し
    て、常温常圧下において気体状態になった発泡ガスを、
    熱可塑性樹脂の溶融温度よりも高く、液晶樹脂の液晶転
    移点よりも低い温度にて加圧状態で含浸させて発泡性樹
    脂組成物とする工程と、 得られた発泡性樹脂組成物を、常圧となった射出成形用
    金型内に射出して成形する工程と、 を包含することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 主体となる熱可塑性樹脂に、この熱可塑
    性樹脂の溶融温度よりも高い液晶転移点の液晶樹脂が混
    合された樹脂組成物に対して、常温常圧下において気体
    状態になった発泡ガスを、液晶樹脂の液晶転移点よりも
    高い温度において加圧状態で含浸させて発泡性樹脂組成
    物とする工程と、 得られた発泡性樹脂組成物を常圧になった射出成形用金
    型内に射出して成形する工程と、 を包含することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡成形体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂組成物には、液晶樹脂が 0.5〜
    30重量%の割合で混合されており、前記発泡性樹脂組成
    物には、この樹脂組成物100 重量部に対して、0.1〜15
    重量部の発泡ガスが混合されている請求項5または6に
    記載の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記発泡ガスに替えて、飽和炭化水素が
    使用される請求項5または6に記載の熱可塑性樹脂発泡
    成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記樹脂組成物には、液晶樹脂が 0.5〜
    30重量%の割合で混合されており、前記発泡性樹脂組成
    物には、この樹脂組成物 100重量部に対して、0.2〜30
    重量部の飽和炭化水素が混合されている請求項8に記載
    の熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記発泡性樹脂組成物を射出成形用金
    型内に射出成形して発泡させる際に、射出成形用金型内
    の容積が増加されるようになっている請求項2、5、
    6、8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡成形体の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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