JP2002192518A - 長繊維強化樹脂ペレットおよび成形体 - Google Patents

長繊維強化樹脂ペレットおよび成形体

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JP2002192518A
JP2002192518A JP2000398558A JP2000398558A JP2002192518A JP 2002192518 A JP2002192518 A JP 2002192518A JP 2000398558 A JP2000398558 A JP 2000398558A JP 2000398558 A JP2000398558 A JP 2000398558A JP 2002192518 A JP2002192518 A JP 2002192518A
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propylene
reinforced resin
fiber reinforced
long fiber
resin pellet
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JP2000398558A
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Yoshiteru Tokawa
芳晃 東川
Toshitsugu Kikuchi
利注 菊地
Toru Yabe
徹 矢部
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃強度をさらに高めた長繊維強化樹脂ペレッ
ト、および衝撃強度のより高い成形体を提供すること。 【解決手段】強化繊維およびプロピレン重合体からな
り、前記強化繊維がペレット長にほぼ等しい長さで互い
に平行に配列している全長2〜100mmの長繊維強化
樹脂ペレットであって、前記プロピレン重合体が、プロ
ピレン単独重合体部(A)およびプロピレン−エチレン
共重合体部(B)からなるプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体であって、前記プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体に占めるプロピレン−エチレン共重合部
(B)の含有量が15〜40重量%である長繊維強化樹
脂ペレット。該長繊維強化樹脂ペレットを射出成形、圧
縮成形、射出圧縮成形、ガス注入射出成形、または発泡
射出成形により成形して得られる成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維強化樹脂ペ
レット、およびそれを成形して得られる成形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂は剛性や耐熱性に優れるこ
とから、自動車部品等に使用される材料として重要な工
業材料である。しかし、衝撃強度が十分で無い等の欠点
を有しているため、その点につき改良方法が検討されて
いる。例えば、ペレット長に等しい長さを維持した3〜
100mm程度の繊維を含有する長繊維強化樹脂を用い
て成形し、成形品中の繊維の長さを長く保つことによ
り、衝撃強度を高める技術が提案されているが、さらな
る改良が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、衝撃
強度をさらに高めた長繊維強化樹脂ペレット、および衝
撃強度のより高い成形体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、強化繊維およ
びプロピレン重合体からなり、前記強化繊維がペレット
長にほぼ等しい長さで互いに平行に配列している全長2
〜100mmの長繊維強化樹脂ペレットであって、前記
プロピレン重合体が、プロピレン単独重合体部(A)お
よびプロピレン−エチレン共重合体部(B)からなるプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体であって、前記プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体に占めるプロピレ
ン−エチレン共重合部(B)の含有量が15〜40重量
%である長繊維強化樹脂ペレットにかかるものである。
また本発明は、該長繊維強化樹脂ペレットを射出成形、
圧縮成形、射出圧縮成形、ガス注入射出成形、または発
泡射出成形により成形して得られる成形体にかかるもの
である。以下、本発明を詳しく説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の長繊維強化樹脂ペレット
における前記プロピレン重合体は、好ましくはMFRが
1〜30g/10分、より好ましくは5〜30g/10
分、特に好ましくは10〜25g/10分のプロピレン
重合体である。前記プロピレン重合体のMFRが過小で
あると、成形体中の強化繊維の分散性が低下し、成形体
の外観不良が見られることがあり、また、前記プロピレ
ン重合体のMFRが過大であると、衝撃強度が低下する
ことがあり好ましくない。
【0006】前記プロピレン重合体は、プロピレン単独
重合体部(A)とプロピレン−エチレン共重合体部(B)
からなるプロピレン−エチレンブロック共重合体であ
る。前記プロピレン単独重合体部(A)はプロピレンの
単独重合によって得られる重合体部分であり、また、前
記プロピレン−エチレン共重合体部(B)はプロピレン
とエチレンのランダム共重合によって得られる共重合体
部分である。
【0007】前記プロピレン−エチレン共重合部(B)
のエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、好
ましくは20〜60重量%、更に好ましくは30〜50
重量%である。プロピレン−エチレン共重合部(B)の
エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が、上記
範囲以外では衝撃強度の改良効果が低くなることがあ
り、好ましくない。
【0008】また、前記プロピレン重合体に占めるプロ
ピレン−エチレン共重合部分(B)の含有量は15〜4
0重量%、好ましくは20〜35重量%、特に好ましく
は25〜35重量%である。前記プロピレン重合体に占
めるプロピレン−エチレン共重合部(B)の含有量が過
少であると、衝撃強度が低下し好ましくなく、また、過
多であると、材料剛性が低下するので好ましくない。
【0009】このようなプロピレン重合体は、重合用触
媒を用いてプロピレン等をスラリー重合、気相重合、或
いは、液層塊状重合することにより製造されるものであ
り、前記プロピレン重合体を製造する重合方式として
は、バッチ重合、連続重合のどちらの方式も採用するこ
とができる。このようなプロピレン重合体を製造するに
際しては、どちらの部分を先に重合しても良いが、最初
にプロピレンの単独重合によってプロピレン単独重合部
(A)を形成し、次に該プロピレン単独重合部(A)の
存在下にプロピレンとエチレンとのランダム共重合によ
ってプロピレン−エチレン共重合部(B)を形成したも
のが望ましい。また、このようなプロピレン−エチレン
ブロック共重合は、本発明の効果を著しく損なわない範
囲内で他の不飽和化合物、例えばブテン−1等のα−オ
レフィン、酢酸ビニルのようなビニルエステル等をとも
に共重合する三元以上の共重合であってもこれらの混合
物であっても良い。
【0010】また、本発明の長繊維強化樹脂ペレットに
は、強化樹脂による強化効果を高めるため、プロピレン
系樹脂を酸変性したものを適量添加するか、あるいは前
記プロピレン重合体を酸変性して用いることが好まし
い。特に、無水マレイン酸をグラフト重合した無水マレ
イン酸変性プロピレン系樹脂を、前記プロピレン重合体
との合計に対して3〜50重量%(より好ましくは5〜
25重量%)添加したものを用いることが好ましい。ま
た、前記無水マレイン酸変性プロピレン系樹脂のMFR
として好ましくは5〜80g/10分であり、より好ま
しくは10〜50g/10分である。該MFRが低すぎ
ると分散不良を起こしやすい。
【0011】本発明の長繊維強化樹脂ペレットにおける
前記強化繊維の含有量は好ましくは5〜70重量%、更
に好ましくは10〜70、特に好ましくは20〜65%
である。長繊維強化樹脂ペレット中の強化繊維の含有量
が過少であると、剛性、耐熱性が低下し好ましくなく、
また、過多であると、成形体の外観不良が見られること
があり好ましくない。
【0012】本発明に用いる強化繊維には、ガラス繊
維、炭素繊維などの無機繊維、シリコン繊維、シリコン
・チタン・炭素繊維、ボロン繊維、鉄、チタンなどの金
属繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、ビニロン等の有機合成繊維、絹、綿、麻等の天然
繊維など、公知のものを幅広く用いることができる。こ
れらは単独または、2種以上組み合わせて用いられる
が、補強効果及び、入手の容易性からガラス繊維が好ま
しい。
【0013】ガラス繊維としては、Eガラス(Electric
al glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス
(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)
および耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸してフィ
ラメント状の繊維にしたものを挙げることができる。
【0014】前記強化繊維の繊維径は、好ましくは3〜
25μmであり、更に好ましくは8〜20μmである。
繊維径が過小であると、繊維が破損しやすいため、ガラ
ス繊維束の生産性が低下することがあり、またペレット
を連続製造するときに、繊維を多数本束ねなければなら
なくなり、繊維束をつなぐ手間が煩雑となったり生産性
が低下するため好ましくない。また、好ましいペレット
長が決まっていることから繊維径が過大であると、繊維
のアスペクト比が低下することとなり、補強効果が充分
発揮されなくなることがあることから好ましくない。
【0015】強化繊維表面にプロピレン重合体に対する
界面接着性付与または向上のため、何らかの処理(例え
ば、シランカップリング剤処理)が施されているものが
好ましい。このような処理のされた強化繊維を用いると
強度と外観が良好な成形体が得られる。
【0016】本発明の強化繊維がペレット長に等しい長
さを持つ長繊維強化樹脂ペレットは、数千本からなる前
記強化繊維のロービングを含浸ダイスに導き、フィラメ
ント間に溶融した熱可塑性樹脂を均一に含浸させた後、
必要な長さ(2〜100mm)に切断することにより容
易に得ることができるが、製造方法に関しては特に限定
するものではない。含浸させるための方法としては、特
に制限はなく、強化繊維のロービングを熱可塑性樹脂粉
体流動層中に通して、これに熱可塑性樹脂粉体を付着さ
せた後、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して熱可塑性樹
脂を含浸させる方法(特公昭52-3985号公報)、クロス
ヘッドダイを用いて強化繊維のロービングに溶融させた
熱可塑性樹脂を含浸させる方法(特開昭62-60625号公
報、特開昭63-432036号公報、特開昭63-264326号公報、
特開平1-208118号公報)、樹脂繊維と強化繊維のロービ
ングとを混繊した後、樹脂の融点以上に加熱して樹脂を
含浸させる方法(特開昭61-118235号公報)等、何れの
方法も用いることができる。
【0017】本発明の長繊維強化樹脂ペレットのペレッ
ト長は2〜100mmの長さである。繊維長が短すぎる
と、剛性,耐熱性及び衝撃強度の改善効果が低く、反り
変形も大きくなる場合があり、また、繊維蝶が長すぎる
と、成形が困難となる場合がある。ペレット長は3〜5
0mmの範囲であるのが好ましく、6〜25mmの範囲
であるのがさらに好ましい。
【0018】本発明の長繊維強化樹脂ペレット中には、
用途に応じて各種の添加剤、例えば、分散剤、滑剤、可
塑剤、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、結晶化促進剤(増核剤)等の改質用添加
剤、顔料、染料等の着色剤、カーボンブラック、酸化チ
タン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー等の粒
子状充填剤、ワラストナイト等の短繊維状充填剤、チタ
ン酸カリウム等のウィスカー等の公知の添加剤を添加す
ることができる。これらの添加剤は、ペレット製造時に
添加してペレット中に含有させるか、ペレットから成形
体を製造するときに添加してもよい。
【0019】本発明の長繊維強化樹脂ペレットを射出成
形、圧縮成形、射出圧縮成形、ガス注入射出成形、また
は発泡射出成形により成形することにより、衝撃強度に
優れた任意の形状の成形体を得ることができる。
【0020】本発明の成形体は優れた衝撃強度が求めら
れる自動車部品として好適である。また、本発明の成形
体は他にも各種用途に供することが可能であり、例え
ば、家電・弱電製品のハウジング等その応用範囲は極め
て広い。
【0021】特に発泡射出成形においては、本発明の長
繊維強化樹脂ペレットと熱分解型発泡剤との混合物を原
料投入口(ホッパー)に投入し、シリンダー内で樹脂の
溶融と発泡剤の分解によるガスの発生とを起こさせ、溶
融樹脂とガスとを充分に混練して均一化させ、均一化さ
れた混合物を金型キャビティ内に射出した後、発泡に適
した温度にまで冷却させる成形方法により、発泡成形体
が得られる。また、上記方法において、金型キャビティ
内に射出した後、発泡に適した温度にまで冷却させなが
ら、該キャビティの容積を拡大することにより発泡成形
体を得る方法を採用することができる。
【0022】この成形法に用いられる発泡剤は特に限定
されるものではなく、炭酸ガス、窒素ガス、ブタンなど
に代表される物理発泡剤、重曹、アゾジカルボン酸アミ
ドなどに代表される化学発泡剤などが使用でき、これら
の併用も可能である。また、気泡核剤として、タルク、
シリカなどの無機フィラーを添加することもできる。ブ
タン、ペンタン等の揮発性有機溶剤は樹脂への溶解性が
高くダイ内の気泡成長を低減しやすいが、製造工程にお
いて火災・爆発の危険性がある。また、フロン系化合物
の場合、爆発の危険性もなく、高い溶解性を有している
が、オゾン層破壊等の環境問題がある。化学発泡剤の場
合、発泡体が発泡剤の分解残さを有しているために、発
泡体の変色、臭気の発生などが用途によっては懸念され
る。すなわち、発泡剤として窒素、炭酸ガス、空気等の
無機ガスを使用することが好ましいが、樹脂への溶解性
が溶剤・フロン等に比べて低く、ダイ内で気泡成長しや
すくなる。ただし、無機ガスの中では炭酸ガスが溶解性
高く、特に好適である。
【0023】発泡剤としては、加熱により分解して気体
を発生する熱分解型のものとしては、たとえば、アゾジ
カルボンアミド、オキシベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、アゾビスビソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バ
リウム、ヒドラゾジカルボンアミド等があげられる。ま
た、均一な気泡を有する熱可塑性樹脂の発泡成形体を得
るためには、発泡剤の分解温度を発泡用熱可塑性樹脂組
成物の融点付近にすることが必要であり、発泡剤の分解
温度を調節するための発泡助剤を添加してもかまわな
い。発泡剤の添加量としては、必要なガス量を発生する
量であれば、特に限定されない。さらに、発泡剤の分解
時の発熱により、不均一な気泡が生成するのを防止する
ため、吸熱性の分解挙動を示す発泡剤を併用してもかま
わない。
【0024】発泡用のガスとしては、熱分解型発泡剤の
代わりに窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスを用いても
よく(不活性ガスは成形機内に直接圧入される)、熱分
解型発泡剤と不活性ガスとを併用してもよい。特に微細
な気泡径を有する発泡成形体が得られるという観点か
ら、発泡剤として超臨界流体を用い、これを熱可塑性樹
脂に含浸させることにより、極めて微細なセル径と大き
なセル密度を有する発泡体が得られる。超臨界液体は、
液体に近い優れた溶解性と、気体に近い優れた拡散性を
有するため樹脂への溶解性が高く、また樹脂中での拡散
速度も大きいことから、短時間で発泡剤を樹脂中に含浸
させられる。
【0025】また、微細な気泡径を有する発泡成形体が
得られるという観点から、発泡ガスとして窒素ガスと炭
酸ガスとの混合ガスを用いるのが好ましく、この場合に
はたとえば、窒素ガスと炭酸ガスとの混合ガスを直接押
出機内へ圧入する方法や、分解により主として窒素ガス
を発生する熱分解型発泡剤と、分解により主として炭酸
ガスを発生する熱分解型発泡剤とを併用する方法を例示
することができる。2種類以上の熱分解型発泡剤を併用
する場合、それら発泡剤を別々に用いてもよいし、それ
ら発泡剤を予め混合して得られる発泡剤(複合発泡剤)
を用いてもよい。複合発泡剤としては、主として窒素ガ
スを発生する熱分解型発泡剤と、主として炭酸ガスを発
生する熱分解型発泡剤とからなる複合発泡剤が好まし
い。
【0026】主として窒素ガスを発生する熱分解型発泡
剤として、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−
トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を例示することが
でき、アゾジカルボンアミドが好ましい。これらの発泡
剤は併用してもよい。主として炭酸ガスを発生する熱分
解型発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウムを例示することができ、重炭
酸ナトリウムが好ましい。これらの発泡剤は併用しても
よい。
【0027】発泡剤には必要に応じて発泡剤と発泡助剤
とを併用してもよい。発泡助剤として、酸化亜鉛、硝酸
亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、フタル酸
鉛、炭酸鉛、尿素、グリセリンを例示することができ
る。また、気泡造核剤としての炭酸カルシウム、タル
ク、シリカ等の粉体を併用することも好ましい。
【0028】主として窒素ガスを発生する熱分解型有機
発泡剤と、主として炭酸ガスを発生する熱分解型無機発
泡剤とを併用する場合、前者の発泡剤と後者の発泡剤と
の重量比は、気泡径が微細・均一という観点から、通常
1/99〜30/70、好ましくは1/99〜20/8
0、より好ましくは1/99〜10/90である。発泡
剤として窒素ガスと炭酸ガスとの混合ガスを使用する場
合、窒素ガスと炭酸ガスとの体積比は通常1/99〜3
0/70、好ましくは1/99〜20/80、より好ま
しくは1/99〜10/90である。この場合、気泡造
核剤としての炭酸カルシウム、タルク、シリカ等の粉体
を用いることが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。これら実施例および比較例において、各種の評
価に用いられた試験法は以下の通りである。
【0030】(1)射出成形機; 住友重機械工業株式会社製 型締力:180T スクリュー:長繊維用深溝スクリュー スクリュー径:45mm スクリューL/D:12
【0031】(2)射出成形用金型; 成形体:150mm×150mm×3mm平板。 ゲート:フィルムゲート、幅150mm、厚み2mm、
長さ2mm
【0032】(3)射出成形条件; シリンダー温度:250℃、金型温度:50℃、スクリ
ュー回転数:30rpm、背圧:0MPa。
【0033】(4)メルトフローレート(MFR):J
IS K7210に従い、プロピレン単独重合体および
無水マレイン酸変性ポリプロピレンは表1条件14に規
定された方法に基づき測定した。
【0034】(5)曲げ弾性率:得られた成形体から樹
脂の流れ方向と平行に試験片を切り出し、JIS−K−
7203に規定された方法に基づき測定した。
【0035】(6)アイゾット衝撃強度:得られた成形
体から樹脂の流れ方向と平行に試験片を切り出し、JI
S−K−7110に規定された方法に基づき測定した。
【0036】(7)面衝撃強度:得られた成形体をホル
ダー(開口部径50mmφ)に固定し、レオメトリクス
社製ハイレートインパクト試験機RIT−8000を用
いて、先端径5/8インチのダートで、試料を5m/秒
の一定速度で打抜いた時の破壊エネルギー値を計測し
た。耐衝撃性に優れた材料は高い破壊エネルギー値を示
し、耐衝撃性が劣る材料は低い破壊エネルギー値を示
す。
【0037】[実施例1]ガラスロービング(旭グラス
ファイバー製、ガラス径16μm,4000本束)を帯
状に拡幅させ、拡幅させた状態を保持して、押出機から
押し出され貯留される溶融プロピレン重合体中を通過さ
せ、次いで該溶融プロピレン重合体中で前記拡幅させた
前記ガラスロービングを集束させ、集束後の前記ガラス
ロービングをノズルを通して取り出し、冷却後、9mm
長さに切断することによりガラス繊維を40重量%含有
する長繊維強化樹脂ペレットを製造した。用いたプロピ
レン重合体はプロピレン−エチレンブロック共重合体
(住友化学工業製ノーブレンWP712F、MFR=1
5g/10分、プロピレン単独重合体部(A)71重量
%、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有が33
重量%のプロピレン−エチレン共重合体部(B)29重
量%のプロピレン−エチレンブロック共重合体)94重
量部および無水マレイン酸変性プロピレン系樹脂(住友
化学工業製ノーブレンMPE331、MFR=40g/
10分)6重量部からなる混合物である。この長繊維強
化樹脂ペレットを用いて射出成形にて150×150×
3mmの成形体を得た。得られた成形体の曲げ弾性率、
アイゾット衝撃強度および面衝撃強度を表1に示す。
【0038】[比較例1]プロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体の代わりに、プロピレン単独重合体(住友化
学工業製ノーブレンU501E1、MFR=120g/
10分)を使用した以外は実施例1と同様に長繊維強化
樹脂ペレットおよび成形体を得た。得られた成形体の曲
げ弾性率、アイゾット衝撃強度および面衝撃強度を表1
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
アイゾット衝撃強度に優れた成形体の得られる長繊維強
化樹脂ペレットおよびアイゾット衝撃強度に優れた成形
体が提供される。本発明で得られる成形体は面衝撃強度
にも優れており、また、高い剛性を維持していることか
ら、自動車部品として好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/00 C08L 53/00 // B29K 23:00 B29K 23:00 105:04 105:04 105:12 105:12 309:08 309:08 B29L 31:30 B29L 31:30 (72)発明者 矢部 徹 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AB09 AB14 AB22 AD04 AG05 AK14 AK15 AL02 4F201 AA04F AA11F AB16 AB25 AH17 BA02 BC02 BC12 BC37 BD02 BD04 BL08 BL44 4F204 AA04F AA16F AB16 AB25 AH17 FA01 FB01 FB21 4F206 AA04F AA16F AB16 AB25 AG20 AH17 JA03 JA04 JA07 JB02 4J002 BP021 DL006 FA046 FD016 GN00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化繊維およびプロピレン重合体からな
    り、前記強化繊維がペレット長にほぼ等しい長さで互い
    に平行に配列している全長2〜100mmの長繊維強化
    樹脂ペレットであって、前記プロピレン重合体が、プロ
    ピレン単独重合体部(A)およびプロピレン−エチレン
    共重合体部(B)からなるプロピレン−エチレンブロッ
    ク共重合体であって、前記プロピレン−エチレンブロッ
    ク共重合体に占めるプロピレン−エチレン共重合部
    (B)の含有量が15〜40重量%であることを特徴と
    する長繊維強化樹脂ペレット。
  2. 【請求項2】プロピレン重合体が、MFRが1〜30g
    /10分のプロピレン重合体であることを特徴とする請
    求項1記載の長繊維強化樹脂ペレット。
  3. 【請求項3】前記強化繊維を5〜70重量%含有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の長繊維強化樹脂
    ペレット。
  4. 【請求項4】前記強化繊維が、ガラス繊維であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の長繊維強化
    樹脂ペレット。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の長繊維強
    化樹脂ペレットを射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、
    ガス注入射出成形、または発泡射出成形により成形して
    得られることを特徴とする成形体。
  6. 【請求項6】成形体が、自動車部品であることを特徴と
    する請求項5記載の成形体。
JP2000398558A 2000-12-27 2000-12-27 長繊維強化樹脂ペレットおよび成形体 Pending JP2002192518A (ja)

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