JPH11174128A - 電子デバイスへの負荷電流出力回路およびicテスタ - Google Patents

電子デバイスへの負荷電流出力回路およびicテスタ

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JPH11174128A
JPH11174128A JP9356071A JP35607197A JPH11174128A JP H11174128 A JPH11174128 A JP H11174128A JP 9356071 A JP9356071 A JP 9356071A JP 35607197 A JP35607197 A JP 35607197A JP H11174128 A JPH11174128 A JP H11174128A
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switch circuit
input
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恵一 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダイオードスイッチ回路を含めて負荷電流出力
回路をIC化してもリーク電流を低減することができ、
高速応答ができる電子デバイスへの負荷電流出力回路お
よびICテスタを提供することにある。 【解決手段】設定電圧を一方の入力に受け他方の入力に
出力側の電圧が帰還されて一方の入力電圧と他方の入力
電圧との差に応じた電圧出力を発生する比較増幅器と、
この比較増幅器の出力電圧を受け比較増幅器の前記他方
の入力に出力を帰還させるバッファアンプと、第1の端
子にこのバッファアンプからの出力電圧を受け、第2の
端子が被検査デバイスに接続されたダイオードブリッジ
からなるダイオードスイッチ回路と、バッファアンプの
入力と出力とを遮断するスイッチ回路とを備えていて、
比較増幅器とバッファアンプとダイオードスイッチ回路
とが1つのICに集積化され、第2の端子における入力
インピーダンスを高抵抗に設定するときにスイッチ回路
によりバッファアンプの入力と出力とを遮断しかつダイ
オードスイッチ回路をOFF状態に設定するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子デバイスへ
の負荷電流出力回路およびICテスタに関し、詳しく
は、被検査デバイス(以下DUT)に負荷電流を供給し
て出力波形状態の判定をするとき以外には、接続された
端子に対して高抵抗(高い入力インピーダンス)を保持
してDUTの消費電力を低減でき、精度の高いテストを
することが可能な電子デバイスへの負荷電流出力回路お
よびICテスタに関する。
【0002】
【従来の技術】ICテスタでは、所定の端子をあらかじ
め設定された電圧で駆動して、所定の時間後にDUTの
出力端子(あるいは入出力端子,以下同じ)から出力さ
れた信号の波形について、HIGHレベル(以下
“H”)か、LOWレベル(以下“L”)かを、所定の
タイミングで発生するストローブ信号に応じて判定回路
で判定し(以下判定モード)、期待値と比較することで
DUTの動作試験あるいは性能試験等を行う。この場合
に、特定の出力端子には、“H”、“L”の出力波形に
応じてあらかじめ決められた電流値、例えば、数mAか
ら数十mAの程度の負荷電流を供給して判定が行われ
る。そのためにICテスタには、判定モード時にDUT
の出力端子に負荷電流を供給する負荷電流供給回路が設
けられている。この負荷電流供給回路は、通常、内部の
ダイオードスイッチ回路を介して出力端子に接続状態に
されている。
【0003】ダイオードスイッチ回路は、一般的に、ダ
イオードブリッジで構成され、出力端子の“H”、
“L”の出力に応じて、これのダイオードをON/OF
Fさせて負荷電流の供給を制御する。この関係で、判定
モード以外ではダイオードスイッチ回路をOFF状態に
させておく必要がある。しかし、負荷電流を供給してい
ない状態でのDUTの出力端子から負荷電流供給回路へ
リークするリーク電流がこの場合に問題になる。このリ
ーク電流は、例えば、CMOSIC(半導体集積回路)
等の低消費電力デバイスの電源電流測定などに影響を及
ぼさない程度のリーク電流として通常は数100nA以
下であることが好ましい。そのため、ICテスタにおけ
る負荷電流供給回路のダイオードスイッチ回路部分は、
ディスクリートな回路として設けざるを得ないのが現状
である。
【0004】図5は、ICテスタの負荷電流供給回路を
含む全体的な構成を示す。図5において、ICテスタ7
0は、装置の制御を行うコンピュータ71と、時間基準
となるクロック信号を発生する基準信号発生器54、ク
ロック信号をもとに試験タイミング信号を発生するタイ
ミング発生器53、試験タイミング信号からテストパタ
ーンを発生するパターン発生器55、試験タイミング信
号およびテストパターン信号からテスト信号を発生する
波形フォーマッタ51、DUT73に印加する試験波形
の“H”,“L”の電圧レベルを生成するリファレンス
電圧発生器56、そのリファレンス電圧と波形フォーマ
ッタの出力パターン波形とを受けて、試験波形を持つテ
スト信号をDUT73に印加するドライバ42、ドライ
バ42から出力された試験波形をDUT73に与える伝
送線路72、DUT73からの応答信号(出力信号)と
リファレンス電圧の比較を行うコンパレータ43、コン
パレータ43からの比較信号と期待値信号の比較を行う
比較レジスタ52、そしてDUT73からの出力信号を
得るときに、その端子に所定の負荷電流を供給し、ある
いは負荷電流としてシンク電流を受ける負荷電流出力回
路41等とで構成されている。
【0005】なお、ICテスタ70において、DUT7
3は、パフォーマンスボードに搭載され、負荷電流出力
回路41とドライバ42、コンパレータ43は、パフォ
ーマンスボードの手前に配置された基板に搭載されてい
る。通常、この部分は、ピンエレクトロニクス(ピンエ
レクトロニクス4)と呼ばれている。近年、ICテスタ
では、波形フォーマッタ51と、比較レジスタ52と、
タイミング発生器53と、基準信号発生器54と、パタ
ーン発生器55と、リファレンス電圧発生器56と、ピ
ンエレクトロニクス4とをDUT73のピン対応に設け
たパーピン方式が採用されている。その結果、このよう
な回路基板がそれぞれI/Oピン数×測定デバイス数だ
け用意され、複数のDUT73に対してそれぞれの応答
信号(出力端子からの出力信号)を同時に試験してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】負荷電流出力回路41
は、IC化されたものではなく、図6に示すように4つ
のダイオードDからなるダイオードブリッジのスイッチ
回路10と、2つの定電流源211,221およびスイ
ッチ回路212,222と、バッファアンプ32と、差
動増幅器39とで構成されている。スイッチ回路21
2,222は、制御端子95に加えられるインヒビット
信号INHによりON/OFFされて、切換られれる。
ダイオードブリッジのスイッチ回路10と定電流源21
1,221の電流経路を切断したときには電流バッファ
32と入出力端子(I/O端子)92は、ダイオードに
より電気的に切り離れた高抵抗モード(DUTの出力端
子からみた入力インピーダンスが高い抵抗値になってい
る状態)になる。ここで、負荷電流出力回路41は、I
Cテスタ70においてDUT73の電流負荷をする回路
として使用されるので、負荷電流出力回路41を測定系
(出力波形判定系)から電気的に切り離す必要があると
きには前記の高抵抗モードになる。高抵抗モード時の負
荷電流出力回路41からのリーク電流は、他のテスト動
作に影響を及ぼさないような値でなければならない。こ
のリーク電流の条件を満たすため、従来の負荷電流出力
回路では、ダイオードブリッジのスイッチ回路10を構
成するダイオードにリーク電流が少ない特性の素子を使
用している。
【0007】したがって、従来のICテスタにあって
は、負荷電流出力回路のダイオードスイッチ回路部分を
ディスクリートな回路として設けざるを得ない。しか
も、多数のピンエレクトロニクス回路を使用する関係で
ディスクリートな回路を設けることでICテスタが大型
化する問題がある。また、ダイオードスイッチ回路部分
をディスクリートな回路で構成すると、ダイオードスイ
ッチ回路(ダイオードブリッジ)とバッファアンプ間の
経路の配線長が長くなる。さらに、経路中に集積回路の
パッケージピンによるインダクタが存在するために、負
荷電流出力回路の出力端子電圧が高速に変化しても、経
路の電流追従が難しくなる問題がある。そのために、出
力信号の周波数が高くなると高速な応答ができなくな
り、精度の高い測定ができない。
【0008】一方、IC化する場合には、低リーク電流
のダイオードとトランジスタ素子の両者を、両者の性能
を落とさず同一基板上に形成することが困難である。ま
た、両者を同一基板上に生成するためには高価な金属材
料と特殊な製造プロセスが必要になる。IC化するため
のダイオードをトランジスタで形成することもできる
が、動作が遅く、耐圧は低い。耐圧があり、動作が速い
ダイオードとして、例えば、ショットキー・ダイオード
を集積化することもできるが、タングステン等の一般に
使用される金属材料を用いるものはリークが大きい。こ
のようなダイオードを同一基板上に集積化するとダイオ
ードスイッチ回路と負荷電流供給回路との接続パスは短
くできる反面、ダイオードスイッチ回路から他の回路へ
のリーク電流が大きくなり、DUTの出力端子から流出
する電流リークによりDUT側での消費電力が増加して
測定精度が落ちる。そのため、従来の負荷電流出力回路
では、ダイオードブリッジのスイッチ回路は、集積回路
の外部に個別部品の低リークダイオードを設ける構成と
なっている。この発明の目的は、このような従来技術の
問題点を解決するものであって、ダイオードスイッチ回
路を含めて負荷電流出力回路をIC化してもリーク電流
を低減することができ、高速応答ができる電子デバイス
への負荷電流出力回路およびICテスタを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための発明の電子デバイスへの負荷電流出力回路およ
びICテスタの特徴は、設定電圧を一方の入力に受け他
方の入力に出力側の電圧が帰還されて一方の入力電圧と
他方の入力電圧との差に応じた電圧出力を発生する比較
増幅器と、この比較増幅器の出力電圧を受け比較増幅器
の前記他方の入力に出力を帰還させるバッファアンプ
と、第1の端子にこのバッファアンプからの出力電圧を
受け、第2の端子が被検査デバイスに接続されたダイオ
ードブリッジからなるダイオードスイッチ回路と、バッ
ファアンプの入力と出力とを遮断するスイッチ回路とを
備えていて、比較増幅器とバッファアンプとダイオード
スイッチ回路とが1つのICに集積化され、第2の端子
における入力インピーダンスを高抵抗に設定するときに
スイッチ回路によりバッファアンプの入力と出力とを遮
断しかつダイオードスイッチ回路をOFF状態に設定す
るものである。
【0010】さらに、この発明の具体的な構成として
は、このICに同時にIC化された第1、第2の定電流
源を有していて、バッファアンプがプッシュプル動作の
ボルテージフォロアであり、スイッチ回路がバッファア
ンプの最終段トランジスタをカットオフする第1のスイ
ッチ回路と初段のトランジスタをカットオフする第2の
スイッチ回路とからなり、ダイオードスイッチ回路がダ
イオードブリッジの第3の端子に第1の定電流源からの
電流を第3のスイッチ回路を介して受け、このダイオー
ドブリッジの第4の端子から流出する電流を第4のスイ
ッチを介して第2の定電流源に流すものであり、被検査
デバイスが出力信号を発生しないときあるいはテストの
ために出力信号の状態を判定するタイミングにないとき
に高抵抗に設定されて、第1および第2のスイッチ回路
により最終段トランジスタと初段のトランジスタをカッ
トオフさせるとともに第3のスイッチ回路と第4のスイ
ッチ回路とをOFFにし、これによりダイオードスイッ
チ回路のOFF状態に換えてダイオードスイッチ回路が
バッファアンプと第1および第2の定電流源とから切り
離されるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】このように、負荷電流出力回路の
バッファアンプの入力側と出力側とを遮断するスイッチ
回路を設けて、1つのICとして集積化し、高抵抗モー
ド時に、スイッチ回路を動作させてバッファアンプの入
力側と出力側を遮断して、かつ、例えば、逆バイアス等
によりブリッジのダイオードをOFFにすることでダイ
オードスイッチ回路をOFF状態に設定する。このよう
にすれば、ダイオードスイッチ回路の入力端子と出力端
子とを切り離すことができるので、IC化されていても
リーク電流を低減することができる。これにより、負荷
電流を供給して出力信号の状態を測定するとき以外の高
抵抗モード時においては、リーク電流が低減してDUT
からみた消費電流を低減することができる。しかも、バ
ッファアンプとともにダイオードスイッチ回路がIC化
されているので、これらの間のパスが短くなり、経路上
のインダクタ値を少なくできる。その結果、高速に応答
する負荷電流出力回路を実現でき、DUTの出力信号が
高い周波数のものになっても、負荷電流出力回路がそれ
に追従することができる。
【0012】さらに、ダイオードスイッチ回路を含めて
IC化できることにより小形、かつ低価格な負荷電流出
力回路になり、多数のピンエレクトロニクス回路を使用
するICテスタの小形化、および低価格化を実現でき
る。
【0013】
【実施例】図1は、この発明によるICテスタにおける
負荷電流出力回路を中心とするブロック図である。92
は、負荷電流出力回路410が接続された入出力端子
(I/O端子)であり、ドライバ42により所定の波形
信号が入力された後にI/O切換スイッチ42aがOF
Fにされて入出力切換が行われ、ドライバ部42がI/
O端子92から切り離される。そして、I/O端子92
の出力のタイミングに合わせてその手前でダイオードブ
リッジからなるダイオードスイッチ回路1に電流が流さ
れてON状態にされる。このとき、ダイオードスイッチ
回路1の入力端子Aの電圧は、“H”と“L”の中間電
圧に設定される。その出力端子Bは、DUT73に接続
されている。なお、負荷電流出力回路410は、1つの
ICの中に集積化された回路である。
【0014】そこで、DUT73のI/O端子92の出
力が“H”のときには、ダイオードブリッジの入力端子
Aが出力端子Bよりも低くなる。そのため、I/O端子
92から流出する電流がダイオードブリッジの導通した
ダイオードD4を通してシンクされる。その電流値(シ
ンク電流値)は、通常、数mAから数十mAの範囲のあ
る値を採る。同様に、I/O端子92の出力が“L”の
ときには、ダイオードブリッジの導通したダイオードD
2を通してI/O端子92に電流が流出する。その電流
値(ソース電流値)も数mAから数10mAの範囲のあ
る値を採る。ソース電流,シンク電流の値は、ダイオー
ドスイッチ回路1のダイオードブリッジによるアナログ
スイッチをON/OFF制御する側の端子のうちの上流
に位置するソース電流流入端子と下流に位置するシンク
電流流出端子の2つの端子にそれぞれ接続された定電流
部21,22において流れる電流値で決定され、通常、
プログラマブルに設定可能である。なお、ここでのダイ
オードブリッジは、通常、アナログスイッチとして使用
されるダイオードブリッジの入力側から出力側への信号
伝達以上の電圧差を入出力端子間に与えてソース電流流
入端子の電流を出力端子に流出し、あるいは、出力端子
の電流をシンク電流流出端子へとシンクさせる電流切換
動作をさせるものである。
【0015】定電流部21は、定電流源211とスイッ
チ回路212からなる。定電流源211は、I/O端子
92へソース電流を流す電流源であり、電源電圧ライン
VCCに接続されている。定電流部22は、定電流源22
1とスイッチ回路222からなる。定電流源221は、
I/O端子92からのシンク電流を受ける電流源であ
り、グランドGNDより低い負側の電源ラインVEEに接
続されている。ここで、I1は、定電流源211の電流
値であり、I2は、定電流源221の電流値である。D
UT73の出力信号が“L”から“H”へと変化すると
きには、負荷電流出力回路41は、出力信号“L”,
“H”に応じて、図2に示すように、I1からI2に変化
するような電流出力になる。逆の場合には、I2からI1
に変化するような電流出力になる。なお、図中、VT
は、設定電圧入力端子91に設定される電圧である。
【0016】I/O端子92にこのような負荷電流が加
えられた状態において、出力波形の判定がコンパレータ
部431と432でそれぞれ行われる。コンパレータ部
431は、“H”側の判定を行うものであって、“H”
に対応するハイレベルの基準電圧信号VHが比較基準側
の端子に加えられている。コンパレータ部432は、
“L”側の判定を行うものであり、“L”に対応するロ
ーレベルの基準電圧信号VLが比較基準側の端子に加え
られている。なお、各コンパレータに与えられる判定タ
イミングを決定するストローブ信号は省略してある。
【0017】次に、このような負荷電流を発生する負荷
電流出力回路410の構成について詳細に説明する。負
荷電流出力回路410は、ショットキー・ダイオードD
1,D2,D3,D4のブリッジで構成されるダイオードス
イッチ回路1と、定電流部21および22と、バッファ
部3とからなる。この回路は、通常、I/O端子92に
DUT73を接続して使用される。バッファ部3は、設
定電圧入力端子91の電圧VTをダイオードスイッチ回
路1の入力端子Aに伝送して設定する回路である。バッ
ファ部3は、バッファアンプ31と疑似バッファ部36
と差動増幅器39で構成される。
【0018】バッファアンプ31は、正相側(プッシュ
側)と逆相側(プル側)にそれぞれ設けられた2つのエ
ミッタフォロア311,312からなる入力段エミッタ
フォロア回路313と入力段エミッタフォロア回路31
3からそれぞれの位相出力を受ける全帰還の直流結合プ
ッシュプル出力段バッファアンプ32とからなり、全体
としてボルテージフォロアを構成する。出力段バッファ
アンプ32は、プッシュ側のアンプ321とプル側のア
ンプ322とで構成され、これらの出力は入力段に全帰
還される。これによりバッファアンプ31は、実質的に
電圧利得が1倍の電流バッファになっていて、ダイオー
ドスイッチ回路1の入力端子に設定電圧入力端子91の
電圧信号VTと同じ電圧信号を発生し、これに応じて決
定される電流を入力端子Aへ流出し、あるいは入力端子
Aから電流をシンクさせる。いわゆる、入力端子Aの電
圧をVTに維持するためにプッシュプル動作をするバッ
ファアンプである。エミッタフォロア311,312の
トランジスタQ11,Q12のエミッタ側にそれぞれ設けら
れたスイッチ回路316と317は、それぞれバイアス
電流を遮断する回路である。また、プッシュ側のアンプ
321とプル側のアンプ322のトランジスタQ5,Q8
のベースと電源ラインVcc,VEEとの間にそれぞれ設け
られたスイッチ回路314と315とは、それぞれの出
力段トランジスタQ5,Q8をカットオフさせる回路であ
る。これらスイッチ回路は、制御端子95に入力される
インヒビット信号INHによりON/OFFされて、バ
ッファアンプ31の入力と出力とを切断する。その動作
については後述する。
【0019】ここでのバッファアンプ31は、直結結合
のDC電圧の設定アンプであるので、電流吐き出し側を
正相側(プッシュ側)とし、電流シンク側を逆相側(プ
ル側)とする。正相側のエミッタフォロア311は、P
NP型のトランジスタQ11を有していて、そのエミッタ
がスイッチ回路316を介してバイアス電流を流す定電
流源311aに接続され、さらにこの定電流源311a
が電源ラインVccに接続され、これからバイアス電流を
受ける。トランジスタQ11のベースは、差動増幅器39
の出力端子Cに接続され、コレクタは、負側の電源ライ
ンVEEに接続され、エミッタが出力段バッファアンプ3
2の入力段トランジスタQ6のベースに接続されて出力
が取り出される。逆相側のエミッタフォロア312は、
NPN型のトランジスタQ12を有していて、そのエミッ
タがスイッチ回路317を介してバイアス電流を流す定
電流源312aに接続され、さらにこの定電流源312
aが負側の電源ラインVEEに接続され、これにバイアス
電流をシンクさせる。トランジスタQ12のベースは、差
動増幅器39の出力端子Cに接続され、コレクタは、電
源ラインVccに接続され、エミッタが出力段バッファア
ンプ32の入力段トランジスタQ10のベースに接続され
て出力が取り出される。
【0020】出力段バッファアンプ32は、これの入力
段にエミッタ結合のプッシュプル接続のNPN型のトラ
ンジスタQ6とPNP型のトランジスタQ9とを有してい
る。そして、トランジスタQ6のコレクタは、アクティ
ブ負荷として設けられたカレントミラー接続されたダイ
オード接続の入力側PNP型トランジスタQ7のコレク
タに接続され、これのエミッタが電源ラインVccに接続
されている。出力段であるPNP型トランジスタQ5
は、前記のカレントミラー接続の出力側トランジスタで
ある。これのエミッタが電源ラインVccに接続され、そ
のコレクタがダイオードスイッチ回路1の入力端子Aに
接続されている。トランジスタQ9のコレクタは、アク
ティブ負荷として設けられたカレントミラー接続された
ダイオード接続の入力側NPN型トランジスタQ10のコ
レクタに接続され、これのエミッタが負側の電源ライン
VEEに接続されている。出力段であるNPN型トランジ
スタQ8は、前記のカレントミラー接続の出力側トラン
ジスタであり、そのエミッタが負側の電源ラインVEEに
接続され、そのコレクタがダイオードスイッチ回路1の
入力端子Aに接続されている。
【0021】出力段トランジスタQ5,Q8は、入力側の
トランジスタQ7,Q10に対してここでは、それぞれ4
倍のエミッタ面積比を持つ。したがって、トランジスタ
Q6,Q7,Q5により形成されるプッシュ側のアンプ3
21とトランジスタQ9,Q10,Q8により形成されるプ
ル側のアンプ322とは、それぞれに電流増幅アンプに
なっている。これにより、出力段トランジスタQ5,Q8
のコレクタが共通に接続されたプッシュプル回路とな
り、入力端子Aに電流出力を発生するとともに、この入
力端子Aが入力段トランジスタQ6、Q9のエミッタ結合
端子Eに直結されて出力電圧が入力段側に全帰還される
バッファアンプが形成される。このとき、入力段トラン
ジスタQ6、Q9のエミッタ結合端子Eの電圧は、入力段
エミッタフォロア回路313との関係で差動増幅器39
の出力端子Cに等しくなるので、入力端子Aの電圧は、
出力端子Cに追従する。その結果、差動増幅器39の入
力電圧に対して入力段エミッタフォロア回路313と出
力段バッファアンプ32とによりボルテージフォロアが
構成される。
【0022】このボルテージフォロアについて説明する
と、トランジスタQ11のエミッタは、差動増幅器39の
出力端子C(ベース電圧)から1VF(ただし、1VF
は、エミッタ・ベース間の順方向電圧降下)高い。トラ
ンジスタQ11のエミッタは、トランジスタQ6のベース
に接続され、これのベース電圧は、エミッタ結合端子E
の電圧よりも1VF高い。これにより出力端子Cとエミ
ッタ結合端子Eの端子が等しくなる。このエミッタ結合
端子Eは、出力側に結合されていて直流で全帰還され、
プッシュ側のアンプ321とプル側のアンプ322とは
電圧利得が1であり、入力段への帰還電圧は、エミッタ
フォロア311,312の出力が入力に対して1VF上
下にシフトする分の1VFだけ補正がなされている。そ
の結果として全体がボルテージフォロアになる。
【0023】ここで、スイッチ回路314をONにする
とトランジスタQ5およびQ7はカットオフ状態になり、
入力段のトランジスタQ6との接続が切断される。同様
に、スイッチ回路315をONにするとトランジスタQ
8およびQ10はカットオフ状態になり、入力段のトラン
ジスタQ9との接続が切断される。一方、これらのスイ
ッチがOFFになれば、前記したバッファアンプ32が
バッファ動作をする。入力段エミッタフォロア回路31
3は、スイッチ回路316をOFFにするとトランジス
タQ11はカットオフ状態になり、差動増幅器39の出力
端子CとトランジスタQ6との間が遮断される。また、
スイッチ回路317をOFFにするとトランジスタQ12
はカットオフ状態になり、差動増幅器39の出力端子C
とトランジスタQ9との間が遮断される。一方、これら
のスイッチがONになれば、入力段エミッタフォロア回
路313は、エミッタフォロアとしての動作をする。な
お、スイッチ回路314,315は、インヒビット信号
INHをインバータ33を介して受けてONになり、ス
イッチ回路316,317は、インヒビット信号INH
を受けてOFFになる。
【0024】さて、I/O端子92の端子電圧、すなわ
ち、DUT73の端子電圧が設定電圧入力端子91の設
定電圧VTより低いときには、言い換えれば、I/O端
子92に“L”の出力信号が発生したときには、ダイオ
ードスイッチ回路1の入力端子Aが出力端子Bよりも高
いので、ダイオードD1とD4がOFFになり、ダイオー
ドD2とD3がONになる。その結果、定電流部21から
電流値I1がダイオードD2を介してI/O端子92を経
由してDUT73へ至る経路でソース電流が流れる。ま
た、出力段バッファアンプ32のプッシュ側のアンプ3
21(トランジスタQ5)の出力電流がダイオードD3を
通して定電流部22へと流れる。
【0025】I/O端子92の端子電圧が設定電圧入力
端子91の設定電圧VTより高いとき、言い換えれば、
I/O端子92に“H”の出力信号が発生したときに
は、ダイオードスイッチ回路1の入力端子Aが出力端子
Bよりも低くなるので、ダイオードD1とD4がONにな
り、ダイオードD2とD3とがOFFになる。その結果、
DUT73からI/O端子92を経由して電流値I2が
ダイオードD4を介して定電流部22へと流れる。ま
た、定電流部21の電流I1は、ダイオードD1を通して
出力段バッファアンプ32のプル側のアンプ322(ト
ランジスタQ8のシンク電流として)へと流れる。先に
説明したように、前者がソース電流であり、後者がシン
ク電流である。なお、設定電圧入力端子91の電圧信号
VTは、図5のリファレンス電圧発生器56から送出さ
れて設定される。この電圧信号VTは、例えば、“H”
が3Vで“L”が0Vのときには、1.5Vである。
【0026】ICテスタ70が判定動作モードにないと
きには、あるいは、“H”,“L”の出力タイミングに
ないときは、インヒビット信号INHが発生する。この
インヒビット信号INHは、例えば、図5のタイミング
発生器53、波形フォマッタ51あるいはパターン発生
器95から発生させることができる。なお、このとき、
このインヒビット信号INHは、“L”有意の信号とす
ることができる。インヒビット信号INH(例えば、I
NHが“L”になっているとき)は、スイッチ回路31
4,315をインバータ33を介してONにし、スイッ
チ回路316,317をOFFにする。これにより負荷
電流出力回路410は、周囲の回路から切り離されて高
抵抗モードに切換えられる。その結果、DUT73のI
/O端子92は、バッファ部3の信号経路から電気的に
切り離される。なお、インヒビット信号INHを受けて
いないとき(例えば、INHが“H”になっていると
き)には、スイッチ回路314,315は、OFFにな
り、スイッチ回路316,317はONになる。そし
て、前記した負荷電流出力回路410の動作により所定
の負荷電流がI/O端子92に出力される。
【0027】ダイオードスイッチ回路1は、前記したよ
うに、4つショットキー・ダイオードD1,D2,D3,
D4のブリッジで構成され、ソース電流とシンク電流と
の切換えを行い負荷電流を発生させる。これらをショッ
トキー・ダイオードで構成することにより耐圧もあり高
速な応答をする切換えスイッチ回路にすることができ
る。また、定電流源211、221は、通常は、プログ
ラマブル定電流源とするが、図ではこの関係を図示して
いない。これは、例えば、この各定電流源211,22
1の電流値を、図5のコンピュータ71からシステムバ
ス6を介して設定することで調整できる。あるいは図5
のパターン発生器55からデータ設定することによりD
/A変換回路を介してリアルタイムで電流値を変更する
ことも可能である。なお、このプログラマブル定電流源
の構成例としては、電流源に基準抵抗および差動増幅器
を設ける方法などがある。
【0028】次に、バッファ部3の疑似バッファ部36
について説明する。疑似バッファ部36は、バッファア
ンプ31とほぼ同一の回路特性を持たせたボルテージフ
ォロアである。これの出力電圧を差動増幅器39の
(−)入力端子に帰還させる。差動増幅器39は、ここ
では、比較増幅器を構成していて(+)入力端子が設定
電圧入力端子91に接続されている。これにより、差動
増幅器39は(−)入力端子の電圧が(+)入力端子に
一致するまで動作して疑似バッファ部36の出力電圧が
設定電圧入力端子91の電圧値VTに一致するようにバ
ッファアンプ31及び疑似バッファ部36を制御する。
疑似バッファ部36はバッファアンプ31とほぼ同一の
回路特性を持つので、バッファアンプ37と疑似バッフ
ァ部36の出力電圧は同一であり、従って、ダイオード
スイッチ回路1の入力端子Aの電圧が設定電圧入力端子
91の電圧VTになる。
【0029】このような疑似バッファ部36のダミー回
路を設ける理由は、バッファアンプ31とほぼ同一の回
路特性を持った疑似バッファ部36を設けることによっ
て、あらかじめ図1中のダイオードブリッジの入力端子
Aに発生させる電圧を疑似バッファ部36の出力端子で
あるD点の電圧として確保することができる点にある。
なお、バッファアンプ31のスイッチ回路316と31
7に対応するスイッチ回路としてスイッチ回路316a
と317aを設け、スイッチ回路314と315に対応
するスイッチとしてスイッチ回路314aと315aを
設ける。これらのスイッチ回路は、スイッチ回路316
aと317aをONにし、スイッチ回路314aと31
5aをOFFにしておき、疑似バッファ部36を動作さ
せておき、帰還ループが常時動作して差分増幅器39は
正常動作を常時するようにする。これにより、判定モー
ドに入る手前あるいはDUT73が信号を出力する手前
のタイミングにおいて正しい電圧をあらかじめ差動増幅
器39の出力として設定できる。その結果、出力信号の
高速切換えに対応できる。
【0030】なお、疑似バッファ部36に同一の回路特
性を持たせる方法の一例としては、両回路の素子配置を
相似にし、また回路を近接して素子特性をほぼ同一にす
る方法がある。
【0031】さて、図1の負荷電流出力回路410の特
徴としては、ダイオードスイッチ回路1が、スイッチ回
路212,スイッチ回路222、スイッチ回路314,
315,スイッチ回路316,317とにより、定電流
部211および221とバッファ部3から電気的に切り
離せることにある。これら6個のスイッチ回路をON/
OFFすることにより高抵抗モード時にはI/O端子9
2へ至る電流経路は全て高抵抗になり、IC化した状態
であっても、ディスクリートでスイッチ回路を構成した
場合と同様にI/O端子92からの漏れ電流が少なくな
る。さらに、ここでの回路は、バッファアンプ31の出
力段バッファアンプ32の入力段がエミッタ結合のプッ
シュプル接続のNPN型のトランジスタQ6とPNP型
のトランジスタQ9とからなる相補型とされ、さらに、
出力段においてもPNP型のトランジスタQ5とNPN
型のトランジスタQ8とからなる相補型されているの
で、アイドリング電流が少なくて済み、この分、リーク
電流も少なくできるので、動作時の消費電力を低減でき
る。特にICテスタは、このうような回路を多数必要と
するので、これにより装置全体の消費電力を抑えること
ができる。また、消費電力を抑えることにより回路基板
の温度上昇を抑えることが可能であるので、回路基板を
より小さなパッケージに収めることができ、この回路を
多数使用するICテスタの小形化が可能であり、測定精
度も向上する。
【0032】なお、ダイオードブリッジのスイッチ回路
は、通常、アナログスイッチとして上流側を低い電圧
に、下流側を高い電圧にすれば、4つのブリッジのダイ
オードが逆バイアスになってOFFになるが、この場
合、バッファ部3とダイオードスイッチ回路1の入力端
子とが接続されていると完全な逆バイアスを設定し難
い。しかし、前記のようにバッファ部3にスイッチ回路
を設けて、このバッファアンプの入力と出力との間を切
り離した状態で逆バイアスにすると、その分、確実にダ
イオードブリッジがOFF状態になり、これの入出力の
切り離しが確実にできる。しかし、この場合には、逆バ
イアスに設定する電力が必要になる関係から、また、そ
のような回路を集積化しなければならないことから、前
記よりも消費電力が多くなる欠点がある。この点、前記
のように6つのスイッチ回路を設ける回路では、ダイオ
ードブリッジ部分を他の回路から孤立させることで消費
電力の低減とともにリーク電流をいっそう低減できる利
点がある。
【0033】ところで、負荷電流出力回路410は、同
一チップ上に形成している。そのためバッファ部3から
ダイオードスイッチ回路の入力端子Aまでおよび出力端
子Bまでのインダクタンス成分が低減される。このイン
ダクタンス成分が大きくなると、インダクタンスに蓄え
られたエネルギにより電流変化が阻害され、電流応答速
度が遅くなる。図1の負荷電流出力回路410は、ダイ
オードスイッチ回路1と近接して、定電流部21、定電
流部22、バッファ部3を同一チップに配置し、かつ、
出力端子に近いところに配置することにより配線および
ボンディングワイヤのインダクタンスを減らし、出力端
子B点までのパスを短くすることができるので、電流応
答速度を改善することができる。
【0034】図3の負荷電流出力回路411は、バッフ
ァアンプ31から図1におけるスイッチ回路316およ
び317を省いて、プッシュ側のアンプ321およびプ
ル側の322における全帰還のラインにスイッチを挿入
してこのラインを切断することで、バッファアンプ31
の入力側と出力側とを遮断するようにしたものである。
すなわち、この実施例では、図1の回路において、スイ
ッチ回路316および317は削除され、エミッタ結合
端子Eと入力端子Aとの間にダイオードブリッジのスイ
ッチ回路34が設けられている。このスイッチ回路34
が制御端子95に入力されるインヒビット信号INHに
よりダイオードスイッチ回路1の出力側を高抵抗に設定
する時に遮断される。スイッチ回路34は、スイッチ回
路314,315のONとともにOFFにされる。その
他の構成は、図1と同様である。スイッチ回路34は、
ダイオード接続のトランジスタからなるダイオードQ
1,Q2,Q3およびQ4からなるダイオードブリッジ
のアナログスイッチ341と、アナログスイッチ341
の上流側の制御端子をスイッチ回路342,定電流源3
44を介して電源ラインVccに接続し、下流側の制御端
子をスイッチ回路343,定電流源345を介して負側
の電源ラインVEEに接続して構成される。スイッチ回路
342、343をOFFすることでE点からA点に至る
電流経路をインヒビット信号INHに応じて切断し、バ
ッファアンプ31の入力と出力とを遮断する。
【0035】ここで、アナログスイッチ341は、スイ
ッチ342,343がONにされ、この回路が接続され
て定電流源344,345によるバイアス電流が流れて
いる状態でONになる。このとき、E点の電圧とA点の
電圧は等しく、また、E点からアナログスイッチ341
へ流れる電流量とアナログスイッチ341からA点へ流
れる電流量は等しい。したがって、スイッチ回路342
および343を接続すると、E点とA点は電気的に接続
状態になる。また、スイッチ342および343を切断
すると、アナログスイッチ341へはバイアス電流が流
れないためにOFFになる。この場合、接続E,A点間
の漏れ電流を防ぐため、アナログスイッチ341を構成
する整流素子には、逆方向電流の少ない素子を用いると
よい。逆方向電流の少ない整流素子の一例として、トラ
ンジスタのベースエミッタ間を接続して、コレクタとの
間のPN接合を利用したダイオードを用いるとよい。な
お、このアナログスイッチ341は、ダイオードスイッ
チ回路1ほどの高速な動作速度が要求されないので、通
常のトランジスタで造ることができるが、その耐圧は、
高い方がよい。トランジスタのベースエミッタ間を接続
して、コレクタとの間のPN接合を利用すると、ベース
・エミッタ間のダイオードよりも高い耐圧を得ることが
できるのでこれを利用したのが次に示す図4である。
【0036】図4は、アナログスイッチ341の他の具
体例である。図4中にダイオード接続のトランジスタQ
1からQ4として示すように、NPNトランジスタのコ
レクタ端子を負極、ベース端子を陽極とし、ベース端子
とエミッタ端子を接続して形成したPNダイオードを利
用する。これの利点について説明すると、スイッチ回路
212,222,342,343を切断し、スイッチ3
14および315を接続した高抵抗モードでは、A,C
点間に電位差を生じる。図1の負荷電流出力回路410
では、この電位差がトランジスタQ6とQ11、およびQ1
0とQ12に印加されるので、設定電圧入力端子91とI
/O端子92間の印加電圧は、トランジスタQ6とQ1
1、およびQ10とQ12のベースエミッタ逆耐圧を超えな
いように設定する必要がある。この点、図3の負荷電流
出力回路411において、図4に示すアナログスイッチ
341を用いると、トランジスタQ6とQ11、およびQ1
0とQ12には常時バイアス電流が流れているので、端子
C点と端子E点の電位は同じである。そのため、発生す
る電位差はアナログスイッチ341に印加されることに
なる。このとき、図4のアナログスイッチ341に、耐
圧が高い整流素子を使用することにより、設定電圧入力
端子91とI/O端子92間の印加電圧を大きく採るこ
とができる。
【0037】以上説明してきたが、実施例では、ダイオ
ードスイッチ回路のダイオードブリッジに対して上流側
の定電流源と下流側の定電流源との間にスイッチ回路を
設けてダイオードブリッジ回路を切り離しているが、こ
れは、ダイオードブリッジ回路をOFF状態にするもの
であってもよい。なお、ダイオードブリッジのダイオー
ドは高速動作が要求されないときには、トランジスタに
より形成されるダイオードであってもよいことはもちろ
んである。そうでないときには、PN接合からなる本来
のダイオードを形成してIC化することが好ましい。図
4に示す具体例では耐圧が高い整流素子としてNPNト
ランジスタのコレクタを負極、ベースを陽極としたもの
を用いたが、PNPトランジスタで同様に構成しても良
い。また、実施例のバッファアンプは、ボルテージフォ
ロアに限定されない。さらに、ダイオードブリッジ回路
のダイオードは、ショットキー・ダイオードに限定され
るものではない。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたが、この発明にあって
は、負荷電流出力回路のバッファアンプの入力側と出力
側とを遮断するスイッチ回路を設けて、1つのICとし
て集積化し、高抵抗モード時に、スイッチ回路を動作さ
せてバッファアンプの入力側と出力側を遮断して、か
つ、例えば、逆バイアス等によりブリッジのダイオード
をOFFにすることでダイオードスイッチ回路をOFF
状態に設定する。このようにすれば、ダイオードスイッ
チ回路の入力端子と出力端子とを切り離すことができる
ので、IC化されていてもリーク電流を低減することが
できる。これにより、負荷電流を供給して出力信号の状
態を測定するとき以外の高抵抗モード時においては、リ
ーク電流が低減してDUTからみた消費電流を低減する
ことができる。しかも、バッファアンプとともにダイオ
ードスイッチ回路がIC化されているので、これらの間
のパスが短くなり、経路上のインダクタ値を少なくでき
る。その結果、高速に応答する負荷電流出力回路を実現
でき、DUTの出力信号が高い周波数のものになって
も、負荷電流出力回路がそれに追従することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明によるICテスタにおける負
荷電流出力回路を中心とするブロック図である。
【図2】図2は、負荷電流出力回路のI/O端子へ送出
する負荷電流の電流−電圧特性の説明図である。
【図3】図3は、カレント切換スイッチを有する負荷電
流出力回路の一実施例の回路図である。
【図4】図4は、図3の負荷電流出力回路におけるアナ
ログスイッチの具体例の説明図である。
【図5】図5は、負荷電流出力回路を備えたICテスタ
の全体的な構成の説明図である。
【図6】図6は、従来の負荷電流出力回路の回路図であ
る。
【符号の説明】
1…ダイオードブリッジ、21…定電流部、22…定電
流部、3…バッファ部、31…バッファアンプ、31
1,312…エミッタフォロア、32…出力段バッファ
アンプ、36…疑似バッファ部、314、315、31
6、317…スイッチ回路、39…差動増幅器、4…ピ
ンエレクトロニクス、410,411,412…負荷電
流出力回路、42…ドライバ、43…コンパレータ、4
31…コンパレータ部、432…コンパレータ部、91
…設定電圧入力端子、92…I/O端子、INH…イン
ヒビット信号。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】設定電圧を一方の入力に受け他方の入力に
    出力側の電圧が帰還されて前記一方の入力電圧と前記他
    方の入力電圧との差に応じた電圧出力を発生する比較増
    幅器と、この比較増幅器の出力電圧を受け前記比較増幅
    器の前記他方の入力に出力を帰還させるバッファアンプ
    と、第1の端子にこのバッファアンプからの出力電圧を
    受け、第2の端子が被検査デバイスに接続されたダイオ
    ードブリッジからなるダイオードスイッチ回路と、前記
    バッファアンプの入力と出力とを遮断するスイッチ回路
    とを備え、前記比較増幅器と前記バッファアンプと前記
    ダイオードスイッチ回路とが1つのICに集積化され、
    前記第2の端子における入力インピーダンスを高抵抗に
    設定するときに前記スイッチ回路により前記入力と前記
    出力とを遮断しかつ前記ダイオードスイッチ回路をOF
    F状態に設定する電子デバイスへの負荷電流出力回路。
  2. 【請求項2】さらに、前記ICに同時にIC化された第
    1、第2の定電流源を有し、前記バッファアンプは、プ
    ッシュプル動作のボルテージフォロアであり、前記スイ
    ッチ回路は、前記バッファアンプの最終段トランジスタ
    をカットオフする第1のスイッチ回路と初段のトランジ
    スタをカットオフする第2のスイッチ回路とからなり、
    前記ダイオードスイッチ回路は、前記ダイオードブリッ
    ジの第3の端子に前記第1の定電流源からの電流を第3
    のスイッチ回路を介して受け、このダイオードブリッジ
    の第4の端子から流出する電流を第4のスイッチを介し
    て前記第2の定電流源に流すものであり、前記被検査デ
    バイスが出力信号を発生しないときあるいはテストのた
    めに出力信号の状態を判定するタイミングにないときに
    前記高抵抗に設定されて、前記第1および第2のスイッ
    チ回路により前記最終段トランジスタと前記初段のトラ
    ンジスタをカットオフさせるとともに前記第3のスイッ
    チ回路と前記第4のスイッチ回路とをOFFにし、これ
    により前記ダイオードスイッチ回路のOFF状態に換え
    て前記ダイオードスイッチ回路が前記バッファアンプと
    前記第1および第2の定電流源とから切り離される請求
    項1記載の電子デバイスへの負荷電流出力回路。
  3. 【請求項3】さらに、前記ICに同時にIC化された第
    1、第2の定電流源を有し、前記バッファアンプは、プ
    ッシュプル動作のボルテージフォロアであり、前記スイ
    ッチ回路は、前記バッファアンプの最終段トランジスタ
    をカットオフする第1のスイッチ回路と、前記出力から
    入力への帰還ラインを遮断する第5のスイッチ回路とか
    らなり、前記ダイオードスイッチ回路は、前記ダイオー
    ドブリッジの第3の端子に前記第1の定電流源からの電
    流を第3のスイッチ回路を介して受け、このダイオード
    ブリッジの第4の端子から流出する電流を第4のスイッ
    チを介して前記第2の定電流源に流すものであり、前記
    被検査デバイスが出力信号を発生しないときあるいはテ
    ストのために出力信号の状態を判定するタイミングにな
    いときに前記高抵抗に設定されて、前記第1および第5
    のスイッチ回路により前記最終段トランジスタをカット
    オフし前記帰還ラインを遮断するとともに前記第3のス
    イッチ回路と前記第4のスイッチ回路とをOFFにし、
    これにより前記ダイオドスイッチ回路のOFF状態に換
    えて前記ダイオードスイッチ回路が前記バッファアンプ
    と前記第1および第2の定電流源とから切り離される請
    求項1記載の電子デバイスへの負荷電流出力回路。
  4. 【請求項4】さらに、前記ダイオードブリッジを構成す
    るダイオードはショットキー・ダイオードであり、前記
    バッファアンプと等価の動作をするダミー回路が設けら
    れ前記比較増幅器の出力をこのダミー回路で受けてこの
    ダミー回路の出力を前記バッファアンプの出力に換えて
    前記他方入力に送出し、前記ダミー回路も同時に集積化
    され、前記高抵抗に設定する制御信号を受けて前記第
    1、第2、第3および第4のスイッチ回路がOFFにさ
    れる請求項1記載の電子デバイスへの負荷電流出力回
    路。
  5. 【請求項5】前記バッファアンプは、エミッタフォロア
    の入力段と全帰還のプッシュプル増幅器の出力段とから
    なり、前記プッシュプル増幅器は、前記入力段と出力段
    が相補型のプッシュプル回路で構成されている請求項1
    記載の電子デバイスへの負荷電流出力回路。
  6. 【請求項6】設定電圧を一方の入力に受け他方の入力に
    出力側の電圧が帰還されて前記一方の入力電圧と前記他
    方の入力電圧との差に応じた電圧出力を発生する比較増
    幅器と、この比較増幅器の出力電圧を受け前記比較増幅
    器の前記他方の入力に出力を帰還させるバッファアンプ
    と、第1の端子にこのバッファアンプからの出力電圧を
    受け、第2の端子が被検査デバイスに接続されたダイオ
    ードブリッジからなるダイオードスイッチ回路と、前記
    バッファアンプの入力と出力とを遮断するスイッチ回路
    とを備え、前記比較増幅器と前記バッファアンプと前記
    ダイオードスイッチ回路とが1つのICに集積化され、
    前記第2の端子における入力インピーダンスを高抵抗に
    設定するときに前記スイッチ回路により前記入力と前記
    出力とを遮断しかつ前記ダイオードスイッチ回路をOF
    F状態に設定する負荷電流出力回路負荷電流出力回路を
    有するICテスタ。
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