JPH11174007A - 蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析装置

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JPH11174007A
JPH11174007A JP27315898A JP27315898A JPH11174007A JP H11174007 A JPH11174007 A JP H11174007A JP 27315898 A JP27315898 A JP 27315898A JP 27315898 A JP27315898 A JP 27315898A JP H11174007 A JPH11174007 A JP H11174007A
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rays
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久征 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料とX線源間の距離のばらつきによる測定
誤差と、測定中の真空度の変化による測定誤差の少なく
とも一方を、簡単な構成で短時間に除去できる蛍光X線
分析装置を提供する。 【解決手段】 測定に用いる絞りブロック15に設けた
スリットシステム14等を利用して試料1とX線源4間
の距離を一定に調整する高さ調整手段18、および前記
絞りブロック15に設けたモニター試料12等を利用し
て、モニター試料12の測定強度に基づいて分析対象の
試料1の測定強度の測定中の真空度を推定して補正する
補正手段20等を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料とX線源間の
距離のばらつきによる測定誤差と、測定中の真空度の変
化による測定誤差の少なくとも一方を、簡単な構成で短
時間に除去できる蛍光X線分析装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、蛍光X線分析においては、試
料とX線源間の距離のばらつきによる測定誤差と、測定
中の真空度の変化による測定誤差は、大きな問題であっ
た。このうち、試料とX線源間の距離のばらつきによる
測定誤差については、例えば、X線源の側方に、レーザ
光を用いて距離測定を行う光学変位センサを備え、試料
をX線源の下方から変位センサの下方へ水平移動させて
X線源との距離を測定してこれが一定の値になるよう試
料の高さを調整した後、X線源の下方へ水平移動させて
戻すことにより、除去している。また、測定中の真空度
の変化による測定誤差については、例えば、真空引きに
十分な時間をかけ、真空度を測定しその真空度が一定の
高真空になるように制御することにより、除去してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、変位センサを
用いて試料とX線源間の距離のばらつきによる測定誤差
を除去する装置では、変位センサや試料を厳密に水平移
動させる機構が必要であり、装置の構成が複雑になる。
また、測定する真空度が一定の高真空になるように制御
して測定中の真空度の変化による測定誤差を除去する装
置では、高精度の真空計や制御機構が必要で装置の構成
が複雑になり、また、一定の高真空に到達するまでに、
すなわち測定開始までに時間がかかる。測定開始までの
待ち時間を短縮するために、いわゆる高真空用ポンプを
使用すること、例えばドライポンプ(オイルレスポン
プ)とTMP(分子ポンプ)とを連続して使用すること
も考えられるが、待ち時間の短縮には限度がある。
【0004】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、試料とX線源間の距離のばらつきによる測定誤
差と、測定中の真空度の変化による測定誤差の少なくと
も一方を、簡単な構成で短時間に除去できる蛍光X線分
析装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の蛍光X線分析装置は、まず、試料が固定
される試料台と、試料に1次X線を照射するX線源と、
試料台のX線源に対する高さを調整する高さ調整器と、
試料から発生する2次X線の強度を測定する検出手段と
を備えている。また、この装置は、1次X線および検出
手段に入射する2次X線を通過させるスリットシステム
と、試料への1次X線の照射領域を制限する絞りとを有
する絞りブロックと、その絞りブロックを、前記スリッ
トシステムまたは絞りがX線源の前方に位置するよう
に、選択的に位置させる選択手段とを備えている。
【0006】さらに、この装置は、選択手段によりX線
源の前方にスリットシステムを位置させ、X線源から試
料に1次X線を照射させ、検出手段に試料から発生する
2次X線の強度を測定させながら、高さ調整器により、
試料台のX線源に対する高さを変化させ、2次X線の測
定強度が最大になる高さに調整する高さ調整手段を備え
ている。
【0007】請求項1の装置によれば、測定に用いる絞
りブロックに設けたスリットシステムと、測定に用いる
検出手段とを利用して、試料とX線源間の距離を一定に
調整するので、変位センサや水平移動機構が不要で装置
の構成が簡単で済む。したがって、この装置によれば、
試料とX線源間の距離のばらつきによる測定誤差を簡単
な構成で短時間に除去できる。
【0008】請求項2の蛍光X線分析装置は、まず、試
料が固定される試料台と、試料に1次X線を照射するX
線源と、試料台のX線源に対する高さを調整する高さ調
整器と、試料から発生する2次X線の強度を測定する検
出手段とを備えている。また、この装置は、1次X線お
よび検出手段に入射する2次X線を通過させるスリット
システムと、測定中の真空度に応じて測定される2次X
線の強度が変化するモニター試料と、試料への1次X線
の照射領域を制限する絞りとを有する絞りブロックと、
その絞りブロックを、前記スリットシステム、モニター
試料または絞りがX線源の前方に位置するように、選択
的に位置させる選択手段とを備えている。
【0009】さらに、この装置は、選択手段によりX線
源の前方にスリットシステムを位置させ、X線源から試
料に1次X線を照射させ、検出手段に試料から発生する
2次X線の強度を測定させながら、高さ調整器により、
試料台のX線源に対する高さを変化させ、2次X線の測
定強度が最大になる高さに調整する高さ調整手段を備え
ている。さらにまた、この装置は、選択手段によりX線
源の前方に絞りを位置させ、X線源から試料に1次X線
を照射させ、検出手段に試料から発生する2次X線の強
度を測定させる測定手段を備えている。さらにまた、こ
の装置は、その測定手段の作動の前後に、選択手段によ
りX線源の前方にモニター試料を位置させ、X線源から
モニター試料に1次X線を照射させ、検出手段にモニタ
ー試料から発生する2次X線の強度を測定させ、それら
モニター試料の測定強度に基づいて前記測定手段による
試料の測定強度の測定中の真空度を推定することによ
り、試料の測定強度を補正する補正手段を備えている。
【0010】請求項2の装置によれば、測定に用いる絞
りブロックに設けたスリットシステムと、測定に用いる
検出手段とを利用して、試料とX線源間の距離を一定に
調整するので、変位センサや水平移動機構が不要で装置
の構成が簡単で済む。また、測定に用いる絞りブロック
に設けたモニター試料と、測定に用いる検出手段とを利
用し、モニター試料の測定強度に基づいて分析対象の試
料の測定強度の測定中の真空度を推定して補正するの
で、高精度の真空計や制御機構が不要で装置の構成が簡
単で済み、一定の高真空に到達する前に測定を開始でき
るので、測定作業全体が短時間で済む。したがって、こ
の装置によれば、試料とX線源間の距離のばらつきによ
る測定誤差と、測定中の真空度の変化による測定誤差の
両方を、簡単な構成で短時間に除去できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態の装
置を図面にしたがって説明する。まず、この装置の構成
について説明する。図1に示すように、この装置は、試
料1が固定される試料台2と、試料1に1次X線3を照
射するX線源であるX線管4と、試料台2のX線管4に
対する高さを調整する高さ調整器5と、試料1から発生
する蛍光X線、散乱線等の2次X線6の強度を測定する
検出手段7とを備えている。ここで、検出手段7は、発
散スリット8、分光素子9、受光スリット10および検
出器11からなる。また、検出手段7は、試料1に含ま
れる分析対象の元素の数に応じて、X線管4の周囲に、
複数備えてもよい。
【0012】また、この装置は、1次X線3および検出
手段7に入射する2次X線6を通過させるスリットシス
テム14と、測定中の真空度に応じて測定される蛍光X
線6の強度が変化するモニター試料12(図2)と、試
料1への1次X線3の照射領域を制限する絞り13(図
3)とを有する絞りブロック15と、その絞りブロック
15を、前記スリットシステム14、モニター試料12
(図2)または絞り13(図3)がX線管4の前方に位
置するように、紙面垂直方向に移動させて選択的に位置
させる選択手段17とを備えている。なお、図1ないし
図3において、絞りブロック15、発散スリット8およ
び受光スリット10は、断面で示す。
【0013】ここで、スリットシステム14は、絞りブ
ロック15に形成された、1次X線3を通過させるスリ
ット14aと検出手段7に入射する2次X線6を通過さ
せるスリット14bとからなる。また、図2に示すよう
に、例えば、シリコンウエハ上の付着物を分析対象とす
る場合には、含まれることが予想される元素のうち、発
生する蛍光X線6の吸収が真空度に鋭敏なもの、例えば
ほう素を、シリコンウエハに付着させたものをモニター
試料12とすればよい。モニター試料12の上方には、
モニター試料用絞り16が形成されている。なお、図3
に示す絞り13は、1次X線3の照射領域の大きさに応
じて、紙面垂直方向に複数備えてもよい。また、1次X
線3および2次X線6は、いわゆる針状のものに限ら
ず、紙面垂直方向に幅をもつ帯状のものでもよく、その
場合には、スリットシステム14、モニター試料用絞り
16、絞り13、発散スリット8および受光スリット1
0等も、対応させて紙面垂直に延びた形状とする。
【0014】絞りブロックは、円板状として、その周囲
にスリットシステム、モニター試料および絞りを有する
ものであってもよく、その場合、選択手段は、その円板
状の絞りブロックを中心軸回りに回転させて、スリット
システム、モニター試料または絞りをX線管の前方に選
択的に位置させるものとすればよい。なお、複数の絞り
を有する絞りブロックと、いずれかの絞りがX線管の前
方に位置するように絞りブロックを選択的に位置させる
選択手段とは、蛍光X線装置に通常備えられ、本装置に
おいては、その絞りブロックに、スリットシステム14
と、モニター試料12(図2)とを設けている。
【0015】さらに、この装置は、以下の高さ調整手段
18、測定手段19および補正手段20を含む制御手段
21を備えている。図1に示すように、高さ調整手段1
8は、選択手段17によりX線管4の前方にスリットシ
ステム14を位置させ、X線管4から試料1に1次X線
3を照射させ、検出手段7に試料1から発生する2次X
線6の強度を測定させながら、高さ調整器5により、試
料台2のX線管4に対する高さを変化させ、2次X線6
の測定強度が最大になる高さに調整する。
【0016】また、図3に示すように、前記測定手段1
9は、選択手段17によりX線管4の前方に絞り13を
位置させ、X線管4から試料1に1次X線3を照射さ
せ、検出手段7に試料1から発生する蛍光X線6の強度
を測定させる。さらに、図2に示すように、前記補正手
段20は、その測定手段19の作動の前後に、選択手段
17によりX線管4の前方にモニター試料12を位置さ
せ、X線管4からモニター試料12に1次X線3を照射
させ、検出手段7にモニター試料12から発生する蛍光
X線6の強度を測定させ、それらモニター試料12の測
定強度に基づいて前記測定手段19による試料1の測定
強度の測定中の真空度を推定することにより、試料1の
測定強度を補正する。
【0017】次に、この装置の動作について説明する。
まず、図1に示すように、あらかじめ、例えば何も付着
させていないブランクウエハが基準となる試料1として
試料台2に固定され、制御手段21に距離特性を求める
べき旨が入力されると、高さ調整手段18は、選択手段
17によりX線管4の前方(下方)にスリットシステム
14を位置させ、X線管4からブランクウエハ1に1次
X線3を照射させ、検出手段7にブランクウエハ1から
発生するけい素(シリコン)の特性X線、Si−Kα線
である蛍光X線6の強度を測定させながら、高さ調整器
5により、試料台2のX線管4に対する高さを変化さ
せ、図4に示すような、蛍光X線6の測定強度Iの、試
料1とX線管4(厳密にはX線管4のターゲット)間の
距離dT に対する特性を求め、グラフ、表または式の形
で記憶する。
【0018】また、高さ調整手段18は、この距離特性
において蛍光X線6の測定強度Iが最大IMAX になる試
料台2の高さを、基準高さとして記憶する。ここで、前
述したように、スリットシステム14は、1次X線3を
通過させるスリット14aと、検出手段7に入射する蛍
光X線6を通過させる、すなわち検出手段7における発
散スリット8、分光素子9および受光スリット10等の
光学系に合致したスリット14bとからなるから、蛍光
X線6の測定強度Iが最大IMAX になるとき、試料1の
表面はX線管4に対し、図1に示すような、発生する蛍
光X線6が、最大強度でスリット14bを通過して検出
手段7に入射する高さにある。換言すると、試料1の表
面とX線管4(厳密にはX線管4のターゲット)間の距
離は、最適な距離dTGになっている。ブランクウエハ、
すなわち基準となる試料1におけるこのような試料台2
の最適の高さを、基準高さとするのである。
【0019】以後、試料1が固定されるときには、試料
台2はまずこの基準高さにあるものとする。なお、これ
ら距離特性と基準高さは、装置固有のものであり、経時
変化を考慮しても一定期間(例えば24時間)ごとに求
めておけば足りるので、手動で求めて高さ調整手段18
に記憶させてもよい。
【0020】また、図2に示すように、あらかじめ、制
御手段21に真空度特性を求めるべき旨が入力される
と、装置の測定雰囲気の真空引きが開始され、補正手段
20は、選択手段17によりX線管4の前方にモニター
試料、前述したように例えばほう素を付着させたシリコ
ンウエハ12を位置させ、X線管4からモニター試料1
2に1次X線3を照射させ、検出手段7にモニター試料
12から発生するほう素の特性X線、B−Kα線である
蛍光X線6の強度を測定させ、図5に示すような、蛍光
X線6の測定強度 MIの時間tに対する時間特性を求
め、グラフ、表または式の形で記憶する。なお、添字 M
は、モニター試料12に関する数値であることを示す。
【0021】ここで、蛍光X線6の測定強度 MIと雰囲
気の密度ρx (真空度に関係する)に対する関係が、次
式(1)に示すように、既知とし得る数値を用いて表さ
れるので、これも記憶する。ただし、実際には、X線管
4から試料1までの吸収は、試料1から検出器11まで
の吸収に比べて、きわめて小さいので、これを無視して
式(1)において第2項 exp{−(μ/ρ)S ・ρx
MS }を1としてもよい。なお、これら時間特性と式
(1)は、装置固有のものであり、経時変化を考慮して
も一定期間(例えば24時間)ごとに求めておけば足り
るので、手動で求めて補正手段20に記憶させてもよ
い。
【0022】
【数1】
【0023】また、簡単のため、以上の高さ調整手段1
8と補正手段20との動作において、それぞれ図1また
は図2に表した同一の検出手段7を用いて説明したが、
実際には、両検出手段7は測定する蛍光X線6の波長が
異なるから、同一のものでなく、少なくとも一方は紙面
上にない。以下において、測定手段19の動作説明も含
めて、同様である。
【0024】以上で前もっての準備が終わり、図1に示
すように、試料台2に分析対象である試料1、例えばほ
う素を付着物として有するシリコンウエハ1が固定され
る。このとき、前述したように、試料台2は前記基準高
さにあるが、試料1の厚みやそりのばらつきにより、図
4に示すように、試料1の表面とX線管4との間の距離
T1には、前記最適の距離dTGから例えば±30μm程
度の範囲でずれdC が存在し得る。そこで、制御手段2
1にこの試料1について測定を行うべき旨が入力される
と、まず、図1の高さ調整手段18が、選択手段17に
よりX線管4の前方にスリットシステム14を位置さ
せ、X線管4から試料1に1次X線3を照射させ、高さ
調整器5により、試料台2のX線管4に対する高さを、
少なくとも2種類の高さで、例えば基準高さから上下に
0.3mm変化させ、検出手段7に試料1から発生する
蛍光X線6の強度IA ,IB を測定させる。
【0025】高さ調整手段18は、この2点の測定結果
A ,IB を、記憶した図4の距離特性にあてはめて、
図4上のdTG−dT1として、前記ずれdC を求め、高さ
調整器5により、試料台2を基準高さからdC だけ上昇
させることにより、この試料1において、蛍光X線6の
強度が最大になる試料台2の最適の高さに調整する。こ
れにより、その試料1について、試料1の表面がX線管
4に対し、図1に示すような、発生する蛍光X線6が、
最大強度でスリット14bを通過して検出手段7に入射
する最適の高さになる。なお、このような動作によら
ず、分析対象試料1ごとに、図4に示すような距離特性
を求めて、測定される蛍光X線6の強度が実際に最大に
なる高さに、試料台2の高さを調整してもよい。
【0026】この装置によれば、測定に用いる絞りブロ
ック15に設けたスリットシステム14と、測定に用い
る検出手段7とを利用して、試料1とX線管4間の距離
を一定dTGに調整するので、変位センサや水平移動機構
が不要で装置の構成が簡単で済む。すなわち、この装置
によれば、試料1とX線管4間の距離dT のばらつきに
よる測定誤差を簡単な構成で除去できる。また、高さ調
整において測定する蛍光X線6としては、分析対象の試
料1から発生するもののうち、吸収が真空度に鈍感なも
の、例えば以上に説明した場合ではSi −Kα線を採用
することが望ましく、そうすれば、装置内の真空度が高
真空に達しないうちに高さ調整を行うことができ、測定
作業全体をより短時間で済ませることができる。
【0027】次に、図2に示すように、補正手段20
は、後述する測定手段19の作動の前に、選択手段17
によりX線管4の前方にモニター試料12を位置させ、
X線管4からモニター試料12に1次X線3を照射さ
せ、検出手段7にモニター試料12から発生するほう素
の特性X線、B−Kα線である蛍光X線6の強度を、例
えば1秒間測定させ、その測定強度 M0 を記憶する。
【0028】続いて、図3に示すように、測定手段19
は、選択手段17によりX線管4の前方に絞り13を位
置させ、X線管4から分析対象の試料1に1次X線3を
照射させ、検出手段7に試料1から発生するB−Kα線
である蛍光X線6の強度を、例えば1秒間ずつn回すな
わちn秒間測定させ、それらの測定強度I1 〜In を記
憶する。
【0029】この測定手段19の作動の後にさらに続い
て、図2に示すように、補正手段20は、選択手段17
によりX線管4の前方にモニター試料12を位置させ、
X線管4からモニター試料12に1次X線3を照射さ
せ、検出手段7にモニター試料12から発生するB−K
α線6の強度を、例えば1秒間測定させ、その測定強度
Mn+1 を記憶する。
【0030】そして、補正手段20は、以下のように、
記憶したモニター試料12の測定強度 M0 Mn+1
に基づいて、記憶した試料1の測定強度I1 〜In の測
定中の雰囲気の密度ρ1 〜ρn (真空度に関係する)を
推定することにより、試料1の測定強度I1 〜In を補
正する。まず、モニター試料12の測定強度 M0 M
n+1 を図5の時間特性に当てはめ、対応する時刻を
0,n+1とする。また、横軸において0からn+1ま
でをn+1等分することにより、試料1についてn回測
定した1からnの各回に対応する時刻を求め、さらに、
各時刻に対応すべきモニター試料12の測定強度(実際
には測定していない) M1 Mn を求める。そし
て、時刻0,n+1における雰囲気の密度ρ0 ,ρn+1
を、式(1)を変形した次式(2),(3)により算出
し、同様に、時刻1〜nにおける雰囲気の密度ρ1 〜ρ
n を、次式(4)により推定算出する。
【0031】
【数2】
【0032】
【数3】
【0033】
【数4】
【0034】ここで、試料1の測定強度Ij (I1 〜I
n )は、式(1)のモニター試料12の測定強度 MIと
同様に、次式(5)で表されるので、補正手段20は、
前記求めた雰囲気の密度ρ1 〜ρn を用いて、次式
(6)により、試料1の測定強度Ij から、この装置に
おける最高到達真空度において測定されるべき1回当た
り(1秒当たり)の平均の強度 CIを求める。
【0035】
【数5】
【0036】
【数6】
【0037】ほう素以外の元素について、対応する検出
手段7で測定する場合にも、対応する既知とし得る数値
(μ・ρ)S ,(μ・ρ)D ,dD 等と、前記求めた雰
囲気の密度ρ1 〜ρn (ほう素以外の元素についても適
用できる)とを用いて、同様に、その元素の特性X線に
ついて、試料1の測定強度Ij から、この装置における
最高到達真空度において測定されるべき平均強度 CIを
求める。
【0038】なお、高さ調整手段18による、分析対象
試料1における試料台2の高さ調整は、補正手段20に
よる、1回目のモニター試料12の蛍光X線6の強度 M
0の測定と、測定手段19による、その分析対象試料
1の蛍光X線6の強度I1 〜In の測定との間に行って
もよい。
【0039】この装置によれば、測定に用いる絞りブロ
ック15に設けたモニター試料12と、測定に用いる検
出手段7とを利用し、モニター試料12の測定強度 M
0 Mn+1 に基づいて分析対象の試料1の測定強度I
1 〜In の測定中の真空度を推定して補正するので、高
精度の真空計や制御機構が不要で装置の構成が簡単で済
み、一定の高真空に到達する前に測定を開始できるの
で、測定作業全体が短時間で済む。したがって、前記高
さ調整手段18による効果と併せて、この装置によれ
ば、試料1とX線管4間の距離のばらつきによる測定誤
差と、測定中の真空度の変化による測定誤差の両方を、
簡単な構成で短時間に除去できる。
【0040】次に、本発明の第2実施形態の装置を図6
にしたがって説明する。第2実施形態の装置は、高さ調
整手段18の作動時に使用される検出手段27、すなわ
ちスリットシステム14に対応する検出手段27の構成
が、前記第1実施形態の装置における検出手段7(図
1)と異なる。具体的には、この検出手段27は、分光
素子を含まず、発散スリット8、受光スリット10、X
線シャッター22および検出器11からなる。高さ調整
手段18は、作動時に、進退手段23により検出器11
の前方からX線シャッター22を退避させ(図6に示す
状態)、非作動時には、進退手段23により検出器11
の前方にX線シャッター22を進出させる。
【0041】スリットシステム14に対応する検出手段
27に分光素子を用いないのは、前述したように高さ調
整において測定する蛍光X線6としてSi −Kα線を採
用すると、分析対象の試料1が例えば厚さ数μmのアル
ミニウムを製膜されたシリコンウエハ1である場合に
は、基板であるシリコンから発生したSi −Kα線6が
厚いアルミニウムの膜に吸収され微弱となり、これを分
光素子で回折させるとさらに微弱となって、検出器11
での強度測定が困難となるからである。なお、分光素子
を用いず検出器11がSSDでなくても、Si −Kα線
6が極端に微弱でなければ、検出器11に通常用いられ
る波高分析器で分光して強度測定が可能であり、高さ調
整のための強度測定としてはそれで十分である。
【0042】また、分析対象の試料1がけい素(シリコ
ン)を含まない場合には、波長においてSi −Kα線近
傍の散乱線6の強度を検出器11で測定すれば高さ調整
が可能であるが、そのような場合にも、散乱線6がより
微弱にならないように分光素子を用いるべきでない。
【0043】スリットシステム14に対応する検出手段
27の検出器11の直前にX線シャッター22を設け
て、高さ調整手段18の非作動時に進退手段23により
検出器11を覆うように進出させるのは、この検出手段
27においては検出器11が試料1を見込む方向を向い
ており、X線シャッター22がなければ、測定手段19
による分析対象の試料1についての測定時(図3)等
に、試料1から発生する強い強度の蛍光X線6が検出器
11に入射し続け、検出器11の寿命を無駄に短くして
しまうからである。以上に述べた以外の構成、動作、作
用効果は、前記第1実施形態の装置と同様である。
【0044】なお、本発明において、試料とX線源間の
距離のばらつきによる測定誤差の除去のみを目的とする
装置の場合は、前記測定手段19を備えず、手動で、選
択手段17によりX線管4の前方に絞り13を位置さ
せ、X線管4から分析対象の試料1に1次X線3を照射
させ、検出手段7に試料1から発生する蛍光X線6の強
度を測定させてもよい。また、同装置の場合は、前記絞
りブロック15におけるモニター試料12、補正手段2
0も備えなくてよい。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、試料とX線源間の距離のばらつきによる測定誤差
と、測定中の真空度の変化による測定誤差の少なくとも
一方を、簡単な構成で短時間に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の装置において、高さ調
整手段の作動中の状態を示す側面図である。
【図2】同装置において、補正手段の作動中の状態を示
す側面図である。
【図3】同装置において、測定手段の作動中の状態を示
す側面図である。
【図4】同装置において、高さ調整手段にあらかじめ記
憶しておく距離特性を示す図である。
【図5】同装置において、補正手段にあらかじめ記憶し
ておく時間特性を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の装置において、高さ調
整手段の作動中の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…試料、2…試料台、3…1次X線、4…X線源(X
線管)、5…高さ調整器、6…2次X線、7,27…検
出手段、12…モニター試料、13…絞り、14…スリ
ットシステム、15…絞りブロック、17…選択手段、
18…高さ調整手段、19…測定手段、20…補正手
段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料が固定される試料台と、 試料に1次X線を照射するX線源と、 試料台のX線源に対する高さを調整する高さ調整器と、 試料から発生する2次X線の強度を測定する検出手段
    と、 1次X線および検出手段に入射する2次X線を通過させ
    るスリットシステムと、試料への1次X線の照射領域を
    制限する絞りとを有する絞りブロックと、 その絞りブロックを、前記スリットシステムまたは絞り
    がX線源の前方に位置するように、選択的に位置させる
    選択手段と、 選択手段によりX線源の前方にスリットシステムを位置
    させ、X線源から試料に1次X線を照射させ、検出手段
    に試料から発生する2次X線の強度を測定させながら、
    高さ調整器により、試料台のX線源に対する高さを変化
    させ、2次X線の測定強度が最大になる高さに調整する
    高さ調整手段とを備えた蛍光X線分析装置。
  2. 【請求項2】 試料が固定される試料台と、 試料に1次X線を照射するX線源と、 試料台のX線源に対する高さを調整する高さ調整器と、 試料から発生する2次X線の強度を測定する検出手段
    と、 1次X線および検出手段に入射する2次X線を通過させ
    るスリットシステムと、測定中の真空度に応じて測定さ
    れる2次X線の強度が変化するモニター試料と、試料へ
    の1次X線の照射領域を制限する絞りとを有する絞りブ
    ロックと、 その絞りブロックを、前記スリットシステム、モニター
    試料または絞りがX線源の前方に位置するように、選択
    的に位置させる選択手段と、 選択手段によりX線源の前方にスリットシステムを位置
    させ、X線源から試料に1次X線を照射させ、検出手段
    に試料から発生する2次X線の強度を測定させながら、
    高さ調整器により、試料台のX線源に対する高さを変化
    させ、2次X線の測定強度が最大になる高さに調整する
    高さ調整手段と、 選択手段によりX線源の前方に絞りを位置させ、X線源
    から試料に1次X線を照射させ、検出手段に試料から発
    生する2次X線の強度を測定させる測定手段と、その測
    定手段の作動の前後に、選択手段によりX線源の前方に
    モニター試料を位置させ、X線源からモニター試料に1
    次X線を照射させ、検出手段にモニター試料から発生す
    る2次X線の強度を測定させ、それらモニター試料の測
    定強度に基づいて前記測定手段による試料の測定強度の
    測定中の真空度を推定することにより、試料の測定強度
    を補正する補正手段とを備えた蛍光X線分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013011537A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Rigaku Corp 蛍光x線分析装置
JP2013221745A (ja) * 2012-04-12 2013-10-28 Horiba Ltd X線検出装置
JP2022000616A (ja) * 2020-06-19 2022-01-04 株式会社リガク 蛍光x線分析装置、判定方法及び判定プログラム

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