JPH1019810A - X線分析における試料台の位置設定方法および装置 - Google Patents

X線分析における試料台の位置設定方法および装置

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JPH1019810A
JPH1019810A JP8188089A JP18808996A JPH1019810A JP H1019810 A JPH1019810 A JP H1019810A JP 8188089 A JP8188089 A JP 8188089A JP 18808996 A JP18808996 A JP 18808996A JP H1019810 A JPH1019810 A JP H1019810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線分析において、装置の構造が複雑化せ
ず、正確な分析のできる試料台の位置設定方法および装
置を提供する。 【解決手段】 分析にも用いるX線源から1次X線を照
射して試料表面で反射した反射X線について、所定の基
準点から1次X線の進行方向への第1および第2の距離
において、所定の基準線からの高さ方向の強度分布をそ
れぞれ測定し、それらの強度分布に基づいて、分析用検
出器の直下の試料表面で全反射が起こるような試料台の
位置からのずれを解消するように、分析用検出器の下方
で、試料台の表面と1次X線とのなす角度および試料台
の基準線からの高さを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料台に固定され
た試料に、1次X線を照射して、試料から発生する2次
X線、特に蛍光X線を検出するX線分析において、その
試料台の位置を設定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば全反射型蛍光X線分析
においては、図7に示すように、X線管31から発生さ
せたX線をモノクロメータ32で単色化して1次X線3
とし、試料台34に固定された試料1に、例えば0.0
5度程度の微小な入射角θ(図示と理解の容易のため、
図面においては誇張して表す)で入射させ、全反射した
X線8zを検出器5に入射させないように図面右方向へ
逃がしつつ、試料1から発生した蛍光X線38を検出器
5に入射させ、分析を行っている。ここで、正確な分析
のためには、入射角θは、0度よりも大きく全反射の臨
界角よりも小さい範囲内で、分析においてS/N比が良
好となるような適切な角度(以下、「適切な角度」とい
う)であり、かつ、試料1の表面1aにおける全反射
は、検出器5の直下(検出器5の中心軸Yと1次X線3
の進行方向との交点O)で起こっている必要がある。そ
のため、以下の方法が用いられている。
【0003】まず、試料1の表面1aと試料台34の表
面34aとが平行であるとして、1次X線3に対し適切
な角度近傍で傾けた試料台34に試料1を固定し、検出
器5に入射する蛍光X線38の強度が最大になるよう
に、試料台34を上下方向(高さ方向)すなわち検出器
5の中心軸Y方向に移動させることにより、試料台34
の高さを調整する。これで、試料表面1aにおいて全反
射の起こっている位置を、検出器5の直下とすることが
できる。次に、試料台34の角度を、試料1への入射角
θがわずかずつ大きくなるように調整しながら、蛍光X
線38の強度変化を検出器5で測定する。蛍光X線38
の強度が急激に増加するときには、バックグラウンドの
強度も急激に増加し、このときの入射角θが臨界角であ
る。臨界角は、試料1の主成分に応じて既知であるの
で、これで、試料台34の調整角と試料1への入射角θ
との関係が分かる。そして、入射角θが適切な角度とな
るように、試料台34の角度を調整して、試料1の分析
を行う。
【0004】分析に際し、試料1ごとに、このような調
整を行うと、非常に時間を要する。そこで、このような
調整を行った試料1を載せた状態で、試料台34を1次
X線3の進行方向、すなわち図7の右方向に所定の距離
xc だけ移動させ、変位センサ39の下方に位置させる
(二点鎖線で表示)。変位センサ39は、距離xc だけ
検出器5の右側に位置し、その中心軸YC は検出器5の
中心軸Yと平行で、両中心軸Y,YC は、1次X線3の
進行方向に垂直である。そして、変位センサ39からレ
ーザー光40を照射し、試料表面1aで反射したレーザ
ー光41を測定して、変位センサ39から試料表面1a
までの距離を測定する。この距離を、検出器5の直下で
全反射が起こるような試料台34の高さとして、分析装
置等に記憶させておく。また、前記試料台34の調整角
と試料1への入射角θとの関係も、分析装置等に記憶さ
せておく。
【0005】そして、新たな試料1を分析する際には、
まず、変位センサ39の下方に位置させた試料台34に
その試料1を固定し、変位センサ39を用いつつ、試料
台34を上下方向(高さ方向)すなわち変位センサ39
の中心軸YC 方向に移動させることにより、変位センサ
39から試料表面1aまでの距離が前記記憶させた距離
になるように、試料台34の高さを調整する。これで、
まず、新たな試料1の表面1aにおいて全反射の起こる
位置を、変位センサ39の直下とすることができる。次
に、試料台34を、その高さを維持したまま、距離xc
だけ左方向に戻す。これで、全反射の起こる位置を、検
出器5の直下とすることができる。さらに、前記記憶さ
せた試料台34の調整角と試料1への入射角θとの関係
を利用して、試料台34の角度を所望の適切な角度に調
整して、試料1の分析を行う。
【0006】なお、試料1ごとに、その厚さが異なって
も、試料台34の高さ調整の基準となる距離は、変位セ
ンサ39から試料表面1aまでの距離であるので、影響
を受けない。また、試料表面1aが試料台34の表面3
4aに対して傾斜している場合には、試料1を固定した
試料台34を、変位センサ39の直下から、図7の左右
方向にそれぞれ所定の距離(例えば10mm)移動さ
せ、左右それぞれの位置で、変位センサ39を用いて変
位センサ39から試料表面1aまでの距離を測定する。
この左右位置での測定距離と左右方向への移動距離か
ら、試料表面1aの傾斜を算出できるので、それに応じ
て試料台34の角度調整を補正できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術に
おいては、変位センサ39下での試料台34の高さ方向
の調整は、数μオーダーで行われるのに対し、その調整
後の左方向への移動距離xc は数cmオーダーであり、
移動後にも調整された高さが維持されているとは必ずし
もいえない。したがって、試料台34の位置設定が十分
正確にできず、試料1の十分正確な分析ができない。
【0008】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、X線分析において、装置の構造が複雑化せず、
正確な分析のできる試料台の位置設定方法および装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1のX線分析における試料台の位置設定方法
では、まず、試料台に固定された試料に、分析にも用い
るX線源から1次X線を照射し、試料表面で反射した反
射X線について、所定の基準点から1次X線の進行方向
への第1および第2の距離において、所定の基準線から
の高さ方向の強度分布をそれぞれ測定する。次に、それ
ら第1および第2の強度分布から、分析用検出器の直下
の試料表面で全反射が起こるような試料台の位置からの
ずれを得て、そのずれを解消するように、分析用検出器
の下方において、試料台の表面と1次X線とのなす角度
および試料台の基準線からの高さを調整する。
【0010】請求項1の方法によれば、試料台の位置
(高さおよび角度)を分析用検出器の下方において調整
するので、調整後に試料台を大きな距離で移動させる必
要がない。また、試料台の位置調整の基準は、分析用検
出器直下の試料表面で全反射の起こる位置(高さおよび
角度)であるので、調整後に試料台を一定量移動させた
りする必要がなく、そのまま分析を行える。したがっ
て、試料台の位置設定が正確にできる。さらに、分析に
用いるX線源をそのまま利用するので、調整のための新
たな光源を必要とすることもない。
【0011】請求項2のX線分析における試料台の位置
設定装置は、まず、試料が固定される試料台と、分析に
も用いられ、試料に1次X線を照射するX線源と、分析
用検出器の下方に設けられ、試料台の表面と1次X線と
のなす角度を調整する角度調整器と、やはり分析用検出
器の下方に設けられ、試料台の所定の基準線からの高さ
を調整する高さ調整器と、試料表面で反射した反射X線
について、所定の基準点から1次X線の進行方向への第
1および第2の距離において、基準線からの高さ方向の
強度分布をそれぞれ測定する第1および第2の反射X線
検出手段とを備えている。また、それら測定された第1
および第2の強度分布から、分析用検出器の直下の試料
表面で全反射が起こるような試料台の位置からのずれを
得て、そのずれを解消するように、角度調整器および高
さ調整器を制御する制御手段を備えている。請求項2の
装置によれば、前記請求項1の方法と同様の作用効果が
得られる。
【0012】請求項3のX線分析における試料台の位置
設定方法では、試料台に固定された試料に、分析にも用
いるX線源から1次X線を照射し、所定の基準点から1
次X線の進行方向への第1および第2の距離において、
分析用検出器の直下の試料表面で全反射した直下全反射
X線が最大強度で通過するような高さにそれぞれ設けた
第1および第2の遮蔽板の通過孔を、試料表面で反射し
た反射X線が通過して、反射X線検出器で検出される強
度が最大となるように、分析用検出器の下方において、
試料台の表面と1次X線とのなす角度および試料台の所
定の基準線からの高さを調整する。
【0013】請求項3の方法によれば、前記請求項1の
方法の作用効果があるほか、調整された試料台の位置に
おいて、分析用検出器の直下の試料表面で全反射が起こ
ることを確認するので、試料台の位置設定がいっそう正
確になる。
【0014】請求項4のX線分析における試料台の位置
設定装置は、まず、試料が固定される試料台と、分析に
も用いられ、試料に1次X線を照射するX線源と、分析
用検出器の下方に設けられ、試料台の表面と1次X線と
のなす角度を調整する角度調整器と、やはり分析用検出
器の下方に設けられ、試料台の所定の基準線からの高さ
を調整する高さ調整器と、試料表面で反射した反射X線
を検出する反射X線検出器と、所定の基準点から1次X
線の進行方向への第1および第2の距離において、分析
用検出器の直下の試料表面で全反射した直下全反射X線
がそれぞれ最大強度で通過するような高さに通過孔を設
けられた第1および第2の遮蔽板とを備えている。ま
た、前記反射X線が、第1および第2の遮蔽板の通過孔
を通過して、反射X線検出器で検出される強度が最大と
なるように、角度調整器および高さ調整器を制御する制
御手段を備えている。請求項4の装置によれば、前記請
求項3の方法と同様の作用効果が得られる。
【0015】請求項5のX線分析における試料台の位置
設定方法では、まず、試料台に固定された試料に、分析
にも用いるX線源から1次X線を照射し、所定の基準点
から1次X線の進行方向への第1の距離において、分析
用検出器の直下の試料表面で全反射した直下全反射X線
が最大強度で通過するような高さに設けた第1の遮蔽板
の通過孔を、試料表面で反射した反射X線が通過して、
反射X線検出器で検出される強度が最大となるように、
分析用検出器の下方において、試料台の所定の基準線か
らの高さを調整する。次に、基準点から1次X線の進行
方向への第2の距離において、前記反射X線について、
基準線からの高さ方向の強度分布を測定し、その強度分
布から、前記直下全反射X線を生じるような試料台の位
置からのずれを得て、そのずれを解消するように、分析
用検出器の下方において、試料台の表面と1次X線との
なす角度および試料台の基準線からの高さを調整する。
【0016】請求項5の方法によれば、まず、直下全反
射X線を生じるような試料台の位置のより近傍に調整
し、次に、直下全反射X線を生じるような試料台の位置
からのずれを解消するように調整するので、請求項3の
方法に準じる正確さで、請求項3の方法よりも短時間
に、試料台の位置設定ができる。
【0017】請求項6のX線分析における試料台の位置
設定装置は、まず、試料が固定される試料台と、分析に
も用いられ、試料に1次X線を照射するX線源と、分析
用検出器の下方に設けられ、試料台の表面と1次X線と
のなす角度を調整する角度調整器と、やはり分析用検出
器の下方に設けられ、試料台の所定の基準線からの高さ
を調整する高さ調整器と、試料表面で反射した反射X線
を検出する反射X線検出器と、所定の基準点から1次X
線の進行方向への第1の距離において、分析用検出器の
直下の試料表面で全反射した直下全反射X線が最大強度
で通過するような高さに通過孔を設けられた第1の遮蔽
板と、基準点から1次X線の進行方向への第2の距離に
おいて、基準線からの高さ方向に移動自在であり、通過
孔を設けられた第2の遮蔽板とを備えている。
【0018】さらに、前記反射X線が、第1の遮蔽板の
通過孔を通過して、反射X線検出器で検出される強度が
最大となるように、高さ調整器を制御し、また、その制
御後の反射X線について、反射X線検出器と第2の遮蔽
板とにより測定される基準線からの高さ方向の強度分布
から、前記直下全反射X線を生じるような試料台の位置
からのずれを得て、そのずれを解消するように、角度調
整器および高さ調整器を制御する制御手段を備えてい
る。請求項6の装置によれば、前記請求項5の方法と同
様の作用効果が得られる。
【0019】請求項7のX線分析における試料台の位置
設定装置は、前記請求項2の装置において、第1、第2
の反射X線検出手段が、基準点から1次X線の進行方向
への第1、第2の距離それぞれにおいて、基準線からの
高さ方向に移動自在であって通過孔を設けられた第1、
第2の遮蔽板それぞれと、共通の反射X線検出器とから
構成されている。
【0020】請求項7の装置によれば、請求項2の装置
の作用効果があるほか、2つの反射X線検出手段に対し
1つの反射X線検出器で足りるので、装置全体が複雑化
しない。
【0021】請求項8のX線分析における試料台の位置
設定装置は、前記請求項2の装置において、第1、第2
の反射X線検出手段が、第1、第2の強度分布をそれぞ
れ測定する第1、第2の荷電結合素子である。
【0022】請求項8の装置によれば、請求項2の装置
の作用効果があるほか、反射X線検出手段が、位置検出
の可能な荷電結合素子であるので、装置全体において、
可動部分が減少し、やはり複雑化しない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態であ
るX線分析における試料台の位置設定方法を図面にした
がって説明する。まず、この方法に用いる装置について
説明する。図1の斜視図に示すように、この装置は、ま
ず、試料1が固定される試料台2と、分析にも用いら
れ、試料1に帯状の1次X線3を照射するX線源4を備
えている。X線源4としては、X線管のみを図示した
が、モノクロメータやスリットを含んでもよい。また、
本装置は、分析用検出器5の下方に設けられ、試料台2
の表面2aと1次X線3とのなす角度を調整する角度調
整器6と、やはり分析用検出器5の下方に設けられ、試
料台2の所定の基準線Xからの高さを調整する高さ調整
器7とを備えている。ここで、帯状の1次X線3の中心
線およびその延長線を、所定の基準線Xとする。なお、
試料台2の高さには、例えば、基準線Xから試料台2の
表面2aの中心までの高さをとればよい。
【0024】さらに、本装置は、所定の基準点Oから1
次X線3の進行方向(図1において、右上へ向かう方
向)への第1、第2の距離x1,x2において、それぞ
れ通過孔9a,11aを設けられた第1、第2の遮蔽板
9,11と、反射X線検出器13とを備えている。ここ
で、検出器5の中心軸Yと1次X線3の基準線Xとの交
点を、所定の基準点Oとし、第1、第2の遮蔽板9,1
1は、分析用検出器5の中心軸5と平行であるそれぞれ
の中心軸Y1,Y2に沿って、それぞれ第1、第2の移
動手段10,12により、基準線Xからの高さ方向に移
動自在である。なお、第1、第2の遮蔽板9,11の高
さには、例えば、基準線Xからそれぞれの通過孔9a,
11aの中心までの高さをとればよい。
【0025】第1の遮蔽板9と反射X線検出器13と
は、第1の反射X線検出手段を構成し、第2の遮蔽板1
1と反射X線検出器13とは、第2の反射X線検出手段
を構成し、試料表面1aで反射した反射X線8につい
て、それぞれ第1、第2の距離x1,x2において、基
準線Xからの高さ方向の強度分布を測定する。また、本
装置は、それら測定された第1および第2の強度分布か
ら、その測定した試料1について分析用検出器5の直下
の試料表面1aで全反射が起こるような試料台2の位置
からのずれを得て、そのずれを解消するように、角度調
整器6および高さ調整器7を制御する制御手段14を備
えている。なお、本発明において、「全反射が起こる」
というときは、従来の技術においても説明したように、
試料1への入射角θは、0度よりも大きく全反射の臨界
角よりも小さい範囲内にあるだけでなく、分析において
S/N比が良好となるような適切な角度であることが望
ましい。
【0026】この装置を用いて、第1実施形態の方法で
は、あらかじめ、光学系の幾何学的な関係や事前の実験
等に基づいて、例えば所定の厚さで試料台表面2aと平
行な表面1aを有する標準的な試料1を用いた場合に分
析用検出器5の直下の試料表面1aで全反射が起こるよ
うな位置に、試料台2を初期設定しておく。この試料台
2に、新たな試料1を固定し、分析にも用いるX線源4
から1次X線3を照射し、試料表面1aで反射した反射
X線8について、以下のように、基準点Oから1次X線
3の進行方向への第1、第2の距離x1,x2におい
て、基準線Xからの高さ方向の第1、第2の強度分布を
測定する。最初、第1および第2の遮蔽板9,11は、
ともに、反射X線8の通路よりも上にあり、反射X線検
出器13には、試料表面1aで反射した反射X線8がそ
のまま入射している。そこで、まず、第1の移動手段1
0により第1の遮蔽板9をその中心軸Y1に沿って下に
移動させる。すると、反射X線8は第1の遮蔽板9によ
り遮蔽され、反射X線検出器13には入射しなくなる。
【0027】しかし、さらに第1の遮蔽板9を下降させ
続けると、図1に示すように、反射X線8の通路に第1
の遮蔽板9の通過孔9aが合致したところで、反射X線
8がその通過孔9aを通過して反射X線検出器13に入
射する。ここで、厳密には、反射X線8は、水平方向に
幅をもち帯状であるのみならず、基準線Xに垂直な方向
(上下方向)にもわずかながら広がりすなわち厚みをも
つ。したがって、反射X線8が通過孔9aを通過し得る
第1の遮蔽板9の高さにも幅があり、反射X線検出器1
3で検出される反射X線8の強度も、ある程度の幅をも
つ高さ方向の強度分布として得られる。そこで、この強
度分布において、最大強度の得られた第1の遮蔽板9の
高さにおいて、反射X線8の通路に第1の遮蔽板9の通
過孔9aが正確に合致したものとする。
【0028】このように、反射X線8について、第1の
強度分布が得られたら、次に、第1の移動手段により第
1の遮蔽板9を反射X線8の通路よりも上に退避させ
て、最初の状態に戻し、第2の移動手段12により第2
の遮蔽板11をその中心軸Y2に沿って下に移動させ
て、同様に第2の強度分布を得る。このとき、第1の遮
蔽板9を退避させず、その通過孔9aを通過した反射X
線8に対して、第2の遮蔽板11を下降させてもよい。
この場合には、図1に示すように、第2の遮蔽板11の
通過孔11aは、水平方向に延びる長孔であることが好
ましい。第1の遮蔽板9の通過孔9aを通過して、幅が
短くなったた反射X線8に対し、第2の遮蔽板11の水
平方向のわずかな位置ずれにより、その反射X線8が、
第2の遮蔽板11の通過孔11aを通過できなくなるこ
とがないようにするためである。
【0029】ところで、例えば全反射蛍光X線分析にお
いては、試料台2の位置調整についてきわめて高い精度
を要求され、その基準となる基準線Xを装置の設計段階
で確定することは事実上不可能である。したがって、前
述したように帯状の1次X線3の中心線およびその延長
線を基準線Xとすることとして、その装置について、試
料1に照射されない状態の1次X線3の通路を測定する
必要がある。そこで、この第1実施形態の方法では、あ
らかじめ、試料台2を高さ調整手段7により下方に退避
させて、前述した反射X線8について第1および第2の
強度分布を測定するのと同様の手順で、1次X線3につ
いて第1および第2の強度分布を測定することによりそ
の通路を調べ、これを基準線Xとしておく。この測定も
きわめて高い精度を要求され、1次X線3の通路のわず
かな経時変化も問題となるおそれがあるから、例えば1
日または1週間に1回程度の頻度で測定しなおすことが
望ましい。なお、この測定は分析全体に比べれば短時間
ですみ、試料1ごとに行うほどの必要性もないので、分
析全体の時間に影響を与えることはない。
【0030】以上のように、反射X線8について、基準
線Xからの高さ方向の第1および第2の強度分布を測定
したら、そのデータを電気信号として、制御手段14に
入力する。これらの測定および入力は、制御手段14に
より自動的に行うこともできる。さて、制御手段14に
は、あらかじめ、光学系の幾何学的な関係や事前の実験
等に基づき、所定の厚さで試料台表面2aと平行な表面
1aを有する標準的な試料1について、分析用検出器5
の直下の試料表面1aで全反射した直下全反射X線8z
の通路に、第1および第2の遮蔽板9,11の通過孔9
a,11aが正確に合致したときの、第1および第2の
遮蔽板9,11の基準線Xからの高さが入力されてい
る。なお、このときの試料台2の位置、すなわち試料台
2の表面2aと1次X線3とのなす角度および試料台2
の基準線Xからの高さを、以下において、標準位置とも
いう。
【0031】試料台2は、前述したように標準位置に初
期設定したから、反射X線8の通路は直下全反射X線8
zの通路に一致しているはずであり、反射X線8の通路
に第1および第2の通過孔9a,11aが正確に合致し
たときの第1および第2の遮蔽板9,11の基準線Xか
らの高さも、前記あらかじめ入力された直下全反射X線
8zについてのそれらの高さに一致しているはずであ
る。しかし、同一形状に作製したつもりでも、加工精度
の問題等から、試料1によって厚さが微妙に異なる場合
もあり、また試料表面1aが試料台表面2aに対してわ
ずかに傾斜している場合もある。したがって、試料台2
を、標準的な試料1について好ましい標準位置に初期設
定しても、新たな試料1については、現実に分析用検出
器5の直下の試料表面1aで全反射が起こるような位置
(以下、各試料1についてのこのような位置を「理想位
置」ともいう)から、ずれが生じている場合が多い。
【0032】そこで、この第1実施形態の方法では、制
御手段14において、入力された反射X線8についての
第1および第2の強度分布から、反射X線8の通路に第
1および第2の通過孔9a,11aが正確に合致したと
きの第1および第2の遮蔽板9,11の基準線Xからの
高さを得て、これらをあらかじめ入力された直下全反射
X線8zについてのそれらの高さと比較し、幾何学的な
関係から、試料台2について理想位置からのずれを算出
し、そのずれを解消するように、試料台表面2aと1次
X線3とのなす角度および試料台2の基準線Xからの高
さを調整する。これにより、試料台2が理想位置に設定
される。
【0033】第1実施形態の方法によれば、試料台2の
位置を分析用検出器5の下方において調整するので、調
整後に試料台2を大きな距離で移動させる必要がない。
また、試料台2の位置調整の基準は、例えば試料表面1
aが1次X線3に平行に接するような位置等ではなく、
分析用検出器5直下の試料表面2aで全反射の起こる理
想位置であるので、調整後に試料台2を一定量移動させ
たりする必要がなく、そのまま分析を行える。したがっ
て、試料台2の位置設定が正確にでき、試料1を正確に
分析できる。また、分析に用いるX線源4をそのまま利
用するので、調整のための新たな光源を必要とせず、反
射X線8の通路を知るために2つ必要な反射X線検出手
段に対し、1つの反射X線検出器13で足りる。したが
って、用いる装置全体が複雑化しない。
【0034】次に、本発明の第2実施形態であるX線分
析における試料台の位置設定方法を図面にしたがって説
明する。まず、この方法に用いる装置について説明す
る。図2の斜視図に示すように、この装置においては、
第1の遮蔽板15は反射X線8の進行方向に向かって左
半分強を遮蔽でき、第2の遮蔽板16は右半分強を遮蔽
し得る点で、第1、第2の遮蔽板9,11とも反射X線
8を全幅にわたって遮蔽し得る第1実施形態の方法に用
いる装置と異なる。その他の点では、第1実施形態の方
法に用いる装置と同様であるので、同一部分に同一番号
を付して、説明を省略する。
【0035】この装置を用いた第2実施形態の方法で
は、以下のように、反射X線8についての第1、第2の
強度分布の測定の仕方が、第1実施形態の方法と異な
る。すなわち、最初、第1および第2の遮蔽板15,1
6は、それらの通過孔15a,16aがそれぞれ反射X
線8の通路よりも少し上にくる高さ(図2中第2の遮蔽
板16において示すような高さ)にある。この状態で
は、反射X線8は、第1および第2の遮蔽板15,16
により遮蔽され、反射X線検出器13には入射しない。
ここで、第1の遮蔽板15のみを、基準線Xに垂直で分
析検出器5の中心軸に平行な軸Y1に沿って、下に移動
させると、図2に示すように、反射X線8の通路に第1
の遮蔽板15の通過孔15aが合致したところで、反射
X線8が、その通過孔15aと第2の遮蔽板16の左側
方とを通過して、反射X線検出器13に入射する。した
がって、第1実施形態の方法において述べたように、反
射X線8について、第1の強度分布が得られる。
【0036】次に、第1の移動手段10により、第1の
遮蔽板9を、その通過孔15aが反射X線8の通路より
も少し上にくる高さ、すなわち、最初の状態に戻す。こ
の移動量は、通過孔15a,16aが実際にはピンホー
ルのように小さいものであるから、ごくわずかである
が、この移動により、再度、反射X線8が第1および第
2の遮蔽板15,16により遮蔽され、反射X線検出器
13には入射しなくなる。そこで、第2の移動手段12
により、第2の遮蔽板16を、基準線Xに垂直で分析検
出器5の中心軸に平行な軸Y2に沿って下に移動させる
ことによって、前記第1の強度分布と同様に第2の強度
分布が得られる。なお、あらかじめ同様の手順で1次X
線3についても第1および第2の強度分布を測定するこ
とによりその通路を調べ、これを基準線Xとしておく。
その他の手順は、第1実施形態の方法と同じである。第
2実施形態の方法によれば、第1実施形態の方法と同様
の作用効果があるほか、第1および第2の遮蔽板15,
16の移動量が少なくてすむので、強度分布の測定をよ
り迅速正確に行える。
【0037】次に、本発明の第3実施形態であるX線分
析における試料台の位置設定方法を図面にしたがって説
明する。まず、この方法に用いる装置について説明す
る。図3の斜視図に示すように、この装置においては、
第1、第2の反射X線検出手段が、第1、第2の強度分
布をそれぞれ測定する第1、第2の荷電結合素子17,
18であり、第1の荷電結合素子17は第1の移動手段
10により基準線Xからの高さ方向に移動自在である
が、第2の荷電結合素子18は、反射X線8が入射する
ような基準線Xからの所定の高さに固定されている点
で、第1実施形態の方法に用いる装置と異なる。その他
の点では、第1実施形態の方法に用いる装置と同様であ
るので、同一部分に同一番号を付して、説明を省略す
る。なお、第1の移動手段10における「第1の」と
は、第1の荷電結合素子17に対応するという意味であ
り、移動手段が複数あってそのうちの「第1の」という
意味ではない。
【0038】この装置を用いた第3実施形態の方法で
は、以下のように、反射X線8についての第1、第2の
強度分布の測定の仕方が、第1実施形態の方法と異な
る。すなわち、図3に示すように、最初、第1の荷電結
合素子17は、反射X線8の通路よりも上にあり、反射
X線8は、所定の高さに固定された第2の荷電結合素子
18に入射する。荷電結合素子17,18は、位置検出
が可能であるので、移動させずとも、第2の強度分布が
測定できる。
【0039】次に、第1の移動手段10により、第1の
遮蔽板9を、その中心軸Y1に沿って、反射X線8が入
射するような基準線Xからの所定の高さまで下に移動さ
せる。これにより、前記第2の強度分布と同様に第1の
強度分布が測定できる。第3実施形態の方法において
は、第1の強度分布の測定にあたり、第1の荷電結合素
子17を、徐々に移動させる必要はなく、所定の高さま
で一気に下降させて、その高さで第1の強度分布が測定
できる。なお、あらかじめ同様の手順で1次X線3につ
いても第1および第2の強度分布を測定することにより
その通路を調べ、これを基準線Xとしておく。その他の
手順は、第1実施形態の方法と同様である。すなわち、
第1実施形態の方法における、反射X線8または直下全
反射X線8zの通路に第1および第2の通過孔9a,1
1aが正確に合致したときの第1および第2の遮蔽板
9,11の基準線Xからの高さに相当するものが、第3
実施形態の方法における、反射X線8または直下全反射
X線8zの強度分布測定において第1および第2の荷電
結合素子17,18で最高強度が検出された位置の基準
線Xからの高さとなる。
【0040】第3実施形態の方法によっても、試料台2
の位置を分析用検出器5の下方において調整するので、
調整後に試料台2を大きな距離で移動させる必要がな
い。また、試料台2の位置調整の基準は、分析用検出器
5直下の試料表面2aで全反射の起こる理想位置である
ので、調整後に試料台2を一定量移動させたりする必要
がなく、そのまま分析を行える。したがって、試料台2
の位置設定が正確にでき、試料1を正確に分析できる。
また、分析に用いるX線源4をそのまま利用するので、
調整のための新たな光源を必要とせず、特にこの第3実
施形態の方法によれば、反射X線8の通路を知るために
2つ必要な反射X線検出手段が、位置検出の可能な荷電
結合素子17,18であり、第2の荷電結合素子18は
固定したままでよいので、可動部分が減少する。したが
って、用いる装置全体が複雑化しない。
【0041】次に、本発明の第4実施形態であるX線分
析における試料台の位置設定方法を図面にしたがって説
明する。まず、この方法に用いる装置について説明す
る。図4の斜視図に示すように、この装置においては、
第1の荷電結合素子19は反射X線8の進行方向に向か
って左約半分を検出でき、第2の荷電結合素子20は残
部を検出できる点で、第1、第2の荷電結合素子17,
18とも反射X線8を全幅にわたって検出できる第3実
施形態の方法に用いる装置と異なる。また、この装置に
おいては、第2の荷電結合素子20のみならず第1の荷
電結合素子19も、反射X線8が入射するような基準線
Xからの所定の高さに固定されている点でも、第3実施
形態の方法に用いる装置と異なる。その他の点では、第
3実施形態の方法に用いる装置と同様であるので、同一
部分に同一番号を付して、説明を省略する。
【0042】この装置を用いた第4実施形態の方法で
は、以下のように、反射X線8についての第1、第2の
強度分布の測定の仕方が、第3実施形態の方法と異な
る。すなわち、図4に示すように、最初から、反射X線
8は、所定の高さにそれぞれ固定された第1、第2の荷
電結合素子19,20に、その左約半分と残部とがそれ
ぞれ入射する。荷電結合素子19,20は、位置検出が
可能であるので、移動させずとも、第1および第2の強
度分布が同時に測定できる。なお、あらかじめ同様の手
順で1次X線3についても第1および第2の強度分布を
測定することによりその通路を調べ、これを基準線Xと
しておく。その他の手順は、第3実施形態の方法と同じ
である。第4実施形態の方法によれば、第3実施形態の
方法と同様の作用効果があるほか、反射X線検出手段
が、位置検出の可能な荷電結合素子19,20であり、
双方とも固定したままでよいので、用いる装置全体にお
いて、いっそう可動部分が減少し、複雑化しない。ま
た、強度分布の測定をより迅速正確に行える。
【0043】次に、本発明の第5実施形態であるX線分
析における試料台の位置設定方法を図面にしたがって説
明する。まず、この方法に用いる装置について説明す
る。図5の斜視図に示すように、この装置においては、
前もって基準線Xを設定する際を除いて、第1および第
2の遮蔽板21,22が、基準点Oから1次X線3の進
行方向への第1および第2の距離x1,x2において、
直下全反射X線8zがそれぞれ最大強度で通過するよう
な高さに通過孔21a,22aを設けられ、固定された
ままである点で第1実施形態の方法に用いる装置と異な
る。また、後述するように制御手段23の行う制御内容
も異なる。その他の点では、第1実施形態の方法に用い
る装置と同様であるので、同一部分に同一番号を付し
て、説明を省略する。なお、第2の遮蔽板22の通過孔
22aは、単なる丸孔でも、水平方向に延びる長孔でも
よい。
【0044】この装置を用いて、第5実施形態の方法で
は、まず、第1実施形態の方法と同様の手順で、あらか
じめ1次X線3について第1および第2の強度分布を測
定することによりその通路を調べ、これを基準線Xとし
ておく。この測定は、前述したように、例えば1日また
は1週間に1回程度の頻度で行えばよい。その後、第1
および第2の遮蔽板21,22の通過孔21a,22a
が、直下全反射X線8zがそれぞれ最大強度で通過する
ような高さにくるよう、第1および第2の移動手段1
0,12により、第1および第2の遮蔽板21,22を
移動させておく。
【0045】そして、標準位置に初期設定した試料台2
に、新たな試料1を固定し、分析にも用いるX線源4か
ら1次X線3を照射する。次に、試料表面1aで反射し
た反射X線8が、第1および第2の通過孔21a,22
aを通過して、反射X線検出器13で検出される強度が
最大となるように、試料台表面2aと1次X線3とのな
す角度および試料台2の基準線Xからの高さを、わずか
ずつ試行錯誤的に、制御手段23により調整する。これ
により、試料台2が理想位置に設定され、そのように設
定されたことが確認される。このように、第5実施形態
の方法では、前もって基準線Xを設定する際を除いて、
第1および第2の遮蔽板21,22はそれぞれ所定の高
さに固定したままである。
【0046】第5実施形態の方法によっても、試料台2
の位置を分析用検出器5の下方において調整するので、
調整後に試料台2を大きな距離で移動させる必要がな
い。また、試料台2の位置調整の基準は、分析用検出器
5直下の試料表面2aで全反射の起こる理想位置である
ので、調整後に試料台2を一定量移動させたりする必要
がなく、そのまま分析を行える。さらに、特にこの第5
実施形態の方法によれば、調整された試料台2の位置に
おいて、反射X線8の通路と直下全反射X線8zの通路
とが一致すること、すなわち分析用検出器5の直下の試
料表面1aで全反射が起こることを確認する。したがっ
て、試料台2の位置設定がいっそう正確にでき、試料1
をいっそう正確に分析できる。また、分析に用いるX線
源4をそのまま利用するので、調整のための新たな光源
を必要とせず、反射X線検出器13もひとつでよい。し
たがって、やはり、用いる装置全体が複雑化しない。
【0047】次に、本発明の第6実施形態であるX線分
析における試料台の位置設定方法を図面にしたがって説
明する。まず、この方法に用いる装置について説明す
る。図6の斜視図に示すように、この装置においては、
前もって基準線Xを設定する際を除いて、第1の遮蔽板
21のみが、基準点Oから1次X線3の進行方向への第
1の距離x1において、直下全反射X線8zが最大強度
で通過するような高さに通過孔21aを設けられ、固定
されたままである点で第5実施形態の方法に用いる装置
と異なる。また、後述するように制御手段24の行う制
御内容も異なる。その他の点では、第5実施形態の方法
に用いる装置と同様であるので、同一部分に同一番号を
付して、説明を省略する。なお、第2の遮蔽板11の通
過孔11aは、水平方向に延びる長孔であることが好ま
しい。
【0048】この装置を用いて、第6実施形態の方法で
も、まず、第1実施形態の方法と同様の手順で、あらか
じめ1次X線3について第1および第2の強度分布を測
定することによりその通路を調べ、これを基準線Xとし
ておく。その後、第1の遮蔽板21の通過孔21aが、
直下全反射X線8zが最大強度で通過するような高さに
くるよう、第1の移動手段10により、第1の遮蔽板2
1を移動させておく。また、第2の遮蔽板11を、反射
X線8の通路よりも上にくるよう、第2の移動手段12
により移動させておく。
【0049】そして、標準位置に初期設定した試料台2
に、新たな試料1を固定し、分析にも用いるX線源4か
ら1次X線3を照射する。次に、試料表面1aで反射し
た反射X線8が、第1の遮蔽板21の通過孔21aを通
過して、反射X線検出器13で検出される強度が最大と
なるように、試料台2の基準線Xからの高さのみを、わ
ずかずつ試行錯誤的に、制御手段24により調整する。
第1の通過孔21aは、第5実施形態の方法に用いる装
置と同様に、直下全反射X線8zが最大強度で通過する
ような高さに設けられているので、この調整により、試
料台2が理想位置のより近傍に調整される。さらに、第
2の移動手段12により第2の遮蔽板11をその中心軸
Y2に沿って下に移動させて、第1実施形態の方法と同
様に、基準点Oから1次X線3の進行方向への第2の距
離x2において、反射X線8について、基準線Xからの
高さ方向の第2の強度分布を測定する。
【0050】さて、この第6実施形態の方法では、前記
調整により、反射X線8は、基準点Oから1次X線3の
進行方向への第1の距離x1においては、直下全反射X
線8zと同じ高さで第1の通過孔21aを通過してい
る。そこで、制御手段24において、入力された反射X
線8についての第2の強度分布から、反射X線8の通路
に第2の通過孔11aが正確に合致したときの第2の遮
蔽板11の基準線Xからの高さを得て、これらをあらか
じめ入力された直下全反射X線8zについてのその高さ
と比較し、幾何学的な関係から、試料台2について理想
位置からのずれを算出し、そのずれを解消するように、
試料台表面2aと1次X線3とのなす角度および試料台
2の基準線Xからの高さを調整する。これにより、試料
台2が理想位置に設定される。このように、第6実施形
態の方法では、前もって基準線Xを設定する際を除い
て、第1の遮蔽板21は所定の高さに固定したままであ
る。
【0051】第6実施形態の方法によれば、まず、試料
台2の高さのみについて理想位置のより近傍になるよう
に試行錯誤的に調整し、次に、理想位置からのずれを得
てそのずれを解消するように、試料台表面2aと1次X
線3とのなす角度も含めて調整するので、第5実施形態
の方法に準じる正確さで、より短時間に、試料台2の位
置設定ができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料台の位置(高さおよび角度)を分析用検出器の下方
において調整するので、調整後に試料台を大きな距離で
移動させる必要がない。また、試料台の位置調整の基準
は、分析用検出器直下の試料表面で全反射の起こる位置
(高さおよび角度)であるので、調整後に試料台を一定
量移動させたりする必要がなく、そのまま分析を行え
る。したがって、試料台の位置設定が正確にでき、試料
を正確に分析できる。さらに、分析に用いるX線源をそ
のまま利用するので、調整のための新たな光源を必要と
せず、装置の構造が複雑化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるX線分析における
試料台の位置設定方法に用いる装置を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態であるX線分析における
試料台の位置設定方法に用いる装置を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の第3実施形態であるX線分析における
試料台の位置設定方法に用いる装置を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の第4実施形態であるX線分析における
試料台の位置設定方法に用いる装置を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の第5実施形態であるX線分析における
試料台の位置設定方法に用いる装置を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の第6実施形態であるX線分析における
試料台の位置設定方法に用いる装置を示す斜視図であ
る。
【図7】従来の全反射型蛍光X線分析における試料台の
位置設定方法に用いる装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1…試料、1a…試料表面、2…試料台、2a…試料台
の表面、3…1次X線、4…分析にも用いるX線源、5
…分析用検出器、6…角度調整器、7…高さ調整器、8
…反射X線、8z…直下全反射X線、9,15,21…
第1の遮蔽板、9a,15a,21a…第1の遮蔽板の
通過孔、10…第1の移動手段、11,16,22…第
2の遮蔽板、11a,16a,22a…第2の遮蔽板の
通過孔、12…第2の移動手段、13…反射X線検出
器、14,23,24…制御手段、17,19…第1の
荷電結合素子、18,20…第2の荷電結合素子、9お
よび13,15および13,17,19…第1の反射X
線検出手段、11および13,16および13,18,
20…第2の反射X線検出手段、O…所定の基準点、x
1…第1の距離、x2…第2の距離、Y…所定の基準
線。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料台に固定された試料に、分析にも用
    いるX線源から1次X線を照射し、 所定の基準点から1次X線の進行方向への第1の距離に
    おいて、試料表面で反射した反射X線について、所定の
    基準線からの高さ方向の第1の強度分布を測定し、 前記基準点から1次X線の進行方向への第2の距離にお
    いて、前記反射X線について、前記基準線からの高さ方
    向の第2の強度分布を測定し、 前記第1および第2の強度分布から、分析に用いる分析
    用検出器の直下の試料表面で全反射が起こるような前記
    試料台の位置からのずれを得て、 そのずれを解消するように、前記分析用検出器の下方に
    おいて、前記試料台の表面と1次X線とのなす角度およ
    び前記試料台の前記基準線からの高さを調整するX線分
    析における試料台の位置設定方法。
  2. 【請求項2】 試料が固定される試料台と、 分析にも用いられ、試料に1次X線を照射するX線源
    と、 分析に用いられる分析用検出器の下方に設けられ、前記
    試料台の表面と1次X線とのなす角度を調整する角度調
    整器と、 前記分析用検出器の下方に設けられ、前記試料台の所定
    の基準線からの高さを調整する高さ調整器と、 試料表面で反射した反射X線について、所定の基準点か
    ら1次X線の進行方向への第1の距離において、前記基
    準線からの高さ方向の第1の強度分布を測定する第1の
    反射X線検出手段と、 前記反射X線について、前記基準点から1次X線の進行
    方向への第2の距離において、前記基準線からの高さ方
    向の第2の強度分布を測定する第2の反射X線検出手段
    と、 前記第1および第2の強度分布から、前記分析用検出器
    の直下の試料表面で全反射が起こるような前記試料台の
    位置からのずれを得て、そのずれを解消するように、前
    記角度調整器および高さ調整器を制御する制御手段とを
    備えたX線分析における試料台の位置設定装置。
  3. 【請求項3】 試料台に固定された試料に、分析にも用
    いるX線源から1次X線を照射し、 所定の基準点から1次X線の進行方向への第1の距離に
    おいて、分析に用いる分析用検出器の直下の試料表面で
    全反射した直下全反射X線が最大強度で通過するような
    高さに設けた第1の遮蔽板の通過孔と、前記基準点から
    1次X線の進行方向への第2の距離において、前記直下
    全反射X線が最大強度で通過するような高さに設けた第
    2の遮蔽板の通過孔とを、試料表面で反射した反射X線
    が通過して、反射X線検出器で検出される強度が最大と
    なるように、前記分析用検出器の下方において、前記試
    料台の表面と1次X線とのなす角度および前記試料台の
    所定の基準線からの高さを調整するX線分析における試
    料台の位置設定方法。
  4. 【請求項4】 試料が固定される試料台と、 分析にも用いられ、試料に1次X線を照射するX線源
    と、 分析に用いられる分析用検出器の下方に設けられ、前記
    試料台の表面と1次X線とのなす角度を調整する角度調
    整器と、 前記分析用検出器の下方に設けられ、前記試料台の所定
    の基準線からの高さを調整する高さ調整器と、 試料表面で反射した反射X線を検出する反射X線検出器
    と、 所定の基準点から1次X線の進行方向への第1の距離に
    おいて、前記分析用検出器の直下の試料表面で全反射し
    た直下全反射X線が最大強度で通過するような高さに通
    過孔を設けられた第1の遮蔽板と、 前記基準点から1次X線の進行方向への第2の距離にお
    いて、前記直下全反射X線が最大強度で通過するような
    高さに通過孔を設けられた第2の遮蔽板と、 前記反射X線が、前記第1および第2の遮蔽板の通過孔
    を通過して、前記反射X線検出器で検出される強度が最
    大となるように、前記角度調整器および高さ調整器を制
    御する制御手段とを備えたX線分析装置。
  5. 【請求項5】 試料台に固定された試料に、分析にも用
    いるX線源から1次X線を照射し、 所定の基準点から1次X線の進行方向への第1の距離に
    おいて、分析に用いる分析用検出器の直下の試料表面で
    全反射した直下全反射X線が最大強度で通過するような
    高さに設けた第1の遮蔽板の通過孔を、試料表面で反射
    した反射X線が通過して、反射X線検出器で検出される
    強度が最大となるように、前記分析用検出器の下方にお
    いて、前記試料台の所定の基準線からの高さを調整し、 前記基準点から1次X線の進行方向への第2の距離にお
    いて、前記反射X線について、前記基準線からの高さ方
    向の強度分布を測定し、 その強度分布から、前記直下全反射X線を生じるような
    前記試料台の位置からのずれを得て、 そのずれを解消するように、前記分析用検出器の下方に
    おいて、前記試料台の表面と1次X線とのなす角度およ
    び前記試料台の前記基準線からの高さを調整するX線分
    析における試料台の位置設定方法。
  6. 【請求項6】 試料が固定される試料台と、 分析にも用いられ、試料に1次X線を照射するX線源
    と、 分析に用いられる分析用検出器の下方に設けられ、前記
    試料台の表面と1次X線とのなす角度を調整する角度調
    整器と、 前記分析用検出器の下方に設けられ、前記試料台の所定
    の基準線からの高さを調整する高さ調整器と、 試料表面で反射した反射X線を検出する反射X線検出器
    と、 所定の基準点から1次X線の進行方向への第1の距離に
    おいて、前記分析用検出器の直下の試料表面で全反射し
    た直下全反射X線が最大強度で通過するような高さに通
    過孔を設けられた第1の遮蔽板と、 前記基準点から1次X線の進行方向への第2の距離にお
    いて、前記基準線からの高さ方向に移動自在であり、通
    過孔を設けられた第2の遮蔽板と、 前記反射X線が、前記第1の遮蔽板の通過孔を通過し
    て、前記反射X線検出器で検出される強度が最大となる
    ように、前記高さ調整器を制御し、また、その制御後の
    反射X線について、前記反射X線検出器と前記第2の遮
    蔽板とにより測定される前記基準線からの高さ方向の強
    度分布から、前記直下全反射X線を生じるような前記試
    料台の位置からのずれを得て、そのずれを解消するよう
    に、前記角度調整器および高さ調整器を制御する制御手
    段とを備えたX線分析における試料台の位置設定装置。
  7. 【請求項7】 請求項2において、前記第1の反射X線
    検出手段が、前記基準点から1次X線の進行方向への第
    1の距離において、前記基準線からの高さ方向に移動自
    在であって通過孔を設けられた第1の遮蔽板と、前記反
    射X線を検出する反射X線検出器とから構成され、 前記第2の反射X線検出手段が、前記基準点から1次X
    線の進行方向への第2の距離において、前記基準線から
    の高さ方向に移動自在であって通過孔を設けられた第2
    の遮蔽板と、前記反射X線検出器とから構成されるX線
    分析における試料台の位置設定装置。
  8. 【請求項8】 請求項2において、前記第1の反射X線
    検出手段が、前記第1の強度分布を測定する第1の荷電
    結合素子であり、 前記第2の反射X線検出手段が、前記第2の強度分布を
    測定する第2の荷電結合素子であるX線分析における試
    料台の位置設定装置。
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