JPH10311809A - 全反射蛍光x線分析方法および装置 - Google Patents

全反射蛍光x線分析方法および装置

Info

Publication number
JPH10311809A
JPH10311809A JP12194197A JP12194197A JPH10311809A JP H10311809 A JPH10311809 A JP H10311809A JP 12194197 A JP12194197 A JP 12194197A JP 12194197 A JP12194197 A JP 12194197A JP H10311809 A JPH10311809 A JP H10311809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
primary
sample
intensity
calibration curve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12194197A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yamada
隆 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Industrial Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Industrial Corp filed Critical Rigaku Industrial Corp
Priority to JP12194197A priority Critical patent/JPH10311809A/ja
Publication of JPH10311809A publication Critical patent/JPH10311809A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検量線法を用いる全反射蛍光X線分析におい
て、1次X線の強度が変化した場合に、標準試料の再測
定を行わず短時間に検量線の校正ができる方法および装
置を提供する。 【解決手段】 標準試料21の測定時の1次X線3の標
準強度と、分析対象試料1の測定時の1次X線3の分析
時強度とを1次X線検出手段9,11,13で測定し、
両強度の比に基づいて検量線を校正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる検量線法
を用いる全反射蛍光X線分析において、1次X線の強度
が変化した場合に、標準試料の再測定を行うことなく、
短時間に検量線の校正ができる方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、分析対象試料からの蛍光X線
の測定強度に基づいて、分析対象試料における各成分の
濃度(含有率、表面密度ともいい、通常atoms/cm2 を単
位とする)を求めるX線分析方法のひとつに、いわゆる
検量線法がある。この検量線法では、組成が既知で相異
なる複数の標準試料に1次X線を照射して、標準試料中
の各成分から発生する蛍光X線の強度を測定し、それら
測定強度と標準試料における各成分の濃度との相関関係
を、各成分ごとに検量線としてあらかじめ求めておく。
そして、分析対象試料に1次X線を照射して、分析対象
試料中の各成分から発生する蛍光X線の強度を測定し、
各測定強度に前記検量線を適用して、分析対象試料にお
ける各成分の濃度を求める。
【0003】ここで、標準試料および分析対象試料(以
下、試料というときは双方を指す)に照射される1次X
線は、X線源から発生され、X線源は、X線管とそれか
ら発生されるX線を単色化するための分光器とを有す
る。単色化が要求されない場合には、X線源は、分光器
を有さない。このX線源からの1次X線の強度は、標準
試料の測定から作成した検量線をそのまま分析対象試料
に適用するためには、一定であるべきであるが、X線管
におけるフィラメントの交換、ロータリーターゲットの
ぶれ、分光器における特性の劣化、位置ずれ等、種々の
原因で変化するおそれがある。そこで、従来より、X線
管のフィラメント交換のように、X線源に修理、改変が
あった場合や、分析対象試料の測定前、定期的に、再
度、標準試料を用いて測定を行い、検量線を校正してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、標準試料の
再測定には、標準試料の搬出入も含め相当の時間を要
し、短時間に行うことができない。一方、再測定による
検量線の校正を行う頻度を下げると、それだけ、不正確
な分析を行うおそれが高くなる。
【0005】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、いわゆる検量線法を用いる全反射蛍光X線分析
において、1次X線の強度が変化した場合に、標準試料
の再測定を行うことなく、短時間に検量線の校正ができ
る方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の方法では、いわゆる検量線法を用いる全
反射蛍光X線分析方法において、標準試料の測定時の1
次X線の標準強度を、標準試料よりも1次X線の進行方
向側に位置する1次X線検出手段で、標準試料を1次X
線の進路から退避させてあらかじめ測定しておき、分析
対象試料の測定時の1次X線の分析時強度を、1次X線
検出手段で、分析対象試料を1次X線の進路から退避さ
せて測定し、分析時強度と標準強度との比に基づいて、
検量線を校正する。
【0007】請求項1の方法によれば、標準試料の測定
時の1次X線の標準強度と、分析対象試料の測定時の1
次X線の分析時強度とを1次X線検出手段で測定し、両
強度の比に基づいて検量線を校正するので、1次X線の
強度が変化した場合に、標準試料の再測定を行うことな
く、短時間に検量線の校正ができる。
【0008】請求項2の方法では、請求項1の方法にお
いて、1次X線検出手段が第1と第2の1次X線検出手
段からなり、第1の1次X線検出手段が、所定の基準点
から1次X線の進行方向への第1の距離において所定の
基準線からの高さ方向に移動自在であって通過孔を設け
られた第1の遮蔽板と、1次X線を検出する固定された
1次X線検出器とから構成され、第2の1次X線検出手
段が、前記基準点から1次X線の進行方向への第2の距
離において前記基準線からの高さ方向に移動自在であっ
て通過孔を設けられた第2の遮蔽板と、前記固定された
1次X線検出器とから構成され、試料の表面で反射した
1次X線である反射X線についても、前記1次X線検出
手段で検出する。
【0009】請求項2の方法によれば、かかる1次X線
検出手段の構成により、前記請求項1の方法の作用効果
に加え、試料への1次X線の入射角設定に用いる1次X
線検出手段を、検量線の校正にも用いることができ、用
いる装置の構成が複雑化しないという効果がある。
【0010】請求項3の方法では、請求項1の方法にお
いて、1次X線検出手段が、所定の基準線からの高さ方
向に移動自在であって1次X線を検出する1次X線検出
器であり、試料の表面で反射した1次X線である反射X
線についても、その1次X線検出手段で検出する。
【0011】請求項3の方法によれば、かかる1次X線
検出手段の構成により、前記請求項2の方法と同様の作
用効果がある。
【0012】請求項1の全反射蛍光X線分析装置は、ま
ず、1次X線を発生するX線源と、1次X線が照射され
た試料から発生する蛍光X線の強度を測定する蛍光X線
検出手段とを備える。また、前記X線源から発生させた
1次X線を、組成が既知で相異なる複数の標準試料の表
面にほぼ平行に照射して全反射させ、標準試料中の各成
分から発生する蛍光X線の強度を前記蛍光X線検出手段
に測定させ、それら測定強度と標準試料における各成分
の濃度との相関関係を、各成分ごとに検量線としてあら
かじめ求める検量線作成手段と、その検量線を記憶する
検量線記憶手段とを備える。そして、前記X線源から発
生させた1次X線を、分析対象試料の表面にほぼ平行に
照射して全反射させ、分析対象試料中の各成分から発生
する蛍光X線の強度を前記蛍光X線検出手段に測定さ
せ、各測定強度に前記検量線記憶手段に記憶された検量
線を適用して、分析対象試料における各成分の濃度を求
める検量線適用手段を備える。
【0013】さらに、試料を1次X線の進路から退避さ
せる退避手段と、試料よりも1次X線の進行方向側に位
置して、1次X線の強度を測定する1次X線検出手段と
を備え、前記退避手段により標準試料を1次X線の進路
から退避させて、前記標準試料の測定時の1次X線の標
準強度を前記1次X線検出手段にあらかじめ測定させ、
前記退避手段により分析対象試料を1次X線の進路から
退避させて、前記分析対象試料の測定時の1次X線の分
析時強度を前記1次X線検出手段に測定させ、前記分析
時強度と標準強度との比に基づいて、前記検量線記憶手
段に記憶された検量線を校正する検量線校正手段を備え
る。請求項4の装置によれば、前記請求項1の方法と同
様の作用効果がある。
【0014】請求項5の全反射蛍光X線分析装置は、請
求項4の装置において、前記1次X線検出手段が、第1
の1次X線検出手段および第2の1次X線検出手段から
なり、前記第1の1次X線検出手段が、所定の基準点か
ら1次X線の進行方向への第1の距離において所定の基
準線からの高さ方向に移動自在であって通過孔を設けら
れた第1の遮蔽板と、1次X線を検出する固定された1
次X線検出器とから構成され、前記第2の1次X線検出
手段が、前記基準点から1次X線の進行方向への第2の
距離において前記基準線からの高さ方向に移動自在であ
って通過孔を設けられた第2の遮蔽板と、前記固定され
た1次X線検出器とから構成され、前記1次X線検出手
段が、試料の表面で反射した1次X線である反射X線に
ついても検出するものである。請求項5の装置によれ
ば、前記請求項2の方法と同様の作用効果がある。
【0015】請求項6の全反射蛍光X線分析装置は、請
求項4の装置において、前記1次X線検出手段が、所定
の基準線からの高さ方向に移動自在であって1次X線を
検出する1次X線検出器であり、 前記1次X線検出手
段が、試料の表面で反射した1次X線である反射X線に
ついても検出するものである。請求項6の装置によれ
ば、前記請求項3の方法と同様の作用効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態の全
反射蛍光X線分析方法を図面にしたがって説明する。ま
ず、この方法に用いる装置について説明する。図2の斜
視図に示すように、この装置は、まず、試料1,21が
固定される試料台2と、分析にも用いられ、試料1,2
1に帯状の1次X線3を照射するX線源4と、1次X線
3が照射された試料1,21から発生する蛍光X線15
の強度を測定するSSD等の蛍光X線検出手段5とを備
えている。X線源4としては、X線管のみを図示した
が、分光器やスリットを含んでもよい。
【0017】また、本装置は、以下の検量線作成手段2
2、検量線記憶手段23、検量線適用手段24、検量線
校正手段25を含む検量線制御手段26を備えている。
検量線作成手段22は、X線源4から発生させた1次X
線3を、組成が既知で相異なる複数の標準試料21の表
面21aにほぼ平行に照射して全反射させ、標準試料2
1中の各成分から発生する蛍光X線15の強度を蛍光X
線検出手段5に測定させ、それら測定強度と標準試料2
1における各成分の濃度との相関関係を、各成分ごとに
検量線としてあらかじめ求める。前記検量線記憶手段2
3は、その検量線を記憶する。そして、前記検量線適用
手段24は、X線源4から発生させた1次X線3を、分
析対象試料1の表面1aにほぼ平行に照射して全反射さ
せ、分析対象試料1中の各成分から発生する蛍光X線1
5の強度を蛍光X線検出手段5に測定させ、各測定強度
に検量線記憶手段23に記憶された検量線を適用して、
分析対象試料1における各成分の濃度を求める。
【0018】さらに、本装置は、蛍光X線検出手段5の
下方に設けられ、試料台2の表面2aと1次X線3との
なす角度を調整する角度調整器6と、やはり蛍光X線検
出手段5の下方に設けられ、試料台2の所定の基準線X
からの高さを調整する高さ調整器7とを備えている。高
さ調整器7は、試料1,21を1次X線3の進路から退
避させる退避手段7でもある。ここで、帯状の1次X線
3の中心線およびその延長線を、所定の基準線Xとす
る。なお、試料台2の高さには、例えば、基準線Xから
試料台2の表面2aの中心までの高さをとればよい。
【0019】また、本装置は、試料1,21よりも1次
X線3の進行方向側に位置して、1次X線3,8の強度
を測定する1次X線検出手段9,11,13を備える。
前記検量線校正手段25は、高さ調整器7により標準試
料21を1次X線3の進路から退避させて、前記標準試
料21の測定時の1次X線3の標準強度を1次X線検出
手段13にあらかじめ測定させ、高さ調整器7により分
析対象試料1を1次X線3の進路から退避させて、前記
分析対象試料1の測定時の1次X線3の分析時強度を1
次X線検出手段13に測定させ、分析時強度と標準強度
との比に基づいて、検量線記憶手段23に記憶された検
量線を校正する。
【0020】また、さらに、本装置は、所定の基準点O
から1次X線3の進行方向(図2において、右上へ向か
う方向)への第1、第2の距離x1 ,x2 において、そ
れぞれ通過孔9a,11aを設けられた第1、第2の遮
蔽板9,11と、1次X線3,8を検出する固定された
SPC等の1次X線検出器13とを備えている。ここ
で、蛍光X線検出手段5の中心軸Yと1次X線3の基準
線Xとの交点を、所定の基準点Oとし、第1、第2の遮
蔽板9,11は、蛍光X線検出手段5の中心軸Yと平行
であるそれぞれの中心軸Y1,Y2に沿って、それぞれ
第1、第2の移動手段10,12により、基準線Xから
の高さ方向に移動自在である。なお、第1、第2の遮蔽
板9,11の高さには、例えば、基準線Xからそれぞれ
の通過孔9a,11aの中心までの高さをとればよい。
【0021】第1の遮蔽板9と1次X線検出器13と
は、第1の1次X線検出手段を構成し、第2の遮蔽板1
1と1次X線検出器13とは、第2の1次X線検出手段
を構成し、試料表面1a,21aで反射した1次X線で
ある反射X線8について、それぞれ第1、第2の距離x
1 ,x2 において、基準線Xからの高さ方向の強度分布
を測定する。すなわち、第1の1次X線検出手段9,1
3と第2の1次X線検出手段11,13からなる1次X
線検出手段9,11,13は、試料1,21よりも1次
X線3の進行方向側に位置して、直接入射する1次X線
3のみならず、試料表面1a,21aで反射した1次X
線である反射X線8の強度をも測定するものである。
【0022】また、本装置は、それら測定された第1お
よび第2の強度分布から、その測定した試料1,21に
ついて蛍光X線検出手段5の直下の試料表面1a,21
aで全反射が起こるような試料台2の位置からのずれを
得て、そのずれを解消するように、角度調整器6および
高さ調整器7を制御する制御手段14を備えている。な
お、本発明において、「全反射が起こる」というとき
は、試料1,21への入射角θは、0度よりも大きく全
反射の臨界角よりも小さい範囲内にあるだけでなく、分
析においてS/N比が良好となるような適切な角度であ
ることが望ましい。
【0023】この装置を、以下のように用いれば、ま
ず、試料1,21への1次X線3の入射角θの設定がで
きる。すなわち、試料台2に固定された試料1,21
に、分析にも用いるX線源4から1次X線3を照射し、
試料表面1a,21aで反射した反射X線8について、
第1および第2の1次X線検出手段9,11,13によ
り、基準点Oから1次X線3の進行方向への第1および
第2の距離x1 ,x2 において、基準線Xからの高さ方
向の強度分布をそれぞれ測定する。次に、制御手段14
により、それら第1および第2の強度分布から、蛍光X
線検出手段5の直下の試料表面1a,21aで全反射が
起こるような試料台2の位置からのずれを得て、そのず
れを解消するように、蛍光X線検出手段5の下方におい
て、試料台の表面2aと1次X線3とのなす角度および
試料台2の基準線Xからの高さを調整する。この入射角
θの設定(試料台2の位置、すなわち高さおよび角度設
定)については、特願平8−188089号に、詳細に
開示されている。
【0024】第1実施形態の方法では、この入射角θの
設定に用いる1次X線検出手段9,11,13を、以下
のように、検量線の校正にも用いる。まず、検量線作成
手段22により、X線源4から発生させた1次X線3
を、組成が既知で相異なる複数の標準試料21の表面2
1aに、ほぼ平行に、すなわち前記制御手段14により
設定した適切な角度で入射させ全反射させ、標準試料2
1中の各成分から発生する蛍光X線15の強度IS を蛍
光X線検出手段5で測定し、それら測定強度と標準試料
21における各成分の濃度WS との相関関係を、各成分
ごとに、例えば図3のような検量線としてあらかじめ求
め、その検量線を検量線記憶手段23に記憶しておく。
ここで、各成分の濃度WS ,WA とは、前述したよう
に、通常図3や図4のように、atoms/cm2 を単位とし、
試料表面1a,21aの単位面積当たりの原子の数で表
示する。
【0025】この検量線は、1次X線3の強度がそのま
まであれば、分析対象試料1に対しても、そのまま検量
線適用手段23により適用できるが、前述したように、
1次X線3の強度は種々の原因で変化し得る。そこで、
本実施形態の方法では、試料1,21から発生する蛍光
X線15の強度が1次X線3の強度に比例することに基
づき、以下のように、検量線校正手段25により検量線
を校正して、分析対象試料1に適用する。
【0026】図1の正面図に示すように、まず、標準試
料21の測定時の1次X線3の標準強度iS も、標準試
料21よりも1次X線3の進行方向側に位置する1次X
線検出手段9,11,13で、標準試料21を1次X線
3の進路から退避させてあらかじめ測定しておく。すな
わち、高さ調整器(退避手段)7により、標準試料21
を1次X線3の進路から退避させ、第1、第2の移動手
段10,12により、第1、第2の遮蔽板9,11の高
さを基準線Xの高さとし、それらの通過孔9a,11a
に、1次X線3を通過させ、1次X線検出器13により
その強度を標準強度iS として測定しておく。
【0027】次に、分析対象試料1について、標準試料
21と同様に、図2に示すように、各成分から発生する
蛍光X線15の強度IA を蛍光X線検出手段5で測定
し、図1に示すように、測定時の1次X線3の強度を分
析時強度iA として、1次X線検出手段9,11,13
で、分析対象試料1を1次X線3の進路から退避させて
測定する。さらに、この分析時強度iA と前記標準強度
S との比iA /iS に基づいて、図3の検量線を校正
する。すなわち、図3の検量線を、蛍光X線の測定強度
の軸方向にiA /iS 倍だけ拡大または縮小して、図4
の検量線を作成する。例えば、図3のように、もとの検
量線が、原点と、測定強度ISMにおいて濃度W1 (atom
s/cm2 )の点とを通る直線であれば、図4のように、原
点と、測定強度ISM×iA /iS において濃度W1 (at
oms/cm2 )の点とを通る直線である検量線に校正され
る。
【0028】そして、この校正された図4の検量線が、
この分析対象試料1に対し適用すべき検量線として、も
との図3の検量線とは別に検量線記憶手段23に記憶さ
れる。検量線適用手段24は、各測定強度IA にその検
量線記憶手段23に記憶された校正した図4の検量線を
適用して、分析対象試料1における各成分の濃度WA
求める。なお、検量線は必ずしも図として表す必要はな
く、数式で表してももちろんよい。
【0029】この検量線の校正は、X線管のフィラメン
ト交換等、1次X線3の強度が明らかに変化する場合の
他、経時変化等を考慮して、毎日行ってもよいし、週1
回程度行ってもよく、必要に応じてその頻度は自由であ
る。また、1次X線3の標準強度iS や分析時強度iA
の測定は、試料21,1の蛍光X線15の強度IS ,I
A の測定の前でもよいし後でもよい。なお、「分析時強
度iA と標準強度iSとの比iA /iS に基づいて、図
3の検量線を校正する」と述べたが、前記説明とは逆
に、分析対象試料1の蛍光X線15の測定強度IA にi
S /iA を乗じて補正し、その補正された測定強度IA
×iS /iA に、図3の検量線をそのまま適用して、分
析対象試料1における各成分の濃度WA を求めるのも全
く同じことであり、本発明に含まれる。
【0030】第1実施形態の方法によれば、標準試料2
1の測定時の1次X線3の標準強度iS と、分析対象試
料1の測定時の1次X線3の分析時強度iA とを1次X
線検出手段9,11,13で測定し、両強度の比iA
S に基づいて検量線を校正するので、1次X線3の強
度が変化した場合に、標準試料21の再測定を行うこと
なく、短時間に検量線の校正ができる。例えば、従来、
標準試料21の再測定により検量線を校正するのには、
標準試料21の搬出入を含め30分程度要していたの
が、本実施形態の方法によれば、1分程度に短縮され
る。また、試料1,21への1次X線3の入射角設定に
用いる1次X線検出手段9,11,13を、検量線の校
正にも用いることができ、用いる装置の構成が複雑化し
ない。
【0031】次に、本発明の第2実施形態の全反射蛍光
X線分析方法を図面にしたがって説明する。まず、この
方法に用いる装置について説明する。図5の正面図に示
すように、この装置は、1次X線検出手段が、所定の基
準線Xからの高さ方向に移動自在であって1次X線3を
検出する単一の1次X線検出器31である点でのみ、前
記第1実施形態の方法に用いる装置と異なる。すなわ
ち、1次X線検出器31は、蛍光X線検出手段5の中心
軸Yと平行である軸Y3に受光面を沿わせつつ、第3の
移動手段32により、基準線Xからの高さ方向に移動自
在である。また、1次X線検出器31には比較的受光面
の小さいSPC等を用いるが、1次X線3の位置検出の
ために、受光面近傍にはスリットを備えることが望まし
い。なお、1次X線検出器31の高さには、例えば、基
準線Xから1次X線検出器31の中心軸までの高さをと
ればよい。
【0032】この装置を、以下のように用いれば、ま
ず、試料1,21への1次X線3の入射角θの設定がで
きる。すなわち、図5において実線で示すように、高さ
調整器7により、試料台2を1次X線3の進路から退避
させた状態で、X線源4から1次X線3を照射し、第3
の移動手段32により、1次X線検出器31を高さ方向
に移動させ、1次X線3を検出した高さを基準線Xの高
さとして確認する。次に、図5において2点鎖線で示す
ように、試料台2に固定された試料1,21を、高さ調
整器7により、1次X線3の進路に進入させ、X線源4
から1次X線3を照射し、第3の移動手段32により、
1次X線検出器31を高さ方向に移動させ、試料表面1
a,21aで反射した反射X線8を検出した高さを、反
射X線8の高さとする。
【0033】そして、制御手段14により、その反射X
線8の高さと前記基準線Xの高さとの差、すなわち反射
X線8の基準線Xからの高さy3 と、蛍光X線検出手段
5の軸Yから1次X線検出器31の移動軸Y3までの距
離x3 とから、θ=y3 /2x3 として、そのときの入
射角θが得られ、その角度から所定の前記適切な角度に
なるように、角度調整器6を用いて入射角θを設定す
る。なお、この方法においては、このままでは、試料
1,21の高さすなわち試料台2の高さについては厳密
には調整されない。必要があれば、光学変位センサ等を
用いた周知の方法を併用し、試料台2の高さも厳密に調
整される。
【0034】この第2実施形態の方法でも、前記第1実
施形態の方法と同様に、入射角θの設定に用いる1次X
線検出手段たる1次X線検出器31を、以下のように、
検量線の校正にも用いる。すなわち、検量線校正手段2
5により、標準試料21の測定時の1次X線3の標準強
度iS を、1次X線検出器31で、標準試料21を1次
X線3の進路から退避させてあらかじめ測定しておき、
分析対象試料1の測定時の1次X線3の分析時強度iA
を、1次X線検出器31で、分析対象試料1を1次X線
3の進路から退避させて測定する。その他の手順におい
ても、前記第1実施形態の方法と同様であるので、説明
を省略する。第2実施形態の方法によっても、前記第1
実施形態の方法と同様の作用効果がある。
【0035】なお、第2実施形態の方法では、入射角θ
の設定のために、1次X線検出器31を上下に移動さ
せ、試料表面1a,21aで反射した1次X線である反
射X線8も1次X線検出器31で検出するが、試料で遮
断、反射されない1次X線のみを検出し、反射X線の検
出が不要である入射角の設定方法もある(特開平4−2
08900号等)。このような入射角の設定方法が適用
される全反射蛍光X線分析装置に対しては、本発明の分
析方法の適用においても、1次X線検出器は、試料で遮
断、反射されない1次X線のみを検出できるよう固定さ
れていれば足りる。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、標準試料の測定時の1次X線の標準強度と、分析
対象試料の測定時の1次X線の分析時強度とを1次X線
検出手段で測定し、両強度の比に基づいて検量線を校正
するので、1次X線の強度が変化した場合に、標準試料
の再測定を行うことなく、短時間に検量線の校正ができ
る。特に、入射角設定のために、1次X線を検出する1
次X線検出手段を備える装置に対しては、その1次X線
検出手段を、検量線の校正にも用いることができ、用い
る装置の構成が複雑化しないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全反射蛍光X線分析方
法に用いる装置を示す正面図である。
【図2】同装置の別の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態の全反射蛍光X線分析方
法において、最初に作成された検量線を示す図である。
【図4】同方法によって、校正された検量線を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2実施形態の全反射蛍光X線分析方
法に用いる装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1…分析対象試料、1a…分析対象試料の表面、3…1
次X線、4…X線源、5…蛍光X線検出手段、7…退避
手段(高さ調整器)、8…反射X線、9,11,13,
31…1次X線検出手段、9,13…第1の1次X線検
出手段、9…第1の遮蔽板、9a…第1の遮蔽板の通過
孔、11,13…第2の1次X線検出手段、11…第2
の遮蔽板、11a…第2の遮蔽板の通過孔、13…固定
された1次X線検出器、15…蛍光X線、21…標準試
料、21a…標準試料の表面、22…検量線作成手段、
23…検量線記憶手段、24…検量線適用手段、25…
検量線校正手段、31…高さ方向に移動自在である1次
X線検出器、IA …分析対象試料中の各成分から発生す
る蛍光X線の測定強度、IS …標準試料中の各成分から
発生する蛍光X線の測定強度、iA …1次X線の分析時
強度、iS …1次X線の標準強度、O…所定の基準点、
A …分析対象試料における各成分の濃度、WS …標準
試料における各成分の濃度、X…所定の基準線、x1
第1の距離、x2 …第2の距離。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源から発生させた1次X線を、組成
    が既知で相異なる複数の標準試料の表面にほぼ平行に照
    射して全反射させ、 標準試料中の各成分から発生する蛍光X線の強度を蛍光
    X線検出手段で測定し、 それら測定強度と標準試料における各成分の濃度との相
    関関係を、各成分ごとに検量線としてあらかじめ求めて
    おき、 前記X線源から発生させた1次X線を、分析対象試料の
    表面にほぼ平行に照射して全反射させ、 分析対象試料中の各成分から発生する蛍光X線の強度を
    前記蛍光X線検出手段で測定し、 各測定強度に前記検量線を適用して、分析対象試料にお
    ける各成分の濃度を求める全反射蛍光X線分析方法にお
    いて、 前記標準試料の測定時の1次X線の標準強度を、標準試
    料よりも1次X線の進行方向側に位置する1次X線検出
    手段で、標準試料を1次X線の進路から退避させてあら
    かじめ測定しておき、 前記分析対象試料の測定時の1次X線の分析時強度を、
    前記1次X線検出手段で、分析対象試料を1次X線の進
    路から退避させて測定し、 前記分析時強度と標準強度との比に基づいて、前記検量
    線を校正することを特徴とする全反射蛍光X線分析方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記1次X線検出手
    段が、第1の1次X線検出手段および第2の1次X線検
    出手段からなり、 前記第1の1次X線検出手段が、所定の基準点から1次
    X線の進行方向への第1の距離において所定の基準線か
    らの高さ方向に移動自在であって通過孔を設けられた第
    1の遮蔽板と、1次X線を検出する固定された1次X線
    検出器とから構成され、 前記第2の1次X線検出手段が、前記基準点から1次X
    線の進行方向への第2の距離において前記基準線からの
    高さ方向に移動自在であって通過孔を設けられた第2の
    遮蔽板と、前記固定された1次X線検出器とから構成さ
    れ、 前記標準試料または分析対象試料の表面で反射した1次
    X線である反射X線についても、前記1次X線検出手段
    で検出する全反射蛍光X線分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記1次X線検出手
    段が、所定の基準線からの高さ方向に移動自在であって
    1次X線を検出する1次X線検出器であり、 前記標準試料または分析対象試料の表面で反射した1次
    X線である反射X線についても、前記1次X線検出手段
    で検出する全反射蛍光X線分析方法。
  4. 【請求項4】 1次X線を発生するX線源と、 1次X線が照射された試料から発生する蛍光X線の強度
    を測定する蛍光X線検出手段と、 前記X線源から発生させた1次X線を、組成が既知で相
    異なる複数の標準試料の表面にほぼ平行に照射して全反
    射させ、標準試料中の各成分から発生する蛍光X線の強
    度を前記蛍光X線検出手段に測定させ、それら測定強度
    と標準試料における各成分の濃度との相関関係を、各成
    分ごとに検量線としてあらかじめ求める検量線作成手段
    と、 その検量線を記憶する検量線記憶手段と、 前記X線源から発生させた1次X線を、分析対象試料の
    表面にほぼ平行に照射して全反射させ、分析対象試料中
    の各成分から発生する蛍光X線の強度を前記蛍光X線検
    出手段に測定させ、各測定強度に前記検量線記憶手段に
    記憶された検量線を適用して、分析対象試料における各
    成分の濃度を求める検量線適用手段と、試料を1次X線
    の進路から退避させる退避手段と、 試料よりも1次X線の進行方向側に位置して、1次X線
    の強度を測定する1次X線検出手段と、 前記退避手段により標準試料を1次X線の進路から退避
    させて、前記標準試料の測定時の1次X線の標準強度を
    前記1次X線検出手段にあらかじめ測定させ、前記退避
    手段により分析対象試料を1次X線の進路から退避させ
    て、前記分析対象試料の測定時の1次X線の分析時強度
    を前記1次X線検出手段に測定させ、前記分析時強度と
    標準強度との比に基づいて、前記検量線記憶手段に記憶
    された検量線を校正する検量線校正手段とを備えた全反
    射蛍光X線分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記1次X線検出手
    段が、第1の1次X線検出手段および第2の1次X線検
    出手段からなり、 前記第1の1次X線検出手段が、所定の基準点から1次
    X線の進行方向への第1の距離において所定の基準線か
    らの高さ方向に移動自在であって通過孔を設けられた第
    1の遮蔽板と、1次X線を検出する固定された1次X線
    検出器とから構成され、 前記第2の1次X線検出手段が、前記基準点から1次X
    線の進行方向への第2の距離において前記基準線からの
    高さ方向に移動自在であって通過孔を設けられた第2の
    遮蔽板と、前記固定された1次X線検出器とから構成さ
    れ、 前記1次X線検出手段が、試料の表面で反射した1次X
    線である反射X線についても検出するものである全反射
    蛍光X線分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記1次X線検出手
    段が、所定の基準線からの高さ方向に移動自在であって
    1次X線を検出する1次X線検出器であり、前記1次X
    線検出手段が、試料の表面で反射した1次X線である反
    射X線についても検出するものである全反射蛍光X線分
    析装置。
JP12194197A 1997-05-13 1997-05-13 全反射蛍光x線分析方法および装置 Pending JPH10311809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12194197A JPH10311809A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 全反射蛍光x線分析方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12194197A JPH10311809A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 全反射蛍光x線分析方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10311809A true JPH10311809A (ja) 1998-11-24

Family

ID=14823726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12194197A Pending JPH10311809A (ja) 1997-05-13 1997-05-13 全反射蛍光x線分析方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10311809A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510479A (ja) * 2005-10-04 2009-03-12 サーモ ニトン アナライザーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 多層材料の元素組成及び厚みの分析

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510479A (ja) * 2005-10-04 2009-03-12 サーモ ニトン アナライザーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 多層材料の元素組成及び厚みの分析

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6435577B2 (ja) 蛍光x線分析装置
TWI395943B (zh) 用於分析具有一表面層之一樣品之裝置及方法,及用於生產微電子器件之叢集工具及裝置
US6947520B2 (en) Beam centering and angle calibration for X-ray reflectometry
US7600916B2 (en) Target alignment for X-ray scattering measurements
WO2001023873A1 (en) X-ray microanalyzer for thin films
WO1997006430A1 (en) Method and apparatus for total reflection x-ray fluorescence spectroscopy
JP2954819B2 (ja) 全反射蛍光x線分析装置の校正方法
US7474732B2 (en) Calibration of X-ray reflectometry system
US20090268877A1 (en) Method and system for calibrating an x-ray photoelectron spectroscopy measurement
JP2002189004A (ja) X線分析装置
JP3968350B2 (ja) X線回折装置及び方法
JPH10311809A (ja) 全反射蛍光x線分析方法および装置
JP2000283933A (ja) 蛍光x線分析装置
JP2905448B2 (ja) X線分析における試料台の位置設定方法および装置
US6845147B2 (en) Scatter spectra method for x-ray fluorescent analysis with optical components
JP7153324B2 (ja) 元素分析方法
JP3127875B2 (ja) 全反射螢光x線分析方法及び装置
JP2978460B2 (ja) 全反射蛍光x線分析における入射角設定方法および装置
JP3270829B2 (ja) 蛍光x線分析装置
JP3840503B2 (ja) X線分析方法および装置
JPH05119000A (ja) 蛍光x線分析装置
JP3312002B2 (ja) 蛍光x線分析装置
JPH1183766A (ja) X線反射率測定装置
JPH0763668A (ja) 化合物組成比測定装置
JPH04208900A (ja) エネルギ線の照射角設定方法