JPH11172071A - フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板 - Google Patents
フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板Info
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- JPH11172071A JPH11172071A JP9341789A JP34178997A JPH11172071A JP H11172071 A JPH11172071 A JP H11172071A JP 9341789 A JP9341789 A JP 9341789A JP 34178997 A JP34178997 A JP 34178997A JP H11172071 A JPH11172071 A JP H11172071A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 打抜加工性、難燃性が従来のフェノール樹脂
積層板と同等な特性を有し、耐トラッキング性に優れた
フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂
積層板を提供する。 【解決手段】 フェノール類100重量部に対し植物油
40〜50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂1
00重量部に対し、ベンゾグアナミン変性ノボラック樹
脂15〜40重量部を必須成分として含むフェノール樹
脂組成物。このフェノール樹脂組成物のワニスを基材に
含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ、加熱加圧してフ
ェノール樹脂積層板とする。
積層板と同等な特性を有し、耐トラッキング性に優れた
フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂
積層板を提供する。 【解決手段】 フェノール類100重量部に対し植物油
40〜50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂1
00重量部に対し、ベンゾグアナミン変性ノボラック樹
脂15〜40重量部を必須成分として含むフェノール樹
脂組成物。このフェノール樹脂組成物のワニスを基材に
含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ、加熱加圧してフ
ェノール樹脂積層板とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール樹脂組
成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板に関する。
成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂積層板は、フェノール類
とアルデヒド類とをアルカリ触媒の存在下に反応させて
得られるレゾール樹脂を、基材に含浸乾燥してプリプレ
グとし、このプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧した
ものである。民生用電子機器の小型高機能化が進み、そ
れに用いられる印刷配線板は高密度、微細配線化する傾
向にある。これに伴って、印刷配線板に用いられる銅張
積層板には、高密度実装が可能であることが要求されて
いる。このため、はんだ耐熱性等に対する要求レベルが
より厳しいものになって来ている。さらに実装技術の進
歩により、厳しい寸法精度が要求されるようになり、こ
の要求を満たすために低温打抜加工が行われるようにな
っている。さらにテレビなどの高電圧が印加される機器
の場合には、安全性を確保する立場から耐トラッキング
性が要求されるようになった。トラッキングとは絶縁物
表面上の電位差のある部分に炭化導電路を形成する現象
である。
とアルデヒド類とをアルカリ触媒の存在下に反応させて
得られるレゾール樹脂を、基材に含浸乾燥してプリプレ
グとし、このプリプレグを所定枚数重ねて加熱加圧した
ものである。民生用電子機器の小型高機能化が進み、そ
れに用いられる印刷配線板は高密度、微細配線化する傾
向にある。これに伴って、印刷配線板に用いられる銅張
積層板には、高密度実装が可能であることが要求されて
いる。このため、はんだ耐熱性等に対する要求レベルが
より厳しいものになって来ている。さらに実装技術の進
歩により、厳しい寸法精度が要求されるようになり、こ
の要求を満たすために低温打抜加工が行われるようにな
っている。さらにテレビなどの高電圧が印加される機器
の場合には、安全性を確保する立場から耐トラッキング
性が要求されるようになった。トラッキングとは絶縁物
表面上の電位差のある部分に炭化導電路を形成する現象
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フェノール樹脂積層板
に使用する樹脂は、フェノール樹脂の植物油変性量を増
加すると、耐トラッキング性が向上することが知られて
いる。 しかし、植物油変性量を増加することには、限
界があり、難燃性等の特性も低下する。TV等に使用さ
れるフェノール樹脂積層板は、高い電圧がかかるため、
耐トラッキング性に優れたものが要求される。本発明
は、打抜加工性、難燃性が従来のフェノール樹脂積層板
と同等な特性を有し、耐トラッキング性に優れたフェノ
ール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板
を提供することを課題とした。
に使用する樹脂は、フェノール樹脂の植物油変性量を増
加すると、耐トラッキング性が向上することが知られて
いる。 しかし、植物油変性量を増加することには、限
界があり、難燃性等の特性も低下する。TV等に使用さ
れるフェノール樹脂積層板は、高い電圧がかかるため、
耐トラッキング性に優れたものが要求される。本発明
は、打抜加工性、難燃性が従来のフェノール樹脂積層板
と同等な特性を有し、耐トラッキング性に優れたフェノ
ール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板
を提供することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール類
100重量部に対し植物油40〜50重量部からなる植
物油変性フェノール樹脂100重量部に対し、ベンゾグ
アナミン変性ノボラック樹脂15〜40重量部を必須成
分として含むフェノール樹脂組成物である。そして、本
発明は、前記のフェノール樹脂組成物のワニスを基材に
含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ、加熱加圧してな
るフェノール樹脂積層板である。本発明は、特定量の植
物油で変性したフェノール樹脂に特定量のベンゾグアナ
ミン変性ノボラック樹脂を併用することで、従来のフェ
ノール樹脂積層板と打抜加工性、難燃性が同等で、しか
も耐トラッキング性に優れたフェノール樹脂組成物及び
それを用いたフェノール樹脂積層板を提供することがで
きる。
100重量部に対し植物油40〜50重量部からなる植
物油変性フェノール樹脂100重量部に対し、ベンゾグ
アナミン変性ノボラック樹脂15〜40重量部を必須成
分として含むフェノール樹脂組成物である。そして、本
発明は、前記のフェノール樹脂組成物のワニスを基材に
含浸乾燥したプリプレグを重ね合わせ、加熱加圧してな
るフェノール樹脂積層板である。本発明は、特定量の植
物油で変性したフェノール樹脂に特定量のベンゾグアナ
ミン変性ノボラック樹脂を併用することで、従来のフェ
ノール樹脂積層板と打抜加工性、難燃性が同等で、しか
も耐トラッキング性に優れたフェノール樹脂組成物及び
それを用いたフェノール樹脂積層板を提供することがで
きる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用する植物油変性フェ
ノール樹脂は、フェノール類と植物油とを酸触媒の存在
下に反応させ、次いで、アルデヒド類をアルカリ触媒の
存在下に反応させることにより、植物油変性フェノール
樹脂が得られる。本発明で用いる植物油変性フェノール
樹脂は、フェノール類100重量部に対し植物油40〜
50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂とする必
要がある。植物油が40重量部未満では、打抜加工性に
劣り、50重量部を超えると難燃性に劣る傾向がある。
植物油としては、乾性油を用いることが好ましく、これ
らの例として、桐油、アマニ油、脱水ヒマシ油、オイチ
シカ油等が例示される。フェノール類としては、フェノ
ール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルソクレゾ
ール、イソプロピルフェノール、パラターシャリーブチ
ルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA等
が使用される。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラア
セトアルデヒド、ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、特に制限されるも
のではない。一般にはホルムアルデヒド又はパラホルム
アルデヒドが使用される。
ノール樹脂は、フェノール類と植物油とを酸触媒の存在
下に反応させ、次いで、アルデヒド類をアルカリ触媒の
存在下に反応させることにより、植物油変性フェノール
樹脂が得られる。本発明で用いる植物油変性フェノール
樹脂は、フェノール類100重量部に対し植物油40〜
50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂とする必
要がある。植物油が40重量部未満では、打抜加工性に
劣り、50重量部を超えると難燃性に劣る傾向がある。
植物油としては、乾性油を用いることが好ましく、これ
らの例として、桐油、アマニ油、脱水ヒマシ油、オイチ
シカ油等が例示される。フェノール類としては、フェノ
ール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルソクレゾ
ール、イソプロピルフェノール、パラターシャリーブチ
ルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA等
が使用される。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラア
セトアルデヒド、ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、特に制限されるも
のではない。一般にはホルムアルデヒド又はパラホルム
アルデヒドが使用される。
【0006】ベンゾグアナミン変性ノボラック樹脂とし
ては、市販品が使用でき、ベンゾグアナミン変性率が1
0〜30重量%のものが好ましい。ベンソグアナミン変
性率が10重量%未満であると効果が認められず、30
重量%を超えると打ち抜き加工性が悪くなる傾向にあ
る。このような点から、ベンゾグアナミン変性率が15
〜25重量%のものがもっとも好ましい。ベンゾグアナ
ミン変性ノボラック樹脂は、フェノール類、ベンゾグア
ナミン、アルデヒドより合成される。フェノール類とベ
ンゾグアナミンとの重量比は、フェノール類/ベンゾグ
アナミン=30〜95/70〜5とするのが好ましい。
フェノール類が30重量比より少ないと樹脂化が困難と
なり、95重量比を超えるとベンゾグアナミン配合の効
果が薄くなる。フェノール類とベンゾグアナミンに対す
るアルデヒド類のモル比は1:0.4〜0.8が好まし
い。これらの反応は、pH4〜10の範囲で行うことが
できるが、ベンゾグアナミンは塩基性溶液に溶解性が高
いので塩基性触媒を用いて反応させることが好ましい。
これらの反応は、60〜120℃で1〜6時間反応させ
る。ベンゾグアナミン変性ノボラック樹脂は、植物油変
性フェノール樹脂と反応して難燃性に寄与する。このこ
とから、植物油変性フェノール樹脂100重量部に対
し、15〜40重量部の範囲で配合するのが好ましい。
植物油変性フェノール樹脂100重量部に対する配合量
が15重量部未満であると難燃性付与の効果が不充分と
なり、40重量部を超えると打ち抜き加工性が悪くなる
傾向にある。このことから、植物油変性フェノール樹脂
100重量部に対し、20〜30重量部の範囲で配合す
ることがより好ましい。
ては、市販品が使用でき、ベンゾグアナミン変性率が1
0〜30重量%のものが好ましい。ベンソグアナミン変
性率が10重量%未満であると効果が認められず、30
重量%を超えると打ち抜き加工性が悪くなる傾向にあ
る。このような点から、ベンゾグアナミン変性率が15
〜25重量%のものがもっとも好ましい。ベンゾグアナ
ミン変性ノボラック樹脂は、フェノール類、ベンゾグア
ナミン、アルデヒドより合成される。フェノール類とベ
ンゾグアナミンとの重量比は、フェノール類/ベンゾグ
アナミン=30〜95/70〜5とするのが好ましい。
フェノール類が30重量比より少ないと樹脂化が困難と
なり、95重量比を超えるとベンゾグアナミン配合の効
果が薄くなる。フェノール類とベンゾグアナミンに対す
るアルデヒド類のモル比は1:0.4〜0.8が好まし
い。これらの反応は、pH4〜10の範囲で行うことが
できるが、ベンゾグアナミンは塩基性溶液に溶解性が高
いので塩基性触媒を用いて反応させることが好ましい。
これらの反応は、60〜120℃で1〜6時間反応させ
る。ベンゾグアナミン変性ノボラック樹脂は、植物油変
性フェノール樹脂と反応して難燃性に寄与する。このこ
とから、植物油変性フェノール樹脂100重量部に対
し、15〜40重量部の範囲で配合するのが好ましい。
植物油変性フェノール樹脂100重量部に対する配合量
が15重量部未満であると難燃性付与の効果が不充分と
なり、40重量部を超えると打ち抜き加工性が悪くなる
傾向にある。このことから、植物油変性フェノール樹脂
100重量部に対し、20〜30重量部の範囲で配合す
ることがより好ましい。
【0007】本発明では、植物油変性フェノール樹脂と
ベンゾグアナミン変性ノボラック樹脂の他に難燃剤を配
合し、難燃性を付与することができる。このような難燃
剤としてリン系難燃剤が挙げられ、リン系難燃剤として
は、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、縮合
リン酸エステル、ポリリン酸エステル等が使用される。
なかでも、トリフェニルホスフェイトを用いるのが安価
であることから好ましい。リン系難燃剤は、レゾール樹
脂100重量部に対し、10〜100重量部の範囲で配
合するのが好ましい。レゾール樹脂100重量部に対す
る配合量が10重量部未満であると、配合する効果が小
さく、100重量部を超えると打ち抜き加工性が悪くな
り、また、吸水率など他の特性が低下する傾向を示す。
リン系難燃剤のほか、他の難燃剤、例えば、水駿化アル
ミニウムのような無機充填剤系難燃剤、ブロム化エポキ
シ樹脂のような臭素系難燃剤、メラミンのようなチッ素
系難燃剤を、全組成物100重量部のうち、30重量部
までの範囲で配合することもできる。これらリン系難燃
剤以外の難燃剤を配合すると、相乗作用により少量の配
合で難燃性をより高めることができ、難燃剤の配合量を
少なくすることができる。これらリン系難燃剤以外の難
燃剤の配合量が30重量部を超えると、打ち抜き加工
性、耐熱性が悪くなる傾向を示す。
ベンゾグアナミン変性ノボラック樹脂の他に難燃剤を配
合し、難燃性を付与することができる。このような難燃
剤としてリン系難燃剤が挙げられ、リン系難燃剤として
は、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、縮合
リン酸エステル、ポリリン酸エステル等が使用される。
なかでも、トリフェニルホスフェイトを用いるのが安価
であることから好ましい。リン系難燃剤は、レゾール樹
脂100重量部に対し、10〜100重量部の範囲で配
合するのが好ましい。レゾール樹脂100重量部に対す
る配合量が10重量部未満であると、配合する効果が小
さく、100重量部を超えると打ち抜き加工性が悪くな
り、また、吸水率など他の特性が低下する傾向を示す。
リン系難燃剤のほか、他の難燃剤、例えば、水駿化アル
ミニウムのような無機充填剤系難燃剤、ブロム化エポキ
シ樹脂のような臭素系難燃剤、メラミンのようなチッ素
系難燃剤を、全組成物100重量部のうち、30重量部
までの範囲で配合することもできる。これらリン系難燃
剤以外の難燃剤を配合すると、相乗作用により少量の配
合で難燃性をより高めることができ、難燃剤の配合量を
少なくすることができる。これらリン系難燃剤以外の難
燃剤の配合量が30重量部を超えると、打ち抜き加工
性、耐熱性が悪くなる傾向を示す。
【0008】本発明のフェノール樹脂組成物は溶剤に溶
解ないし分散させワニスとして基材に含浸される。ワニ
スにするときの溶剤としては、トルエン、メタノール、
メチルエチルケトン、2−メトキシエタノール、アセト
ン、スチレン等が用いられる。
解ないし分散させワニスとして基材に含浸される。ワニ
スにするときの溶剤としては、トルエン、メタノール、
メチルエチルケトン、2−メトキシエタノール、アセト
ン、スチレン等が用いられる。
【0009】ワニスを含浸する基材としては、打抜加工
性の点から、紙系基材を用いるのが好ましい。紙系基材
としては、クラフトパルプを抄造して得られるクラフト
紙が主に用いられるが、コットンリンター紙、リンター
とクラフトパルプの混抄紙、ガラスペーパー、ガラス不
織布、ガラス繊維と紙繊維の混抄紙等も使用できる。こ
れらの基材は、あらかじめ水溶性フェノール樹脂で処理
しておくことが好ましい。
性の点から、紙系基材を用いるのが好ましい。紙系基材
としては、クラフトパルプを抄造して得られるクラフト
紙が主に用いられるが、コットンリンター紙、リンター
とクラフトパルプの混抄紙、ガラスペーパー、ガラス不
織布、ガラス繊維と紙繊維の混抄紙等も使用できる。こ
れらの基材は、あらかじめ水溶性フェノール樹脂で処理
しておくことが好ましい。
【0010】前記のワニスを基材に含浸乾燥してプリプ
レグとし、得られたプリプレグを所定枚数重ね、その上
に銅箔を重ね、温度150〜180℃、圧力9〜20M
Paで加熱加圧してフェノール樹脂積層板とする。
レグとし、得られたプリプレグを所定枚数重ね、その上
に銅箔を重ね、温度150〜180℃、圧力9〜20M
Paで加熱加圧してフェノール樹脂積層板とする。
【0011】本発明のフェノール樹脂組成物とフェノー
ル樹脂積層板は、フェノール類100重量部に対し植物
油40〜50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂
100重量部に対し、ベンゾグアナミン変性ノボラック
樹脂15〜40重量部を必須成分として含むようにした
ことで、従来のフェノール樹脂積層板が有していた特性
を失わずに耐トラッキング性が向上する。フェノール樹
脂の耐トラッキング性は、フェノール樹脂のベンゼン環
が炭化しやすいためにそれが導電路となり導通しやすく
なり、耐トラッキング性に劣ると考えられる。これに対
し、本発明では、フェノールが有するベンゼン環に比
べ、ベンゾグアナミンが有するトリアジン環が炭化され
にくいため耐トラッキング性が向上すると考えられる。
ル樹脂積層板は、フェノール類100重量部に対し植物
油40〜50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂
100重量部に対し、ベンゾグアナミン変性ノボラック
樹脂15〜40重量部を必須成分として含むようにした
ことで、従来のフェノール樹脂積層板が有していた特性
を失わずに耐トラッキング性が向上する。フェノール樹
脂の耐トラッキング性は、フェノール樹脂のベンゼン環
が炭化しやすいためにそれが導電路となり導通しやすく
なり、耐トラッキング性に劣ると考えられる。これに対
し、本発明では、フェノールが有するベンゼン環に比
べ、ベンゾグアナミンが有するトリアジン環が炭化され
にくいため耐トラッキング性が向上すると考えられる。
【0012】
【実施例】(実施例)桐油150gとフェノール280
g、p−トルエンスルホン酸0.2gを反応釜に仕込
み、90℃で1時間反応させ、次いでパラホルムアルデ
ヒド200g、アンモニア水30gを加えて75℃で2
時間反応させて桐油変性率35重量%の桐油変性レゾー
ル樹脂を得た。桐油変性レゾール樹脂100重量部にベ
ンゾグアナミン変性率が20重量%のベンゾグアナミン
変性ノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社
製、LA7051(商品名))30重量部、トリフェニ
ルホスフェイト15重量部を、メタノール及びトルエン
等量の混合溶剤に溶解して、樹脂分50重量%のワニス
とした。厚さ0.2mm、坪量125g/m2のクラフ
ト紙にあらかじめ水溶性フェノール樹脂(日立化成工業
株式会社製、VP−03N(商品名))を、付着量が1
2重量%となるように付着させ、次に、前記ワニスを、
乾燥後の全樹脂付着量が、50重量%になるように含
浸、乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ8
枚を重ね、その片側に銅箔の厚さが35μmで、接着剤
付の銅箔を接着剤層がプリプレグ側となるようにして重
ね、温度170℃、圧力15MPaで90分間加熱加圧
して、厚さ1.6mmの片面銅張積層板を得た。
g、p−トルエンスルホン酸0.2gを反応釜に仕込
み、90℃で1時間反応させ、次いでパラホルムアルデ
ヒド200g、アンモニア水30gを加えて75℃で2
時間反応させて桐油変性率35重量%の桐油変性レゾー
ル樹脂を得た。桐油変性レゾール樹脂100重量部にベ
ンゾグアナミン変性率が20重量%のベンゾグアナミン
変性ノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社
製、LA7051(商品名))30重量部、トリフェニ
ルホスフェイト15重量部を、メタノール及びトルエン
等量の混合溶剤に溶解して、樹脂分50重量%のワニス
とした。厚さ0.2mm、坪量125g/m2のクラフ
ト紙にあらかじめ水溶性フェノール樹脂(日立化成工業
株式会社製、VP−03N(商品名))を、付着量が1
2重量%となるように付着させ、次に、前記ワニスを、
乾燥後の全樹脂付着量が、50重量%になるように含
浸、乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ8
枚を重ね、その片側に銅箔の厚さが35μmで、接着剤
付の銅箔を接着剤層がプリプレグ側となるようにして重
ね、温度170℃、圧力15MPaで90分間加熱加圧
して、厚さ1.6mmの片面銅張積層板を得た。
【0013】(比較例)ベンゾグアナミン変性ノボラッ
ク樹脂を配合しないほか実施例と同様にして厚さ1.6
mmの片面銅張積層板を得た。
ク樹脂を配合しないほか実施例と同様にして厚さ1.6
mmの片面銅張積層板を得た。
【0014】以上で得られた片面銅張積層板について、
耐トラッキング性、難燃性及び打抜加工性を評価した。
その結果を表1に示す。なお、試験方法は、以下に示す
とおりとした。耐トラッキング性の測定は、IEC法に
準じて行い、銅箔面をパターン間隔が0.4mmになる
ようにエッチングした50mm×50mmの試験片を作
製し、パターンに電極をセットし、一定電圧を印加しな
がら30秒間隔で塩化アンモニウムの0.1重量%電解
液を注射器から滴下し、試験面がトラッキング破壊する
までの滴下数を求めた。次に電圧を変えて電圧と滴下数
の関係曲線を作り、50滴に対応する電圧(C.T.
I)を求めた。難燃性は、得られた片面銅張積層板か
ら、銅箔を全面エッチングして、127mm×12.7
mmの試験片を切り出した。この試験片を長辺が垂直に
なるように保持し、バーナーにより下から10秒接炎を
2回繰り返し、消炎するまでの時間を測定した。難燃性
の試験は、試験片数5個について行い、その平均値、及
び測定値の幅(かっこ内)を示した。打抜加工性は、試
験片の表面温度を変えて、ポンチ径1.0〜1.2m
m、穴間ピッチ2.54mm、24穴の試験用金型を用
い、1枚重ねて打抜加工した。そして、穴周辺の目視観
察し、その状態を記号で示した。 ○:剥離、目白なし △:剥離、目白若干有り ×:剥離、目白大
耐トラッキング性、難燃性及び打抜加工性を評価した。
その結果を表1に示す。なお、試験方法は、以下に示す
とおりとした。耐トラッキング性の測定は、IEC法に
準じて行い、銅箔面をパターン間隔が0.4mmになる
ようにエッチングした50mm×50mmの試験片を作
製し、パターンに電極をセットし、一定電圧を印加しな
がら30秒間隔で塩化アンモニウムの0.1重量%電解
液を注射器から滴下し、試験面がトラッキング破壊する
までの滴下数を求めた。次に電圧を変えて電圧と滴下数
の関係曲線を作り、50滴に対応する電圧(C.T.
I)を求めた。難燃性は、得られた片面銅張積層板か
ら、銅箔を全面エッチングして、127mm×12.7
mmの試験片を切り出した。この試験片を長辺が垂直に
なるように保持し、バーナーにより下から10秒接炎を
2回繰り返し、消炎するまでの時間を測定した。難燃性
の試験は、試験片数5個について行い、その平均値、及
び測定値の幅(かっこ内)を示した。打抜加工性は、試
験片の表面温度を変えて、ポンチ径1.0〜1.2m
m、穴間ピッチ2.54mm、24穴の試験用金型を用
い、1枚重ねて打抜加工した。そして、穴周辺の目視観
察し、その状態を記号で示した。 ○:剥離、目白なし △:剥離、目白若干有り ×:剥離、目白大
【0015】
【表1】 項目 実施例 比較例 耐トラッキング性(V) 240 200 難燃性(秒) 1.1(0〜5) 1.5(0〜6) 打抜加工性( 20℃) △ △ 〃 ( 40℃) △ △ 〃 ( 60℃) ○〜△ ○〜△ 〃 ( 80℃) ○〜△ ○〜△ 〃 (100℃) ○〜△ ○〜△
【0016】
【発明の効果】本発明になるフェノール樹脂組成物を用
いることにより、難燃性及び打ち抜き加工性共に若干優
れ、かつ耐トラッキング性に優れたフェノール樹脂積層
板を得ることができる。
いることにより、難燃性及び打ち抜き加工性共に若干優
れ、かつ耐トラッキング性に優れたフェノール樹脂積層
板を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 フェノール類100重量部に対し植物油
40〜50重量部からなる植物油変性フェノール樹脂1
00重量部に対し、ベンゾグアナミン変性ノボラック樹
脂15〜40重量部を必須成分として含むフェノール樹
脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載のフェノール樹脂組成物
のワニスを基材に含浸乾燥したプリプレグを重ね合わ
せ、加熱加圧してなるフェノール樹脂積層板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9341789A JPH11172071A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9341789A JPH11172071A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11172071A true JPH11172071A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18348779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9341789A Pending JPH11172071A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | フェノール樹脂組成物及びそれを用いたフェノール樹脂積層板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11172071A (ja) |
-
1997
- 1997-12-12 JP JP9341789A patent/JPH11172071A/ja active Pending
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