JPH11171996A - 芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法 - Google Patents
芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法Info
- Publication number
- JPH11171996A JPH11171996A JP9342789A JP34278997A JPH11171996A JP H11171996 A JPH11171996 A JP H11171996A JP 9342789 A JP9342789 A JP 9342789A JP 34278997 A JP34278997 A JP 34278997A JP H11171996 A JPH11171996 A JP H11171996A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polar solvent
- filtration
- organic polar
- sulfide polymer
- aromatic sulfide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 オリゴマー成分の少ないより精製された芳香
族スルフィド重合体を効率よく得ることのできる芳香族
スルフィド重合体スラリーの濾過方法を提供すること。 【解決手段】 有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重
合体スラリー、好ましくは酸を添加したスラリーを、有
機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機塩、例えば塩化
ナトリウム、塩化カリウムを濾過の基礎層に用いて濾過
する。
族スルフィド重合体を効率よく得ることのできる芳香族
スルフィド重合体スラリーの濾過方法を提供すること。 【解決手段】 有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重
合体スラリー、好ましくは酸を添加したスラリーを、有
機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機塩、例えば塩化
ナトリウム、塩化カリウムを濾過の基礎層に用いて濾過
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンス
ルフィド(PPSと略する)に代表される有機極性溶媒
を含む芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法に関
するものである。さらに具体的には、本発明は、有機極
性溶媒を含む芳香族スルフィド重合スラリーを濾過する
際において、有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機
塩を基礎層に用いることにより、芳香族スルフィド重合
体の微粒子による濾材の目詰まりを防止し、濾過効率を
向上させることができる芳香族スルフィド重合体スラリ
ーの濾過方法を提供するものである。なお、ここで言う
濾過効率の向上とは、濾過速度の向上、濾過後の形成ケ
ーキ中の溶媒含有率の低減を言う。
ルフィド(PPSと略する)に代表される有機極性溶媒
を含む芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法に関
するものである。さらに具体的には、本発明は、有機極
性溶媒を含む芳香族スルフィド重合スラリーを濾過する
際において、有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機
塩を基礎層に用いることにより、芳香族スルフィド重合
体の微粒子による濾材の目詰まりを防止し、濾過効率を
向上させることができる芳香族スルフィド重合体スラリ
ーの濾過方法を提供するものである。なお、ここで言う
濾過効率の向上とは、濾過速度の向上、濾過後の形成ケ
ーキ中の溶媒含有率の低減を言う。
【0002】
【従来の技術】PPSに代表される芳香族スルフィド重
合体は、耐熱性や成形加工性等に優れる性質の活用で、
その成形物は近年、電気電子部品や自動車部品等に幅広
く利用されている。しかしながら、電気電子部品等を中
心として、成形加工時のガス発生の原因となる芳香族ス
ルフィド重合体中のオリゴマー等の低減化が求められて
いる。
合体は、耐熱性や成形加工性等に優れる性質の活用で、
その成形物は近年、電気電子部品や自動車部品等に幅広
く利用されている。しかしながら、電気電子部品等を中
心として、成形加工時のガス発生の原因となる芳香族ス
ルフィド重合体中のオリゴマー等の低減化が求められて
いる。
【0003】PPSの代表的な製造方法としては、米国
特許3,354,129号公報等に開示されているアル
カリ金属硫化物を有機極性溶媒中でジハロ芳香族化合物
と加熱重合させる方法がある。また、高分子量化PPS
の重合方法が特開昭61−66720公報、米国特許
3,919,177号公報等に開示されている。
特許3,354,129号公報等に開示されているアル
カリ金属硫化物を有機極性溶媒中でジハロ芳香族化合物
と加熱重合させる方法がある。また、高分子量化PPS
の重合方法が特開昭61−66720公報、米国特許
3,919,177号公報等に開示されている。
【0004】これらの方法により得られたPPSは、溶
融時のガス発生の原因であるオリゴマーを含んでいるた
め、分子量を反映した物性を有していなかった。そこで
これらの方法で得られたPPS中のオリゴマー除去を行
う精製方法として、特公平1−25493公報に重合中
に水等を添加することによって粒状PPSとして回収
し、微粒状のオリゴマーをふるい分けして除去する方法
が開示されている。しかしながら、この法で得られたP
PSはオリゴマーとの分離が十分でないため溶融時のガ
ス発生の低減化が十分になされているとは言い難いもの
である。
融時のガス発生の原因であるオリゴマーを含んでいるた
め、分子量を反映した物性を有していなかった。そこで
これらの方法で得られたPPS中のオリゴマー除去を行
う精製方法として、特公平1−25493公報に重合中
に水等を添加することによって粒状PPSとして回収
し、微粒状のオリゴマーをふるい分けして除去する方法
が開示されている。しかしながら、この法で得られたP
PSはオリゴマーとの分離が十分でないため溶融時のガ
ス発生の低減化が十分になされているとは言い難いもの
である。
【0005】そこで、特開昭62−232537号公報
に重合スラリーを50℃〜有機極性溶媒の沸点の間で濾
過する方法が開示されている。しかしながら、重合後の
スラリーは1μm以下の微粒子を多量に含有しており、
この微粒子が濾過の際に濾材の目詰まりを引き起こして
濾過効率が低減し、結果的にオリゴマー成分の除去率を
小さくして、得られるPPSの物性に悪影響を与えてい
る。
に重合スラリーを50℃〜有機極性溶媒の沸点の間で濾
過する方法が開示されている。しかしながら、重合後の
スラリーは1μm以下の微粒子を多量に含有しており、
この微粒子が濾過の際に濾材の目詰まりを引き起こして
濾過効率が低減し、結果的にオリゴマー成分の除去率を
小さくして、得られるPPSの物性に悪影響を与えてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、オリ
ゴマー成分の少ないより精製された芳香族スルフィド重
合体を効率よく得ることのできる芳香族スルフィド重合
体スラリーの濾過方法を提供することである。
ゴマー成分の少ないより精製された芳香族スルフィド重
合体を効率よく得ることのできる芳香族スルフィド重合
体スラリーの濾過方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、極性有機溶媒を含む芳
香族スルフィド重合体スラリーを濾過する際に、基礎層
として該有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機塩、
例えば25℃における該有機極性溶媒100重量部に対
する溶解度が5重量部以下の粉末状無機塩を用いると、
重合体微粒子による濾材の目詰まりを防止でき、濾過効
率が向上し、オリゴマー成分の除去率が向上すること等
を見い出し、本発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意検討した結果、極性有機溶媒を含む芳
香族スルフィド重合体スラリーを濾過する際に、基礎層
として該有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機塩、
例えば25℃における該有機極性溶媒100重量部に対
する溶解度が5重量部以下の粉末状無機塩を用いると、
重合体微粒子による濾材の目詰まりを防止でき、濾過効
率が向上し、オリゴマー成分の除去率が向上すること等
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1) 有機極性溶媒を
含む芳香族スルフィド重合体スラリーを、有機極性溶媒
に対して難溶性の粉末状無機塩を濾過の基礎層に用いて
濾過することを特徴とする芳香族スルフィド重合体スラ
リーの濾過方法、
含む芳香族スルフィド重合体スラリーを、有機極性溶媒
に対して難溶性の粉末状無機塩を濾過の基礎層に用いて
濾過することを特徴とする芳香族スルフィド重合体スラ
リーの濾過方法、
【0009】(2) 有機極性溶媒に対して難溶性の粉
末状無機塩が、25℃における有機極性溶媒100重量
部に対する溶解度が5重量部以下の粉末状無機塩である
上記(1)記載の濾過方法、
末状無機塩が、25℃における有機極性溶媒100重量
部に対する溶解度が5重量部以下の粉末状無機塩である
上記(1)記載の濾過方法、
【0010】(3) 有機極性溶媒に対して難溶性の粉
末状無機塩が、塩化ナトリウム及び/または塩化カリウ
ムである上記(1)記載の濾過方法、
末状無機塩が、塩化ナトリウム及び/または塩化カリウ
ムである上記(1)記載の濾過方法、
【0011】(4) 有機極性溶媒を含む芳香族スルフ
ィド重合体スラリーに酸を添加して濾過を行う上記
(1)、(2)または(3)記載の濾過方法、
ィド重合体スラリーに酸を添加して濾過を行う上記
(1)、(2)または(3)記載の濾過方法、
【0012】(5) 前記有機極性溶媒が、N―メチル
ピロリドンである上記(1)〜(4)のいずれか1つに
記載の濾過方法、
ピロリドンである上記(1)〜(4)のいずれか1つに
記載の濾過方法、
【0013】(6) 芳香族スルフィド重合体が、ポリ
フェニレンスルフィドである上記(1)〜(5)のいず
れか1つに記載の濾過方法、及び
フェニレンスルフィドである上記(1)〜(5)のいず
れか1つに記載の濾過方法、及び
【0014】(7) 有機極性溶媒を含む芳香族スルフ
ィド重合体スラリーが、有機極性溶媒中でスルフィド化
剤とポリハロ芳香族化合物を反応させて得られた芳香族
スルフィド重合体スラリーである上記(1)〜(6)の
いずれか1つに記載の濾過方法、を提供するものであ
る。
ィド重合体スラリーが、有機極性溶媒中でスルフィド化
剤とポリハロ芳香族化合物を反応させて得られた芳香族
スルフィド重合体スラリーである上記(1)〜(6)の
いずれか1つに記載の濾過方法、を提供するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の芳香族スルフィド
重合体スラリーの濾過方法の詳細について説明する。
重合体スラリーの濾過方法の詳細について説明する。
【0016】(芳香族スルフィド重合体)本発明におい
て用いられる有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重合
体スラリーは、例えば公知の方法によって得られた重合
スラリーを用いることができる。一般的には、芳香族ス
ルフィド重合体スラリーは、アルカリ金属硫化物とポリ
ハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で加熱反応させるこ
とによって得られる。本発明に用いられる芳香族スルフ
ィド重合体としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
フェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフ
ィドケトン等が挙げられ、中でもポリフェニレンスルフ
ィドが好ましい。
て用いられる有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重合
体スラリーは、例えば公知の方法によって得られた重合
スラリーを用いることができる。一般的には、芳香族ス
ルフィド重合体スラリーは、アルカリ金属硫化物とポリ
ハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で加熱反応させるこ
とによって得られる。本発明に用いられる芳香族スルフ
ィド重合体としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
フェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフ
ィドケトン等が挙げられ、中でもポリフェニレンスルフ
ィドが好ましい。
【0017】(無機塩)本発明で用いられる有機極性溶
媒に対して難溶性の粉末状無機塩としては、芳香族スル
フィド重合体スラリー中の有機極性溶媒に対して難溶性
の粉末状無機塩であれば良く、特に限定されないが、中
でも25℃における有機極性溶媒100重量部に対する
溶解度が20重量部以下の粉末状無機塩が好ましく、溶
解度が5重量部以下の粉末状無機塩が特に好ましい。
媒に対して難溶性の粉末状無機塩としては、芳香族スル
フィド重合体スラリー中の有機極性溶媒に対して難溶性
の粉末状無機塩であれば良く、特に限定されないが、中
でも25℃における有機極性溶媒100重量部に対する
溶解度が20重量部以下の粉末状無機塩が好ましく、溶
解度が5重量部以下の粉末状無機塩が特に好ましい。
【0018】これらの粉末状無機塩としては、例えば塩
化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸
ナトリウム等が挙げられ、中でも好ましいのは塩化ナト
リウム、塩化カリウムであり、特に塩化ナトリウムは芳
香族スルフィド重合体のスラリー中に副生成物として含
有されており、この点からも後の洗浄工程においても不
都合にならず、最も好ましい。これらの粉末状無機塩
は、一般に販売されているものであればよく、好ましく
は体積平均粒径が10〜500μm、中でも50〜20
0μmのものが最も好ましい。これらの粉末状無機塩を
濾過の際の基礎層に用いることによって濾材の目詰まり
を防止し、濾過速度が向上し結果として濾過効率が良く
なる。
化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、チオ硫酸
ナトリウム等が挙げられ、中でも好ましいのは塩化ナト
リウム、塩化カリウムであり、特に塩化ナトリウムは芳
香族スルフィド重合体のスラリー中に副生成物として含
有されており、この点からも後の洗浄工程においても不
都合にならず、最も好ましい。これらの粉末状無機塩
は、一般に販売されているものであればよく、好ましく
は体積平均粒径が10〜500μm、中でも50〜20
0μmのものが最も好ましい。これらの粉末状無機塩を
濾過の際の基礎層に用いることによって濾材の目詰まり
を防止し、濾過速度が向上し結果として濾過効率が良く
なる。
【0019】この粉末状無機塩の使用量は、濾材面に均
一に基礎層が形成されるだけの量であれば良く、通常濾
材面から0.1〜10cm程度の厚みを形成する様な量
の粉末状無機塩を使用するが、使用量や操作性の面か
ら、0.2〜2cmの厚みを形成する様な量が好まし
い。基礎層の形成方法は、粉末状無機塩をそのまま濾材
面に均一に散布しても良いが、用いる有機極性溶媒等に
前もって分散させておき、それを一旦濾過して基礎層を
形成させた方が、基礎層の均一性の面から好適である。
また、その際に形成した基礎層の表面を剥離し、均一化
させてもよい。
一に基礎層が形成されるだけの量であれば良く、通常濾
材面から0.1〜10cm程度の厚みを形成する様な量
の粉末状無機塩を使用するが、使用量や操作性の面か
ら、0.2〜2cmの厚みを形成する様な量が好まし
い。基礎層の形成方法は、粉末状無機塩をそのまま濾材
面に均一に散布しても良いが、用いる有機極性溶媒等に
前もって分散させておき、それを一旦濾過して基礎層を
形成させた方が、基礎層の均一性の面から好適である。
また、その際に形成した基礎層の表面を剥離し、均一化
させてもよい。
【0020】(酸)本発明では、濾過に際して、予め有
機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重合体スラリーに酸
を添加しておくと、濾過効率が向上することから好まし
い。該スラリーに添加する酸としては、特に制限はない
が、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、亜硫酸、リン
酸、硝酸、亜硝酸等が挙げられ、その中でも塩酸、硫
酸、リン酸が好ましい。また、有機酸としては、例えば
ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和脂肪酸、アクリル
酸、クロトン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、フタル酸
等の芳香族脂肪酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸
等のジカルボン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホ
ン酸等が挙げられ、その中でもギ酸、酢酸、シュウ酸が
好ましい。最も好ましい酸は、塩酸、硫酸である。これ
らの酸の添加量は、該スラリー中に含まれるアルカリ金
属硫化物1モルに対して通常0.001〜0.1モル、
好ましくは0.01〜0.05モルである。
機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重合体スラリーに酸
を添加しておくと、濾過効率が向上することから好まし
い。該スラリーに添加する酸としては、特に制限はない
が、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、亜硫酸、リン
酸、硝酸、亜硝酸等が挙げられ、その中でも塩酸、硫
酸、リン酸が好ましい。また、有機酸としては、例えば
ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和脂肪酸、アクリル
酸、クロトン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、フタル酸
等の芳香族脂肪酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸
等のジカルボン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホ
ン酸等が挙げられ、その中でもギ酸、酢酸、シュウ酸が
好ましい。最も好ましい酸は、塩酸、硫酸である。これ
らの酸の添加量は、該スラリー中に含まれるアルカリ金
属硫化物1モルに対して通常0.001〜0.1モル、
好ましくは0.01〜0.05モルである。
【0021】(有機極性溶媒)芳香族スルフィド重合体
スラリー中に含有される有機極性溶媒としては、公知の
ものでかまわない。例えば、N−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン
(NCP)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMP
A)、N−メチルカプロラクタム(NMC)、テトラメ
チル尿素(TMU)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)等が挙げられ、中でもNMP、N
MCが好ましい。
スラリー中に含有される有機極性溶媒としては、公知の
ものでかまわない。例えば、N−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン
(NCP)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMP
A)、N−メチルカプロラクタム(NMC)、テトラメ
チル尿素(TMU)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)等が挙げられ、中でもNMP、N
MCが好ましい。
【0022】(濾過)本発明の特徴は、有機極性溶媒を
含む芳香族スルフィド重合体スラリーを濾過する際に濾
材面に有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機塩を均
一な基礎層として用いることにある。濾過の方法につい
ては、特に限定はなく、ヌッチェ型濾過装置による減圧
濾過法や加圧濾過法、あるいは遠心分離器を用いた濾過
法として一般に知られている方法でかまわない。実施さ
れる濾過温度としては、高分子量体が溶解せずにオリゴ
マー成分が十分溶解し、収量が良好となることから、ス
ラリー温度が80〜220℃が好ましく、中でも100
〜180℃が特に好ましい。
含む芳香族スルフィド重合体スラリーを濾過する際に濾
材面に有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無機塩を均
一な基礎層として用いることにある。濾過の方法につい
ては、特に限定はなく、ヌッチェ型濾過装置による減圧
濾過法や加圧濾過法、あるいは遠心分離器を用いた濾過
法として一般に知られている方法でかまわない。実施さ
れる濾過温度としては、高分子量体が溶解せずにオリゴ
マー成分が十分溶解し、収量が良好となることから、ス
ラリー温度が80〜220℃が好ましく、中でも100
〜180℃が特に好ましい。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。尚、例中の%は全て重量%である。
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。尚、例中の%は全て重量%である。
【0024】参考例1(有機極性溶媒を含む芳香族スル
フィド重合体スラリーの製造) 4リットルのオートクレーブにN−メチルピロリドン
(NMP)1260g、結晶水含有水硫化ナトリウム
(NaSH・xH2O) 309.3g(4.00mo
l)を仕込み、アルカリトラップを装備し、窒素雰囲気
下、開放系において昇温を始め、100℃であらかじめ
水酸化ナトリウム 164.8g(4.12 mol)を
水178.5gに溶かしておいた水溶液を加え、さらに
昇温を続けた。145℃付近で水とNMPとH2S の混
合物が留出を始め、200℃まで留出させた。このとき
留出した水は234.1g、NMPは61.2g、H2
S は69.65mmolであった。ついで、この系を
密閉して220℃まで昇温してp−ジクロロベンゼン5
77.7g(3.93 mol)をNMP359.5g
に溶かした溶液を圧入添加し、窒素雰囲気、加圧下、2
20℃で4時間、その後260℃に昇温して1時間反応
させ、反応終了後冷却してPPS重合体スラリーを得
た。このスラリーを水洗乾燥して得られたポリマーの粘
度は340ポイズであった。
フィド重合体スラリーの製造) 4リットルのオートクレーブにN−メチルピロリドン
(NMP)1260g、結晶水含有水硫化ナトリウム
(NaSH・xH2O) 309.3g(4.00mo
l)を仕込み、アルカリトラップを装備し、窒素雰囲気
下、開放系において昇温を始め、100℃であらかじめ
水酸化ナトリウム 164.8g(4.12 mol)を
水178.5gに溶かしておいた水溶液を加え、さらに
昇温を続けた。145℃付近で水とNMPとH2S の混
合物が留出を始め、200℃まで留出させた。このとき
留出した水は234.1g、NMPは61.2g、H2
S は69.65mmolであった。ついで、この系を
密閉して220℃まで昇温してp−ジクロロベンゼン5
77.7g(3.93 mol)をNMP359.5g
に溶かした溶液を圧入添加し、窒素雰囲気、加圧下、2
20℃で4時間、その後260℃に昇温して1時間反応
させ、反応終了後冷却してPPS重合体スラリーを得
た。このスラリーを水洗乾燥して得られたポリマーの粘
度は340ポイズであった。
【0025】実施例1 参考例1で得られたPPSスラリーの濾過を行った。濾
過は、直径12.5センチの保温可能なブフナーロート
にアドバンテックNo2濾紙を用い、20トールの減圧
下で吸引濾過を行った。濾過に先立ち、粉末状無機塩と
して粒径90μmの塩化ナトリウムを溶媒であるNMP
に分散させ濾過を行い、濾紙面に0.5cmの厚みで均
一に基礎層を形成させておいた。次いで、参考例1で得
られたPPSスラリー200gを120℃に加熱してか
ら濾過し、さらに濾過温度に加熱した170gのNMP
で形成したケーキを洗浄し、濾過及びケーキの洗浄に要
する時間を測定した。その結果、濾過及びケーキの洗浄
に3分25秒を要した。洗浄終了後のケーキのNMP含
有率は34%であった。得られたケーキを80℃の温水
で洗浄を2回繰り返し、100℃の真空乾燥機で12時
間乾燥した。得られたポリマーの粘度は390ポイズで
あった。一方、このポリマー5gをテトラヒドロフラン
100mlで抽出し、その抽出量から含有オリゴマー率
を求めたところ、オリゴマー抽出率は0.4%であっ
た。
過は、直径12.5センチの保温可能なブフナーロート
にアドバンテックNo2濾紙を用い、20トールの減圧
下で吸引濾過を行った。濾過に先立ち、粉末状無機塩と
して粒径90μmの塩化ナトリウムを溶媒であるNMP
に分散させ濾過を行い、濾紙面に0.5cmの厚みで均
一に基礎層を形成させておいた。次いで、参考例1で得
られたPPSスラリー200gを120℃に加熱してか
ら濾過し、さらに濾過温度に加熱した170gのNMP
で形成したケーキを洗浄し、濾過及びケーキの洗浄に要
する時間を測定した。その結果、濾過及びケーキの洗浄
に3分25秒を要した。洗浄終了後のケーキのNMP含
有率は34%であった。得られたケーキを80℃の温水
で洗浄を2回繰り返し、100℃の真空乾燥機で12時
間乾燥した。得られたポリマーの粘度は390ポイズで
あった。一方、このポリマー5gをテトラヒドロフラン
100mlで抽出し、その抽出量から含有オリゴマー率
を求めたところ、オリゴマー抽出率は0.4%であっ
た。
【0026】実施例2 参考例1で得られたPPSスラリー200gの代わり
に、参考例1で得られたPPSスラリー200gに硫酸
0.8gを添加したものを用いた以外は実施例1と同様
に濾過、洗浄を行った。濾過及びケーキの洗浄に2分1
0秒を要し、洗浄終了後のケーキのNMP含有率は29
%であった。得られたポリマーの粘度は360ポイズで
あり、テトラヒドロフランによるオリゴマー抽出率は
0.3%であった。
に、参考例1で得られたPPSスラリー200gに硫酸
0.8gを添加したものを用いた以外は実施例1と同様
に濾過、洗浄を行った。濾過及びケーキの洗浄に2分1
0秒を要し、洗浄終了後のケーキのNMP含有率は29
%であった。得られたポリマーの粘度は360ポイズで
あり、テトラヒドロフランによるオリゴマー抽出率は
0.3%であった。
【0027】実施例3 粒径90μmの塩化ナトリウムの代わりに、粒径60μ
mの塩化カリウムを基礎層に用いた以外は実施例2と同
様に濾過、洗浄を行った。濾過及びケーキの洗浄に2分
20秒を要し、洗浄終了後のケーキのNMP含有率は3
2%であった。得られたポリマーの粘度は375ポイズ
であり、テトラヒドロフランによるオリゴマー抽出率は
0.3%であった。
mの塩化カリウムを基礎層に用いた以外は実施例2と同
様に濾過、洗浄を行った。濾過及びケーキの洗浄に2分
20秒を要し、洗浄終了後のケーキのNMP含有率は3
2%であった。得られたポリマーの粘度は375ポイズ
であり、テトラヒドロフランによるオリゴマー抽出率は
0.3%であった。
【0028】比較例1 粒径90μmの塩化ナトリウムを用いての基礎層の形成
を行わなかった以外は実施例1と同様に濾過、洗浄を行
った。この時、濾過及びケーキの洗浄に10分40秒を
要し、洗浄終了後のケーキのNMP含有率は49%であ
った。得られたポリマーの粘度は380ポイズであり、
テトラヒドロフランによるオリゴマー抽出率は1.6%
であった。
を行わなかった以外は実施例1と同様に濾過、洗浄を行
った。この時、濾過及びケーキの洗浄に10分40秒を
要し、洗浄終了後のケーキのNMP含有率は49%であ
った。得られたポリマーの粘度は380ポイズであり、
テトラヒドロフランによるオリゴマー抽出率は1.6%
であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の芳香族スルフィド重合体スラリ
ーの濾過方法によれば、濾材の目詰まりを防止でき、オ
リゴマー成分の少ないより精製された芳香族スルフィド
重合体を効率よく得ることのできる。
ーの濾過方法によれば、濾材の目詰まりを防止でき、オ
リゴマー成分の少ないより精製された芳香族スルフィド
重合体を効率よく得ることのできる。
Claims (7)
- 【請求項1】 有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重
合体スラリーを、有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状
無機塩を濾過の基礎層に用いて濾過することを特徴とす
る芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法。 - 【請求項2】 有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無
機塩が、25℃における有機極性溶媒100重量部に対
する溶解度が5重量部以下の粉末状無機塩である請求項
1記載の濾過方法。 - 【請求項3】 有機極性溶媒に対して難溶性の粉末状無
機塩が、塩化ナトリウム及び/または塩化カリウムであ
る請求項1記載の濾過方法。 - 【請求項4】 有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重
合体スラリーに酸を添加して濾過を行う請求項1、2ま
たは3記載の濾過方法。 - 【請求項5】 前記有機極性溶媒が、N―メチルピロリ
ドンである請求項1〜4のいずれか1つに記載の濾過方
法。 - 【請求項6】 芳香族スルフィド重合体が、ポリフェニ
レンスルフィドである請求項1〜5のいずれか1つに記
載の濾過方法。 - 【請求項7】 有機極性溶媒を含む芳香族スルフィド重
合体スラリーが、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポ
リハロ芳香族化合物を反応させて得られた芳香族スルフ
ィド重合体スラリーである請求項1〜6のいずれか1つ
に記載の濾過方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9342789A JPH11171996A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9342789A JPH11171996A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11171996A true JPH11171996A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18356519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9342789A Pending JPH11171996A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11171996A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005279490A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Dainippon Ink & Chem Inc | 遠心濾過機の基礎層除去方法 |
-
1997
- 1997-12-12 JP JP9342789A patent/JPH11171996A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005279490A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Dainippon Ink & Chem Inc | 遠心濾過機の基礎層除去方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2006027985A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP6419311B2 (ja) | 微粉ポリアリーレンスルフィドを製造する方法及び微粉ポリアリーレンスルフィド | |
JP3894496B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP6751580B2 (ja) | 粒状ポリアリーレンスルフィドの製造方法、粒状ポリアリーレンスルフィドの平均粒子径増大方法、粒状ポリアリーレンスルフィドの粒子強度向上方法、及び粒状ポリアリーレンスルフィド | |
WO2005078006A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法 | |
JPS617332A (ja) | 高分子量ポリアリ−レンスルフイドの製造法 | |
JPS63289025A (ja) | ポリ(p−フエニレンスルフイド)の改良製造方法 | |
JP2007314803A (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
WO2004060973A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び洗浄方法、並びに洗浄に使用した有機溶媒の精製方法 | |
JP2001503085A (ja) | イオウ含有ポリマーの製造法 | |
US5440009A (en) | Recovery of cyclic arylene sulfide oligomers | |
JP2004131602A (ja) | ポリアリーレンスルフィド系樹脂の製造方法 | |
JPH10245434A (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造法 | |
US11661482B2 (en) | Separation and purification method of polyarylene sulfide | |
JPH11171996A (ja) | 芳香族スルフィド重合体スラリーの濾過方法 | |
JP3143977B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの精製方法 | |
JP2001504154A (ja) | 硫黄含有ポリマー類を製造するための方法 | |
JPH107797A (ja) | 芳香族硫黄含有ポリマーを調製する方法 | |
JP6366683B2 (ja) | 熱処理微粉ポリアリーレンスルフィド、及び該熱処理微粉ポリアリーレンスルフィドを製造する製造方法 | |
JP2722577B2 (ja) | 多孔性粒子状ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JPH06192423A (ja) | ポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーの精製方法 | |
US11597800B2 (en) | Separation and recovery method of polyarlene sulfide | |
US5374709A (en) | Production of granular poly(arylene sulfide) polymers containing reduced amounts of oligomers | |
JPH05409B2 (ja) | ||
JP3189926B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |