JP2001503085A - イオウ含有ポリマーの製造法 - Google Patents
イオウ含有ポリマーの製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、a)芳香族ジハロゲン化物と硫化物とを部分的に反応させる工程;b)反応媒体に溶解しない生成塩を分離する工程;およびc)塩を殆ど含まない反応混合物をさらに重合させる工程;を含む、溶媒中にて芳香族ジハロゲン化物と硫化物から線状もしくは枝分かれ状のイオウ含有ポリマー(たとえばポリアリーレンスルフィド、特にポリフェニレンスルフィド)を製造する方法に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
イオウ含有ポリマーの製造法
本発明は、線状または枝分かれ状のイオウ含有ポリマー〔たとえばポリアリー
レンスルフィド、特にポリフェニレンスルフィド(PPS)〕の製造法に関する
。
米国特許第4,910,294号には、PPSの製造法が開示されている。使用するモ
ノマーはジハロゲン化された芳香族炭化水素〔特にジクロロベンゼン(DCB)
〕と硫化ナトリウムであり、これらを高沸点で双極性の非プロトン性溶媒〔たと
えばN−メチルピロリドン(NMP)〕中で反応させる。EP220490に記載されて
いるように、副生物として生成する塩化ナトリウムは、反応溶液がまだ高温状態
にある間に加圧下にて濾過することによって、あるいは反応溶液を水中に溶解す
ることによって、重合反応が完了した後のポリマーから除去する。従来技術によ
れば、重縮合反応の最終生成物の分子量(molar mass)が、塩化ナトリウムが除去
される前に達成される。
しかしながら、この製造法の欠点は、比較的長い反応時間が必要となるために
反応器の時間−空間収率(space-time yield)が不充分である、という点にある。
したがって本発明の目的は、こうした欠点を解消することにある。
驚くべきことに、重合反応が完了する前に塩を除去すると、全体としての反応
時間が短くなり、より高い分子量が得られる、ということを我々は見いだした。
これはおそらく、ポリアリーレンスルフィドの重合からの固体塩残留物中にスル
フィドが含有されると、高度重合アリーレンスルフィドの分子量が大幅に低下し
てしまうか、または分子量の速やかな増大が妨げられるためであろうと思われる
。
したがって本発明は、溶媒中において、
a) 芳香族ジハロ化合物と硫化物とを部分的に反応させ、
b) 形成された塩(反応媒体に対して実質的に不溶である)を除去し、そして
c) 塩を実質的に含まない反応混合物をさらに重合させることによって、
少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と少なくとも1種の硫化物からイオウ含有
ポリマーを製造する方法を提供する。
この方法により、イオウ含有ポリマーの製造(特に、芳香族ジハロ化合物とア
ルカリ金属硫化物からのポリアリーレンスルフィドの製造)における時間−空間
収率を大幅に向上させることができた。なぜなら、副生物として生成する塩が重
縮合反応の完了前に除去され、実質的に塩を含んでおらずまだ完全には重合して
いない反応混合物は、より一層容易にさらなる重合を受けやすいからである。
本発明の方法により、かなり温和な反応条件下にて、且つ副生物からの汚染物
が殆どない状態で、広い分子量範囲(たとえば、Mw=10,000〜200,000g/モル
)にわたって、良好な時間−空間収率でイオウ含有ポリマー(特にポリアリーレ
ンスルフィド)を得ることが可能となる。
ここで言うイオウ含有ポリマーは、アリーレンスルフィド単位を含んだポリマ
ーである。アリーレンスルフィド単位のアリーレン部分は、単環式もしくは多環
式の芳香族化合物あるいは連結した芳香族化合物(coupled aromatic compounds)
を含む。芳香族化合物はさらにヘテロ原子を含んでいてもよい。このような芳香
族化合物(置換されていても非置換であってもよい)としては、たとえばベンゼ
ン、ピリジン、ビフェニル、ナフタレン、およびフェナントレンなどがある。置
換基としては、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、カルボキシル基、
アミノ基、およびスルホ基などがある。連結芳香族化合物としては、たとえばビ
フェニルあるいはエーテルブリッジによって連結した芳香族化合物(アリーレン
エーテル)などがある。
好ましいイオウ含有ポリマーはポリアリーレンスルフィド、特にポリフェニレ
ンスルフィドである。
ポリアリーレン化合物の製造に使用される芳香族ジハロ化合物は、たとえばジ
ハロゲン化芳香族炭化水素であり、ジハロベンゼン(たとえばo−、m−、およ
びp−ジクロロベンゼン)および置換ジハロベンゼン(たとえば2,5−ジクロ
ロトルエン、3,5−ジクロロ安息香酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、
3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、およびこれらの塩)などがある。しかし
ながら、ジハロナフタレン(たとえば1,4−ジブロモナフタレン)やジハロジ
フェニルエーテル(たとえば4,4'−ジクロロジフェニルエーテル)も使用する
こと
ができる。異なったジハロゲン化アリーレンの混合物も使用することができる。
枝分かれまたは架橋したイオウ含有ポリマーを得るために、少量(ジハロ芳香族
化合物を基準として0.2〜5モル%)のポリハロゲン化芳香族炭化水素も使用す
ることができる。
ポリマーの製造に適した硫化物は、無機および有機の硫化物である。無機硫化
物は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の硫化物(たとえば硫化リチウム、
硫化カリウム、硫化カルシウム、および好ましくは硫化ナトリウム)である。対
応する水硫化物や硫化水素も、必要に応じてアルカリ金属水酸化物と組み合わせ
て使用することができる。
適切な有機硫化物は、有機カチオンを有する塩様硫化物(salt-like sulfides)
である。本発明に対して使用することのできる有機硫化物はさらに、反応条件下
で硫化物アニオンもしくは水硫化物アニオンを放出するような有機イオウ化合物
(たとえばチオアセトアミド、二硫化炭素、またはチオ−N−メチルピロリドン
)である。硫化物はさらに、結晶水を含有していてもよい。
ジハロ芳香族化合物と硫化物は、一般にはモノマーとも呼ばれる。
ポリマーを製造するための適切な溶媒は、アミドタイプの双極性非プロトン溶
媒〔たとえば、ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルアセトアミド(DM
Ac)〕、N−メチルカプロラクタム、またはN−アルキル化ピロリドン〔たと
えばN−メチルピロリドン(NMP)〕、あるいはこれらの混合物である。特に
好ましいのはNMPである。
本発明の方法によってイオウ含有ポリマーを製造するには、工程a)において
、芳香族ジハロ化合物を溶媒中で硫化物と約40〜98%(芳香族ジハロ化合物を基
準として)まで反応させる。この時点においては、反応混合物a)は、低分子量
のポリマー、実質的に不溶状態の塩(たとえば塩化ナトリウム)、未転化のモノ
マー、および溶媒を含有している。反応進行中に形成される沈降塩を、工程b)
において、たとえば熱濾過によって反応混合物から除去する。濾過は、イオウ含
有ポリマーが液体状態にあるか、あるいは反応混合物中に溶解した状態にあると
きの温度にて行うのが好ましい。次いで反応混合物(沈降塩を実質的に含有して
いない)を工程c)において、必要であれば加圧下にてさらに重合させる。最後
に、
公知の方法によって反応混合物からポリマーを単離する。
工程a)に対する反応条件は広い範囲内で変えることができる。たとえば、反
応温度は180〜280℃であってもよく、好ましいのは220〜260℃である。反応時間
は10分〜20時間であってもよく、好ましいのは30分〜3時間である。温度プログ
ラムも有利に使用することができる(たとえば、225℃にて30分、次いで245℃に
て1時間)。
平均分子量(重量平均Mwとして表示)は、工程a)の後において1000〜30,000
g/モルであり、好ましくは2000〜20,000g/モルであり、そして特に好ましくは
3000〜15,000g/モルである。
工程a)の終了時、塩は、実質的に反応混合物中における結晶質沈殿物の形態
をとっており、適切な方法によってこの塩を除去する。
塩は、反応の転化率(芳香族ジハロ化合物を基準として)が40〜98%、好まし
くは50〜96%、そして特に好ましくは60〜94%であるときに反応混合物から除去
する。
塩は、ポリマーが液体状態にあるか又は反応混合物中に溶解した状態にあると
きの温度にて、単純な加圧濾過によって除去することができる。これらの温度は
通常100〜300℃である。しかしながら、加圧濾過の代わりに、液体から固体を除
去するための他の方法(たとえば、遠心分離やデカンテーション)も使用するこ
とができる。
工程a)の反応においては、通常は水和の化学結合水が放出される。工程b)
での濾過に対しては、反応水の一部または全部を除去するのが好ましい。必要で
あれば、反応器の内容物を、精製処理を施す前に、酸を加えることによって中性
またはやや酸性にしてもよい。適切な酸は、たとえば酢酸、塩酸、または二酸化
炭素である。
付着している残留母液を除去するために、濾過残留物を溶媒で洗浄するのが好
ましい。こうして得られる希薄ポリマー溶液を濃縮し、濾液と合わせることがで
きる。付着している残留溶媒を回収するために、湿潤状態の濾過ケークを乾燥す
る。こうした分離操作により、塩が固体として得られ、ポリマーは濾液中に溶解
した状態である。
次いで工程c)においてこの濾液をさらに重合させる。工程c)の前に、濾過
した反応混合物から溶媒と他の揮発性成分を蒸発除去することによって、ポリマ
ーの濃度を増大させることもできる。ポリマーの含量が20〜70重量%(好ましく
は30〜60重量%)になるまで、反応混合物を濃縮するのが有利であることが判明
している。
さらに、硫化物と芳香族ジハロ化合物との間のできるだけ正確な化学量論的当
量を確実に得るために、工程b)とc)との間に、2種のモノマーのうちの一方
を、工程a)において使用した物質の量を基準として最大20モル%まで(好まし
くは0.5〜5モル%)加えることができる。最後に、望ましくない成分を除去す
るために、スチームを導入することによって混合物から揮発性成分を除去するこ
とができる。
工程c)におけるさらなる重合のための反応条件は、広い範囲内で変えること
ができる。たとえば、反応温度は180〜290℃であってもよく、好ましくは230〜2
70℃である。反応時間は10分〜10時間であってもよく、好ましいのは20分〜2時
間である。工程c)の重合を持続させるために、従来技術にしたがって、極めて
高い分子量が達成されるような追加の方策を施してもよい。こうした方策として
は、たとえば促進剤の添加がある。このような促進剤としては、たとえば低分子
量カルボン酸のアルカリ金属塩(特に酢酸ナトリウム)およびアルカリ土類金属
塩がある。さらに、従来技術にしたがって、さらなる重合を二相反応系において
行うために、工程c)において所定量の水を加えることもできる。最後に、反応
系の塩基性の強さを調節するために、他の添加剤(たとえば、酢酸、硫化水素、
または二酸化炭素等の酸)を加えることができる。
工程c)の後の分子量Mwは工程a)の分子量より大きく、5000〜200,000g/
モルであり、好ましくは10,000〜150,000g/モルであり、特に好ましくは20,000
〜100,000g/モルである。
ポリマー製造の全行程は、バッチ方式でも、あるいは連続方式でも行うことが
できる。反応はたとえば、1つのフローチューブ又は2つの組合せフローチュー
ブ中にて、一連の攪拌機つきタンク反応器を使用して連続的に行うことができる
。
ポリマーの単離に対しては、種々の方法が利用できる。ポリマーは、単純な加
圧濾過によって取り出すことができる。しかしながら、液体から固体を取り出す
ための他の方法(たとえば、遠心分離やデカンテーション)も使用することがで
きる。得られた懸濁液をフラッシュ蒸発または噴霧乾燥によって精製処理するこ
ともできる。溶媒と他の低分子量物質が蒸気形態の主要成分として除去され、ポ
リマーが実質的に乾燥した固体として沈澱する。
以下に、ポリフェニレンスルフィド(PPS)の製造を例として本発明の方法
を説明するが、本発明がこれに限定されることはない。
チタン製オートクレーブ中にて、硫化ナトリウム三水和物を180℃でNMPに
溶解する。次いで、内部温度が195℃に達するまで、水和水の一部を留去する。
オートクレーブの内容物をさらに加熱し、p−ジクロロベンゼン(DCB)を21
5〜220℃の温度にて加える。この混合物を230℃で30分〜1時間重合させる。こ
うして得られた反応混合物を、230℃にて濾過器を通して別の反応器中に濾過し
、そこで250℃でさらに90分加熱する。次いでこの反応器を140℃に冷却し、反応
生成物を濾過する。PPSを含んだ濾過ケークを水中で沸騰させ、水で数回洗浄
し、そして乾燥した。
ポリフェニレンスルフィドの融点は270〜305℃であり、典型的には280〜295℃
である。溶融粘度は5〜1000pasの範囲であり、好ましくは20〜500pasである。
溶融粘度は300℃にて添加剤なしでも安定であり、1時間経過しても10%未満変
化するだけである。
本発明の方法によって得られるイオウ含有ポリマー(たとえばポリアリーレン
スルフィド、特にポリフェニレンスルフィド)は、高純度で且つ高品質である点
が注目に値する。ポリマーが実質的に無色無臭であるという性質は、とりわけ注
目すべき点である。ポリマーはさらに、熱応力に対して良好な反応を示す。
本発明はさらに、塩を含まないイオウ含有ポリマー(たとえば、本発明の方法
によって製造されるポリアリーレンスルフィド、好ましくはポリフェニレンスル
フィド)を提供する。
本発明にしたがって製造されるイオウ含有ポリマーを溶融押出により加工して
成形品を得ることができる。これとは別に、優れた機械的性質をもつフィルムや
繊維も製造することができる実施例1
2リットル容量のチタン製オートクレーブ中にて、攪拌しながら284gの硫化
ナトリウム三水和物(約60%;2.2モル)を780gのNMP中に180℃にて溶解した
。約130mlの凝縮水を大気圧にて留去した。密封したオートクレーブの内容物を2
30℃に加熱し、そして215℃から、418gのp-DCB(1.3×2.2モル)(高温状態に
ある間に220gのNMP中に溶解しておく)を20ml/分の割合で加えた。次いで、
本混合物に対し235℃で90分重合反応を起こさせ、反応の進行による水を実質的
に除去するために、オートクレーブ中の圧力を抜いて約2.5バールになるように
した。温度を225℃以上に保持した。次いで反応器の内容物を、230℃の温度およ
び約5バールの圧力にて、12μmの呼称孔寸法を有するPTFE濾布を通して別
のオートクレーブ中に濾過し、スチームを導入することによって過剰のDCBを
実質的に除去した。4gの硫化ナトリウム(60%)を加えた後、反応混合物に対
し230℃にて90分重合反応を起こさせ、約300mlのNMPで希釈し、そして冷却し
た。結晶質の反応マス(reaction mass)を濾別し、残留物を水中で数回沸騰さ
せ、濾別し、そして乾燥した。
PPSポリマーの収量は205gであり、平均分子量はMw=28,000g/モルであ
った。
実施例2
実施例1からのポリマー(純白)と500ポイズの溶融粘度(310℃の温度および
1000秒-1の剪断速度にて測定)を有する市販のポリフェニレンスルフィドを、大
気中250℃にて3日間貯蔵した。実施例1からのポリマーの冷却サンプルは、ほ
とんどいかなる変色も示さなかったが、フォートロン205は白色から暗褐色に変
化した〔フォートロン(Fortron)(登録商標)205、メーカー:米国ノースカロラ
イナ州ウィルミントンのフォートロン・インダストリーズ社〕。
実施例3
本実施例では、実施例1からの塩化ナトリウム残留物が硫化ナトリウムを含有
していることを示す。
実施例1から得られた塩化ナトリウム残留物20gを200mlの水中に溶解し、本
溶液をガス洗浄ボトル(a gas-washing bottle)中に注ぎ込み、10mlの20%塩
酸で酸性化した。ガス洗浄ボトルに窒素を通し、この窒素流れを、第2のガス洗
浄ボトルにおいて100mlの4%水酸化ナトリウム溶液で洗浄した。1時間後、第
2のガス洗浄ボトルの内容物にアンモニアを含んだ硝酸銀溶液を加え、得られた
深黒色の硫化銀沈殿物を濾別し、水で充分に洗浄した。乾燥後の硫化銀の重量は
1.3gであった。この量は、このようにして分析された塩化ナトリウム残留物中
における、2重量%の硫化ナトリウム含量に相当する。
実施例4
本実施例では、塩化ナトリウム中に硫化物が含まれていると、種々の反応条件
下にてPPSの分子量を著しく低下させるということを示す。
実施例1から熱濾過によって得られた塩化ナトリウム残留物を、母液残留物を
完全に除去するために、加圧下にて高温(230℃)のNMPで数回洗浄した。こ
のようにして精製処理された270gのNMP湿潤塩化ナトリウム(約25重量%の
NMP)、200gのPPS(フォートロン205)、1リットルのNMP、および10
gの水を2リットル容量のチタン製オートクレーブ中にて混合し、攪拌しながら
235℃で1時間加熱した。冷却した反応器内容物を濾過し、濾過残留物を2.5リッ
トルの水中で2回沸騰させ、濾過し、そして洗浄した。得られたPPSを、減圧
乾燥キャビネット中にて130℃で24時間乾燥した。ポリマーの溶融粘度は、310℃
および1000秒-1にて35Pasであった(フォートロン205の場合は60Pas)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ベッサー,オラフ
ドイツ連邦共和国デー―65931 フランク
フルト,シュナイダーシュトラーセ 4
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 溶媒中にて少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と1種の硫化物からイ オウ含有ポリマーを製造するための方法であって、 a) 芳香族ジハロ化合物と硫化物とを部分的に反応させる工程; b) 反応媒体に不溶の、形成された塩を除去する工程;および c) 前記塩を実質的に含まない反応混合物をさらに重合させる工程; を含む前記方法。 2. 工程a)における芳香族ジハロ化合物を基準として、転化率が40〜98% の範囲、好ましくは50〜96%の範囲、そして特に好ましくは60〜94%の範囲の値 に達したときに重合混合物を除去する、請求項1記載の方法。 3. 工程a)の後の、重量平均Mwとして表示される平均分子量が、1000〜3 0,000g/モルの範囲、好ましくは2000〜20,000g/モルの範囲、そして特に好ま しくは3000〜15,000g/モルの範囲である、請求項1または2に記載の方法。 4. 前記塩を、ポリマーが液体状態または反応混合物中に溶解した状態にあ る温度にて除去する、請求項1〜3の一項以上に記載の方法。 5. 前記反応混合物を工程b)の後に蒸留によって濃縮する、請求項1〜4 の一項以上に記載の方法。 6. 工程a)において使用される物質の量を基準として最大20モル%までの 、好ましくは0.5〜5モル%の硫化物または芳香族ジハロ化合物を、工程b)の 後で工程c)の前に加える、請求項1〜5の一項以上に記載の方法。 7. 前記反応混合物を、工程c)の前に水蒸気蒸留にて処理する、請求項1 〜6の一項以上に記載の方法。 8. 工程C)の後の平均分子量Mwが5000〜200,000g/モルの範囲、好まし くは10,000〜150,000g/モルの範囲、そして特に好ましくは20,000〜100,000g/ モルの範囲である、請求項1記載の方法。 9. 前記イオウ含有ポリマーがポリアリーレンスルフィドである、請求項1 〜8の一項以上に記載の方法。 10. 請求項1〜9の一項以上にしたがった方法によって製造される、塩を含 まないイオウ含有ポリマー。 11. ポリマーが、ポリアリーレンスルフィド、好ましくはポリフェニレンス ルフィドである、請求項10記載のポリマー。 12. 請求項1〜9の一項以上にしたがった方法によって製造されるイオウ含 有ポリマーの、成形品、フィルム、および繊維の製造のための使用。
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