JPH11171986A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH11171986A
JPH11171986A JP34617797A JP34617797A JPH11171986A JP H11171986 A JPH11171986 A JP H11171986A JP 34617797 A JP34617797 A JP 34617797A JP 34617797 A JP34617797 A JP 34617797A JP H11171986 A JPH11171986 A JP H11171986A
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JP
Japan
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polyester
polycondensation
titanium compound
light
pba
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JP34617797A
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English (en)
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Yurika Seko
ゆりか 瀬古
Masahito Tokutake
政仁 徳竹
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Nippon Ester Co Ltd
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタン化合物を重縮合触媒として使用し、色
調の良好なポリブチレンアジペート又はその共重合ポリ
エステルを製造する。 【解決手段】 ポリブチレンアジペート又はその共重合
ポリエステルを製造するに際し、重縮合触媒としてチタ
ン化合物を使用し、波長400〜550nm、光量10
〜120W/m2 の光を照射しながら重縮合反応を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調の良好なポリ
ブチレンアジペート又はその共重合ポリエステルを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンアジペート(PBA)は、
低融点で、結晶性のポリエステルであり、高温雰囲気下
で使用可能なホットメルト型バインダー繊維、成形可能
なギプス材料、フィルム、成形品用などとして使用でき
る。
【0003】PBA及びその共重合ポリエステルを製造
する場合、 1,4−ブタンジオールの熱分解を抑えるた
め、重縮合反応の温度を 260℃以下の比較的低温とする
ことが必要であり、そのような温度でも十分な触媒活性
を示すテトラ−n−ブチルチタネートなどのチタン化合
物を重縮合触媒として使用する方法が一般に採用され
る。しかし、この方法で得られるポリエステルは、強い
赤味を帯びたものとなり、色調が問題になる用途には使
用できないという問題があった。
【0004】この問題を解決する方法として、チタン化
合物と飽和脂肪族カルボン酸の金属塩の存在下に重縮合
反応を行う方法(特開昭63−251424号) 、チタン化合物
と有機又は無機のカルシウム塩の存在下に重縮合反応を
行う方法(特開平8−169945号) 、重縮合触媒
としてしゅう酸チタンカリウムを使用する方法(特開平
8−301996号) などが提案されている。しかし、これら
の方法を採用しても、実用的な重縮合反応速度を示す量
のチタン化合物を使用すると、得られるポリエステルが
赤味を帯びるという問題を十分解消することはできなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チタン化合
物を重縮合触媒として使用し、色調の良好なPBA又は
その共重合ポリエステルを製造する方法を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、PBA又はその共重合ポ
リエステルを製造するに際し、重縮合触媒としてチタン
化合物を使用し、波長400〜550 nm、光量10〜120W/m2
の光を照射しながら重縮合反応を行うことを特徴とする
ポリエステルの製造方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明で対象とするポリエステルは、アジ
ピン酸成分と 1,4−ブタンジオール成分とからなるPB
A及びその共重合ポリエステルである。共重合成分とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、 2,6−
ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、マ
ロン酸、コハク酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン
酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオールが挙げら
れる。
【0009】重縮合触媒のチタン化合物としては、テト
ラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネー
ト、しゅう酸チタンカリウムなどが好ましく用いられ
る。
【0010】チタン化合物の添加量は、生成ポリエステ
ルに対してチタン原子として1〜130ppm、好ましくは7
〜75ppm 、最適には7〜50ppm とするのが適当である。
この添加量があまり少ないと実用的な重縮合反応速度が
得られず、多すぎるとポリエステルの分解反応も促進さ
れるため、得られるポリエステルの色調が悪化して好ま
しくない。
【0011】また、反応を促進するため、有機又は無機
の金属塩を併用することも好ましい。金属塩としては、
カルシム塩が好適であり、具体的には、ギ酸カルシウ
ム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ステア
リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
金属塩を併用する場合、その添加量は、生成ポリエステ
ルに対して金属原子として1〜100ppmとするのが適当で
ある。
【0012】本発明の方法を実施するに際しては、ま
ず、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステルとジオ
ールとから、エステル化又はエステル交換反応によって
オリゴマーとし、次いで、これを重縮合する。
【0013】重縮合反応の温度は、ポリエステルの組成
によって異なるが、通常、 220〜260 ℃とされる。この
温度が低すぎると十分な反応速度が得られないととも
に、組成によっては溶融粘度が高くなりすぎて操業が困
難となる。一方、この温度が高すぎると分解反応が著し
くなり、反応が平衡に達して高重合度のポリエステルが
得られなくなったり、ポリエステルの色調が悪化したり
する。
【0014】本発明においては、重縮合反応を光を照射
しながら行う。照射する光は、波長が 400〜550 nm、好
ましくは 440〜530 nm、最適には 470〜520 nmのもので
あることが必要である。光の波長が短すぎたり、長すぎ
たりすると、色調改良効果が発揮されない。
【0015】また、照射する光量は、10〜120 W/m2、好
ましくは40〜80W/m2とすることが必要である。光量が少
なすぎると、色調改良効果が十分発揮されず、一方、光
量が多すぎると、光によるエネルギーで反応系内が高温
になり、反応温度の制御が困難になる。
【0016】ポリエステルの保存時及び使用時の重合度
低下を抑制するため、酸化防止剤を含有させることも望
ましい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系
のものが好ましく、具体的には、旭電化社製「アデカス
タブ」 AO-20〜AO-80 、住友化学社製「スミライザー」
GA-80、 BHT、チバガイギー社製「イルガノックス」101
0などが挙げられる。酸化防止剤を添加する場合、その
添加量は、1重量%以下とするのが適当であり、この量
が多すぎると、ポリエステルの色調が低下する。
【0017】次に、本発明の方法をより具体的に説明す
る。PBAを製造する場合、例えば、アジピン酸ジメチ
ルと 1,4−ブタンジオールに、触媒としてチタン化合物
を添加し、温度 200〜220 ℃、窒素ガス制下で、生成す
るメタノールを留去しながら、1〜3時間エステル交換
反応を行い、PBAオリゴマーを得る。次いで、このP
BAオリゴマーを重縮合反応缶に移送し、光を照射しな
がら、減圧下に加熱して、所定の重合度のポリエステル
が得られるまで重縮合反応を行う。
【0018】PBA共重合ポリエステル、例えば、PB
Aとポリエチレンテレフタレート(PET)との共重合
ポリエステルを製造する場合、まず、次のようにして共
重合オリゴマーを得る。 テレフタル酸とエチレングリコールとを温度 230〜26
0 ℃、窒素ガス制圧下で、3〜8時間エステル化反応さ
せ、PETオリゴマーを得る。次いで、これにアジピン
酸と 1,4−ブタンジオールとのスラリー及び触媒として
チタン化合物を添加し、さらに温度 240〜260 ℃で1〜
2時間エステル化反応させ、共重合オリゴマーを得る。 テレフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、エチレ
ングリコール及び 1,4−ブタンジオールに、触媒として
チタン化合物を添加し、温度 210〜240 ℃、窒素ガス制
圧下で、生成するメタノールを留去しながら、1〜3時
間エステル化交換反応を行い、共重合オリゴマーを得
る。 次いで、これらの共重合オリゴマーを重縮合反応缶に移
送し、光を照射しながら、減圧下に加熱して、所定の重
合度のポリエステルが得られるまで重縮合反応を行う。
【0019】なお、チタン化合物は、重縮合触媒として
作用するだけでなく、エステル交換反応又はエステル化
反応の触媒としても作用するので、エステル交換反応又
はエステル化反応時に添加することが望ましい。
【0020】
【作用】本発明の方法によって、色調の良好なポリエス
テルが得られるのは、特定の波長の光を照射することに
よって、重縮合反応中に生成する呈色物質(チタンの有
機錯体)が分解されるか、あるいは呈色物質の生成が抑
制されるためと推定される。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、測定法は、次のとおりでる。 (a) 極限粘度(〔η〕) フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒とし、温度20℃で測定した。 (b) 色調 日本電色工業社製ND−Σ80型色差計を用いて測定した。
a値は赤−緑系の色相(+側は赤味、−側は緑味)、b
値は黄−青系の色相(+側は黄味、−側は青味)を示
し、いずれも極端に小さくならない限り、小さい方が良
い。
【0022】実施例1 アジピン酸ジメチルと 1,4−ブタンジオールとをモル比
1/1.2 割合でエステル交換反応器に仕込み、生成ポリ
エステルに対して、触媒としてテトラ−n−ブチルチタ
ネートをチタン原子として49ppm 及び酸化防止剤として
「イルガノックス」1010を 0.1重量%添加し、常圧下、
温度 210℃で、生成するメタノールを留去しながら、2
時間エステル交換反応を行って、PBAオリゴマーを得
た。このPBAオリゴマーを重縮合反応缶に移送し、ス
パイグラスからキセノンランプを光源とし、フィルター
によって波長を 400〜550nm に調整した光を光量60W/m2
で照射しながら、重縮合反応缶内の温度を30分間で 250
℃に昇温し、圧力を徐々に減じて60分間後に1.2hPa以下
とした。この条件で、攪拌しながら、2時間重縮合反応
を行った。
【0023】実施例2 照射する光の波長を表1に示すように変えた以外は、実
施例1と同様に実施した。
【0024】実施例3 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にテレフ
タル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6 のスラ
リーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力0.1MPaG 、滞
留時間8時間の条件で、エステル化反応を行い、エステ
ル化反応率95%のPETオリゴマーを連続的に得た。こ
のPETオリゴマーを重縮合反応缶に移送し、アジピン
酸と 1,4−ブタンジオールとのモル比1/7.3 のスラリ
ーを表1に示す仕込みモル比となるように投入し、生成
ポリエステルに対して、触媒としてテトラ−n−ブチル
チタネートをチタン原子として49ppm 、金属塩として酢
酸カルシウムをカルシウム原子として100ppm及び酸化防
止剤として「イルガノックス」1010を 0.1重量%添加
し、温度240℃、圧力0.1MPaG の条件で、攪拌しながら
1時間エステル化反応を行った。引き続いて、スパイグ
ラスからキセノンランプを光源とし、フィルターによっ
て波長を 400〜550nm に調整した光を光量60W/m2で照射
しながら、重縮合反応缶内の温度を30分間で 260℃に昇
温し、圧力を徐々に減じて60分間後に1.2hPa以下とし
た。この条件で、攪拌しながら、3時間重縮合反応を行
った。
【0025】実施例4〜6 アジピン酸と 1,4−ブタンジオールとの割合、照射する
光の波長と光量を表1に示すように変えた以外は実施例
3と同様に実施した。
【0026】比較例1〜2 照射する光の波長と光量を表1に示すように変えた以外
は実施例1と同様に実施した。
【0027】比較例3〜6 アジピン酸と 1,4−ブタンジオールとの割合、照射する
光の波長と光量を表1に示すように変えた以外は実施例
3と同様に実施した。
【0028】上記の実施例及び比較例で得られたポリエ
ステルの〔η〕と色調を表1にまとめて示す。なお、表
1において、TPAはテレフタル酸成分、ADAはアジ
ピン酸成分、EGはエチレングリコール、BDは 1,4−
ブタンジオールを表す。また、〔Ti〕はチタン化合物
のチタン原子としての添加量(ppm)、〔Ca〕はカルシ
ウム化合物のカルシウム原子としての添加量(ppm)を示
す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1〜6では、実用に供し得る重合度
(〔η〕)を有し、かつ、色調の良好なポリエステルが
得られた。これに対して、比較例1では、光を照射しな
かったため、比較例2〜4では光の波長が不適当であっ
たため、いずれもポリエステルの色調が悪かった。ま
た、比較例5では、照射した光量が少なすぎたため、色
調改良効果が不十分であり、比較例6では、照射した光
量が多すぎたため、重縮合反応缶内の温度が上がりす
ぎ、分解反応が進んで、十分な重合度を有するポリエス
テルを得ることができなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、チタン化合物を重縮合
触媒として使用し、色調の良好なPBA又はその共重合
ポリエステルを製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリブチレンアジペート又はその共重合
    ポリエステルを製造するに際し、重縮合触媒としてチタ
    ン化合物を使用し、波長 400〜550 nm、光量10〜120W/
    m2の光を照射しながら重縮合反応を行うことを特徴とす
    るポリエステルの製造方法。
JP34617797A 1997-12-16 1997-12-16 ポリエステルの製造方法 Pending JPH11171986A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004250485A (ja) * 2003-02-18 2004-09-09 Nippon Ester Co Ltd 共重合ポリエステル及び成形品
WO2011095446A1 (de) 2010-02-04 2011-08-11 Basf Se Verfahren zur herstellung von polyestern, insbesondere polyesteralkoholen

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