JP2000026585A - コポリエステルの製造法 - Google Patents

コポリエステルの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1,4−ブタンジオールと他の脂肪族ジオー
ルの少なくとも2種類のジオール成分を有するコポリエ
ステルを製造するに際し、危険性の高い溜出物の副生を
抑制して、安全に、かつ収率よく製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 ジオール成分として1,4−ブタンジオ
ールと他の脂肪族ジオールの少なくとも2種類の成分を
有する、融点又は軟化点が190℃以下のコポリエステ
ルを製造する。その際、ジオール成分が1,4−ブタン
ジオール以外の成分からなるポリエステル低重合体を直
接エステル化法により合成し、このポリエステル低重合
体の温度を160〜200℃に制御しながら1,4−ブ
タンジオールを添加した後に重縮合反応を行うことによ
り、直接エステル化反応から重縮合反応までに溜出する
溜出液の引火点を21℃以上に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,4-ブタンジオー
ルと他の脂肪族ジオールの少なくとも2種類以上のジオ
ール成分を有するコポリエステルを製造するに際し、危
険性の高い溜出物の副生を抑制して、安全に、かつ収率
よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,4-ブタンジオール(以下、1,4-BDと
略す。)を含む低融点のコポリエステルは、低温での流
動性がよいことから、成形性、低温での接着性に優れ、
かつ結晶性であることから、接着強力保持性、耐久性に
優れたポリマーとして、ホットメルト型接着剤、ホット
メルト型バインダー繊維などに広範に利用されている。
【0003】しかし、1,4-BDは加熱下で環化し、引火
の危険性が非常に高く、爆発性の過酸化物を生じやすい
テトラヒドロフラン(以下、THFと略す。)を副生す
るという欠点がある。1,4-BDとテレフタル酸からなる
ポリブチレンテレフタレートの製造の際に、テレフタル
酸のカルボキシル基と1,4-BDの水酸基とを直接反応さ
せる、いわゆる直接エステル化法で反応を行った場合、
高温を要するためTHFが大量に副生し、危険であるほ
か、酸成分とグリコール成分とのモルバランスがくずれ
て、ポリマーの収率が著しく悪くなったり、ポリマーの
組成が大きく変動したり、反応が進み難くなるという問
題が生じる。
【0004】そこで一般には、テレフタル酸のジメチル
エステル体を用い、直接エステル化法よりも低温で、メ
チル基と水酸基とのエステル交換反応によってオリゴブ
チレンテレフタレートを得て、重縮合する方法で製造し
ている。しかし、この方法でポリマーを製造すると、当
然のことながら、エステル交換反応時の溜出液としてメ
タノールが溜出する。これも引火性で危険性の高い物質
であるため、溜出液の引火点が非常に低くなるという欠
点を有している。
【0005】一方、メタノールが溜出しない直接エステ
ル化法で製造しようとすると、前述したように、エステ
ル化反応温度が高温のためTHFが大量に副生して溜出
液の引火点が下がり危険であること、グリコールと酸の
モルバランスがくずれて反応が進み難くなること、ポリ
マーの組成が変動すること、ポリマーの収率が悪くなる
ことなどの大きな問題を抱えている。
【0006】このような問題を解決するため、種々の検
討がなされており、例えば、特開昭54−127497号公報に
は、THFの副生を避けるために、テレフタル酸を主と
するジカルボン酸の低級アルキルエステルを用いた反応
において、エステル交換反応を 120〜 190℃の低温で、
反応率70〜80%になるまで行い、エステル交換が十分に
進行しない状態のまま減圧を開始してポリマーを製造す
る方法が開示されている。しかし、このような方法で
は、THFの副生はある程度低減できても、エステル交
換法を用いているために、メタノール等の危険性の高い
溜出液が副生することは避けられないという問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、1,4-BDと他の脂肪族ジオールの少なくとも
2種類のジオール成分を有するコポリエステルを、エス
テル交換法を用いることなく、かつ、THFの副生量を
少なくし、安全に、収率よく製造する方法を提供するこ
とを技術的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明は、ジオール成分として
1,4-ブタンジオールと他の脂肪族ジオールの少なくとも
2種類の成分を有する、融点又は軟化点が 190℃以下の
コポリエステルを製造するに際し、ジオール成分が1,4-
ブタンジール以外の成分からなるポリエステル低重合体
を直接エステル化法により合成し、このポリエステル低
重合体の温度を 160〜 200℃に制御しながら1,4-ブタン
ジオールを添加した後に重縮合反応を行うことにより、
直接エステル化反応から重縮合反応までに溜出する溜出
液の引火点を21℃以上に制御することを特徴とするコポ
リエステルの製造法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の目的とするコポリエステルは、ジ
オール成分として1,4-BDと他の脂肪族ジオールの少な
くとも2種類の成分を有し、融点又は軟化点が 190℃以
下のものである。1,4-BD以外のグリコール成分を含ま
ない場合、ポリエステル低重合体を合成することができ
ないため、本発明の製造法でコポリエステルを重合する
ことが不可能となる。
【0012】1,4-BD以外のグリコール成分の具体例と
しては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、
ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキシド付加体、ビスフェノール
Sのエチレンオキシド付加体等の芳香族グリコールが挙
げられる。1,4-BDの共重合割合は、特に限定されるも
のではないが、1,4-BDを使用することによる効果を実
質的に発揮する範囲としては、10〜80モル%が好まし
い。
【0013】コポリエステルの融点又は軟化点が 190℃
を超えると、たとえば接着剤やバインダー繊維として使
用する場合、構造物等を熱接着する際の接着温度を高温
にしなければならず、操業にコストがかかる、構造物自
体の耐熱限界に近づいて製品の物性が低下するなどの問
題が生じるため好ましくない。このような融点又は軟化
点が 190℃以下のコポリエステルは、1,4-BDと他の脂
肪族ジオールの少なくとも2種類のジオール成分と、酸
成分のモル比とを適切に選定して共重合することにより
得ることができる。
【0014】酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、ε−カプロラク
トンやδ−バレロラクトン等の脂肪族ラクトン等が挙げ
られる。なお、コポリエステルは、その特性が大きく変
化しない範囲で、他の成分、例えばトリメリット酸、ト
リメチロールプロパン等の多官能成分等を共重合成分と
して少量含有していてもよく、難燃剤、安定剤、着色剤
等の添加剤を含有していてもよい。
【0015】コポリエステルの極限粘度(以下、〔η〕
と略称する。)は、例えば接着剤として用いる場合には
0.10〜0.90が好ましく、バインダー繊維として用いる場
合には、0.55〜0.70とするのが好ましい。
【0016】本発明において、1,4-BDは、1,4-BD以
外の成分から直接エステル化法により合成したポリエス
テル低重合体に、そのポリエステル低重合体の温度を 1
60〜200℃に制御しながら添加する必要がある。
【0017】1,4-BDを投入するときのポリエステル低
重合体の温度が 200℃を超えると、1,4-BDが環化し、
THFになる反応が促進されるため、溜出液の引火点が
下がり、安全面での問題が生じるほか、反応缶内の酸と
グリコールのモルバランスが崩れ、ポリマーの組成が変
動したり、ポリマーの収率が悪くなるなどの問題も生じ
てくる。
【0018】一方、ポリエステル低重合体の温度が 160
℃に満たないと、1,4-BDを添加したときのエステル化
反応及びエステル交換反応が不足し、溜出系に飛散しや
すくなるため、ポリマー中の1,4-BDの共重合割合が減
少するほか、ポリエステル低重合体の固化温度に近づく
ため、固化して反応缶内の撹拌翼等を損傷するおそれが
あり、好ましくない。
【0019】また、1,4-BDを添加し終わってから減圧
を開始するまでの時間は、15分以内とするのが好まし
い。15分を超えると、1,4-BDが単体として加熱下に曝
される時間が長すぎて、THFの副生量が多くなるので
好ましくない。なお、減圧に入るまでの時間は、実質的
には3〜10分程度が最適である。
【0020】本発明においては、溜出液の引火点が21℃
以上となるように制御することが必要である。引火点が
21℃未満では、実質的に引火性が高く非常に危険であ
り、好ましくない。
【0021】本発明の目的とするコポリエステルは、例
えば次のようにして得ることができる。まず、温度 230
〜 250℃で窒素ガス制圧下、ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート及びそのポリエステル低重合体の存
在するエステル化反応缶に、グリコール成分/酸成分の
モル比1.5 のエチレングリコールとテレフタル酸のスラ
リーを添加し、常圧又は加圧下、滞留時間7〜8時間
で、反応率95%のエステル化反応物を得る。このエステ
ル化反応物を重縮合反応缶に移送し、脂肪族ラクトン又
は脂肪族ジカルボン酸等を所定量添加して、缶内の温度
を 230〜 200℃に下げながら、30分〜1時間エステル化
反応を行い、反応率95%のエステル化反応物を得る。
【0022】あるいは、温度 240〜 260℃で窒素ガス制
圧下、エステル化反応缶に、グリコール成分/酸成分の
モル比1.5 のエチレングリコールとテレフタル酸と脂肪
族ラクトン又は脂肪族ジカルボン酸等のスラリーを添加
し、常圧又は加圧下、滞留時間10〜12時間で、反応率95
%のエステル化反応物を得る。このエステル化反応物を
重縮合反応缶に移送する。
【0023】次に、重縮合反応缶内容物の温度を160 〜
200℃になるように制御しながら、1,4-BDを添加し、
添加が終了した後、15分以内に減圧を開始し、反応缶内
の温度を 230〜 270℃に昇温し、0.01〜13.3hPa 以下の
減圧下にて、所定の〔η〕のコポリエステルが得られる
まで重縮合反応を行う。
【0024】重縮合反応は、通常、重縮合触媒の存在下
で行われ、従来一般に用いられているチタン、アンチモ
ン、ゲルマニウム、スズ、コバルト等の金属の化合物が
用いられるが、中でもとくにチタン化合物が好ましい。
反応温度はこれらの触媒活性が得られる範囲内であれば
特に限定されるものではないが、 230〜 270℃が好まし
く、特に重縮合を開始して30分程度は、 240℃程度の比
較的低温で行うとTHF副生の防止に効果がある。重縮
合触媒の添加時期は、特に限定されないが、好ましく
は、1,4-BDのエステル化を促進するため、1,4-BDを
添加する前がよい。
【0025】
【作用】本発明においては、ジオール成分として1,4-B
Dと他の脂肪族ジオールの少なくとも2種類の成分を有
し、融点又は軟化点が 190℃以下の低融点コポリエステ
ルを直接エステル化法にて製造するに際し、1,4-BD以
外の成分からなるポリエステル低重合体をまず得ること
によって、ポリエステル低重合体の融点を低下させてい
るので、1,4-BDを添加する際の温度を 200℃以下の比
較的低温で制御することができる。このため、1,4-BD
の熱分解によるTHFの副生量を抑制でき、溜出液の引
火点が21℃以上となり、1,4-BDを含むコポリエステル
を安全に、かつ収率よく得ることができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の特性値の測定法は、次のとおりで
ある。 (1) 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い、
濃度0.5g/100ml、温度20℃で測定した。 (2) THF副生量 日本電子(株)製プロトンNMR型番JNM-EX400 にて溜
出液の組成を分析し、溜出液の重量から算出した。 (3) コポリエステルの共重合成分の割合 コポリエステル 0.5gにメタノールを加えて加熱して分
解し、酸成分をメチルエステル体とし、酸成分のメチル
エステル体とグリコール成分を、島津製作所製ガスクロ
マトグラフGC-9A を用いて求めた。成分表示では、酸成
分と脂肪族ラクトン成分を合わせて 100モル%、グリコ
ール成分を合わせて 100モル%となるように計算した値
を用いた。
【0027】(4) 融点 パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC-7 型を用い、
昇温速度20℃/分で測定した。 (5) 軟化点 柳本社製自動融点測定装置AMP−1型を使用し、昇温
速度10℃/分でシリコーン浴中の針入温度を求めた。 (6) 溜出液の引火点 セタ密閉式引火点測定機を用いて測定した。 (7) ポリマーの収率 理論的に得られるポリマー量に対する、実際に反応後に
払い出して得たコポリエステルペレットの重量%で求め
た。
【0028】実施例1 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその
ポリエステル低重合体の存在するエステル化反応缶にテ
レフタル酸(以下、TPAと略称する。)とエチレング
リコール(以下、EGと略称する。)のEG/TPAの
モル比1.5 としたスラリーを連続的に供給し、温度 250
℃、圧力0.1MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間と
して、反応率95%のエステル化反応物(以下、PETオ
リゴマーと略称する。)を連続的に得た。
【0029】このPETオリゴマー51.2kg を重縮合反
応缶に移送し、ε−カプロラクトン(以下、ECLと略
称する。)5.1kg を添加し、温度を 250℃から 200℃に
徐々に降温し、圧力0.1MPaの条件で撹拌しながら、エス
テル化反応を1時間行った。
【0030】次いで、重縮合触媒としてテトラブチルチ
タネートを2×10-4モル/酸成分モル添加したのち、1,
4-BDを、反応缶内容物の温度が 160〜 200℃となるよ
うに制御しながら25.9kg添加した。添加が終了してか
ら、10分間攪拌した後、反応缶内の温度を60分で 240℃
に昇温しつつ、圧力を徐々に減じて90分後に1.2hPa以下
にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を3時間
行い、表1に示す特性を有するコポリエステルを得た。
このコポリエステルを得る際に溜出した溜出液の引火点
は、35℃であった。
【0031】実施例2 エステル化反応缶にTPAとEGとアジピン酸(以下、
ADと略称する。)のEG/(TPA+AD)のモル比
1.5 としたスラリーを供給し、温度 250℃、圧力0.1MPa
の条件で反応させ、滞留時間を12時間として、反応率95
%のエステル化反応物を得た。このエステル化反応物5
7.7kgを重縮合反応缶に移送し、圧力0.1MPaの条件で撹
拌しながら、温度を 250℃から 200℃に徐々に降温し
た。
【0032】次いで、重縮合触媒としてテトラブチルチ
タネートを2×10-4モル/酸成分モル添加した後、1,4-
BDを、反応缶内容物の温度が 160〜 200℃となるよう
に制御しながら25.9kg添加した。添加が終了してから、
10分間攪拌した後、反応缶内の温度を60分で 240℃に昇
温しつつ、圧力を徐々に減じて90分後に1.2hPa以下にし
た。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を3時間行
い、表1に示す特性を有するコポリエステルを得た。こ
のコポリエステルを得る際に溜出した溜出液の引火点
は、32℃であった。
【0033】実施例3〜8 実施例1において、1,4-BDを添加するときの反応缶内
容物の温度、テレフタル酸以外のカルボン酸及び/又は
脂肪族ラクトンの種類及び共重合割合、1,4-BDを添加
し終わってから減圧を開始するまでの時間、1,4-BDの
共重合割合を表1に従って変更した以外は、実施例1と
同様に実施し、表1に示す特性を有するコポリエステル
を得た。このコポリエステルを得る際に溜出した溜出液
の引火点は25〜36℃であった。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1 実施例1において、PETオリゴマーに、ECLよりも
先に1,4-BDを添加した以外は、実施例1と同様に実施
し、表1に示す特性を有するコポリエステルを得た。
【0036】この場合、PETオリゴマーにECLより
も先に1,4-BDを添加したため、反応缶内容物の温度を
下げられず、また、1,4-BDを添加した後にECLを添
加したため、1,4-BDを添加してから減圧を開始するま
での時間が結果的に長くなり、THFが大量に副生し
た。このため溜出液の引火点が低かったほか、コポリエ
ステル中の1,4-BD組成も仕込み時と比べて極端に少な
くなり、ポリマーの収率も低いものであった。
【0037】比較例2〜4 実施例1において、1,4-BDを添加するときの反応缶内
容物の温度、テレフタル酸の共重合割合を表1に従って
変更した以外は、実施例1と同様に実施し、表1に示す
特性を有するコポリエステルを得た。
【0038】比較例2では、PETオリゴマーにECL
を添加した後、重縮合反応缶内の温度を下げずに1,4-B
Dを添加したため、THFが大量に副生した。このため
溜出液の引火点が低かったほか、コポリエステル中の1,
4-BD組成も仕込み時と比べて少なくなり、ポリマーの
収率も低いものであった。また、比較例3では、PET
オリゴマーにECLを添加した後、重縮合反応缶内容物
の温度を下げすぎてオリゴマーの固化温度に達したの
で、内容物が固化して撹拌不能となり、反応を続行する
ことができなかった。さらに、比較例4では、TPAの
量が多すぎて融点が高くなり、1,4-BDを添加するとき
の重縮合反応缶内容物の温度を 200℃以下に下げること
ができず、THFが大量に副生して、溜出液の引火点が
低いものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、1,4-BDと他の脂肪族
ジオールの少なくとも2種類のジオール成分を有するコ
ポリエステルを、危険性の高い溜出物の副生を抑制し
て、安全に、かつ、収率よく製造することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AC02 AD01 AD05 AD06 AE13 AE14 BA03 BA04 BA10 BF26 BH02 CA02 CA04 CA06 CB04A CB05A CB06A CC06A DB07 EG07 EG09 KB02 KB12 KB22 KC06 KD01 KD09 KD17 KE03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオール成分として1,4-ブタンジオール
    と他の脂肪族ジオールの少なくとも2種類の成分を有す
    る、融点又は軟化点が 190℃以下のコポリエステルを製
    造するに際し、ジオール成分が1,4-ブタンジール以外の
    成分からなるポリエステル低重合体を直接エステル化法
    により合成し、このポリエステル低重合体の温度を 160
    〜 200℃に制御しながら1,4-ブタンジオールを添加した
    後に重縮合反応を行うことにより、直接エステル化反応
    から重縮合反応までに溜出する溜出液の引火点を21℃
    以上に制御することを特徴とするコポリエステルの製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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