JPH11170724A - 印刷用ブランケットの製造方法 - Google Patents

印刷用ブランケットの製造方法

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JPH11170724A
JPH11170724A JP34810197A JP34810197A JPH11170724A JP H11170724 A JPH11170724 A JP H11170724A JP 34810197 A JP34810197 A JP 34810197A JP 34810197 A JP34810197 A JP 34810197A JP H11170724 A JPH11170724 A JP H11170724A
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layer
compressible layer
rubber
thickness
printing blanket
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JP34810197A
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English (en)
Inventor
Makoto Sugitani
信 杉谷
Toshio Kamata
敏生 鎌田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独立気泡構造からなり、圧縮性および厚みが
均一な圧縮性層を簡単に作製することができる印刷用ブ
ランケットの製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1層の基布層と、圧縮性層と
を含む支持体層上に表面印刷層を形成する印刷用ブラン
ケットの製造方法であって、前記圧縮性層を作製する工
程が、(1) 内部に溶剤が充填された熱膨張性マイクロカ
プセルと、圧縮性層用の未加硫のゴム材料とを混練し、
シート状に成形する工程と、(2) 得られたシート部材と
基布とを圧着用ローラで加圧して接着する工程と、(3)
加硫して前記熱膨張性マイクロカプセルを膨張させ、圧
縮性層内部に気泡を形成する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧縮性層を有する印
刷用ブランケットの製造方法に関し、より詳しくは、厚
みが均一な圧縮性ブランケットを簡単な工程でかつ良好
な作業環境で作製することができる印刷用ブランケット
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版オフセット印刷やグラビアオフセッ
ト印刷には、図3に示すように、少なくとも1層の基布
層16と、多孔質の弾性体からなる圧縮性層14とを含
む支持体層12上に表面印刷層11を設けた印刷用ブラ
ンケット10が広く用いられている。
【0003】多孔質の弾性体からなる圧縮性層14を形
成する方法としては、従来より、例えば基布に塩等の水
溶性粉体を溶解させたゴム糊を塗布し、乾燥、加硫させ
た後、温水に浸して前記水溶性粉体を溶出して乾燥させ
る、いわゆるリーチング法や、未加硫ゴムに発泡剤を混
入してゴムの加硫と同時に発泡を起こす、いわゆる発泡
法が知られている。
【0004】印刷用ブランケットの圧縮性層には、個々
の微小な気泡が独立して存在する、いわゆる独立気泡構
造が有効であるとされている。しかしながら、上記の方
法で形成される圧縮性層は、細長く連続した気泡からな
る、いわゆる連続気泡構造のみが得られたり、あるいは
連続気泡構造と独立気泡構造とが混合した構造をとる。
すなわち、上記の方法で完全な独立気泡構造を得るのは
困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、独立気泡構造の
みを得る方法として、粒径が10〜125μm程度の中
空の微小球(以下、「マイクロバルーン」という)をゴ
ム中に配合する方法が提案されている(特開平2−20
392号公報)。上記公報に開示の方法は、中空微小球
と、未加硫の圧縮性層用ゴム組成物とを有機溶剤に溶か
してゴム糊とし、これをブレードコーティング法等の糊
引きによって基布上に塗布するものである。このように
ゴム糊を塗布して圧縮性層を形成する方法は、厚みのば
らつきを小さくするうえで極めて有効な方法である。
【0006】しかしながら、1回の糊引きで得られる層
の厚みはわずか0.01〜0.05mm程度であって、
所定の厚みの圧縮性層を得るには糊引き操作を数回から
数十回繰り返す必要がある。従って、上記公報に開示の
方法では、印刷用ブランケットの製造に多大な時間がか
かり、工程も煩雑となる。また、ゴム糊の作製に多量の
有機溶剤を必要とするので、作業環境が低下するという
問題も生じる。
【0007】さらに、上記マイクロバルーンの直径が、
ゴム糊の1回の塗布によって形成される膜厚と同程度
(またはそれ以上)であることから、コーティング時に
マイクロバルーンがブレードに引っかかってしまい、圧
縮性層中での分散が不均一になってしまう。その結果、
圧縮性層の圧縮性や厚さにばらつきが発生し、ひいては
印刷用ブランケットの印刷精度が低下するという問題の
原因にもなる。
【0008】一方、上記の糊引き法に代えて、マイクロ
バルーンと未加硫のゴム組成物とを混練した後、シート
状に成形して圧縮性層とする方法が考えられる。しか
し、この方法は、ゴムを混練する際やシート状に成形す
る際の圧力でマイクロバルーンが潰れてしまうおそれが
あり、前記と同様に圧縮性層の圧縮性や厚さにばらつき
が発生する。
【0009】そこで本発明の目的は、独立気泡構造から
なり、圧縮性および厚みが均一な圧縮性層を簡単に作製
することができる印刷用ブランケットの製造方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、少なくとも1
層の基布層と、圧縮性層とを含む支持体層上に表面印刷
層を形成する印刷用ブランケットの製造方法であって、
前記圧縮性層を作製する工程が、(1) 内部に溶剤が充填
された熱膨張性マイクロカプセルと、圧縮性層用の未加
硫のゴム材料とを混練して、シート状に成形する工程
と、(2) 得られたシート部材と基布とを圧着用ローラで
加圧して接着する工程と、(3) 加硫して前記熱膨張性マ
イクロカプセルを膨張させ、圧縮性層内部に気泡を形成
する工程とを含むときは、独立気泡構造からなり、圧縮
性および厚みが均一な圧縮性層を作製できるという新た
な事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明において、未加硫の圧縮性層用ゴム
組成物に配合される熱膨張性マイクロカプセルは、粒径
が3〜40μm程度と極めて微小な球体で、その内部に
炭化水素等の溶剤が充填されたものである。このため、
前記マイクロカプセルを含有する圧縮性層用のゴム材料
を混練したり、カレンダーで圧延して薄いシート部材と
して成形したりしても、前記マイクロカプセルが破壊さ
れることがない。
【0012】また、前記マイクロカプセルは加硫時に溶
剤が気化し、熱膨張することによって気泡を形成するも
のであって、シート部材を成形する際には微小球として
存在していることから、圧縮性層用のゴム材料中での分
散性が良好である。従って、本発明によれば、独立気泡
構造からなる気泡が均一に分散された圧縮性層を作製す
ることができる。
【0013】さらに本発明によれば、圧縮性層の作製に
糊引きの操作を伴わないことから、有機溶剤の使用量を
軽減でき、製造時の作業環境を向上させることができ
る。上記本発明の印刷用ブランケットの製造方法におい
て、熱膨張性マイクロカプセルの粒径は当該マイクロカ
プセルが混練や成形時に破壊されることがなく、かつ圧
縮性層用ゴム材料中に均一に分散されるという観点か
ら、3〜40μmの範囲であるのが好ましい。
【0014】上記本発明の印刷用ブランケットの製造方
法のうち、(1) の工程において、熱膨張性マイクロカプ
セルと圧縮性層用の未加硫のゴム材料とを混練して押出
成形した後、こうして得られたシート部材をカレンダー
で加圧して薄層化した後、(2) の工程に供するときは、
圧縮性層をより一層薄く、かつより一層均一な厚みでも
って成形できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の印刷用ブランケットの製
造方法において、圧縮性層用の未加硫のゴム材料に用い
られるゴムとしては、例えばアクリロニトリル−ブタジ
エンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アク
リルゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム
(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM)、水素添加NBR、多硫化ゴムおよびこれらの混
合物等があげられる。
【0016】本発明に用いられる熱膨張性マイクロカプ
セルは、熱可塑性樹脂からなる殻壁の内部に溶剤を充
填、封入した微小球である。かかるマイクロカプセルの
粒径は、圧縮性層用ゴム材料の混練時や圧縮性層の成形
時に破壊されることがないように、また、圧縮性層用ゴ
ム材料中に均一に分散されるように、さらには加工工程
における取扱の容易さおよび成形後の圧縮性の観点か
ら、3〜40μm、好ましくは5〜30μm、より好ま
しくは10〜30μmの範囲であるのが適当である。
【0017】また、上記熱膨張性マイクロカプセルが膨
張して形成される気泡の粒径は、200μm以下、好ま
しくは30〜200μm、より好ましくは50〜100
μmの範囲であるのが適当である。膨張後の粒径が上記
範囲を超えると、圧縮性層の厚みに対して気泡の粒径が
大きくなり過ぎて、圧縮性にばらつきが生じるおそれが
ある。一方、膨張後の粒径が小さ過ぎると、圧縮性層に
充分な圧縮性を付与することができなくなるおそれがあ
る。
【0018】上記マイクロカプセルの内部に含有される
溶剤としては、低沸点の揮発性溶剤があげられる。具体
的には沸点が100℃以下である溶剤、例えばn−ブタ
ン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペ
ンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン等の炭化水素等が
あげられる。前記マイクロカプセルの殻壁に使用される
熱可塑性樹脂としては、ゴムの混練り中の温度(60〜
100℃)で変形しにくく、前記温度以上に加熱すると
軟化して伸長するものが好ましい。具体的には、軟化開
始温度が100〜160℃、好ましくは120〜150
℃の範囲であるのが適当である。殻壁の軟化開始温度が
上記範囲を下回ると、圧縮性層用ゴム材料の加硫前にマ
イクロカプセルが膨張するおそれがあり、すなわち、圧
縮性層の成形時にマイクロカプセルの粒径が大きくな
り、かつ中空のマイクロバルーンを形成することから、
圧縮性層14中に均一に分散されなくなったり、混練や
押出成形時に潰れてしまうといった問題が生じる。逆
に、殻壁の軟化開始温度が上記範囲を超えると、加硫時
においてもマイクロカプセルが膨張しないため、圧縮性
層14内に気泡を形成できなくなるという問題が生じ
る。
【0019】本発明に用いられるマイクロカプセルの殻
壁を構成する熱可塑性樹脂には、例えば特開平2−20
392号公報に開示のように、フェノール樹脂、および
種々の熱可塑性樹脂が用いられる。前記樹脂のうち、例
えばアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、
スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル等
の熱可塑性樹脂からなる重合体およびそれらの共重合体
等を用いるのが好ましい。より好ましくは、アクリロニ
トリルとメタクリロニトリルを主成分とする共重合体
〔例えば、松本油脂製薬(株)製の「マツモトマイクロ
スフェアーF80S」(平均粒径20〜30μm、殻壁
軟化温度140〜145℃)など〕等が用いられる。
【0020】熱膨張性マイクロカプセルと圧縮性層用ゴ
ム材料とを混合する方法としては、シート部材を作製す
る押出機において行うこともできる。しかし、熱膨張性
マイクロカプセルをゴム材料中に均一に分散させるに
は、あらかじめ圧縮性層用ゴム材料と熱膨張性マイクロ
カプセルとをバンバリー、ニーダー、ロール等の混練機
で混合させて混合物を作製し、その後その混合物を用い
て押出成形によりシート部材を作製するのが好ましい。
なお、圧縮性層用ゴム材料をあらかじめ混練した後に、
別途熱膨張性マイクロカプセルを混合して前記混合物を
作製することもできるが、生産性を向上させるという観
点から、圧縮性層用ゴム材料を混練する際に熱膨張性マ
イクロカプセルも混入して前記混合物を作製するのが好
ましい。
【0021】前記マイクロカプセルの配合量は、圧縮性
層用ゴム材料におけるゴム分100重量部に対して5〜
30重量部、好ましくは10〜25重量部の範囲である
のが適当である。圧縮性層用のゴム材料は、上記例示の
ゴムに加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて充填剤、
可塑剤、補強剤、増粘剤等を配合したものが用いられ
る。
【0022】本発明の印刷用ブランケットの製造方法に
おいて、圧縮性層用の未加硫のゴム材料と熱膨張性マイ
クロカプセルとを混練し、シート部材を得る方法として
は、図1に示すように押出機20を用いる方法と、図2
に示すように逆L字型4本ロール等のカレンダー40を
用いる方法があげられる。シート部材の作製に押出機2
0を用いる場合において、圧縮性層用のゴム材料は、ま
ず押出機20のシリンダー内で加熱溶融され、押出機2
0の吐出口202からシート部材30として押し出され
る。
【0023】上記シート部材30の厚みは、通常0.0
5〜0.8mm、好ましくは0.1〜0.3mm程度と
なるように調整される。シート部材30の厚みが上記範
囲を下回るとゴムを押し出しにくくなり、口金201内
部で温度が上昇してゴムの焼けが起こりやすくなる。一
方、シート部材30の厚みが上記範囲を超えると、カレ
ンダー21へのゴムの供給が過剰になり、シート部材3
0を薄くするのが困難になったり、厚みのばらつきが生
じやすくなるために好ましくない。
【0024】押出機20内の温度は、圧縮性層14用ゴ
ム材料の温度がマイクロカプセルの殻壁の軟化開始温度
を超えない範囲で、通常、60〜100℃の範囲で設定
される。押出機20内の温度が上記範囲を下回ると、押
出機20内でのゴム材料の流れが悪くなり、ゴムを押し
出しにくくなるおそれがある。一方、前記温度が100
℃を超えると、マイクロカプセルが膨張し始めるおそれ
があり、粒径が大きくなったり、混練時の圧力で気泡が
潰されたりするおそれが生じる。
【0025】押出成形によって得られたシート部材30
は、吐出口202から押し出された後、カレンダー21
に供給されて薄層化される。カレンダー21は、互いに
逆方向に回転する一対のロール22,23からなるもの
であって、当該ロール22,23間にシート部材30を
通過させることにより、当該シート部材30を薄層化す
ることができる。ロール22,23間の間隙は、圧縮性
層に要求される厚みに応じて適宜設定される。
【0026】カレンダー21を通過して得られた薄層3
1は、図1中に符号13で示される基布に貼り合わされ
た上でローラ24で圧接される。圧縮性層用のゴムと基
布13とは、前述のようにシート部材30がカレンダー
21を通過して薄層化された後で貼り合わせるのが好ま
しい。シート部材30と基布13とをあらかじめ貼り合
わせてからカレンダー21を通過させ、前記シート部材
30を薄層化するとともに基布13に圧着させた場合に
は、ロール22,23間の圧力によって基布13の内部
にゴムが入り込みやすくなる。このため、加硫後におい
て基布13の硬度が高くなり過ぎるおそれがあり、好ま
しくない。
【0027】薄層31と基布13との圧着は、シート部
材30をカレンダー21で薄層化した直後に行うのが好
ましい。圧着用ローラ24をカレンダー21の一方のロ
ール(図ではロール23)に押し当てるようにして設置
したときは、シート部材30を薄層化した直後に基布1
3と接着させることができる。この結果、薄層31が高
い温度に維持されている状態で基布13を接着させるた
め、両者の接着性が良好になる。
【0028】薄層31と基布13とを接着する際の、圧
着用ローラ24の圧力は3〜100kg/cm2 、好ま
しくは5〜60kg/cm2 の範囲であるのが適当であ
る。前記圧力が3kg/cm2 を下回ると、薄層31と
基布13との接着が不十分になるために好ましくない。
一方、圧力が100kg/cm2 を超えると、基布13
内部にゴムが入り込んだり、薄層31または基布13が
破れたりするおそれが生じる。
【0029】こうして得られた基布13付きの圧縮性層
14は、冷却後、必要に応じてポリエチレンフィルムな
どの表面エネルギーの低いシートを介して巻き取られ
る。本発明において、圧縮性層14の厚みは特に限定さ
れないが、通常0.1〜1.0mm、好ましくは0.3
〜0.8mmの範囲で設定するのが適当である。シート
部材の作製に、図2に示すようなカレンダー40を用い
る場合において、圧縮性層用のゴム材料は、まずロール
41,42の間に充填され、ゴム溜まり30を形成す
る。次いで、このゴム溜まりからロール41,42の間
隙にゴムを取り込むことによってシート部材33を形成
する。シート部材33の厚みは、さらに他のロール4
3,44で圧接し、薄層化する操作において適宜設定さ
れる。
【0030】こうして得られた薄層は、基布13ととも
に圧着用ローラ45で圧接され、基布13付きの圧縮性
層14が得られる。次いで、この基布13付きの圧縮性
層14を120〜180℃の温度、0.1〜10kgf
/cm2 の圧力で5分〜10時間加圧加硫すると、圧縮
性層14内部のマイクロカプセルが膨張することによっ
て、当該圧縮性層14内に気泡が形成される。
【0031】本発明の印刷用ブランケットの製造方法に
おいて、基布層16は、例えば接着層15用のゴム材料
をシート状に成形して、これを基布13に貼り合わせる
か、または接着層15用のゴム材料をトルエン等の有機
溶媒に溶解してゴム糊とし、これを基布13に塗布する
といった方法によって製造される。また、支持体層12
は、例えば基布層16を1層または所定数(2〜5層)
積層したものと、上記方法にて得られた基布13付き圧
縮性層14とを図3に示すように貼り合わせることによ
って製造される。
【0032】本発明において、支持体層12全体の厚み
は特に限定されないが、通常1.45〜1.85mm、
好ましくは1.55〜1.75mmの範囲で設定するの
が適当である。表面印刷層11は、例えば前述した方法
によって得られた支持体層12のうち、圧縮性層14側
の基布13に接着層15用ゴム糊を塗布し、表面印刷層
11用のゴム材料からなるシート部材を貼り合わせる
か、あるいは圧縮性層14側の基布13に、表面印刷層
11用のゴム材料からなるゴム糊を直接塗布することに
よって製造される。
【0033】本発明において、表面印刷層11の厚みは
特に限定されないが、通常0.05〜0.8mm、好ま
しくは0.1〜0.6mm、より好ましくは0.2〜
0.5mmの範囲で設定するのが適当である。以上のよ
うにして製造された積層体は、通常120〜180℃の
温度、0.1〜10kg/cm2 の圧力で5分〜10時
間加圧加硫される。
【0034】なお、前述のように、基布13付き圧縮性
層14内の気泡は該圧縮性層14を加圧加硫する際に形
成される。しかし、該圧縮性層14の加圧加硫工程を省
略したり、かかる加圧加硫時の加硫温度を低くしたりす
るなどして、積層体の加硫時において前記圧縮性層内部
の気泡が形成されていない場合には、この積層体の加硫
時において圧縮性層14内部のマイクロカプセルが膨張
し、当該圧縮性層14内に気泡が形成される。
【0035】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明する。 実施例1および比較例1 (圧縮性層の作製)圧縮性層用ゴム材料として、下記の
表1に示す組成のゴム材料を用いた。
【0036】実施例1で使用したマイクロカプセル(松
本油脂製薬(株)製の「F−80S」、平均粒径25μ
m、殻壁の軟化開始温度145℃)は、殻壁がアクリロ
ニトリルとメタクリロニトリルとを主成分とする共重合
体からなり、内部にイソブタンとn−ペンタンからなる
溶剤を含有するものであった。一方、比較例1で使用し
たマイクロバルーン(同社製の「F−80E」、平均粒
径75μm、殻壁の軟化開始温度145℃)は、殻壁が
アクリロニトリルとメタクリロニトリルとを主成分とす
る共重合体からなり、内部に気体を有するものであっ
た。
【0037】図1に示すような押出機20を用いて前記
圧縮性層用ゴム材料を混練し、シート状に押し出した。
次いで、カレンダー21のロール22,23で加圧し、
薄層化して、幅が80cmのシート部材31を得た。こ
のシート部材31の厚みは実施例1では0.2mm、比
較例1では0.4mmであった。さらに、このシート部
材31と基布13(綿布、厚み0.25mm)とを、ロ
ール23と圧着用ローラ24との間を通過させて圧着
し、基布13付きの圧縮性層14を得、これを温度15
0℃、圧力1kgf/cm2 の条件で1時間加硫した。
基布13付きの圧縮性層14の加硫後の厚みは、実施例
1および比較例1ともに、圧縮性層14のみの厚みで
0.4mm、基布13と圧縮性層14を合わせた厚みで
0.65mmであった。なお、この加硫時に実施例1の
マイクロカプセルが膨張し、圧縮性層内に気泡が形成さ
れた。 (圧縮性層14の厚みのばらつき評価)上記基布13付
き圧縮性層14の厚みについて、その平均値X(m
m)、最大値max(mm)および最小値min(m
m)を測定し、さらに前記最大値maxと最小値min
との差(mm)を算出した。その結果を下記の表1に示
す。 (圧縮性層14における気泡の分散性の評価)上記基布
13付き圧縮性層14における気泡の分散状態を目視で
観察し、その分散性を評価した。 (支持体層12の作製)接着層用のゴム材料として、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100重量
部に対し、カーボンブラック30重量部、亜鉛華3重量
部、ステアリン酸1重量部、可塑剤10重量部、硫黄2
重量部および加硫促進剤2重量部を配合したものを用い
た。
【0038】上記接着層用ゴム材料をトルエンとメチル
エチルケトンとの混合溶媒に溶解してゴム糊を調製し、
このゴム糊を基布13(綿布、厚み0.4mm)に含浸
させて厚みを0.08mmとなるように調整した。こう
して得られた基布層16を3枚積層し、得られた積層体
における接着層15の露出面と、前述の基布13付きの
圧縮性層14における圧縮性層14側の表面とを貼り合
わせて、一対のロール間に通して圧接した。こうして、
図3に示すように、中間に圧縮性層14を有する支持体
層12を得た。 (表面印刷層11の形成)表面印刷層用のゴム材料とし
て、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)10
0重量部に対し、顔料0.5重量部、含水シリカ20重
量部、酸化チタン5重量部、亜鉛華3重量部、ステアリ
ン酸1重量部、可塑剤10重量部、硫黄2重量部および
加硫促進剤2重量部を配合したものを用いた。
【0039】上記表面印刷層用ゴム材料をトルエン/メ
チルエチルケトンに溶解してゴム糊を調製し、このゴム
糊を前記支持体層12における圧縮性層14側の基布1
3の表面に塗布し、その厚みを0.40mmとなるよう
に調整した。次いで、こうして得られた積層体を圧力1
kg/cm2 、温度150℃で1時間加硫した。加硫
後、表面印刷層の表面の10点平均粗さ(Rz,JIS
B0601-1982 )が3〜6μmとなるよう研磨し
て、図3に示す印刷用ブランケット10を得た。
【0040】実施例2 実施例1で使用したのと同じ圧縮性層用ゴム材料を用い
て、このゴム材料30を図2に示す逆L字型4本ロール
40のロール41,42間に直接供給し、薄層化して、
厚みが0.2mmで幅が80cmのシート部材33を作
成した。さらに、このシート部材33と基布13とをロ
ール43と圧着用ローラ44との間に通して圧着し、基
布13付き圧縮性層14を得、これを温度150℃、圧
力1kgf/cm2 の条件で1時間加硫した。基布13
付き圧縮性層14の加硫後の厚みは、圧縮性層14のみ
の厚みで0.4mm、基布13と圧縮性層14を合わせ
た厚みで0.65mmであった。なお、この加硫時にマ
イクロバルーンが膨張し、圧縮性層14内に気泡が形成
された。
【0041】次いで、上記実施例1および比較例1と同
様にして基布層16の積層体を作製し、得られた積層体
における接着層15の露出面と、上記基布13付き圧縮
性層における圧縮性層側の表面とを貼り合わせて、一対
のロール間に通して圧接した。こうして、図3に示すよ
うに、中間に圧縮性層14を有する支持体層12を得
た。
【0042】さらに、上記実施例1および比較例1と同
様にして、表面印刷層11の形成、加硫および表面印刷
層11の研磨を行い、図3に示す印刷用ブランケット1
0を得た。 比較例2 比較例1で使用したのと同じ圧縮性層用ゴム材料をトル
エン/メチルエチルケトンに溶解させて圧縮性層用ゴム
糊を得た。このゴム糊を基布13(綿布、厚み0.25
mm)上に厚さ0.4mmとなるように塗布し、乾燥さ
せて、基布13付き圧縮性層14を得た。
【0043】次いで、上記実施例1および比較例1と同
様にして基布層16の積層体を作製し、得られた積層体
における接着層15の露出面と、上記基布13付き圧縮
性層における圧縮性層側の表面とを貼り合わせて、一対
のロール間に通して圧接した。こうして、図3に示すよ
うに、中間に圧縮性層14を有する支持体層12を得
た。
【0044】さらに、上記実施例1および比較例1と同
様にして、表面印刷層11の形成、加硫および表面印刷
層11の研磨を行い、図3に示す印刷用ブランケット1
0を得た。上記実施例2および比較例2で得られた印刷
用ブランケット10について、前述と同様にして、圧縮
性層14のばらつきの評価と気泡の分散性の評価を行っ
た。以上の結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】(印刷試験)上記実施例1、2および比較
例2で得られた印刷用ブランケットをオフセット印刷機
(リョービ社製の560型)に装着して下記の印刷試験
を行い、印刷特性と耐久性とを評価した。印刷試験に用
いたインキは、東洋インキ社製の商品名「マークVニュ
ー」であった。印刷速度は10,000枚/時であっ
た。
【0047】(a) ベタ着肉性 画像解析によりベタ部分の濃度分布を調べ、その標準偏
差(n)を求めた。この値nが小さいほどベタ着肉性が
良好である。 (b) ヘタリ量 オフセット輪転機で500万枚印刷した後、圧縮性層の
厚み変化h(mm)を、ブランケットの断面を目視で観
察することにより測定した。
【0048】実施例1、2および比較例2についての印
刷試験の結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表1〜2より明らかなように、実施例1お
よび2では、圧縮性層の厚みのばらつきが極めて小さ
く、気泡は圧縮性層内に均一に分散されていた。また、
圧縮性層の作製において、有機溶剤を使用量を低減で
き、作業環境の大幅な改善を実現できた。これに対し、
比較例1では、押出成形時に中空のマイクロバルーンが
壊れてしまい、気泡が発生しなかった。
【0051】比較例2では、実施例1、2と同様に厚み
のばらつきが少ない圧縮性層を形成できたものの、ブレ
ードコーティングによる糊引き法を用いたことから、気
泡の分散性が不均一になり、その結果、圧縮性にばらつ
きがみられ、ベタ着肉性が低下した。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
厚みのばらつきが少なく、かつ圧縮性層内にマイクロカ
プセル(すなわち、気泡)が均一に分散された圧縮性ブ
ランケットを得ることができる。また、糊引き操作を伴
わないことから、製造工程を簡単にでき、かつ作業環境
を良好なものとすることもできる。
【0053】従って、本発明は、印刷用ブランケットの
製造方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの製造方法の一実
施形態を示す模式的断面図である。
【図2】実施例2での圧縮性層の作製方法を示す説明図
である。
【図3】印刷用ブランケットの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 印刷用ブランケット 11 表面印刷層 12 支持体層 13 基布 14 圧縮性層 15 接着層 16 基布層 21 カレンダー 24 圧着用ローラ 30 シート部材 31 薄層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層の基布層と、圧縮性層とを
    含む支持体層上に表面印刷層を形成する印刷用ブランケ
    ットの製造方法であって、 前記圧縮性層を作製する工程が、(1) 内部に溶剤が充填
    された熱膨張性マイクロカプセルと、圧縮性層用の未加
    硫のゴム材料とを混練して、シート状に成形する工程
    と、(2) 得られたシート部材と基布とを圧着用ローラで
    加圧して接着する工程と、(3) 加硫して前記熱膨張性マ
    イクロカプセルを膨張させ、圧縮性層内部に気泡を形成
    する工程とを含むことを特徴とする印刷用ブランケット
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱膨張性マイクロカプセルの粒径が3
    〜40μmである請求項1記載の印刷用ブランケットの
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記(1) の工程において、前記熱膨張性マ
    イクロカプセルと圧縮性層用の未加硫のゴム材料とを混
    練して押出成形した後、得られたシート部材をカレンダ
    ーで加圧して薄層化、次いで前記(2) の工程に供する請
    求項1記載の印刷用ブランケットの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649100B2 (en) 1999-12-03 2003-11-18 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Method of producing rubber thread for golf ball and rubber thread for golf ball
CN106029360A (zh) * 2014-02-18 2016-10-12 康蒂泰克弹性体涂料有限公司 用于涂覆基底的方法

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