JPH11169811A - 溶解炉用の集塵装置 - Google Patents

溶解炉用の集塵装置

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JPH11169811A
JPH11169811A JP36408197A JP36408197A JPH11169811A JP H11169811 A JPH11169811 A JP H11169811A JP 36408197 A JP36408197 A JP 36408197A JP 36408197 A JP36408197 A JP 36408197A JP H11169811 A JPH11169811 A JP H11169811A
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dust collecting
dust
furnace
melting furnace
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Osamu Asai
收 浅井
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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Prevention Of Fouling (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料供給から溶解を経て出湯に至る一連の作
業過程において、溶解炉や取鍋から発生する有害物質を
集塵できるようにする。 【解決手段】 炉蓋2の上面上方を伏皿状の集塵フ−ド
10で覆う。集塵フ−ド10は炉蓋2に同行して旋回開
閉できる。集塵フ−ド10の前部に出湯口3を上面から
覆う出湯部フ−ド13を突設する。この出湯部フ−ド1
3で出湯時の有害物質を集塵する。集塵フ−ド10の後
部に後部フ−ド14を設ける。この後部フ−ド14は、
集塵フ−ド10を開放した状態において、溶解炉1の開
口周縁に臨み、炉内への原料供給によって発生する有害
物質を集塵する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気炉などの金
属溶解炉およびその周辺において発生する煤塵、ヒュー
ム等の有害ガスなどを除去するための集塵装置に関す
る。この集塵装置は溶解炉の炉蓋と一体化した集塵フー
ドを備えている。
【0002】
【従来の技術】溶解炉を稼働する際には、多くの煤塵、
ヒューム、有害ガス等の有害物質が発生する。原料供給
工程においては供給原料に付着する油分、塗料、塵埃等
の不完全燃焼による煤塵が多量に発生し、溶解工程にお
いては溶解金属の気化および酸化による有害なヒューム
が連続的に発生し、出湯工程においては取鍋内で激しく
攪拌される溶湯より大量のヒュームが発生する。これら
の汚染物質を含んだガスは、著しく作業環境を悪化さ
せ、作業性を低下させるだけでなく、工場外へ流出し
て、近隣の環境を汚染し、ひいては地球環境汚染を引き
起こす。
【0003】このような汚染物質を含んだガスを集塵す
る目的で、溶解炉の炉蓋を覆うフードとリングフードを
併用した集塵装置が知られている(実公平6−3831
1号公報、実開平6−32993号公報)。そこでは、
出湯口を除く溶解炉の開口周縁にΩ字状のリングフード
を配置し、さらに、リングフードの上面開口を炉蓋で覆
い、炉蓋の周囲と上面とを伏皿形の集塵フードで覆って
いる。集塵フードおよび炉蓋は、上下に揺動する炉蓋腕
で吊り下げ支持してあって、炉蓋腕を上下揺動し、さら
に旋回機構で側方へ旋回移動することにより、リングフ
ードの上面開口を開放し、この状態で材料の投入やスラ
グ除去等を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、リング
フードと集塵フードとの2系統の集塵機構を備えている
集塵装置は、材料投入から出湯に至る一連の溶解過程に
おいて有害物質等を概ね集塵できるものの、全体構造が
複雑で、導入コストが高く付くうえ、ランニングコスト
も高い。炉上方に突出する集塵フードや、集塵フードか
ら導出されるダクトが、取鍋吊持用のフックやワイヤー
と接当干渉するのを避けるために、出湯時には集塵フー
ドおよび炉蓋を全開放操作する必要がある。そのため、
有害物質が最も発生しやすい出湯時に有害物質を完全に
除去できず、とくに、取鍋から発生する有害物質を除去
できない。
【0005】溶解炉の開口周縁にリングフードが常時設
置されるので、スラグ除去時にリングフードが作業の邪
魔になる。定期的に行われる炉壁補修時には、リングフ
ードを一旦撤去し、築炉完了後に再設置する必要があ
り、一連の作業に多くの手間が掛る。溶解工程において
は、溶解炉の上面開口がリングフードと集塵フードとで
ほぼ密閉状に覆われるので、両フードを同時に稼動する
と、有害ガスのみならず、溶解熱も同時に奪われるの
で、熱ロスが大きい。
【0006】この発明の目的は、溶解炉の原料供給から
溶解を経て出湯に至る一連の工程において、溶解炉およ
び取鍋より発生する煤塵、ヒューム、ガス等の有害物質
の全てを確実に集塵し、作業環境を好適な状態に維持
し、さらに地球環境の保全に貢献する、溶解炉用の集塵
装置を提供することにある。この発明の他の目的は、炉
蓋の外面を覆う伏皿状の集塵フードのみで、一連の作業
過程における集塵を確実に行うことができ、リングフー
ドを省略できる分だけ全体装置の導入コストを減少で
き、ランニングコストも少なくて済む溶解炉用の集塵装
置を提供することにある。
【0007】この発明の他の目的は、有害物質が最も発
生しやすい出湯時に、取鍋から発生する有害物質を確実
に吸引除去できる溶解炉用の集塵装置を提供することに
ある。この発明の他の目的は、リングフードを省略する
ことによって、スラグ除去作業や炉壁補修作業を容易に
行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の集塵装置は、
炉蓋2の上面上方を覆う集塵フード10と集塵フード1
0に連通する吸引通路11を介して、フード内の有害物
質等を吸引除去する除塵装置を備えている。集塵フード
10は炉蓋2と一体化されて、溶解炉1の後方一側に配
置した開閉機構6で、閉蓋位置と開蓋位置との間を旋回
開閉可能に支持する。集塵フード10は、炉蓋2の周囲
および上面をそれぞれ小間隔を隔てて覆う伏皿状の主フ
ード12と、主フード12の前部に突設されて、出湯口
3を上面側から覆う出湯部フード13と、開蓋位置にお
いて溶解炉1の上面一側に臨む後部フード14とを備え
ている。以って原料供給時の有害物質等を後部フード1
4で吸引除去し、出湯口3および取鍋Vから発生する有
害物質等を出湯部フード13で吸引除去する。
【0009】具体的には、開閉機構6は、駆動機構で上
下動しながら旋回操作される開閉軸7と、開閉軸7の上
部に固定されて、炉蓋2および集塵フード10を支持す
る炉蓋ハンガー8とを備えている。吸引通路11と集塵
フード10とは、集塵フード10の往復回動と上下動を
許すロータリダクト19を介して接続し、ロータリダク
ト19の回動中心軸を開閉軸7の中心軸上に位置させ
る。
【0010】集塵フード10と吸引通路11との間に、
閉蓋位置においては、少なくとも主フード12と出湯部
フード13に吸引気流を作用させ、開蓋位置において
は、後部フード14にのみ吸引気流を作用させる気流切
換え機構25を設ける。
【0011】ロータリダクト19は、筒壁の一部に吸気
口22を開口した固定筒20と、主フード12と一体に
設けられて、固定筒20に外嵌する可動筒21とからな
る。主フード12と可動筒21との内部を、出湯部フー
ド13に連通する第2区室31と、後部ダクト32に連
通する第3区室32と、残りの第1区室30とに区分す
る。閉蓋位置においては、各区室30、31、32が吸
気口22と連通し、開蓋位置においては第3区室32の
みが吸気口22と連通するよう構成する。以って、気流
切換え機構25をロータリダクト19と集塵フード10
とで構成する。
【0012】
【作用】集塵フ−ド10を構成する主フ−ド12と、出
湯部フ−ド13と、後部フ−ド14とは、それぞれ次の
ように有害物質を吸引除去する。主フ−ド12は、主と
して溶解炉1と炉蓋2の間から漏れ出る有害物質を周辺
空気と共に吸引して、溶解工程における有害物質の散逸
を防ぐ。出湯部フ−ド13は、主として出湯口3および
取鍋Vから発生する有害物質を吸引して、出湯工程にお
ける有害物質の散逸を防ぐ。つまり、集塵フ−ド10は
出湯時にも閉蓋位置に保持される。後部フ−ド14は、
主として材料投入時に発生する煤塵等の有害物質を吸引
して、原料供給工程における有害物質の散逸を防ぐ。そ
のために、集塵フ−ド10を閉蓋位置へ旋回移動した状
態において、後部フ−ド14を溶解炉1の上面一側に臨
ませる。
【0013】出湯部フ−ド13と後部フ−ド14を備え
た一個の集塵フ−ド10のみで、原料供給から出湯まで
の一連の作業過程における集塵を行えるので、リングフ
−ドを併用する従来の集塵装置に比らべて、全体装置の
構造を簡素化できる。
【0014】集塵フ−ド10は開閉機構6で上昇しなが
ら開らき旋回され、下降しながら閉じ旋回される。こう
した開閉動作を採るのは、出湯時の集塵作用を効果的な
ものとするために、出湯部フ−ド13が出湯口3に上方
から被せてあって、集塵フ−ド10の開閉時に出湯部フ
−ド13が出湯口3に接当干渉するのを避ける必要があ
るからである。また、こうした動きを吸収し、吸気通路
構造をより簡素化するために、吸引通路11と集塵フ−
ド10とをロ−タリダクト19で接続している。
【0015】先に説明したように、原料供給時には後部
フ−ド14のみが機能すればよい。このとき、集塵気流
をを後部フ−ド14にのみ作用させれば、集塵力を強化
できるうえ、主フ−ド12や出湯部フ−ド13からの吸
引ロスを解消できる。そのために、気流切換え機構25
を設けている。
【0016】ロ−タリダクト19を開閉機構6の上方に
配置するので、ロ−タリダクト19から最も離れた位置
にある出湯部フ−ド13には、集塵気流が作用しにく
い。後部フ−ド14も同様に集塵気流が作用しにくい。
こうした吸引むらと各フ−ド13、14における吸引力
の不足を補うために、主フ−ド10と可動筒21の内部
を区分して、第1〜第3区室30、31、32を設けて
いる。ロ−タリ−ダクト19と集塵フ−ド10とを利用
して構成した気流切換え機構25では、集塵フ−ド10
の開閉動作を利用して吸引気流を切換えることができる
ので、集塵装置の構造を簡素化できる。
【0017】
【実施例】この発明に係る集塵装置の実施例を図1ない
し図5に示す。図2において符号1は溶解炉、2は炉
蓋、3は溶解炉1の上縁前部に突設した出湯口、4は炉
デッキである。溶解炉1および炉デッキ4は、デッキ前
端に設けた支点軸5を中心にして、炉開口が水平になる
溶解姿勢と、溶解姿勢から取鍋ピットの側へ90度以上
跳ね上げ傾動した出湯姿勢(図5に示す状態)とに上下
傾動可能に支持されている。原料供給から溶解を経て出
湯に至る一連の作業過程において、有害物質等を吸引除
去するために集塵装置を設ける。
【0018】炉蓋2は耐火材で形成した円盤状のブロッ
クからなり、溶解炉1の斜め後方又は前方に一側に配置
した開閉機構6で支持されて、溶解炉1の上面開口を小
間隔をあけて覆う開蓋位置(図2の実線状態)と、炉蓋
2の全体が溶解炉1の上面開口の一側に位置する開蓋位
置(図4の状態)との間を、旋回開閉操作される。
【0019】図3において、開閉機構6は、図示してい
ない駆動機構と、駆動機構で上下動しながら旋回操作さ
れる開閉軸7と、開閉軸7の上端に片持ち梁状に固定し
た一対の炉蓋ハンガ−8とからなる。尚、炉蓋ハンガー
は1本の場合もある。図3に示すように、開閉軸7はそ
の上端寄り部のみが炉デッキ4の上面に突出されてい
て、残部と駆動機構とは、それぞれ炉デッキ4の下面側
に組み込んである。駆動機構は、上下方向の操作力を出
力する油圧シリンダ−等の操作シリンダ−、あるいはモ
−タ−で上下操作されるねじ機構と、開閉軸7の上下動
作を利用して、旋回動作を生じさせるカム機構などで構
成してある。炉蓋2は炉蓋ハンガ−8の下面に固定す
る。
【0020】集塵装置は、炉蓋2の上面上方を覆う集塵
フ−ド10と、集塵フ−ド10に連通する吸引通路11
と、この通路11を介してフ−ド内の有害物質等を吸引
する除塵装置などで構成する。
【0021】図1および図3において集塵フ−ド10
は、炉蓋2の周面および上面をそれぞれ小間隔を隔てて
覆う伏皿状の主フ−ド12と、主フ−ド12の前部に斜
め上向きに突設されて、出湯口3を上面側から覆う出湯
部フ−ド13と、主フ−ド12の後部に突設した後部フ
−ド14などで構成し、主フ−ド12の天井壁を炉蓋ハ
ンガ−8の上面に固定して炉蓋2と一体化される。
【0022】主フ−ド12の周壁は炉蓋2の直径値より
ひと回り大きく形成してあり、閉蓋位置において周壁下
縁は炉デッキ4と小さな隙間を隔てて対向している。出
湯部フ−ド13は、出湯口3に沿って斜め上向きに突設
してあり、その下面および突端を開口して断面コ字状に
形成する。出湯時に取鍋Vから発生する有害物質は、出
湯部フ−ド13の突端開口からフ−ド内へ吸引される。
後部フ−ド14は出湯部フ−ド13と同様に、下面およ
び後突端がそれぞれ開口する断面コ字状の枠体で形成す
る。
【0023】図2において吸引通路11は、炉デッキ4
上に設けられるデッキ側通路11Aと、炉側に配置され
る固定通路11Bとからなる。両通路11A、11Bは
支点軸5の中心軸上に設けた旋回ダクト15を介して接
続してあり、溶解炉1の傾動に応じて連続的に吸引でき
るように旋回ダクト15は構成されている。固定通路1
1Bの端には、除塵機16および吸引ファン17等の除
塵装置が配置される。
【0024】先に説明したように、集塵フ−ド10は炉
蓋2と同行して、上昇しながら旋回操作されて閉蓋位置
から開蓋位置へと開らき移動し、閉蓋時には下降しなが
ら逆向きに旋回移動する。この動作を吸収するために、
上記のデッキ側通路11Aと集塵フ−ド10とを、ロ−
タリダクト19で接続する。
【0025】図3においてロ−タリダクト19は、多段
円筒状の固定筒20と、固定筒20に下方から外嵌する
多段円筒状の可動筒21とからなり、固定筒20の上端
をデッキ側通路11Aに接続し、可動筒21の下部を主
フ−ド12に接続する。可動筒21は固定筒20に対し
て相対回転自在に、しかも上下スライド自在に設けてあ
り、その回動中心軸は先の開閉軸7の中心軸上に位置さ
せてある。固定筒20の下段側の筒壁の一部には吸気口
22が開口してある。また、固定筒20の上段側の筒壁
の下端には、可動筒21用のパッキン23が設けてあ
る。可動筒21と主フ−ド12とは、可動筒21から斜
め下向きに突設した接続筒24を介して接続する。
【0026】上記のように、ロ−タリ−ダクト19と主
フ−ド12を単に接続しただけでは、ロ−タリダクト1
9から離れた位置にある出湯部フ−ド13に、十分な吸
引気流を作用できないことがある。また、集塵フ−ド1
0を開蓋位置へ解放した状態では、後部フ−ド14のみ
が作用すれば良く、主フ−ド12および出湯部フ−ド1
3に作用する吸引気流は無駄でしかない。そこで、各作
業工程においてより効率的な集塵を行うために、気流切
換え機構25を設ける。
【0027】図1において、気流切換え機構25はロ−
タリダクト19と集塵フ−ド10とで構成し、集塵フ−
ド10の開閉動作を利用して、各フ−ド12、13、1
4に作用する吸引気流を切り換える。具体的には、図1
に示すように主フ−ド12内から、吸気口22に臨む可
動筒21の内部にわたって、出湯部フ−ド13に連続す
る区画壁26と、後部フ−ド14に連続する区画壁27
とを設け、主フ−ド12内を第1〜第3区室30〜32
に区分する。各区室30〜32は、閉蓋位置において炉
蓋2の上面周縁に臨んでいるので、基本的に溶解炉1か
ら発生する有害塵を吸引するか、出湯部フ−ド13に連
通する第2区室31は、出湯口3に吸引気流を確実に作
用させるために設ける。全集塵風量のおよそ三分の二が
第2区室31を介して吸引される。同様に、後部フ−ド
14に連通する第3区室32は、開蓋位置において吸引
気流を後部フ−ド14にのみ作用させるために設ける。
閉蓋時の第3区室32には、全集塵風量のおよそ三分の
一が作用する。
【0028】上記の気流切換えのために、固定筒20の
吸気口22の開口位置を、図1に示すように、固定筒2
0の前部周面側に設定する。これにより、閉蓋位置にお
いては、第2区室31と第3区室32とが吸気口22と
連通し、図4に示すように開蓋位置においては、第3区
室32のみが吸気口22と連通し、第2区室31は固定
筒20の周壁で塞さがれる。第2区室31で左右に分断
された第1区室30は、吸気口22に直接連通していな
い。しかし、第1区室30は区画壁26に通設した2個
の通口33、34(図1参照)を介して第2区室31に
連通してあり、さらに各区画壁26、27の下端側の隙
間を介して第2、第3区室31、32と連通しているの
で、開蓋位置において第1区室30に吸引気流を十分に
作用させることができる。炉蓋ハンガ−8の立壁にも数
個の通気口35が開口してある。
【0029】上記の通口33、34には手動式のダンパ
−36がそれぞれ自由自在に設けてあり、このダンパ−
36の開らき量を加減することによって、第一区室30
に作用する吸引気流の量を大小に変更できるようにして
いる。ダンパ−36は主フ−ド12の上面側から開閉操
作できるようになっており、溶解炉1の試運転時に開度
調整を行えば、その後の調整は殆ど必要ない。
【0030】次に、原料供給、溶解、出湯の各工程ごと
に集塵装置の使用状態を説明する。
【0031】(原料供給工程)この工程では炉蓋2およ
び集塵フ−ド10を開蓋位置へ開放旋回操作して、図4
に示すように溶解炉1の上面開口を完全に解放して、後
部フ−ド14の突端開口を溶解炉1の開口縁の一側に臨
ませる。この状態では、第3区室32のみが吸気口22
と連通するので、集塵風量の全てが第3区室32に作用
する。従って、原料の投入によって生じる煤塵等の有害
物質は、後部フ−ド14を介して確実に吸引除去され
る。溶解工程の途中に、溶湯からスラグを掻き出す場合
や、加炭材を投入する場合等にも、同様に後部フ−ド1
4を介して有害物質を吸引除去できる。
【0032】(溶解工程)溶解時には、図1に示すよう
に炉蓋2および集塵フ−ド10を閉蓋位置に位置させ
る。このとき、炉蓋2は溶解炉1と小さな隙間を間にし
て対向するが、出湯口3はその上面上方が出湯部フ−ド
13で覆ってあるに過ぎないので、炉内のヒュ−ムは出
湯口3を介して流出しやすい。しかし、炉蓋3の縁を回
り込んで出湯口3に達した有害物質は、第2区室31に
作用する吸引気流によって吸引されるので、出湯口3か
ら流出することはない。炉蓋2と溶解炉1との上下隙間
から流出したヒュ−ムは、各区室30〜32に作用する
吸引気流によって吸引され、周辺空間から集塵フ−ド1
0内へ吸い込まれる空気と共に吸引通路11へと吸引除
去される。
【0033】(出湯工程)集塵フ−ド10は出湯時にも
閉蓋位置に保持される。出湯時には、出湯口3を流下す
る溶湯と、取鍋Vの内底に流下衝突して攪拌される溶湯
とによってヒュ−ム等の有害物質が大量に発生する。こ
の有害物質は、取鍋Vから噴き上がるようにして上方移
動するが、図5に示すように出湯口3の間近に出湯部フ
−ド13が位置しているので、噴き上がった有害物質は
出湯部フ−ド13から周辺空気と共に確実に吸い込まれ
る。従って、出湯時にも有害物質の散逸を阻止できる。
また、溶解炉1の傾斜角度が大きくなると、炉内のヒュ
−ムの殆どは炉後部から流出しようとするが、これらは
後部フ−ド14によって確実に吸引される。従って、出
湯時に発生する有害物質も集塵フ−ド10で確実に吸引
除去できる。
【0034】溶解炉1を溶解位置から90度前後跳ね上
げ傾動した状態では、炉デッキ4上に設けたロ−タリダ
クト19が炉デッキ4よりも前方へ突出する。しかし、
ロ−タリダクト19は溶解炉1の前方(図示せず)又は
後方一側に偏寄配置してあるので、これが取鍋Vを吊持
するワイヤ37と接当することはない。なお、取鍋Vの
中心およびワイヤ37は、溶解炉1の中心を通る前後中
心平面の近傍に位置して、出湯口3と正対する関係にあ
る。
【0035】以下にこの発明の別の実施例を列挙する。
ロ−タリダクト19の代りにフレキシブルダクトを用い
て、吸引通路11と集塵フ−ド10とを接続できる。各
区室30〜32を常時吸気口22と連通できるようにし
たうえで、各区室30〜32と吸気口22との間に吸引
気流の通過を阻止し、あるいは許す2〜3個のダンパ−
を設けておき、これらを操作シリンダ−等で個別に開閉
操作することにより、上記の実施例と同様に気流切換え
を行うことができる。
【0036】上記の実施例では、炉蓋2および集塵フ−
ド10を上昇しながら旋回させて、開蓋位置へ移動操作
したが、その必要はなく、単に往復旋回操作して、炉蓋
2および集塵フ−ド10を開閉できる。この場合には、
集塵フ−ド10を開放操作する際に、出湯部フ−ド13
の一方の側壁が出湯口3に接当するので、この接当する
側の壁面を出湯部フ−ド13から分離して、炉デッキ4
側に固定しておく。
【0037】後部フ−ド14は、図に示すように主フ−
ド12から分離して、ロ−タリダクト19の可動筒21
に付設することができる。
【0038】第1〜第3区室30〜32の区分構造は実
施例以外の構造を採ることができる。例えば、主フ−ド
12内に2個の区分壁を設けて、その内部を第1〜第3
区室30〜32に区分できる。
【0039】
【発明の効果】この発明では、主フ−ド12に加えて出
湯部フ−ド13と後部フ−ド14とを設けて、原料供
給、溶解、出湯の各工程において発生する有害物質を、
集塵フ−ド10のみで吸引除去できるようにした。従っ
て、リングフ−ドと集塵フ−ドを併用して集塵を行う従
来の集塵装置に比べて、リングフ−ドを省略できる分だ
け全体装置の導入コストを減少できるうえ、全集塵風量
を減少してランニングコストを減少できる。出湯時にも
集塵フ−ド10を閉蓋位置に位置させて、取鍋Vから発
生する有害物質を出湯部フ−ド13を介して吸引除去す
るので、出湯時に大量に発生する有害物質を確実に除去
して、作業環境の汚染を防止できる。リングフ−ドを用
いないので、熱損失の低減をはかることができ且つスラ
グ除去作業や炉壁の補修を容易に行える点でも有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】集塵フ−ドの横断平面図である。
【図2】溶解炉の平面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】集塵フ−ドを開蓋状態にした一部破断平面図で
ある。
【図5】出湯時の集塵状態を示す一部破断側面図であ
る。
【符号の説明】
1………溶解炉、2………炉蓋、3………出湯口3、6
………開閉機構、7………開閉軸、8………炉蓋ハンガ
−、10………集塵フード、11………吸引通路、12
………主フ−ド、13………出湯部フ−ド、14………
後部フ−ド、19………ロ−タリダクト、20………固
定筒、21………可動筒、22………吸気口、25……
…気流切換え機構、30………第1区室、31………第
2区室、32………第3区室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉蓋2の上面上方を覆う集塵フード10
    と集塵フード10に連通する吸引通路11を介して、フ
    ード内の有害塵等を吸引除去する除塵装置を備えてお
    り、 集塵フード10は炉蓋2と一体化されて、溶解炉1の後
    方一側に配置した開閉機構6で、閉蓋位置と開蓋位置と
    の間を旋回開閉可能に支持されており、 集塵フード10は、炉蓋2の周囲および上面をそれぞれ
    小間隔を隔てて覆う伏皿状の主フード12と、主フード
    12の前部に突設されて、出湯口3を上面側から覆う出
    湯部フード13と、開蓋位置において溶解炉1の上面一
    側に臨む後部フード14とを備えており、 原料供給時の有害塵等を後部フード14で吸引除去で
    き、出湯口3および取鍋Vから発生する有害塵等を出湯
    部フード13で吸引除去することを特徴とする溶解炉用
    の集塵装置。
  2. 【請求項2】 開閉機構6が、駆動機構で上下動しなが
    ら旋回操作される開閉軸7と、開閉軸7の上部に固定さ
    れて、炉蓋2および集塵フード10を支持する炉蓋ハン
    ガー8とを備えており、吸引通路11と集塵フード10
    とが、集塵フード10の往復回動と上下動を許すロータ
    リダクト19を介して接続されており、ロータリダクト
    19の回動中心軸が開閉軸7の中心軸上に位置している
    請求項1記載の溶解炉用の集塵装置。
  3. 【請求項3】 集塵フード10と吸引通路11との間
    に、閉蓋位置においては、少なくとも主フード12と出
    湯部フード13に吸引気流を作用させ、開蓋位置におい
    ては、後部フード14にのみ吸引気流を作用させる気流
    切換え機構25が設けてある請求項1または2記載の溶
    解炉用の集塵装置。
  4. 【請求項4】 ロータリダクト19が、筒壁の一部に吸
    気口22を開口した固定筒20と、主フード12と一体
    に設けられて、固定筒20に外嵌する可動筒21とから
    なり、主フード12と可動筒21との内部が、出湯部フ
    ード13に連通する第2区室31と、後部ダクト32に
    連通する第3区室32と、残りの第1区室30とに区分
    されており、閉蓋位置においては、各区室30、31、
    32が吸気口22と連通し、開蓋位置においては第3区
    室32のみが吸気口22と連通するよう構成して、気流
    切換え機構25がロータリダクト19と集塵フード10
    とで構成してある請求項3記載の溶解炉用の集塵装置。
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