JPH08224424A - 除塵装置 - Google Patents

除塵装置

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JPH08224424A
JPH08224424A JP7031980A JP3198095A JPH08224424A JP H08224424 A JPH08224424 A JP H08224424A JP 7031980 A JP7031980 A JP 7031980A JP 3198095 A JP3198095 A JP 3198095A JP H08224424 A JPH08224424 A JP H08224424A
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dust
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housing
filter
cam
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JP7031980A
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Ayako Hatano
綾子 波多野
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾過材に蓄積した塵埃を容易に除去できるよ
うにし、排気の除塵能率を常に良好に維持する。 【構成】 下部に塵埃排出部1Aを有し、その塵埃排出
部1Aより上部に位置する吸気口1e及び排気口1bを
有するハウジング1と、ハウジング1に組込まれ、排気
を除塵する粒状濾過材Pを収容した収納容器2(フィル
タ4)と、収納容器2の加振手段として、ハウジング1
に往復動可能に配設され、収納容器2の側部を持上げる
持上手段(押上ピン12)と、持上手段を間欠的に作動
するカム手段(カム7)と、カム手段を回転駆動する駆
動手段(ハンドル15)とを具備する。持上手段によっ
て収納容器2の側部が間欠的に持上げられるため、濾過
材Pに滞留または付着した塵埃は、その持上げ時の振動
により振り落され、容易に除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気に含まれる塵埃を除
去する除塵装置に関するものであり、特に、アルミニウ
ム合金等の溶解炉から排出される排ガスの除塵装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来のアルミニウム合金の溶解
炉を示す断面図である。
【0003】図において、溶解炉21の予熱塔22内に
アルミニウム合金で一度製品化した返り材、アルミニウ
ム合金のインゴット23(以下、これらを単に『インゴ
ット』と記す)が供給されると、インゴット23は予熱
塔22内で受熱された後、溶解室24内でバーナ25に
よって完全に溶解される。溶解室24で溶解されて液状
となったアルミニウム合金溶湯は溶湯取出口26より汲
出される。溶解においては、溶湯の湯面及びバーナ25
から廃ガスが発生するので、排気ダクト27より外部に
排出している。ただし、この排出される排ガスを直接外
部に排出すると、溶湯を精錬するために使用するフラッ
クスによる粉塵や刺激臭が発生して工場内の環境を悪く
し、かつ、工場周辺の住民が被害を受けることになるの
で、溶解炉21に付帯して除塵機を設け、バッグフィル
タによって排ガスを濾過、除塵してから排出するように
している。
【0004】ところで、アルミニウム合金溶湯は大気中
で溶解されると、合金中に含有されている亜鉛、マグネ
シウム、ナトリウム等がアルミニウムの酸化膜生成の促
進を助長し、これらの酸化物は溶解中に微細な酸化物と
なって溶湯中に混入する。酸化物の比重はアルミニウム
合金溶湯の比重とほとんど同一であるため、溶湯中に混
入すると、溶湯内を浮遊し、しかも、アルミニウム合金
溶湯中に侵入した水素ガスが微細な酸化物に吸着され
る。この溶湯を鋳型に注湯すると、製品内に混入し、異
物混入或いは水素ガスによるピンホールが発生する。ま
た、酸化物の多い溶湯は金型(金属の鋳型)内の小突起
部分に付着した場合、繰り返し注湯される度にその部分
に酸化物が重なって付着し、やがて硬い酸化物層となっ
て金型より製品を抜き取る際に、これが邪魔して製品が
抜けなくなったり、抜けても歪が生じたり、時には破損
するなどの不良発生の原因になる。そのため、アルミニ
ウム合金の溶湯を清浄にするために溶解炉24の湯面上
に発生した酸化物を除去すると同時に、溶湯中に浮遊す
る微細な酸化物を除去する必要がある。そこで、一日に
1回から数回、酸化物の除去と脱ガス処理を行なう融剤
であるフラックスを溶湯内に投入、撹拌し、反応させて
微細なガスを発生させ、溶湯中に浮遊する微細な酸化物
に吸着させて浮上させ、溶湯を清浄化するとともに、湯
面上の酸化物とアルミニウム合金とを分離させ、酸化物
を除去する際に、酸化物中に混入していて同時に排出さ
れることとなるアルミニウム合金のロス量を少なくして
いる。
【0005】ここで、溶解炉21から排出される排ガス
は溶解炉21内にインゴット23が満杯状態で供給され
ているときは、溶解炉21内の予熱塔22内で材料が受
熱して熱交換が行なわれるため、排ガスの温度は比較的
低く、200〜300℃程度である。
【0006】一方、インゴット23が完全に溶解し、材
料の補給がないときは、温度の低いインゴット23との
熱交換がないため、バーナ25で加熱されて高温となっ
ている溶解室24内のガスがそのまま排出されることと
なり、排ガスは600℃前後の高温となる。また、溶解
室24から排出されるガスは、上記酸化防止と脱ガス処
理を行なう融剤であるフラックスを溶湯内に投入したと
きもその反応熱によって高温となる。
【0007】更に、一日1回または1週1回の割合で溶
解室24に投入された材料を全部溶解して保持室に移
し、フラックスを使用して溶解炉21内の掃除を行なう
とき、材料が全部溶解するまでバーナ25を燃焼させて
いる。このため、高温の排ガスが炉頂より排出される。
【0008】これらの溶解操作によって高温となった溶
解炉21内のガスは、熱効率の点から排気ダクト27と
の接続部分にチャンネル鋼等を介して形成された小さい
開口部28から周辺の空気を吸込みつつ排気ダクト27
内を流すために、ある程度は冷却されるものの、付帯し
て設けられた除塵装置内を通過する際はかなりの高温状
態となっている。
【0009】この排ガスが高温のまま除塵装置内に流入
すると、バックフィルターの場合除塵装置が異常加熱し
たり、燃焼したりする危険性がある。このため、除塵装
置をできる限り溶解炉21より離れた場所に設置して排
ガスを冷却したり、流入する高温排ガスの温度を測定
し、危険温度になったら、二次空気を混入させて温度を
下げる装置を取付けて異常発生の防止を行なっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高温の排ガ
スによる異常発生防止のために、除塵装置をできるかぎ
り溶解炉21より離れた場所に設置し、その間のダクト
を流れる間に排ガスを冷却する場合は、溶解炉から除塵
装置までのダクトの距離が長くなるため、設備費が高価
になるとともに、大きな設置スペースを必要とする。
【0011】また、二次空気を混入して温度を下げる場
合は、短時間に大量の二次空気を送出する必要性から装
置が大型化し、前者同様に、設備費が高価となり、大き
なスペースを要する。
【0012】なお、近年ではアルミニウム合金溶解保持
用の低温低速ガスバーナが開発されたことにより、溶湯
の酸化が少なく、熱効率の良い高性能な炉が普及し、中
小工場はもとより、大工場でも多用されてアルミニウム
合金鋳物の不良低減と高品質アルミニウム鋳物が鋳造さ
れ、それに伴なって、省エネはもとより工場の環境も良
くなってきている。しかし、空気の汚れ易い鋳造工場に
おいては、これだけでは十分良好な環境を確保すること
はできず、より一層の環境改善を図ることが急務となっ
ている。そして、溶解炉21から排出される高温の排気
は工場内だけでなく、工場周辺の環境にも大きな影響を
及ぼしている。
【0013】これらのことを考慮して、本発明者等は、
ハウジングに溶解炉から排出された高温の排ガスが通過
可能な収納容器を複数段に組込み、この収納容器に排ガ
ス中の塵埃を濾過、除塵すると共に、排ガスと熱交換し
て冷却する粒状多孔質炭素系濾過材を金網を介して収容
した溶解炉の除塵冷却装置を特願平4−346395号
として提供した。
【0014】しかし、前述のような除塵装置の塵埃の除
去能率を向上させると、それだけ濾過材に塵埃が蓄積さ
れ、時間の経過とともに除去能率の低下をもたらし、ま
た、溶解炉から排出された排ガス等の高温の排気の塵埃
除去を行なうものにおいては、排出された熱エネルギー
が蓄積された塵埃に蓄熱されるという可能性が大である
ことが明確になってきた。
【0015】そこで、本発明は、濾過材に蓄積した塵埃
を容易に除去することができ、排気からの塵埃の除去能
率を常に良好に維持することができる除塵装置の提供を
課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる除塵装
置は、下部に塵埃排出部を有し、その塵埃排出部より上
部に位置する吸気口及び排気口を有するハウジングと、
ハウジングに組込まれ、排気を除塵する濾過材を収容し
た収納容器と、この収納容器を加振し、この収納容器に
収容された濾過材を振動させてそれに蓄積した塵埃を振
り落す加振手段とを具備するものである。
【0017】請求項2にかかる除塵装置は、下部に塵埃
排出部を有し、その塵埃排出部より上部に位置する吸気
口及び排気口を有するハウジングと、ハウジングに組込
まれ、排気を除塵する濾過材を収容した収納容器と、ハ
ウジングに往復動可能に配設され、前記収納容器の側部
を持上げる持上手段と、持上手段を間欠的に作動するカ
ム手段と、カム手段を回転駆動する駆動手段とを具備す
るものである。
【0018】請求項3にかかる除塵装置は、下部に塵埃
排出部を有し、その塵埃排出部より上部に位置する吸気
口及び排気口を有するハウジングと、ハウジングに上下
に複数段に組込まれ、排気を除塵する濾過材を収容した
複数の収納容器と、複数段の各収納容器2に対応してハ
ウジングに往復動可能に配設され、その収納容器の側部
を持上げる複数の持上手段と、各持上手段に対応してこ
れを間欠的に作動する複数のカム手段と、各カム手段を
回転駆動する駆動手段と、上方に位置する収納容器に対
応するカム手段から下方に位置する収納容器に対応する
カム手段の順に、それらの複数のカム手段を順次回転駆
動するように駆動手段を制御する制御手段とを具備する
ものである。
【0019】請求項4にかかる除塵装置は、請求項1乃
至請求項3のいずれか1項において、収納容器に収容さ
れた濾過材が、粒状多孔質炭素系濾過材からなるもので
ある。
【0020】
【作用】請求項1においては、収納容器を加振する加振
手段を備えているので、収納容器を加振することによっ
て、その収納容器に収容された濾過材を振動させ、排気
の除塵により濾過材の粒子間に滞留しまたはそれらの表
面に付着した塵埃を、自重により振り落し、または濾過
材の表面から分離または剥離し、次いで振り落して、塵
埃排出部に集積させることができる。したがって、濾過
材に蓄積した塵埃を容易に除去することができ、またそ
の結果、塵埃を含む排気からの塵埃の除去能率を良好に
維持することができる。
【0021】請求項2においては、駆動手段により回転
駆動されるカム手段によって、持上手段が間欠的に作動
し、収納容器の側部が間欠的に持上げられるので、収納
容器に収容された濾過材は、その持上げ時に流動し、振
動する。そのため、駆動手段によってカム手段を回転駆
動することにより、排気の除塵により濾過材の粒子間に
滞留しまたは濾過材の表面に付着した塵埃は、その振動
等によって振り落され、または濾過材の表面から分離ま
たは剥離され、次いで振り落される。したがって、濾過
材に蓄積した塵埃を容易に除去することができ、またそ
の結果、塵埃を含む排気からの塵埃の除去能率を良好に
維持することができる。
【0022】請求項3においては、請求項1と同様に、
駆動手段によって各カム手段を回転駆動することによ
り、上下に複数段に組込まれた各収納容器に収容された
濾過材に蓄積した塵埃を容易に除去し、またその結果、
塵埃を含む排気からの塵埃の除去能率を良好に維持する
ことができる。そして、この駆動手段は、制御手段によ
って、上方に位置する収納容器に対応するカム手段から
下方に位置する収納容器に対応するカム手段の順に、そ
れらの複数のカム手段を順次回転駆動するように制御さ
れるので、濾過材に蓄積した塵埃の除去は、上方に位置
する収納容器から下方に位置する収納容器の順に順次な
される。そのため、濾過材からの塵埃の除去を、最も少
ない動力量で効率的に行うことができ、また、騒音の発
生を最少に抑えることができる。
【0023】請求項4においては、請求項1乃至請求項
3における濾過材が粒状多孔質炭素系濾過材であるの
で、排気に含まれる塵埃を濾過し、除塵することができ
るだけでなく、気体状の不純物も吸着除去することがで
きる。また、この濾過材は耐熱性が高いので、高温の排
気でも除塵することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。
【0025】〔第一実施例〕図1は本発明の第一実施例
による除塵装置を示す正面からみた断面図である。ま
た、図2は図1のA−A切断線で切断した場合の断面
図、図3は本発明の第一実施例による除塵装置で使用す
る収納容器の要部構成を示す説明図、図4は図3の収納
容器に濾過材を収容した状態を示す説明図である。更
に、図5は本発明の第一実施例による除塵装置の要部を
拡大して示す正面からみた断面図、図6は図5のB−B
切断線で切断した場合の断面図、図7は図5の要部を更
に拡大して示す斜視図である。そして、図8は本発明の
第一実施例による除塵装置における濾過材からの塵埃の
除去の様子を示す説明図である。
【0026】図1において、本実施例の除塵装置は、複
数本の脚1aによって立設され、その胴体が所定の矩形
の断面のハウジング1を備えている。ハウジング1の上
端は、その断面積が絞られ図示しないダクトまたはブロ
アに接続される排気口1bとなっている。また、ハウジ
ング1の下部は、その断面積が徐々に絞られ塵埃収容部
1Aを形成しており、その最下端には塵埃排出口1cが
形成されている。塵埃排出口1cはゲート板1dの開閉
により、塵埃収容部1Aに集積され、堆積した塵埃を除
去することができる。そして、ハウジング1の下部の側
面には従来例で示した排気ダクト27等からの排気を導
く吸気口1eが形成されている。詳しくは、塵埃収容部
1Aはハウジング1の下部の側面に形成した吸気口1e
よりも低くなっており、堆積された塵埃が吸気口1eの
流れを閉じ難いように位置決めされている。即ち、本実
施例のハウジング1は、下部に塵埃収容部1A及び塵埃
排出口1cからなる塵埃排出部を有し、その塵埃排出部
より上部に位置する吸気口1e及び排気口1bを有する
ものである。
【0027】そして、図1乃至図4のように、このハウ
ジング1の胴体の内部には、箱状の収納容器2が上下に
複数段に、例えば、3段に配設されている(図1では最
上段と最下段のみが示されている)。具体的には、ハウ
ジング1の内壁には案内板1gを備えた受棚1fが左右
に対で設けられ、そして、前面に取手2a等を取付けた
各収納容器2の両側部がこれらの受棚1fによって支
持、案内されて、図1の前後方向に出し入れできるよう
になっている。また、各収納容器2は上面及び底面が開
口し、かつ、上面及び底面には濾過材としての粒状濾過
材Pが落下しない程度の網目を有する金網3bが張設さ
れており、その上面には粒状濾過材Pが容易に離散しな
い程度の網目を有する金網3aが張設されている。
【0028】ここで、前記粒状濾過材Pとしては、具体
的には、製紙又は古紙を再生する時に生じるスラッジを
粘土等と混ぜ合わせて粒状とし、窯で炭化しながら焼き
固めた粒状多孔質炭素系濾過材が使用されている。この
粒状多孔質炭素系濾過材は(有)エクセライト工業(旧
日本フィルター窯業)製の商品名「エクセライト」とし
て販売されている。なお、この粒状多孔質炭素系濾過材
は特願平3−183214号(平成3年6月26日出
願)、発明の名称『ペーパースラッヂを原料とする瀘過
材』として特許出願済である。また、この粒状多孔質炭
素系濾過材は、その粒径は2〜35mm程度であり、溶解
炉の能力に対応した排気量、排気速度を考慮してふるい
分けし、最適な粒度のものを使用している。そして、そ
れに合わせて、収納容器2の金網3a,3bの網目の大
きさを設定している。
【0029】また、この粒状濾過材Pと収納容器2の上
面の金網3aと下面の金網3bとの関係は、図4のよう
に、平行する面の上面の金網3aと下面の金網3bとの
空間に対して、適当に振動を付与して密に充填したと
き、80〜99%程度の量の粒状濾過材Pを収容する。
即ち、粒状濾過材Pの適当な収容容量は、その粒子が相
互に独立して動くことができ、または振動できる程度
で、しかも、ハウジング1内の排気ガスがその濾過材P
の粒子表面にできるだけ長く接触する条件を付与するも
のである。
【0030】即ち、枠体となる収納容器2と上面の金網
3a及び下面の金網3bとで形成される空間には、粒状
濾過材Pが収容されており、これら収納容器2、金網3
a及び金網3b、及び粒状濾過材Pは、排気が流通可能
で、それに含まれる塵埃を濾過し、除塵するフィルタ4
を構成している。ただし、金網3aは、除塵装置の設置
場所の都合により、ハウジング1内に流入する排気ガス
を排気口1bより流入させて吸気口1eより流出させた
場合、排気ガスが収納容器2の上面より下方へ通過する
ため収納容器2の深さが十分なものであるときは省略す
ることもできる。なお、図1において、説明の便宜によ
り、フィルタ4のうち最上段のものをフィルタ4A、最
下段のものをフィルタ4Bといい、全体に共通する事項
はフィルタ4という。
【0031】このように本実施例の除塵装置において
は、ハウジング1内に、粒状濾過材Pを収容した収納容
器2からなるフィルタ4が多段に組込まれている。その
ため、例えば、図11の溶解炉21から高温のガスが排
出されると、その排ガスは図示しないブロア等の運転に
よって吸気口1eよりハウジング1内に流れ込む。ハウ
ジング1内に流れ込んだ排ガスは上下に多段に配設され
たフィルタ4内を下段から順に上段に向かって通過す
る。そして、その排ガス中に含まれる粉塵、煤煙等の塵
埃は粒状濾過材Pの粒子間で通過が阻止され、またはそ
の表面に付着することによって排ガスから除去され、そ
の排気の除塵がなされる。
【0032】またこのとき、各収容容器2に収納されて
いる上記の粒状多孔質炭素系濾過材からなる粒状濾過材
Pは良好な熱伝導性と放熱性とを兼備するため、フィル
タ4内を通過する高温の排ガスに蓄積されている熱量は
この濾過材Pと熱交換され、低温となって、または、高
温の排ガスと比較的低温の排ガスとが交互に供給される
場合にはその温度が平均化されて、排出口1bから流出
する。また、この粒状濾過材Pは多孔質で吸着濾過材と
して作用するので、粉塵、煤煙等の塵埃だけでなく、排
ガス中のフッ素化合物・塩素ガス等の気体状の不純物も
この濾過材Pを通過する間に吸着除去される。
【0033】こうして排ガス中に含まれる塵埃は収納容
器2に収容された粒状濾過材Pに付着し、または通過が
阻止されて除去されるが、その塵埃は、長い時間の間に
は次第に粒状濾過材Pに蓄積する。そして、そのように
粒状濾過材Pに塵埃が蓄積すると、排ガス中からの不純
物の除去効率が低下するだけでなく、排ガスの熱エネル
ギが蓄積された塵埃に蓄熱され、排ガスの冷却効率も低
下する。そこで、本実施例の除塵装置においては、この
濾過材に蓄積する塵埃を除去する濾過材脱塵手段とし
て、収納容器2を加振し、それに収容された粒状濾過材
Pを振動させて、その濾過材Pに滞留または付着する塵
埃を振り落として除去する加振手段が備えられている。
そして、この加振手段は、より具体的には、収納容器2
の側部を間欠的に持上げることにより、それに収容され
た粒状濾過材Pに振動を付与するものである。
【0034】即ち、図1及び図2、及び特に図5乃至図
7のように、ハウジング1に設けられた左右一対の受棚
1fに載置された各収納容器2の下方には、その前後方
向のほぼ中央部に、回転軸5が横架され、ハウジング1
にボルト止めにより取付けられた軸受6によって回転可
能に支持されている(図2)。そして、ハウジング1内
において、この回転軸5の左右の両側には、1つの突出
部7aを備えたカム7がそれぞれキー止めにより結合さ
れている。また、回転軸5には、この各カム7に隣接し
て、その内側にリング8が装着され、更にその内側にカ
ラー9がネジ止めにより固着されている。つまり、カラ
ー9の端面は、リング8を介してカム7の端面と対向し
ている。
【0035】そして、これらのカム7とカラー9との間
には、カム7に対する従節としての摺動金具10が配設
されている。即ち、この摺動金具10はカムフォロアと
してカム7の外周面に接して転動するローラ11を備
え、また、その下端は二股状に形成され、その二股状部
がリング8の外周面に摺接してカム7とカラー9との間
で支持されている。また、この摺動金具10の上端はL
字状に折曲げられ、その折曲げ部には、押上ピン12が
螺合されて取付けられている。他方、回転軸5の真上に
相当する位置の受棚1fの下面側には、前記押上ピン1
2を挿通するピン孔13aを有する案内金具13が、ハ
ウジング1の内側にボルト止めされて取付けられてい
る。そして、このピン孔13aに対応して、受棚1fに
はピン穴14が設けられている(図7)。そのため、摺
動金具10に一体に結合された押上ピン12は、案内金
具13によって上下方向に往復動可能に案内支持され、
その先端がピン穴14を通って受棚1fの上面側に出没
可能となっている。
【0036】したがって、回転軸5を回転してカム7を
回動させると、摺動金具10とこれに一体の押上ピン1
2とは、それらと一体のローラ11がカム7の外周面に
沿って転動することによって単一の作動体として上下に
作動する。そして、図7のように、ローラ11がカム7
の突出部7aと係合する場合には、押上ピン12は受棚
1fの上面側に突出し、その受棚1f上に載置された収
納容器2の側部の下面に当接して、これを押上げ、持ち
上げる(図5)。また、図6のように、ローラ11が突
出部7a以外のカム7の外周面と係合する通常の状態で
は、押上ピン12の先端は受棚1fの表面よりも僅かに
下方に位置するように設定されている。なお、本実施例
においては、このようにカム7を回動して、押上ピン1
2を上下に作動させるために、回転軸5の一端にはハン
ドル15が取付けられている。また、このカム7は回転
軸5の左右両側に対で設けられているが、それぞれのカ
ム7は、その突出部7aが互いに180度の位置関係と
なるように、1本の回転軸5に対して結合されている。
【0037】本実施例において、濾過材脱塵手段はこの
ように形成されており、粒状濾過材Pに滞留または付着
した塵埃は、次のようにその濾過材Pから分離され、除
去される。
【0038】即ち、この脱塵操作はハンドル15を回す
ことによって行われる。そして、ハンドル15の回転に
よりカム7が回動し、このカム7の外周面に沿って摺動
金具10のローラ11が転動することによって、摺動金
具10及びこれに一体の押上ピン12はそのカム7の外
周形状に従って上下に作動する。したがって、ローラ1
1がカム7の突出部7aに係合すると、押上ピン12は
収納容器2の側部を支持する受棚1fから突出して、図
5のように、その収納容器2の一方の側部(図5の左
側)を押上げ、持上げる。なおこの場合、収納容器2の
他方の側部は受棚1f上に支持されているため、収納容
器2の一方の側部は、その他方の側部の下端縁を支点と
して押上ピン12により持上げられる。また、受棚1f
に設けられた案内板1gは、この収納容器2の傾動時
に、収納容器2が大きくズレないように保持する。
【0039】そしてこの場合、本実施例ではカム7の突
出部7aが比較的急な傾斜で形成されているため、押上
ピン12は収納容器2の側部を下方から突上げ、次いで
落下させるように作動する。即ち、収納容器2の一方の
側部は急激に持上げられると共に、上止点に至った後
は、続くカム7の回動により急激に落下される。そのた
め、収納容器2に収容された粒状濾過材Pは、その収納
容器2の一方の側部の持上げ時の衝撃及び傾斜、及び落
下時の衝撃によって流動し、また振動または震動して、
その濾過材Pの粒子間に滞留する塵埃が容易に振り落さ
れ、また、濾過材Pの粒子相互が擦れ合うことによっ
て、それらの表面に付着している塵埃が容易に分離また
は剥離され、次いで振り落される。
【0040】この時の様子は図8に示される。即ち、図
8(a)は脱塵操作前の濾過材Pの状態を示しており、
濾過材Pの各粒子rの表面及びそれらの間には、塵埃s
が付着しまた滞留している。これに対して、図8(b)
は上記の脱塵操作を行った場合の状態を示しており、濾
過材Pの各粒子rの表面及びそれらの間に付着しまたは
滞留した塵埃sは、脱塵操作の振動等により、濾過材P
の各粒子rの表面及びそれらの間から離れ、その自重に
より下方に振り落される。なお、この脱塵操作によっ
て、排ガスの熱によって劣化し脆化した濾過材P粒子の
表層部も、塵埃として剥離され、振り落される。そのた
め、粒状濾過材Pの塵埃の除去性能を維持することがで
きるだけでなく、その粒状濾過材Pの吸着性等の活性も
維持することができる。
【0041】また、このように収納容器2の一方の側部
が持上げられ次いで落下された後、更にハンドル15を
180度回転すると、同様にして、収納容器2の他方の
側部(図5の右側)が持上げられ、次いで落下される。
こうして、ハンドル15を1回転する間に、収納容器2
の左右の側部が交互に上下される。そして、このハンド
ル15の回転操作は、脱塵のために十分な回数または時
間だけ行われる。またここで、粒状濾過材Pを収容した
収納容器2からなる各フィルタ4の脱塵操作は、その濾
過材Pから分離された塵埃が下方に落されるため、上方
側に位置するフィルタ4Aから下方側に位置するフィル
タ4Bの順に順次行うことが好ましい(図1)。ただ
し、最も塵埃が蓄積し易いのは吸気口1eに最も近い最
下段のフィルタ4Bであるから、このフィルタ4Bだけ
の脱塵操作を行うこともできる。また、最上段のフィル
タ4Aの脱塵操作を行う場合には、浮遊性の塵埃が排気
口1bから外部に飛散する可能性があるため、排出口1
bまたはその延長にあるダクトにその流体通路を開閉す
るダンパを配設し、脱塵操作中そのダンパを閉鎖するよ
うにすることが好ましい。
【0042】そして、この粒状濾過材Pから分離され振
り落された塵埃は、ハウジング1の下部の塵埃収容部1
Aに集められ、堆積する。そのため、適当な時点におい
て、ゲート板1dを開け、この塵埃収容部1Aに集積さ
れた塵埃を取出すことができる。
【0043】なお、本実施例においては、粒状濾過材P
に滞留しまたは付着した塵埃をより確実に分離し、除去
するために、図1のように、高圧空気を吹付ける複数本
のノズル16が各フィルタ4の上方に配設されている。
より具体的には、これらのノズル16は、前述の脱塵操
作時における収納容器2の傾動を可能とする限りにおい
て、なるべく少ない間隔を置いて配列され、また、収納
容器2に収容された粒状濾過材Pに均一に高圧空気を吹
付けることができるように、適当な本数に分岐されて配
列されている。そして、これらのノズル16は、電磁バ
ルブV1 ,V2を介して、図示しないコンプレッサ、ま
たはその他の圧縮空気源に接続されている。
【0044】そのため、バルブV1 ,V2 を開いて高圧
空気をノズル16から噴出させることによって、粒状濾
過材Pの粒子間に滞留しまたはそれらの表面に付着した
塵埃を、吹飛ばして除去することができる。したがっ
て、このノズル16からの高圧空気の吹付は、前述の脱
塵操作と合わせて、その脱塵操作中に行うことが好まし
い。それによって、その脱塵操作によって濾過材Pの粒
子から分離された塵埃を、これが再度それらの粒子間に
滞留することなく、確実に吹飛ばして落下させることが
できる。また、こうして粒状濾過材Pに高圧空気を吹付
けることによって、その粒状濾過材Pを冷却することも
できる。なお、この高圧空気は、連続的に吹付けるよう
にしてもよいし、間欠的にまたは脈流として吹付けるよ
うにしてもよい。ただし、前述の脱塵操作中に行う場合
は連続的であることが好ましく、また、間欠的にまたは
脈流として吹付ける場合は、粒状濾過材Pの粒子に振動
を与えることができるため、前述の脱塵操作とは独立し
て補助的に塵埃を除去する場合に適している。また或い
は、この高圧空気を吹付けるノズル16は、主に粒状濾
過材Pの冷却のために、最下段のフィルタ4Bに対して
のみ設けることができる。
【0045】このように、本第一実施例の除塵装置は、
下部に塵埃収容部1A及びゲート板1dを備える塵埃排
出口1cからなる塵埃排出部を有し、その塵埃排出部よ
り上部に位置する吸気口1e及び排気口1bを有するハ
ウジング1と、このハウジング1に組込まれ、排気を除
塵する粒状濾過材Pを収容してフィルタ4を形成する収
納容器2と、ローラ11を備える摺動金具10及び押上
ピン12からなり、ハウジング1に上下に往復動可能に
配設され、収納容器2の側部を持上げる持上手段と、ハ
ウジング1に支持された回転軸5及びこれに結合された
カム7からなり、前記持上手段を間欠的に作動するカム
手段と、ハンドル15からなり、前記カム手段を回転駆
動する駆動手段とを具備するものであり、これを特に請
求項2の実施例とすることができる。
【0046】したがって、駆動手段により回転駆動され
るカム手段によって、持上手段を間欠的に作動し、収納
容器2の側部を間欠的に持上げることができるので、収
納容器2に収容された粒状濾過材Pを、その持上げ時ま
たは落下時に流動させ、振動させることができる。その
ため、駆動手段によりカム手段を回転駆動することによ
り、排気の除塵により粒状濾過材Pの粒子間に滞留しま
たはそれらの粒子の表面に付着した塵埃を、その振動等
によって容易に振り落し、または、粒子の表面から分離
または剥離し、次いで振り落すことができる。したがっ
て、粒状濾過材Pに蓄積する塵埃を容易に除去すること
ができるので、その粒状濾過材Pによる排気中の塵埃の
除去効率を常に良好に維持することができる。
【0047】特に、それらのカム手段と持上手段は簡易
な構造で形成することができるため、安価に作製するこ
とができると共に、それらを少ないスペースで配設する
ことができる。また、これらのカム手段と持上手段によ
る収納容器2の持上時と収納容器2の落下時には騒音が
発生するが、その騒音は比較的低く、電気バイブレータ
等の振動発生装置を使用する場合よりも遥かに小さいた
め、周囲の環境を悪化させない効果がある。しかも、こ
れらのカム手段と持上手段によれば、電気バイブレータ
等の振動発生装置を使用した場合よりも、より強い振動
をより確実に粒状濾過材Pに付与することができる。
【0048】ところで、本実施例の持上手段は、具体的
には摺動金具10及びローラ11と、収納容器2の側部
の下面に当接する押上ピン12とから形成されている
が、本発明を実施する場合には、これに限定されるもの
ではなく、この持上手段は往復動可能であって、カム手
段によって作動されて収納容器の側部を持上げることが
できるものであれば、どのような形状及び構造のもので
もよい。そして特に、押上ピン12と収納容器2の側部
とは互いに係合するように変更することができ、それに
よって収納容器2の側部が確実に持上げられることがで
きる。また、持上手段は、適切に配設されたカム手段に
よって収納容器2の側部と係合しこれを引上げるように
往復作動するものであることもできる。しかし、受棚1
fに案内板1gを設けることによって、押上ピン12が
収納容器2の側部の下面に確実に当接するようにし、ま
た収納容器2の側部を下面側から押上げ、突上げるよう
にした本実施例の構造は、最も簡易である。
【0049】また、本実施例のカム手段において、カム
7には1つの突出部7aを設けたが、このような突出部
7aの数は、その突出部7aがもう一方のカム7の同様
の突出部7aと回転軸5の回転角度において一致しない
限りにおいて、任意の数とすることができる。ただし、
収納容器2の側部を持上げ、落下させた後は、その時の
衝撃振動が収まるまで、再度の持上は休止されることが
好ましい。
【0050】また、本実施例では、これらの持上手段と
カム手段とを対にして設け、収納容器2の両側部が交互
に持上げられるようにしたが、その一方は適宜省くこと
ができ、また逆に、それらの持上手段とカム手段とを収
納容器2の前後側にも配設することができる。しかし、
収納容器2に収容された粒状濾過材Pを最も簡易な構造
で均一に揺れ動かすことができる点で、本実施例の構造
は好ましいものである。なお、この持上手段とカム手段
とを含む脱塵手段は、ハウジング1内に備えられるフィ
ルタ4の各段毎に設ける必要は必ずしもなく、塵埃が蓄
積しないようなフィルタ4に対しては設ける必要がな
い。例えば、最上段のフィルタ4Aが、塵埃が下段のフ
ィルタ4で既に除去されているため、排気中の気体状の
不純物のみを吸着するものである場合、これには設ける
必要はない。
【0051】更に、本実施例では、駆動手段は具体的に
はハンドル15から形成され、手動でカム手段を回転駆
動するようにしたが、本発明を実施する場合には、これ
に限定されるものではなく、この駆動手段は、カム手段
を回転駆動し、それによって持上手段を作動させること
が可能なものであれば、電気モータ、或いは油圧モー
タ、更には内燃機関等の適宜の動力手段であることがで
きる。そして、このような動力手段が用いられる場合に
は、好ましくは、後述する第二実施例のように制御し、
自動化することができる。
【0052】ところでまた、本実施例では粒状濾過材P
として、具体的には前述のように、粒状多孔質炭素系濾
過材を使用している。しかし、本発明を実施する場合に
は、使用する濾過材Pは、この粒状多孔質炭素系濾過材
に限定されるものではなく、塵埃を含む排気からその塵
埃を濾過し、除去できるものであれば、単なる粒子状の
濾過材であっても、或いは繊維状の濾過材等であっても
よく、更にはそれらの混合物であることもできる。しか
し好ましくは、多孔質で不純物を吸着でき、除塵、脱臭
作用もある粒状濾過材が好ましく、その中でも、溶解炉
等から排出される排ガス中の不純物のほとんど全てを除
去できるその粒状多孔質炭素系濾過材が特に好ましい。
また、この粒状多孔質炭素系濾過材によれば、溶解炉か
ら排出された高温の排ガスは、フィルタ4内を通過する
ときに、良好な熱伝導性と放熱性とを兼備するこの濾過
材と熱交換して冷却され、また、高圧空気の吹付を行う
場合にはその空気によってこの濾過材が冷却されるの
で、装置の温度上昇を抑えることができる。また、この
粒状多孔質炭素系濾過材は耐熱温度が700℃程度と高
いため、高温のガスが通過しても燃焼したり、劣化した
りすることがないという効果がある。
【0053】ところでまた、本実施例では、粒状濾過材
Pを収容した収納容器2からなるフィルタ4を多段に備
えているが、この収納容器2の容量を大きくすること等
によって、例えば、一段のみのフィルタ4とすることも
できる。しかし、本実施例のようにフィルタ4を多段に
分割した場合には、定期的に劣化した粒状濾過材Pを交
換する時には、その都度全体の粒状濾過材Pを交換する
必要はなく、部分的に劣化し易い排気の吸気口1e付近
のフィルタ4Bのみを取出して、その粒状濾過材Pの交
換を行なえばよい。また、多段とすることによって簡単
に劣化した粒状濾過材Pを選別し、交換することができ
る。これによって、材料ロスが減り、1回当たりの粒状
濾過材Pの交換重量が軽減して、作業が楽になるととも
に、交換の手間、時間を短縮し、濾過材の費用低減がで
きる。更に、粒状多孔質炭素系濾過材からなる濾過材P
の粒径の分類別の使用も可能となる。
【0054】また、本実施例では高圧空気を噴出するノ
ズル16を合わせて設けたが、設置費用等を考慮して、
このノズル16の配設は省くこともできる。また、この
ノズル16からの高圧空気の吹付のみによって粒状濾過
材Pに蓄積する塵埃を除去するためには、高い空気圧と
長い処理時間とを要するので、このノズル16を設ける
場合であっても、前述のように、脱塵のためにはこれを
補助的に利用することが好ましい。
【0055】なお更に、以上の第一実施例においては、
濾過材Pに蓄積する塵埃を脱塵するための収納容器2を
加振する加振手段を、持上手段とカム手段と駆動手段と
からなるものとして形成しているが、本発明を実施する
場合には、この加振手段は、収納容器2を加振し、その
収納容器2に収容された粒状濾過材を振動させてそれに
蓄積した塵埃を振り落すことが可能なものであれば、他
のどのような手段であることもできる。例えば、そのよ
うな加振手段は、持上手段と同様に往復動して収納容器
2の側部を間欠的に持上げることができる電磁的に、ま
たは流体圧で作動するアクチュエータ等(より具体的に
は、電磁プランジャ、エアーシリンダ等)であることが
できる。そして、このような場合の除塵装置は、具体的
には第一実施例に即して、下部に塵埃収容部1A及びゲ
ート板1dを備える塵埃排出口1cからなる塵埃排出部
を有し、その塵埃排出部より上部に位置する吸気口1e
及び排気口1bを有するハウジング1と、このハウジン
グ1に組込まれ、排気を除塵する濾過材Pを収容してフ
ィルタ4を形成する収納容器2と、収納容器2を加振
し、その収納容器2に収容された濾過材Pを振動させて
それに蓄積した塵埃を振り落す加振手段とを具備するも
のとして具体化され、これを請求項1の実施例とするこ
とができる。
【0056】〔第二実施例〕図9は本発明の第二実施例
による除塵装置を示す正面から見た断面図及び電気的制
御回路図を示す全体構成図である。また、図10は本発
明の第二実施例による除塵装置の制御を示すフローチャ
ートである。
【0057】本第二実施例による除塵装置は、第一実施
例の除塵装置において、カム手段を回転駆動する駆動手
段であるハンドル15に代えて電気モータ等の動力手段
を適用し、脱塵操作を自動化したものである。したがっ
て、この駆動手段を除く部分は第一実施例と同一であ
る。
【0058】即ち、図9のように、本第二実施例の除塵
装置は、下部に塵埃収容部1A及びゲート板1dを備え
る塵埃排出口1cからなる塵埃排出部を有し、その塵埃
排出部より上部に位置する吸気口1e及び排気口1bを
有するハウジング1と、このハウジング1に組込まれ、
排気を除塵する粒状濾過材Pを収容してフィルタ4を形
成する収納容器2と、ローラ11を備える摺動金具10
及び押上ピン12からなり、ハウジング1に上下に往復
動可能に配設され、収納容器2の側部を持上げる持上手
段と、ハウジング1に支持された回転軸5及びこれに結
合されたカム7からなり、前記持上手段を間欠的に作動
するカム手段とを備えている。ここで、フィルタ4は上
下に複数段に、例えば3段に組込まれ、各段毎に持上手
段及びカム手段が左右に対で設けられている。ただし、
図9では、最上段のフィルタ4Aと最下段のフィルタ4
Bのみが示され、中間段の記載は省かれている。また、
第一実施例と同じく、これらの各段毎にノズル16が配
設され、図示しないコンプレッサからの高圧空気が電磁
バルブV1 ,V2 を介して各フィルタ4A,Bに吹付け
られるようになっている。
【0059】そして、本実施例では、カム手段を回転駆
動する駆動手段として、フライホイールと一体になった
入力プーリ18を備えた伝動装置17が付設され、この
伝動装置17は、それぞれ電磁クラッチK1 ,K2 を介
して各段の回転軸5と連結されている。なお、より具体
的には、この伝動装置17は各電磁クラッチK1 ,K2
の入力軸(駆動軸)及び入力プーリ18の軸を相互に伝
動連結するチェーンまたはベルトを含み、これによっ
て、入力プーリの回転が各電磁クラッチK1 ,K2 の入
力軸に伝動されるようになっている。そして、その入力
プーリ18には、電気モータ、油圧モータ、或いは内燃
機関等の図示しない動力源の回転が、ベルト等によって
伝えられるようになっている。
【0060】したがって、図示しない動力源を駆動し、
電磁クラッチK1 ,K2 を作動し接続すると、カム手段
が回転駆動され、持上手段が収納容器2の側部を間欠的
に持上げるように作動する。そのため、収納容器2に収
容された粒状濾過材Pはその持上げ時または落下時に流
動され、また振動されるので、排気の除塵によりそれら
の粒子間に滞留しまたはそれらの粒子の表面に付着した
塵埃を、その振動等によってそれらの表面から剥離し、
振り落すことができる。またこの場合、ノズル16から
高圧空気を合わせて吹付けることにより、粒状濾過材P
からの塵埃の除去をより確実にすることができる。
【0061】ただ、この脱塵操作は各段のフィルタ4の
全てについて同時に行うこともできるが、上方に位置す
るフィルタ4から除去された塵埃はその下方に位置する
フィルタ4に落下するため、全てのフィルタ4を同時に
脱塵操作することは、動力の損失となるだけでなく、発
生する騒音も大きくなるため、好ましくはない。そこ
で、本実施例では、上方に位置するフィルタ4Aから下
方に位置するフィルタ4Bの順にそれぞれ順次脱塵操作
がなされるように、電磁クラッチK1 ,K2 をマイクロ
コンピュータからなる制御回路CPUで制御するように
している。また、これに合わせて、電磁バルブV1 ,V
2 もこの制御回路CPUで制御するようにしている。
【0062】そして、このマイクロコンピュータからな
る制御回路CPUは、より具体的には、制御プログラム
に従って図10のように動作する。なお、この制御プロ
グラムは、本実施例の除塵装置の電源投入と同時に動作
を開始する。
【0063】まず、本実施例の除塵装置の電源の投入と
同時に、このプログラムの実行に入り、図示しないイニ
シャライズの後、ステップS1で内蔵するタイマがスタ
ートする。そして、ノズル16からの高圧空気の吹付を
合わせて行う本実施例においては、ステップS2で圧縮
空気源の圧力センサの値を判断して、空気圧力が所定の
値P以上維持されているか否かを判定し、その圧力が値
P以上維持されていないときには、ステップS3でコン
プレッサーを駆動制御し、圧縮空気源の圧力を常に値P
以上に維持する。
【0064】そして、ステップS4で脱塵操作のタイミ
ングの到来をタイマの時限T0 の経過で判定する。即
ち、脱塵操作のタイミングはタイマに時限T0 として設
定された時間間隔で行なうもので、この時間T0 は、通
常、1〜10時間程度に設定される。その時間間隔毎
に、粒状濾過材Pに蓄積した塵埃を除去する脱塵を行な
うものである。なお、ステップS4で塵埃除去のタイミ
ングの到来をタイマの時限T0 の経過によって判定され
るまでは、ステップS2乃至ステップS4のルーチンの
処理を継続する。
【0065】なお、時限T0 をマニュアル条件とするこ
ともできる。即ち、特定のスイッチ操作の検出或いはセ
ンサの動作検出とすることができる。例えば、溶解炉か
らの排気ガスの排出が停止されたとき、或いは減少した
ときとすることができる。
【0066】ステップS4で塵埃除去のタイミングの到
来をタイマの時限T0 の経過で判定すると、まずステッ
プS5で電気モータ等の動力源を駆動する。そして、回
転駆動系の立ち上げ後、これに続くステップS6で電磁
クラッチK1 を作動し、接続する。これによって、カム
手段が回転駆動され、持上手段が収納容器2の側部を間
欠的に持上げるように作動する。そのため、最上段に位
置するフィルタ4Aの脱塵操作が行われ、その粒状濾過
材Pに滞留しまたは付着する塵埃が下方に振り落され
る。また、このステップS6では電磁バルブV1 を作動
し、これを開けることによって、そのフィルタ4Aへの
高圧空気の吹付を行う。なお、この高圧空気の吹付は連
続的または間欠的のいずれであってもよく、それに応じ
て電磁バルブV1 を連続的または間欠的に作動する。
【0067】なお、このステップS6での最上段のフィ
ルタ4Aの脱塵操作の際には、浮遊性の塵埃が排気口1
bから外部に飛散する可能性があるため、排出口1bま
たはその延長にあるダクトにその流体通路を開閉するダ
ンパを配設し、脱塵操作中そのダンパを閉鎖するように
制御することができる。
【0068】このステップS6での電磁クラッチK1 及
び電磁バルブV1 の作動は、T1 の時間が経過するまで
続けられる。この時間T1 は、フィルタ4Aに蓄積する
塵埃を十分に除去することができる時間であり、粒状濾
過材Pの量等に応じて経験的に求めることができる。
【0069】そして、ステップS7でタイマのその時間
T1 の経過を判定すると、電磁クラッチK1 及び電磁バ
ルブV1 の作動は停止され、電磁クラッチK1 が切られ
ると共に電磁バルブV1 は閉じられる。それと共に、図
示しない次のステップでは、そのフィルタ4Aの下のフ
ィルタ4に対応する電磁クラッチと電磁バルブとが作動
され、そのフィルタ4について同様に脱塵操作が所定時
間行われる。なお、この中間のフィルタ4の脱塵操作
は、ステップS6及びステップS7と同様のステップ
で、その中間のフィルタ4の数に応じて繰り返される。
【0070】こうして最後に、最下段に位置するフィル
タ4Bに対応する電磁クラッチK2及び電磁バルブV2
がステップS8で作動され、そのフィルタ4Bの脱塵操
作が時間T2 の間行われる。なお、この時間T2 は、上
方のフィルタ4から落下した塵埃もこのフィルタ4Bに
蓄積するため、比較的長い時間に設定される。そして、
ステップS9でタイマのこの時間T2 の経過を判定する
と、電磁クラッチK2及び電磁バルブV2 の作動が停止
され、ステップS10として動力源の停止が行われ、更
に、ステップS11でタイマをクリアしてステップS1
からのルーチンに戻る。
【0071】このようにして、全てのフィルタ4の脱塵
が全自動的に行われ、粒状濾過材Pに蓄積した塵埃は順
次下方に振り落とされる。この一連の脱塵操作に要する
時間は、各フィルタ4の脱塵に要する時間T1,...,T2
の総計にほぼ等しい。なお、この一連の脱塵操作に要す
る時間を短くするために、上方側に位置するフィルタ4
の脱塵が完全に終了しない間に、その下方側のフィルタ
4の脱塵操作を始めるように制御することもできる。こ
れによれば、粒状濾過材Pに付着した塵埃を剥離するた
めの時間を十分にとることができる。ただこの場合は、
発生する騒音が若干高くなる。
【0072】なお、粒状濾過材Pから振り落され粉塵収
容部1Aに集積した塵埃は、第一実施例の場合と同様
に、塵埃排出口1cから適宜排出される。
【0073】このように、本第二実施例の除塵装置は、
上部に塵埃収容部1A及びゲート板1dを備える塵埃排
出口1cからなる塵埃排出部を有し、その塵埃排出部よ
り上部に位置する吸気口1e及び排気口1bを有するハ
ウジング1と、このハウジング1に上下に複数段に組込
まれ、排気を除塵する粒状濾過材Pを収容してフィルタ
4を形成する複数の収納容器2と、ローラ11を備える
摺動金具10及び押上ピン12からなり、複数段の各収
納容器2に対応してハウジング1に往復動可能に配設さ
れ、収納容器2の側部を持上げる複数の持上手段と、ハ
ウジング1に支持された回転軸5及びこれに結合された
カム7からなり、前記各持上手段をそれぞれ間欠的に作
動するカム手段と、電気モータ等の駆動源と電磁クラッ
チK1 ,K2 を含む伝動装置17とを備え、それらの電
磁クラッチK1 ,K2 を介して前記各カム手段を回転駆
動する駆動手段と、制御回路CPUからなり、前記電磁
クラッチK1 ,K2 の作動を制御することにより、上方
に位置するフィルタ4Aに対応するカム手段から下方に
位置するフィルタ4Bに対応するカム手段の順に、それ
らの複数のカム手段を順次回転駆動するように前記駆動
手段を制御する制御手段とを具備するものであり、これ
を特に請求項3の実施例とすることができる。
【0074】したがって、本第二実施例の除塵装置によ
れば、第一実施例の場合と同様に、駆動手段により回転
駆動されるカム手段によって、持上手段が間欠的に作動
し、収納容器2の側部が間欠的に持上げられるので、収
納容器2に収容された粒状濾過材Pを、その持上げ時ま
たは落下時に流動させ、振動させることができる。その
ため、駆動手段によりカム手段を回転駆動することによ
り、排気の除塵により粒状濾過材Pの粒子間に滞留しま
たはそれらの粒子の表面に付着した塵埃を、その振動等
によって容易に振り落し、または、粒子の表面から分離
または剥離し、次いで振り落すことができる。したがっ
て、粒状濾過材Pに蓄積する塵埃を容易に除去すること
ができるので、その粒状濾過材Pによる排気中の塵埃の
除去効率を常に良好に維持することができる。
【0075】そして、特に、本第二実施例の除塵装置に
よれば、動力源を含む駆動手段とその駆動手段を制御す
る制御手段とを備えるので、各フィルタ4を形成する各
収納容器2に収納された粒状濾過材Pに蓄積する塵埃
を、自動的に除去することができる。しかも、その制御
手段は、上方に位置する収納容器2(フィルタ4A)に
対応するカム手段から下方に位置する収納容器2(フィ
ルタ4B)に対応するカム手段の順に、それらの複数の
カム手段を順次回転駆動するように駆動手段を制御する
ものであるから、上下に複数段に備えられた収納容器2
に収容される粒状濾過材Pの脱塵を、最も少ない動力量
で効率よく行うことができる。また、その脱塵操作時に
発生する騒音も、最小限度に抑えることができる。
【0076】ところで、本実施例では、カム手段を回転
駆動する駆動手段を、電磁クラッチK1 ,K2 を含むも
のとして形成したが、これらの電磁クラッチは、電気的
にその作動を制御することが可能なものであれば、パウ
ダクラッチ、或いは電磁バルブ等を備えた油圧クラッチ
等の他の任意のクラッチであることができる。また、本
実施例では、単一の動力源からの動力を伝動装置17に
よって各カム手段に伝動し、分配するようにしている
が、それらの各カム手段毎に電気モータ等のその動力源
を設けることもできる。そして、この場合、クラッチは
必ずしも必要ではない。即ち、カム手段を回転駆動する
駆動手段は、本発明を実施する場合には、この実施例に
限定されるものではなく、制御手段によって制御でき、
各カム手段を回転駆動することができるものであればよ
い。
【0077】また、本実施例では、制御手段を、具体的
にはマイクロコンピュータを使用した制御回路CPUか
らなるものとしたが、本発明を実施する場合には、これ
に限定されるものではなく、この制御手段は同様のプロ
グラム制御が可能なものであれば、どのようなものでも
よい。
【0078】なお、この駆動手段を制御する制御手段
は、例えば、上下に複数段に備えられた複数のフィルタ
4の脱塵をそれぞれ独立して行うことができるマニュア
ル制御手段とすることもできる。この場合、その制御手
段は単なる遠隔制御手段であり、請求項2(または請求
項1)の態様となる。
【0079】更に、本実施例では、高圧空気を吹付ける
ノズル16を各段のフィルタ4に対して配設している
が、第一実施例の場合と同様に、このノズル16の配設
は省くことができる。しかし、このようにノズル16を
配設し、高圧空気を粒状濾過材Pに吹付けるようにする
ことによって、粒状濾過材Pに滞留しまたは付着する塵
埃の除去がより確実になるだけでなく、溶解炉からの排
ガス等の高温の排気によって加熱された粒状濾過材Pを
冷却できる効果がある。
【0080】また、本実施例ではそのノズル16の電磁
バルブV1 ,V2 を、電磁クラッチK1 ,K2 と同じプ
ログラムで制御しているが、このノズル16からの高圧
空気の吹付の制御は、粒状濾過材Pの脱塵と冷却とのい
ずれを主とするか等に応じて、その他の任意のプログラ
ムで制御することができる。例えば、その高圧空気の吹
付を粒状濾過材Pの脱塵の仕上のために行う場合には、
それらの電磁バルブV1 ,V2 を脱塵操作が終了する前
の比較的短い時間だけ作動するように制御することがで
きる。また、単なる遠隔制御として制御することもでき
る。
【0081】なお、持上手段、カム手段等に関する技術
的詳細は、第一実施例と同様である。また、濾過材Pに
ついても第一実施例の場合と同様であり、前述の粒状多
孔質炭素系濾過材が特に好ましい。この濾過材によれ
ば、排気中の塵埃を除塵することができるだけでなく、
気体状の不純物も吸着除去することができる。また、耐
熱温度が高いため、高温の排気ガスの除塵も行なうこと
ができる。
【0082】なお更に、本第二実施例のような制御手段
を含む持上手段、カム手段、及び駆動手段なる収納容器
2の加振手段は、第一実施例の場合と同様に、例えば、
電磁的にまたは流体圧で往復作動するアクチュエータ等
の他の加振手段であることができる。そして、このよう
な場合の除塵装置は、本第二実施例に即して、上部に塵
埃収容部1A及びゲート板1dを備える塵埃排出口1c
からなる塵埃排出部を有し、その塵埃排出部より上部に
位置する吸気口1e及び排気口1bを有するハウジング
1と、このハウジング1に上下に複数段に組込まれ、排
気を除塵する濾過材Pを収容してフィルタ4を形成する
複数の収納容器2と、各収納容器2を加振し、その収納
容器2に収容された濾過材Pを振動させてそれに蓄積し
た塵埃を振り落す電気的に制御可能な複数の加振手段
と、上方に位置するフィルタ4Aに対応する加振手段か
ら下方に位置するフィルタ4Bに対応する加振手段の順
に、それらの複数の加振手段を順次作動するように制御
する制御手段とを具備するものとして、具体化すること
ができる。ただし、この場合の実施例は請求項1の態様
となる。
【0083】なお、以上に説明した除塵装置は、アルミ
ニウム合金等の溶解炉から排出された高温の排ガスを除
塵処理することに特に適したものであるが、塵埃を含む
一般の排気の除塵装置としても好適に使用することがで
きる。
【0084】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかる除塵装
置は、下部に塵埃排出部を有し、その塵埃排出部より上
部に位置する吸気口及び排気口を有するハウジングと、
ハウジングに組込まれ、排気を除塵する濾過材を収容し
た収納容器と、この収納容器を加振し、この収納容器に
収容された濾過材を振動させてそれに蓄積した塵埃を振
り落す加振手段とを具備するものである。
【0085】したがって、この除塵装置によれば、収納
容器を加振することによって、その収納容器に収容され
た濾過材を振動させ、排気の除塵により濾過材の粒子間
に滞留しまたはそれらの表面に付着した塵埃を、自重に
より振り落し、または濾過材の表面から分離または剥離
し、次いで振り落して、塵埃排出部に集積させることが
できる。そのため、濾過材に蓄積した塵埃を容易に除去
することができ、またその結果、塵埃を含む排気からの
塵埃の除去能率を良好に維持することができる効果があ
る。
【0086】請求項2にかかる除塵装置は、下部に塵埃
排出部を有し、その塵埃排出部より上部に位置する吸気
口及び排気口を有するハウジングと、ハウジングに組込
まれ、排気を除塵する濾過材を収容した収納容器と、ハ
ウジングに往復動可能に配設され、収納容器の側部を持
上げる持上手段と、持上手段を間欠的に作動するカム手
段と、カム手段を回転駆動する駆動手段とを具備するも
のである。
【0087】したがって、この除塵装置によれば、駆動
手段によってカム手段を回転駆動することにより、持上
手段が間欠的に作動され、濾過材を収容した収納容器の
側部が間欠的に持上げられるので、排気の除塵によって
濾過材の粒子間に滞留しまたはそれらの表面に付着した
塵埃を、その持上げ時または落下時の振動等により、振
り落し、またはそれらの表面から分離または剥離し、次
いで振り落すことができる。そのため、濾過材に蓄積し
た塵埃を容易に除去することができ、またその結果、塵
埃を含む排気からの塵埃の除去能率を良好に維持するこ
とができる効果がある。また、カム手段と持上手段は簡
易な構造で形成することができるため、安価に作製する
ことができると共に、それらを少ないスペースで配設す
ることができる効果がある。更に、発生する騒音が少な
く、また、強い振動を確実に濾過材に付与できる効果も
ある。
【0088】請求項3にかかる除塵装置は、下部に塵埃
排出部を有し、その塵埃排出部より上部に位置する吸気
口及び排気口を有するハウジングと、ハウジングに上下
に複数段に組込まれ、排気を除塵する濾過材を収容した
複数の収納容器と、複数段の各収納容器2に対応してハ
ウジングに往復動可能に配設され、収納容器の側部を持
上げる複数の持上手段と、各持上手段に対応してこれを
間欠的に作動する複数のカム手段と、各カム手段を回転
駆動する駆動手段と、上方に位置する収納容器に対応す
るカム手段から下方に位置する収納容器に対応するカム
手段の順に、それらの複数のカム手段を順次回転駆動す
るように駆動手段を制御する制御手段とを具備するもの
である。
【0089】したがって、この除塵装置によれば、請求
項1と同様に、駆動手段によって各カム手段を回転駆動
することにより、上下に複数段に組込まれた各収納容器
に収容された濾過材に蓄積した塵埃を容易に除去し、ま
たその結果、塵埃を含む排気からの塵埃の除去能率を良
好に維持することができる。そして、この駆動手段は、
制御手段によって、上方に位置する収納容器に対応する
カム手段から下方に位置する収納容器に対応するカム手
段の順に、それらの複数のカム手段を順次回転駆動する
ように制御されるので、濾過材に蓄積した塵埃の除去
は、上方に位置する収納容器から下方に位置する収納容
器の順に順次なされる。そのため、請求項2の効果に加
えて、全ての収納容器の濾過材からの塵埃の除去を最も
少ない動力量で効率的に行うことができ、また、その脱
塵時に発生する騒音を最少に抑えることができる効果が
ある。
【0090】請求項4にかかる除塵装置は、請求項1乃
至請求項3のいずれか1項において、収納容器に収容さ
れた濾過材が粒状多孔質炭素系濾過材からなるものであ
る。
【0091】したがって、この除塵装置によれば、請求
項1乃至請求項3の効果に加えて、排気に含まれる塵埃
を濾過し、除塵することができるだけでなく、気体状の
不純物も吸着除去することができる効果がある。また、
この濾過材は耐熱性が高いので、アルミニウム合金等の
溶解炉等から排出された高温の排気を除塵することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例の除塵装置を示す
正面から見た断面図である。
【図2】 図2は図1のA−A切断線で切断した場合の
断面図である。
【図3】 図3は本発明の第一実施例の除塵装置で使用
する収納容器の要部構成を示す説明図である。
【図4】 図4は図3の収納容器に濾過材を収容した状
態を示す説明図である。
【図5】 図5は本発明の第一実施例の除塵装置の要部
を拡大して示す正面からみた断面図である。
【図6】 図6は図5のB−B切断線で切断した場合の
断面図である。
【図7】 図7は図5の要部を更に拡大して示す斜視図
である。
【図8】 図8は本発明の第一実施例の除塵装置におけ
る濾過材からの塵埃の除去の様子を示す説明図である。
【図9】 図9は本発明の第二実施例の除塵装置を示す
正面から見た断面図及び電気的制御回路図を示す全体構
成図である。
【図10】 図10は本発明の第二実施例による除塵装
置の制御を示すフローチャートである。
【図11】 図11は従来のアルミニウム合金の溶解炉
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1A 塵埃収容部 1c 塵埃排出口 1d ゲート板 1e 吸気口 1b 排気口 2 収納容器 4(4A,4B) フィルタ 5 回転軸 7 カム 10 摺動金具 11 ローラ 12 押上ピン 15 ハンドル 16 ノズル 17 伝動装置 P 濾過材 V1 ,V2 電磁バルブ K1 ,K2 電磁クラッチ CPU 制御回路(制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に塵埃排出部を有し、その塵埃排出
    部より上部に位置する吸気口及び排気口を有するハウジ
    ングと、 前記ハウジングに組込まれ、排気を除塵する濾過材を収
    容した収納容器と、 前記収納容器を加振し、前記収納容器に収容された濾過
    材を振動させてそれに蓄積した塵埃を振り落す加振手段
    とを具備することを特徴とする除塵装置。
  2. 【請求項2】 下部に塵埃排出部を有し、その塵埃排出
    部より上部に位置する吸気口及び排気口を有するハウジ
    ングと、 前記ハウジングに組込まれ、排気を除塵する濾過材を収
    容した収納容器と、 前記ハウジングに往復動可能に配設され、前記収納容器
    の側部を持上げる持上手段と、 前記持上手段を間欠的に作動するカム手段と、 前記カム手段を回転駆動する駆動手段とを具備すること
    を特徴とする除塵装置。
  3. 【請求項3】 下部に塵埃排出部を有し、その塵埃排出
    部より上部に位置する吸気口及び排気口を有するハウジ
    ングと、 前記ハウジングに上下に複数段に組込まれ、排気を除塵
    する濾過材を収容した複数の収納容器と、 前記複数段の各収納容器2に対応して前記ハウジングに
    往復動可能に配設され、前記収納容器の側部を持上げる
    複数の持上手段と、 前記各持上手段に対応してこれを間欠的に作動する複数
    のカム手段と、 前記各カム手段を回転駆動する駆動手段と、 上方に位置する前記収納容器に対応する前記カム手段か
    ら下方に位置する前記収納容器に対応する前記カム手段
    の順に、前記複数のカム手段を順次回転駆動するように
    前記駆動手段を制御する制御手段とを具備することを特
    徴とする除塵装置。
  4. 【請求項4】 前記収納容器に収容された濾過材は、粒
    状多孔質炭素系濾過材からなることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれか1項に記載の除塵装置。
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