JPH11169105A - 容器入りゲル状食品 - Google Patents

容器入りゲル状食品

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JPH11169105A
JPH11169105A JP9346274A JP34627497A JPH11169105A JP H11169105 A JPH11169105 A JP H11169105A JP 9346274 A JP9346274 A JP 9346274A JP 34627497 A JP34627497 A JP 34627497A JP H11169105 A JPH11169105 A JP H11169105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器内のゲル状食品を直接押し出した場合
に、容器から押し出しやすく、ゲル状食品を他の食品に
加えた際に、粒状感があり、分散しやすく、食感に弾力
がある形態の容器入りゲル状食品の提供を目的とする。 【解決手段】 細口を有する柔軟容器に、ブリックスが
20〜45%となる量の糖質及び/又は0.05〜4重
量%の塩分と、海藻抽出物を主体とするゲル化剤とを含
むゲル状食品を収容したことを特徴とする容器入りゲル
状食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器入りゲル状食
品に関し、特に、容器から押し出しやすく、押し出した
ゲル状食品を他の食品に加えた場合に、粒状感があり、
分散しやすく、食感に弾力がある形態の容器入りゲル状
食品に関する。
【0002】
【従来の技術】容器入りゲル状食品としては、特開昭6
1−190462号公報や同61−217384号公報
に、柔軟な取り出し口を有する密封軟包装袋に、最大容
積の90%以下の、一定形状を保持することのできるゲ
ル状食品を収納してなる、ゲル状食品入り密封軟包装
袋、が開示されている。しかしながら、上記先行技術に
記載された発明は、予め密封軟包装袋を揉んで、ゼリー
を所望の度合までクラッシュしてから絞りだすもので、
容器内のゼリーを直接絞りだすことを目的とするもので
はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、先行技術と
は異なり、容器内のゲル状食品を直接押し出した場合
に、容器から押し出しやすく、ゲル状食品を他の食品に
加えた際に、粒状感があり、分散しやすく、食感に弾力
がある形態の容器入りゲル状食品の提供を目的とする。
また、より優れた果実風味を有する、上記形態の容器入
りゼリーの提供を別の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、研究を進
めた結果、糖質及び/又は塩分を特定濃度で含み、かつ
海藻抽出物でゲル化したゲル状食品は、柔軟性と弾力性
のあるゲルとなり、これをチューブなどの細口を有する
柔軟容器に収容して容器入りゲル状食品を構成すれば、
上記の性能がことごとく達成されるとの知見を得た。
【0005】本発明は、上記の知見に基づいて成された
もので、細口を有する柔軟容器に、ブリックスが20〜
45%となる量の糖質及び/又は0.05〜4重量%の
塩分と、海藻抽出物を主体とするゲル化剤とを含むゲル
状食品を収容したことを特徴とする容器入りゲル状食
品、を要旨とする。更に、ゲル化剤が、カラギーナン、
グルコマンナンおよびローカストビーンガムである、前
記の容器入りゲル状食品を好適態様とする。更に、容器
がチューブである、前記の容器入りゲル状食品を好適態
様とする。更に、ゲル状食品が、果実原料とは別にリナ
ロール、ジメチルサルファイドおよびジメチルジサルフ
ァイドから選ばれた1以上を含む果実風味のものであ
る、前記の容器入りゲル状食品を好適態様とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のゲル状食品としては、前記の目的性能に
適うゲル状食品であれば、風味を問わずいずれも対象と
なる。具体的には、各種デザートゼリー、調味材などが
挙げられる。特に、本発明のゲル状食品は、ヨーグルト
や野菜やパンや米飯などに押し出してかけた場合に、粒
状感があり、分散しやすく、食感に弾力があるため、当
該用途に最も適する。トッピングなどとして用いてもよ
く、それ以外にも任意の用途に用い得ることは勿論であ
る。ゲル状食品は、通常の材料を用いて、従来と同様に
製造することができるが、特に本発明の特徴は以下の点
にある。
【0007】まず、ゲル状食品は、ブリックスが20〜
45%、好ましくは30〜40%となる量の糖質、及び
/又は0.05〜4重量%(以下%の略称する)、好ま
しくは0.1〜3%の塩分を含む。上記のブリックスと
塩分の範囲は、通常のデザートゼリーや調味材などと比
べて相当高濃度のものであるが、これらに下記するゲル
化剤が作用した場合に、比較的柔軟で崩れやすいゲルが
得られ、つまり、前記の容器から押し出しやすく、粒状
感・分散性・弾力のある容器入りゲル状食品の形態に適
した特有の物性のゲルが得られるのである。なお、ブリ
ックスと塩分が各々上記の範囲を下回ると、ゲルが硬く
なって上記の物性を得ることができない。ここで、ブリ
ックスとは、20°Cにおける屈折率を測定し、純蔗糖
溶液(サッカロース)の重量/重量パーセントに換算
(国際砂糖分析法標準化委員会の換算表を使用)した値
をいう。
【0008】更に、ゲル状食品は、海藻抽出物を主体と
するゲル化剤を含む。海藻抽出物としては、カラギーナ
ン、寒天、ファーセルラン、アルギン酸Naなどが挙げ
られ、これと併用できる他のゲル化剤としては、グルコ
マンナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジ
ェランガムなどが挙げられる。ゲル化剤の含有量は、
0.5〜1.5%、好ましくは0.6〜1%がよく、こ
れにより、求める物性のゲル状食品が得られる。最も好
ましいゲル化剤の組合せとしては、カラギーナン、グル
コマンナンおよびローカストビーンガムの組合せがよ
く、カラギーナンを0.15〜0.5%、グルコマンナ
ンを0.05〜0.3%およびローカストビーンガムを
0.1〜0.35%の量用いるとよい。カラギーナンに
より、容器から押し出した際に、適度に崩れて粒状感・
分散性が付与でき、グルコマンナンにより、ゲルの滑り
性が増して容器から押し出しすくなり、ローカストビー
ンガムにより、弾力が増すからである。
【0009】ゲル状食品の水分は50〜85%とするの
がよく、この場合に、前記のブリックス・塩分とゲル化
剤の作用を好適に達成することができる。他の材料とし
ては、果肉・果汁などの果実原料、調味料、香料、色
素、酸味料などを任意に用い得る。特に、ゲル状食品が
果実風味のものである場合には、果実原料とは別にリナ
ロール、ジメチルサルファイドおよびジメチルジサルフ
ァイドから選ばれた1以上を含むのがよく、これにより
果実風味が改善される。この効果は、ピーチ風味の場合
に顕著である。含有量としては、ゲル状食品中に、リナ
ロールを1〜100ppm、ジメチルサルファイドまた
はジメチルジサルファイドを0.1〜1ppmとするの
がよい。
【0010】本発明のゲル状食品は、以上の材料を含ん
で常法により製造されるが、更に、ゲル強度が50〜2
50g、好ましくは50〜100gであることが望まし
い。前記材料の構成に加えて、上記範囲のゲル強度に基
づいて、求めるゲル状食品の押し出し性、粒状感、分散
性、弾力を達成することが可能となる。上記ゲル強度
は、直径12mmのプランジャーを装着したレオメータ
ー(不動工業社製)を使用し、一回咀嚼して測定したも
ので、サンプルの厚さ14mm、品温10°C、レンジ
幅0〜1kg、試料台の上昇スピード6cm/min、
プランジャーのサンプルへの侵入距離4mmである。ま
た、ゲル状食品を色見の美しいものとすれば、別の食品
に加えた場合に美観に優れたものとなる。
【0011】次に、細口を有する柔軟容器に、以上の材
料を含むゲル状食品を収容して、本発明の容器入りゲル
状食品を構成する。具体的には、材料を適宜混合し、必
要により加熱溶解してゾル状とし、容器に充填し、容器
内でゲル化して作ればよい。容器としては、中身を押し
出すことが可能な細口を有する柔軟容器であればいずれ
でもよく、チューブ、パウチなどが挙げられる。容器の
材料は限定されず、各種合成樹脂などを用いることがで
き、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物などのガスバリヤー性を有する材
料を中間層に介在させることが好ましい。容器は透明材
で構成するのがよい。また、容器の押し出し口は、口径
4〜10mm程度の細口が形成されるものとし、これに
より、求めるゲル状食品の押し出し性、粒状感を達成で
きる。上記の容器にゲル状食品を満注充填することがで
きる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。 実施例1 果糖 17% グラニュー糖 20% カラギーナン 0.3% グルコマンナン 0.1% ローカストビーンガム 0.2% 白桃ピューレ 5% クエン酸 0.9% リナロール 2ppm ジメチルサルファイド 0.15ppm 香料 適量 色素 適量 水 56%
【0013】以上を原料を混合し、85°C達温まで加
熱して、溶融ゾル状の原料液を得、上記原料液を80g
ずつ合成樹脂製チューブに充填し、80°Cで25分間
湯殺菌処理してチューブ入りゼリーを得た。ゼリーのブ
リックスは約40%で、ゲル強度は約100gであっ
た。冷やした上記の製品を用いて、容器からゼリーを押
し出した場合に、押し出しやすく、また、押し出したゼ
リーをヨーグルトにかけると、粒状感があり、分散しや
すく、白地に桃色が分散して美しく、ゼリー自体の食感
にも弾力がある高品質のものであった。
【0014】実施例2 食塩 2% カラギーナン 0.3% グルコマンナン 0.1% ローカストビーンガム 0.2% 梅肉ピューレ 20% 香料 適量 色素 適量 水 76%
【0015】梅肉ピューレを除く原料を混合し、85°
C達温まで加熱して、溶融ゾル状の原料液を得、これに
梅肉ピューレを混合したものを、40gずつ合成樹脂製
チューブに充填してチューブ入りゲル状梅肉調味材を得
た。調味材のゲル強度は約50gであった。上記の製品
を用いて、容器から調味材を押し出した場合に、押し出
しやすく、また、押し出した調味材を冷ました粥にかけ
ると、粒状感があり、分散しやすく、食感にも弾力があ
る高品質のものであった。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、容
器から押し出しやすく、押し出したゲル状食品を他の食
品に加えた場合に、粒状感があり、分散しやすく、食感
に弾力がある形態の高品質の容器入りゲル状食品を作る
ことが可能となる。特に、容器から押し出して、各種の
食品に加えることで、上記の機能が達成されるため、食
品の喫食形態を多様化する上からも有効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細口を有する柔軟容器に、ブリックスが
    20〜45%となる量の糖質及び/又は0.05〜4重
    量%の塩分と、海藻抽出物を主体とするゲル化剤とを含
    むゲル状食品を収容したことを特徴とする容器入りゲル
    状食品。
  2. 【請求項2】 ゲル化剤が、カラギーナン、グルコマン
    ナンおよびローカストビーンガムであることを特徴とす
    る請求項1記載の容器入りゲル状食品。
  3. 【請求項3】 容器がチューブであることを特徴とする
    請求項1または2記載の容器入りゲル状食品。
  4. 【請求項4】 ゲル状食品が、果実原料とは別にリナロ
    ール、ジメチルサルファイドおよびジメチルジサルファ
    イドから選ばれた1以上を含む果実風味のものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の容器入りゲル状食品。
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Cited By (7)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001120217A (ja) * 1999-10-27 2001-05-08 Sanei Gen Ffi Inc あわせ調味料
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JP2017209088A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 雪印メグミルク株式会社 光劣化臭の改善作用を有する組成物および該組成物を含む食品

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