JP2007244361A - 蜂蜜のシート状食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蜂蜜、および寒天、ゼラチン、バター、マーガリン、米粉、から選ばれる1種以上の物質を、蜂蜜100重量部に対して、それぞれ0.1〜10重量部添加し蜂蜜をペースト状とし、更に加熱冷却し成形固化した後、シート状にスライスもしくは砕片状にした食品。
【解決手段】 蜂蜜を主体として寒天、マーガリン、米粉、バターなどを加熱混和した後、成型したものをスライスもしくは砕片状にした蜂蜜シート状食品。これにより、簡便にパンなどの上に手がべとつくことなくのせることが出来、かつ、従来には見られなかった蜂蜜の食シーンの提供が図れる。
【選択図】なし
【解決手段】 蜂蜜を主体として寒天、マーガリン、米粉、バターなどを加熱混和した後、成型したものをスライスもしくは砕片状にした蜂蜜シート状食品。これにより、簡便にパンなどの上に手がべとつくことなくのせることが出来、かつ、従来には見られなかった蜂蜜の食シーンの提供が図れる。
【選択図】なし
Description
本発明は、パン等に簡便かつ容易にのせるだけで都合のよいペースト状シート蜂蜜にし、特に、容器から流れ出ることはなく、かつボテボテせず、長期間均質安定で、透明感ある美しい褐色の色沢を持ち、爽やかな風味を有するペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜を砕片の製造方法に関する。
昔から、蜂蜜は滋養に富む食品として幅広く利用されているが、粘稠な液のため液切れが悪く容器を汚すなど使い勝手上の欠点があることから、広範に利用されていないのが実情である。また、味覚の点でも、蜂蜜の甘みや香は後味として残り、爽やかさに欠けるので、近年の嗜好に必ずしも合致していないという課題もある。また、従来の寒天などで単にペースト状にした蜂蜜食品はスプーンなどを用いて塗り広げなければ成らず液状の蜂蜜を単に固めただけのものであり、従来からの簡便性を解消するには至っていない。
そこで、液状の蜂蜜に適度の粘性を与えてペースト状又ジャム状にすることでパン等につけて食べるときに、流れることがなく食べ易くする技術が考えられているが、例えば、微細な結晶を加えて蜂蜜全体を擬結晶化させる方法(特開昭63−133954号公報)等に代表されるように、得られたペースト状蜂蜜は色が白色となり通常の蜂蜜のイメージと異なり、また、擬結晶から本来の結晶に移行しやすく直ぐに硬くなり、パン等に塗ることができなくなるという欠点があるほか、再度加熱をして液状化しないと、他の用途にも使用できないと言う問題点があった。また、製造方法においても、加熱、冷却や結晶母を使用するなど複雑であり、製造時間もかかる。
特開昭63−133954号公報
また、低カロリージャムとして、コンニャクマンナン0.1〜1.0%と、寒天0.1〜10%と、果実等の原料と、甘味料、酸味料、ペクチン等とを配合し、加熱してゲル化させる技術がある(特開平03−65149号公報)。しかし、このものの目的は、ジャムの低カロリー化であり、コンニャクマンナンと寒天により、レオロジー特性をドラスティクに変えることを意図としたものではなく(逆に、食感等は変えないことを前提としている)、たとえ、それらの添加により物性が変化することがあったとしても、コンニャクマンナン、寒天、ペクチンは単に保形性付与に関与しているに過ぎない。そもそも、ジャムの食感は、ペクチン質により特徴付けられる粘弾性の比較的弱いゲルにより構成されているから、蜂蜜のそれとは全く相違しており、かかる技術をそのまま適用することはできない。
特開平03−65149号公報
また、安定剤、増量剤としてホエー蛋白質やカゼイン蛋白質等の蛋白質や各種加工澱粉等を添加することにより、蜂蜜の流動性を抑止し、ある程度の安定性、ボディ感のある物性を形成することは可能であるが、蜂蜜の透明感ある褐色の色沢が喪失し、蜂蜜としての商品価値が損なわれるので、適当ではない。更に、蛋白質系や澱粉系の安定剤を用いれば安定性は得られても、パン等に塗ったときの延びがないボテボテとした物性となるので、蜂蜜として違和感のない自然な食感、外観を実現することはできない。
また、コンニャクマンナン、およびカラギーナン、グアガム、寒天、ペクチンから選ばれる1種以上の植物粘質物を添加し蜂蜜をペースト状とする(特開平7−274854)技術もあるが、単にペースト状にしたものであり、結局パンなどにはスプーンなどを使って塗り広げなければ成らず容器も汚れ、その簡便性をうたうには根元的な問題解決には至っていない。
特開平7−274854
本発明は、上記従来技術の実情に鑑み、蜂蜜に特定の添加材を特定の割合で加えることにより、蜂蜜本来の風味、外観等を維持しつつ、そのレオロジー的性質を変え、パン等に容易にのせることができ長期間均質安定なペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片である。
また、本発明の他の目的は、かかるペースト状シート蜂蜜に果肉等を添加することにより、バラエティ化を図ることである。
また、本発明の更に他の目的は、かかるペースト状シート蜂蜜を容易にかつ安定的に製造することである。
かかる目的を達成する本発明は、蜂蜜と、少なくとも寒天、ゼラチン、マーガリン、バター、米粉を含む2種以上の天然粘質物からなるペースト状蜂蜜である。粘稠性の高い蜂蜜に寒天とその他の天然粘質物を添加することにより、寒天の強い保水力により蜂蜜の流動性を抑え、更に天然粘質物により蜂蜜のもつベタベタ感の改善と品質の経時変化を相乗的に抑えることができるので、蜂蜜本来の風味、外観等を維持しつつ、そのレオロジー的性質を変え、パン等に容易にのせることができる長期間均質安定なペースト状とすることが可能となる。
また、本発明は、上記のペースト状蜂蜜の品質をより好ましいものとするため、少なくとも寒天、ゼラチン、マーガリン、バター、米粉を含む2種以上の天然粘質物を、蜂蜜100重量部に対して、0.2〜20重量部としたペースト状シート蜂蜜であり、更に、寒天、ゼラチン、マーガリン、バター、米粉およびその他の天然粘質物を、蜂蜜100重量部に対して、それぞれ0.1〜10重量部としたペースト状シート蜂蜜である。
また、本発明は、上記いずれかのペースト状シート蜂蜜において、蜂蜜、天然粘質物の他、果汁、果肉またはそれらの乾燥品を含有するペースト状シート蜂蜜である。該ペースト状シート蜂蜜は、ある程度のゼリー強度を有するので、果肉等の固形物を添加しても沈澱することなく、均質な組織を構築することができる。
また、本発明は、上記いずれかのペースト状シート蜂蜜及びシート状蜂蜜を砕片の製造方法であって、少なくとも寒天、ゼラチン、米粉を含む2種以上の天然粘質物を混合し、水分を加えて膨潤させ、得られた天然粘質物水和液を蜂蜜に加えて混練し、冷却成形固化し、厚さ0.5mm〜1cmにスライスしたペースト状シート蜂蜜及びシート状蜂蜜を砕片したものの製造方法である。天然粘質物を使用することにより網状のマトリックスを構成することができるので、前述した、蜂蜜本来の風味、外観等を維持しつつ、パン等に容易にのせることができる長期間均質安定なシートペースト状を製造することが可能となる。
また、本発明は、上記の製造方法のより好ましい方法であり、天然粘質物水和液の固形分量を、2〜20%としたペースト状シート蜂蜜の製造方法であり、また、天然粘質物に加える水分を、果汁としたペースト状蜂蜜の製造方法であり、更には、天然粘質物水和液と蜂蜜との混練を、70〜90℃の温度で行い、10℃以下で冷却成形固化し厚さ0.5mm〜1cmにスライスしたペースト状シート蜂蜜及びシート状蜂蜜を砕片したものの製造方法である。
粘稠性の高い蜂蜜に寒天その他の天然粘質物を添加することにより、蜂蜜の流動性を抑え、バター、マーガリンを混合することで蜂蜜の持つベタベタ感の改善と品質の経時変化を相乗的に抑えることができるので、蜂蜜本来の風味、外観等を維持しつつ、そのレオロジー的性質を変え、パン等に容易に塗ることができる長期間均質安定なペースト状シート蜂蜜とすることが可能となる。
また、該ペースト状シート蜂蜜は、ある程度のゼリー強度を有するので、果肉等の固形物を添加しても沈澱することなく、均質な組織を構築することができる。
水141gに寒天3gとゼラチン6gと米粉10グラムを攪拌しながら加え一晩放置(10℃)して十分に溶解させた後、あらかじめ別の容器で80℃前後に加温した蜂蜜700gとバター10グラムマーガリン10グラムを均一になるように合せ、80℃10分間程度温度を保持して殺菌した後立方体型(8cm四方)のステンレス容器に充填した。
10℃以下の温度帯で冷却したところ、元の蜂蜜とほぼ同じ色調と透明性を持つペーストが得られた
十分に固化されたものを容器から取り出し、幅2mm間隔にはったピアノ線でできた押し出し式スライス器にて蜂蜜をスライスする。
これをトーストしたパンに手でのせると、蜂蜜が溶けて流れることもなく、パンに吸収されることもなくすっきりした甘さや蜂蜜の豊かな風味があり、一般の果実ジャムと同様して食することができた。
又、冷蔵庫で数ヶ月間保存したが、液状蜂蜜に起き易い結晶も発生することがなかった。
本発明のペースト状シート蜂蜜及びシート状蜂蜜を砕片した蜂蜜は、パン等に塗布するのに好適であるが、それに限らず、パン類、ケーキ類のフィリング、トッピング、アイスィングとして、また、アイスクリームのトッピング等としても用いることができる。
本発明における蜂蜜としては、その種類、等級、産地等を問わず用いることができる。例えば、中国産アカシア、レンゲ、雑蜜等を例示できる。原料の蜂蜜の官能的特性は、当然にペースト状蜂蜜に反映されるので、目的とするペースト状蜂蜜により適宜、原料蜂蜜を選定するとよい。
本発明では、寒天に更に別の天然粘質物を添加する。寒天と天然粘質物を併用することにより、僅か2〜3%の添加で強い保水力を利用して蜂蜜の流動性を抑え、更にバター、マーガリンを加えることで寒天、ゼラチンの水和物のもつベタベタ感の改善と、品質の経時変化を相乗的に抑えることができる。寒天及びゼラチンのみでも蜂蜜をペースト状にすることはできるが、単独使用であると、水和液が蜂蜜中に均一に分散せず、完成した蜂蜜ペースト中に小さな粒状の水和物が残り、この状態のものをそのまま喫食すれば舌触り、食感が悪く、また蜂蜜独特のぬめり感により後味が悪くなる。また保存中に粋を物が沈澱分離したり、離水を起したりする。一方、バター、マーガリン、米粉を併用するとこれらを全て改善できる。即ち、寒天と他の天然粘質物を組合せることによって初めてパン等にのせるに最適なレオロジー特性を得ることができる。しかも、かかる特性は長期間保持され、また蜂蜜で通常問題になる再結晶による白濁等も効果的に防止することができる。
容器に入れ傾けても流れ出すことはなく、パン等の上に簡便に器具を汚すことなくのせる事が出来る。また、レオロジー特性を変え蜂蜜の粘着性、べとつき感等の改善することができるので、味覚上も蜂蜜の後味の強さを緩和し、切れのよいさっぱりした爽やかな味を呈するようになる。即ち、本発明のペースト状シート蜂蜜は従来の蜂蜜が有する課題であった使い勝手上の問題のみならず、後味の強さ、ベタベタ感といった官能上の課題も解決するものである。
上記したペースト状蜂蜜には、所望により果汁、果肉またはそられの乾燥品を含有させることができる。即ち、ミカン、イチゴ、ブドウ、レモン等の果汁を使用したり、果実の果肉や粉末、フレーバー類を加えることなどをすると浮遊したり沈降することもなく、また容器の外側からも果肉などが確認できる極めて商品価値の高いペースト状シート蜂蜜が容易に調製することができる。例えば、ペースト状シート蜂蜜を製造する際に用いる水の代わりに果汁を用いれば、フルーティな風味を付与することができ、また色調を調整することができる。目安としては、ペースト状蜂蜜重量に対して5〜20重量%程度である。また、所望により、その他の甘味料、色素、香料、保存剤等、を添加することができる。
Claims (11)
- 蜂蜜と、少なくとも寒天を含む2種以上の天然粘質物からなるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項1において、少なくとも寒天を含む2種以上の天然粘質物が、蜂蜜100重量部に対して、0.2〜20重量部であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項2において、寒天およびその他の天然粘質物が、蜂蜜100重量部に対して、それぞれ0.1〜10重量部であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項1乃至3いずれか一項において、寒天以外の天然粘質物が、動物性粘質物であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項4において、植物性粘質物が、寒天、マーガリン、米粉から選ばれる1種以上であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項4において、動物性粘質物が、バターから選ばれる1種以上であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項1乃至6いずれか一項において、蜂蜜、天然粘質物の他、果汁、果肉またはそれらの乾燥品を含有するペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片。
- 請求項1乃至7いずれか一項記載のペースト状シート蜂蜜の製造方法であって、少なくとも寒天、マーガリン、バター、ゼラチン、米粉を含む2種以上の物質を混合し、水分を加えて膨潤させ、得られた天然粘質物水和液を加熱した蜂蜜に加えて混練し冷却成形固化し、厚さ0.5mm〜1cmにスライスしたペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片の製造方法。
- 請求項8において、天然粘質物水和液の固形分量が、2〜20%であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片の製造方法。
- 請求項8または9において、天然粘質物に加える水分が、果汁であるペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片の製造方法。
- 請求項8乃至10いずれか一項において、天然粘質物水和液と蜂蜜との混練が、70〜90℃の温度で行われ、後、10℃以下で冷却成形固化し厚さ0.5mm〜1cmにスライスしたペースト状シート蜂蜜及び前記シート状蜂蜜の砕片の製造方法。
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JP2006110244A JP2007244361A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 蜂蜜のシート状食品及びその製造方法 |
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FR3001866A1 (fr) * | 2013-02-14 | 2014-08-15 | Luigi Formuso | Beurre au miel |
JP2014166149A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Fujiwara Ice Cream Kojo Kk | 蜂蜜を用いた菓子,蜂蜜を用いた菓子の作成方法,蜂蜜を用いた菓子の作成具 |
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2006
- 2006-03-15 JP JP2006110244A patent/JP2007244361A/ja active Pending
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