JP2010124760A - トースト用油脂食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】野菜や卵等の風味顆粒をトッピングしたトーストを得るためのトースト用油脂食品であって、食べる際に風味顆粒がトーストからこぼれ落ち難く、しかも、風味顆粒がトースト上に浮き上がっていることにより風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感し易いトーストが得られるトースト用油脂食品を提供する。
【解決手段】パンに塗って焼くためのトースト用油脂食品であって、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散してあり、前記油脂組成物中にHLB10以下の乳化剤を含有し、製品の水分含量が3%以下であるトースト用油脂食品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、野菜や卵等の風味顆粒をトッピングしたトーストを得るためのトースト用油脂食品に関し、より詳しくは、食べる際に風味顆粒がトーストからこぼれ落ち難く、しかも、風味顆粒がトースト上に浮き上がっていることにより風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感し易いトーストが得られるトースト用油脂食品に関する。
朝食にはトーストがよく食されている。多くの場合、トーストの味付けとしては、バターや果実ジャムを塗ることが多いが、嗜好の多様化により、トーストしたパンにバターやマーガリンを塗った後、野菜や卵等の風味顆粒をトッピングすることも行われている。風味顆粒は、ふりかけ等として、卵や野菜などの様々な風味原料を造粒したのものが市販されており、適宜選択してトーストにトッピングすることにより、トーストに好みにあった味付けをして美味しく食べることができる。また、このようにトーストに風味顆粒をトッピングすると、風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感することができる。
しかしながら、このように風味顆粒をトッピングしたトーストは、トッピングした風味顆粒が食する際にこぼれ落ち易く、衣服や食卓を汚してしまうという問題があり、その解決が望まれていた。
前記問題を解決する方法としては、特許文献1(特開昭60−160857号公報)に、トースト用ふりかけ調味料が提案されている。このふりかけ調味料は、油脂を含有させることにより、食する際にふりかけ調味料がこぼれ落ちることを防止しようとするものであるが、その効果は充分とは言えなかった。
特開昭60−160857号公報
本発明者は、野菜や卵等の風味顆粒をトッピングしたトーストを食する際に風味顆粒がこぼれ落ちる上述の問題を解決するにあたり、トーストしたパンにバターやマーガリンを塗ってふりかけをトッピングするのではなく、トースト前のパンにバターやマーガリンを塗って風味顆粒をトッピングした後にトーストするならば、得られたトーストにおいては風味顆粒がパンにより強固に付着してこぼれ落ち難くなるのではないかと着想しこれを試みた。その結果、得られたトーストは、風味顆粒がパンと付着してこぼれ落ち難くなる傾向はあったものの、風味顆粒がパンの繊維の中に紛れ込んでしまい、トースト上に風味顆粒がトッピングされていることが認識し難いという問題が生じた。
そこで、本発明の目的は、野菜や卵等の風味顆粒をトッピングしたトーストを得るためのトースト用油脂食品であって、食べる際に風味顆粒がトーストからこぼれ落ち難く、しかも、風味顆粒がトースト上に浮き上がっていることにより風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感し易いトーストが得られるトースト用油脂食品を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の原料で造粒した風味顆粒を用い、当該風味顆粒を特定の乳化剤を配合して低水分に調整した油脂組成物中に分散して、パンに塗って焼くならば、前記風味顆粒がトースト上に浮き上がって明確に視認でき、しかも、食べる際に前記風味顆粒がトーストからこぼれ落ち難いことを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) パンに塗って焼くためのトースト用油脂食品であって、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散してあり、前記油脂組成物中にHLB10以下の乳化剤を含有し、製品の水分含量が3%以下であるトースト用油脂食品、
(2) 前記風味顆粒は、顆粒全体の50%以上が0.5〜5mmの大きさである(1)記載のトースト用油脂食品、
である。
本発明のトースト用油脂食品は、パンに塗って焼くだけで、野菜や卵等の風味顆粒をトッピングしたトーストが簡便に得られる。得られたトーストは、風味顆粒がトースト上に浮き上がって明確に視認できるため、風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感し易いものとなる。しかも、得られたトーストは、風味顆粒がパン表面に強固に付着しているため、トッピングした風味顆粒が食べる際にトーストからこぼれ落ち難いものとなる。このような本発明のトースト用油脂食品によれば、嗜好の多様化に応じた美味しいトーストが簡便に得られ、更なるパンの需要拡大が期待される。
以下、本発明のトースト用油脂食品を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明のトースト用油脂食品は、油脂を主原料とする食品であって、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散してあり、前記油脂組成物中にHLB10以下の乳化剤を含有し、製品の水分含量が3%以下であるという特徴を有する。このような本発明のトースト用油脂食品は、パンに塗って焼くことにより、風味顆粒をトッピングしたトーストが得られ、当該トーストは、風味顆粒がトースト上に浮き上がって明確に視認できて風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感し易いものとなる。しかも、得られたトーストは、風味顆粒がパン表面に強固に付着しているため、トッピングした風味顆粒が食べる際にトーストからこぼれ落ち難いものとなる。
本発明の前記風味原料とは、トーストを種々の風味に風味付けするための原料であって、例えば、トマト、人参、ニンニク等の野菜、カツオ、イカ、エビ、かに、明太子等の魚介類、鶏、牛、豚等の畜肉類、全卵、卵黄等の卵製品、チーズ、バター等の乳製品、味噌、醤油等の発酵調味料、赤唐辛子、コショウ、ターメリックなどのスパイス類等が挙げられる。
また、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒とは、粉状、粒状、塊状、あるいは液状などの風味原料に少なくとも澱粉を加えて、ほぼ均一な形状と大きさをもつように造粒したものをいう。造粒方法としては、特に制限は無く、例えば、転動造粒、流動層造粒、押出し造粒、更には、澱粉を加えた原料混合液をドラムドライヤーや凍結乾燥機で乾燥して粉砕したもの等が挙げられるが、これらの造粒方法の中でも、澱粉を基材として転動造粒により造粒する方法であると、得られた風味顆粒がトースト上により浮き上がり易く、しかも、食べる際に風味顆粒がトーストからよりこぼれ落ち難くなるので好ましい。また、本発明の風味顆粒には、少なくとも風味原料と澱粉を含有するが、その他にも本発明の効果を損なわない範囲で、デキストリンや固体脂等の造粒を補助するための成分や着色料等の添加剤等を含有させてもよい。
前記風味顆粒の大きさとしては、パンの表面にトッピングされた風味顆粒が明確に視認できて風味顆粒によって風味付けされていることを視覚的にも実感し易く、一方、あまり大きすぎても食する際にトースト後のパンの表面にトッピングされた風味顆粒がこぼれ落ち易くなる傾向がある。したがって、風味顆粒の大きさは、好ましくは顆粒全体の50%以上が0.5〜5mmの大きさ、より好ましくは顆粒全体の50%以上が0.5〜3mmの大きさである。
また、前記風味顆粒の比容積は、小さすぎるとトースト後のパンの表面にトッピングされた風味顆粒が浮き上がり難くなる傾向があり、一方、比容積が大きすぎるとトースト用油脂食品を製造する際に油脂組成物と混合し難い場合があることから、好ましくは2〜5cc/g、より好ましくは2〜3cc/gである。なお、本発明における前記比容積は、顆粒の容積を当該顆粒の質量で除した値であり、具体的には、以下のように測定される。つまり、まず、500cc容量のメスシリンダーの口部から顆粒を静かに落とし入れて顆粒100ccを測りとる。次に、測りとった顆粒の重さA(g)を測定し、以下の式で計算する。比容積X(cc/g)=100(cc)/A(g)。
前記風味顆粒の大きさ及び比容積は、顆粒を常法により造粒する際の条件や造粒後の粉砕条件等を適宜調節することにより調整できる。また、風味顆粒における澱粉の含有量は、造粒方法や造粒する際の条件等により適度な顆粒が得られる量とすればよいが、通常風味顆粒に対して好ましくは1〜98%、より好ましくは3〜90%である。
風味顆粒における風味原料の含有量は、多すぎると風味顆粒の造粒が困難になり、少なすぎると、風味原料の風味が弱くなる。そこで、風味原料の含有量は風味原料の種類にもよるが、固形分換算で風味顆粒に対して好ましくは0.01〜80%、より好ましくは0.1〜50%である。
また、油脂組成物中に分散させる前記風味顆粒の量としては、風味顆粒に含有する風味原料によりトーストを適度に風味付けし、更に、製品の適度なスプレッド性を損なわない点から、前記風味顆粒の含有量は、製品に対して好ましくは0.01〜35%、より好ましくは0.05〜20%である。
一方、前記本発明の油脂組成物を構成する油脂としては、長期間にわたって安定した品質で保存することができるとともに、スプレッド性が良く、パンに塗り易い性状とする点から、低融点油脂と高融点油脂を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明において低融点油脂とは、上昇融点が20℃以下の油脂であり、特に、上昇融点0〜15℃の油脂が好ましい。このような油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、サフラワー油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油等の植物油脂、これらを精製したサラダ油、これら植物油脂を微水添したもの、これらの油脂から高融点部分を除いた、あるいは低融点部分を集めた分画油脂等をあげることができる。
また、高融点油脂とは、上昇融点が40℃以上の油脂であり、特に、上昇融点50℃以上の油脂が好ましい。このような油脂としては、例えば高融点部分を集めたパーム油脂等の分画油脂、パーム油脂や上記植物油脂、牛脂等の動物油脂を水添して得られる硬化油脂等をあげることができる。高融点油脂の上昇融点はあまり高すぎると口溶けが悪くなる場合があることから、好ましくは70℃以下である。
本発明の油脂組成物における低融点油脂と高融点油脂との配合割合としては、低融点油脂含量を油脂組成物の65〜99%とし、高融点油脂含量を油脂組成物の1〜35%とすることが好ましく、低融点油脂含量を油脂組成物の80〜95質量%とし、高融点油脂含量を油脂組成物の5〜20質量%とすることがより好ましい。高融点油脂の比率が高すぎるとトースト用油脂食品が硬くなりパンに塗り難くなる。反対に低すぎると液油が分離したり、風味付与材や添加物が凝集したり沈殿しやすい傾向がある。なお、本発明における前記上昇融点は、日本農林規格2467頁に記載された食用植物油脂の上昇融点の測定方法により測定した値である。
本発明のトースト用油脂食品は、上述した低融点油脂と高融点油脂との配合割合を調整することにより、具体的には、20℃における粘度を好ましくは4Pa・s〜1,000Pa・s、より好ましくは50〜500Pa・sとすると、パンに塗り易い性状となるとともに、可撓性容器に充填した際には可撓性容器から絞り出し易くなるので好ましい。ここで、上述の粘度は、東機産業社製BH型粘度計Tバースピンドルを用いて、品温20℃、回転数2rpm、375Pa・s未満:TバーC、375Pa・s以上750Pa・s未満:TバーD、750Pa・s以上1875Pa・s未満:TバーE、1875Pa・s以上:TバーF、測定開始60秒後の示度により求めた値である。
また、本発明の油脂組成物に含有するHLB(親水性親油性バランス)10以下の乳化剤としては、HLBが10以下の乳化剤であれば特に制限は無く、ショ糖脂肪酸エステル、あるいは、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。特に、これらの乳化剤のうちHLBが7以下の乳化剤を使用すると、風味顆粒がトースト上により浮き上がり易く好ましい。
油脂組成物における前記乳化剤の含有量としては、少なすぎても風味顆粒がトースト状に浮き上がる効果が得られ難く、一方、多すぎても風味が悪くなる場合があることから、油脂組成物に対して好ましくは0.001〜1%、より好ましくは0.01〜1%である。
また、本発明のトースト用油脂食品は、製品の水分含量が3%以下であるが、前記風味顆粒がトースト状に浮き上がる効果が得られ易い点から、製品の水分含量は好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。前記製品の水分含量は、栄養表示基準(平成15年4月24日厚生労働省告示第176号)別表第2の第3欄記載の減圧加熱乾燥法に準じて測定した値である。
なお、本発明のトースト用油脂食品には、本発明の効果を損なわない範囲で、他に塩、糖類、旨味調味料等の調味成分やガム類、澱粉等の粘度調整剤、その他種々の添加剤等を配合することができる。
次に、本発明のトースト用油脂食品の使用方法について説明する。本発明のトースト用油脂食品は、パンに塗って焼いて用いるものであり、以下のようにして使用する。
まず、本発明のトースト用油脂食品をパンの表面に塗布する。本発明のトースト用油脂食品は、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散しているため、パン表面に塗布すると風味顆粒をパン表面に適度に分散した状態で付着させることができる。塗布量としては、特に制限はないが、100cmあたり、0.1〜50g程度とすればよい。
次に、トースト用油脂食品を塗布したパンを焼く。パンを焼く条件は常法によればよく、例えばトースター等で120〜300℃で1〜5分程度焼けばよい。焼成により、油脂組成物は溶解して一部がパンに染み込むが、風味顆粒はパンの上に浮き上がった状態に保持される。しかも、このようにして浮き上がった風味顆粒は、パンにより強固に付着して、食べる際にトッピングされた風味顆粒がこぼれ落ち難くなる。
以下、本発明のトースト用油脂食品の製造方法を説明する。本発明のトースト用油脂食品は、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒を油脂組成物中に略均一に分散させ、前記油脂組成物中に特定の乳化剤を配合し、製品の水分含量を3%以下とする他は従来の油脂食品と同様にして製造することができる。例えば、まず、低融点油脂、高融点油脂及び乳化剤を、60〜100℃で加熱混和し、更に、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒、調味料等を加えて混和する。続いて、0〜15℃の水等の冷媒で混和しながら室温程度に冷却し、6時間から1日静置することにより風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散したトースト用油脂食品を製造することができる。
以上のようにして得られた本発明のトースト用油脂食品は、流通するために容器詰めするが、可撓性容器に充填すると、必要な時に必要な量をスプーン等の器具を使用することなく、手軽に使用できるので望ましい。トースト用油脂食品を充填する可撓性容器としては、その口部からトースト用油脂食品を押し出すことができる限り特に制限はない。例えば、可撓性容器の形成素材としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の単層材料や、酸素透過性の低いエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)とポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)とからなる多層材料等をあげることができる。口部の形状や大きさについても、トースト用油脂食品を、そこに含まれる風味顆粒ごと押し出すことができる限り特に制限はなく、例えば、丸型、矩形、星型等とすることができる。
以下、本発明の実施例、比較例及び試験例を述べ、本発明を更に説明する。
[実施例1]
(1)風味顆粒の製造
風味顆粒の原料として、澱粉50部、乾燥全卵10部、食塩10部及びデキストリン30部を用意した。次に、澱粉を基材にしてこれらの原料を常法により転動流動層造粒機で造粒することにより、風味原料として卵を含む風味顆粒を得た。得られた風味顆粒は顆粒全体の50%以上が0.5〜2mmの大きさであり、比容積は2.5cc/gであった。
(2)トースト用油脂食品の製造
表1の低融点油脂及び高融点油脂を撹拌しながら80℃に達したところで表1のその他原料を投入し更に10分間撹拌した。続いて、10℃の冷却水で室温程度に冷却した後、PE/EVOH/PEの多層材料からなる蓋付軟質チューブに充填密封し、常温で1日間保管して本発明の卵風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は1500Pa・sであり、水分含量は1%であった。
Figure 2010124760
[実施例2]
(1)風味顆粒の製造
風味顆粒の原料として、澱粉50部、ニンジン粉末10部、食塩10部及びデキストリン30部を用意した。次に、澱粉を基材にしてこれらの原料を常法により転動流動層造粒機で造粒することにより、風味原料としてニンジンを含む風味顆粒を得た。得られた風味顆粒は顆粒全体の50%以上が0.5〜2mmの大きさであり、比容積は2.5cc/gであった。
(2)トースト用油脂食品の製造
表2の低融点油脂及び高融点油脂を撹拌しながら80℃に達したところで表2のその他原料を投入し更に10分間撹拌した。続いて、10℃の冷却水で室温程度に冷却した後、PE/EVOH/PEの多層材料からなる蓋付軟質チューブに充填密封し、常温で1日間保管して本発明の卵風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は1200Pa・sであり、水分含量は0.8%であった。
Figure 2010124760
[実施例3]
実施例2(2)において、バター(水分含量16%)を10%配合し、その増加分は高融点油脂の配合量を減らして調整した他は、実施例2と同様にして、ニンジン風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は1200Pa・sであり、水分含量は2.5%であった。
[比較例1]
実施例2(2)において、低融点油脂及び高融点油脂に換えてマーガリン(雪印乳業(株)製、商品名「ネオソフト」)を配合した他は、実施例2と同様にして、ニンジン風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は500Pa・sであり、水分含量は26%であった。
[比較例2]
実施例2(2)において、ショ糖脂肪酸エステルを配合しない他は、実施例2と同様にして、ニンジン風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は1200Pa・sであり、水分含量は0.8%であった。
[比較例3]
実施例2(2)において、HLB1のショ糖脂肪酸エステルに換えてHLB11のショ糖脂肪酸エステルを配合した他は、実施例2と同様にして、ニンジン風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は1200Pa・sであり、水分含量は0.8%であった。
[比較例4]
風味顆粒の原料として、ニンジン粉末10部、食塩10部及びデキストリン80部を用意した。次に、これらを混合した後、常法により、加水して流動層造粒機で造粒した後乾燥し、風味原料としてニンジンを含む顆粒を得た。得られた顆粒の大きさは、顆粒全体の50%以上が0.5〜3mmであった。
続いて、風味顆粒としてこのデキストリンを賦形剤とした顆粒を用いた他は、実施例(2)と同様にして、ニンジン風味のトースト用油脂食品を得た。得られたトースト用油脂食品の粘度は1200Pa・sであり、水分含量は0.8%であった。
[試験例1]
実施例1乃至3、並びに比較例1乃至4で得られたトースト用油脂食品を用いて以下のようにトーストを調製して外観及び風味顆粒のこぼれ落ち易さを評価した。結果を表3に示す。
<評価方法>
6枚切り食パン(表面積140cm)にトースト用油脂食品を20g塗布し、860W(三洋電機(株)製)のトースターで3分間焼成した。得られたトーストについて、下記評価基準により、外観を評価した後、実際に食して風味顆粒のこぼれ落ち易さを評価した。
<評価基準>
外観
A:トースト上の風味顆粒の粒浮きが大変よいため、風味原料がトッピングされていることが直ちに認識でき大変好ましい。
B:トースト上の風味顆粒の粒浮きがよく、風味原料がトッピングされていることが認識できる。
C:トースト上の風味顆粒の粒浮きがやや悪く、風味原料がトッピングされていることがやや認識し難い。
D:トースト上の風味顆粒の粒浮きが悪く、風味原料がトッピングされていることが認識し難い。
風味顆粒のこぼれ落ち易さ
A:食した際にトースト上の風味顆粒がほとんどこぼれ落ちない。
B:食した際にトースト上の風味顆粒がこぼれ落ちる場合があるが、問題のない程度である。
C:食した際にトースト上の風味顆粒がこぼれ落ち易い。
D:食した際にトースト上の風味顆粒が大変こぼれ落ち易い。
Figure 2010124760
表3より、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散してあり、前記油脂組成物中にHLB10以下の乳化剤を含有し、製品の水分含量が3%以下である本発明のトースト用油脂食品(実施例1〜3)を用いたトーストは、風味顆粒がトースト上に浮き上がって視認でき、しかも、食べる際にトッピングされた風味顆粒がトーストからこぼれ落ち難いことが理解できる。特に、製品の水分含量が1%以下であるトースト用油脂食品(実施例1〜2)を用いた場合は、トースト上の風味顆粒の粒浮きが大変よくより好ましかった。これに対して、製品の水分含量が前記範囲よりも高い場合(比較例1)や、油脂組成物にHLBが特定値以下の乳化剤を含有しない場合(比較例2〜3)は、トースト上の風味顆粒の粒浮きが悪く好ましくなった。また、澱粉で造粒していない風味顆粒を用いた場合(比較例4)は、粒浮きが悪いばかりでなく、食した際にトースト上の風味顆粒がこぼれ落ち易く好ましいものではなかった。
[比較例5]
6枚切り食パン(表面積140cm)を860W(三洋電機(株)製)のトースターで3分間焼成した。得られたトーストに実施例2で得られたトースト用油脂食品を20g塗布してその外観を評価したところ、トースト上の風味顆粒が目立たず、風味原料がトッピングされていることが認識し難く好ましくなかった。
[比較例6]
6枚切り食パン(表面積140cm)を860W(三洋電機(株)製)のトースターで3分間焼成した。得られたトーストにマーガリン(雪印乳業(株)製、商品名「ネオソフト」)を20g塗布した後、実施例2(1)で得た風味顆粒をふりかけてトッピングした。この風味顆粒をトッピングしたトーストの外観を評価したところ、トースト上の風味顆粒の粒浮きがよく風味原料がトッピングされていることが認識し易かったものの、実際に食してみると顆粒がこぼれ落ち易く好ましくなかった。

Claims (2)

  1. パンに塗って焼くためのトースト用油脂食品であって、風味原料を澱粉で造粒した風味顆粒が油脂組成物中に略均一に分散してあり、前記油脂組成物中にHLB10以下の乳化剤を含有し、製品の水分含量が3%以下であることを特徴とするトースト用油脂食品。
  2. 前記風味顆粒は、顆粒全体の50%以上が0.5〜5mmの大きさである請求項1記載のトースト用油脂食品。
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