JP3495345B2 - シュガートースト用油脂食品 - Google Patents

シュガートースト用油脂食品

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JP3495345B2 JP2001154671A JP2001154671A JP3495345B2 JP 3495345 B2 JP3495345 B2 JP 3495345B2 JP 2001154671 A JP2001154671 A JP 2001154671A JP 2001154671 A JP2001154671 A JP 2001154671A JP 3495345 B2 JP3495345 B2 JP 3495345B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、シュガートース
ト用の油脂食品に関する。パンに塗ってトースターで焼
くだけで、美味しいシュガートーストが簡便に得られる
ものである。 【0002】 【従来の技術】 家庭でシュガートーストを作るには、
パンにバター又はマーガリンを塗って、砂糖又はグラニ
ュー糖を振りかけトースターで焼いて、食されている。
美味しいパンの食べ方の一つとして、親しまれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 朝食時など、より簡
便にシュガートーストが得られることが望まれており、
常温で保存できるトースト用スプレッドを提供すること
を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明者等は、上記目
的を達成するために種々研究した結果、本発明を完成し
た。すなわち、パンに塗って焼くためのシュガートース
ト用油脂食品であって、平均粒径 0.05 mm以上 0.25 mm
以下と、平均粒径 0.25 mm以上 2 mm以下の少なくとも
2種以上の異なる平均粒径の糖類10〜40%、油脂55〜85
%を含有し、水分1 %以下であるシュガートースト用油
脂食品、である。 【0005】 【発明の実施の形態】 以下本発明を詳述する。なお、
本発明において「%」の表示は「質量%」を意味するも
のである。 【0006】 本発明に用いる糖類としては、糖類の粒
径が平均粒径0.05mm以上2mm以下の糖類が好まし
い。平均粒径がこれよりも細かいと、シュガートースト
特有のザラ付いた食感が楽しみ難くなり、逆に平均粒径
がこれを越えて大きくなるとパンに塗って焼いた時に糖
類が溶け、焦げ易くなり、サクサク感が損なわれて、ア
メ状のバリバリ感を呈するようになり、シュガートース
トとしての美味しさに欠ける感じがする傾向となる。な
お、平均粒径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定
装置((株)島津製作所製)を用いた。この粒径を満た
す糖類であれば、特に制限はなく、砂糖きび、砂糖大
根、砂糖楓、砂糖ヤシ等の砂糖原料を用いればよく、グ
ラニュー糖、分蜜糖、分蜜粗糖、車糖、双目糖、加工糖
等に精製して、粒径を調整し、所謂粉糖にして用いれば
よい。成分としては、ショ糖、果糖、ブドウ糖、麦芽
糖、乳糖等、あるいはこれらの代替となる甘味料でもよ
い。これらの中でも一般によく用いられるショ糖が簡便
である。 【0007】 また、用いる糖類としては、細かい粒径
と、粗い粒径の異なる平均粒径の糖類を少なくとも2種
以上用いると、種々のパン類に用い、種々のトースター
で焼いても、平均的にサクサク感が良好に感じられ、焦
げが発生し難く、バリバリ感を呈し難いシュガートース
トを得ることができ、より望ましい。ここで種々のパン
類の代表例としては、木目の細かい食パンと、木目の粗
いバゲットを挙げることができる。フランスパン等のバ
ゲットは、トースター等で焼成したときに木目が粗い為
に糖類が溶け易いためか、焦げが生じ易く、バリバリ感
を呈し易い傾向を示し、食パンと同様にトースターで焼
くと食パンの方は丁度良い焼き上がりを示す場合でも、
バゲットの場合は焦げやバリバリ感を呈する場合があ
る。しかしながら平均粒径の異なる糖類を少なくとも2
種以上用いると、食パンやバゲット等など、木目の異な
るパン類に同じように用いても、また、トースターの機
種が変わっても、サクサク感や焦げの程度に、バラツキ
が生じ難く、平均的に食感及び外観の優れたシュガート
ーストを得ることができるものである。 【0008】 後で詳しく説明するが、少なくとも、糖
類の細かい粒径として平均粒径0.05mm以上0.25mm以下、
粗い粒径として平均粒径0.25mm以上2mm以下の組み合わ
せであると、特に望ましい。少なくともこの組み合わせ
であると、パンに塗る量、トースターの種類、木目の異
なるパン類等、用い方が多少変わっても、平均的に綺麗
に焼け、サクサク感が得られるものである。また、細か
い粒径と粗い粒径の糖類の配合比率が7:3〜2:8、
より望ましくは6:4〜3:7であると、サクサク感や
焦げの程度に、バラツキが生じ難く、平均的に食感及び
外観の優れたシュガートーストが得られる。なお、「少
なくとも」2種以上の異なる平均粒径としているのは、
さらに3種類以上の異なる平均粒径の糖類を用いたり、
あるいは、異なる粒径の糖類が幅広く混在した糖類を用
いても、効果が得られることは容易に理解が得られると
ころであるので説明を省略するものである。 【0009】 油脂食品中の油脂含量は、55%〜85
%にするとよく、60%〜80%であるとより好まし
い。後で詳しく述べるが、油脂含量がこれより少ないと
パンに塗り難くなり、またこれを越えると相対的に糖類
の配合量が減るのでシュガートーストとして味が物足り
なくなり、油っぽくなる傾向となる。 【0010】 次に、用いる油脂としては、一般に食用
に用いられる動植物油であればよく、例えば、大豆油、
菜種油、サフラワー油、ヒマワリ油、米油、コーン油、
ゴマ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油、ピー
ナッツ油、魚油、牛脂、豚脂、これらの油脂を水添した
もの等を使用することができる。油脂としては、このよ
うな油脂の単独種を使用してもよく、複数種を併用して
もよい。また、油脂は常温で液油でも固体脂でもよく、
固体脂を含む液油でもよい。 【0011】 特に、油脂としては、低融点油脂と高融
点油脂を含有し、かつ油脂食品を低融点油脂の融点より
低い温度から昇温した場合に、低融点油脂の融点以下の
温度で液油が分離しないだけでなく、低融点油脂の融点
を超えた温度においても液油非分離状態を維持するとい
う特異的な性質を有するものを使用することが好まし
い。これにより、油脂食品の粘度が温度や圧力の変化に
対して安定し、粒状の糖類、あるいは、その他の具材、
添加物の沈殿を効果的に抑制することができる。 【0012】 このような特異的な性質を有する油脂食
品は、低融点油脂と高融点油脂を、例えば、70〜10
0℃で加熱混和し、0〜15℃の水等の冷媒で冷却する
ことにより室温程度に冷却し、その後3分〜1時間軽く
撹拌し、6時間から10日間静置し、粘度4000mP
a・s以上のペースト状ないし可塑性を有する状態とす
ることにより得られる。 【0013】 こうして得られる油脂食品は、高融点油
脂の整然とした配列の間隙に低融点油脂が保持されてい
る網目構造を有すると推察される。この網目構造は、低
融点油脂と高融点油脂を加熱混和した後、−10℃以下
の冷媒を用いて急冷する、所謂、急冷捏和処理で得られ
るもの、即ち、低融点油脂中に高融点油脂の微結晶が分
散しているものとは異なる。 【0014】 また、この網目構造を有する油脂食品の
形成に使用する低融点油脂としては上昇融点20℃以下
の油脂を使用することができ、特に、上昇融点0〜15
℃の油脂が好ましい。このような油脂としては、例え
ば、菜種油、コーン油、サフラワー油、綿実油、大豆
油、オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ油、
米油、魚油等の天然油脂、これら天然油脂を微水添した
もの、これらの油脂から高融点部分を除いたもの、これ
らの油脂の低融点部分を集めたもの等をあげることがで
きる。 【0015】 高融点油脂としては、上昇融点が40℃
以上の油脂を使用することができ、特に、上昇融点50
℃以上の油脂が好ましい。このような油脂としては、動
植物油脂を水添して得られる油脂や、高融点部分を集め
た油脂をあげることができる。これらの中でも風味や品
質安定性の面から、菜種極度硬化油脂、牛脂極度硬化油
脂、極度硬化ヤシ油が好ましい。 【0016】 油脂食品中の油脂における低融点油脂と
高融点油脂の占める割合としては、低融点油脂含量を油
脂の65〜99重量%とし、高融点油脂含量を油脂の1
〜35重量%とすることが好ましく、低融点油脂含量を
油脂の80〜97重量%とし、高融点油脂含量を油脂の
3〜20重量%とすることがより好ましい。これによ
り、温度変化による液油の分離を特に抑制することがで
き、長期間にわたって安定した品質で保存することがで
きる。これに対し、高融点油脂の比率が高すぎると油脂
食品が硬くなり、ボソボソ感を呈し、パンに塗り難くな
る。反対に低すぎると、副原料の配合によって変わる
が、液油が分離したり、粒状の糖類やその他の具材が凝
集する場合がある。 【0017】 本発明の油脂食品は任意の軟質あるいは
硬質の容器に充填して使用することができる。例えば、
蓋付きあるいはコック付きの容器、軟質チューブ、可撓
性小袋、ディスペンパック等を使用することができる。
スプーン等の器具を使用することなく、油脂組成物を簡
便に容器から繰り返し押し出すことができる点からは、
軟質チューブに充填することが好ましい。材質として
は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等
の単層材料、より好ましくは、酸素透過性の低いエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニ
リデン(PVDC)、アルミニウム、その他のガスバリ
ア材料とポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(P
P)とからなる多層材料等をあげることができる。口部
の形状や大きさについても、油脂食品を押し出すことが
できる限り特に制限はない。丸型、矩形、星型等とする
ことができる。 【0018】 油脂食品としては液状から半固体状ま
で、適宜調整すればよく、粘度としては、糖類、その他
の具材、添加剤が沈殿や凝集をおこすことなく、均一に
分散するように、5〜35℃において2000mPa・
s以上のゲル状からペースト状又は可塑性を有する状態
とするとよい。また、油脂組成物を可撓性容器に充填
し、可撓性容器の口部から押し出して使用する場合に
は、油脂組成物の使用時の液だれを防止すると共に、可
撓性容器から油脂組成物を押し出し易くするため、油脂
組成物の粘度は5〜35℃において4000mPa・s
以上とすることが好ましく、特に、4000mPa・s
〜100万mPa・sとすることが好ましい。また、可
撓性容器の口部の開口面積にもよるが、例えば、可撓性
容器の口部が開口面積80mm2以下の場合、可撓性容
器からの絞り出し易さの点から、3万mPa・s〜80
万mPa・sとするとよく、5万mPa・s〜50万m
Pa・sとするとより望ましい。 【0019】 なお、上述の粘度は、B型粘度計におい
て、常法にしたがってNo.2〜No.7のローターを
2〜10rpmで回転させて測定した場合の数値であ
る。 【0020】 また、油脂組成物の粘度を上述のように
調整する方法としては、例えば、高融点油脂と低融点油
脂の配合量を変えたり、必要に応じ食物繊維類、増粘多
糖類、澱粉類等の安定剤を添加するとよい。 【0021】 本発明の油脂食品の水分は、5重量%未
満とすることが好ましく、3重量%以下とすることがよ
り好ましい。シュガートーストとして、油脂食品をパン
に塗って焼いた場合、糖類が粒状でパンの上に残り、ザ
ラ付いた適度な食感が味わえ、かつ、サクサクとした食
感のシュガートーストが得られる。水分が多くなると、
保管中に変色する傾向があり、また保管中又は焼成時
に、糖類が水分により部分的に溶けるためか、シュガー
トーストのサクサク感が得がたくなり、アメ状のバリッ
とした食感となる。 【0022】 なお、油脂食品には、副原料として酸化
防止剤、乳化剤、蛋白質類、塩類、調味料、そしてカル
シウム、卵殻粉、鉄分等のミネラル類、その他、野菜、
魚介類、畜肉等の乾燥具材等を適宜添加することができ
る。 【0023】 このように本発明の油脂食品は、水分が
低く、油脂を主成分としているので、常温で保存可能と
することができる。20℃〜35℃程度の常温でも1ヶ
月以上、あるいは、6ヶ月以上保存できるように、密封
容器詰としてある。常温で保存可能とするためには、水
分活性を0.85以下とすればよく、水分活性は水分、
塩分、糖類等の組み合わせで適宜調整するとよい。 【0024】 次に本発明の油脂食品の代表的製造方法
について説明する。適宜選択した粒状の平均粒径0.05mm
以上2mm以下の砂糖、グラニュー糖等の糖類を準備し、
例えば、攪拌機付き二重釜に、低融点油脂、高融点油脂
等の油脂、その他必要に応じて澱粉類、増粘多頭類、塩
類、調味料、それから、カルシウム、卵殻粉、鉄分等の
ミネラル類等の副原料を投入し、攪拌混合しながら、8
5℃以上に昇温し、続いて、このまま蓋付チューブ容器
や、小袋等の可撓性容器に充填密封し、6時間から10
日間、好ましくは2日間〜5日間常温で静置する。な
お、必要に応じ、容器に充填密封後、常法に従い100
℃以上で加圧加熱殺菌を施してもよい。あるいは、包装
体に充填する前に100℃以上で殺菌した後、これを包
装体に無菌的に充填・密封することもできる。また、保
存性を持たせるために、菌数を減らす目的に応じて常法
に従い加熱温度、時間を適宜選択し、加熱後は常法に従
い、冷却すればよい。 【0025】 このようにして得られる本発明の油脂食
品は、パンに塗って焼くだけで、より簡便に美味しいシ
ュガートーストを得ることができるものである。 【0026】 以下、本発明を実施例に基づいて具体的
に説明する。 実施例1 油脂食品として、表1の配合のシュガートースト用スプ
レッドを製造した。この場合、表1の原料を釜の中に投
入し、撹拌しながら加熱し、90℃に達した後さらに1
0分間撹拌し、10℃の冷却水で冷却し、脱気(バキュ
ームゲージ76cmHg、10分間)して、開口面積4
0mm2、PE/EVOH/PEの多層材料からなる蓋
付軟質チューブに充填し、シール後常温で3日間保管
し、シュガートースト用スプレッドを製造した。 【0027】 得られたシュガートースト用スプレッド
の水分含量をカールフィッシャー法で測定したところ、
0.2%であった。これは、原料由来の水分である。な
お、糖類としては、平均粒径0.1mmの粉糖と平均粒径
0.5mmのグラニュー糖を1:1の比率で混合したもの
を用いた。 【0028】 【表1】配合 低融点油脂(*1) 63kg 高融点油脂(*2) 8kg 粉糖(平均粒径0.1mm) 12kgク゛ラニュー 糖(平均粒径0.5mm) 12kg 粉末卵殻カルシウム 2kg バター 1kg ショ糖脂肪酸エステル(HLB3) 1kg バターフレーバー 1kg (*1)菜種微水添油(上昇融点5℃) (*2)菜種極度硬化油(上昇融点55℃) 【0029】 得られたシュガートースト用スプレッド
を、1辺12cm(約140cm2)の食パンに20g
塗りのばし、950W(サンヨー(株)社製)トースタ
ーで3分間焼成したところ、焦げを発生することなく、
サクサク感の良好なシュガートーストであった。 【0030】実施例2 平均粒径の異なる糖類を用いた以外は、実施例1と同様
の方法で、シュガートースト用スプレッドを製し、得ら
れたシュガートースト用スプレッドを、1辺12cm
(約140cm2)の食パンに15gずつ塗りのばし、
860W(サンヨー(株)社製)のトースターで3分間
焼成し、専門のパネラー10人により、食感の官能評価
を行った。結果を表2に示す。なお、評点は10人の評
価した点数の平均点とした。 【0031】 表2より、用いる糖類平均粒径が0.05mm
〜2mm、より望ましくは0.1mm〜0.5mmであるとサクサク
感が良好で、細か過ぎても、逆に大き過ぎても、サクサ
ク感が劣り、又は焦げが生じることがわかる。 【0032】 【表2】 【0033】実施例3 油脂と糖類の配合率を変えた以外は、実施例1と同様の
方法で、シュガートースト用スプレッドを製した。な
お、油脂の低融点油脂と高融点油脂の比率、及び糖類の
粉糖とク゛ラニューの比率は実施例1と同様にした。得られ
たシュガートースト用スプレッドを、1辺12cm(約
140cm2)の食パンに10gずつ塗りのばし、13
50W(サンヨー(株)社製)のトースターで3分間焼
成し、専門のパネラー10人により、塗るときの使用
感、及び食感の官能評価を行った。結果を表に示す。
なお、評点は10人の評価した点数の平均点とした。 【0034】 表3より、配合率が、油脂55〜85
%、糖類10〜40%、より望ましくは油脂60〜80
%、糖類15〜35%であると、甘味が良好で、滑らか
さもあり、使用感も優れていることがわかる。 【0035】 【表3】【0036】実施例4 実施例1と同様の方法で、さらに、水分を表4に示すと
おりに添加し、シュガートースト用スプレッドを製し
た。なお、水分が0%のものは、バターの代わりに食塩
を用いた。得られたシュガートースト用スプレッドを、
常温で保管し、保管中の性状の変化を確認した。また、
1辺12cm(約140cm2)の食パンに10gずつ
塗りのばし、950W(サンヨー(株)社製)のトース
ターで3分間焼成し、専門のパネラー10人により、塗
るときの使用感、及び食感の官能評価を行った。結果を
表4に示す。なお、評点は10人の評価した点数の平均
点とした。 【0037】 表4より、水分が5%以上であると、保
管中に変色し、また、滑らかさが消失する傾向を示し、
シュガートーストを製したときに、サクサク感が劣るの
で、水分は5%未満であるとよいことがわかり、特に水
分が3%以下であると、保管中の変色が抑制され、滑ら
かさも消失し難く、サクサクした食感のシュガートース
トが得られることが理解できる。 【0038】 【表4】 【0039】実施例5 表6に示すように異なる平均粒径の糖類を1:1の比率
で組み合わせて用いた以外は、実施例1と同様の方法で
シュガートースト用スプレッドを製し、得られた異なる
平均粒径の組み合わせのシュガートースト用スプレッド
をそれぞれ、約140cm2の食パンに20g又は10
gずつ塗りのばし、また、約70cm2のバゲットに1
0g又は5gずつ塗りのばし、機種の異なるトースター
3台で1枚づつ、つまり1種類のシュガートースト用ス
プレッドに対し計12枚の食パン又はバゲットを焼成
し、外観と食感を、専門のパネラー10人により、表5
の評価基準に準じて評価した。表5は、異なるトースタ
ーそれぞれで焼成して、シュガートースト用スプレッド
の塗る量を変えた食パン及びバゲットの焼け具合と食感
のバラツキに応じ、評価点を設けてあることを意味す
る。つまり、パンの種類及び塗る量にかかわらず、全
部、焦げることなく、綺麗に焼け、サクサク感が良好で
ある場合、評価点を5とした。バゲットに5g塗ったも
のの中にやや焦げたものがある場合、評価点を4とし
た。食パンに20g塗ったものは外観及び食感が良好で
あり、また、食パン及びバゲットに10g塗ったものの
中にやや焦げたものがあり、そしてバゲットに5g塗っ
たものの中に焦げてサクサク感の劣るものがある場合、
評価点を3とした。バゲットに5g塗ったものの中に焦
げてサクサク感の劣るものがあり、それ以外はやや焦げ
たもののサクサク感は良好である場合、評価点を2とし
た。食パンに20g塗ったものは、やや焦げたもののサ
クサク感は良好であり、それ以外は焦げてサクサク感が
劣る場合、評価点を1とした。バゲットに5g塗ったも
のは、概ね焦げて食感がバリバリ感を呈し、それ以外は
焦げてサクサク感が劣る場合、評価点を0とした。な
お、焼成時間はいずれも3分間とし、異なる機種のトー
スターとしては、860W(サンヨー(株)社製)、9
50W(サンヨー(株)社製)、1350W(サンヨー
(株)社製)のトースターを用いた。結果を表6に示
す。評点は10人の評価した点数の平均点を四捨五入し
た。 【0040】 表6より、平均粒径の異なる糖類を組み
合わせて用いると、焼成条件、塗る量、パン類の種類が
変わっても、平均的にサクサク感が良好に感じられ、焦
げが発生し難く、バリバリ感を呈し難いシュガートース
トを得ることができ、特に、細かい糖類が平均粒径0.05
mm以上0.25mm以下で、粗い糖類が平均粒径0.25mm
以上2mm以下の組み合わせであると、サクサク感や焦
げの程度に、バラツキが生じ難く、平均的に食感及び外
観の優れたシュガートーストが得られることが理解でき
る。 【0041】 【表5】 【0042】 【表6】 【0043】実施例6 平均粒径0.1mmの粉糖と平均粒径0.5mmのグラニュー糖の
配合比率を変えた以外は、実施例1と同様の方法で、シ
ュガートースト用スプレッドを製し、得られたシュガー
トースト用スプレッドを、実施例5と同様の方法及び評
価基準により、外観及び食感の評価を行った。結果を表
7に示す。 【0044】 表7より、平均粒径の異なる糖類を組み
合わせて用いると、焼成条件、塗る量、パン類の種類が
変わっても、平均的にサクサク感が良好に感じられ、焦
げが発生し難く、バリバリ感を呈し難いシュガートース
トを得ることができ、特に、細かい粒径と粗い粒径の糖
類の配合比率が6:4〜3:7であると、サクサク感や
焦げの程度に、バラツキが生じ難く、平均的に食感及び
外観の優れたシュガートーストが得られることがわか
る。 【0045】 【表7】 【0046】 【発明の効果】 以上述べたように、本発明の油脂食品
は、常温で保存でき、食パンなどに塗ってトースターで
焼くだけで、簡便にサクサク感の良好なシュガートース
トが得られる。また、目の粗いバゲットや目の細かい食
パン等、パン類の種類が変わっても、そしてトースター
等の機種、塗る量が変わっても、平均的にサクサク感が
良好に感じられ、焦げが発生し難く、バリバリ感を呈し
難いシュガートーストを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−266225(JP,A) 特開 平2−186942(JP,A) 特開2001−95488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 A23D 7/00 - 9/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 パンに塗って焼くためのシュガートース
    ト用油脂食品であって、平均粒径 0.05 mm以上 0.25 mm
    以下と、平均粒径 0.25 mm以上 2 mm以下の少なくとも
    2種以上の異なる平均粒径の糖類10〜40%、油脂55〜85
    %を含有し、水分1 %以下であるシュガートースト用油
    脂食品。
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