JP6335764B2 - トースト用油脂食品 - Google Patents

トースト用油脂食品 Download PDF

Info

Publication number
JP6335764B2
JP6335764B2 JP2014238715A JP2014238715A JP6335764B2 JP 6335764 B2 JP6335764 B2 JP 6335764B2 JP 2014238715 A JP2014238715 A JP 2014238715A JP 2014238715 A JP2014238715 A JP 2014238715A JP 6335764 B2 JP6335764 B2 JP 6335764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fat
oil
food
sugar
toast
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014238715A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016096806A (ja
Inventor
真希 山根
真希 山根
濱田 奈保子
奈保子 濱田
佐知子 碓井
佐知子 碓井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2014238715A priority Critical patent/JP6335764B2/ja
Publication of JP2016096806A publication Critical patent/JP2016096806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6335764B2 publication Critical patent/JP6335764B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)

Description

本発明は、焼成後のダレが抑制されたトースト用油脂食品に関する。
トーストは、食パン、フランスパン等をオーブンやフライパン等を用いて焼成したものであり、焼成後にバターやジャム等を塗る他、パンにあらかじめ具材やケチャップ等の調味料をトッピングした後に焼成する等して喫食されている。
近年は、パンに塗って焼成するだけで様々な味や食感が楽しめるトースト用油脂食品も市販されている。
トースト用油脂食品には、焼成後にもパン表面に残ることによって様々な味や食感が楽しめるものがあり、例えば、サクサク感が良好なシュガートーストが簡単に得られるシュガートースト用油脂食品(特許文献1)、風味顆粒がトースト表面に浮き上がっているにもかかわらず喫食時にパンからこぼれ落ちにくいトースト用油脂食品(特許文献2)等がある。
これらのトースト用油脂食品は、焼成後にもパン表面に残ってパンに食感を付与するものであるが、焼成によって溶解した油脂はパンにしみ込み、パン表面には糖や風味顆粒等のパンにしみ込まない素材のみが残るため、パンの表面に油脂食品の層を形成して食感を付与するものではない。
さらに、多量の糖を含有する場合には、焼成によって溶解した油脂と糖が混ざり合ってパン表面で流動性を有する水飴様の被膜が形成されるため、焼成中にパンから垂れてトースターが汚れる、焼成したパンを取り出す際に手に垂れる、焼成後すぐに喫食する際にパンを傾けると垂れてしまい食べにくい等の課題が生じるものであり、消費者の使いやすさの面でさらなる改良の余地がある。
特許第3495345号公報 特許第5140563号公報
本発明の目的は、焼成後のダレが抑制されたトースト用油脂食品を提供するものである。
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、
パンに塗って焼成した際にパン表面に油脂食品の層を形成できる、高融点油脂を含有するトースト用油脂食品であって、
穀粉、乳化剤及び粉末糖を特定量含有し、
前記乳化剤として親水性乳化剤と親油性乳化剤とを特定割合で含有し、
さらに特定の平均粒子径を有する粉末糖を一定量含有することにより、
焼成後のダレが抑制されたトースト用油脂食品が得られることを見出し、さらに、パンの表面に塗って焼成した際にもパン表面に油脂食品の層を形成し、パンにサクッと軽い食感を付与できることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)パン表面に塗って焼成した際にパン表面に油脂食品の層を形成できる、高融点油脂を含有するトースト用油脂食品であって、
トースト用油脂食品全量に対して、
穀粉の含有量が1%以下であり、
乳化剤を0.001%以上1%以下、
粉末糖を25%以上70%以下含有し、
前記乳化剤におけるHLB値が10を超える親水性乳化剤と、レシチン及び/またはHLB値が10以下の親油性乳化剤との質量比が1:9〜9:1であり、
前記粉末糖として、
融点が200℃以上の糖または平均粒子径が0.4mm以上の糖の少なくとも一方を粉末糖全量に対して15%以上含有する、
トースト用油脂食品、
(2)(1)のトースト用油脂食品において、
前記融点が200℃以上の糖が、乳糖及び/又はデキストリンである、
トースト用油脂食品、
である。
本発明によれば、糖を多量に含有する場合であっても、溶解した油脂及び糖がパン表面で混ざり合って流動性を有する水飴様の被膜が形成されるのを抑制でき、これにより、トースト用油脂食品の焼成後のダレを抑制することができる。さらに、パンに塗って焼成した際にもパン表面に油脂食品の層を形成し、パンにサクッと軽い食感を付与することも可能となる。
よって、トースト用油脂食品のさらなる普及に貢献できる。
実施例のトースト用油脂食品(右)と比較例のトースト用油脂食品(左)をパンに塗って焼成した後の写真である。
以下本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、
パン表面に塗って焼成した際にパン表面に油脂食品の層を形成できる、高融点油脂を含有するトースト用油脂食品であって、
トースト用油脂食品全量に対して、
穀粉、乳化剤及び粉末糖を特定量含有し、
前記乳化剤として親水性乳化剤と親油性乳化剤とを特定割合含有し、
特定の平均粒子径を有する粉末糖を一定量含有することにより、
トースト用油脂食品の焼成後のダレを抑制できることに特徴を有する。
<トースト用油脂食品>
トースト用油脂食品とは、パンに塗って焼成する油脂を主原料とした食品であり、例えば、バター、マーガリン、ファットスプレッド等が挙げられる。
トースト用油脂食品には、油脂の他、風味を付与する食品素材、例えば、糖、塩、シナモン、バニラビーンズ等の香辛料等が配合されているものも含まれ、このようなトースト用油脂食品としては、シュガーバター等が挙げられる。
本発明のトースト用油脂食品は、小麦粉等の穀粉を含有せずとも焼成後にパン表面に油脂食品の層を形成でき、さらに、糖を多量に含有するにもかかわらず焼成後のダレが抑制されるものである。
<トースト用油脂食品の形態>
トースト用油脂食品は、液状から半固体状まで適宜調整すればよいが、パン表面に塗り広げやすい、又はトースト用油脂食品を可撓性容器に充填して可撓性容器の口部から押し出して使用する場合にはトースト用油脂食品の使用時の液垂れを防止し、かつ、可撓性容器からトースト用油脂食品を押し出しやすくする等の観点から、ゲル状からペースト状又は可塑性を有する状態とするとよい。
具体的には、25℃においてBH型粘度計により後述する方法で測定した粘度が100Pa・s以上2000Pa・s以下であり、さらに200Pa・s以上1500Pa・s以下がよい。
<高融点油脂>
本発明のトースト用油脂食品は、パン表面に塗り広げやすい、又はトースト用油脂食品を可撓性容器に充填して可撓性容器の口部から押し出して使用する場合にはトースト用油脂食品の使用時の液垂れを防止し、かつ、可撓性容器からトースト用油脂食品を押し出しやすくする観点から、高融点油脂を含有する。
本発明において、高融点油脂とは、上昇融点が約45℃以上の油脂であり、さらに上昇融点が50℃以上であるとよい。
このような高融点油脂としては、動植物油脂を水添して得られる油脂や、高融点部分を集めた油脂を挙げることができる。
高融点油脂の原料としては、後述する油脂を用いればよい。
<高融点油脂の含有量>
高融点油脂の含有量は、前述した粘度に調製しやすくする観点から、トースト用油脂食品全量に対して2.5%以上20%以下がよく、さらに5%以上15%以下がよい。
<油脂>
本発明のトースト用油脂食品に用いる油脂は、食用に適するものであればいずれのものでもよい。
このような油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、オリーブ油、紅花油、綿実油、米油、ヒマワリ油、パーム油、カカオ脂、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、卵黄油等の動植物油、又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリドのように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる加工油脂等が挙げられる。
これらの油脂は一種で使用しても二種以上を組み合わせて使用してもよい。
<穀粉>
穀粉とは、穀類を粉砕して粉末にしたものである。
穀粉の原料の穀類としては、例えば、小麦、大麦、燕麦、ライ麦、オート麦、米、トウモロコシ、ソバ、キビ、粟、ヒエ、豆等が挙げられる。
<穀粉の含有量>
穀粉の含有量は、焼成後のダレを抑制しパン表面にサクッと軽い食感を付与する観点から1%以下であり、さらに0.5%以下がよいが、実質的に含有していないことがより好ましい。
ここで実質的に含有していないとは、上記穀粉がトースト用油脂食品のダレ及び食感に影響を与えない程度の含有量以下しか含有していないことをいう。
具体的には、穀粉の含有量がトースト用油脂食品に対して0.1%以下であるとよく、さらに0.05%以下であるとよく、さらには含有していないのがよい。
<乳化剤>
本発明のトースト用油脂食品は、乳化剤を含有することで、油脂と粉末糖を均一に混合することができる。
乳化剤としては、天然または合成のもののうち、食用に適するものであればいずれのものでもよく、乳化力を有する食品素材として含有してもよい。
乳化剤としては、例えば、リン脂質、リゾリン脂質、カゼインナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、卵黄、乳蛋白質、大豆蛋白質等が挙げられる。
これらの乳化剤は、一種で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、パン表面に塗って焼成した際にパン表面に油脂食品の層を形成するとともに、トースト用油脂食品の焼成後のダレを抑制するため、乳化剤として後述する親水性乳化剤及び親油性乳化剤を特定の割合で含有する。
親水性乳化剤及び親油性乳化剤を特定の割合で含有することにより、パン焼成後のトースト用油脂食品のダレの抑制と、パンへのサクッと軽い食感の付与を実現できる。
<乳化剤の含有量>
乳化剤の含有量は、トースト用油脂食品全体に対して 0.001%以上1%以下であり、0.005%以上0.5%以下とするとよく、さらに0.05%以上0.1%以下とするとよい。
乳化剤の含有量が前記範囲より少ないと、パン表面に塗って焼成した際にトースト用油脂食品がパンにしみ込み、パン表面に油脂食品の層が形成されづらく、パンにサクッとした食感を付与し難い。さらに、油脂と粉末糖を均一に混合し難い、あるいは、保管中に粉末糖が沈殿する等の問題が生じやすくなる。
乳化剤の含有量が前記範囲より多いと、焼成中に溶解したトースト用油脂食品の流動性が上がるため、焼成後のダレが生じやすくなる。
<親水性乳化剤>
本発明において親水性乳化剤は、具体的には、乳化剤のHLB値が10を超えるものであり、12以上であるとよく、さらに15以上であるとよい。
親水性乳化剤を含有しない場合、焼成後のパン表面に油脂食品の層を形成しづらく、サクッと軽い食感を付与し難い。あるいは、焼成後のパン表面に溶解した糖が飴状に残るためにバリバリとした硬い食感となる。
<親油性乳化剤>
本発明において親油性乳化剤は、具体的には、レシチン及び/または乳化剤のHLB値が10以下のものであり、HLB値は8以下であるとよく、さらに6以下であるとよい。
親油性乳化剤を含有しない場合、焼成によってトースト用油脂食品が熱溶解して生じる高い流動性を有した水飴様の被膜がパン表面に形成されやすくなり、焼成後のダレを十分に抑制することができない。
<親水性乳化剤と親油性乳化剤の含有割合>
親水性乳化剤と親油性乳化剤との含有割合は、質量比で1:9〜9:1であり、2:8〜7:3がよい。
親水性乳化剤の含有割合が前記範囲を下回ると、焼成後のパン表面に油脂食品の層を形成しづらく、サクッと軽い食感を付与し難い。あるいは、焼成後のパン表面に溶解した糖が飴状に残るためにバリバリとした硬い食感となる。
親水性乳化剤の含有量が前記範囲を上回ると、焼成によってトースト用油脂食品が熱溶解して生じる高い流動性を有した水飴様の被膜がパン表面に形成されやすくなり、焼成後にパン表面からのダレが生じやすくなる。
<粉末糖>
本発明において粉末糖とは、糖が結晶化したもの及びこれらの粉砕物であり、原料となる糖は天然または合成のもののいずれでもよい。
このような糖としては、例えば、ブドウ糖、ガラクトース、マンノース、果糖、乳糖、麦芽糖、ショ糖、マルトオリゴ糖、デキストリン及びこれらの加工品が挙げられる。
粉末糖としては、例えば、全糖ブドウ糖、無水結晶ブドウ糖、含水結晶ブドウ糖のブドウ糖粉末、結晶果糖等の果糖粉末、乳糖粉末、麦芽糖、白ザラ糖、中ザラ糖、グラニュー糖、上白糖、中白糖、三温糖、顆粒状糖、粉砂糖、コーヒーシュガー、ブラウンシュガー、和三盆糖、黒糖等のショ糖粉末、粉飴、デキストリン粉末等が挙げられる。
これらの粉末糖は、一種で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
<融点200℃以上の糖>
本発明に用いる融点が200℃以上の糖は、食用に適するものであれば特に限定されないが、乳糖またはデキストリンを用いるのがよい。
<平均粒子径が0.4mm以上の糖>
本発明に用いる平均粒子径が0.4mm以上の糖は、食用に適するものであれば特に限定されず、例えば、白ザラ糖、中ザラ糖、グラニュー等、コーヒーシュガー等を用いればよい。
糖の平均粒子径は、焼成後にパン表面に油脂食品の層を形成し、焼成後のダレを抑制する観点から、0.5mm以上であるとよい。
平均粒子径の上限は特に制限されないが、パンにサクッと軽い食感を付与する観点から、5mm以下がよく、さらに3mm以下がよい。
<粉末糖の含有量>
粉末糖の含有量は、トースト用油脂食品全量に対して25%以上70%以下であり、30%以上65%以下がよい。
粉末糖の含有量が前記範囲より少ないと、焼成後、パン表面に油脂食品の層を形成し難い。また、トースト用油脂食品に十分な甘味を付与し難い。
粉末糖の含有量が前記範囲より多いと、焼成後のダレを抑制し難くなる。また、油脂と粉末糖を均一に混合することができない、あるいは、粉末糖が油脂から分離して沈殿してしまう等の問題が生じやすくなる。
<融点が200℃以下の糖または平均粒子径が0.4mm以上の糖の含有量>
本発明のトースト用油脂食品は、粉末糖として後述する融点が200℃以上の糖または平均粒子径が0.4mm以上の糖の少なくとも一方を粉末糖全量に対して15%以上含有し、20%以上含有するとよく、さらに25%以上含有するとよい。
融点が200℃以上の糖または平均粒子径が0.4mm以上の糖の含有量が前記範囲より少ないと、パン表面に油脂食品の層が形成され難く、焼成後のパン表面の食感に乏しいものとなる。
融点が200℃以上の糖または平均粒子径が0.4mm以上の糖の含有量の上限は特に限定されないが、トースト用油脂食品に好ましい甘味を付与する観点から、粉末糖全量に対して80%以下がよく、75%以下がよい。
<その他の原料>
本発明のトースト用油脂食品には、本発明の必須原料である、高融点油脂、乳化剤及び粉末糖以外の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し、配合することができる。
具体的には、例えば、シナモン、バニラビーンズ、ミント等の香辛料、糖蜜、蜂蜜、メープルシロップ等の蜜、食塩、粉乳、アーモンドパウダー、ココアパウダー、抹茶、黄粉、コーヒー粉末、紅茶粉末、粉末野菜、粉末果実、粉末果汁等の粉末原料、バニラフレーバー、バターフレーバー、フルーツフレーバー等の香料、増粘剤、着色料、酸味料等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
表1の配合割合に準じ、混合タンクに高融点油脂及び低融点油脂を投入し、撹拌しながら80℃に達したところで大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グラニュー糖、粉糖、食塩を投入して、さらに10分間撹拌混合した。
次に、香料を添加して撹拌混合し、常温(15〜25℃)程度まで冷却して本発明のトースト用油脂食品を製した。
Figure 0006335764
*1:精製加工油脂(上昇融点55℃以上)
*2:菜種油(上昇融点0℃以下)
[試験例1]トースト用油脂食品の粘度
本発明のトースト用油脂食品の粘度は、BH型粘度計(東機産業株式会社製、型番:BHII型)、TバーEを用い、品温25℃、回転数2rpm、測定開始60秒後の示度により求めた。
[試験例2]焼成後のダレ及び食感の評価
本発明のトースト用油脂食品20gを、8枚切りの食パン(大きさ約13cm四方)の片面に均一に塗り広げたもの1枚を、1000W(サンヨー(株)社製)のトースターで3分間焼成した後、トースターから取り出して食パンを傾けた時のトースト用油脂食品のダレを評価した。
また、専門のパネラー4人で喫食して食感を評価した。
実施例1のトースト用油脂食品は、常温における粘度は1100Pa・sであり、焼成後のダレが十分に抑制され、サクッと軽い食感が得られるものであった。
[実施例2]
表2の配合割合に準じ、混合タンクに高融点油脂及び低融点油脂を投入し、撹拌しながら80℃に達したところで大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、乳糖、粉糖を投入して、さらに10分間撹拌混合した。
次に、香料を添加して撹拌混合し、常温(15℃〜25℃)程度まで冷却して本発明のトースト用油脂食品を製した。
Figure 0006335764
実施例2のトースト用油脂食品の常温における粘度は1000Pa・sであり、焼成後のダレ及び食感は、実施例1で得られたものと同様のものであった。
<乳化剤の含有量>
本発明のトースト用油脂食品に含有する乳化剤の量とトースト用油脂食品の物性について調べた。
具体的には、実施例1において、使用した乳化剤の種類と含有割合はそのままとし、乳化剤の含有量が表3の通りとなるように調製した。
乳化剤の増減分は、低融点油脂の量を変更した。
得られたトースト用油脂食品の各々の粘度は、100Pa・s以上2000Pa・s以下であった。
Figure 0006335764
実施例1、2及び表1より、乳化剤を0.001%以上1%以下含有するトースト用油脂食品は、焼成後のダレが抑制されており、0.01%以上0.5%以下であるトースト用油脂食品は、焼成後のダレが十分に抑制された好ましいものであった。
<親水性乳化剤及び親油性乳化剤の含有割合>
トースト用油脂食品に含有される乳化剤の影響を調べた。
具体的には、乳化剤全量に対する親水性乳化剤の含有量を表4に示す通りとし、その他の配合割合及び製造方法は実施例1に準じてトースト用油脂食品を製した。
なお、HLB値が10を超える乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル(HLB値16)を用いた。得られたトースト用油脂食品の各々の粘度は、100Pa・s以上2000Pa・s以下であった。
Figure 0006335764
実施例1、2及び表4より、親水性乳化剤と親油性乳化剤の含有割合が1:9〜9:1であるトースト用油脂食品は、焼成後のダレが抑制され、パン表面に形成された油脂食品の層の食感がサクッと軽いものであった。
また、親水性乳化剤と親油性乳化剤の含有割合が2:8〜7:3であるトースト用油脂食品は、焼成後のダレが十分に抑制され、パン表面に形成された油脂食品の層の食感がサクッと軽いものであった。
一方、親水性乳化剤の含有割合が前記範囲を下回るトースト用油脂食品は、焼成後のダレは十分に抑制されたが、パン表面にトースト用油脂食品の層が形成され難く、パン表面に残った糖によってバリバリと硬い食感となり、サクッと軽い食感が得られなかった。
親水性乳化剤の含有割合が前記範囲を上回るトースト用油脂食品は、焼成によって溶解したトースト用油脂食品がパン表面で流動性の高い水飴様の被膜を形成し、焼成後のダレが抑制されなかった。
<粉末糖の含有量>
本発明のトースト用油脂食品に含有される粉末糖の量について調べた。
具体的には、実施例1において、使用した粉末糖の種類と含有割合はそのままで粉末糖の含有量が表5の通りとなるようにし、粉末糖の増減分は低融点油脂の量を変更した以外は、実施例1の配合割合及び製造方法に準じてトースト用油脂食品を製した。得られたトースト用油脂食品の粘度は、100Pa・s以上2000Pa・s以下であった。
Figure 0006335764
実施例1、2及び表3より、粉末糖を25%以上70%以下含有するトースト用油脂食品は、焼成後のダレが抑制され、焼成後にサクッと軽い食感が得られた。
また、粉末糖を30%以上65%以下含有するトースト用油脂食品は、焼成後のダレが十分に抑制され、焼成後の食感がサクッと軽いものであった。
一方、粉末糖の含有量が10%未満のトースト用油脂食品は、焼成中に流動性を有する水飴様の被膜の形成がされにくくなり、焼成後のダレも抑制されるが、パン表面にトースト油脂食品の層を形成しづらく、食感に乏しいものであった。
粉末糖の含有量が70%を超えるトースト用油脂食品は、焼成によって溶解する糖の量が増えてパン表面に流動性の高い水飴様の被膜が形成され、焼成後にダレが生じた。また、製造時に油脂と粉末糖を均一に混合することも困難であった。
<粉末糖の種類>
トースト用食品に含有される粉末糖の種類の影響を調べた。
具体的には、粉末糖全量に対する融点200℃以上の糖及び平均粒子径が0.4mm以上の糖の組成を表6に示す割合とし、増減分は0.4mm以下の粉末糖の量で調整し、その他の配合割合及び製造方法は実施例1に準じてトースト用油脂食品を製した。
なお、融点200℃以上の糖としては乳糖、平均粒子径が0.4mm以上の糖としてはグラニュー糖を用いた。
得られたトースト用油脂食品について、試験例1に準じて焼成後のダレ及び食感を評価した。
得られたトースト用油脂食品の各々の粘度は、100Pa・s以上2000Pa・s以下であった。
Figure 0006335764
実施例1、2及び表6より、融点が200℃以上の粉末糖または平均粒子径が0.4mm以上の粉末糖の少なくともいずれか一方を粉末糖全量に対して15%以上含有するトースト用油脂食品は、焼成時に高い流動性を有する水飴様の被膜がパン表面に形成されにくく、焼成後のダレが抑制された。また、焼成後にサクッと軽い食感が得られた。
融点が200℃以上の粉末糖または平均粒子径が0.4mm以上の粉末糖の少なくともいずれか一方の含有量が前記範囲より少ない場合、焼成後のダレは抑制されなかった。

Claims (2)

  1. パン表面に塗って焼成した際にパン表面に油脂食品の層を形成できる、高融点油脂を含有するトースト用油脂食品であって、
    トースト用油脂食品全量に対して、
    穀粉の含有量が1%以下であり、
    乳化剤を0.001%以上1%以下、
    粉末糖を25%以上70%以下含有し、
    前記乳化剤におけるHLB値が10を超える親水性乳化剤と、レシチン及び/またはHLB値が10以下の親油性乳化剤との質量比が1:9〜9:1であり、
    前記粉末糖として、
    融点が200℃以上の糖または平均粒子径が0.4mm以上の糖の少なくとも一方を粉末糖全量に対して15%以上含有する、
    トースト用油脂食品。
  2. 請求項1に記載のトースト用油脂食品において、
    前記融点が200℃以上の糖が、乳糖及び/又はデキストリンである、
    トースト用油脂食品。
JP2014238715A 2014-11-26 2014-11-26 トースト用油脂食品 Active JP6335764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014238715A JP6335764B2 (ja) 2014-11-26 2014-11-26 トースト用油脂食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014238715A JP6335764B2 (ja) 2014-11-26 2014-11-26 トースト用油脂食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016096806A JP2016096806A (ja) 2016-05-30
JP6335764B2 true JP6335764B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=56075189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014238715A Active JP6335764B2 (ja) 2014-11-26 2014-11-26 トースト用油脂食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6335764B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3495345B2 (ja) * 2001-05-23 2004-02-09 キユーピー株式会社 シュガートースト用油脂食品
JP4236470B2 (ja) * 2003-01-14 2009-03-11 キユーピー株式会社 トースト用油脂食品
JP5140563B2 (ja) * 2008-11-27 2013-02-06 キユーピー株式会社 トースト用油脂食品
JP5755888B2 (ja) * 2011-01-13 2015-07-29 キユーピー株式会社 トースト用油脂食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016096806A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6588706B2 (ja) 油中水型乳化油脂組成物とそれを用いたマーガリン類及びベーカリー製品
Bent et al. The technology of cake making
WO2021182315A1 (ja) 練り込み用油中水型乳化組成物
TW202027609A (zh) 棕櫚系油脂的氧化處理物、氧化處理物的製造方法、食品的甜味增強方法及食品的甜味增強用組成物
JP5927453B2 (ja) 食用油脂乳化物の製造方法、食用油脂乳化物、及びこれを用いた飲食品
JP6970517B2 (ja) 菓子用生地
EP3269254B1 (en) Cool-feeling food product
WO2021256394A1 (ja) 飲食品が有する風味の持続性を向上させる方法
JP2012130278A (ja) スポンジケーキ類の製造方法
JP5483417B2 (ja) 焦がしバター様乳化油脂組成物
TW201000014A (en) Plastic water-in-oil emulsion for layered wheat flour puffed food
JP2010207155A (ja) α化麺用高油分乳化油脂組成物及びその製造方法並びにこれを使用したα化麺用ソース及びα化麺
JP2003199536A (ja) 起泡組成物の製造方法および焼成菓子の製造方法
JP5140563B2 (ja) トースト用油脂食品
JP6335764B2 (ja) トースト用油脂食品
JP2002345404A (ja) シュガートースト用油脂食品
JP6316604B2 (ja) ベーカリー製品の製造方法
JP2020162442A (ja) 製パン用水中油型乳化油脂組成物
JP6063182B2 (ja) シフォン風バウムクーヘン
JP6321994B2 (ja) 調味済みパンの製造方法およびその方法により製造した調味済みパン
JP2009038995A (ja) 焼き菓子
JP2008141976A (ja) 膨化食品包あん用フィリング
JP2023035400A (ja) スフレ生地練込用水中油型乳化物
KR20240107998A (ko) 식품의 브라우닝제 조성물
JP2022186589A (ja) ひよこ豆パウダー含有組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6335764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250