JPH1116658A - 放電電極用金属−無機化合物複合材料及びそれを用いたスパークプラグ - Google Patents

放電電極用金属−無機化合物複合材料及びそれを用いたスパークプラグ

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JPH1116658A
JPH1116658A JP18456997A JP18456997A JPH1116658A JP H1116658 A JPH1116658 A JP H1116658A JP 18456997 A JP18456997 A JP 18456997A JP 18456997 A JP18456997 A JP 18456997A JP H1116658 A JPH1116658 A JP H1116658A
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JP18456997A
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Katsu Oshima
克 大嶋
Tomosato Katou
友聡 加藤
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極形状やギャップ幅によらず火花放電電圧
を本質的に低くすることが可能であり、電極の耐消耗性
や着火性を損なうことなく、比較的低電圧でエネルギー
密度の高い火花を発生させることができるスパークプラ
グを提供する。 【解決手段】 スパークプラグ100は、中心電極3
と、その中心電極3の外側に設けられた絶縁体2と、絶
縁体2の外側に設けられた主体金具1と、中心電極3と
対向するように配置された接地電極4とを備える。中心
電極3と接地電極4との少なくとも一方に発火部31な
いし32が設けられ、火花放電ギャップgが形成され
る。そして、該発火部31ないし32は、母材金属に対
し、強誘電性無機化合物を混在させ、それによってその
放電電圧を母材金属の放電電圧よりも小さくなるように
調整した金属−無機化合物複合材料により構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電電極用金属−無
機化合物複合材料と、それを用いた内燃機関用のスパー
クプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用その他のガソリンエン
ジンあるいはLPガスエンジン、さらにはガスヒートポ
ンプ等の内燃機関には、その着火源としてスパークプラ
グが使用されている。例えば自動車用ガソリンエンジン
の場合、主として燃費向上のため近年は混合気の圧縮比
が高く設定されることが多くなってきている。この場
合、混合気の圧縮比が高くなると、シリンダ内空間の単
位体積当りの燃料混合気の量が増大するので、スパーク
プラグに印加される放電電圧も高くなることが多くなっ
てきている。また、LPガスエンジンやガスヒートポン
プの場合は、火花放電のためのブレークダウン電圧が本
質的に高いLPガスや都市ガス(例えば天然ガス等)を
使用するため、スパークプラグの放電電圧も必然的に高
くなる。
【0003】ここで、スパークプラグの放電電圧を低減
する手法としては、例えば電極間の対向面積を小さくし
て電界を集中させることが考えられる。具体的には、電
極の径を小さくしたり、あるいは電極の先端部を縮径す
る、ないしは凹凸や溝を形成する等の方法が講じられて
いる。また、電極間の対向面積を小さくする代わりに、
電極間のギャップを狭くする方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、放電電
圧を高めるための上記従来の方法のうち、電極径を小さ
くする方法の場合は、繰返し放電に対する電極の耐消耗
性が悪化し、スパークプラグの寿命が短くなってしまう
欠点がある。また、電極の先端部を縮径したり、あるい
は凹凸や溝を形成する方法では、電極の先端形状が複雑
化して製造が困難となり、スパークプラグのコストアッ
プを招いてしまう問題がある。一方、電極間のギャップ
を狭くする方法では、スパークプラグの着火性が低下し
やすい欠点がある。
【0005】本発明の第一の課題は、比較的低電圧でも
放電を起こしやすく、ひいてはスパークプラグや放電管
あるいは発光体等の放電電圧を低下させるのに好都合な
放電電極用金属−無機化合物複合材料を提供することに
ある。また、第二の課題は、その電極用金属−無機化合
物複合材料で発火部を構成することにより、電極形状や
ギャップ幅によらず火花放電電圧を本質的に低くするこ
とが可能であり、ひいては電極の耐消耗性や着火性を損
なうことなく、比較的低電圧でエネルギー密度の高い火
花を発生させることができるスパークプラグを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述課題
を解決するために、本発明の放電電極用金属−無機化合
物複合材料(以下、単に複合材料ともいう)は、母材金
属に対し、少なくとも一部が強誘電性無機化合物で構成
された無機化合物を混在させ、それによってその放電電
圧を母材金属の放電電圧よりも小さくなるように調整し
たことを特徴とする。このような複合材料によりスパー
クプラグの発火部や、放電管あるいは放電灯等の電極を
構成すると、母材金属を単独で使用して上記発火部ある
いは電極を構成した場合に比べ、その放電電圧を下げる
ことができる。
【0007】強誘電性無機化合物としては、例えば代表
的なものとしてペロブスカイト型強誘電性セラミックあ
るいはイルメナイト型強誘電性セラミックを主体とする
ものを使用することができる。ペロブスカイト型強誘電
性セラミックとして代表的なものにはBaTiO3があ
り、イルメナイト型強誘電性セラミックとして代表的な
ものにはLiNbO3がある。これらBaTiO3及びL
iNbO3の少なくともいずれかを主成分とする強誘電
性セラミックは放電電圧低下の効果が大きく、本発明に
特に好適に使用することができる。
【0008】また、上記複合材料をその発火部に使用し
た本発明のスパークプラグは、次のように構成されるこ
とを特徴とする。すなわち、該スパークプラグは、中心
電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、絶
縁体の外側に設けられた主体金具と、中心電極と対向す
るように配置された接地電極と、それら中心電極と接地
電極との間で火花放電ギャップを形成する発火部とを備
えている。そして、発火部の少なくともいずれかが、母
材金属に対し、少なくとも一部が強誘電性無機化合物で
構成された無機化合物を混在させ、それによってその放
電電圧を母材金属の放電電圧よりも小さくなるように調
整した金属−無機化合物複合材料(すなわち、上記本発
明の放電電極用金属−無機化合物複合材料)により構成
される。
【0009】なお、上記金属−無機化合物複合材料で構
成される発火部を接地電極及び/又は中心電極に形成す
る方法としては、該金属−無機化合物複合材料からなる
チップを接地電極及び/又は中心電極に対し溶接により
接合する方法を例示できる。この場合、発火部は、接合
されたチップのうち、溶接による組成変動の影響を受け
ていない部分(例えば、溶接により接地電極ないし中心
電極の材料と合金化した部分を除く残余の部分)を指す
ものとする。一方、接地電極及び/又は中心電極の全体
を上記金属−無機化合物複合材料により構成することも
可能であり、この場合は、その接地電極ないし中心電極
のうち、火花放電ギャップを構成する部分が発火部とし
て機能することとなる。
【0010】上記構成のスパークプラグにおいては、そ
の発火部が本発明の複合材料で構成されていることか
ら、電極形状やギャップ幅によらずスパークプラグの火
花放電電圧を本質的に低くすることが可能となる。これ
により、電極の耐消耗性や着火性を損なうことなく、比
較的低電圧でエネルギー密度の高い火花を発生させるこ
とができるスパークプラグが実現される。
【0011】本発明の複合材料において、上述のような
効果が達成される理由は以下のように推考される。すな
わち、気体中での火花放電は、電極への印加電圧が該電
極からの電子放出密度が一定以上となる値に到達したと
きに、その電子放出をトリガとして気体中の特定分子
(例えばスパークプラグの場合は燃料分子、放電管や放
電灯等の場合は充填ガス分子(希ガスの単原子分子を含
む))が連鎖的にイオン化する、いわゆる電子なだれの
機構に基づいて生ずると一般的には考えられている。
【0012】ここで、強誘電性無機化合物は、パルス電
圧や交流など瞬間的に大きく変化する電圧を印加すると
比較的多量の電子を放出することが、最近の研究により
明らかにされている(例えば、倉谷、奥山、浜川ら:強
誘電体応用会議予稿集31−B−9(1996年)、
同:電気学会研究会資料(プラズマ放電合同研究会)E
P−96−48/ED−96−107(1996
年))。強誘電性無機化合物においてこのような電子放
出が起こる原因については、例えば次のような機構が推
定されている。すなわち、強誘電体はその固有の性質と
して、外部から電界を印加しなくとも電気的に分極する
いわゆる自発分極を生ずる特徴がある。この場合、強誘
電体全体の電荷中性を維持するために、その表面には電
気回路を通して移動する電子等が吸着してこれを遮蔽す
る。そして、このような状態の強誘電体に例えばパルス
電圧を印加すると、自発分極の少なくとも一部が高速で
反転して電荷中性の平衡が崩れ、強誘電体表面には一時
的に過剰な電子が生ずる。これにより強誘電体表面には
大きな電界が生じ、上記過剰な電子はこれと反発しあっ
て空間中へ放出されるものと考えられる。
【0013】なお、強誘電性無機化合物からの電子放出
機構としては、この他にも、強誘電性無機化合物を母材
金属中に混在させたときの金属相−強誘電体相−外部雰
囲気の三重点に電界が集中し、その電界集中による沿面
放電のプラズマに基づいて電子が放出する機構、あるい
は高電圧下で強誘電体の微小な破壊が起こり、それによ
る放電のプラズマにより電子が生ずる機構等も考えられ
る。
【0014】いずれにしろ、母材金属に対して上述のよ
うな強誘電性無機化合物を混在させれば電圧印加時の材
料の電子放出性が高められ、放電のきっかけとなる電子
なだれ誘起に必要な電子放出密度も、比較的低い印加電
圧レベルで確保できるようになる。その結果、上記複合
材料で放電電極あるいはその発火部を構成すると、その
放電電圧を下げることができるものと考えられる。な
お、この観点で本発明の複合材料を捉えた場合、該複合
材料は、母材金属に対し、電子放出性を有する強誘電性
無機化合物を混在させた構造を有し、該強誘電性無機化
合物からの電子放出に基づいて、母材金属よりも電圧印
加時の電子放出特性を高めたもの、ということもでき
る。
【0015】上記複合材料は、母材金属の原料粉末に対
し無機化合物の原料粉末を混合して、これを成形・焼結
する粉末冶金法により製造できる。この場合、該複合材
料は、母材金属をマトリックスとしてこれに上記無機化
合物の粒子を分散させた焼結複合材料として構成され
る。また、母材金属の原料を溶解させつつ無機化合物の
原料粉末をこれに分散させる溶解法により製造すること
もできる。この場合、複合材料中の強誘電性無機化合物
粒子の金属−無機化合物複合材料中の無機化合物粒子の
平均粒径は0.1〜20μmの範囲で調整するのがよ
い。平均粒径が0.1μm未満になると無機化合物粒子
を母材金属中に均一分散させることが困難になり、複合
材料が脆弱化してその加工性が悪化する場合がある。一
方、平均粒径が20μmを超えると、粗大な無機化合物
粒子の影響により、同様に複合材料が脆弱化して加工が
困難になる場合がある。
【0016】次に、本発明の複合材料に使用する無機化
合物は、その一部を、元素周期律表の3A族(いわゆる
希土類元素)及び4A族(Ti、Zr、Hf)に属する
金属元素の酸化物で構成することができる。これによ
り、Ir成分の酸化・揮発による消耗がさらに効果的に
抑制される。この場合、上記金属元素酸化物の配合量
は、無機化合物全体に対する重量比率が0.1〜50重
量%となるように調整するのがよい。該金属元素酸化物
の重量比率が0.1重量%未満になると、該酸化物添加
によるIr成分の酸化・揮発抑制効果が顕著でなくな
る。一方、重量比率が50重量%を超えると、強誘電性
無機化合物の相対的な含有比率が減少し、放電電圧低下
の効果が十分に達成されなくなる。上記重量比率はより
望ましくは0.5〜30重量%の範囲で調整するのがよ
い。なお、上記酸化物としては、Y23が好適に使用さ
れるが、このほかにもLaO3、ThO2、ZrO2等を
好ましく使用することができる。
【0017】また、複合材料中の無機化合物の含有比率
は1〜20体積%の範囲で調整することが望ましい。無
機化合物の混合比率が1体積%未満になると、該無機化
合物を混在させることによる放電電圧低下の効果が不十
分となる場合がある。一方、無機化合物の混合比率が2
0体積%を超えると、複合材料が脆弱化して加工が困難
となり、スパークプラグの発火部形成用のチップや、電
極等の製造に支障を来たすこともありうる。なお、上記
無機化合物の混合比率は、より望ましくは1〜10体積
%の範囲で調整するのがよい。
【0018】次に、複合材料を構成する母材金属は、I
r、Pt及びWの少なくともいずれかを主体に構成する
ことができる。これらの材質からなる母材金属は耐熱性
と耐腐食性に優れるので、スパークプラグの発火部や、
その他の放電電極の主要成分として本発明に好適に使用
できる。
【0019】例えば、従来スパークプラグとして、耐火
花消耗性向上のために電極の先端にPt合金のチップを
溶接して発火部を形成したものが使用されているが、P
tは高価であるためチップ材料として安価なIrを使用
する提案がなされている。しかしながら、母材金属をI
rで構成した場合、Irは900〜1000℃の高温域
において酸化・揮発しやすい性質を有しているため、そ
のまま発火部に使用すると、火花消耗よりも酸化・揮発
による消耗が問題となる欠点がある。従って、市街地走
行のような温度の低い条件であれば耐久性はよいが、高
速連続運転の場合には、耐久性が極端に低下してしまう
問題がある。そこで、Irを主体とする母材金属を使用
する場合、下記のようなIr合金を使用することが、上
記複合材料の耐久性を向上させる上で望ましい。
【0020】(1)Irを主体としてRhを1〜50重
量%(ただし50重量%は含まない)の範囲で含有する
合金を使用する。該合金の使用により、高温でのIr成
分の酸化・揮発による複合材料の消耗が効果的に抑制さ
れ、例えばスパークプラグの発火部に適用した場合は、
耐久性に優れたスパークプラグが実現される。
【0021】上記合金中のRhの含有量が3重量%未満
になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、
発火部が消耗しやすくなるためプラグの耐久性が低下す
る。一方、Rhの含有量が50重量%以上になると合金
の融点が著しく低下し、プラグの耐久性が同様に低下す
る。以上のことから、Rhの含有量は前述の範囲で調整
するのがよく、望ましくは7〜30重量%、より望まし
くは15〜25重量%、最も望ましくは18〜22重量
%の範囲で調整するのがよい。
【0022】(2)Irを主体としてRhを1〜49.
5重量%の範囲で含有し、さらにWを0.5〜12重量
%の範囲で含有した合金を使用する。該合金を使用する
ことで、高温でのIr成分の酸化・揮発による複合材料
の消耗が効果的に抑制されるとともに、合金がさらに上
記範囲のWを含有することにより、その加工性が劇的に
改善される。これにより、例えばスパークプラグの発火
部に適用した場合は、耐久性(特に高速走行時の耐久
性)と量産性の双方に優れたスパークプラグを実現する
ことができる。
【0023】合金中のWの含有量が0.5重量%未満に
なると、合金の加工性改善効果が十分に達成できなくな
り、例えば加工中に割れやクラックなどが生じやすくな
って、例えばスパークプラグの発火部となるべきチップ
を製造する際には、その材料歩留まりの低下につなが
る。また、熱間打抜き加工等によりチップを製造する場
合は、打抜き刃等の工具の消耗あるいは損傷が生じやす
くなり、製造効率が低下する。一方、12重量%を越え
ると加工性は却って悪化し、同様に材料歩留まりの低下
や製造効率の悪化につながる。それ故、Rhの含有量は
前述の範囲で調整するのがよく、望ましくは2〜9重量
%の範囲で調整するのがよい。なお、最適のW含有量は
Rhの含有量によって変化し、Rh含有量が18重量%
未満ではW含有量は1.5〜9.5重量%とするのがよ
く、また、Rh含有量が18〜23重量%ではW含有量
は0.5〜9.5重量%とするのがよく、さらにRh含
有量が23重量%以上の場合はW含有量は0.5〜12
重量%とするのがよい。
【0024】(3)Irを主体としてPdを1〜30重
量%の範囲で含有する合金を使用する。該合金の使用に
より、高温でのIr成分の酸化・揮発による複合材料の
消耗が効果的に抑制され、例えばスパークプラグの発火
部に適用した場合は、耐久性に優れたスパークプラグが
実現される。合金中のPdの含有量が1重量%未満にな
るとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、例え
ばスパークプラグの場合は、発火部が消耗しやすくなっ
て耐久性が低下する。一方、Pdの含有量が30重量%
以上になると合金の融点が低下し、耐久性が同様に低下
する。以上のことから、Pdの含有量は前述の範囲で調
整するのがよく、望ましくは1.5〜18重量%、より
望ましくは2〜15重量%の範囲で調整するのがよい。
なお、合金中のPdの含有量が5重量%を超えると、材
料が脆くなって加工性が悪くなり、材料歩留まりと製造
能率が低下することにつながるので、Pdの含有量を5
重量%以下、望ましくは3重量%以下の範囲で調整する
のがよい。
【0025】(4)Irを主体としてPt、Re及びP
dの少なくともいずれかを合計で1〜30重量%の範囲
で含有し、さらにRhを1〜49重量%の範囲で含有し
た合金を使用する。該合金の使用により、高温でのIr
成分の酸化・揮発による消耗が効果的に抑制されるとと
もに、合金がさらに上記範囲のRhを含有することによ
り、その加工性が劇的に改善される。これにより、例え
ばスパークプラグの発火部に適用した場合は、耐久性
(特に高速走行時の耐久性)と量産性の双方に優れたス
パークプラグを実現することができる。
【0026】Rhの含有量が1重量%未満になると、合
金の加工性改善効果が十分に達成できなくなり、例えば
加工中に割れやクラックなどが生じやすくなって、例え
ばスパークプラグの発火部となるべきチップを製造する
際には、その材料歩留まりの低下につながる。また、熱
間打抜き加工等によりチップを製造する場合は、打抜き
刃等の工具の消耗あるいは損傷が生じやすくなり、製造
効率が低下する。一方、49重量%を越えると合金の融
点が低下し、例えばスパークプラグの発火部に適用した
場合は、その耐久性低下を招く。それ故、Rhの含有量
は前述の範囲で調整するのがよく、望ましくは2〜20
重量%の範囲で調整するのがよい。特に、PdないしP
tの合計含有量が5重量%以上である場合には合金がさ
らに脆くなり、所定量以上のRhを添加しないと、加工
によるスパークプラグ用チップ等の製造が極めて困難と
なる。この場合、Rhは2重量%以上、望ましくは5重
量%以上、さらに望ましくは10重量%以上添加するの
がよい。なお、Rhの含有量が3重量%以上である場合
には、Rhは加工性の改善だけでなく、高温でのIr成
分の酸化・揮発の抑制に対しても効果を生ずる場合があ
る。
【0027】PtないしPdの合計含有量が1重量%未
満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分とな
り、例えばスパークプラグの発火部に適用した場合には
これが消耗しやすくなって耐久性低下につながる。一
方、含有量が30重量%以上になると合金の融点が低下
し、耐久性が同様に低下したり(例えばPd単独添加の
場合)、あるいは高価なPtないしPdの含有量が増大
して、チップの材料コストが増大する割には、発火部の
消耗抑制効果がそれほど期待できなくなる等の問題が生
ずる。以上のことから、PtないしPdの合計含有量は
前述の範囲で調整するのがよく、望ましくは3〜20重
量%の範囲で調整するのがよい。
【0028】なお、Pt、ReないしPdはそれぞれ単
独で合金に含有させることができ、この場合は、その含
有量を下記のように調整することが望ましい。 Ptを使用する場合は、その含有量を1〜20重量%
の範囲で設定するのがよい。合金中のPtの含有量が1
重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十
分となり、例えばスパークプラグの発火部に適用した場
合には、これが消耗しやすくなって耐久性が低下する。
一方、Ptの含有量が20重量%を超えると、高価なP
tの含有量が増大して発火部の材料コストが増大する割
には、発火部の消耗抑制効果がそれほど期待できなくな
る。
【0029】Pdを使用する場合は、その含有量を1
〜30重量%の範囲で設定するのがよい。合金中のPd
の含有量が1重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑
制効果が不十分となり、例えばスパークプラグの発火部
に適用した場合には、これが消耗しやすくなって耐久性
が低下する。一方、Pdの含有量が30重量%以上にな
ると合金の融点が低下し、耐久性が同様に低下する。以
上のことから、Pdの含有量は前述の範囲で調整するの
がよく、望ましくは1.5〜18重量%、より望ましく
は2〜15重量%の範囲で調整するのがよい。
【0030】また、Pt、Re及びPdは、2種以上の
ものを組み合わせて含有させることもできる。
【0031】(5)Irを主成分とし、Mo,Nb,R
u及びReの1種又は2種以上を合計で0.5重量%以
上含有する合金を使用する。該合金を使用することによ
り、高温でのIr成分の酸化・揮発による消耗が効果的
に抑制され、例えばスパークプラグの発火部に適用した
場合は、耐久性に優れたスパークプラグが実現される。
合金中のMo,Nb,Ru及びReの合計含有量が0.
5重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不
十分となる。なお、該合計含有量は、望ましくは1重量
%以上、さらに望ましくは5重量%以上とするのがよ
い。
【0032】MoないしNbを使用する場合、さらに望
ましくは、MoないしNbをIrに対する固溶限以下の
範囲で含有する合金を使用するのがよい。MoないしN
bがIrに対する固溶限を超えて含有された場合、Ir
3MoやIr3Nb等の脆弱な金属間化合物が形成され、
発火部の耐久性や耐衝撃性に問題を生ずる場合がある。
例えば、室温におけるMoのIrに対する固溶限は約1
2重量%であり、同じくNbのIrに対する固溶限は約
6重量%であることから、NbないしMoを単独含有さ
せる場合には、それぞれ上記値よりも小さい含有量に設
定することが望ましいといえる。ただし、上記金属間化
合物の形成量が一定以下で、発火部の耐久性等に及ぼす
影響が小さい場合には、MoないしNbの含有量が上記
固溶限を多少超えた値となっていても差しつかえない。
以上から、例えばMoを単独で含有させる場合、その含
有量は13重量%以下、望ましくは12重量%以下とす
るのがよい。同様にNbについては、その含有量を7重
量%以下、望ましくは6重量%以下とするのがよい。
【0033】なお、上記合金中には、Mo及びNbの双
方を含有させることも可能である。この場合、その含有
量は、Ir−Mo−Nb3元系におけるIrへのMo及
びNbの固溶限以下の範囲で設定することが望ましい。
【0034】(6)Irを主体としてRhを0.1〜3
0重量%の範囲で含有し、さらにRu及びReの少なく
ともいずれかを合計で0.1〜17重量%の範囲で含有
する合金を使用する。これにより、高温でのIr成分の
酸化・揮発による発火部の消耗がさらに効果的に抑制さ
れ、ひいてはより耐久性に優れたスパークプラグが実現
される。Rhの含有量が0.1重量%未満になるとIr
の酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、発火部が消耗
しやすくなるためプラグの耐消耗性が確保できなくな
る。一方、Rhの含有量が30重量%を超えると、Re
ないしRuを含有する合金の融点が低下して耐火花消耗
性が損なわれ、プラグの耐久性が同様に確保できなくな
る。それ故、Rhの含有量は上記範囲で調整される。
【0035】一方、RuないしReの合計含有量が0.
1重量%未満になると、これら元素の添加によるIrの
酸化・揮発による消耗を抑制する効果が不十分となる。
また、RuないしReの合計含有量が17重量%を超え
ると、発火部が却って火花消耗しやすくなり、プラグの
十分な耐久性が確保できなくなる。それ故、Ru及びR
eの合計含有量は上記範囲で調整され、望ましくは0.
1〜13重量%、さらに望ましくは0.5〜10重量%
の範囲で調整するのがよい。なお、Ru及びReはいず
れか一方のみを単独で添加しても、両者を複合して添加
してもいずれでもよい。
【0036】RuないしReが合金中に含有されること
により発火部の耐消耗性が改善される原因の一つとし
て、例えばこれら成分の添加により、合金表面に高温で
安定かつ緻密な酸化物皮膜が形成され、単体の酸化物で
は揮発性が非常に高かったIrが、該酸化物皮膜中に固
定されることが推測される。そして、この酸化物皮膜が
一種の不動態皮膜として作用し、Ir成分の酸化進行を
抑制するものと考えられる。また、Rhを添加しない状
態では、RuないしReを添加しても合金の高温での耐
酸化揮発性はそれほど改善されないことから、上記酸化
物皮膜はIr−(Ru,Re)−Rh系等の複合酸化物
であり、これが緻密性ないし合金表面に対する密着性に
おいてIr−(Ru,Re)系の酸化物皮膜より優れた
ものとなっていることも考えられる。
【0037】なお、RuないしReの合計含有量が増え
過ぎると、Ir酸化物の揮発よりはむしろ下記のような
機構により火花消耗が進行するようになるものと推測さ
れる。すなわち、形成される酸化物皮膜の緻密性あるい
は合金表面に対する密着力が低下し、該合計含有量が1
7重量%を超えると特にその影響が顕著となる。そし
て、スパークプラグの火花放電の衝撃が繰返し加わる
と、形成されている酸化物皮膜が剥がれ落ちやすくな
り、それによって新たな金属面が露出して火花消耗が進
行しやすくなるものと考えられる。
【0038】また、Ru及び/又はReの添加により、
さらに次のような重要な効果を達成することができる。
すなわち、Ru及び/又はReを合金中に含有させるこ
とにより、Ir−Rh二元合金を使用する場合と比較し
て、Rh含有量を大幅に削減しても耐消耗性を十分に確
保でき、ひいては高性能のスパークプラグをより安価に
構成できるようになる。この場合、Rhの含有量は0.
1〜3重量%、より望ましくは0.1〜1重量%となっ
ているのがよい。
【0039】なお、母材金属としては、上記以外にもI
r基−Pt合金、Pt基−Ni合金、Pt基−Ir合金
等、各種使用することができる。
【0040】なお、本発明の複合材料は、スパークプラ
グの発火部以外にも、前述の通り放電管や放電灯の放電
電極、例えば自動車用ヘッドランプや照明システム等に
使用されるメタルハライドランプ、あるいは水銀灯とい
った放電ランプの電極材料としても使用できる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面を用いて説明する。図1に示す本発明の一例
たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端
部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込
まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31を突出さ
せた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及
び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに
他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の
先端部と対向するように配置された接地電極4等を備え
ている。また、接地電極4には上記発火部31に対向す
る発火部32が形成されており、それら発火部31と、
対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップg
とされている。
【0042】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込む
ための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭
素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパーク
プラグ100のハウジングを構成するとともに、その外
周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロック
に取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0043】次に、中心電極3及び接地電極4の本体部
3a及び4aはNi合金等で構成されている。一方、上
記発火部31及び対向する発火部32は、母材金属に対
し強誘電性無機化合物を混在させた本発明の金属−無機
化合物複合材料で構成されている。具体的には、該複合
材料は、Ir、PtあるいはWのいずれかを主体とする
金属母材に対し、例えば、LiNbO3及びBaTiO3
の少なくともいずれかを主成分とするペロブスカイト型
強誘電性セラミック粒子を1〜20体積%の範囲で分散
させた、金属−無機化合物複合材料で構成することがで
きる。
【0044】図2に示すように、中心電極3の本体部3
aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構
成され、ここに上記発火部を構成する合金組成からなる
円板状のチップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部
に沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等に
より溶接部Wを形成してこれを固着することにより発火
部31が形成される。また、対向する発火部32は、発
火部31に対応する位置において接地電極4にチップを
位置合わせし、その接合面外縁部に沿って同様に溶接部
Wを形成してこれを固着することにより形成される。な
お、これらチップは、例えば表記組成となるように各合
金成分を配合・溶解することにより得られる溶解材、又
は所定比率で配合された原料粉末を成形・焼結すること
により得られる焼結材により構成することができる。
【0045】ここで、発火部31及び対向する発火部3
2のいずれか一方を省略する構成としてもよい。この場
合には、発火部31又は対向する発火部32及び接地電
極4又は中心電極3との間で火花放電ギャップgが形成
される。
【0046】以下、スパークプラグ100の作用につい
て説明する。すなわち、スパークプラグ100は、その
ねじ部7においてエンジンブロックに取り付けられ、燃
焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
ここで、その火花放電ギャップgを形成する発火部31
及び対向する発火部32を前述の複合材料で構成するこ
とで、電極形状やギャップ幅によらずスパークプラグの
火花放電電圧を本質的に低くすることが可能となり、ひ
いては電極の耐消耗性や着火性を損なうことなく、比較
的低電圧でエネルギー密度の高い火花を発生させること
ができるようになる。
【0047】
【実施例】
(実施例1)所定量のIr及びRhを配合・溶解するこ
とによりIrを主体としてRhを20重量%含有する母
材金属合金を作製し、これをボールミル粉砕により粉末
化した。これに、表1に示す各種無機材料粉末(平均粒
径1〜2μm)を混合した後、所定形状に成形して焼結
することにより、各種組成を有する金属−無機化合物複
合材料のチップを作成した。
【0048】
【表1】
【0049】そして、このチップを用いて、図1に示す
スパークプラグ100の発火部31及び対向する発火部
32を形成した。なお、火花放電ギャップgの幅は0.
4mmに設定した。そして、これらプラグの性能試験を以
下の条件にて行った。すなわち、ガスエンジン(排気量
780cc)にそれらプラグを取り付け、エンジン回転
数1000rpm、4.7kgf・mにて連続運転した
ときのプラグの放電電圧を測定した。具体的には、中心
電極側にディストリビュータを接続し、昇圧しながら通
電したときの電圧−時間曲線をデジタルオシロスコープ
により記録して、その曲線に現われるブレークダウン電
圧を放電電圧として読み取った。なお、測定値は100
0回繰返し測定を行った場合の最大値で示している。結
果を表1にまとめて示す。
【0050】すなわち、強誘電性無機化合物を含有する
複合材料を使用した本発明の実施例のスパークプラグ
(試料番号1〜3)は、強誘電性を示さない無機化合物
(Y23)を用いた複合材料、あるいは母材金属のみで
発火部を構成した比較例のスパークプラグ(試料番号
4,5)よりも放電電圧が低くなっていることがわか
る。
【0051】(実施例2)所定量のIrとRhを配合・
溶解することにより、Rhを0〜60重量%の各種比率
で含有し残部が実質的にIrで構成された合金(ただ
し、Rh=0及び60重量%は比較例)を用意し、これ
をボールミル粉砕により粉末化した。次に、これを母材
金属粉末として、無機材料粉末としてのBaTiO3
末(平均粒径1〜2μm)を混合した後、所定形状に成
形して焼結することにより各種組成を有する金属−無機
化合物複合材料のチップを作成した。なお、BaTiO
3粉末の混合量は、得られる焼結体中のBaTiO3の体
積含有率が10vol%となるように調整した。
【0052】そして、このチップを用いて図1に示すス
パークプラグ100の発火部31及び対向する発火部3
2を形成し(火花放電ギャップgの幅:1.1mm)、プ
ラグの性能試験を以下の条件にて行った。 条件A(連続高速運転を想定):6気筒ガソリンエンジ
ン(排気量3000cc)にそれらプラグを取り付け、ス
ロットル全開状態、エンジン回転数6000rpmにて
300時間連続運転し(中心電極温度約900℃)、運
転終了後のプラグの火花放電ギャップgの拡大量を測定
した。図3は、その結果を、合金中のRhの含有量と火
花放電ギャップ増加量との関係で示したものである。 条件B(市街地運転を想定):4気筒ガソリンエンジン
(排気量2000cc)にそれらプラグを取り付け、アイ
ドリング1分→エンジン回転数3500rpm、全開状
態で30分→エンジン回転数2000rpm、半開状態
で20分を1サイクルとして、1000時間運転し(中
心電極温度約780℃)、運転終了後のプラグの火花放
電ギャップgの拡大量を測定した。図4は、その結果
を、合金中のRhの含有量と火花放電ギャップ増加量と
の関係で示したものである。
【0053】条件Bにおいては、チップの合金組成が1
〜50重量%の範囲に属するプラグについては、火花放
電ギャップgの増加が小さいのに対し、比較例(Rh6
0重量%)のプラグは火花放電ギャップが著しく拡大し
ていることがわかる。また、それよりも高負荷の条件A
においては、実施例と比較例(Rh60重量%,及びP
t−Ir合金)との間における火花放電ギャップ増加量
の差がさらに顕著となっている。また、合金のRhの含
有量範囲が3〜50重量%から7〜30重量%へ、さら
には15〜25重量%へと変化するに伴い、ギャップ増
加量が段階的に減少しており、特に合金のRh含有量が
15〜25重量%であるチップを使用したプラグにおい
ては、厳しい運転条件にも拘わらず、非常に良好な耐久
性を示していることがわかる。
【0054】(実施例3)所定量のIrとRhを配合・
溶解することにより、Rhを15、18、20、22及
び25重量%の各比率で含有し残部が実質的にIrで構
成された合金を作製し、これをボールミル粉砕により粉
末化した。次に、これを母材金属粉末として、無機材料
粉末としてのBaTiO3粉末(平均粒径1〜2μm)を
混合した後、所定形状に成形して焼結することにより各
種組成を有する金属−無機化合物複合材料のチップを作
成した。なお、BaTiO3粉末の混合量は、得られる
焼結体中のLaB6の体積含有率が10vol%となる
ように調整した。そして、このチップを用いて実施例2
と同様のプラグを作製し、実施例2の条件Aよりもさら
に厳しい下記条件Cにて性能試験を行った。 条件C:4気筒ガソリンエンジン(排気量1600cc)
にそれらプラグを取り付け、スロットル全開状態、エン
ジン回転数6250rpmにて300時間連続運転し
(中心電極温度約950℃)、運転終了後のプラグの火
花放電ギャップgの拡大量を測定した。図5は、その結
果を、合金中のRhの含有量と火花放電ギャップ増加量
との関係で示したものである。
【0055】該結果によれば、合金中のRhの含有量範
囲が18〜22重量%であるチップを使用したプラグに
おいては、Rh含有量が該範囲外にあるチップを使用し
たものに比べて、条件Bよりも厳しい条件Cにおいても
ギャップ増加量が小さく、より良好な耐久性を示してい
ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグを示す正面部分断面
図。
【図2】その要部を示す拡大断面図。
【図3】発火部を構成する合金中のRh含有量と、火花
放電ギャップの拡大量との関係を示すグラフ(実施例
2:条件A)。
【図4】発火部を構成する合金中のRh含有量と、火花
放電ギャップの拡大量との関係を示すグラフ(実施例
2:条件B)。
【図5】発火部を構成する合金中のRh含有量と、火花
放電ギャップの拡大量との関係を示すグラフ(実施例
3:条件C)。
【符号の説明】
1 主体金具 2 絶縁体 3 中心電極 4 接地電極 31 発火部(チップ) 32 対向する発火部(チップ) g 火花放電ギャップ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材金属に対し、少なくとも一部が強誘
    電性無機化合物で構成された無機化合物を混在させるこ
    とにより、その放電電圧を前記母材金属の放電電圧より
    も小さくなるように調整したことを特徴とする放電電極
    用金属−無機化合物複合材料。
  2. 【請求項2】 前記無機化合物の含有比率が1〜20体
    積%である請求項1記載の放電電極用金属−無機化合物
    複合材料。
  3. 【請求項3】 前記強誘電性無機化合物は、ペロブスカ
    イト型強誘電性セラミック及びイルメナイト型強誘電性
    セラミックの少なくともいずれかを主体とするものであ
    る請求項1又は2に記載の放電電極用金属−無機化合物
    複合材料。
  4. 【請求項4】 前記強誘電性セラミックは、LiNbO
    3及びBaTiO3の少なくともいずれかを主成分とする
    ものである請求項3記載の放電電極用金属−無機化合物
    複合材料。
  5. 【請求項5】 前記無機化合物の一部が、元素周期律表
    の3A族及び4A族に属する金属元素の酸化物で構成さ
    れている請求項1ないし4のいずれかに記載の放電電極
    用金属−無機化合物複合材料。
  6. 【請求項6】 前記母材金属は、Ir、Pt及びWの少
    なくともいずれかを主体に構成されている請求項1ない
    し5のいずれかに記載の放電電極用金属−無機化合物複
    合材料。
  7. 【請求項7】 中心電極と、その中心電極の外側に設け
    られた絶縁体と、前記絶縁体の外側に設けられた主体金
    具と、前記中心電極と対向するように配置された接地電
    極と、それら中心電極と接地電極との間で火花放電ギャ
    ップを形成する発火部とを備え、 その発火部の少なくとも一方が、少なくとも一部が強誘
    電性無機化合物で構成された無機化合物を母材金属に対
    し混在させることにより、その放電電圧を前記母材金属
    の放電電圧よりも小さくなるように調整した金属−無機
    化合物複合材料で構成されていることを特徴とするスパ
    ークプラグ。
  8. 【請求項8】 前記金属−無機化合物複合材料の前記強
    誘電性無機化合物の含有比率が1〜20体積%である請
    求項7記載のスパークプラグ。
  9. 【請求項9】 前記強誘電性無機化合物がペロブスカイ
    ト型強誘電性セラミック及びイルメナイト型強誘電性セ
    ラミックの少なくともいずれかを主体とするものである
    請求項7又は8に記載のスパークプラグ。
  10. 【請求項10】 前記強誘電性セラミックは、LiNb
    3及びBaTiO3の少なくともいずれかを主成分とす
    るものである請求項9記載のスパークプラグ。
  11. 【請求項11】 前記無機化合物の一部が、元素周期律
    表の3A族及び4A族に属する金属元素の酸化物で構成
    されている請求項7ないし10のいずれかに記載のスパ
    ークプラグ。
  12. 【請求項12】 前記母材金属は、Ir、Pt及びWの
    少なくともいずれかを主体に構成されている請求項7な
    いし11のいずれかに記載のスパークプラグ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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