JPH11166192A - 耐冷凍性油脂およびその製造方法、ならびに水中油型乳化組成物 - Google Patents
耐冷凍性油脂およびその製造方法、ならびに水中油型乳化組成物Info
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- JPH11166192A JPH11166192A JP9335411A JP33541197A JPH11166192A JP H11166192 A JPH11166192 A JP H11166192A JP 9335411 A JP9335411 A JP 9335411A JP 33541197 A JP33541197 A JP 33541197A JP H11166192 A JPH11166192 A JP H11166192A
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Abstract
剤や多糖類の使用が必須であったり、また耐冷凍効果や
風味が満足のいかないものであった。 【解決手段】 トリグリセリドの2位の脂肪酸として、
2価以上の不飽和の脂肪酸が55%以上、1価不飽和の
脂肪酸が0〜40%、飽和脂肪酸が0〜5%である油脂
を1,3位エステル交換することにより、冷凍保存に安
定に耐え得る油脂、および水中油型乳化組成物を得るこ
とができる。
Description
分の生成の少ない耐冷凍性の食用油脂およびその製造方
法、ならびにこの耐冷凍性油脂を用いて構成される、冷
凍保管した際にも乳化破壊による変質等の起こりにくい
耐冷凍性水中油型乳化組成物に関する。
水中油型乳化食品は、通常、常温または冷蔵状態で流通
され、開封後は冷蔵保管される。その際、油脂の結晶が
析出すると乳化破壊による分離等の変質が起こることか
ら、原料油脂としては通常、サラダ油が用いられてい
る。近年、さらに低温下、すなわち冷凍下での保管、流
通の要望が増加しているが、サラダ油を用いても、冷凍
に十分耐えうるものはなく、特にマヨネーズの場合、乳
化剤等に頼らない耐冷凍性の油脂が求められている。
油脂中に飽和脂肪酸のジグリセリドを多量に含有させた
特開平5−161471、乳化剤とキサンタンガム、カ
ゼインナトリウムを併用した特開平7−274893等
が挙げられる。
従来の技術では、乳化剤や多糖類の使用が必須であった
り、また耐冷凍性効果や風味が満足のいかないものであ
ったりと、満足すべきものではなかった。
分耐えうる耐冷凍性油脂およびその製造方法、ならびに
水中油型乳化組成物を提供することを目的としている。
的を達成するために検討を重ねた結果、意外にも、トリ
グリセリドの2位に2価以上の不飽和の脂肪酸を多量に
含みかつ飽和脂肪酸が少ない油脂を1,3位エステル交
換して得られた油脂が、グリセリド成分にそれほど大き
な変化がないにもかかわらず耐冷凍性が付与され、低温
下での結晶析出が少なく、すなわちSFC(固型脂含
量)が低いものとなり、またこれを水中油型乳化組成物
に用いれば耐冷凍性が付与される、ということを見出
し、発明を完成するに至った。例えば、マヨネーズやド
レッシング用油脂として用いれば冷凍保管における分離
が起こらず、冷凍フライ食品の乳化バッター用油脂とし
て用いれば冷凍保管時およびフライ時の衣のはがれ等を
防止することを見出した。
の脂肪酸として、2価以上の不飽和の脂肪酸が55%以
上、1価不飽和の脂肪酸が0〜40%、飽和脂肪酸が0
〜5%である油脂を1,3位エステル交換して得られる
ことを特徴とする耐冷凍性油脂である。
脂の製造方法、およびこの耐冷凍性油脂用いた水中油型
乳化組成物が提供される。
ル交換に用いる油脂原料としては、トリグリセリドの2
位の脂肪酸として、2価以上の不飽和の脂肪酸が55%
以上、好ましくは70%以上、1価不飽和の脂肪酸が0
〜40%、飽和脂肪酸が0〜5%、好ましくは0〜2%
である油脂であればいずれでもよく、各種動植物油脂の
単品や混合品を用いることができる。ただし、全脂肪酸
中の飽和脂肪酸が0〜20%、好ましくは0〜15%で
あり、炭素数16以上の脂肪酸が95%以上である脂肪
酸より成る油脂を用いることが望ましい。またトリグリ
セリドの2位に多価不飽和脂肪酸を多量に含有する油脂
も使用することができるが、酸化安定性や風味の面で劣
ることから、好ましくは2位の2価以上の不飽和の脂肪
酸中、リノール酸が60%以上の油脂を用いる。
ル酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキ
サエン酸等が挙げられる。
酸、パルミトオレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。
アリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
油、大豆油、コーン油、または、これらの油脂およびナ
タネ油、綿実油、米油、ゴマ油、オリーブ油、魚油、ま
たはこれらの油脂の分別油、水添油から選ばれる2種以
上の油脂の混合品等が挙げられる。これら動植物油脂原
料は過酸化物価等の品質によらず、未精製品、半精製
品、精製品のいずれを使用してもよい。
℃,20時間のSFCが50%以下、好ましくは30%
以下となるように油脂原料を選ぶのがよい。
用いた水中油型乳化組成物の耐冷凍性が劣る。
リパーゼを用いて行うことができる。リパーゼとして
は、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)由来、リゾ
ープス属(Rhizopus sp.)由来、ムコール属(Mucor s
p.)由来等のリパーゼが挙げられるが、特にアルカリゲ
ネス属のリパーゼを粉末状のまま油脂原料に分散するこ
とが好ましい。1,3位エステル交換反応は撹拌装置付
きのバッチ式容器等で行うことができ、リパーゼの使用
量は例えば油脂原料の0.005〜10%で行うことが
できる。
き、反応時間は1〜72時間で行うことができる。過度
の反応は2位の脂肪酸のランダム化を引き起こすため、
好ましくない。反応に使用する原料油脂中の水分は5〜
1500ppm程度、特に50〜500ppmが好まし
い。過剰の水分は加水分解反応に使用され収量の低下を
招くため好ましくない。
パーゼはろ過等により回収して再利用することができ
る。
に応じて通常の精製を行い、目的とする耐冷凍性油脂を
得る。
の50%以上となるよう他の油脂と混合して耐冷凍性水
中油型乳化組成物の原料として用いることができる。耐
冷凍性油脂が50%未満となると、水中油型乳化組成物
の耐冷凍性は不十分となる。耐冷凍性油脂に混合する他
の油脂としては、いわゆるサラダ油程度の冷却安定性を
持つものが使用でき、例えばサフラワー油、ヒマワリ
油、大豆油、コーン油、ナタネ油、魚油や、これらの油
脂の混合品等が挙げられる。
分、その他の成分の配合比率には特に制限はなく、常温
で安定した乳化状態および目的とする物性や味を保てる
ものであればよい。耐冷凍性水中油型乳化組成物には、
油脂、水以外に食酢、卵成分や、必要に応じて安定剤、
増粘剤、甘味料、調味料、香辛料等を加えてもよい。安
定剤、増粘剤としては、キサンタンガム、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、カラギーナン等の水溶性高
分子、各種デンプン等が挙げられる。甘味料、調味料、
香辛料としては食用に用いられるものであればよい。ま
た耐冷凍性油脂のみの効果で十分な耐冷凍性が得られる
が、各種乳化剤等の併用により、さらに効果を増強する
ことができる。
(2位の脂肪酸は、リノール酸80.0%、リノレン酸
0.3%、オレイン酸19.1%、飽和脂肪酸0.6
%、全脂肪酸中の飽和脂肪酸は13.0%)2Kgを入
れ、60℃に保ちながらアルカリゲネス属(Alcaligene
s sp.)由来のリパーゼ(名糖産業製)20gを分散さ
せて1,3位エステル交換を行った。10時間撹拌を続
けた後、ろ過にてリパーゼを除いた。得られた油脂を常
法にて精製して耐冷凍性油脂を得た。この耐冷凍性油脂
について、SFC(%)、ジグリセリド含量、およびモ
ノグリセリド含量を測定し、その結果を下の表1に示
す。
ずにそのまま精製し、SFC等の分析を行った。その結
果を表1に示す。
(2位の脂肪酸は、リノール酸64.6%、リノレン酸
7.5%、オレイン酸27.4%、飽和脂肪酸0.4
%、全脂肪酸中の飽和脂肪酸は9.0%)2Kgを実施
例1と同様に1,3位エステル交換し、リパーゼを除い
た後に精製した。この油脂を用い、表2の配合のマヨネ
ーズを調製した。
観察し、その結果を表3に示す。
合油をエステル交換せずにそのまま使用し、実施例2と
同様にマヨネーズを調製、−20℃で保管時の状態を観
察した。その結果を表3に示す。
リノール酸34.1%、リノレン酸18.2%、オレイ
ン酸47.0%、飽和脂肪酸0.3%、全脂肪酸中の飽
和脂肪酸は6.9%)2Kgを実施例1と同様に1,3
位エステル交換し、リパーゼを除いた後に精製した。こ
の油脂を用い、表2の配合のマヨネーズを調製し、−2
0℃で保管時の状態を観察した。その結果を表3に示
す。
酸69.8%、リノレン酸7.0%、オレイン酸22.
3%、飽和脂肪酸0.9%、全脂肪酸中の飽和脂肪酸は
14.5%)2Kgを実施例1と同様に1,3位エステ
ル交換し、リパーゼを除いた後に精製した。この油脂を
用い、表4の配合の乳化タイプのドレッシングを調製し
た。
管時の状態を観察し、その結果を表5に示す。
gを脱酸後、80℃、減圧下でナトリウムメトキシド6
gを加え、30分間撹拌してランダムエステル交換し、
水洗後に精製した。この油脂を用い、実施例3と同様に
ドレッシングを調製し、−20℃で保管時の状態を観察
した。その結果を表5に示す。
ば、トリグリセリドの2位の脂肪酸として、2価以上の
不飽和の脂肪酸が55%以上、1価不飽和の脂肪酸が0
〜40%、飽和脂肪酸が0〜5%である油脂を1,3位
エステル交換して得られる油脂の改善により、耐冷凍性
油脂、および冷凍保管に十分耐えうる水中油型乳化組成
物を提供することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 トリグリセリドの2位の脂肪酸として、
2価以上の不飽和の脂肪酸が55%以上、1価不飽和の
脂肪酸が0〜40%、飽和脂肪酸が0〜5%である油脂
を1,3位エステル交換して得ることを特徴とする耐冷
凍性油脂。 - 【請求項2】 エステル交換して得られる油脂の−35
℃,20時間のSFCが50%以下である請求項1の耐
冷凍性油脂。 - 【請求項3】 トリグリセリドの2位の2価以上の不飽
和の脂肪酸の60%以上がリノール酸である、請求項1
または2の耐冷凍性油脂。 - 【請求項4】 トリグリセリドの飽和脂肪酸が0〜20
%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐冷凍性
油脂。 - 【請求項5】 トリグリセリドの炭素数16以上の脂肪
酸が95%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記
載の耐冷凍性油脂。 - 【請求項6】 アルカリゲネス由来のリパーゼ粉末を油
脂中に分散することにより1,3位エステル交換を行う
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
耐冷凍性油脂。 - 【請求項7】 トリグリセリドの2位の脂肪酸として、
2価以上の不飽和の脂肪酸が55%以上、1価不飽和の
脂肪酸が0〜40%、飽和脂肪酸が0〜5%である油脂
に、リパーゼ粉末を分散させることにより、1,3位エ
ステル交換することを特徴とする耐冷凍性油脂の製造方
法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載され
た耐冷凍性油脂を油層中の50%以上含有することを特
徴とする耐冷凍性水中油型乳化組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9335411A JPH11166192A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 耐冷凍性油脂およびその製造方法、ならびに水中油型乳化組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9335411A JPH11166192A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 耐冷凍性油脂およびその製造方法、ならびに水中油型乳化組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11166192A true JPH11166192A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18288256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9335411A Pending JPH11166192A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 耐冷凍性油脂およびその製造方法、ならびに水中油型乳化組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166192A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002004581A1 (fr) * | 2000-07-06 | 2002-01-17 | Fuji Oil Company, Limited | Composition grasse resistant au froid et son procede de fabrication |
CN107853408A (zh) * | 2017-10-11 | 2018-03-30 | 上海海融食品科技股份有限公司 | 一种耐冷冻油脂组合物及其制备方法和用途 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP9335411A patent/JPH11166192A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002004581A1 (fr) * | 2000-07-06 | 2002-01-17 | Fuji Oil Company, Limited | Composition grasse resistant au froid et son procede de fabrication |
US6710196B2 (en) | 2000-07-06 | 2004-03-23 | Fuji Oil Company | Cold-resistant fat composition and process for producing the same |
CN107853408A (zh) * | 2017-10-11 | 2018-03-30 | 上海海融食品科技股份有限公司 | 一种耐冷冻油脂组合物及其制备方法和用途 |
CN107853408B (zh) * | 2017-10-11 | 2021-04-09 | 上海海融食品科技股份有限公司 | 一种耐冷冻油脂组合物及其制备方法和用途 |
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