JPH11158997A - プレキャストコンクリート製の柱や梁とコンクリート 壁の壁筋の接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】プレキャストコンクリート製の柱や梁の製作が
容易である上に、ラーメン構造の組立や取扱いが簡易且
つ安全で、施工性が良く剛性の高いコンクリート壁が得
られるようにする。 【解決手段】先端部内にねじ孔を設けた受けスリーブ５
内に取付鉄筋４の先端部を嵌合固定して取付鉄筋４の基
部をプレキャストコンクリート製の柱や梁ａの鉄骨１に
固定すると共に、その受けスリーブ付き取付鉄筋４を上
記プレキャストコンクリート製の柱や梁ａ内に埋設し、
先端部の外方に操作部６を、内方にねじ孔をそれぞれ設
けた継ぎスリーブ１２内に連結用鉄筋１１の先端部を嵌
合固定し、中継ボルト１０を上記受けスリーブ５と上記
継ぎスリーブ１２のねじ孔にわたし螺合してその継ぎス
リーブ１２を受けスリーブ５に接合し、上記連結用鉄筋
１１にコンクリート壁の壁筋１５を固定してプレキャス
トコンクリート製の柱や梁ａとコンクリート壁の壁筋の
接続装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレキャストコンクリ
ート製の柱や梁の鉄骨にコンクリート壁の壁筋を接続す
るプレキャストコンクリート製の柱や梁とコンクリート
壁の壁筋の接続装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のプレキャストコンクリー
ト製の柱や梁とコンクリート壁の壁筋の接続装置は、図
６に示すようにプレキャストコンクリート製の柱や梁
（イ）の鉄骨（ロ）にスタッド溶接（ハ）した連結用鉄
筋（ニ）をプレキャストコンクリート製の柱や梁（イ）
の表面から突出させてプレキャストコンクリート製の柱
や梁（イ）を作製し、現場で上記プレキャストコンクリ
ート製の柱や梁（イ）をラーメン構造に組立てた後、そ
の柱や梁（イ）の連結用鉄筋（ニ）の突出部にコンクリ
ート壁（ホ）の壁筋（ヘ）を溶接により固定している。

【０００３】従って、プレキャストコンクリート製の柱
や梁の表面には連結用鉄筋が突出しているから、

【０００４】（１） プレキャストコンクリート製の柱
や梁の型枠の組立，解体や配筋の仕方等に大変手間ど
る。

【０００５】（２） 連結用鉄筋の突出部が運搬や他の
作業の障害になる。

【０００６】（３） プレキャストコンクリート製の柱
や梁の取扱い中に連結用鉄筋の突出部が曲るおそれがあ
る上に、その突出部は危険で、安全上問題がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】プレキャストコンクリ
ート製の柱や梁内に取付鉄筋付き受けスリーブを埋設
し、その受けスリーブに中継ボルトを介し連結用鉄筋の
継ぎスリーブを接続して該連結用鉄筋にコンクリート壁
の壁筋を固定し、プレキャストコンクリート製の柱や梁
の製作時の型枠の組立，解体が容易である上に、そのプ
レキャストコンクリート製の柱や梁の保管，現場への搬
入，ラーメン構造の組立や取扱いが簡易且つ安全であ
り、その上、施工性が良くて剛性の高いコンクリート壁
が得られるようにする点である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】プレキャストコンクリー
ト製の柱や梁の鉄骨に受けスリーブ付き取付鉄筋を固定
すると共にその受けスリーブ付き取付鉄筋を上記プレキ
ャストコンクリート製の柱や梁内に埋設し、現場でプレ
キャストコンクリート製の柱や梁をラーメン構造に組立
てた後、連結用鉄筋の継ぎスリーブを該継ぎスリーブと
上記プレキャストコンクリート製の柱や梁の受けスリー
ブにわたして螺合する中継ボルトにより接続し、その連
結用鉄筋にコンクリート壁の壁筋を固定してコンクリー
ト壁を構成し、プレキャストコンクリート製の柱や梁の
製作時の型枠の組立，解体が容易である上に、そのプレ
キャストコンクリート製の柱や梁の保管，現場への搬
入，ラーメン構造の組立や取扱いが簡易且つ安全であ
り、その上、施工性が良くて剛性の高いコンクリート壁
が得られるプレキャストコンクリート製の柱や梁とコン
クリート壁の壁筋の接続装置を提供することを目的とす
る。

【０００９】すなわち、先端部内にねじ孔を設けた受け
スリーブ内に取付鉄筋の先端部を嵌合固定して該取付鉄
筋の基部をプレキャストコンクリート製の柱や梁の鉄骨
に固定すると共に、その受けスリーブ付き取付鉄筋を上
記プレキャストコンクリート製の柱や梁内に埋設し、先
端部の外方に操作部を、内方にねじ孔をそれぞれ設けた
継ぎスリーブ内に連結用鉄筋の先端部を嵌合固定し、中
継ボルトを上記受けスリーブと上記継ぎスリーブのねじ
孔にわたし螺合してその継ぎスリーブを受けスリーブに
接合し、上記連結用鉄筋にコンクリート壁の壁筋を固定
してプレキャストコンクリート製の柱や梁とコンクリー
ト壁の壁筋の接続装置を構成し、プレキャストコンクリ
ート製の柱や梁の製作時の型枠の組立，解体が容易であ
る上に、そのプレキャストコンクリート製の柱や梁の保
管，現場への搬入，ラーメン構造の組立や取扱いが簡易
且つ安全であり、その上、施工性が良くて剛性の高いコ
ンクリート壁が得られる目的を、プレキャストコンクリ
ート製の柱や梁内にその柱や梁の鉄骨に連結した受けス
リーブを埋設し、連結用鉄筋の継ぎスリーブと上記受け
スリーブをそれらのねじ孔にわたして螺合する中継ボル
トにより接続し、上記連結用鉄筋にコンクリート壁の壁
筋を固定することにより実現した。

【００１０】

【実施例】図１乃至図５は、本発明の一実施態様を示
し、その構成を図面について説明すれば、（ａ）はプレ
キャストコンクリート製の梁、（ｂ）はプレキャストコ
ンクリート製の柱、（ｃ）はコンクリートを打設して構
築したコンクリート壁を示す。

【００１１】（１）は梁（ａ）の鉄骨、（２）は主筋、
（３）は帯筋、（４）は取付鉄筋、（５）は受けスリー
ブで、スリーブの先端部を締付機により絞り込んで六角
形の操作部（６）に形成し、該操作部（６）の内方をね
じ孔（７）に形成して成る。（８）は取付鉄筋（４）の
スタッド溶接部、（９）は梁（ａ）のコンクリートであ
る。

【００１２】（１０）は中継ボルト、（１１）は連結用
鉄筋、（１２）は継ぎスリーブで、スリーブの先端部を
締付機により絞り込んで六角形の操作部（１３）に形成
し、該操作部（１３）の内方をねじ孔（１４）に形成し
て成る。

【００１３】（１５）はコンクリート壁（ｃ）の壁筋、
（１６）は壁筋（１５）を連結用鉄筋（１１）に固定す
るワイヤである。

【００１４】その作用を説明する。図２に示すように受
けスリーブ（５）内に取付鉄筋（４）の先端部を挿入
し、その受けスリーブ（５）を締付機により絞り込んで
該受けスリーブ（５）を取付鉄筋（４）に圧着する。

【００１５】そして、梁（ａ）の鉄骨（１）の所要箇所
に受けスリーブ（５）付き取付鉄筋（４）を二列状態で
スタッド溶接（８）する。

【００１６】その後、図１に示すように受けスリーブ
（５）付き取付鉄筋（４）を取付けた鉄骨（１）に主筋
（２）及び帯筋（３）を配筋してコンクリート（９）を
打設し、そのコンクリート（９）の表面と受けスリーブ
（５）の先端面が同一面となって受けスリーブ（５）付
き取付鉄筋（４）がコンクリート（９）内に埋設したプ
レキャストコンクリート製の梁（ａ）を作製する。ま
た、同様にして、プレキャストコンクリート製の柱
（ｂ）を作製する。

【００１７】一方、図２に示すように継ぎスリーブ（１
２）内に連結用鉄筋（１１）の先端部を挿入し、その継
ぎスリーブ（１２）を締付機により絞り込んで該継ぎス
リーブ（１２）を連結用鉄筋（１１）に圧着する。

【００１８】そして、梁（ａ）、柱（ｂ）及び資材を現
場に搬入し、図１に示すように現場において柱（ｂ）や
梁（ａ）をラーメン構造に組立てる。

【００１９】一方、図２に示すように連結用鉄筋（１
１）の継ぎスリーブ（１２）のねじ孔（１４）内に中継
ボルト（１０）の一半部をねじ込む。

【００２０】そして、その連結用鉄筋（１１）付き継ぎ
スリーブ（１２）を回転して中継ボルト（１０）の他半
部を、上記の組立てた柱（ｂ）や梁（ａ）内に埋設され
た受けスリーブ（５）のねじ孔（７）内にねじ込む。そ
の後、トルクレンチ等を継ぎスリーブ（１２）の操作部
（１３）に係合してその継ぎスリーブ（１２）を回転
し、該継ぎスリーブ（１２）を受けスリーブ（５）に圧
接させると共にその連結部にトルク掛けを行って継ぎス
リーブ（１２）を受けスリーブ（５）に接合し、受けス
リーブ（５），中継ボルト（１０），継ぎスリーブ（１
２）を介して連結用鉄筋（１１）を取付鉄筋（４）に一
体的に接続する。

【００２１】次いで、図１に示すように壁筋（１５）の
両端部をそれぞれ対向する連結用鉄筋（１１）に重合
し、その重合部をワイヤ（１６）により締付け固定して
縦横の壁筋（１５）を組立てる。

【００２２】その後、柱（ｂ）と梁（ａ）の間の壁部分
に型枠を建込み、コンクリートを打設してコンクリート
壁（ｃ）を構築する。

【００２３】なお、受けスリーブ（５）に継ぎスリーブ
（１２）を接続するとき、上記の中継ボルト（１０）の
一半部を継ぎスリーブ（１２）のねじ孔（１４）内にね
じ込んでその中継ボルト（１０）の他半部を受けスリー
ブ（５）のねじ孔（７）内にねじ込むのに代え、中継ボ
ルト（１０）の一半部を受けスリーブ（５）のねじ孔
（７）内にねじ込んだ後、継ぎスリーブ（１２）付き連
結用鉄筋（１１）を回転してその継ぎスリーブ（１２）
のねじ孔（１４）を上記受けスリーブ（５）の中継ボル
ト（１０）の突出する他半部にねじ込み、上記と同様に
操作して取付鉄筋（４）に連結用鉄筋（１１）を接続し
てもよい。

【００２４】

【発明の効果】本発明のプレキャストコンクリート製の
柱や梁とコンクリート壁の壁筋の接続装置は、下記のよ
うな利点がある。

【００２５】（１） 先端部内にねじ孔を設けた受けス
リーブを取付けた取付鉄筋をプレキャストコンクリート
製の柱や梁の鉄骨に固定すると共に、その受けスリーブ
付き取付鉄筋を上記プレキャストコンクリート製の柱や
梁内に埋設する。従って、

【００２６】（イ） プレキャストコンクリート製の柱
や梁の鉄骨に受けスリーブ付き取付鉄筋を固定するのに
スタッド溶接が可能であるから、施工スピードが早い。

【００２７】（ロ） プレキャストコンクリート製の柱
や梁の表面に突出物が無いから、その柱や梁の製作時に
おける型枠の組立及び解体が容易で、作業能率を向上す
る。

【００２８】（ハ） プレキャストコンクリート製の柱
や梁の表面に取付鉄筋が突出していないから、その柱や
梁の保管，現場への搬入，組立及び取扱いが簡易で作業
上便利である上に、取付鉄筋の突出部による危険性が無
くて安全上有益である。

【００２９】（２） プレキャストコンクリート製の柱
や梁内に、その柱や梁の鉄骨に取付鉄筋により連結され
たねじ孔付き受けスリーブを埋設した。従って、

【００３０】（イ） コンクリート壁の壁筋を取付ける
継ぎスリーブとプレキャストコンクリート製の柱や梁の
受けスリーブに中継ボルトをねじ込むことによってプレ
キャストコンクリート製の柱や梁の鉄骨にコンクリート
壁の壁筋を接続し得るから、コンクリート壁の壁筋の接
続作業が容易で、省力化できて作業能率を向上する。

【００３１】（ロ） プレキャストコンクリート製の柱
や梁の鉄骨とコンクリート壁の壁筋の接続部の品質が安
定して確保できるから、剛性の高いコンクリート壁を得
ることができて実用上有益である。

【００３２】（３） 簡単に構成して容易安価に製作で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様のプレキャストコンクリー
ト製の柱や梁を使用してコンクリート建築物を構築した
状態の一部の正断面図で、中間部を切欠して示す。

【図２】同上要部の拡大正断面図である。

【図３】その接続要部の分解斜視図である。

【図４】その連結用鉄筋部の分解斜視図である。

【図５】さの継ぎスリーブの平面図である。

【図６】従来のプレキャストコンクリート製の梁の正断
面図である。

【符号の説明】

ａ プレキャストコンクリート製の梁 ｂ プレキャストコンクリート製の柱 ｃ コンクリート壁 １ 鉄骨 ２ 主筋 ３ 帯筋 ４ 取付鉄筋 ５ 受けスリーブ ６ 操作部 ７ ねじ孔 ８ スタッド溶接部 ９ コンクリート １０ 中継ボルト １１ 連結用鉄筋 １２ 継ぎスリーブ １３ 操作部 １４ ねじ孔 １５ 壁筋 １６ ワイヤ イ プレキャストコンクリート製の梁 ロ 鉄骨 ハ スタッド溶接 ニ 連結用鉄筋 ホ コンクリート壁 ヘ 壁筋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部内にねじ孔を設けた受けスリーブ
   内に取付鉄筋の先端部を嵌合固定して該取付鉄筋の基部
   をプレキャストコンクリート製の柱や梁の鉄骨に固定す
   ると共に、その受けスリーブ付き取付鉄筋を上記プレキ
   ャストコンクリート製の柱や梁内に埋設し、先端部の外
   方に操作部を、内方にねじ孔をそれぞれ設けた継ぎスリ
   ーブ内に連結用鉄筋の先端部を嵌合固定し、中継ボルト
   を上記受けスリーブと上記継ぎスリーブのねじ孔にわた
   し螺合してその継ぎスリーブを受けスリーブに接合し、
   上記連結用鉄筋にコンクリート壁の壁筋を固定すること
   を特徴とするプレキャストコンクリート製の柱や梁とコ
   ンクリート壁の壁筋の接続装置。