JPH11157643A - スラットコンベヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラットコンベヤによる搬送物品を搬送方向
に対して斜め前方へ向けて分岐する場合にも、搬送方向
に対して直交する方向へ押圧分岐する場合にも、同じ押
圧シューの使用を可能にして、製造費用のコストダウン
を図る。 【解決手段】 物品Ａを載置して搬送する多数のスラッ
ト１２が、搬送方向に沿って並設され、スラット１２と
同速度で搬送方向へ移動し、かつ、スラット１２の長手
方向へ移動しながら物品Ａを押圧する多数の押圧シュー
１３を搬送方向に並べて備えたスラットコンベヤ３で、
押圧シュー１３が、物品Ａをスラットコンベヤ３の搬送
方向に対してほぼ直交する方向へ押圧するための直交用
押圧面と、スラットコンベヤ３の搬送方向に対して斜め
前方へ向けて押圧するための斜交用押圧面とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、物品を載置して搬
送する多数のスラットが、その搬送方向に沿って並設さ
れ、前記スラットと同速度で前記搬送方向へ移動し、か
つ、前記スラットの長手方向へ移動しながら前記物品を
押圧する多数の押圧シューを前記搬送方向に並べて備え
たスラットコンベヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような構成のスラットコンベヤは、
例えば、特開平６−２５５７５９号公報に開示のものが
知られている。この公報に開示のスラットコンベヤにお
いては、スラットコンベヤ上の物品をその搬送方向に対
して徐々に斜め前方へ向けながら押圧して分岐するた
め、各押圧シュ−には、物品をスラットコンベヤの搬送
方向に対して斜め前方へ向けて押圧するのに適した押圧
面がひとつだけ設けられている。

【０００３】また、特開平８−２８２８３０号公報に示
されたように、スラットコンベヤ上の物品をその搬送方
向に対してほぼ直交する方向へ押圧して分岐する構成の
ものも知られており、このスラットコンベヤでは、各押
圧シュ−に対して、スラットコンベヤ上の物品を搬送方
向に対してほぼ直交する方向へ押圧するのに適した押圧
面がひとつだけ設けられている。

【０００４】つまり、従来公知のスラットコンベヤにお
いては、物品を搬送方向に対して斜め前方へ向けて押圧
分岐する場合にも、また、搬送方向に対してほぼ直交す
る方向へ押圧分岐する場合にも、各押圧シューには、ひ
とつの押圧面しか設けられていなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のス
ラットコンベヤでは、物品を搬送方向に対して斜め前方
へ向けて押圧分岐する場合には、斜め前方へ押圧するの
に適した押圧面を有するシュ−を使用し、搬送方向に対
してほぼ直交する方向へ押圧分岐する場合には、直交す
る方向へ押圧するのに適した押圧面を有するシュ−を使
用する必要があり、スラットコンベヤの分岐形態に応じ
て異なる押圧シューを準備しなければならず、製造上に
おけるコストアップの一因となっていた。

【０００６】本発明は、このような従来の問題点に着目
したもので、例えスラットコンベヤの分岐形態が異なっ
ても、同じ押圧シューの使用を可能にし、それによっ
て、製造費のコストダウンを図ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明によれば、物品を押圧する押
圧シューが、その物品をスラットコンベヤの搬送方向に
対してほぼ直交する方向へ押圧するための直交用押圧面
と、スラットコンベヤの搬送方向に対して斜め前方へ向
けて押圧するための斜交用押圧面とを備えている。した
がって、物品をスラットコンベヤの搬送方向に対してほ
ぼ直交する方向へ押圧分岐するスラットコンベヤに前記
押圧シューを使用すると、各押圧シューの直交用押圧面
が物品に作用して、各物品を所望通りの直交方向へ確実
に押圧分岐でき、同様に、搬送方向に対して斜め前方へ
向けて押圧分岐するスラットコンベヤに使用すると、各
押圧シューの斜交用押圧面が物品に作用して、各物品を
所望通りの斜め方向へ確実に押圧分岐することができ
る。このように、スラットコンベヤの分岐形態の相違に
かかわらず、同じ押圧シューを使用して確実な押圧分岐
ができるので、押圧シューの共用化による量産が可能と
なり、製造費のコストダウンを図ることができる。

【０００８】請求項２に記載の発明によれば、前記押圧
シューが、スラットの長手方向へ移動可能な状態で前記
スラットに取り付けてあるので、各押圧シューの作動構
造を簡素化することができる。つまり、各押圧シューを
スラットと同速度で移動させ、かつ、スラットの長手方
向へ移動させる構造としては、例えば、スラットコンベ
ヤを駆動するチェンに加えて、押圧シューをスラットコ
ンベヤの搬送方向に沿って同速度で駆動する別のチェン
を設け、かつ、その押圧シューをスラットの長手方向へ
移動可能に構成することもできるが、このような構成で
あると、押圧シューを移動させるための専用のチェンな
どが必要となり、構造的にかなり大掛かりなものとな
る。それに対し、各押圧シューをスラットに取り付ける
だけで、各押圧シューをスラットコンベヤの搬送方向に
沿って確実に同速度で移動させることができ、例えば、
各押圧シューをスラットに外嵌させるだけで、スラット
の長手方向に移動可能に取り付けることもでき、各押圧
シューの作動構造を大幅に簡素化することができる。

【０００９】請求項３に記載の発明によれば、前記押圧
シューが、そのスラット長手方向側の両側方に直交用押
圧面と斜交用押圧面とをそれぞれ備えているため、スラ
ットコンベヤの搬送方向に対して物品を右側へ押圧分岐
する場合と左側へ押圧分岐する場合とで、同じ押圧シュ
ーを使用することができる。つまり、上述したように、
物品をスラットコンベヤの搬送方向に対してほぼ直交す
る方向へ押圧分岐する場合と斜め前方へ向けて押圧分岐
する場合とで、同じ押圧シューを使用することができる
のに加えて、さらに、物品を右側へ押圧分岐する場合と
左側へ押圧分岐する場合においても、同じ押圧シューを
使用することができるので、押圧シューの共用化による
更なる量産が可能となり、より一層製造費のコストダウ
ンを図ることができる。

【００１０】請求項４に記載の発明によれば、スラット
コンベヤから分岐する複数の分岐径路が、スラットコン
ベヤの搬送方向に対してほぼ直交する方向へ分岐する直
交型分岐径路と、スラットコンベヤの搬送方向に対して
斜め前方へ向けて分岐する斜交型分岐径路とからなるた
め、スラットコンベヤを設置する建屋の条件や、各分岐
径路へ分岐した後の各物品の取り扱い上の条件などに応
じて、ひとつのスラットコンベヤに対して直交型分岐径
路と斜交型分岐径路とを混在させて、各種物品の搬送と
分岐作業とを多彩なレイアウトで実施することができ
る。そして、スラットコンベヤ上の物品を直交型分岐径
路に分岐する際には、直交用切換え手段によって、複数
の押圧シューをスラットコンベヤの搬送方向に沿うほぼ
直線状にし、前記直交用押圧面により各物品を確実に直
交型分岐径路へ押圧分岐でき、また、斜交型分岐径路に
分岐する際には、斜交用切換え手段によって、複数の押
圧シューをスラットコンベヤの搬送方向に対して順次斜
めに横切る状態にし、前記斜交用押圧面により各物品を
確実に斜交型分岐径路へ押圧分岐することができる。

【００１１】請求項５に記載の発明によれば、斜交用切
換え手段による切換えで物品に押圧作用させる押圧シュ
ーの個数が、直交用切換え手段による切換えで物品に押
圧作用させる押圧シューの個数よりも多くなるように構
成してあるので、斜交型分岐径路への物品の分岐移載を
良好に行うことができる。つまり、物品を直交型分岐径
路へ押圧分岐する際には、押圧シューに設けられた直交
用押圧面により物品の横側方を押圧してほぼ真横に押す
ため、物品がスラットコンベヤの搬送方向に対して遅れ
勝手になる可能性は少なく、そのため、物品に作用させ
る押圧シューの個数は、例えば、物品の横側方の長さに
対応する個数程度となる。しかし、斜交型分岐径路へ押
圧分岐する際には、押圧シューに設けられた斜交用押圧
面により物品を分岐径路側へ押圧するのに加えて、物品
の姿勢を斜交型分岐径路の径路方向に沿うように姿勢変
更する必要があるため、物品がスラットコンベヤの搬送
方向に対して遅れ勝手になる可能性がある。このような
場合にも、斜交型分岐径路へ押圧分岐する際に作用する
押圧シューの個数を直交型分岐径路へ押圧分岐する際に
作用する押圧シューの個数よりも若干多くすることによ
って対応可能となり、斜交型分岐径路への分岐移載も良
好に行うことができる。

【００１２】請求項６に記載の発明によれば、直交型分
岐径路と斜交型分岐径路とが、スラットコンベヤの搬送
方向に対して左右同一側に設けられているため、押圧シ
ューによる物品の押圧分岐動作が単純化され、かつ、直
交型分岐径路と斜交型分岐径路とが、多数のローラを備
えたローラコンベヤで構成されているため、押圧シュー
によって押圧分岐された物品をローラコンベヤによって
所望の箇所にまで搬送することができる。

【００１３】請求項７に記載の発明によれば、前記スラ
ットコンベヤが、複数の物品収納棚を有する自動倉庫へ
物品を搬入するための搬入用メインコンベヤであり、分
岐径路を構成するローラコンベヤが、前記搬入用メイン
コンベヤ上の物品を分岐して前記物品収納棚に搬入する
ための搬入用分岐コンベヤであるため、搬入用メインコ
ンベヤにより搬送されてきた物品をそのまま連続して搬
送しながら搬入用分岐コンベヤへ移載することができ、
自動倉庫への物品の搬入を効率良く行うことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明によるスラットコンベヤを
自動倉庫に適用した例を基に図面に基づいて説明する。
このような自動倉庫は、図１に示すように、一対の物品
収納棚１が、互いに間口を相対向させた状態で設置さ
れ、この対をなす物品収納棚１が複数対平行に設置さ
れ、各対の物品収納棚１の間には、物品収納棚１の間口
に沿って移動可能なスタッカークレーン２が設けられて
いる。各スタッカークレーン２には、出退可能なフォー
クを備えた昇降台が設けられ、スタッカークレーン２の
自走と昇降台の上下昇降、ならびに、フォークの出退作
動によって、各種の物品を収納したコンテナや段ボール
箱のような物品Ａを物品収納棚１の物品収納部に載置搬
入したり、物品収納部から搬出できるように構成されて
いる。

【００１５】各物品収納棚１の搬入側には、物品Ａを搬
入するための搬入用メインコンベヤとしてのスラットコ
ンベヤ３が設けられ、各対の物品収納棚１と搬入用スラ
ットコンベヤ３との間には、それぞれ搬入コンベヤ４が
設けられ、各搬入コンベヤ４の搬送方向終端部には、ス
タッカークレーン２との間で物品Ａを移載するための搬
入リフタ５が設けられている。前記搬入コンベヤ４に
は、図２に示すように、構造の異なる２種類の搬入コン
ベヤがあって、ひとつは搬入用スラットコンベヤ３の搬
送方向に対してほぼ直角に交差する方向に物品Ａを分岐
搬送する直交型分岐径路としての直交型搬入コンベヤ４
ａで、他のひとつは搬入用スラットコンベヤ３の搬送方
向に対して斜めに湾曲しながら物品Ａを分岐搬送する斜
交型分岐径路としての斜交型搬入コンベヤ４ｂである。

【００１６】すなわち、各物品Ａは、平面視において長
方形をなし、その長方形の物品Ａを物品収納棚１に収納
する際、原則として、スタッカークレーン２側から見て
縦向きにして収納するように構成されている。しかし、
自動倉庫の建屋の条件などにより、物品収納棚１を全て
同じ向きにし、各物品Ａを全て縦向きにして収納するこ
とが不利な場合がある。この実施形態の例では、図１に
示すように、建屋の中央に複数の柱Ｐがあるため、物品
Ａの全てを縦向きにして収納しようとすると、柱Ｐが邪
魔になって柱Ｐの近くに空間が生じ、その分だけ物品収
納棚１の個数が減ることになる。そこで、その空間を利
用して、物品Ａをスタッカークレーン２から見て横向き
にして収納する物品収納棚１ｂを一対設け、その一対の
物品収納棚１ｂの間にもスタッカークレーン２を設けて
あり、同じ理由から、建屋の右側の壁の近くにも、物品
Ａを横向きにして収納する物品収納棚１ｂを一対設けて
ある。

【００１７】このように、物品収納棚１には、物品Ａを
縦向きに収納する物品収納棚１ａと、横向きに収納する
物品収納棚１ｂとの２種類の棚があり、縦向きに収納す
る物品収納棚１ａへ物品Ａを搬入する搬入コンベヤが、
前記直交型搬入コンベヤ４ａに構成され、搬入用スラッ
トコンベヤ３により縦向きで搬送されてきた物品Ａを、
前記直交型搬入コンベヤ４ａによって横向きのまま搬送
するように構成されている。他方、物品Ａを横向きに収
納する物品収納棚１ｂへ搬入する搬入コンベヤの方は、
前記斜交型搬入コンベヤ４ｂで構成され、搬入用スラッ
トコンベヤ３により縦向きで搬送されてきた物品Ａを徐
々に姿勢変更し、物品Ａを縦向きにして搬送するように
構成されている。

【００１８】各物品収納棚１の搬出側には、物品Ａを搬
出するための搬出用スラットコンベヤ６が設けられ、各
対の物品収納棚１と搬出用スラットコンベヤ６との間に
は、それぞれ搬出コンベヤ７が設けられ、各搬出コンベ
ヤ７の搬送方向始端部には、スタッカークレーン２との
間で物品Ａを移載するための搬出リフタ８が設けられて
いる。搬出コンベヤ７にも２種類あって、図３に示すよ
うに、ひとつは物品Ａを横向きで搬送して搬出用スラッ
トコンベヤ６に対してほぼ直交する方向から物品Ａを横
向きのまま移載する直交型搬出コンベヤ７ａで、物品Ａ
を縦向きに収納する物品収納棚１ａに対応して設けられ
ている。他のひとつは物品Ａを縦向きで搬送して搬出用
スラットコンベヤ６に対して斜めに斜交しながら、物品
Ａの姿勢を徐々に搬出用スラットコンベヤ６に対して縦
向きになるように姿勢変更して移載する斜交型搬出コン
ベヤ７ｂであり、物品Ａを横向きにして収納する物品収
納棚１ａに対応して設けられている。

【００１９】前記搬入用スラットコンベヤ３と搬出用ス
ラットコンベヤ６とは、共に同じ構造であり、図４およ
び図５に示すように、搬送方向から見て左右一対のフレ
ーム９が設けられ、そのフレーム９の両端に駆動用スプ
ロケットと遊転スプロケットとが設けられていて、それ
ら両スプロケット間に左右一対の無端状のチェン１０が
巻き掛けられ、電動モータ１１によって駆動用スプロケ
ットを駆動することで、左右一対のチェン１０が、前記
フレーム９の上方において搬送方向に向けて回転駆動
し、フレーム９の下方において逆方向に回転駆動するよ
うに構成されている。左右一対のチェン１０間にわたっ
ては、複数本の細長いスラット１２が取り付けられ、各
スラット１２には、物品Ａを押圧して搬入コンベヤ４側
へ押圧分岐する押圧シュー１３が、各スラット１２に沿
って移動可能に外嵌され、各押圧シュー１３の下方に
は、ピン１４が突設されていて、そのピン１４にガイド
輪１５が遊転可能に取り付けられている。

【００２０】左右一対のフレーム９の内側には、図６お
よび図７に示すように、各押圧シュー１３のガイド輪１
５を案内する主ガイド１６が、チェン１０に沿う状態で
左右一対設けられ、その左右一対の主ガイド１６の上方
においては、図６に示すように、各直交型搬入コンベヤ
４ａに対応して、両主ガイド１６を斜めに連結する状態
で複数本の直交用分岐ガイド１７ａが設けられ、かつ、
図７に示すように、各斜交型搬入コンベヤ４ｂに対応し
て、両主ガイド１６を斜めに連結する状態で１本の斜交
用分岐ガイド１８ａが設けられている。さらに、主ガイ
ド１６の下方においては、両主ガイド１６を斜めに連結
する１本のリターンガイド１９（図４参照）が設けら
れ、したがって、左右一対の主ガイド１６のうち、一方
は無端状のチェン１０の全長に沿う状態で、他方は上方
に位置するチェン１０に沿って、かつ、リターンガイド
１９部分で終端するように設けられている。

【００２１】前記直交用分岐ガイド１７ａの近傍には、
主ガイド１６に案内されてきた複数のガイド輪１５を直
交用分岐ガイド１７ａ側に一挙に方向転換するため、複
数の方向転換部材１７ｃを備えた直交用方向転換具１７
ｂが設けられ、その直交用方向転換具１７ｂが、直交用
エアシリンダ２０により出退可能に構成されて、前記直
交用分岐ガイド１７ａや直交用方向転換具１７ｂなどに
よって、複数の押圧シュー１３を搬入用スラットコンベ
ヤ３の搬送方向に沿うほぼ直線状に切換える直交用切換
え手段１７が構成されている。同様に、斜交用分岐ガイ
ド１８ａの近傍には、主ガイド１６により案内されてき
た複数のガイド輪１５を斜交用分岐ガイド１８ａ側に順
次方向転換するための斜交用方向転換具１８ｂが、斜交
用エアシリンダ２１によって出退可能に構成されて、斜
交用分岐ガイド１８ａや斜交用方向転換具１８ｂなどに
よって、複数の押圧シュー１３を搬入用スラットコンベ
ヤ３の搬送方向に対して順次斜めに横切る状態に切換え
る斜交用切換え手段１８が構成されている。

【００２２】搬入用スラットコンベヤ３と搬出用スラッ
トコンベヤ６とは、上述のように構成されていて、駆動
用スプロケットによって左右一対のチェン１０が回転駆
動されると、各スラット１２とそれに外嵌の押圧シュー
１３もチェン１０と一緒に回転駆動され、スラット１２
上に載置された物品Ａを搬送する。そして、物品Ａを直
交型搬入コンベヤ４ａに移載する際には、図６の（ロ）
に示すように、直交用エアシリンダ２０によって直交用
方向転換具１７ｂが主ガイド１６側に突出され、その主
ガイド１６に沿って移動してきた複数のガイド輪１５を
支持するピン１４が、各方向転換部材１７ｃに接当して
案内され、複数のガイド輪１５が一挙に各直交用分岐ガ
イド１７ａ側に方向転換され、各スラット１２の搬送方
向への移動と各ガイド輪１５に対する直交用分岐ガイド
１７ａの案内作用により、図８に示すように、複数の押
圧シュー１３が、スラットコンベヤ３，６の搬送方向に
沿ってほぼ直線状になった状態で、物品Ａを押圧分岐し
て直交型搬入コンベヤ４ａに移載する。

【００２３】また、物品Ａを斜交型搬入コンベヤ４ｂに
移載する際には、図７の（ロ）に示すように、斜交用エ
アシリンダ２１によって斜交用方向転換具１８ｂが主ガ
イド１６側に突出され、その主ガイド１６に沿って移動
してきた複数のガイド輪１５を支持するピン１４が、斜
交用方向転換具１８ｂに接当して案内され、順次斜交用
分岐ガイド１８ａ側に方向転換され、各スラット１２の
搬送方向への移動と各ガイド輪１５に対する斜交用分岐
ガイド１８ａの案内作用により、図９に示すように、複
数の押圧シュー１３が、スラットコンベヤ３，６の搬送
方向に対して斜めに横切る状態で物品Ａを押圧分岐して
斜交型搬入コンベヤ４ｂに移載するのであり、直交型搬
入コンベヤ４ａや斜交型搬入コンベヤ４ｂへの移載に供
した押圧シュー１３は、その後、リターンガイド１９に
よって元の主ガイド１６側に戻される。

【００２４】このように、各押圧シュー１３は、直交型
搬入コンベヤ４ａと斜交型搬入コンベヤ４ｂへの分岐移
載とを兼用するため、各押圧シュー１３には、直交型搬
入コンベヤ４ａへの移載時に押圧作用する直交用押圧面
２２ａと、斜交型搬入コンベヤ４ｂへの移載時に押圧作
用する斜交用押圧面２２ｂとを備えている。より具体的
に説明すると、図１０に示すように、各押圧シュー１３
の直交用押圧面２２ａは、各スラットコンベヤ３，６の
搬送方向に沿う平面、つまり、各スラットコンベヤ３，
６によって縦向きで搬送されてくる物品Ａの横側面に接
当する平面で構成され、上述のように複数の押圧シュー
１３が、スラットコンベヤ３，６の搬送方向に沿ってほ
ぼ直線状になった状態で、各直交用押圧面２２ａが面一
になるように構成されている。他方、斜交用押圧面２２
ｂの方は、各スラットコンベヤ３，６の搬送方向に対し
て傾斜した平面、つまり、主ガイド１６に対する斜交用
分岐ガイド１８ａの傾斜角と同じ傾斜角を有する平面で
構成され、上述したように物品Ａがスラットコンベヤ
３，６に対して斜めに横切る姿勢になった状態で、各斜
交用押圧面２２ｂが物品Ａの横側面に接当して面一にな
るように構成されている。

【００２５】前記直交型搬入コンベヤ４ａ、斜交型搬入
コンベヤ４ｂ、ならびに、斜交型搬出コンベヤ７ｂは、
全て回転可能な複数のローラを備えたローラコンベヤで
構成され、斜交型搬入コンベヤ４ｂと斜交型搬出コンベ
ヤ７ｂとは、搬送方向が異なるだけで同じ構造であり、
図９に示すように、長さの異なる複数の斜交用ローラ２
３が、徐々に角度を変えながら大きく湾曲するように配
置され、かつ、各斜交用ローラ２３が、図外の電動モー
タによって互いに同期しながら回転駆動されるように構
成されている。それに対し、直交型搬入コンベヤ４ａの
方は、図８に示すように、長さの異なる複数の直交用ロ
ーラ２４が、急速に角度を変えるように配置されてい
て、これら直交用ローラ２４も図外の電動モータによっ
て互いに同期しながら回転駆動されるように構成されて
いる。

【００２６】前記直交型搬出コンベヤ７ａは、図１１に
示すように、複数の回転駆動式ローラを備えた第一ロー
ラコンベヤ２５と、同じく複数の回転駆動式ローラを備
えた第二ローラコンベヤ２６とを有し、第二ローラコン
ベヤ２６には、搬出用スラットコンベヤ６の搬送方向に
沿って移動し、物品Ａを押圧する横長の押圧部材２７設
けられ、かつ、その押圧部材２７には、押圧体２８が回
動可能に設けられ、突出姿勢において、押圧部材２７の
長手方向に沿って移動して物品Ａを押圧するように構成
されている。そして、第一ローラコンベヤ２５から物品
Ａが送られてくると、押圧部材２７が搬出用スラットコ
ンベヤ６の搬送方向に沿って移動し、かつ、その押圧部
材２７に沿って突出姿勢の押圧体２８が搬出用スラット
コンベヤ６側へ移動することにより、物品Ａは、図１１
中に矢印で示すように、第二ローラコンベヤ２６上を斜
めに横切って、かつ、搬出用スラットコンベヤ６の搬送
速度と同期した速度で搬出用スラットコンベヤ６上に移
載されるように構成されている。

【００２７】以上のような構成からなる自動倉庫の作動
は、全てマイクロコンピュータ利用の制御装置Ｈによっ
て制御される。制御装置Ｈは、図１２に示すように、各
スタッカークレーン２を制御するスタッカークレーン用
制御部Ｈ１と通信可能に構成され、操作装置２９からの
指令に基づいて、各スラットコンベヤ３，６の直交用エ
アシリンダ２０や斜交用エアシリンダ２１などを制御し
て、直交用切換え手段１７や斜交用切換え手段１８の切
換え制御などを実行する。

【００２８】前記制御装置Ｈによる自動倉庫の制御作動
について説明すると、物品Ａを搬入する場合には、その
搬入する物品Ａに関する情報を操作装置２９に入力す
る。すると、その入力情報に基づいて、制御装置Ｈが、
物品Ａを搬入する物品収納棚１とその物品収納部とを選
定し、搬入用スラットコンベヤ３により搬送されてきた
物品Ａが、搬入すべき物品収納棚１に対応する搬入コン
ベヤ４に対して所定の位置に至ると、図外の在荷検出手
段からの信号に基づいて切換え手段１７，１８を切換え
制御する。つまり、その搬入コンベヤ４が、直交型搬入
コンベヤ４ａであれば、直交用エアシリンダ２０によっ
て直交用方向転換具１７ｂを主ガイド１６側に突出させ
る。すると、上述したように所定数の押圧シュー１３の
ガイド輪１５、この実施形態では４つのガイド輪１５
が、主ガイド１６から直交用分岐ガイド１７ａ側に方向
転換され、４個の押圧シュー１３が、搬入用スラットコ
ンベヤ３の搬送方向に沿った状態で、物品Ａを押圧して
直交型搬入コンベヤ４ａに分岐移載する。斜交型搬入コ
ンベヤ４ｂであれば、斜交用エアシリンダ２１によって
斜交用方向転換具１８ｂを主ガイド１６側に突出させ、
直交型搬入コンベヤ４ａの場合よりも多い個数、この実
施形態では６個の押圧シュー１３を搬入用スラットコン
ベヤ３の搬送方向に対して順次斜めに横切る状態で移動
させ、物品Ａを押圧して斜交型搬入コンベヤ４ｂに分岐
移載する。

【００２９】物品Ａが搬入リフタ５上に至ると、在荷検
出手段からの信号に基づいて搬入リフタ５を上昇させ
て、スタッカークレーン２のフォークで物品Ａを掬い取
る。その後、スタッカークレーン２のフォークを退避さ
せて、物品Ａをスタッカークレーン２の昇降台上に移載
し、スタッカークレーン２の自走と昇降台の上下昇降、
ならびに、フォークの出退作動によって、物品Ａを物品
収納棚１の物品収納部に載置するのであり、その物品収
納棚１が物品Ａを縦向きに収納する物品収納棚１ａであ
れば、物品Ａを縦向きにして、横向きに収納する物品収
納棚１ｂであれば、物品Ａを横向きにしてそれぞれ収納
し、物品Ａの搬入作業を終了する。

【００３０】物品Ａを搬出する場合には、搬出する物品
Ａに関する情報を操作装置２９に入力すると、その入力
情報に基づいて、制御装置Ｈが、搬出する物品Ａが収納
されている物品収納棚１とその物品収納部とを選定す
る。すると、上述した搬入作業とは逆に、スタッカーク
レーン２が、選定された物品収納棚１の物品収納部から
物品Ａを搬出して、搬出リフタ８上に移載する。その
後、搬出リフタ８を下降させて搬出コンベヤ７上に移載
するのであり、その搬出コンベヤ７が直交型搬出コンベ
ヤ７ａであれば、第二ローラコンベヤ２６に設けた図外
の在荷検出手段からの信号に基づいて、押圧部材２７と
押圧体２８とを作動させ、物品Ａを搬出用スラットコン
ベヤ６の搬送速度と同期させた状態で搬出用スラットコ
ンベヤ６上に搬出する。搬出コンベヤ７が斜交型搬出コ
ンベヤ７ｂであれば、物品Ａの姿勢を徐々に変更しなが
ら搬出用スラットコンベヤ６上に搬出し、いずれの場合
にも、各物品Ａは、搬出用スラットコンベヤ６に対して
縦向きにして搬出されるのであり、その後、物品Ａは、
搬出用スラットコンベヤ６に設けられた直交用切換え手
段１７や斜交用切換え手段１８の切換え作動で、所定の
箇所の搬出されて搬出作業を終了する。

【００３１】〔別実施形態〕 （１）先の実施形態においては、各押圧シュー１３の一
側方にのみ、直交用押圧面２２ａと斜交用押圧面２２ｂ
とを設けた構成を示したが、図１３に示すように、各押
圧シュー１３の両側方に、つまり、各押圧シュー１３が
移動するスラット１２の長手方向側の両側方に、それぞ
れ直交用押圧面２２ａと斜交用押圧面２２ｂとを設ける
こともできる。このような構成であれば、スラットコン
ベヤの搬送方向に対して右側に物品Ａを押圧する場合で
あっても、左側に物品Ａを押圧する場合であっても、共
通の押圧シュー１３を使用することができ、押圧シュー
１３の量産による一層のコストダウンが可能となり、か
つ、同じスラットコンベヤにおいて、物品Ａを右側に押
圧したり、左側に押圧したりすることができる。

【００３２】（２）これまでの実施形態においては、各
押圧シュー１３をスラット１２に移動可能に外嵌して、
各押圧シュー１３をスラット１２と同速度で移動させる
構成を示したが、スラットコンベヤ３，６を駆動するチ
ェン１０に加えて、押圧シュー１３をスラットコンベヤ
３，６の搬送方向に沿って同速度で駆動する別のチェン
を設け、その別のチェンによって各押圧シュー１３を移
動させ、かつ、その押圧シュー１３をスラット１２の長
手方向へ移動可能に構成することもできる。

【００３３】（３）ひとつのスラットコンベヤ３，６に
対して、直交用分岐径路４ａと斜交用分岐径路４ｂとを
混在させた例を示したが、分岐径路の全てを直交用分岐
径路４ａで構成することも、分岐径路の全てを斜交用分
岐径路４ｂで構成することも可能である。

【００３４】（４）スラットコンベヤ３，６から分岐す
る分岐径路４ａ，４ｂの全てを、スラットコンベヤ３，
６の左右同一方向に設けた例を示したが、分岐径路４
ａ，４ｂをスラットコンベヤ３，６の左側と右側とに振
り分けて設けることもできる。

【００３５】（５）前記分岐径路４ａ，４ｂの一例とし
て、ローラコンベヤを示したが、ローラコンベヤ以外に
も、チェンコンベヤやベルト式のコンベヤなど、各種の
コンベヤに置き換えることもでき、さらに、傾斜板など
からなるシュートによって分岐径路を構成することもで
きる。

【００３６】（６）スラットコンベヤ３，６の用途とし
ては、特に自動倉庫に限るものではなく、各種物品の仕
分け用など、種々の用途に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動倉庫の全体平面図

【図２】搬入用メインコンベヤと搬入コンベヤの斜視図

【図３】搬出用メインコンベヤと搬出コンベヤの斜視図

【図４】スラットコンベヤの断面図

【図５】スラットコンベヤの一部切欠き斜視図

【図６】スラットコンベヤのガイドレールの平面図

【図７】スラットコンベヤのガイドレールの平面図

【図８】搬入用メインコンベヤと搬入コンベヤの平面図

【図９】搬入用メインコンベヤと搬入コンベヤの平面図

【図１０】押圧シューの詳細図

【図１１】搬出用メインコンベヤと搬出コンベヤの平面
図

【図１２】制御装置の概略ブロック図

【図１３】押圧シューの別実施形態の詳細図

【符号の説明】

１ 物品収納棚 ３ 搬入用メインコンベヤとしてのスラットコン
ベヤ ４ａ 搬入用分岐コンベヤとしての直交型分岐径路 ４ｂ 搬入用分岐コンベヤとしての斜交型分岐径路 ６ スラットコンベヤ １２ スラット １３ 押圧シュー １７ 直交用切換え手段 １８ 斜交用切換え手段 ２２ａ 直交用押圧面 ２２ｂ 斜交用押圧面 Ａ 物品

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を載置して搬送する多数のスラット
   が、その搬送方向に沿って並設され、前記スラットと同
   速度で前記搬送方向へ移動し、かつ、前記スラットの長
   手方向へ移動しながら前記物品を押圧する多数の押圧シ
   ューを前記搬送方向に並べて備えたスラットコンベヤで
   あって、 前記押圧シューが、前記物品をスラットコンベヤの搬送
   方向に対してほぼ直交する方向へ押圧するための直交用
   押圧面と、前記スラットコンベヤの搬送方向に対して斜
   め前方へ向けて押圧するための斜交用押圧面とを備えて
   いるスラットコンベヤ。
2. 【請求項２】 前記押圧シューが、前記スラットの長手
   方向へ移動可能な状態で前記スラットに取り付けてある
   請求項１に記載のスラットコンベヤ。
3. 【請求項３】 前記押圧シューが、そのスラット長手方
   向側の両側方に前記直交用押圧面と斜交用押圧面とをそ
   れぞれ備えている請求項１または２に記載のスラットコ
   ンベヤ。
4. 【請求項４】 前記スラットコンベヤが、その横側方に
   スラットコンベヤから分岐する複数の分岐径路を備え、
   その複数の分岐径路が、前記スラットコンベヤの搬送方
   向に対してほぼ直交する方向へ分岐する直交型分岐径路
   と、前記スラットコンベヤの搬送方向に対して斜め前方
   へ向けて分岐する斜交型分岐径路とからなり、前記物品
   を直交型分岐径路に分岐する際に、複数の押圧シューを
   スラットコンベヤの搬送方向に沿うほぼ直線状にして前
   記直交用押圧面により物品を押圧分岐する状態に切換え
   る直交用切換え手段と、前記斜交型分岐径路に分岐する
   際に、複数の押圧シューをスラットコンベヤの搬送方向
   に対して順次斜めに横切る状態にして前記斜交用押圧面
   により物品を押圧分岐する状態に切換える斜交用切換え
   手段とを備えている請求項１〜３のいずれか１項に記載
   のスラットコンベヤ。
5. 【請求項５】 前記斜交用切換え手段による切換えで前
   記物品に押圧作用させる押圧シューの個数が、前記直交
   用切換え手段による切換えで前記物品に押圧作用させる
   押圧シューの個数よりも多くなるように構成してある請
   求項４に記載のスラットコンベヤ。
6. 【請求項６】 前記直交型分岐径路と斜交型分岐径路と
   が、前記スラットコンベヤの搬送方向に対して左右同一
   側に設けられ、かつ、前記直交型分岐径路と斜交型分岐
   径路とが、多数のローラを備えたローラコンベヤで構成
   されている請求項４または５に記載のスラットコンベ
   ヤ。
7. 【請求項７】 前記スラットコンベヤが、複数の物品収
   納棚を有する自動倉庫へ前記物品を搬入するための搬入
   用メインコンベヤであり、前記分岐径路を構成するロー
   ラコンベヤが、前記搬入用メインコンベヤ上の物品を分
   岐して前記物品収納棚に搬入するための搬入用分岐コン
   ベヤである請求項６に記載のスラットコンベヤ。