JPH11156199A - シラン化合物の不均化反応生成物の製造方法 - Google Patents

シラン化合物の不均化反応生成物の製造方法

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JPH11156199A
JPH11156199A JP9322750A JP32275097A JPH11156199A JP H11156199 A JPH11156199 A JP H11156199A JP 9322750 A JP9322750 A JP 9322750A JP 32275097 A JP32275097 A JP 32275097A JP H11156199 A JPH11156199 A JP H11156199A
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勘治 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シラン化合物の製造方法において、耐熱温度、
価格、活性のすべてを満足させ、且つ、反応物と分離し
易い固体型の触媒を用いた製造方法の開発。 【解決手段】臭化テトラオクチルアンモニウムのよう
な、第四級アンモニウム化合物を、シリカ等の担体に担
持した触媒を使用し、これに、トリクロロシランのよう
な、水素化ハロゲン化シランを接触させ、不均化反応を
起こさせることにより、ジクロロシランやモノシランの
ようなシラン化合物の不均化反応生成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種シラン化合物
の不均化反応生成物の製造方法に関する。より具体的に
は、トリクロロシラン等の水素化ハロゲン化シランを原
料とし、特定の触媒の存在下に不均化反応させることに
より、モノシラン等のシラン化合物の不均化反応生成物
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モノシラン、ジクロロシラン、及びその
他のシラン化合物は、電子材料の分野で重要な化合物で
あり、近年急激に需要が増大してきている。
【0003】これらの化合物の製造方法としては、様々
な方法が知られているが、水素化ハロゲン化シランを不
均化して目的とするシラン化合物を含む多くの不均化反
応生成物を得、その中から目的の化合物を蒸留等の手段
により分別して得る方法が、最も経済的であるとされ
る。
【0004】水素化ハロゲン化シランの不均化反応と
は、該水素化ハロゲン化シランの分子間で、水素とハロ
ゲンを交換することにより、各々反応物質とは異なる化
合物を生成させる反応である。新しく生成した化合物
が、更に同様の交換反応を繰り返すので、反応系は数種
類のシラン化合物からなる混合組成となる。
【0005】例としてトリクロロシランの不均化を説明
する。ある適当な触媒の存在下では、下式のように、ま
ずトリクロロシラン同士が水素と塩素を交換し合い、ジ
クロロシランと四塩化珪素を生成する。ジクロロシラン
は同様にモノクロロシランとトリクロロシランを生成す
る。モノクロロシランも同様に、モノシランとジクロロ
シランを生成する。これらの反応が繰り返され、系はモ
ノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリク
ロロシラン、四塩化珪素の5成分からなる混合組成とな
る。
【0006】
【化1】
【0007】例えば、目的物がモノシランであれば、こ
の混合組成物の中から、蒸留などの方法によって分別す
れば良い。なお、この反応は平衡反応なので、十分な時
間の後に、系内は平衡組成に到達する。但し、目的物を
分別して得る際に、必ずしも系が平衡組成に達している
必要はない。
【0008】水素化ハロゲン化シランの不均化反応に使
用する触媒に関しては、多くの技術が特許等にて開示さ
れている。例えば、特公昭63−16328号公報で
は、第四級アンモニウム塩を液相均一系で溶剤に溶解し
て使用する方法が述べられており、一方、特開昭47−
12569号公報には、陰イオン交換樹脂を固体不均一
系触媒として使用する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
63−16328号公報で示されているような、均一系
で行う方法は、触媒と反応物が分離し難い点が課題とな
っている。一方、特開昭47−12569号公報のよう
な、陰イオン交換樹脂を触媒として用いる方法は、反応
物質と触媒との分離が容易であるという利点はあるが、
陰イオン交換樹脂は耐熱温度が低く、高価であるという
問題がある。
【0010】これらの問題を解決すべく、特開昭61−
187937号公報では、アミン類として第1級、第2
級、及び第3級アミンをシリカゲルに担持した触媒を使
用する方法が示されている。しかし、第1級、第2級、
及び第3級アミンをシリカゲルに担持したこの触媒は、
触媒活性が低く、十分に不均化反応を進行させるために
は、長時間反応物と触媒とを接触させる必要があった。
【0011】従って、触媒と反応物を分離し易い固体型
であって、且つ、耐熱温度、価格、活性のすべてを満足
させる触媒の開発が必要であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意研究を重ねた結果、第4級アンモニウム化
合物を担体上に担持した触媒を使用することによって、
水素化ハロゲン化シランの不均化反応を効率よく進行さ
せることができることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0013】即ち、本発明は、水素化ハロゲン化シラン
を、第四級アンモニウム化合物が担体に担持された触媒
に接触させて不均化することを特徴とするシラン化合物
の不均化反応生成物の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用される、水素
化ハロゲン化シランは、珪素に結合した水素原子及びハ
ロゲン原子を各々少なくとも一つ有するシラン化合物で
ある。かかる水素化ハロゲン化シランとしては、一般に
は、下記の一般式1で表される化合物が使用される。
【0015】 Y(4-m-n)SiHnm (1) ここで、Yはアルキル基またはフェニル基を表し、Xは
ハロゲンを表す。また、m及びnは1以上3以下の整数
で且つm+nは4以下である。アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等の炭素
数1〜4のものが好ましい。具体例としては、トリクロ
ロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、メチル
ジクロロシラン、メチルモノクロロシラン、ジメチルモ
ノクロロシラン、エチルジクロロシラン、エチルモノク
ロロシラン、ジエチルモノクロロシラン、フェニルジク
ロロシラン、フェニルモノクロロシラン、ジフェニルモ
ノクロロシラン及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0016】これらのうち、下記の一般式2 SiHnm (2) で表されるトリクロロシラン、ジクロロシラン、モノク
ロロシランから選ばれる化合物、またはこれらの混合物
が特に好適である。
【0017】なお、モノシランやメチルシランのよう
な、珪素原子に結合したハロゲン原子を有さない水素化
シラン、及び、四塩化珪素やメチルトリクロロシランの
ような、珪素原子に結合した水素原子を有さないハロゲ
ン化シランは、それ単独では不均化反応を起こさない。
しかし、上記の水素化ハロゲン化シランと共存する場合
は、不均化反応に関与し、対応した混合組成物を与え
る。従って、本発明では、原料として、水素化ハロゲン
化シランを用いる他、これらのものと上記ハロゲン化シ
ランや水素化シランとを混合して用いても良い。
【0018】本発明において触媒成分である第四級アン
モニウム化合物は、公知のものが制限なく使用される。
アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素
残基としては、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒ
ドロキシアルキル基及びアリールアルキル基などが好ま
しく、これらは各々同種または異種であっても良い。ア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ドデシル、トリデシル、ヘキサデシル、及
びオクタデシルのようなアルキル基が挙げられる。ハロ
ゲン化アルキル基としては、クロロメチル、ジクロロメ
チル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチ
ル、トリブロモメチル、2−クロロエチル、及び2−ブ
ロモエチル等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基とし
ては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル等が挙
げられ、アリールアルキル基としては、ベンジル基、フ
ェネチル基等が挙げられる。なお、第四級アンモニウム
化合物は、窒素原子に、上記のような一価の炭化水素残
基と共にアルキレン基等の多価の炭化水素残基が結合
し、該多価の炭化水素残基を介して複数の第四級アンモ
ニウム基が分子内に存在する多価の第四級アンモニウム
化合物であっても良い。
【0019】また、第四級アンモニウム化合物を構成す
る陰イオンとしては、特に制限はないが、塩素イオン、
臭素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン
のような無機酸基イオン;酢酸イオン、シュウ酸イオ
ン、マロン酸イオン、コハク酸イオンのようなカルボン
酸基イオン;及び水酸イオンなどが挙げられる。
【0020】本発明において、特に良好に使用される第
四級アンモニウム化合物は、アンモニウムイオン中心の
窒素原子に結合する炭化水素残基が、各々同種または異
種のアルキル基であり、その対陰イオンが、無機酸基イ
オンまたは水酸イオンであるテトラアルキルアンモニウ
ム化合物である。さらに、このテトラアルキルアンモニ
ウム化合物において、アルキル基としては、炭素数4〜
18、より好ましくは炭素数4〜12のものが好適であ
る。一方、無機酸基イオンは、硫酸イオン、硫酸水素イ
オン、硝酸イオン、塩素イオン、臭素イオンがより好適
である。
【0021】これらの第四級アンモニウム化合物の具体
例としては、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テト
ラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニ
ウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、硝酸テトラブチ
ルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩
化テトラヘキシルアンモニウム、臭化テトラヘキシルア
ンモニウム、硫酸水素テトラヘキシルアンモニウム、硫
酸テトラヘキシルアンモニウム、硝酸テトラヘキシルア
ンモニウム、水酸化テトラヘキシルアンモニウム、塩化
テトラオクチルアンモニウム、臭化テトラオクチルアン
モニウム、硫酸水素テトラオクチルアンモニウム、硫酸
テトラオクチルアンモニウム、硝酸テトラオクチルアン
モニウム、水酸化テトラオクチルアンモニウム、塩化テ
トラデシルアンモニウム、臭化テトラデシルアンモニウ
ム、硫酸水素テトラデシルアンモニウム、硫酸テトラデ
シルアンモニウム、硝酸テトラデシルアンモニウム、水
酸化テトラデシルアンモニウム、塩化テトラドデシルア
ンモニウム、臭化テトラドデシルアンモニウム、硫酸水
素テトラドデシルアンモニウム、硫酸テトラドデシルア
ンモニウム、硝酸テトラドデシルアンモニウム、水酸化
テトラドデシルアンモニウム、塩化トリデシルメチルア
ンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、硫
酸デシルトリメチルアンモニウム、及び、硫酸水素ジド
デシルジメチルアンモニウムなどが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0022】本発明の触媒に使用される、担体は、一般
に触媒用担体として用いられるものであれば、特に制限
されない。具体的には、シリカ、アルミナ、活性炭、シ
リカアルミナ、ゼオライト等が挙げられる。これら担体
は、表面積が10〜2000m2/gで、形状やサイズに制限はな
い。
【0023】本発明において触媒用担体は、特に、シリ
カが触媒活性の発現が大きくなり好適に用いられる。こ
れらのシリカは、通常、細孔容積が0.1〜10ml/gであ
り、平均細孔径が0.5〜200nmのものが好適に使用され
る。
【0024】本発明に使用される触媒の調製方法は、特
に限定されるものではないが、通常の含浸法を用いれば
良い。触媒原料の第四級アンモニウム化合物を所定量、
適当な溶剤に溶解し、所定量の担体を含浸させ、加熱も
しくは減圧により溶剤を除去する方法が一般的である。
【0025】本発明に使用される触媒の特徴は、第四級
アンモニウム化合物の担持量が多いほど高活性であり、
担持量が少なければ活性は低い。しかし、担体に担持さ
せる量は、あまり多すぎても反応中に脱落する等の問題
が生じることがある。好適な担持量は、第四級アンモニ
ウム化合物の種類や、担体の種類によって異なる。しか
しあえて一般化した数値で表すならば、第四級アンモニ
ウム化合物の担持量は、担体1g当たり、窒素原子換算
で、0.01〜10ミリ当量の範囲であることが望ましい。よ
り好適には0.05〜8ミリ当量の範囲であることが望まし
い。
【0026】本発明において不均化反応は、原料の水素
化ハロゲン化シランを、触媒と接触させることにより実
施される。接触の方法は特に制限されない。回分式で
も、流通式でも良い。また、気相でも液相でも良い。さ
らに、反応原料と共に稀釈媒体として不活性ガスや溶媒
を用いても良い。
【0027】本発明を最も有効に実施するためには、触
媒を固定床とする流通式反応が望ましい。この反応は、
減圧から加圧まで幅広い反応条件で行うことができる
が、反応の効率と装置の安全性を考慮すれば、300mmHg
〜100気圧で行うことが望ましく、より好適には、常圧
〜60気圧で行うことが望ましい。また、反応温度に関し
ても、幅広い範囲で反応が可能であるが、反応を速やか
に進行させるためには、0℃以上であることが望まし
く、触媒の安定性を考慮すれば、400℃以下が望まし
い。より好ましくは、40〜250℃の範囲で反応を行うこ
とが望ましい。
【0028】接触時間(原料が触媒層を通過するのに要
する時間)は、反応系が平衡組成にほぼ到達する程度に
設定することが望ましい。接触時間が短すぎる場合、十
分に不均化反応が進行していないため、目的物の収率が
低くなる。接触時間が必要以上に長い場合、平衡組成に
十分到達しているために、原料に対する目的物の収率は
変わらないが、平衡組成以上に目的物の割合が増加する
ことは有り得ず、結果として単位時間当たりの目的物の
収量が少なくなる。適当な接触時間は、反応温度や圧
力、原料、触媒、及びその他の要素によって異なるが、
一般には0.01〜300秒から採択される。
【0029】本発明の製造方法によれば、原料の水素化
ハロゲン化シランは、上記不均化反応により、多くの不
均化反応生成物を生成する。従って、その混合組成物の
中から、必要な成分を、蒸留などの一般的な方法を用い
て分別し、取得すれば良い。特に、本発明では、原料の
水素化ハロゲン化シランとして、トリクロロシラン、ジ
クロロシラン、及びモノクロロシランから選ばれる少な
くとも一種を、必要により四塩化珪素と混合して用い、
不均化反応生成物として、上記水素化ハロゲン化シラン
よりも高次に水素化されたシラン化合物を取得するのが
好ましい。
【0030】特に、水素化ハロゲン化シランとして、ト
リクロロシランまたはジクロロシランを用い、モノシラ
ンを取得するのが好適である。この場合を図1によって
説明する。
【0031】原料のトリクロロシランは、ドラム8より
不均化反応器1、例えば流動床式又は固定床式の反応器
に供給され、第四級アンモニウム化合物をシリカ等に担
持した触媒と接触される。それにより、各種のシラン化
合物、例えばモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロ
シラン、トリクロロシラン及び四塩化珪素の混合組成系
が形成されるが、この時点では目的物であるモノシラン
の含有率は低い。反応器1で生成した混合組成物は、次
工程である分別装置、例えば蒸留塔3へと送られる。蒸
留塔3からは、ジクロロシランを中心とする低沸点成分
が、パイプライン6よりドラム9へと移送され、蓄積さ
れる。ドラム9に蓄積された成分は、2段目の不均化反
応器2へと送られ、同様に触媒と接触されて混合組成物
を生成する。この時点では目的物のモノシランは十分分
別可能な割合で含有されていることが好ましい。この混
合組成物は2段目の蒸留塔4へと送られ、パイプライン
7より、モノシランが取得される。蒸留塔3,4の低部
から排出された残余のシラン組成物は、原料回収用蒸留
塔5を経て、トリクロロシラン及びジクロロシランのよ
うにモノシランの原料となり得る成分はドラム8へと回
収され、不均化反応に供される。蒸留塔5の低部から
は、四塩化珪素が排出される。かくすることにより、結
局、原料としてトリクロロシランを用い生成物としてモ
ノシランを得ることが可能となる。
【0032】無論、モノシラン以外のシラン化合物、例
えばジクロロシランを目的物とする場合には、例えば分
別工程として蒸留を採用する場合であれば、蒸留条件を
変更することにより目的物であるジクロロシランのみを
分取し、より高沸点、もしくは低沸点の残余シラン化合
物を不均化反応器へ循環する。このようにして、不均化
反応生成物のいずれかの一種、又は二種以上のシラン化
合物をも、目的物として取得することができるのであ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、従来の方法
に比べ、より短い接触時間でシラン化合物の製造を行う
ことができる。即ち、本発明の触媒を使用すれば、反応
速度が高いため、十分に不均化反応を進行させるために
必要な接触時間が、従来のものに比べて短く設定でき
る。従って、同じ触媒量ならば、従来方法に比べ、単位
時間当たりの収量がより多くできる。逆に、同じ収量を
得るためには、触媒量がより少なくて済む。
【0034】
【実施例】本発明を、具体例を用いて説明する。
【0035】(触媒調製)表1に示す触媒を調製した。
各種の第四級アンモニウム化合物を、メタノール、ヘキ
サン、或いは水など、各々が溶解性の良い適当な溶媒に
溶解し、そこにシリカを加えて、80℃で乾燥すること
によって調製した。シリカは、西尾工業社製のIDゲル
(粒子径100〜500μm,表面積310m2/g, 細孔容積1.2ml/
g, 平均細孔径15nm)を用いた。担体1gに対する担持量
が窒素換算で1.0ミリ当量となるように、第四級アンモ
ニウム化合物の量と、シリカゲルの量を調節した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1 内径13mmのガラス製反応管に、表1の触媒C01を1ml(0.3
5g)充填し、80℃に加熱した。ここに、トリクロロシラ
ンとヘリウムの5:1混合ガスを、120, 60, 30及び12ml/m
inで流通させた。この時のトリクロロシランの触媒への
接触時間は、それぞれ、0.5, 1.0, 2.0, 5.0秒であっ
た。反応は常圧で行った。
【0038】触媒層を通過後のガスを、ガスクロマトグ
ラフィーで分析し、各接触時間におけるトリクロロシラ
ンの転化率を求め、その値を平衡時の転化率、22.7%で
除した。こうして求めた値を、各接触時間における平衡
到達率とした。平衡到達率が80%以上であれば、次工程
である分別工程へと移行させた。結果は、表2に示した
ように、接触時間0.5秒で平衡到達率は91%と、80%を超
えていた。尚、接触時間5.0秒における触媒層通過後の
ガス組成は、 モノシラン;0.1mol% モノクロロシラン;0.5mol% ジクロロシラン;10.8mol% トリクロロシラン;77.3mol% 四塩化珪素;11.3mol% であった。この組成は80℃におけるトリクロロシランの
不均化反応の平衡組成に一致した。
【0039】実施例2〜15 表1に示した触媒の中から14種類を選択し、実施例1に
準じて反応を行った。結果を表2に示した。表2から明
らかなように、いずれの場合も、接触時間0.5秒におい
て、平衡転化率は80%以上であった。
【0040】
【表2】
【0041】実施例16 内径13mmのガラス製反応管に、表1の触媒C02を1ml(0.3
5g)充填し、80℃に加熱した。ここに、ジクロロシラン
とヘリウムの5:1混合ガスを、120, 60, 30及び12ml/min
で流通させた。この時のジクロロシランの触媒への接触
時間は、それぞれ、0.5, 1, 2, 5秒であった。反応は常
圧で行った。
【0042】触媒層を通過後のガスを、ガスクロマトグ
ラフィーで分析し、各接触時間におけるトリクロロシラ
ンの転化率を求め、その値を平衡時の転化率、65.0%で
除すことにより、各接触時間における平衡到達率を算出
した。結果は、表3に示したように、接触時間0.5秒で
平衡到達率は90%と、80%を超えていた。尚、接触時間5.
0秒における触媒層通過後のガス組成は、 モノシラン;13.7mol% モノクロロシラン;10.6mol% ジクロロシラン;35.0mol% トリクロロシラン;39.7mol% 四塩化珪素;0.9mol% であった。この組成は80℃におけるジクロロシランの不
均化反応の平衡組成に一致した。
【0043】実施例17〜30 表1に示した触媒の中から14種類を選択し、実施例16
に準じて反応を行った。結果を表3に示す。表3から明
らかなように、いずれの場合も、接触時間0.5秒におい
て、平衡転化率は80%以上であった。
【0044】
【表3】
【0045】実施例31〜36 表4に示す、担持量の異なる触媒を用いて、実施例1に
準じて反応を行った。触媒活性の差異を明確にするた
め、接触時間0.2秒における測定も行った。結果を表5
に示す。表5から明らかなように、担持量が多いほど活
性は高かった。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】実施例37 実施例16に準じて、ジクロロシランの代わりに、ジク
ロロシランとトリクロロシランの2:1混合物を用いて反
応を行った。接触時間5.0秒において、触媒層通過後の
ガス組成は、 モノシラン;7.1mol%モノクロロシラン ;7.5mol% ジクロロシラン;32.8mol% トリクロロシラン;51.0mol% 四塩化珪素;1.6mol% であった。これは、この原料を用いた場合の平衡組成に
一致した。
【0049】実施例38 実施例16に準じて、ジクロロシランの代わりに、ジク
ロロシランと四塩化珪素の2:1混合物を用いて反応を行
った。接触時間5.0秒において、触媒層通過後のガス組
成は、 モノシラン;2.5mol% モノクロロシラン;4.0mol% ジクロロシラン;26.8mol% トリクロロシラン;63.7mol% 四塩化珪素;3.1mol% であった。これは、この原料を用いた場合の平衡組成に
一致した。
【0050】実施例39〜43 硫酸水素テトラヘキシルアンモニウムを、3種類のシリ
カと1種類の活性炭、及び1種類のアルミナに担持させ
た触媒を各々調製した。担持量は、すべて担体1gに対し
1.0ミリ当量となるようにした。表6に各担体の物性等
をまとめた。これらの触媒を用いて、実施例16に準じ
て反応を行った。
【0051】結果を表7に示した。表7から明らかなよ
うに、物性の異なる3種類のシリカを担体として用いた
実施例39〜41は、殆ど活性に差がなかった。また、
シリカ、活性炭及びアルミナを担体として用いた場合を
比較すると、シリカを用いた場合が最も高活性であっ
た。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】比較例1 触媒として、ローム&ハースト社製の陰イオン交換樹脂
アンバーリストA-21(イオン交換容量;4.6meq/g)を使
用して、実施例16に準じて反応を行った。結果を表8
に示した。表8から、平衡到達率が80%以上となるため
には、接触時間が2.0秒以上必要であることが分かっ
た。
【0055】比較例2〜4 前出のシリカ(IDゲル)に、ヘキシルアミン(HxNH
2)、ジヘキシルアミン(Hx2NH)、トリヘキシルア
ミン(Hx3N)を各々担持した触媒を調製した。担持
量はいずれも担体1gに対しアミン類が1.0ミリ当量とな
るようにした。これらの触媒を用いて、実施例16に準
じて反応を行った。結果を表8に示した。実施例19
(臭化テトラヘキシルアンモニウムを担持した触媒。表
3より)と比較すれば、1〜3級のアミンを用いるより
も第4級アンモニウム化合物を用いた方が高活性である
ことが分かった。
【0056】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を実施するための製造プロセス
の代表的態様を示す概略図である。
【符号の説明】 1,2;不均化反応器 3,4,5;蒸留塔 6,7;パイプライン 8,9;ドラム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素化ハロゲン化シランを、第四級アンモ
    ニウム化合物が担体に担持された触媒に接触させて不均
    化することを特徴とするシラン化合物の不均化反応生成
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】担体がシリカであることを特徴とする請求
    項1記載のシラン化合物の不均化反応生成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】第四級アンモニウム化合物の担体への担持
    量が、担体1g当たり、窒素原子換算で0.01〜10ミリ当量
    であることを特徴とする請求項1記載のシラン化合物の
    不均化反応生成物の製造方法。
  4. 【請求項4】第四級アンモニウム化合物が、アンモニウ
    ムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基が、各
    々同種または異種のアルキル基であり、その対陰イオン
    が、無機酸基イオンまたは水酸イオンであるテトラアル
    キルアンモニウム化合物であることを特徴とする請求項
    1記載のシラン化合物の不均化反応生成物の製造方法。
  5. 【請求項5】第四級アンモニウム化合物が担体に担持さ
    れてなる水素化ハロゲン化シランの不均化反応用触媒。
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CN102264642A (zh) * 2008-12-25 2011-11-30 株式会社德山 氯硅烷的制造方法

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