JP3865904B2 - シラン化合物の不均化反応生成物の製造方法 - Google Patents

シラン化合物の不均化反応生成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種シラン化合物の不均化反応生成物の製造方法に関する。より具体的には、トリクロロシラン等の水素化ハロゲン化シランを原料とし、特定の触媒の存在下に不均化反応させることにより、モノシラン等のシラン化合物の不均化反応生成物を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モノシラン、ジクロロシラン、及びその他のシラン化合物は、電子材料の分野で重要な化合物であり、近年急激に需要が増大してきている。
【0003】
これらの化合物の製造方法としては、様々な方法が知られているが、水素化ハロゲン化シランを不均化して目的とするシラン化合物を含む多くの不均化反応生成物を得、その中から目的の化合物を蒸留等の手段により分別して得る方法が、最も経済的であるとされる。
【0004】
水素化ハロゲン化シランの不均化反応とは、該水素化ハロゲン化シランの分子間で、水素とハロゲンを交換することにより、各々反応物質とは異なる化合物を生成させる反応である。新しく生成した化合物が、更に同様の交換反応を繰り返すので、反応系は数種類のシラン化合物からなる混合組成となる。
【0005】
例としてトリクロロシランの不均化を説明する。ある適当な触媒の存在下では、下式のように、まずトリクロロシラン同士が水素と塩素を交換し合い、ジクロロシランと四塩化珪素を生成する。ジクロロシランは同様にモノクロロシランとトリクロロシランを生成する。モノクロロシランも同様に、モノシランとジクロロシランを生成する。これらの反応が繰り返され、系はモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化珪素の5成分からなる混合組成となる。
【0006】
【化1】
Figure 0003865904
【0007】
例えば、目的物がモノシランであれば、この混合組成物の中から、蒸留などの方法によって分別すれば良い。なお、この反応は平衡反応なので、十分な時間の後に、系内は平衡組成に到達する。但し、目的物を分別して得る際に、必ずしも系が平衡組成に達している必要はない。
【0008】
水素化ハロゲン化シランの不均化反応に使用する触媒に関しては、多くの技術が特許等にて開示されている。例えば、特公昭63−16328号公報では、第四級アンモニウム塩を液相均一系で溶剤に溶解して使用する方法が述べられており、一方、特開昭47−12569号公報には、陰イオン交換樹脂を固体不均一系触媒として使用する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭63−16328号公報で示されているような、均一系で行う方法は、触媒と反応物が分離し難い点が課題となっている。一方、特開昭47−12569号公報のような、陰イオン交換樹脂を触媒として用いる方法は、反応物質と触媒との分離が容易であるという利点はあるが、陰イオン交換樹脂は耐熱温度が低く、高価であるという問題がある。
【0010】
これらの問題を解決すべく、特開昭61−187937号公報では、アミン類として第1級、第2級、及び第3級アミンをシリカゲルに担持した触媒を使用する方法が示されている。しかし、第1級、第2級、及び第3級アミンをシリカゲルに担持したこの触媒は、触媒活性が低く、十分に不均化反応を進行させるためには、長時間反応物と触媒とを接触させる必要があった。
【0011】
従って、触媒と反応物を分離し易い固体型であって、且つ、耐熱温度、価格、活性のすべてを満足させる触媒の開発が必要であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、第4級アンモニウム化合物を担体上に担持した触媒を使用することによって、水素化ハロゲン化シランの不均化反応を効率よく進行させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明は、アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基が各々同種または異種のアルキル基である第四級アンモニウム化合物が、含浸法により担体に担持された触媒に、水素化ハロゲン化シランを接触させて不均化することを特徴とするシラン化合物の不均化反応生成物の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される、水素化ハロゲン化シランは、珪素に結合した水素原子及びハロゲン原子を各々少なくとも一つ有するシラン化合物である。かかる水素化ハロゲン化シランとしては、一般には、下記の一般式1で表される化合物が使用される。
【0015】
(4-m-n)SiHnm (1)
ここで、Yはアルキル基またはフェニル基を表し、Xはハロゲンを表す。また、m及びnは1以上3以下の整数で且つm+nは4以下である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等の炭素数1〜4のものが好ましい。具体例としては、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、メチルジクロロシラン、メチルモノクロロシラン、ジメチルモノクロロシラン、エチルジクロロシラン、エチルモノクロロシラン、ジエチルモノクロロシラン、フェニルジクロロシラン、フェニルモノクロロシラン、ジフェニルモノクロロシラン及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0016】
これらのうち、下記の一般式2
SiHnm (2)
で表されるトリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシランから選ばれる化合物、またはこれらの混合物が特に好適である。
【0017】
なお、モノシランやメチルシランのような、珪素原子に結合したハロゲン原子を有さない水素化シラン、及び、四塩化珪素やメチルトリクロロシランのような、珪素原子に結合した水素原子を有さないハロゲン化シランは、それ単独では不均化反応を起こさない。しかし、上記の水素化ハロゲン化シランと共存する場合は、不均化反応に関与し、対応した混合組成物を与える。従って、本発明では、原料として、水素化ハロゲン化シランを用いる他、これらのものと上記ハロゲン化シランや水素化シランとを混合して用いても良い。
【0018】
本発明において触媒成分である第四級アンモニウム化合物としては、アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基アルキル基であるものが使用される。アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合するアルキル基は各々同種または異種であっても良い。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルのようなアルキル基を挙げることができる。
【0019】
また、第四級アンモニウム化合物を構成する陰イオンとしては、特に制限はないが、塩素イオン、臭素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオンのような無機酸基イオン;酢酸イオン、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸イオンのようなカルボン酸基イオン;及び水酸イオンなどが挙げられる。
【0020】
本発明において、特に良好に使用される第四級アンモニウム化合物は、アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基が、各々同種または異種のアルキル基であり、その対陰イオンが、無機酸基イオンまたは水酸イオンであるテトラアルキルアンモニウム化合物である。さらに、このテトラアルキルアンモニウム化合物において、アルキル基としては、炭素数4〜18、より好ましくは炭素数4〜12のものが好適である。一方、無機酸基イオンは、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、塩素イオン、臭素イオンがより好適である。
【0021】
これらの第四級アンモニウム化合物の具体例としては、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、硝酸テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、臭化テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素テトラヘキシルアンモニウム、硫酸テトラヘキシルアンモニウム、硝酸テトラヘキシルアンモニウム、水酸化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、硫酸水素テトラオクチルアンモニウム、硫酸テトラオクチルアンモニウム、硝酸テトラオクチルアンモニウム、水酸化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラデシルアンモニウム、臭化テトラデシルアンモニウム、硫酸水素テトラデシルアンモニウム、硫酸テトラデシルアンモニウム、硝酸テトラデシルアンモニウム、水酸化テトラデシルアンモニウム、塩化テトラドデシルアンモニウム、臭化テトラドデシルアンモニウム、硫酸水素テトラドデシルアンモニウム、硫酸テトラドデシルアンモニウム、硝酸テトラドデシルアンモニウム、水酸化テトラドデシルアンモニウム、塩化トリデシルメチルアンモニウム、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、硫酸デシルトリメチルアンモニウム、及び、硫酸水素ジドデシルジメチルアンモニウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明の触媒に使用される、担体は、一般に触媒用担体として用いられるものであれば、特に制限されない。具体的には、シリカ、アルミナ、活性炭、シリカアルミナ、ゼオライト等が挙げられる。これら担体は、表面積が10〜2000m2/gで、形状やサイズに制限はない。
【0023】
本発明において触媒用担体は、特に、シリカが触媒活性の発現が大きくなり好適に用いられる。これらのシリカは、通常、細孔容積が0.1〜10ml/gであり、平均細孔径が0.5〜200nmのものが好適に使用される。
【0024】
本発明に使用される触媒の調製方法は、特に限定されるものではないが、通常の含浸法を用いれば良い。触媒原料の第四級アンモニウム化合物を所定量、適当な溶剤に溶解し、所定量の担体を含浸させ、加熱もしくは減圧により溶剤を除去する方法が一般的である。
【0025】
本発明に使用される触媒の特徴は、第四級アンモニウム化合物の担持量が多いほど高活性であり、担持量が少なければ活性は低い。しかし、担体に担持させる量は、あまり多すぎても反応中に脱落する等の問題が生じることがある。好適な担持量は、第四級アンモニウム化合物の種類や、担体の種類によって異なる。しかしあえて一般化した数値で表すならば、第四級アンモニウム化合物の担持量は、担体1g当たり、窒素原子換算で、0.01〜10ミリ当量の範囲であることが望ましい。より好適には0.05〜8ミリ当量の範囲であることが望ましい。
【0026】
本発明において不均化反応は、原料の水素化ハロゲン化シランを、触媒と接触させることにより実施される。接触の方法は特に制限されない。回分式でも、流通式でも良い。また、気相でも液相でも良い。さらに、反応原料と共に稀釈媒体として不活性ガスや溶媒を用いても良い。
【0027】
本発明を最も有効に実施するためには、触媒を固定床とする流通式反応が望ましい。この反応は、減圧から加圧まで幅広い反応条件で行うことができるが、反応の効率と装置の安全性を考慮すれば、300mmHg〜100気圧で行うことが望ましく、より好適には、常圧〜60気圧で行うことが望ましい。また、反応温度に関しても、幅広い範囲で反応が可能であるが、反応を速やかに進行させるためには、0℃以上であることが望ましく、触媒の安定性を考慮すれば、400℃以下が望ましい。より好ましくは、40〜250℃の範囲で反応を行うことが望ましい。
【0028】
接触時間(原料が触媒層を通過するのに要する時間)は、反応系が平衡組成にほぼ到達する程度に設定することが望ましい。接触時間が短すぎる場合、十分に不均化反応が進行していないため、目的物の収率が低くなる。接触時間が必要以上に長い場合、平衡組成に十分到達しているために、原料に対する目的物の収率は変わらないが、平衡組成以上に目的物の割合が増加することは有り得ず、結果として単位時間当たりの目的物の収量が少なくなる。適当な接触時間は、反応温度や圧力、原料、触媒、及びその他の要素によって異なるが、一般には0.01〜300秒から採択される。
【0029】
本発明の製造方法によれば、原料の水素化ハロゲン化シランは、上記不均化反応により、多くの不均化反応生成物を生成する。従って、その混合組成物の中から、必要な成分を、蒸留などの一般的な方法を用いて分別し、取得すれば良い。特に、本発明では、原料の水素化ハロゲン化シランとして、トリクロロシラン、ジクロロシラン、及びモノクロロシランから選ばれる少なくとも一種を、必要により四塩化珪素と混合して用い、不均化反応生成物として、上記水素化ハロゲン化シランよりも高次に水素化されたシラン化合物を取得するのが好ましい。
【0030】
特に、水素化ハロゲン化シランとして、トリクロロシランまたはジクロロシランを用い、モノシランを取得するのが好適である。この場合を図1によって説明する。
【0031】
原料のトリクロロシランは、ドラム8より不均化反応器1、例えば流動床式又は固定床式の反応器に供給され、第四級アンモニウム化合物をシリカ等に担持した触媒と接触される。それにより、各種のシラン化合物、例えばモノシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン及び四塩化珪素の混合組成系が形成されるが、この時点では目的物であるモノシランの含有率は低い。反応器1で生成した混合組成物は、次工程である分別装置、例えば蒸留塔3へと送られる。蒸留塔3からは、ジクロロシランを中心とする低沸点成分が、パイプライン6よりドラム9へと移送され、蓄積される。ドラム9に蓄積された成分は、2段目の不均化反応器2へと送られ、同様に触媒と接触されて混合組成物を生成する。この時点では目的物のモノシランは十分分別可能な割合で含有されていることが好ましい。この混合組成物は2段目の蒸留塔4へと送られ、パイプライン7より、モノシランが取得される。蒸留塔3,4の低部から排出された残余のシラン組成物は、原料回収用蒸留塔5を経て、トリクロロシラン及びジクロロシランのようにモノシランの原料となり得る成分はドラム8へと回収され、不均化反応に供される。蒸留塔5の低部からは、四塩化珪素が排出される。かくすることにより、結局、原料としてトリクロロシランを用い生成物としてモノシランを得ることが可能となる。
【0032】
無論、モノシラン以外のシラン化合物、例えばジクロロシランを目的物とする場合には、例えば分別工程として蒸留を採用する場合であれば、蒸留条件を変更することにより目的物であるジクロロシランのみを分取し、より高沸点、もしくは低沸点の残余シラン化合物を不均化反応器へ循環する。このようにして、不均化反応生成物のいずれかの一種、又は二種以上のシラン化合物をも、目的物として取得することができるのである。
【0033】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、従来の方法に比べ、より短い接触時間でシラン化合物の製造を行うことができる。即ち、本発明の触媒を使用すれば、反応速度が高いため、十分に不均化反応を進行させるために必要な接触時間が、従来のものに比べて短く設定できる。従って、同じ触媒量ならば、従来方法に比べ、単位時間当たりの収量がより多くできる。逆に、同じ収量を得るためには、触媒量がより少なくて済む。
【0034】
【実施例】
本発明を、具体例を用いて説明する。
【0035】
(触媒調製)
表1に示す触媒を調製した。各種の第四級アンモニウム化合物を、メタノール、ヘキサン、或いは水など、各々が溶解性の良い適当な溶媒に溶解し、そこにシリカを加えて、80℃で乾燥することによって調製した。シリカは、西尾工業社製のIDゲル(粒子径100〜500μm,表面積310m2/g, 細孔容積1.2ml/g, 平均細孔径15nm)を用いた。担体1gに対する担持量が窒素換算で1.0ミリ当量となるように、第四級アンモニウム化合物の量と、シリカゲルの量を調節した。
【0036】
【表1】
Figure 0003865904
【0037】
実施例1
内径13mmのガラス製反応管に、表1の触媒C01を1ml(0.35g)充填し、80℃に加熱した。ここに、トリクロロシランとヘリウムの5:1混合ガスを、120, 60, 30及び12ml/minで流通させた。この時のトリクロロシランの触媒への接触時間は、それぞれ、0.5, 1.0, 2.0, 5.0秒であった。反応は常圧で行った。
【0038】
触媒層を通過後のガスを、ガスクロマトグラフィーで分析し、各接触時間におけるトリクロロシランの転化率を求め、その値を平衡時の転化率、22.7%で除した。こうして求めた値を、各接触時間における平衡到達率とした。平衡到達率が80%以上であれば、次工程である分別工程へと移行させた。結果は、表2に示したように、接触時間0.5秒で平衡到達率は91%と、80%を超えていた。尚、接触時間5.0秒における触媒層通過後のガス組成は、
モノシラン;0.1mol%
モノクロロシラン;0.5mol%
ジクロロシラン;10.8mol%
トリクロロシラン;77.3mol%
四塩化珪素;11.3mol%
であった。この組成は80℃におけるトリクロロシランの不均化反応の平衡組成に一致した。
【0039】
実施例2〜15
表1に示した触媒の中から14種類を選択し、実施例1に準じて反応を行った。結果を表2に示した。表2から明らかなように、いずれの場合も、接触時間0.5秒において、平衡転化率は80%以上であった。
【0040】
【表2】
Figure 0003865904
【0041】
実施例16
内径13mmのガラス製反応管に、表1の触媒C02を1ml(0.35g)充填し、80℃に加熱した。ここに、ジクロロシランとヘリウムの5:1混合ガスを、120, 60, 30及び12ml/minで流通させた。この時のジクロロシランの触媒への接触時間は、それぞれ、0.5, 1, 2, 5秒であった。反応は常圧で行った。
【0042】
触媒層を通過後のガスを、ガスクロマトグラフィーで分析し、各接触時間におけるトリクロロシランの転化率を求め、その値を平衡時の転化率、65.0%で除すことにより、各接触時間における平衡到達率を算出した。結果は、表3に示したように、接触時間0.5秒で平衡到達率は90%と、80%を超えていた。尚、接触時間5.0秒における触媒層通過後のガス組成は、
モノシラン;13.7mol%
モノクロロシラン;10.6mol%
ジクロロシラン;35.0mol%
トリクロロシラン;39.7mol%
四塩化珪素;0.9mol%
であった。この組成は80℃におけるジクロロシランの不均化反応の平衡組成に一致した。
【0043】
実施例17〜30
表1に示した触媒の中から14種類を選択し、実施例16に準じて反応を行った。結果を表3に示す。表3から明らかなように、いずれの場合も、接触時間0.5秒において、平衡転化率は80%以上であった。
【0044】
【表3】
Figure 0003865904
【0045】
実施例31〜36
表4に示す、担持量の異なる触媒を用いて、実施例1に準じて反応を行った。触媒活性の差異を明確にするため、接触時間0.2秒における測定も行った。結果を表5に示す。表5から明らかなように、担持量が多いほど活性は高かった。
【0046】
【表4】
Figure 0003865904
【0047】
【表5】
Figure 0003865904
【0048】
実施例37
実施例16に準じて、ジクロロシランの代わりに、ジクロロシランとトリクロロシランの2:1混合物を用いて反応を行った。接触時間5.0秒において、触媒層通過後のガス組成は、
モノシラン;7.1mol%
モノクロロシラン;7.5mol%
ジクロロシラン;32.8mol%
トリクロロシラン;51.0mol%
四塩化珪素;1.6mol%
であった。これは、この原料を用いた場合の平衡組成に一致した。
【0049】
実施例38
実施例16に準じて、ジクロロシランの代わりに、ジクロロシランと四塩化珪素の2:1混合物を用いて反応を行った。接触時間5.0秒において、触媒層通過後のガス組成は、
モノシラン;2.5mol%
モノクロロシラン;4.0mol%
ジクロロシラン;26.8mol%
トリクロロシラン;63.7mol%
四塩化珪素;3.1mol%
であった。これは、この原料を用いた場合の平衡組成に一致した。
【0050】
実施例39〜43
硫酸水素テトラヘキシルアンモニウムを、3種類のシリカと1種類の活性炭、及び1種類のアルミナに担持させた触媒を各々調製した。担持量は、すべて担体1gに対し1.0ミリ当量となるようにした。表6に各担体の物性等をまとめた。これらの触媒を用いて、実施例16に準じて反応を行った。
【0051】
結果を表7に示した。表7から明らかなように、物性の異なる3種類のシリカを担体として用いた実施例39〜41は、殆ど活性に差がなかった。また、シリカ、活性炭及びアルミナを担体として用いた場合を比較すると、シリカを用いた場合が最も高活性であった。
【0052】
【表6】
Figure 0003865904
【0053】
【表7】
Figure 0003865904
【0054】
比較例1
触媒として、ローム&ハースト社製の陰イオン交換樹脂アンバーリストA-21(イオン交換容量;4.6meq/g)を使用して、実施例16に準じて反応を行った。 結果を表8に示した。表8から、平衡到達率が80%以上となるためには、接触時間が2.0秒以上必要であることが分かった。
【0055】
比較例2〜4
前出のシリカ(IDゲル)に、ヘキシルアミン(HxNH2)、ジヘキシルアミン(Hx2NH)、トリヘキシルアミン(Hx3N)を各々担持した触媒を調製した。担持量はいずれも担体1gに対しアミン類が1.0ミリ当量となるようにした。これらの触媒を用いて、実施例16に準じて反応を行った。結果を表8に示した。実施例19(臭化テトラヘキシルアンモニウムを担持した触媒。表3より)と比較すれば、1〜3級のアミンを用いるよりも第4級アンモニウム化合物を用いた方が高活性であることが分かった。
【0056】
【表8】
Figure 0003865904

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を実施するための製造プロセスの代表的態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1,2;不均化反応器
3,4,5;蒸留塔
6,7;パイプライン
8,9;ドラム

Claims (5)

  1. アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基が各々同種または異種のアルキル基である第四級アンモニウム化合物が、含浸法により担体に担持された触媒に、水素化ハロゲン化シランを接触させて不均化することを特徴とするシラン化合物の不均化反応生成物の製造方法。
  2. 担体がシリカであることを特徴とする請求項1記載のシラン化合物の不均化反応生成物の製造方法。
  3. テトラアルキルアンモニウム化合物の担体への担持量が、担体1g当たり、窒素原子換算で0.01〜10ミリ当量であることを特徴とする請求項1記載のシラン化合物の不均化反応生成物の製造方法。
  4. 第四級アンモニウム化合物が、アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基が、各々同種または異種のアルキル基であり、その対陰イオンが、無機酸基イオンまたは水酸イオンであるテトラアルキルアンモニウム化合物であることを特徴とする請求項1記載のシラン化合物の不均化反応生成物の製造方法。
  5. アンモニウムイオン中心の窒素原子に結合する炭化水素残基が各々同種または異種のアルキル基である第四級アンモニウム化合物が、含浸法により担体に担持されてなる水素化ハロゲン化シランの不均化反応用触媒。
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