JPH1059707A - モノシランの製造方法 - Google Patents
モノシランの製造方法Info
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Abstract
素の割合が反応原料と異なるクロロシランと共にモノシ
ランを収率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】クロロシランを白金及び/又はパラジウム
のような第八族の金属元素の化合物を担持した、一級ア
ミノ基或いは三級アミノ基を導入して成る弱塩基性陰イ
オン交換樹脂のような陰イオン交換樹脂より成る不均化
反応触媒と接触させる。
Description
不均化反応によって水素と塩素の割合が反応原料と異な
るクロロシランと共にモノシランを収率良く製造する方
法に関する。
原料として、モノシランや、モノクロロシラン、ジクロ
ロシラン、トリクロロシランそしてテトラクロロシラン
のクロロシランが製造されている。その製造方法は、金
属珪素と塩酸との反応で主に生成するトリクロロシラン
を、触媒を用いた次式で表される不均化反応によって、
反応原料とは水素と塩素の割合の異なるクロロシラン、
即ち、ジクロロシランとテトラクロロシラン、そしてモ
ノクロロシランやモノシランを得るものである。
5-X (xは1〜3の整数) 本反応においては、上式で示されるように反応原料とし
てトリクロロシランの他にモノクロロシランやジクロロ
シラン、そしてこれらクロロシランの混合物も使用で
き、不均化反応によるクロロシランの合成反応は特にモ
ノシランの製造に有効である。
を含む反応生成物は最終的に、各クロロシランの沸点差
を利用した蒸留によって精製分離される。
性に依るところから、不均化触媒として、例えば特開昭
50−119798には三級アミノ基や第四級アンモニ
ウム基を導入して成る陰イオン交換樹脂が、特開昭54
−59230には金属パラジウムが、特開昭59−17
4515には無機固体塩基が提案されている。
触媒として前記のように各種タイプの触媒が提案されて
いるが、本発明者等がこれら触媒の不均化反応活性を調
べたところ、何れの触媒も工業的規模における製造を想
定した場合には、その活性において未だ改良の余地があ
った。
造方法において、反応装置を小型化し触媒充填量を少な
くするため、或いは単位時間当りに製造量を増すため、
より高活性の不均化触媒の開発が望まれていた。
解決するために、鋭意研究を行った結果、特定の金属元
素の化合物を担持した陰イオン交換樹脂が、クロロシラ
ンの不均化反応において高活性を示し、モノシランの製
造に有効であることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
金属元素の化合物(以下、第八族金属化合物ともいう)
を担持した陰イオン交換樹脂より成る不均化反応触媒と
接触させることを特徴とするモノシランの製造方法であ
る。
ロロシランは、モノクロロシラン、ジクロロシラン又は
トリクロロシランを単独で、或いはこれらクロロシラン
を混合して使用することができる。また、上記原料中に
モノシランが含有されていても良い。
般に市販されている陰イオン交換樹脂、例えば、第一級
〜第三級アミノ基、四級アンモニウム塩基、第四級ピリ
ジウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基等を
イオン交換基として導入された、有機溶剤に不溶な橋架
け構造を有する固体高分子が制限なく使用される。
の中でも、特にイオン交換基として一級アミノ基或いは
三級アミノ基を含む所謂、弱塩基性イオン交換樹脂が、
後記の第八族金属化合物を担持した場合、クロロシラン
の不均化反応において高い活性を示すため好適である。
入されるアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル
基が好適である。かかるアルキル基を具体的に示せば、
メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基
等が挙げられる。そのうち、特にヒドロキシエチル基が
好適である。
の接触や反応後の分離等の取扱い易さを考慮した場合、
その形状はビーズ状の如き粒状が好ましく、ビ−ズ状を
した通常の市販の陰イオン交換樹脂がそのまま使用でき
る。
される第八族金属化合物は、周期律表第八族に分類され
る金属元素であり、具体的にはFe、Co、Ni、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Ptの化合物である。
ものではないが、陰イオン交換樹脂に担持する態様とし
て、後記の含浸させる手段を採用する場合、該陰イオン
交換樹脂への含浸処理のし易さから、有機溶媒や水或い
はそれらの混合溶媒への溶解性或いは分散性を有する化
合物であることが望ましい。特に、化合物の取扱いや触
媒調製の簡便さにおいて、金属塩等の水溶性の化合物が
望ましい。特に、これら化合物の陰イオン交換樹脂への
含浸操作において、イオン交換樹脂のイオン交換性を利
用した場合、イオン交換樹脂内部への均一的な含浸が期
待されることから、水溶液中で解離した陰イオン種に第
八族の金属元素を含む形態の化合物が望ましい。例え
ば、前記金属元素の塩化物、硝酸塩、アンミン錯体、シ
アノ錯体等が挙げられる。
八族金属化合物の担持方法は特に制限されるものではな
いが、該第八族金属化合物を陰イオン交換樹脂に均一に
存在させるためには、含浸による方法が好適である。か
かる含浸処理は、通常の方法が特に制限なく使用でき
る。例えば、第八族の金属元素化合物を溶解或いは分散
した溶液に陰イオン交換樹脂を投入、攪拌した後、溶媒
を除去する方法が好適である。
物の担持量は通常、元素金属量に換算して0.1重量%
以上、5重量%以下の範囲が好適である。含浸量が上記
の範囲以下の場合には触媒活性に十分な促進効果がな
く、一方、それ以上の場合には含浸量に対する触媒活性
の増大効果が特に認められない。
交換樹脂に一種を担持するのが一般的であるが、二種以
上を担持しても良い。
ン交換樹脂(以下、含浸陰イオン交換樹脂という)は、
更に陰イオン交換樹脂内部に残存する溶媒を除去する
為、或いはクロロシランとの反応において、反応初期よ
り安定した触媒活性を呈するため、真空脱気や不活性ガ
ス流通下に曝す処理(ガス処理)等の脱溶媒処理により
含有する水等の溶媒を可及的に除去することが好まし
い。
いため、水と反応し更に縮合してシリカを生じ、また、
陰イオン交換樹脂は含水性が高い。そのため、陰イオン
交換樹脂内部に水分が残存すると、クロロシランとの接
触反応中にシリカが生じてイオン交換樹脂の細孔を閉塞
する、或いは触媒活性成分を覆う形で反応活性が低下す
ることがある。
元反応性が高い為に、前記の陰イオン交換樹脂に担持し
た第八族金属化合物が反応中に還元作用を受けて反応活
性が変化することが予想される。そこで、初期から安定
した触媒活性を発揮するために、上記した本発明の不均
化反応触媒は、クロロシラン類との反応に供する前に水
素ガスに曝す処理等の還元処理を施すことも好ましい。
分解するため、上記処理は陰イオン交換樹脂の耐熱限界
温度以下とすることが好ましい。かかる陰イオン交換樹
脂の耐熱限界温度は、例えば、市販の弱塩基性イオン交
換樹脂の場合は約100℃である。
応触媒と接触させる条件は、特に制限されない。一般に
は、クロロシランと不均化反応触媒との接触温度、即
ち、反応温度は、陰イオン交換樹脂の耐熱限界温度以下
とすることが好ましく、50〜100℃の温度範囲で適
宜決定される。また、圧力は、一般に、以下に示す不均
化触媒とクロロシランとの接触方法において、クロロシ
ランの状態によって適宜選定されるが、常圧、加圧、或
いは減圧のいずれも選択することができる。
シランとの接触方法は特に制限されるものではない。例
えば、不均化反応触媒を、固定床に充填した状態、或い
は流動床において機械的攪拌やガス吹き上げによって流
動化した状態で、クロロシランを液体、或いは気体、或
いは液体−気体の混合状態で供給して接触する方法が挙
げられる。
クロロシランとを反応器に入れて加熱し、加圧或いは常
圧の環流状態において、生成するモノシラン等の低沸点
成分を留去し、一方テトラクロロシラン等の高沸点成分
を該反応器より抜き出す方法、1本又は直列或いは並列
に配列された複数本の筒状反応器に不均化触媒を充填
し、該不均化触媒を加熱した状態で、クロロシランを加
圧、常圧或いは減圧で、液体又は気体の状態で連続して
通過させることにより反応させる方法等が例示される。
るものではなく、実施し易い方法を適宜選択すればよ
い。
料のクロロシランの組成や不均化反応によって生成する
モノシランとクロロシランの組成比の目標値、そして使
用する不均化反応触媒の種類などに応じて、前記範囲よ
り適宜決定すればよい。
モノシラン及び反応原料のクロロシランとは水素と塩素
の割合の異なるクロロシランであり、未反応原料と共に
反応生成物中に存在する。従って、必要に応じて、モノ
シランを単離すればよい。また、同時に生成するクロロ
シランも、必要に応じて単離して或いは単離せずに前記
不均化反応に再循環することができる。勿論、単離した
クロロシランは、他の用途に使用することも可能であ
る。
し、蒸留によって行うことが一般的である。また、必要
に応じて、蒸留後に活性炭等を通過させて更に精製する
こともできる。
した陰イオン交換樹脂を不均化反応触媒としてトリクロ
ロシラン等のクロロシランを接触反応させることによっ
て、不均化反応を従来から提案されている触媒に比して
高活性で行うことができる。
ランを効率的に製造することができる。また、同時に、
原料のクロロシランに対して、水素と塩素の割合が異な
るクロロシランをも、効率的に製造することができる。
位時間当りの製造量を増加することが可能となって、モ
ノシランやモノクロロシラン、或いはジクロロシランを
低コストで製造することができる。
施例を掲げるが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
ト15E、陰イオン交換型の内、強塩基性陰イオン交換
型としてアンバ−ライトIRA−900、弱塩基性陰イ
オン交換型としてアンバ−リストA−21とアンバ−ラ
イトIRA−93ZUを用いた。不均化反応触媒は、表
1に示すこれらイオン交換樹脂に、表1に示す金属元素
の化合物を組み合わせて使用し、該化合物の1〜5重量
%水溶液をイオン交換樹脂に含浸させて乾燥することに
より、イオン交換樹脂に対して金属元素として1重量%
で該化合物が存在するように調整した。
mmのガラス管に、不均化反応触媒0.1gを充填して
行った。なお、クロロシランガスを供給する前に、70
℃において約12時間の間、乾燥窒素ガスを流して、イ
オン交換樹脂の脱溶媒処理をした。
トリクロロシラン単独のガスを 50m l/minで連
続供給通過させて、ガラス管からの出口反応ガスの組成
をガスクロマトグラフで分析して実施した。トリクロロ
シランガスの供給を開始して1時間後の分析値を表2に
示した。
14は比較例を示す。
1と同様にして活性試験を行った。結果を表3に示す。
なお、表3の試験 No.2−7〜2−12は比較例を示
す。
Claims (4)
- 【請求項1】 クロロシランを第八族の金属元素の化合
物を担持した陰イオン交換樹脂より成る不均化反応触媒
と接触させることを特徴とするモノシランの製造方法。 - 【請求項2】 陰イオン交換樹脂が一級アミノ基或いは
三級アミノ基を導入して成る弱塩基性陰イオン交換樹脂
である請求項1記載のモノシランの製造方法。 - 【請求項3】 第八族の金属元素が白金及び/又はパラ
ジウムである請求項第1項記載のモノシランの製造方
法。 - 【請求項4】 第八族の金属元素の化合物を担持した陰
イオン交換樹脂より成るクロロシランの不均化反応触
媒。
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---|---|---|---|
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