JPH11148079A - 液晶組成物及びこれを用いた光学異方体 - Google Patents
液晶組成物及びこれを用いた光学異方体Info
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- JPH11148079A JPH11148079A JP31754497A JP31754497A JPH11148079A JP H11148079 A JPH11148079 A JP H11148079A JP 31754497 A JP31754497 A JP 31754497A JP 31754497 A JP31754497 A JP 31754497A JP H11148079 A JPH11148079 A JP H11148079A
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Abstract
1の整数、環A、B及びC:独立的に6員環、Y2及び
Y3:独立的に連結基、W:H原子、ハロゲン原子、C
N基、単結合、エステル結合、エーテル結合を介した炭
素原子数1〜20のアルキル基あるいはアルケニル基、
又は一般式(I)中のCH2=CHOX1Y1−と同じ意
味を表す。)の液晶性ビニルエーテル化合物及び液晶性
(メタ)アクリレート化合物を含有、液晶相を示す液晶
組成物。 【効果】 本発明の液晶組成物を利用すれば、良好な光
透過性を有する光学異方体を作成できる。従って、透明
性に優れた光学補償板、偏光ビームスプリッター、光学
的ローパスフィルター及び偏光プリズム等の光学素子の
作製材料として非常に有用である。
Description
材料、また液晶ディスプレイの光学補償板や偏光プリズ
ム材料として利用される新規な液晶組成物及びこれを用
いた光学異方体に関する。
示品位の向上と軽量化に応える光学補償板等の光学異方
体の作製を可能にする技術として、室温において液晶性
を示す重合性液晶組成物とその組成物を配向させた状態
において光重合して得られる内部の配向構造が制御され
た光学異方体を提案した(特開平8−3111)。該発
明の重合性液晶組成物は低分子化合物であり、粘度が低
く所望の配向状態を迅速に達成することができるという
長所を有している。このような重合性液晶組成物を30
ミクロン以上の厚みをもって光重合させて、光学異方体
フィルムを形成した場合、光学異方体フィルムが光散乱
性を示し、光透過性が低下してしまうという欠点があっ
た。
とする課題は、重合性低分子液晶組成物において、30
ミクロン以上の厚みをもって光重合させて光学異方体フ
ィルムを形成しても、光学異方体フィルムの光透過性が
低下しない、重合性液晶組成物を提供することにある。
解決するため、重合性液晶組成物中への添加剤として種
々の重合性液晶化合物を検討した結果、かかる課題が特
定の化学構造を有する重合性液晶化合物の利用により解
決されることを見いだし本発明を提供するに至った。即
ち、 1.一般式(I)
ボニル基又は酸素原子で置換されていても良い炭素原子
数2〜18のアルキレン基を表し、Y1は単結合、エス
テル結合又はエーテル結合を表し、rは0又は1の整数
を表し、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
を表し、Y2及びY3はそれぞれ独立的に単結合、−CH
2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−
OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF
−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OC
H2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−又は−
CH2CH2CH=CH−を表し、Wは水素原子、ハロゲ
ン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基あ
るいはアルケニル基、エーテル結合を介した炭素原子数
1〜20のアルキル基あるいはアルケニル基、エステル
結合を介した炭素原子数1〜20のアルキル基あるいは
アルケニル基、又は一般式(I)中のCH 2=CHOX1
Y1−と同じ意味を表す。)で表される液晶性ビニルエ
ーテル化合物及び一般式(II)
し、tは0又は1の整数を表し、6員環D、E及びFは
それぞれ独立的に、
を表し、Y4及びY5のはそれぞれ独立的に、単結合、−
CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO
−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF
=CF−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、
−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−
又は−CH2CH2CH=CH−を表し、Y6は単結合、
−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Z1は水素
原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20
のアルキル基あるいはアルケニル基を表す。)で表され
る液晶性(メタ)アクリレート化合物を含有し、且つ液
晶相を示すことを特徴とする液晶組成物。 2.一般式(I)で表される液晶性ビニルエーテル化合
物の含有量が3〜50重量%の範囲にあることを特徴と
する上記1記載の液晶組成物。 3.一般式(II)において、X2は水素原子を表し、
tは0の整数を表し、環D及び環Fは1,4−フェニレ
ン基を表し、Y4は−C≡C−を表し、Y6は単結合を表
し、Z1は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すこと
を特徴とする上記1又は2記載の液晶組成物。 4.一般式(II)において、X2は水素原子を表し、
tは0の整数を表し、環Dは1,4−フェニレン基を表
し、環Fはトランス−1,4−シクロヘキシレン基を表
し、Y4は単結合を表し、Y6は単結合を表し、Z1は炭
素原子数1〜20のアルキル基を表すことを特徴とする
上記1又は2記載の液晶組成物。 5.室温で液晶相を示すことを特徴とする上記1、2、
3又は4記載の液晶組成物。 6.上記1、2、3、4又は5記載の液晶組成物の重合
体からなることを特徴とする光学異方体。 を前記課題の解決手段として見出した。
する。本発明は一般式(I)
ボニル基又は酸素原子で置換されていても良い炭素原子
数2〜18のアルキレン基、Y1は単結合、エステル結
合、エーテル結合を表し、rは0又は1の整数を表し、
6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
を表し、Y2及びY3はそれぞれ独立的に単結合、−CH
2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−
OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF
−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OC
H2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−又は−
CH2CH2CH=CH−を表し、Wは水素原子、ハロゲ
ン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基あ
るいはアルケニル基、エーテル結合を介した炭素原子数
1〜20のアルキル基あるいはアルケニル基、エステル
結合を介した炭素原子数1〜20のアルキル基あるいは
アルケニル基、又は一般式(I)中のCH 2=CHOX1
Y1−と同じ意味を表す。)で表される液晶性ビニルエ
ーテル化合物及び一般式(II)
し、tは0又は1の整数を表し、6員環D、E及びFは
それぞれ独立的に、
を表し、Y4及びY5のはそれぞれ独立的に、単結合、−
CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO
−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF
=CF−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、
−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−
又は−CH2CH2CH=CH−を表し、Y6は単結合、
−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Z1は水素
原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20
のアルキル基あるいはアルケニル基を表す。)で表され
る液晶性(メタ)アクリレート化合物を含有し、且つ液
晶相を示すことを特徴とする液晶組成物を提供する。重
合性官能基としてビニルエーテル基を有する液晶性化合
物及び重合性官能基として(メタ)アクリロイルオキシ
基を有する液晶性化合物を含有する本発明の液晶組成物
が、30ミクロン以上の膜厚を有し、かつ透明性に優れ
た光学異方体を得るために有効である理由については必
ずしも明らかではない。しかし、ビニルエーテル基は
(メタ)アクリロイルオキシ基と形状的に比較して、直
鎖状のアルキル基に近く、化合物及び組成物全体として
の液晶性の発現を妨げにくい傾向があるため、(メタ)
アクリロイルオキシ基のみを重合性官能基とする液晶組
成物より、重合時の透明性の低下が小さくなるのではな
いかと考えられる。このような本発明の液晶組成物に必
須の液晶性ビニルエーテル化合物としては、例えば、
R.A.M.Hikmet等によって報告(Polym
er,1993年34巻8号1736〜1740項)さ
れた式(1)〜(2)
(Polymer,1992年33巻19号4014〜
4018項)された式(3)〜(4)
lymer,1996年37巻13号2657〜266
2項)された式(5)〜(7)
告(Liquid Crystals,1995年19
巻5号621〜627項)された式(8)
の他にも、式(9)〜(23)の化合物が挙げられる
が、本発明の液晶組成物において使用することができる
化合物はこれらに限定されるものではない。
ロヘキサン環を表し、Yはハロゲン原子、シアノ基、炭
素原子数1〜20のアルキル基あるいはアルケニル基、
エーテル結合を介したアルキル基あるいはアルケニル基
又はエステル結合を介したアルキル基あるいはアルケニ
ル基を表し、sは2から18の整数を表す)。また、本
発明に必須の液晶性(メタ)アクリレート化合物の具体
的な例としては、式(24)〜(44)に挙げた化合物
が好ましいが、本発明の液晶組成物において使用するこ
とができる単官能(メタ)アクリレートはこれらに限定
されるものではない。
クロヘキサン環を表し、またCは結晶相、Nはネマチッ
ク相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表し、
数字は相転移温度を表す。) このような化合物の中でも、トラン骨格を有する液晶性
(メタ)アクリレート化合物は大きな複屈折率を有して
いるため、大きな複屈折率を有する液晶組成物を調製す
るのに有用である。従って、式(27)、式(35)、
(36)のような化合物は本発明の液晶組成物に好適に
添加することができる。
る液晶性(メタ)アクリレート化合物は、小さい複屈折
率を有しているため、小さな複屈折率を有する液晶組成
物を調製するのに有用である。従って、式(24)、式
(25)のような化合物は本発明の液晶組成物に好適に
添加することができる。
物と液晶性(メタ)アクリレート化合物を含有する本発
明の液晶組成物において、液晶性ビニルエーテル化合物
の濃度は3〜50重量%に、さらに好ましくは3〜40
重量%に、特に好ましくは3〜30重量%の範囲に設定
するのが好ましい。3重量%より液晶性ビニルエーテル
化合物の濃度が低いと、光ラジカル重合して得られる光
学異方体の透明性が改善されず、50重量%より高いと
光ラジカル重合が迅速に進行せず、光学異方体の機械的
強度が劣化してしまう傾向がある。
常この技術分野で液晶相と認識される相であれば特に制
限なく用いることができるが、その中でもネマチック
相、スメクチックA相、(カイラル)スメクチックC
相、コレステリック相を発現するものが特に好ましい。
また、(カイラル)スメクチックC相を示す場合には、
該(カイラル)スメクチックC相の上の温度領域でスメ
クチックA相を、スメクチックA相を示す場合には、該
スメクチックA相の上の温度領域でネマチック相を発現
するようにすると、良好な一軸の配向特性が得られるた
め好ましい。液晶相を示す温度は、望ましくない熱重合
の誘起を避け、均一な配向構造を有する光学異方体の製
造を可能にするため、なるべく室温に近い温度で、好ま
しくは室温であることが好ましい。
の他にも分子内に通常この技術分野で液晶骨格と認めら
れる骨格と重合性官能基を同時に有する重合性の液晶化
合物を、好ましくは90重量%以下の濃度で、室温以下
でも液晶相が保持される範囲内で特に制限なく添加する
ことができる。液晶骨格としては、少なくとも2つ又は
3つの6員環を有するものが特に好ましい。重合性官能
基としては、本発明の液晶組成物の必須化合物に付与さ
れている(メタ)アクリロイルオキシ基及びビニルエー
テル基の他に、エポキシ基、シンナモイル基、ビニル基
等を挙げることができる。複数以上の重合性官能基を有
する化合物の場合には、重合性官能基の種類が異なって
いても良い。例えば、2つの重合性官能基を有する液晶
化合物の場合、一つがアクリロイルオキシ基、もう一つ
がメタアクリロイルオキシ基又は、ビニルエーテル基で
あっても良い。
ロイルオキシ基を分子中に2つ有する液晶化合物は多く
の種類が知られている。一般的にこれらを重合させた場
合には良好な耐熱性及び強度特性を得られることから、
これらも好適に添加して用いることができる。このよう
な液晶化合物の具体的な例としては、式(45)〜(4
9)に挙げた化合物が好ましいが、本発明の液晶組成物
において使用することができる化合物はこれらに限定さ
れるものではない。
ロヘキサン環を表し、Xは水素原子又はメチル基を表
し、Wはハロゲン原子、シアノ基又はメチル基を表し、
sは2〜12の整数を表す)。さらに本発明の液晶組成
物には、本発明の液晶組成物の必須成分の一つである液
晶性(メタ)アクリレート化合物の他にも、分子内に一
つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する他の液晶化
合物を添加しても良い。このような重合性官能基を一つ
有する液晶化合物の具体的な例としては、式(50)〜
(72)に挙げた化合物が好ましいが、本発明の液晶組
成物において使用することができる化合物はこれらに限
定されるものではない。
ロヘキサン環を表し、Xは水素原子又はメチル基を表
し、Yは水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基、炭素原
子数1〜20のアルキル基あるいはアルケニル基、エー
テル結合を介したアルキル基あるいはアルケニル基、又
はエステル結合を介したアルキル基あるいはアルケニル
基を表し、sは2から12の整数を表す)。
能基を有していない液晶化合物を用途に応じて添加して
も良い。使用用途として本発明の液晶組成物の重合体
を、表示素子と用いる場合や、温度によって屈折率を変
化させたい場合には、重合性官能基を有していない液晶
化合物の総量は10〜90重量%の範囲に設定するのが
好ましい。また、温度によって屈折率が変化するのが好
ましくない場合や、耐熱性や機械的特性を重視する場合
には、重合性官能基を有していない液晶化合物の総量は
0〜10重量%の範囲に設定するのが好ましい。
基を有しており、かつ液晶性を示さない化合物も添加す
ることができる。このような化合物としては、通常この
技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性
オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく
使用することができるが、アクリレート化合物、メタク
リレート化合物、ビニルエーテル化合物が特に好まし
い。
合物、重合性官能基を有さない液晶化合物、液晶性を示
さない重合性化合物は適宜組み合わせて添加してもよい
が、少なくとも得られる液晶組成物の液晶性が失われな
いように各成分の添加量を調整することが必要である。
を得るために光ラジカル重合により光硬化させるのが最
も好ましいので、その光ラジカル重合反応性を向上させ
ることを目的として、ベンゾインエーテル類、ベンゾフ
ェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等か
ら選択して光重合開始剤を添加しても良い。また、熱重
合開始剤も、過酸化ベンゾイル、ビスアゾブチロニトリ
ル等から選択して添加しても良い。これら開始剤の添加
量は、液晶組成物に対して10重量%以下であることが
好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましく、
0.5〜1.5重量%の範囲であることが特に好まし
い。
安定性を向上させるために安定剤を添加しても良い。こ
こで使用することができる安定剤としては、例えばヒド
ロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三
ブチルカテコール等から選択して使用することができ
る。その添加量は、液晶組成物に対して1重量%以下が
好ましく、0.5重量%以下がさらに好ましい。
の螺旋構造を内部に有する重合体を得ることを目的とし
てカイラル(光学活性)化合物を添加しても良い。ここ
で使用することができるカイラル化合物は、それ自体が
液晶性を示す必要は無く、また重合性官能基を有してい
ても、有していなくても良い。またその螺旋の向きは重
合体の使用用途によって適宜選択することができる。そ
のようなカイラル化合物としては光学活性基としてコレ
ステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステ
アリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチル
ブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上
BDH社製)、「S−1082」(メルク社製)、「C
M−19」、「CM−20」、「CM」(以上チッソ社
製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する
「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「C
M−22」(以上チッソ社製)を挙げることができる。
このカイラル化合物の好ましい添加量は液晶組成物の用
途によるが、重合して得られる重合体の厚み(d)を重
合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が
0.1〜20の範囲になるよう調整するのが好ましい。
や配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料等として利用
する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染
料、顔料、色素、界面活性剤、ゲル化剤、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタンの金属酸化
物等を添加することもできる。
体であることを特徴とする光学異方体をも提供する。本
発明の光学異方体は、本発明の液晶組成物を配向させた
状態において、重合させることにより製造することがで
きる。例えば、基板表面を布等でラビング、もしくは有
機薄膜を形成した基板表面を布等でラビング、あるいは
SiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板上に担持さ
せるか、基板間に挟持させた後、本発明の液晶を重合さ
せる方法を挙げることができる。その他の配向処理方法
としては、液晶組成物の流動配向の利用や、電場又は磁
場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単
独で用いても、また組み合わせて用いても良い。その中
でも基板表面を布等でラビング処理した基板を用いる方
法は、その簡便性から特に好ましい。
材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体的
な例を挙げると有機材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリ
フルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、ト
リアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエー
テルケトン、無機材料としてはシリコン、ガラス、方解
石等を挙げることができる。
よって適当な配向性を得られないときには、公知の方法
に従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜
等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビン
グしても良い。また通常のTN又はSTN素子で使用さ
れているようなプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を
利用すると、光学異方体内部の分子配向構造を更に精密
に制御できることから、特に好ましく利用することがで
きる。また、電場によって配向状態を制御する場合に
は、電極層を有する基板を使用することができ、この場
合には電極上に前述のポリイミド薄膜等の有機薄膜を形
成するのが好ましい。
て、光配向法も用いることができる。これはポリビニル
シンナメート等の分子内に光二量化反応する官能基を有
する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜
又はポリイミド等の有機薄膜に、偏光した光、このまし
くは偏光した紫外線を照射することによって、配向膜と
するものである。この光配向法に光マスクを適用するこ
とにより配向のパターン化が容易に達成できるので、光
学異方体内部の分子配向も精密に制御することが可能と
なる。
望ましいので、紫外線又は電子線等のエネルギーを照射
することによって光重合させる方法が好ましい。この光
重合させる際の光源としては偏光光源を用いても良い
し、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2
枚の基板間に挟持させた状態で光重合を行う場合には、
少なくとも照射面側の基板は適当な透明性が与えられて
いなければならない。また、照射時の温度は、本発明の
液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であるこ
とが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造
しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避け
る意味からもできるだけ室温に近い温度で、即ち20〜
30℃の温度で重合させることが好ましい。重合によっ
て得られた本発明の光学異方体は、初期の特性変化を軽
減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理
をしても良い。熱処理の温度としては50〜250℃の
温度範囲で、また熱処理時間としては30秒〜12時間
の範囲にあるのが好ましい。
の光学異方体は、基板から剥離して用いても、剥離せず
に用いても良い。
詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。 (実施例1)液晶組成物の調製 式(24)の液晶性アクリレート化合物
ート化合物
製した。この液晶組成物(A)は、室温でネマチック液
晶相を示し、ネマチック相−等方性液体相の相転移温度
は46℃であった。また、常光の屈折率noは1.51
0、異常光の屈折率neは1.662、複屈折率は0.
152であった。この液晶組成物(A)90重量部に、
式(2)の液晶性ビニルエーテル化合物
た。この液晶組成物(B)は、室温でネマチック液晶相
を示し、ネマチック相−等方性液体相の相転移温度は5
4℃であった。また、常光の屈折率noは1.505、
異常光の屈折率neは1.661、複屈折率は0.15
6であった。 (実施例2)実施例1で調製した液晶組成物(A)80
重量部に、式(73)の液晶性ビニルエーテル化合物
組成物(C)を得た。この液晶組成物(C)は、室温で
ネマチック液晶相を示し、ネマチック相−等方性液体相
の相転移温度は54℃であった。また、常光の屈折率n
oは1.508、異常光の屈折率neは1.668、複屈
折率は0.160であった。 (実施例3)光学異方体の作製 実施例2で調製した液晶組成物(C)99重量部に光重
合開始剤「イルガキュアー651」(チバガイギー社
製)1重量部を溶解させた。次にこれを室温においてセ
ルギャップ50ミクロンの透明ガラス製AP(アンチパ
ラレルラビング)セルに注入したところ、良好なホモジ
ニアス(平行一軸)配向が得られていることが偏光顕微
鏡観察により確認できた。このセルに高圧水銀ランプを
用いて500mJ/cm2の紫外線を照射し、液晶組成
物(C)を光重合させた。セルを偏光顕微鏡で観察した
ところ、ホモジニアス配向が均一に固定化された光学異
方体が得られているのが確認できた。次にセルのガラス
を取り外すことにより、1枚のガラスの上に担持された
厚さ50ミクロンのホモジニアス配向構造を有する光学
異方体を得た。この光学異方体は150℃で100時間
加熱しても、ホモジニアス配向構造が保持されることが
わかった。また、この光学異方体の波長633nmにお
ける透過率は87%であった。 (比較例)光学異方体の作製 実施例1で調製した、液晶性ビニルエーテル化合物を含
有しない液晶組成物(A)99重量部に光重合開始剤
「イルガキュアー651」(チバガイギー社製)1重量
部を溶解させた。次にこれを室温においてセルギャップ
50ミクロンの透明ガラス製AP(アンチパラレルラビ
ング)セルに注入したところ、良好なホモジニアス配向
が得られていることが偏光顕微鏡観察により確認でき
た。このセルに高圧水銀ランプを用いて500mJ/c
m2の紫外線を照射し、液晶組成物(A)を光重合させ
た。セルを偏光顕微鏡で観察したところ、ホモジニアス
配向が均一に固定化された光学異方体が得られているの
が確認できた。次にセルのガラスを取り外すことによ
り、1枚のガラスの上に担持された厚さ50ミクロンの
ホモジニアス配向構造を有する光学異方体を得た。この
光学異方体は150℃で100時間加熱しても、ホモジ
ニアス配向構造が保持されることがわかった。また、こ
の光学異方体の波長633nmにおける透過率は79%
であった。
いると、30ミクロン以上の膜厚を有する光学異方体を
作成しても良好な光透過性が得られることがわかる。
な光透過性を有する光学異方体を作成できる。従って、
透明性に優れた光学補償板、偏光ビームスプリッター、
光学的ローパスフィルター及び偏光プリズム等の光学素
子の作製材料として非常に有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、X1は隣接しない炭素原子がカルボニル基又は
酸素原子で置換されていても良い炭素原子数2〜18の
アルキレン基を表し、Y1は単結合、エステル結合又は
エーテル結合を表し、rは0又は1の整数を表し、6員
環A、B及びCはそれぞれ独立的に、 【化2】 から選ばれる環を表し、pは1〜4の整数を表し、Y2
及びY3はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、
−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、
−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(C
H2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2C
H2−、−CH=CH−CH2CH2−又は−CH2CH2
CH=CH−を表し、Wは水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基あるいはアル
ケニル基、エーテル結合を介した炭素原子数1〜20の
アルキル基あるいはアルケニル基、エステル結合を介し
た炭素原子数1〜20のアルキル基あるいはアルケニル
基、又は一般式(I)中のCH 2=CHOX1Y1−と同
じ意味を表す。)で表される液晶性ビニルエーテル化合
物及び一般式(II) 【化3】 (式中、X2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又
は1の整数を表し、6員環D、E及びFはそれぞれ独立
的に、 【化4】 から選ばれる環を表し、mは1〜4の整数を表し、Y4
及びY5のはそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2
−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO
−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−
(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH
2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−又は−CH2C
H2CH=CH−を表し、Y6は単結合、−O−、−CO
O−又は−OCO−を表し、Z1は水素原子、ハロゲン
原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20のアルキル基あ
るいはアルケニル基を表す。)で表される液晶性(メ
タ)アクリレート化合物を含有し、且つ液晶相を示すこ
とを特徴とする液晶組成物。 - 【請求項2】 一般式(I)で表される液晶性ビニルエ
ーテル化合物の含有量が3〜50重量%の範囲にあるこ
とを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。 - 【請求項3】 一般式(II)において、X2は水素原
子を表し、tは0の整数を表し、環D及び環Fは1,4
−フェニレン基を表し、Y4は−C≡C−を表し、Y6は
単結合を表し、Z1は炭素原子数1〜20のアルキル基
を表すことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶組成
物。 - 【請求項4】 一般式(II)において、X2は水素原
子を表し、tは0の整数を表し、環Dは1,4−フェニ
レン基を表し、環Fはトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基を表し、Y4は単結合を表し、Y6は単結合を表
し、Z1は炭素原子数1〜20のアルキル基を表すこと
を特徴とする請求項1又は2記載の液晶組成物。 - 【請求項5】 室温で液晶相を示すことを特徴とする請
求項1、2、3又は4記載の液晶組成物。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶
組成物の重合体からなることを特徴とする光学異方体。
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