JPH11147234A - 模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法 - Google Patents

模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH11147234A
JPH11147234A JP9333697A JP33369797A JPH11147234A JP H11147234 A JPH11147234 A JP H11147234A JP 9333697 A JP9333697 A JP 9333697A JP 33369797 A JP33369797 A JP 33369797A JP H11147234 A JPH11147234 A JP H11147234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
frp
pattern
protective layer
base film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9333697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3923631B2 (ja
Inventor
Noboru Araki
荒木  登
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP33369797A priority Critical patent/JP3923631B2/ja
Publication of JPH11147234A publication Critical patent/JPH11147234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3923631B2 publication Critical patent/JP3923631B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化型樹脂、特にFRP成形体に、無地の凹
部である目地と絵柄層とを同調して形成する成形体の製
造方法の提供を課題とする。 【解決手段】FRPの未硬化物7、目地枠30、基材フ
ィルム1に剥離性をもつ保護層2及び絵柄層3を設けた
転写シート5の絵柄層3とを、成形用金型60と61と
の間に積層し、加熱・加圧成形して一体に成形したの
ち、基材フィルム1及び目地枠30とを除去するFRP
成形体の71製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応硬化型樹脂に
よる成形体に関し、成形品の表面に設ける化粧層(絵柄
層)と目地(無地の凹部)とをもつ耐久性のあるプラス
チック成形体、特に繊維強化プラスチック(以下、FR
Pと記載する)の製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】外装材、内装材やユニットバスに使用す
る壁面材、床面材などのメラミン樹脂化粧板、ポリエス
テル化粧板、FRPを用いた硬化型樹脂による成形体な
どに絵柄層を構成するには、印刷により絵柄層を設けた
繊維質の化粧シートに成形用樹脂と同種の樹脂を含浸さ
せ、樹脂を含む基材や、成型用樹脂とを積層成形した
り、転写シートに設けた絵柄層を化粧板の成型時に積層
・転写したりして行われていた。
【0003】そして、目地などの抜き柄を必要とすると
きは、抜き柄を印刷で作成した転写シート又は化粧シー
トとFRPとを一体成形して、抜き柄を設けたFRPを
作成していた。
【0004】しかしながら、樹脂含浸性がよい化粧シー
ト用紙は平滑性が劣るために、細部の印刷の再現性が悪
く、化粧シートに成形用樹脂と同種の樹脂を含浸させて
得られる成形体は、鮮明な意匠表現を得ることができな
いという問題があった。また、三次元のものを成型する
ときにはシートが破れたり、無地の凹部である目地と絵
柄層とを一致して形成することは生産性が悪いという問
題があった。
【0005】目地の抜き柄を印刷した転写シートをFR
Pと一体に成形することで抜き柄を形成できるが、目地
となる凹部と絵柄層とが同調(一致)した意匠を形成で
きないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応硬化型
樹脂による化粧材、特にFRP成型品に、無地の凹部で
ある目地と絵柄層とを同調して形成する硬化型樹脂、特
にFRPによる製造方法の提供を課題とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明は、FRP、目地枠と並びに、基材フィルムに剥離
性をもつ保護層及び絵柄層を設けた転写シートの絵柄層
側とを成形用金型内で順次積層し、加熱・加圧して一体
に成形したのち、基材フィルム及び目地枠を除去する模
様付きFRP成形体の製造方法である。また、FRP、
目地枠、不織布又は織布、並びに基材フィルムに剥離性
剥離性をもつ保護層及び絵柄層を設けた転写シート絵柄
層側とを成形用金型内に順次積層し、加熱・加圧して一
体に成形したのち、基材フィルム及び目地枠を除去する
模様付きFRP成形体の製造方法である。そして、前記
成形体の絵柄層の側に、更に硬化型樹脂による保護層を
塗工形成する模様付きFRP成形体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の模様付きFRP(繊維強
化プラスチック)成形体の製造方法は、図1(A)に示
す成形用金型の下型61に硬化型のFRP7の未硬化物
(例えば、SMC、BMCなど)を載置し、目地部31
をもつ目地枠30及び図3に示す転写シート5の絵柄層
3とを相接して積層する。そして、図1(B)に示すよ
うに成形用金型(上型60)と(下型61)とで、加熱
・加圧してFRPの未硬化物7を硬化して一体に成形す
る。この工程で、成形体71に転写された絵柄層38を
設けたのち、図1(C)に示すように基材フィルム1及
び目地枠30を除去して、保護層2と無地の目地部33
をもつ模様付きFRP成形体71の製造方法である。ま
た、前記FRPの未硬化物7に、更に図2(A)、
(B)及び(C)に示すように図1の転写シート5と目
地枠30との間に、不織布又は織布6を挿入積層して、
前述の転写シート5の絵柄層3から転写された絵柄層3
8を成形体71転写成形し、そして、保護層2と無地の
目地部33とをもつ模様付きFRP成形体71の製造方
法である。そして、前記成形体の目地部33を含む絵柄
層33の側に、更に硬化型樹脂による保護層21を塗工
形成する図1(D)及び図2(D)に示す模様付きFR
P成形体71の製造方法である。
【0009】本発明の成形体の剥離性をもつ基材フィル
ムは、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペン
テン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビ
ニル、ポリビニルアセタール、ポリメタアクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、ポリウレタン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体ケン化物などの熱可塑性樹脂の延伸、若
しくは未延伸フィルムである。そして、これらの熱可塑
性樹脂のフィルムとアミノアルキッド、シリコーン樹
脂、フッ素系樹脂、電離放射線反応型樹脂などの硬化型
樹脂との積層体を使用することができる。また、その厚
みは、フイルムがもつ剛性にもよるが、10〜200μ
mのものが、加工性などの取扱い面からいって好まし
い。基材フィルムは、成型時に破れない強度、鏡面性、
寸法安定性などを考慮すると二軸延伸ポリエステル(ポ
リエチレンテレフタレート)フィルムが好ましく使用で
きる。ポリエチレンテレフタレートフィルムの望ましい
厚みは25〜100μmである。薄いと成形時に破れた
り、しわを生じたりして十分な平滑性を得ることができ
ない。また、厚いと、コスト高になるばかりでなく、剛
性が強過ぎて絵柄層を設ける印刷が困難となる。
【0010】そして、離形性をもつ基材フィルムに転写
後の絵柄層の表面形状を形成する離形層を設けることも
できる。離形層は転写された絵柄層の表面状態に応じ
て、鏡面光沢コートや、ヘアライン、砂目柄、布目柄な
どの凹凸模様を印刷やエンボス加工で形成することがで
きる。離形性材料は、保護層を絵柄層とともに成型用樹
脂と一体成型した後、保護層と離形性材料との面からの
剥離を容易にするとともに、成形体の表面形状を形成す
るものである。離形性材料は、メラミン樹脂とアクリル
樹脂との混合樹脂、あるいはフッソ系樹脂、各種のワッ
クス、シリコーンなどの離型剤を公知のベヒクルである
アクリル系樹脂、繊維素系誘導体、ポリエステル系樹脂
に添加して、塗料やインキとして全面コートや、柄の印
刷を行い賦型模様をもつ離形層を形成する。
【0011】基材フィルムに設けて、転写後の絵柄層の
保護層とできるものは、熱可塑性樹脂であるアクリル樹
脂、飽和ポリエステル、ウレタン系樹脂あるいは塩化ビ
ニル・酢酸ビニル系共重合体を主とする組成物や、半硬
化(セミキュア)の状態で、常温では非粘着の硬化型樹
脂がある。また、基材フィルムに設ける保護層は、成形
体で、保護層の上に更に塗工・形成する硬化型保護層の
プライマー層としての作用をもたせることができる。保
護層は、表面物性である耐溶剤性、耐薬品性、表面強
度、耐スクラッチ性、耐熱性などの点からは、反応硬化
型樹脂のなかから選択することが好ましい。基材フィル
ムに設けて保護層を形成する未硬化で、かつ常温で非粘
着性の電離放射線硬化型樹脂組成物は、分子中にエチレ
ン性不飽和結合をもつプレポリマー又はオリゴマーから
形成することができる。これらの反応硬化型樹脂からな
る保護層は、未硬化の樹脂からなるワニスを成形体に塗
工後、硬化形成して硬化保護層を設けることもできる。
例えば、電離放射線硬化型樹脂、不飽和ポリエステル、
ジアリルフタレート樹脂などがある。
【0012】上記の基材フィルムに設ける電離放射線硬
化型樹脂から構成する保護層の組成についての制限はな
いが、常温で非粘着性で、かつ通常の塗工適性をもたせ
る必要がある。そのため、プレポリマー、又はオリゴマ
ー(特にメタアクリレート)5重量%以上、同じく前記
モノマー(又は)ポリチオールを95重量%以下にする
ことが好ましい。また、上記の組成物からなる塗工液
は、塗工後に非粘着状態に形成するために、組成物は溶
剤に可溶の固形状又は高粘度のものを使用することが好
ましい。そして、必要に応じて各種の固形樹脂、例えば
アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹
脂、セルロース誘導体、ゴムなどから選択して塗工膜
の、非粘着性をもたせるとともにレベリング(塗工面に
印刷適性を与える平滑性)もたせることができる。そし
て、塗工方法に応じた溶剤で溶解・希釈して塗工液を作
成する。また、保護層は、本発明の成形体においては、
最外装層を形成するものであるから、形成した製品の表
面物性(耐久性、強度、異物付着防止性)を満足させる
ため、スリップ剤や帯電防止剤などを添加することが好
ましい。
【0013】基材フィルムに設ける絵柄層は、通常の印
刷方式であるグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスク
リーン印刷、あるいは転写印刷のいずれの方法をも採用
できる。絵柄層を設ける硬化型樹脂からなる保護層に粘
着性が残っている場合には、転写印刷が有利な方法であ
る。すなわち、図4に示すように、基材フィルム1に保
護層2を塗工し、未だ粘着性が残っている状態で転写フ
ィルム15の絵柄層35とを圧着して必要に応じて保存
・エージングする。そして、転写フィルム15の基体フ
ィルム11を剥離除去して転写絵柄層35を保護層2に
設けて転写絵柄シート55を作成する。更に、必要に応
じて図2に示す不織布又は織布からなる裏面保護層6を
積層することができる。この場合、基体フィルムの使用
分だけ費用の増加が考えられる。しかしながら、転写フ
ィルムは、基材フィルムに設けた保護層と比較して印刷
適性が優れ、従って印刷効果もよく細微でかつ美麗な印
刷ができる。また、保護層が若干粘着性が残っていても
絵柄層を構成できるため、保護層の材料の選択肢を広く
することができ、要望に応じた特性をもつ材料を選択で
きる。例えば、未硬化の常温で若干粘着性をもつ可撓性
がある硬化型樹脂の使用も容易である。
【0014】保護層に絵柄層を設けるときに使用する印
刷インキの顔料は、成形体に必要な耐久性をもつものが
好ましく、無機,有機いずれの顔料をも使用できる。し
かしながら、廃棄物公害の観点から、有害金属であるカ
ドミウムや鉛の含まない材料から選択することが好まし
い。例えば、耐久性をもつ色料には、カーボンブラッ
ク、酸化鉄(セピヤ、墨)、紺青、キナクリドンレッ
ド、フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、フ
タロシアニングリーン、イソインドリンエロー、クロモ
フタロエローなどがある。
【0015】印刷インキのバインダーは、積層するFR
Pに含まれるスチレンモノマーに溶解しブリードするこ
とがあってはならない。また、FRPの加熱成形の温度
で溶融したり、変色したり、また、保護層やFRPとの
接着が悪く、絵柄層との間で剥離するようなことはあっ
てはならない。もし、接着が悪い場合は、保護層、及び
/又は絵柄層の面に接着を強固にする目的をもつプライ
マー層を設けることができるが、コスト面から不利であ
ることはいうまでもない。印刷インキの好ましいバイン
ダーは、硝化綿、アクリル系樹脂、二液硬化型ウレタン
系樹脂、飽和ポリエステルである。また、アルミニウム
などの金属を蒸着したり、スパッタリングしたりしてメ
タリック調の絵柄層を形成することができる。印刷イン
キ面に金属を蒸着したり、スパッタリングしたりすると
きは、表面が粗面となっている印刷面に粒子を含まない
樹脂ワニスで平滑な透明層を設けることで、メタリック
調を鮮やかに表現できる。そして、この金属蒸着面を利
用し、通常の部分蒸着法による部分的にメタリック調の
柄絵柄層を形成することもできる。
【0016】本発明の使用する成形体の本体となるFR
Pは、不飽和二重結合をもつ二塩基酸、芳香属及び/又
は脂肪属二塩基酸と、二価アルコールとの重縮合反応に
よって得られるものである。そして、主鎖にエステル結
合「−(C=O)−O−」と、不飽和結合「−C=C
−」とをもつ不飽和ポリエステルを、架橋の作用をする
ビニルモノマーに溶解した液状の樹脂である。また、ア
クリル酸やメタアクリル酸などの不飽和一塩基酸のメチ
ル又はエチルエステルを付加した化合物のモノマーに溶
解したものも使用できる。そして、この液状樹脂は、有
機過酸化物を重合開始剤とするものである。
【0017】不飽和ポリエステルに用いられる原料の二
塩基酸には、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、コハク酸無水物、マロン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、エンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸などがある。
【0018】上記の酸と反応する、多価アルコールに
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化
ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピ
ルエーテルなどがある。
【0019】また、不飽和ポリエステルを溶解する架橋
性化合物には、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチ
レン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどがある。不飽
和ポリエステルは加熱硬化するときは重合開始剤として
有機過酸化物を添加し、常温硬化をするときは促進剤と
併用して硬化する。硬化剤には、ジアルキルパーオキサ
イド、パーオキシケトン、パーオキシエステル、パーオ
キシモノカーボネート、ジアシルパーオキサイド、パー
オキシジカーボネート、ハイドロパーオキサイド、ケト
ンパーオキサイドなどがある。また、硬化促進剤には金
属石鹸であるコバルト、マンガンなどのオクチル酸塩、
ナフテン酸塩などが上記パーオキサイドと併用される。
【0020】これらの不飽和ポリエステルに繊維状の物
を強化材として加えたものがFRPであり、無機顔料や
有機顔料により任意に着色したり、充填剤として体質顔
料の使用により増量したりすることもできる。上記不飽
和ポリエステルを強化する繊維状のものは、ガラス、ビ
ニロン、綿、ナイロン、炭素繊維、チタン酸カリウムな
どがある。そして繊維状の物を樹脂に分散し、適当な粘
性をもつバルク状の組成物としたFRPの未硬化物(中
間体)がBMC(バルクモウルドコンパウンド)であ
り、ポリオレフィンシートをキャリアとして、シート状
に形成したものが、SMC(シートモウルドコンパウン
ド)である。本発明の絵柄層の面に設ける繊維状物から
なるシートは、FRPが絵柄層と強固に接着するとき
は、未硬化のFRPがシートを浸透して絵柄層と接着で
きるものが好ましい。また、絵柄層と接着剤を介して接
着できるものであっても構わない。シートは、FRPの
浸透・接着性のよい多孔質のものが好ましく、織布、
紙、あるいは不織布が使用できる。好ましい繊維の材料
は、ガラス、綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、
ポリプロピレン、アクリルなどである。なお、織布ある
いは不織布の構成繊維の軟化温度をFRPの成形温度
(通常120〜150℃)より高いものを選ぶと、FR
Pの成形時に絵柄層の流動・変形を防止できて好まし
い。具体的には、綿、ナイロン、ポリプロピレン、ガラ
スなどが好ましい材料として挙げることができる。FR
Pを成形後、目地枠部分の織布又は不織布は、転写シー
トの基材フィルムとともにFRP成形体から除去され
る。
【0021】本発明に使用する目地枠は、成形体に目地
となる凹部を形成し、転写シートの絵柄層が成形体に転
写することを阻止して無地部を形成して、絵柄層と同調
する効果をもつものである。その、材質は、FRPの加
圧・加熱の成形を行うときに変形しない材料より選定で
き、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、チタン、真鍮
などの金属板や、これらにクロームやニッケルのメッキ
を施したものや、プラスチックシート、ガラスなどから
耐熱性、強度、寸法安定性、打ち抜き、切り抜きなどの
加工性のあるものから選定できる。そして、目地の形状
となる図5に示す目地部31は、例えば格子状に配置し
た目地枠30を形成するものである。目地部の形状は格
子状ばかりでなく、亀甲状や、ランダム模様のクラック
を象徴したものでも構わない。
【0022】なお、FRP成形時に、目地枠が転写シー
トとFRPの未硬化物との間に挿入される結果、両者の
間に空気が残留しやすくなる場合がある。この場合は転
写シート全層を貫通する直径100μm程度の小孔を全
面に穿設すると残留空気の排除に有効である。
【0023】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)図1に示すように、厚み25μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(基材フィルム1 東レ
(株)製 X45 商品名)に、アクリル系の保護層2
を3g/m2 塗工し、次いでアクリル系の樹脂をバイン
ダーとするインキを用いてグラビア印刷で、全面べた印
刷を含む石目調の絵柄層3を設けた図3に示す転写シー
ト5を形成した。一方、厚み2mmのステンレス板を用
いて図5に示す格子状の目地部31で形成した目地枠3
0を用意した。そして、図1(A)に示す金型60、6
1を145℃に加熱し、下型61からFRP7の未硬化
物としてのSMC、目地枠30及び転写シート5を積層
する。そして、雄型である岩肌の凹凸模様をもつ上型6
0を用いて、145℃、75kgf/cm2 で5分間、
加熱・加圧してSMC7を硬化し、同時にSMC7と転
写シート5とを目地枠30を挟んで一体成形した。次い
で、上型60と下型61とを開放して目地枠30を製品
71から取り外すとともに、非転写絵柄部36をもつ基
材フィルム1を剥離し、転写した絵柄層38をFRP製
品71に設けた。絵柄層38は、若干FRP樹脂の流れ
に伴う変形があるものの実用上支障のない程度のもので
あった。そして、絵柄層38の側から更にアクリル系の
塗料をスプレー塗装して保護層を強化し、絵柄層のなか
に無地でかつ凹部を形成した目地33をもつ高意匠のタ
イル調のFRP成形体71を構成できた。実施例1のF
RP成形体は、ユニットバスの洗い場に用いて、意匠性
とともに、表面物性も優れたものであった。
【0024】(実施例2)実施例1作成した転写シート
5の絵柄層3に、図示はしないがポリエステルイソシア
ネート系接着剤を設けて厚み200μmのアクリル繊維
からなる織布6を積層した。次いで、図2(A)に示す
ように実施例1と同様にしてFRPの未硬化物7からな
るSMCと転写シート5とを目地枠30を挟んで積層
し、更に図2(B)に示すように一体成形した。転写さ
れた絵柄層38は、FRPの流れに伴う変形がなく、印
刷で形成したものと全く同様のものであった。そして、
目地枠30と非転写絵柄部36をもつ基材フィルム1と
を剥離して、保護層2の側に電離放射線硬化型樹脂ワニ
スからなる硬化型保護層21をスプレーで塗装・硬化し
て形成し、絵柄層のなかに無地で、かつ凹部を形成した
目地33をもつ高意匠のタイル調のFRP成形体71を
構成できた。実施例2のFRP成形体71は、印刷した
ものと同様の絵柄層をもつもので、ユニットバスの洗い
場に用いて、意匠性とともに、耐久性のある表面物性の
優れたものであった。
【0025】(実施例3)図4に示すように、厚み25
μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(基材フィ
ルム1 東レ(株)製 X45 商品名)に、常温では
若干粘着性が残る電離放射線硬化型樹脂からなる保護層
2を3g/m2 塗工すると同時に、基体フィルム11に
転写絵柄層35を設けた転写フィルムの絵柄層35の面
とを圧着して、基材フィルム1に保護層2と転写絵柄層
35を形成した転写絵柄シート55を形成した。次い
で、実施例2と同様にして、図示はしないが、転写絵柄
シート55の基体フィルム11を剥離しながら、転写絵
柄層35に、ポリエステルイソシアネート系接着剤を設
けて厚み200μmのアクリル繊維からなる織布6を積
層した。そして、実施例2と同様にして、FRPの未硬
化物7からなるSMCと目地枠30転写絵柄シート55
とを一体成形した。成形体71に形成された転写絵柄層
38は、FRPの流れに伴う変形がなく、転写フィルム
11の印刷で形成したものと全く同様の微細な絵柄層を
もつものであった。次いで、目地枠と非転写絵柄部をも
つ基材フィルム1とを剥離し保護層2の側に電離放射線
硬化型樹脂ワニスからなる硬化型保護層21をスプレー
で塗装・硬化して形成し、絵柄層のなかに無地でかつ凹
部を形成した目地33をもつ高意匠のタイル調のFRP
成形体71を構成できた。
【0026】(比較例 1)目地部を抜き印刷で設けた
転写シートを、実施例1で作成した転写シート5と同一
構成で作成した。そして、目地枠を使用しない以外は実
施例1と同様の工程でFRP成形体を作成した。得られ
た成形体は、実施例のものと同様の無地部をもち、絵柄
層の部分は同一の表面意匠をもつものではあるが目地部
に凹部を形成することができず、意匠性の劣るものであ
った。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、転写シートとFRPの未硬化物とを一体成形すると
きに、その間に目地枠を介在させるために、目地枠の部
分が凹部を形成するとともに抜き印刷の絵柄層をもつ優
れた意匠効果を呈するFRP成形体を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFRPに模様を付加する工程を示す側
面の概念図である。 (A)金型上での転写シート及びFRPの積層状態を示
す概念図である。 (B)加熱・加圧の成形状態を示す概念図である。 (C)金型から取り出した状態を示す成形体である。 (D)硬化保護層を設けた状態を示す図である。
【図2】本発明の繊維状シートを含むFRPに模様を付
加する工程を示す側面の概念図である。 (A)金型上における転写シート、繊維状シート及びF
RPの積層状態を示す概念図である。 (B)加熱・加圧の成形状態を示す概念図である。 (C)金型から取り出した状態を示す成形体である。 (D)硬化保護層を設けた状態を示す図である。
【図3】転写シートの構成を示す側面の概念図である。
【図4】転写フィルムから絵柄層を設けた転写絵柄シー
トの側面の概念図である。
【図5】目地枠の概念を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 保護層 3 絵柄層 5、55 転写シート 6 織布、裏面保護層 7 FRPの未硬化物 11 基体フィルム 15 転写フィルム 21 硬化保護層 30 目地枠 31 目地部 33 目地 36 非転写絵柄部 35 転写フィルムから転写シートに形成された絵柄層 38 成形体に形成された絵柄層 60 上型 61 下型 71 FRP成形体
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 模様付き繊維強化プラスチック成形体
の製造方法

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチックの未硬化物、目地
    枠、並びに基材フィルムに剥離性をもつ保護層及び絵柄
    層を設けた転写シートの絵柄層側とを、成形用金型内で
    順次積層し、加熱・加圧して一体に成形し、未硬化成分
    を硬化せしめたのち、基材フィルム及び目地枠を除去す
    ることを特徴とする模様付き繊維強化プラスチック成形
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 繊維強化プラスチックの未硬化物、不織
    布又は織布、目地枠、並びに基材フィルムに剥離性をも
    つ保護層及び絵柄層を設けた転写シートの絵柄層側、と
    を成形用金型内で順次積層し、加熱・加圧して一体に成
    形し、未硬化成分を硬化せしめたのち、基材フィルム及
    び目地枠を除去することを特徴とする模様付き繊維強化
    プラスチック成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記成形体の絵柄層の側に、更に硬化型
    樹脂による保護層を塗工形成することを特徴とする請求
    項1及び2に記載の模様付き繊維強化プラスチック成形
    体の製造方法。
JP33369797A 1997-11-19 1997-11-19 模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP3923631B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33369797A JP3923631B2 (ja) 1997-11-19 1997-11-19 模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33369797A JP3923631B2 (ja) 1997-11-19 1997-11-19 模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11147234A true JPH11147234A (ja) 1999-06-02
JP3923631B2 JP3923631B2 (ja) 2007-06-06

Family

ID=18268960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33369797A Expired - Fee Related JP3923631B2 (ja) 1997-11-19 1997-11-19 模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3923631B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094472A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Dainippon Printing Co Ltd 加飾frp成形品の製造方法
JP2010076443A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Hon Hai Precision Industry Co Ltd 繊維製品の成型方法
KR102677139B1 (ko) * 2023-02-07 2024-06-20 문제희 유리섬유 강화 플라스틱 표면처리방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094472A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Dainippon Printing Co Ltd 加飾frp成形品の製造方法
JP2010076443A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Hon Hai Precision Industry Co Ltd 繊維製品の成型方法
KR102677139B1 (ko) * 2023-02-07 2024-06-20 문제희 유리섬유 강화 플라스틱 표면처리방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3923631B2 (ja) 2007-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2005051660A1 (ja) 加飾シート、加飾樹脂成形品及びその製造方法
US6682679B1 (en) Process for providing a decorative transfer in a molded product
WO2007116942A1 (ja) 加飾シート及びその製造方法
WO2016174989A1 (ja) 加飾シート、成形品の製造方法及び成形品
JPH10166499A (ja) 化粧鋼鈑
JPH04503637A (ja) 保護及び装飾被覆の形成に有用なシート材料
JP2007296848A (ja) 加飾シート及びその製造方法
JP2020023158A (ja) 化粧シート
JP3678063B2 (ja) 化粧シートとその製造方法
JP3923631B2 (ja) 模様付き繊維強化プラスチック成形体の製造方法
CA2360504A1 (en) Decorative sheet material with chlorinated polyolefin adhesive layer
JPH07299996A (ja) 転写シート
JP2002326319A (ja) 熱硬化性樹脂化粧材
JPH11138733A (ja) 化粧パネルの製造方法
JPH10249999A (ja) 化粧材及びその製造方法
JPH1199598A (ja) ポリオレフィン系樹脂フイルムを基材とする積層化粧シートおよびその製造方法
JP2002103544A (ja) 非晶質ポリエステル樹脂化粧シート及びその製造方法
JPH02108600A (ja) 転写箔
WO2020026989A1 (ja) 化粧シート
WO2001008863A1 (en) In-mold decorative transfer and process
JPH11147300A (ja) ポリエステル樹脂成型品およびその製造方法
JPH0747758A (ja) Gp−ps成形品用転写シート
JPH05254051A (ja) 化粧板
JP3140804B2 (ja) 装飾ガラス製品およびその製造方法
JP2000190441A (ja) 化粧材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140302

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees