JP2020023158A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】リワーク性を備えた化粧シートを提供する。【解決手段】化粧シート1は、最表面に形成され、少なくともポリエステル系樹脂により形成された層を含む表面層12と、表面層12の裏面側に積層され、両面に複数の凹形状を備える粘着層13とを備える。表面層12は、ポリエステル系樹脂により形成されたポリエステル系樹脂層121よりも表面側に形成された表面保護層122を備えている。粘着層13は、気泡を含有する液状の樹脂組成物を硬化したものであり、気泡に基づく凹形状13aが両面に複数形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シートに関するものである。
従来からプラスチックシートを基材として用い、これに色彩や模様等を施し、かつ、表面に鏡面性を付与した化粧シートが知られている。
これら化粧シートは、例えば、建築物の内外装、建材、家具、家電製品用等の様々な素材に貼り付けて用いられる。表面の鏡面性によって、清潔感、高級感等を演出する意匠性を付与することができる。
このような鏡面性を有する化粧シートとして、ポリエステルフィルムを用いた化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1)。
素材に化粧シートを貼り付けるときには、貼り付け加工時に化粧シート側、素材側、又は其の両側の表面に接着材(接着剤とも呼称される)を塗工し、素材に化粧シートの貼り付けを行なったり、あらかじめ化粧シートの裏面に形成された接着材層を利用して貼り付けを行なったりしている。
また、一旦貼り付けた化粧シートを剥離して貼る位置を変更調整した上で再度貼り付けたり、又は、剥離した跡に別の化粧シートを貼り直したりすることが想定される場合には、接着材の代わりに剥離が比較的容易な粘着材(粘着剤とも呼称される)を使用することも可能である。ただし、現実には、従来の粘着材を用いてラミネートする形態の化粧シートは、再剥離して貼り直す等の再利用が意に反して困難であり、例えば、貼り付け時に皺が発生して貼り付けに失敗すると、剥がした化粧シートに変形や破れを生じる為に廃棄したり、素材に再貼り付けを試みる場合は素材表面に残留する粘着材を清掃したりする必要があった。このため、化粧シートを貼り付けるには、特別な設備が必要であったり、熟練した職人が必要であったりして、難易度が高かった。特に、近年では、職人が不足しており、未熟連者や素人では、化粧シートの貼り付け作業において、貼り損ないを頻発していた。
そこで、化粧シートを利用しやすくするために、貼り付けを失敗した場合や貼り換える場合に剥がしてそのまま再度貼り付けを行える、所謂リワーク性を高めることが望まれていた。
一方、被着体表面に多数の微小な吸盤群を有する粘着層からなるマイクロ吸盤膜に関する技術が、特許文献2に開示されている。特許文献2のマイクロ吸盤膜は被着体との間で可逆的な貼り付け及び剥離が可能なため、このマイクロ吸盤膜からなる粘着層を備えた化粧シートを実現できれば、リワーク性を備えた化粧シートとすることが可能と考えられる。しかし、特許文献2に開示されている組成物は、常温程度の温度でもマイクロ吸盤膜を作製可能とされているものの、被着体に対する十分な吸着力と剥離力のバランスを実現し、十分なリワーク性を有する粘着層を安定生産することが困難であり、化粧シートに上記組成物を塗布して利用することができなかった。
特開2007−204966号公報 特開2017−36404号公報
本発明の課題は、リワーク性を備えた化粧シートを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、最表面に形成され、少なくともポリエステル系樹脂により形成された層を含む表面層(12)と、前記表面層(12)の裏面側に積層され、両面に複数の凹形状(13a)を備える粘着層(13)と、を備え、前記凹形状(13a)は、前記粘着層(13)の両面に均等に形成されており、前記表面層(12)側の面に開口する前記凹形状(13a)の各開口部の直径の平均値をDave とし、前記表面層(12)とは反対側に開口する前記凹形状(13a)の各開口部の直径の平均値をDave としたときに、|Dave −Dave |/Dave ≦0.5の関係を満たす化粧シート(1,1B,1C)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の化粧シート(1,1B,1C)において、前記粘着層(13)の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲にあること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の化粧シート(1C)において、前記表面層(12)は、ポリエステル系樹脂により形成された層のみで構成されていること、を特徴とする化粧シート(1C)である。
第4の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の化粧シート(1,1B)において、前記表面層(12)は、ポリエステル系樹脂により形成された層(121)と、前記ポリエステル系樹脂により形成された層(121)よりも表面側に形成された表面保護層(122)と、を備えること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかに記載の化粧シート(1)において、前記表面層(12)と前記粘着層(13)との間に配置され、少なくとも模様を含む装飾層(11)をさらに有すること、を特徴とする化粧シート(1)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載の化粧シート(1,1B,1C)において、前記表面層(12)の最表面は、鏡面に構成されていること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかに記載の化粧シート(1,1B,1C)において、前記粘着層(13)は、気泡を含有する液状の樹脂組成物を硬化したものであり、前記気泡に基づく前記凹形状(13a)が両面に複数形成されていること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかに記載の化粧シート(1,1B,1C)において、前記粘着層(13)は、密度が0.1g/cm以上、0.7g/cm以下であること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかに記載の化粧シート(1,1B,1C)において、前記粘着層(13)の裏面側には、剥離性基材シート(15)が積層されていること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかに記載の化粧シート(1,1B,1C)において、ロール状に巻いた形態に構成されていること、を特徴とする化粧シート(1,1B,1C)である。
本発明によれば、リワーク性を備えた化粧シートを提供することができる。
本発明による化粧シートの第1実施形態を示す断面図である。 化粧シート1の使用時の形態をより詳細に順次示す断面図である。 化粧シート1をロール1Rの形態に巻いた形態を示す斜視図である。 化粧シート1の製造装置を示す図である。 化粧シート1の製造方法を説明する図である。 実施例の化粧シート1の粘着層13を裏面側(粘着面側)の方向から見て拡大した写真である。 実施例の化粧シート1の粘着層13の裏面側(粘着面側)近傍部分についてシート面に直交する方向の断面で拡大した図である。 実施例及び比較例の剥離力を示す図である。 サンプル1の観察結果を示す図である。 サンプル2の観察結果を示す図である。 サンプル3の観察結果を示す図である。 サンプル4の観察結果を示す図である。 化粧シートの第2実施形態を示す断面図である。 化粧シートの第3実施形態を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による化粧シートの第1実施形態を示す断面図である。
なお、実写の図6、図7、及び図9から図13を除いて、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、本発明においては、このような使い分けには、技術的な意味はないので、これらの文言は、適宜置き換えて使用することができるし、適宜置き換えても各請求項及び本願明細書の文言は同様に解釈することができるものとする。
また、化粧シートの使用状態において、表側(ポリエステル系樹脂により形成された層121側であって、図1における上側)となる側を表と呼び、その反対側(粘着層13側であって、図1における下側)を裏側と呼ぶこととする。
以下の説明では、先ず、化粧シートの一例として、図1に示すように装飾層11とポリエステル系樹脂により形成された層121を含む表面層12とが積層して貼り合せされている化粧シート1を挙げて説明する。なお、以降、「ポリエステル系樹脂により形成された層121」を、簡略化の為、「ポリエステル系樹脂層121」とも略称する。また、後述するが、例えば、装飾層11を備えずにポリエステル系樹脂層121のみを備えた化粧シートであってもよいし、ポリエステル系樹脂層121が表面保護層122を備えない構成としてもよい。
図1に図示する実施形態において、化粧シート1は、装飾層11と、表面層12と、粘着層13と、接着層14と、剥離性基材シート15とを備えている。
(装飾層11)
装飾層11は、基材層111と、印刷層112とを備えている。
(基材層111)
基材層111は、熱可塑性樹脂からなる基材層である。基材層を形成する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン(PP)、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマーあるいは、これらの混合物等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいはこれらの混合物等のビニル系;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂;ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリスチレン;又はポリイミド等が挙げられる。尚、本願発明明細書に於いて、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
これらのなかから単独で、又は2種以上を選んで混合物として用いることができるが、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂が好ましく、なかでも製造後の化粧シートを焼却廃棄処分にする際に有毒な塩素系ガスが発生しないこと、コスト等の観点から、ポリオレフィンがより好ましく、ポリオレフィンのなかでもポリエチレンあるいはポリプロピレンが好ましい。
また、基材層111は、着色されたポリオレフィンで形成されることが好ましい。着色されたポリオレフィンを用いることで、化粧シートの表面に形成される絵柄層の色調の安定性を確保することができ、化粧シートが貼り付けられる被着基板の表面色相がばらついている場合に、ばらついた表面の色相を良好に隠蔽することができる。
このような目的で用いられる着色剤は、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、基材層111を有色透明や、有色不透明に着色することができる。一般的には被着体の表面を隠蔽することが必要であるため、有色不透明とすることが好ましい。着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケル−アゾ錯体、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
また、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。着色剤の添加量は、通常、上述の基材層111を形成する樹脂材料100質量部に対し、1〜80質量部程度である。
本発明においては、基材層111に用いられる樹脂フィルムに対して、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、該基材は基材と各層との層間密着性の強化等を目的として、プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
なお、基材層111には、必要に応じてその他の各種添加剤、例えば、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が配合されていてもよい。
基材層111の厚さについては特に制限はないが、上記の如き樹脂(プラスチック)を素材とするシートを用いる場合には、厚さは、通常10〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜100μm、さらに好ましくは50〜85μmの範囲である。基材層111の厚さが上記範囲内であると、本発明の化粧シートの加工時にその表面に割れ等が生じることがなく、また優れた加工特性が得られる。
印刷層112は、本発明の化粧シートに意匠を与えるものであり、ベタ印刷層であってもよいし、絵柄印刷層であってもよいし、ベタ印刷層と絵柄印刷層とを組み合わせた構成であってもよい。ベタ印刷層は、基材層111の地肌の隠蔽等の目的で設けられ、通常は模様のない全ベタ状の着色層として形成される。一方、絵柄印刷層は、図形、文字、記号、色彩、それらの組み合わせ等により、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、天然皮革の表面柄、幾何学図形、抽象柄等からなる模様乃至色彩を有し、ベタ印刷層上に、平面状、凹凸状、凸状の層として形成される。なお、絵柄印刷層がベタ印刷層の作用を兼ねる場合もあり、ベタ印刷層のみ、又は絵柄印刷層のみから印刷層112が構成されることもある。
印刷層112の形成に用いられるインキ組成物としては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体、塩素化ポリエチレン系、塩素化ポリプロピレン系、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。中でも、本発明の効果の点から、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系等の1種単独で又は2種以上を混合して用いるのが好ましい。
着色剤としては、特に制限なく、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケル−アゾ錯体、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀、銅、錫、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。
(印刷層112)
印刷層112は、一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、インキジェット印刷のような無版印刷等、周知の印刷方法により形成することができる。絵柄印刷層の模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
この印刷層112の厚さは、通常1〜20μm程度であり、1〜10μmが好ましい。
また、印刷層112は、金属薄膜により形成されていてもよい。金属薄膜は、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀、銅、錫、真鍮、ステンレ鋼等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜される。これらを組み合わせて用いてもよい。金属薄膜は、基材層111の全面に設けることも、部分的にパターン状に設けることも可能である。
(接着層14)
接着層14は、印刷層112と後述するポリエステル系樹脂層121との間に設けられる層であり、接着層14は、樹脂組成物、溶媒、及びその他の添加剤からなる接着塗工剤により形成される。
樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。このうち、ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。樹脂組成物としてポリエステル樹脂を採用することで、基材層111とポリエステル系樹脂層121との接着強度が向上し、本発明の化粧シートの薄膜化を可能とすることができる。樹脂組成物として好ましく採用されるポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸及びアルコール成分の各々少なくとも一種を反応させたものが好ましく挙げられる。
多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和脂肪族や脂環族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;オキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸;リノール酸等の不飽和ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、フェニレングリコールとそのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のトリオール及びテトラオール等が挙げられる。
また、樹脂組成物に対しては、硬化剤を用いることが好ましい。硬化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネート等のイソシアネート系硬化剤のほか、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、トリスメトキシメチルメラミン等のメラミン系硬化剤や、エポキシ系硬化剤、シランカップリング剤、ジルコ−アルミニウムカップリング剤等が好ましく挙げられる。これらの硬化剤を用いることで、より強い接着強度が得られる。より強い接着強度を得る観点からは、イソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤が好ましく、イソシアネート系硬化剤がより好ましい。
硬化剤の使用量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、−20〜100℃の範囲であることが好ましく、−10〜90℃であることがより好ましい。ここで、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量系(DSC)により測定された値である。
また、弾性率は、−0.8〜4MPaの範囲であることが好ましく、1〜3MPaであることがより好ましい。ここで、弾性率は、JIS K6732に準拠し、100%以上の伸びを与えたときの応力を測定した値である。
接着層14を形成する接着塗工剤に用いられる溶媒は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の非水溶性有機溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等の水溶性有機溶剤、水、又はこれらの混合溶剤等が挙げられる。なお、接着塗工剤として、溶媒を用いない無溶剤タイプの接着塗工剤を用いることも可能である。無溶剤タイプの接着塗工剤は、環境問題が配慮されたものであり、好ましく用いられる。
接着層14を形成する接着塗工剤は、溶媒を用いる場合には、樹脂組成物と、必要に応じてその他の添加剤を溶媒に含有させて、公知の方法により溶解、分散、混合させて調製される。
接着層14は、上述した接着塗工剤を印刷層112上に塗工し、乾燥、硬化させて形成される。塗工方法としては、公知の各種方法、例えば、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート、コンマコート等が用いられ、生産性の面から、グラビアコート、コンマコートが好ましく用いられる。
接着層14は、乾燥後の塗工量が0.1〜20g/m、好ましくは1〜10g/m程度になるように塗工される。
(表面層12)
表面層12は、ポリエステル系樹脂層121と、表面保護層122とを備えている。なお、表面保護層122は必須というものではない。
(ポリエステル系樹脂層121)
ポリエステル系樹脂層121は、擦り傷等からの印刷層112の保護、化粧シートの表面強度向上、及び塗装感の付与等の観点から、接着層14の上に積層される層である。ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂は、製造後の化粧シートを焼却廃棄処分する際に発生する有機ガスの安全性が高いという環境の面でも優位である。
ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂としては、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸と、アルコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、1,4シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオールとのエステル化反応により得られた共重合体が好ましく挙げられる。本発明で用いられる具体的なポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体、各種のポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂は、着色されていてもよいし、無色透明であってもよいが、意匠性の観点から透明であることが好ましい。着色する際には、着色透明であることが好ましく、上記基材層111で記載した着色剤を使用することができる。
また、ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂は、無延伸でも延伸されたものでもよいが、寸法安定性、強度や結晶性、あるいは耐溶剤性等の表面物性を向上させる観点から二軸延伸されたものが好ましい。また、本発明においては鏡面性が重要となるため、化粧シートに優れた鏡面性を付与する観点からも、延伸配向により結晶化した、二軸延伸されたものが好ましい。
ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂の透明性(ヘイズ)は、0〜5%が好ましく、より好ましくは0〜3%である。ここで、ヘイズはJIS K7105に準拠して測定した値である。ポリエステル樹脂のヘイズが上記範囲内であると、優れた意匠性が得られる。
また、ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂の加熱収縮率は、0〜5%が好ましく、より好ましくは0〜3%である。ここで、加熱収縮率は、JIS C2318に準拠して測定した値である。加熱収縮率が上記範囲内であると、優れた表面物性が得られる。
ポリエステル系樹脂層121を形成するポリエステル樹脂には、必要に応じて、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、マット剤、酸化防止剤、及びブロッキング防止剤等の公知の添加剤が添加される。
ポリエステル系樹脂層121は、接着層14上に、あらかじめ製膜したポリエステル樹脂フィルムをドライラミネーションや熱ラミネーション等の各種のラミネート法で積層する方法、その他公知の方法により形成される。なかでも、あらかじめ樹脂フィルムを製膜しておき、ドライラミネーションする方法が好ましい。また、接着性を上げるため、後述する易接着層の形成のほか、コロナ処理等を行うこともできる。
ポリエステル系樹脂層121の厚さは、任意ではあるが、好ましくは50〜100μm、より好ましくは60〜80μmである。ポリエステル系樹脂層121の厚さが上記範囲内であれば、本発明の化粧シートの薄膜化を図れるので、優れた加工特性が得られ、かつ加工した際にシート表面にクラック等が発生せず、優れた外観を有する化粧板を得ることができる。
また、基材層111とポリエステル系樹脂層121との合計厚さは、好ましくは100〜180μmであり、より好ましくは110〜160μmであり、さらに好ましくは120〜140μmである。基材層111とポリエステル系樹脂層121との合計厚さが上記範囲内であれば、優れた加工特性が得られ、かつ加工した際にシート表面にクラック等が発生せず、優れた外観を有する化粧板を得ることができる。
また、ポリエステル系樹脂層121の表面には、エンボスによる賦形を施すことができる。エンボス模様を形成することにより、化粧シートの意匠性を向上させることができる。こうしたエンボスによる模様は、特に限定されず、化粧シートの用途に応じた模様であればよい。例えば、木目導管溝、木目年輪凹凸、浮造年輪凹凸、木肌凹凸、砂目、梨地、ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面等の石材表面凹凸、布目の表面テクスチュア、皮絞、文字、幾何学模様等の模様が挙げられる。また表面に鮮映性を出す場合は、鏡面ロールを用いて圧をかけることによって、より一層平滑性を向上させることが可能である。
(表面保護層122)
表面保護層122は、本発明の化粧シートに優れた鏡面性と同時に、耐摩擦性、耐擦傷性、耐汚染性、及び耐薬品性等の表面特性を付与するために設けられる層である。
表面保護層122は、その塗膜伸び率が10〜30%であることを要し、10〜25%であることが好ましい。塗膜伸び率が10%未満であると、加工特性が低下し、30%よりも大きいと表面特性の低下を招いてしまう。ここで、該塗膜伸び率は、ポリプロピレン樹脂シート(厚さ:60μm)上に、乾燥後の厚さが5μmとなるように電離放射線硬化性樹脂をグラビア印刷し、電子線を照射して(加圧電圧:175kV,照射線量:30kGy)架橋硬化して製膜したシートについて、JIL K7113−1995に準拠して、測定した伸び率である(2号試験片を使用,試験温度;23℃,試験速度:50mm/min±10%)。表面保護層122は、所定の伸び率を有することで、本発明の化粧シートに優れた加工特性を付与することができる。
表面保護層122は、求める表面外観(光沢度、ヘイズ、色調等)、表面物性(耐擦傷性、耐汚染性、耐候性等)に応じて、従来公知の表面塗膜の中から適宜の材料及び膜厚のものを選択すればよい。
表面保護層122の材料として代表的な物は、電離放射線硬化性樹脂組成物、又は熱硬化性樹脂組成物が架橋硬化してなる層であり、電離放射線硬化性樹脂組成物しては、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーであり、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
加工特性と耐擦傷性とを向上させる観点から、多官能性(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は2以上8以下が好ましく、2以上6以下がより好ましく、2以上4以下がさらに好ましく、2以上3以下がよりさらに好ましい。これらの多官能性(メタ)アクリレートモノマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。また、これら多官能性(メタ)アクリレートモノマー1種以上と後述の(メタ)アクリレートオリゴマー1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。加工特性と耐擦傷性及び耐候性を向上させる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーがさらに好ましい。
これらの重合性オリゴマーの官能基数は、加工特性と耐擦傷性及び耐候性を向上させる観点から、2以上8以下のものが好ましく、上限としては、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、3以下がよりさらに好ましい。
また、これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、加工特性と耐擦傷性及び耐候性を向上させる観点から、2,500以上7,500以下が好ましく、3,000以上7,000以下がより好ましく、3,500以上6,000以下がさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
電離放射線硬化性樹脂組成物中には、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
電離放射線硬化性組成物が紫外線又は可視光線硬化性である場合には、該組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
電離放射線としては、紫外線、可視光線、X線等の電磁波、あるいは電子線、α線、各種イオン線等の荷電粒子線を用いること出来るが、通常は、紫外線又は電子線が用いられる。
熱硬化性樹脂組成物としては、ポリオール化合物を主剤としイソシアネート化合物を硬化剤(架橋剤)とする2液硬化型ウレタ樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、弗素樹脂、珪素樹脂等が挙げられる。
表面保護層122の膜厚は、1〜100μm程度の範囲とすることが出来る。
(粘着層13)
粘着層13は、装飾層11のポリエステル系樹脂層121とは反対側(図1上では、下側となる面であり、これを装飾層11の裏面側とも呼称する)の面に積層されており、壁面等の被着体に対する粘着性を有する層である。粘着層13は、その両面、すなわち、装飾層11に接する側及び剥離性基材シート15に接する側に開口した複数の凹形状13aを備えている。また、粘着層13は、弾性を備えており、複数の凹形状13aがそれぞれ微細な吸盤として作用することから、様々な被着体に対して粘着力(吸着力)を発揮することができる(図2(c)参照)。
粘着層13は、例えば、特許文献2(特開2017−36404号公報)に開示されている液状の樹脂組成物(アクリルエマルジョン)を用いて後述する製造方法により形成される。粘着層13に用いる樹脂組成物としては、例えば、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とし、硫黄、ビシン:N,N−Bis(2−hydroxyethyl)glycine、N.N.−ジメチルオクタデカアミン等を含有するものを用いることができる。
粘着層13の層厚は、1μm以上、500μm以下であることが望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、凹形状の形成が困難になったり、凹形状の大きさが小さくなりすぎて、粘着(吸着)特性が低下したりする。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、化粧シートの柔軟性が低下して、作業性が悪くなる。
さらに、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲とすることが望ましい。この点については、後述する。
粘着層13の凹形状13aの大きさ(直径)や密度は、後述する製造工程における各種条件を変更することにより、調整可能である。例えば、粘着層13は、凹形状13aが含まれる程度を表す指標として、粘着層13の密度を用いることができる。この粘着層13の密度としては、特に限定されないが、例えば、0.1g/cm以上、0.7g/cm以下とすることができる。また、凹形状13aの大きさ(直径)は、特に限定されないが、例えば、1μm以上、300μm以下とすることができる。尚、凹形状13aの大きさは、凹形状13aが球と見做し得る場合は、斯かる球の直径を凹形状13aの大きさとする。もし、凹形状13aが球と見做し得無い場合は、当該凹形状13aと同体積の球の直径を斯かる凹形状13aの大きさとする。
(剥離性基材シート15)
剥離性基材シート15は、粘着層13の装飾層11とは反対側(図1上では、下側となる面であり、これを粘着層13の裏面側とも呼称する)に積層されている。剥離性基材シート15は、化粧シート1を使用するまでの間の取扱性を考慮して設けられるものであり、化粧シート1の使用時、すなわち被着体の表面に化粧シート1を貼り合せる際に剥離される。剥離性基材シート15としては、従来公知の離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、剥離紙等の各種形態のものを適宜使用できる。例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等の片面又は両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。離型層を備えた離型フィルムを用いる場合には、例えば、シリコーン離型タイプのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、未処理PETフィルム、PPフィルム、シリコーン離型タイプの紙等を用いることができる。
剥離性基材シート15の厚さは、例えば、10μm以上、100μm以下とすることが望ましく、20μm以上、60μm以下とすることがさらに望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、コシがなく、剥離しづらくなる。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、コシが強すぎて貼り付け時の作業性が低下するからである。
また、剥離性基材シート15としては、市販のものを使用してもよく、例えば、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP−PET−01)等が挙げられる。
なお、本実施形態では、剥離性基材シート15を備える形態を例示したが、使用形態によっては、剥離性基材シート15を省略してもよい。
なお、各層の間には、必要に応じて各層間の接合力を向上させるためにプライマー層を設けてもよい。プライマー層としては、装飾層11がポリオレフィン、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂等の場合、ポリオールとイソシアネートとからなりイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネートを硬化剤とする塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂等を用いることができる。
図2は、化粧シート1の使用時の形態をより詳細に順次示す断面図である。
上述した化粧シート1は、図2(a)に示すように、剥離性基材シート15を備えている。化粧シート1を被着体50に貼り付けるときには、剥離性基材シート15を剥離する(図2(b))。そして、露出した粘着層13を被着体50に貼り付けて、その表面に適度な圧力を加えることにより、粘着層の露出面に多数存在する凹形状13aが弾性変形することにより従来のマイクロ吸盤と同様な作用によって被着体50に対して吸着(粘着)することとなる(図2(c))。
すなわち、凹形状13aの周囲の弾性変形によって、凹形状13aには、変形状態から元の形状に戻ろうとする力が働く。この力により、凹形状13a内の密閉空間が負圧となって、被着体50への吸着作用が生じる。なお、凹形状13a単体での吸着力は、弱いものであるが、多数の凹形状13aが形成されているので、全体としては必要な吸着力を確保できる。また、粘着層13の作製時に、凹形状13aが含まれる量を、例えば、密度をパラメータとして調整すれば、粘着層13の粘着力(吸着力)を調整可能である。
図3は、化粧シート1をロール1Rの形態に巻いた形態を示す斜視図である。
本実施形態の化粧シート1は、例えば図3に示すようにロール1Rの形態に巻いた形態として製造され、流通させることができる。このような形態であれば、貼り付け対象の被着体に合せて必要所定量の化粧シート1を図3に図示の如くロール1Rから巻き出した後、必要な大きさ及び形状にカットして用いることができる。また、流通時に折り曲がってしまうことも防止できる。なお、化粧シート1は、ロール1Rの形態に巻いた形態に限らず、枚葉の形態としてもよい。
斯かるロール1Rは、図3の如く通常、紙管等の巻軸1Sの周囲に化粧シート1を巻き取るが、巻軸1S無しで化粧シート1のみを巻き取る形態も可能である。ロール1Rを構成する化粧シート1は剥離性基材シート15を含む構成とする事も、あるいは剥離性基材シート15を含まない構成とする事もいずれも可能であるが、巻出し時の化粧シート1の円滑な巻出し性、及び表面層12の表面と粘着層13との相互作用による艷等の位相外観変化の防止の為には、剥離性基材シート15を含む形態の化粧シート1を巻き取ってロー1Rの形態とする方が好ましい。
次に、化粧シート1の製造方法について説明する。
図4は、化粧シート1の製造装置を示す図である。
図5は、化粧シート1の製造方法を説明する図である。
化粧シート1の製造を行うためには、先ず、粘着層13を形成するための特許文献2に開示されているアクリルエマルジョンの組成物を攪拌機に入れ、この組成物中に窒素ガスを混合しながら攪拌を行い、組成物中に気泡を含め、気泡含有組成物130を作製する(図中のP1:泡立て工程)。
次に、剥離性基材シート15上に気泡含有組成物130を塗工し、気泡含有組成物130の液状塗工層130CLを形成する(図中のP2:塗工工程)。塗工工程では、例えば、コンマコータを用いることができるが、その他の公知の塗工手法を用いてもよい。
剥離性基材シート15上に気泡含有組成物の液状塗工層130CLを塗工したら、該液状塗工層130CLを加熱しながら乾燥させて気泡含有組成物の固化塗工層130CSとして粘着層13を形成する(図中のP3:乾燥工程)。乾燥工程では、例えば、温度を60℃〜140℃程度の乾燥炉を用いることができる。乾燥時間としては、例えば、30秒〜10分程度を例示することができる。また、乾燥工程では、気泡含有組成物130に対して送風を行いながら乾燥を促進してもよい。乾燥工程を行うことにより、気泡含有組成物130の固化塗工層130CSの露出面側(図5においては上側)及び剥離性基材シート15側の両面に平均直径が同一乃至略同一の開口部を有する凹形状13aが形成されて、粘着層13が形成される。この凹形状13aは、気泡含有組成物130中に含まれていた気泡のうち該露出面側近傍の気泡が破泡して固化塗工層130CSの露出面側に気泡の形状の一部が残り、一方、固化塗工層130CSと剥離性基材シート15との界面及びその近傍に集まった気泡が気泡含有組成物の固化によって、固化した該組成物中の気泡との界面形状が固定化することにより形成される。ここで、気泡含有組成物130の硬化が不十分な状態で気泡が破泡すると凹形状13aが残りにくくなる。一方、気泡が破泡する前に気泡含有組成物130が硬化してしまうと、凹形状13aが形成されないおそれがある。よって、ある程度、気泡含有組成物130の硬化が進んだ状態で破泡が行われる条件で乾燥工程が行われることが望ましい。したがって、乾燥工程における温度や送風量が、凹形状13aの状態に大きく影響を与える。
乾燥工程により粘着層13を形成した後、別途用意した装飾層11及び表面層12を粘着層13と接合させる(図中のP4:ラミネート工程)。このラミネート工程では、粘着層13の凹形状13aによる吸着力(粘着力)によってラミネートを行うので、加熱が不要であり、また、僅かな加圧力だけで接合が可能である。よって、装飾層11及び表面層12にダメージを与えることがない。
上記ラミネート工程が完了すれば、化粧シート1が完成する。
以上のように、本実施形態の化粧シート1の製造では、装飾層11及び表面層12に粘着層13形成時の熱によるダメージを与えることなく、化粧シート1を効率よく製造可能である。なお、化粧シートは、その後、ロール状に巻き取ってもよいし、必要なサイズに裁断されてもよい。
次に、本実施形態の化粧シート1を実際に作製した例を示し、比較例と比較した結果を説明する。
実施例の化粧シート1では、剥離性基材シート15に離型性を備えた2軸延伸PETフィルムを用い、この上に、200μmのクリアランスを有するコンマコータを用いて泡立て工程済みの気泡含有組成物130を塗布した。これを100℃の乾燥路内で1分間乾燥を行って粘着層13を形成し、装飾層11及び表面層12をラミネートして化粧シート1を得た。なお、この場合の粘着層13の密度は、0.58g/cm3であり、厚さ50μmであった。
図6は、実施例の化粧シート1の粘着層13を裏面側(粘着面側)の方向から見て拡大した写真である。
図7は、実施例の化粧シート1の粘着層13の裏面側(粘着面側)近傍部分についてシート面に直交する方向の断面で拡大した図である。
図6及び図7に示すように、粘着層13には、多数の凹形状13aが形成されていることが確認できる。
なお、本明細書中においてシート面とは、各シートにおいて、其のシート全体として見た場合に、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。図1においては、装飾層11の表面又は裏面、あるいは、これらの面と平行な任意の面がシート面に相当する。
比較例1として、泡立て工程を行わない他は、上記実施例と同様にして作製した化粧シートを作製した。作製後の粘着層の密度は、0.87g/cm3であり、厚さ100μmであった。
比較例2として、アクリル樹脂である綜研化学社製:SK2094を用いて泡立て工程無しで塗工して粘着層を作製した化粧シート(アクリル粘着Aタイプとする)を用意した。
比較例3として、アクリル樹脂である綜研化学社製:SK1502Cを用いて泡立て工程無しで塗工して粘着層を作製した化粧シート(アクリル粘着Bタイプとする)を用意した。
以上の4種類の化粧シートを用意し、剥離力について比較した。
図8は、実施例及び比較例の剥離力を示す図である。
図8中の剥離力は、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度300mm/minで180°剥離を行って、そのときの剥離力を測定した結果である。また、剥離力の測定は、貼り付け直後(0.5時間)と、貼り付け後1000時間経過とについて行った。
実施例では、貼り付け直後及び1000時間経過後の双方において、比較的小さな剥離力で剥離できることがわかる。この程度の剥離力であれば、自然に剥がれてしまうことはなく、かつ、剥がそうとして力を加えれば簡単に剥がすことが可能である。しかも、凹形状13aによる吸着であることから、剥離後に被着体50に見立てた試験用被着体の表面に粘着層13の残留が無く、また、粘着層13自体の粘着力(剥離力)も実質上の変化は無く、再貼り付け可能であった。
比較例1は、小片であれば比較的小さな剥離力で剥離できるが、大サイズの場合は剥離にある程度の力が必要であった。また、剥離後には被着体表面に粘着層の残留が見られ、完全な再貼り付けは不可能であった。
比較例2は、大サイズの場合は剥離にある程度の力が必要であり、また、貼り付け直後であれば、剥がすことは可能であるが、1000時間経過後では、剥離力が大幅に上昇してしまっており、手作業では剥離が困難であったり、無理に剥がすと装飾層11及び表面層12が破損したりするおそれがある状態になっていた。
比較例3は、貼り付け直後から剥離力が大きすぎて、手作業では剥離が困難であったり、無理に剥がすと装飾層11及び表面層12が破損したりするおそれがある状態になっていた。
また、比較例2及び比較例3のいずれも、剥離後は、試験用被着体に粘着材が一部残ってしまったり、粘着力の低下があったりして、再貼り付けには適していなかった。
(粘着層13の凹形状13aについて検証実験)
上述したように、本発明において、粘着層13の凹形状13aが、粘着力に大きな影響を与える。凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられていないと、粘着層の一方の面が他方の面に比べて粘着力(吸着力)が低下、又は、増加してしまうおそれがある。また、凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられることにより、粘着層13の物理的性質も均質になり、装飾層11と剥離性基材シート、又は、装飾層11と被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性の発現の上でも好ましい。
凹形状13aを粘着層13の両面に均等に設けるためには、粘着層13の塗布量(層厚t)の管理が重要である。この点、特許文献2(特開2017−36404号公報)においては、何ら考慮されておらず、単にマイクロ吸盤が形成されていればよいとされている。特許文献2では、WET膜厚800μmとして形成した実施例1の断面写真である図2(特許文献2の図2)において、マイクロ吸盤を有する面として示されている部分には、微細な吸盤構造が形成されているものの、ガラス基板から剥離した面として示されている部分には、先の微細な吸盤構造とは比べものにならない程巨大な気泡と思われる構成が確認できる。すなわち、特許文献2の構成では、粘着層の一方の面にはマイクロ吸盤(本実施形態における凹形状13aに相当)が形成されているが、他方の面には、マイクロ吸盤(凹形状13a)が略形成されていない。
この点を本件出願人においても、検証実験を行なった。
検証実験として、4種類の粘着層のサンプルを作製し、その両面の凹形状13aをSEMで観察した。サンプルは、以下の4種類である。
サンプル1:粘着層の層厚t=25μm
サンプル2:粘着層の層厚t=30μm
サンプル3:粘着層の層厚t=35μm
サンプル4:粘着層の層厚t≒2000μm
なお、上記サンプルの層厚は、乾燥後の層厚である。また、サンプル1〜3については、コーターを用いてガラス面に発泡処理後の気泡含有組成物を塗工し、100度の乾燥炉を用いて乾燥処理を行なった。サンプル4については、ガラス面への滴下塗布とし、常温下(室温20°C)の自然乾燥とした。なお、サンプル4について乾燥条件を変えたのは、特許文献2における常温乾燥で十分であるとの記載についても検証するためである。また、いずれのサンプルも、発泡処理後の粘着層の密度は、0.4g/cmとした。
図9は、サンプル1の観察結果を示す図である。
図10は、サンプル2の観察結果を示す図である。
図11は、サンプル3の観察結果を示す図である。
図12は、サンプル4の観察結果を示す図である。
図9から図11のように、粘着層の層厚tを管理し、かつ加熱乾燥したサンプル1からサンプル3については、微細な凹形状13aが両面に均等に形成されていることが確認できた。
これに対して、図12に示す膜厚が厚いと共に常温乾燥したサンプル4では、乾燥面とガラス側面とで凹形状13aの大きさに極端な差異が認められ、特許文献2の図2と同様な結果が得られた。
よって、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲とすることが望ましいと判断できる。
ここで、この凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられている状態について、より詳しくは、以下に示すような関係を満たすことが望ましい。
装飾層11側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave とし、剥離性基材シート側(装飾層とは反対側)に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave としたときに、
|Dave −Dave |/Dave ≦0.5
の関係を満たすことが望ましい。
また、
|Dave −Dave |/Dave ≦0.25
の関係を満たすことがさらに望ましい。
これらの関係を満たすことにより、粘着層の両面における粘着力の差異を少なくすることができ、また、装飾層11と剥離性基材シート、又は、装飾層11と被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性を良好に発現させることができる。
このように粘着層の両面における粘着力の差異を少なくすることによって、化粧シート1の利便性を大幅に向上させることができる。すなわち、粘着層の両面における粘着力に差異がないことから、化粧シート1の具体的な使用形態に応じて、必要な粘着力の調整を行うことが容易となる。例えば、化粧シート1を張り付ける被着体と粘着層との粘着力が強い場合には、化粧シート1を剥がすときに、装飾層11と粘着層13との界面で剥離して、所謂「糊残り」を生じてしまうおそれがある。このような場合には、あらかじめ被着体側に粘着力を弱めるプライマー処理を行うことにより、粘着力のバランス調整を容易に行うことが可能である。
なお、各開口部の直径の平均値とは、全ての開口部の平均を求めることは現実的には不可能であるので、ここでは、1500μm×1100μmの観察範囲内において、直径が大きい開口部から順に3個の開口部について直径の計測を行ない、その平均値とした。
ここで、図10から図13のサンプルについて、開口部の計測を行ない、|Dave −Dave |/Dave を求めたところ、サンプル1:0.04、サンプル2:0.06、サンプル3:0.12、サンプル4:0.69であった。
なお、各開口部の直径の平均値の求め方としては、上述した手法は、一例であって、実際の粘着層13の形態に応じて、適宜最適化することが望ましい。例えば、極端に直径が大きな開口部や、開口形状が歪んだ開口部等の特異な開口部については、平均値の演算から除外するとよい。また、直径が大きい開口部から順に3個をサンプルとせずに、直径が大きい開口部から順に3個までは除外して、それ以降の大きさの開口部について、平均値の演算のサンプルとしてもよい。また、サンプル数Nも、3個よりも多くして精度を向上してもよい。
なお、平均値を求める際のサンプル数Nの決定については、サンプル数Nに於ける平均値Dave (N)及びDave (N)の標準偏差σ(Dave (N))及びσ(Dave (N))がNの増加に対して十分に收束すると判斷される最小のサンプル数として決定すればよい。通常の場合、3≦N≦100程度、好ましくは、10≦N≦30程度とする。
以上説明したように、本実施形態の化粧シート1は、粘着層13の両面に気泡に基づく凹形状が複数形成されている。よって、ポリエステル系樹脂層121を加熱することなく粘着層13を設けて化粧シートとすることができ、ポリエステル系樹脂層121にダメージを与えることなく容易に製造可能である。
また、粘着層13の粘着力は、凹形状13aの吸着力によるものであるから、リワーク性が高く、貼り付けを失敗したとしても張り直しが容易であり、使い勝手がよい。
さらに、凹形状13aは、微細なサイズであって多数設けられていることから、被着体の表面に多少の凹凸が有ったとしても、粘着力(吸着力)を発揮することができる。
さらにまた、化粧シート1を剥がした後の被着体の表面には、糊残りのような現象は発生しないことから、清掃の必要がなく、そのまま再貼り付けを行うことができ、作業性が良好である。
また、本実施形態の化粧シート1は、加熱することなく粘着層13を形成可能であることから、熱に弱い装飾層11及び表面層を含め、様々な形態の装飾層11及び表面層を利用して化粧シートを構成することが可能である。
(用途)
本実施形態及びその他の各実施形態の化粧シート1は、各種素材の表面の全面又は一部領域の表面に貼り付けて、建築物の壁、床、天井等の表面を化粧する内装材、箪笥、食器棚、机等の家具、扉、襖、廻り縁、腰壁等の建具乃至造作部材、家電製品用の筐体、自動車等の乗物の内装材等の各種用途に用いることができる。
また、素材、すなわち、化粧シート1の被着体としては、木材、樹脂、金屬、陶磁器、硝子、センメント、珪酸カルシウム等各種材料からなる、平板、中空又は中実の柱状体等各種形状形態のものを用いることができる。
(第2実施形態)
図13は、化粧シートの第2実施形態を示す断面図である。
第2実施形態及び後述する第3実施形態は、一部の層構成を省略した他は、第1実施形態と同様な構成をしている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の化粧シート1Bは、第1実施形態の化粧シート1から装飾層11及び接着層14を省略した形態である。このような形態の場合、例えば、ポリエステル系樹脂層121を着色しておくとよい。
(第3実施形態)
図14は、化粧シートの第3実施形態を示す断面図である。
第3実施形態の化粧シート1Cは、第2実施形態の化粧シート1からさらに表面保護層122を省略した形態である。このような形態の場合、例えば、ポリエステル系樹脂層121の表面を平滑にしておけば、表面保護層122がなくても表面の鏡面性を備えることが可能である。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1、1B、1C 化粧シート
1R ロール
1S 巻軸
11 装飾層
12 表面層
13 粘着層
13a 凹形状
14 接着層
15 剥離性基材シート
50 被着体
111 基材層
112 印刷層
121 ポリエステル系樹脂層
122 表面保護層
130 気泡含有組成物
130CL 液状塗工層
130CS 固化塗工層

Claims (10)

  1. 最表面に形成され、少なくともポリエステル系樹脂により形成された層を含む表面層と、
    前記表面層の裏面側に積層され、両面に複数の凹形状を備える粘着層と、
    を備え、
    前記凹形状は、前記粘着層の両面に均等に形成されており、
    前記表面層側の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave とし、前記表面層とは反対側に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave としたときに、
    |Dave −Dave |/Dave ≦0.5
    の関係を満たす化粧シート。
  2. 請求項1に記載の化粧シートにおいて、
    前記粘着層の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲にあること、
    を特徴とする化粧シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の化粧シートにおいて、
    前記表面層は、ポリエステル系樹脂により形成された層のみで構成されていること、
    を特徴とする化粧シート。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の化粧シートにおいて、
    前記表面層は、
    ポリエステル系樹脂により形成された層と、
    前記ポリエステル系樹脂により形成された層よりも表面側に形成された表面保護層と、
    を備えること、
    を特徴とする化粧シート。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の化粧シートにおいて、
    前記表面層と前記粘着層との間に配置され、少なくとも模様を含む装飾層をさらに有すること、
    を特徴とする化粧シート。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の化粧シートにおいて、
    前記表面層の最表面は、鏡面に構成されていること、
    を特徴とする化粧シート。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の化粧シートにおいて、
    前記粘着層は、気泡を含有する液状の樹脂組成物を硬化したものであり、
    前記気泡に基づく前記凹形状が両面に複数形成されていること、
    を特徴とする化粧シート。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の化粧シートにおいて、
    前記粘着層は、密度が0.1g/cm以上、0.7g/cm以下であること、
    を特徴とする化粧シート。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の化粧シートにおいて、
    前記粘着層の裏面側には、剥離性基材シートが積層されていること、
    を特徴とする化粧シート。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の化粧シートにおいて、
    ロール状に巻いた形態に構成されていること、
    を特徴とする化粧シート。
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