JP2021014759A - 床材、床用材の施工方法、床構造 - Google Patents

床材、床用材の施工方法、床構造 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃吸収作用及びリワーク性を備えた床材、床材の施工方法、床構造を提供する。【解決手段】床材1は、緩衝材層103と、緩衝材層103の裏面側に積層された粘着層13と、を備え、粘着層13は、その両面に複数の凹形状13aを備えており、凹形状13aは、粘着層13の両面に均等に形成されており、緩衝材層103側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave1とし、緩衝材層103とは反対側に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave2としたときに、|Dave1−Dave2|/Dave2≦0.5の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、床材、床材の施工方法、床構造に関するものである。
床面に施工されることにより、床面に衝撃吸収作用を追加し、かつ、床面の意匠性を向上する床材が知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、従来の床材は、接着剤や釘を用いて土台となる下地等に固定するので、作業が難しく、施工する場合に時間もかかり、また、施工時に固定位置のズレや誤差、床材の種類の間違いや汚染、床材への破損の発生等の不具合があった場合も簡単に不具合を修正することは難しかった。
また、従来の床材を改装等を目的として貼り替える場合には床材を剥がし、下地に付着した接着剤をスクレーパー等の工具を用いて作業者が削り取った後に、下地に接着剤を塗布して床材を貼り付けるという方法が用いられている。また、このような貼り替え作業においては、床材の剥離作業、及び、下地の残存接着剤の除去作業が施工作業者の労力面での大きな負担となっていた。また、残存接着剤の除去作業では、除去した接着剤の屑が発生することも作業上の問題となっている。さらに、釘を用いている場合には、釘を抜いて古い床材を剥がす作業がさらに困難であった。
このように従来の床材の施工は、作業性が良好とはいえず、難易度が高かった。また、再剥離して貼り直す等の再利用が困難であり、例えば、再剥離時に床材を破損してしまったり、床面や床材に残留する粘着剤や接着剤を清掃したりする必要があった。
特に、衝撃吸収作用を備えた特許文献1のような床材は、一般に高価であり、その点でも、施工時の貼り直し、及び改装等における貼り直しが可能であることが望ましい。
一方、被着体側の表面に多数の微小な吸盤群を有する粘着層からなるマイクロ吸盤膜に関する技術が、特許文献2に開示されている。このマイクロ吸盤膜は被着体との間で可逆的な貼り付け及び剥離が可能なため、このマイクロ吸盤膜からなる粘着層を床材に設けることができれば、リワーク性を備えた床材とすることが可能と考えられる。しかし、特許文献2に開示されている組成物は、常温程度の温度でもマイクロ吸盤膜を作製可能とされているものの、塗布された組成物を常温で乾燥するとなると、非常に長い乾燥時間が必要となり、現実的には、加熱しながらの乾燥が必要であった。
また、床材には、意匠性を高めるための凹凸形状が賦型された樹脂層が設けられていたり、絵柄層が設けられていたり、衝撃吸収作用を有する緩衝材層が設けられていたりする。このような樹脂層や絵柄層、緩衝材層等を備える床材では、マイクロ吸盤膜の形成のために製造時に加熱されてしまうと、凹凸形状の形状が変化して甚だしい場合は凹凸形状が消失したり、又は、樹脂層や絵柄層、緩衝材層等がダメージを受けてしまったりするおそれがあり、床材に上記組成物を直接塗布して利用することができない場合があった。
さらに、特許文献2に開示されている手法によって作製されたマイクロ吸盤膜は、マイクロ吸盤の形成されている状態が表面と裏面とで大きく異なり、取り扱い難く、利用形態が限られるものであった。
特開2015−209688号公報 特開2017−36404号公報
本発明の課題は、衝撃吸収作用及びリワーク性を備えた床材、床材の施工方法、床構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、緩衝材層(103)と、前記緩衝材層(103)の裏面側に積層された粘着層(13)と、を備え、前記粘着層(13)は、その両面に複数の凹形状(13a)を備えており、前記凹形状(13a)は、前記粘着層(13)の両面に均等に形成されており、前記緩衝材層(103)側の面に開口する前記凹形状(13a)の各開口部の直径の平均値をDave とし、前記緩衝材層(103)とは反対側に開口する前記凹形状(13a)の各開口部の直径の平均値をDave としたときに、|Dave −Dave |/Dave ≦0.5の関係を満たす床材(1、1B、1C)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の床材(1、1B、1C)において、前記粘着層(13)の層厚tは、20μm≦t≦60μmの範囲にあること、を特徴とする床材(1、1B、1C)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の床材(1、1B、1C)において、前記粘着層(13)は、気泡を含有する液状の樹脂組成物を硬化したものであり、前記気泡に基づく前記凹形状(13a)が両面に複数形成されていること、を特徴とする床材(1、1B、1C)である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載の床材(1、1B、1C)において、前記粘着層(13)は、密度が0.1g/cm3以上、0.7g/cm3以下であること、を特徴とする床材(1、1B、1C)である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかに記載の床材(1、1B)において、前記緩衝材層(103)と前記粘着層(13)との間に設けられた基材層(101)を有すること、を特徴とする床材(1、1B)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載の床材(1)において、前記緩衝材層(103)の表面側に積層された化粧層(105)を有すること、を特徴とする床材(1)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかに記載の床材(1、1B、1C)を、前記粘着層(13)を被着体に対して加圧することにより接合させる床材(1、1B、1C)の施工方法である。
第8の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載の床材(1B、1C)を、前記粘着層(13)を被着体に対して加圧することにより接合させ、さらに、前記緩衝材層(103)の表面側に化粧シート(200)を積層させる床材(1B、1C)の施工方法である。
第9の発明は、第8の発明に記載の床材(1B、1C)の施工方法であって、前記化粧シート(200)は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の粘着層(13)と同等な構成の化粧シート粘着層(13)を備えていること、を特徴とする床材(1B、1C)の施工方法である。
第10の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかに記載の床材(1、1B、1C)と、前記粘着層(13)が接合した被着体とを備える床構造である。
本発明によれば、衝撃吸収作用及びリワーク性を備えた床材、床材の施工方法、床構造を提供することができる。
本発明による床材の第1実施形態を示す図である。 床材1の施工方法を順次示す図である。 床材1の製造装置を示す図である。 床材1の製造方法を説明する図である。 実施例の床材1の粘着層13を被着体側の方向からみて拡大した写真である。 実施例の床材1の粘着層13のシート面に直交する方向の断面で拡大した図である。 実施例及び比較例の剥離力を示す図である。 サンプル1の観察結果を示す図である。 サンプル2の観察結果を示す図である。 サンプル3の観察結果を示す図である。 サンプル4の観察結果を示す図である。 本発明による床材の第2実施形態を示す図である。 第2実施形態の床材1Bの施工方法を順次示す図である。 第2実施形態の床材1Bの上にさらに化粧シート200を重ねて施工する施工方法を順次示す図である。 本発明による床材の第3実施形態を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による床材の第1実施形態を示す図である。
なお、実写の図5及び図6並びに図8〜図11を除いて、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
第1実施形態において、床材1は、本体部10と、粘着層13と、剥離性基材シート14とがこの順で積層されている。
本体部10は、基材層101と、第1接着層102と、緩衝材層103と、第2接着層104と、化粧層105とがこの順で積層されている。
基材層101の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、樹脂系等の材質が挙げられる。具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料等が挙げられる。金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。樹脂系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
第1接着層102は、基材層101と緩衝材層103とを接着する接着剤の層である。第1接着層102の接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン−アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を有効成分とする公知の接着剤が使用できる。
緩衝材層103は、基材層101と化粧層105との間に配置されており、化粧層105の表面に作用する衝撃を緩和する層である。本実施形態の緩衝材層103は、樹脂層を用いている。
該樹脂層を構成する樹脂は限定的ではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルベンゼン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、エチレンナフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体等のアクリル樹脂、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、ウレタン樹脂等が挙げられる。この中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。これらの樹脂は1種単独又は2種以上の混合物の形態で使用できる。
樹脂層の厚さは限定的ではないが、下限値としては80μmが好ましく、上限値としては500μmが好ましい。より好ましい樹脂層の厚さは200〜450μmである。
樹脂層は、単層であってもよいし、同種のもの同士又は異種のもの同士の2層以上からなる構成であってもよい。2層以上とする場合、その積層方法は、例えば、熔融押し出し法、熱融着法、ドライラミネート法等の公知の方法を適宜選択して積層することができる。
樹脂層には、必要に応じて無機充填剤を配合してもよい。無機充填剤としては、例えば、粉末状の、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、タルク、ガラス繊維等が挙げられる。また、必要に応じて、耐候剤、可塑剤、安定剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤等を含んでもよい。
無機充填剤を配合する場合、無機充填剤の含有量は限定的ではないが、樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、30〜50質量部がより好ましい。かかる範囲の含有量とすることにより、樹脂層の厚さが比較的厚い場合でも応力を緩和して反りの発生を効果的に抑制することができる。なお、無機充填剤の含有量が多すぎると、樹脂層の生産時に不具合が生じたり、樹脂層と基材層との層間密着強度が経時的に低下し易くなったりするおそれがある。
また、緩衝材層103としては、中実な弾性体樹脂層に限らず、例えば、不織布、織布、乃至編物のような纖維の集合体、ゴム、ゲル等の層を用いてもよい。さらに、緩衝材層103には、ハニカム構造体、スポンジ乃至海綿状の細胞状乃至多孔質状の構造体、中空構造体等に構成してもよい。また、緩衝材層103は、緩衝特性が異なる複数の層を積層した構成であってもよいし、表面や裏面に溝形状や凹形状、凹凸形状等を設けてもよい。
第2接着層104は、緩衝材層103と化粧層105とを接着する接着剤の層である。第2接着層104の接着剤としては、第1接着層102と同様な接着剤を用いることができる。
化粧層105は、緩衝材層103の表側の面に第2接着層104を介して積層されており、例えば、複数の凹凸形状(不図示)がその表面に形成されている。なお、理解を容易にするために、図1に示す化粧層105は、単層として示しているが、化粧層105は、異なる組成及び構造を備える複数の層により構成されていてもよい。例えば、化粧層105の形成に必要なベースとなる層(化粧層105の基材層)を、紙や樹脂シートを素材として設けてもよい。
化粧層105の凹凸形状は、例えば、木材の導管を表現したり、布地の表面凹凸形状を表現したり、石材の凹凸形状を表現したりしてもよく、その形態(模様)はどのような形態であってもよい。
化粧層105を形成する樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、スチレンブタジエン樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ポリノルボルネン、ポリブタジエン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンアクリルゴム、ポリエステルエラストマー、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン;ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、及びポリスチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。なお、上記例示した樹脂以外を用いてもよい。
また、化粧層105は、例えば、不図示の別の層を設けてもよい。例えば、化粧層105には、絵柄を印刷した印刷層(絵柄層)を設けて、化粧層105の樹脂層部分については、全部又は一部を透明な樹脂により構成してもよい。
粘着層13は、本体部10の裏面側(図1上では、下側となる面)の面、すなわち、基材層101に積層されており、被着体50(図2参照)に対する粘着性を有する層である。粘着層13は、その両面に開口した複数の凹形状13aを備えている。また、粘着層13は、弾性を備えており、複数の凹形状13aがそれぞれ微細な吸盤として作用することから、様々な被着体50に対して粘着力(吸着力)を発揮することができる(図2(c)参照)。
なお、被着体50とは、各種建築物の床に於いて、本発明の床材を貼付けて施工する対象となる部分であり、施工対象となる建築物の床を構成する最表面の部材乃至躯体を意味する。被着体の材質としては、木材、石材、セメント乃至コンクリート、陶磁器乃至セラミックス、樹脂、金屬等が用いられる。
粘着層13は、例えば、特許文献2(特開2017−36404号公報)に開示されている液状の樹脂組成物(アクリルエマルジョン)を用いて後述する製造方法により形成される。粘着層13の層厚tは、1μm以上、500μm以下であることが望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、凹形状の形成が困難になったり、凹形状の大きさが小さくなりすぎて、粘着(吸着)特性が低下したりする。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、粘着層13の柔軟性が低下して、作業性が悪くなる。
さらに、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦60μmの範囲とすることが望ましい。この点については、後述する。
粘着層13の凹形状13aの大きさや密度は、後述する製造工程における各種条件を変更することにより、調整可能である。例えば、粘着層13は、凹形状13aが含まれる程度を表す指標として、粘着層13の密度を用いることができる。この粘着層13の密度としては、特に限定されないが、例えば、0.1g/cm以上、0.7g/cm以下とすることができる。また、凹形状13aの大きさは、特に限定されないが、例えば、1μm以上、300μm以下とすることができる。
剥離性基材シート14は、粘着層13の本体部10とは反対側(図1上では、下側となる面であり、これを粘着層13の裏面側とも呼称する)に積層されている。剥離性基材シート14は、床材1を使用するまでの間の取扱性を考慮して設けられるものであり、床材1の使用時、即ち被着体50上に床材1を貼り合せる際に剥離される。剥離性基材シート14としては、従来公知の離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の各種形態のものを適宜使用できる。例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、樹脂フィルム等の片面又は両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。離型層を備えた離型フィルムを用いる場合には、例えば、シリコーン離型タイプのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、未処理PETフィルム、PP(ポリプロピレン)フィルム、シリコーン離型タイプの紙等を用いることができる。
剥離性基材シート14の厚さは、例えば、10μm以上、170μm以下とすることが望ましく、PET系の剥離性基材シートの場合20μm以上、60μm以下とすることがさらに望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、コシがなく、剥離しづらくなる。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、コシが強すぎて貼り付け時の作業性が低下するからである。紙系の剥離性基材シートの場合80μm〜150μmが塗料の均一塗工の面で好ましい。
また、剥離性基材シート14としては、市販のものを使用してもよく、例えば、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP−PET−01)等が挙げられる。
紙系の剥離性基材シートとしては、住化加工紙SLK製のSLK−110WH3(PE/上質105g/PE/シリコーン)などが好ましい。
図2は、床材1の施工方法を順次示す図である。
上述した床材1は、図2(a)に示すように、剥離性基材シート14を備えている。床材1を被着体50に貼り付けるときには、剥離性基材シート14を剥離する(図2(b))。そして、露出した粘着層13を被着体50に貼り付けて、その表面に適度な圧力を加えることにより、粘着層の露出面に多数存在する凹形状13aが弾性変形することにより従来のマイクロ吸盤と同様な作用によって被着体50に対して吸着(粘着)することとなり、床構造が完成する(図2(c))。
すなわち、凹形状13aの周囲の弾性変形によって、凹形状13aには、変形状態から元の形状に戻ろうとする力が働く。この力により、凹形状13a内の密閉空間が負圧となって、被着体50への吸着作用が生じる。なお、凹形状13a単体での吸着力は、弱いものであるが、多数の凹形状13aが形成されているので、全体としては必要な吸着力を確保できる。また、粘着層13の作製時に、凹形状13aが含まれる量を、例えば、密度をパラメータとして調整すれば、粘着層13の粘着力(吸着力)を調整可能である。
次に、床材1の製造方法について説明する。
図3は、床材1の製造装置を示す図である。
図4は、床材1の製造方法を説明する図である。
床材1の製造を行うためには、先ず、粘着層13を形成するための特許文献2に開示されているアクリルエマルジョンの組成物を攪拌機301に入れ、この組成物中に配管302経由で窒素ガスを混合しながら攪拌を行い、組成物中に気泡Bを含め、気泡含有組成物130を作製する(図中のP1:泡立て工程)。
次に、剥離性基材シート14上に気泡含有組成物130を塗工裝置303にて塗工する(図中のP2:塗工工程)。塗工工程では、例えば、塗工裝置(塗工ユニット)としてコンマコータを用いることができるが、その他の公知の塗工手法を用いてもよい。
剥離性基材シート14上に気泡含有組成物130を塗工したら、気泡含有組成物130を乾燥装置304内に気泡組成物130を塗工した性基材シート14を通過させることにより加熱しながら乾燥させて粘着層13を形成する(図中のP3:乾燥工程)。乾燥工程では、例えば、内部の雰囲気温度を60℃〜140℃程度とした乾燥炉を用いることができる。乾燥時間としては、例えば、30秒〜10分程度を例示することができる。また、乾燥工程では、気泡含有組成物130に対して所定温度の高温空気を送風を行いながら乾燥を促進してもよい。又、赤外線輻射、誘電加熱等の他の乾燥方式を採用することも出來る。乾燥工程を行うことにより、気泡含有組成物130の両面に凹形状13aが形成されて、粘着層13が形成される。この凹形状13aは、気泡含有組成物130中に含まれていた気泡が破泡して気泡の形状の一部が残ることにより形成される。ここで、気泡含有組成物130の硬化が不十分な状態で気泡が破泡すると凹形状13aが残りにくくなる。一方、気泡が破泡する前に気泡含有組成物130が硬化してしまうと、凹形状13aが形成されないおそれがある。よって、ある程度、気泡含有組成物130の硬化が進んだ状態で破泡が行われる条件で乾燥工程が行われることが望ましい。したがって、乾燥工程における温度や送風量が、凹形状13aの状態に大きく影響を与える。
乾燥工程により剥離性基材シート14上に粘着層13を形成した後、ラミネート裝置305を用いて別途用意した本体部10を粘着層13と接合させる(図中のP4:ラミネート工程)。このラミネート工程では、粘着層13の凹形状13aによる吸着力(粘着力)によってラミネートを行うので、加熱が不要であり、また、僅かな加圧力だけで接合が可能である。よって、本体部10にダメージを与えることがない。
上記ラミネート工程が完了すれば、床材1が完成する。
以上のように、本実施形態の床材1の製造では、本体部10に粘着層13形成時の熱によるダメージを与えることなく、床材1を効率よく製造可能である。なお、床材は、その後、必要なサイズに裁断されてもよい。また、基材層101が巻き取り可能な柔軟性を備えたシート状の素材を用いている場合には、完成した床材1をロール状に巻き取ってもよい。
次に、本実施形態の床材1を実際に作製した例を示し、比較例と比較した結果を説明する。
実施例の床材1では、剥離性基材シート14に離型性を備えた2軸延伸PETフィルム上に、200μmのクリアランス(塗工間隙)を有するコンマコータを用いて泡立て工程済みの気泡含有組成物130を塗布した。これを100℃の乾燥路内で1分間乾燥を行って粘着層13を形成し、本体部10をラミネートして床材1を得た。なお、この場合の粘着層13の密度は、0.39g/cmであり、厚さ50μmであった。
図5は、実施例の床材1の粘着層13を被着体側の方向からみて拡大した写真である。
図6は、実施例の床材1の粘着層13のシート面に直交する方向の断面で拡大した図である。
図5及び図6に示すように、粘着層13には、多数の凹形状13aが形成されていることが確認できる。
比較例1として、泡立て工程を行わない他は、上記実施例と同様にして作製した床材を作製した。作製後の粘着層の密度は、0.87g/cmであり、厚さ100μmであった。
比較例2として、アクリル樹脂である綜研化学社製:SK2094を用いて粘着層を作製した床材(アクリル粘着Aタイプとする)を用意した。
比較例3として、アクリル樹脂である綜研化学社製:SK1502Cを用いて粘着層を作製した床材(アクリル粘着Bタイプとする)を用意した。
以上の4種類の床材を用意し、剥離力について比較した。
図7は、実施例及び比較例の剥離力を示す図である。
図7中の剥離力は、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度300mm/minで180°剥離を行って、そのときの剥離力を測定した結果である。また、剥離力の測定は、貼り付け直後(0時間)と、貼り付け後1000時間経過とについて行った。
実施例では、貼り付け直後及び1000時間経過後の双方において、比較的小さな剥離力で剥離できることがわかる。この程度の剥離力であれば、自然に剥がれてしまうことはなく、かつ、剥がそうとして力を加えれば簡単に剥がすことが可能である。しかも、凹形状13aによる吸着であることから、剥離後に被着体50表面に粘着層13の残留が無く、また、粘着層13自体の粘着力(剥離力)も実質上の変化は無く、再貼り付け可能であった。
比較例1は、小片であれば比較的小さな剥離力で剥離できるが、大サイズの場合は剥離にある程度の力が必要であった。また、剥離後には被着体表面に粘着層の残留が見られ、完全な再貼り付けは不可能であった。
比較例2は、大サイズの場合は剥離にある程度の力が必要であり、貼り付け直後であれば、剥がすことは可能であるが、1000時間経過後では、剥離力が大幅に上昇してしまっており、手作業では剥離が困難であったり、無理に剥がすと本体部10又は被着体が破損したりするおそれがある状態になっていた。
比較例3は、貼り付け直後から剥離力が大きすぎて、手作業では剥離が困難であったり、無理に剥がすと本体部10又は被着体が破損したりするおそれがある状態になっていた。
また、比較例2及び比較例3のいずれも、剥離後は、被着体に粘着材が一部残ってしまったり、粘着力の低下があったりして、再貼り付けには適していなかった。
(粘着層13の凹形状13aについて検証実験)
上述したように、本発明において、粘着層13の凹形状13aが、粘着力に大きな影響を与える。凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられていないと、粘着層の一方の面が他方の面に比べて粘着力(吸着力)が低下、又は、増加してしまうおそれがある。また、凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられることにより、粘着層13の物理的性質も均質になり、本体部と剥離性基材シート、又は、本体部と被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性の発現の上でも好ましい。
凹形状13aを粘着層13の両面に均等に設けるためには、粘着層13の塗布量(層厚t)の管理が重要である。この点、特許文献2(特開2017−36404号公報)においては、何ら考慮されておらず、単にマイクロ吸盤が形成されていればよいとされている。特許文献2では、WET膜厚800μmとして形成した実施例1の断面写真である図2(特許文献2の図2)において、マイクロ吸盤を有する面として示されている部分には、微細な吸盤構造が形成されているものの、ガラス基板から剥離した面として示されている部分には、先の微細な吸盤構造とは比べものにならない程巨大な気泡と思われる構成が確認できる。すなわち、特許文献2の構成では、粘着層の一方の面にはマイクロ吸盤(本実施形態における凹形状13aに相当)が形成されているが、他方の面には、マイクロ吸盤(凹形状13a)が略形成されていない。
この点を本件出願人においても、検証実験を行なった。
検証実験として、4種類の粘着層のサンプルを作製し、その両面の凹形状13aをSEMで観察した。サンプルは、以下の4種類である。
サンプル1:粘着層の層厚t=25μm
サンプル2:粘着層の層厚t=40μm
サンプル3:粘着層の層厚t=60μm
サンプル4:粘着層の層厚t≒2000μm
なお、上記サンプルの層厚は、乾燥後の層厚である。また、サンプル1〜3については、コーターを用いてガラス面に発泡処理後の気泡含有組成物を塗工し、100度の乾燥炉を用いて乾燥処理を行なった。サンプル4については、ガラス面への滴下塗布とし、常温下(室温20°C)の自然乾燥とした。なお、サンプル4について乾燥条件を変えたのは、特許文献2における常温乾燥で十分であるとの記載についても検証するためである。また、いずれのサンプルも、発泡処理後の粘着層の密度は、0.4g/cmとした。
図8は、サンプル1の観察結果を示す図である。
図9は、サンプル2の観察結果を示す図である。
図10は、サンプル3の観察結果を示す図である。
図11は、サンプル4の観察結果を示す図である。
図8から図9のように、粘着層の層厚tを管理し且つ加熱乾燥したサンプル1からサンプル3については、微細な凹形状13aが両面に均等に形成されていることが確認できた。
これに対して、図11に示す膜厚が厚いと共に常温乾燥したサンプル4では、乾燥面とガラス側面とで凹形状13aの大きさに極端な差異が認められ、特許文献2の図2と同様な結果が得られた。
よって、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦60μmの範囲とすることが望ましいと判断できる。
ここで、この凹形状13aが粘着層13の両面に均等に設けられている状態について、より詳しくは、以下に示すような関係を満たすことが望ましい。
本体部10側(緩衝材層103側)の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave とし、剥離性基材シート14側(緩衝材層103とは反対側)に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave としたときに、
|Dave −Dave |/Dave ≦0.5
の関係を満たすことが望ましい。
また、
|Dave −Dave |/Dave ≦0.25
の関係を満たすことがさらに望ましい。
これらの関係を満たすことにより、粘着層の両面における粘着力の差異を少なくすることができ、また、本体部10と剥離性基材シート14、又は、本体部10と被着体との両者に対する十分な粘着力及び被着体との再剥離性を良好に発現させることができる。
このように粘着層の両面における粘着力の差異を少なくすることによって、床材1の利便性を大幅に向上させることができる。すなわち、粘着層の両面における粘着力に差異がないことから、床材1の具体的な使用形態に応じて、必要な粘着力の調整を行うことが容易となる。
例えば、床材1を張り付ける被着体或いは剥離性基材シート14と粘着層との間の粘着力が強過ぎる場合には、床材1を剥がすときに、本体部10と粘着層13との界面で剥離してしまう(所謂「糊残り」を生じる)おそれがある。このような場合には、あらかじめ被着体側に粘着力を弱めるプライマー処理を行うことにより、粘着力のバランス調整を容易に行うことが可能である。
又、本体部10と粘着層13との間の粘着力が弱過ぎる場合には、やはり、床材1を剥がすときに、本体部10と粘着層13との界面で剥離してしまうおそれがある。このような場合には、予め本体部10側に粘着力を強めるプライマー処理を行うことにより、粘着力のバランス調整を容易に行うことが可能である。
なお、各開口部の直径の平均値とは、全ての開口部の平均を求めることは現実的には不可能であるので、ここでは、1500μm×1100μmの観察範囲内において、直径が大きい開口部から順に3個の開口部について直径の計測を行ない、その平均値とした。
ここで、図8から図11のサンプルについて、開口部の計測を行ない、|Dave −Dave |/Dave を求めたところ、サンプル1:0.04、サンプル2:0.06、サンプル3:0.12、サンプル4:0.69であった。
なお、各開口部の直径の平均値の求め方としては、上述した手法は、一例であって、実際の粘着層13の形態に応じて、適宜最適化することが望ましい。例えば、極端に直径が大きな開口部や、開口形状が歪んだ開口部等の特異な開口部については、平均値の演算から除外するとよい。また、直径が大きい開口部から順に3個をサンプルとせずに、直径が大きい開口部から順に3個までは除外して、それ以降の大きさの開口部について、平均値の演算のサンプルとしてもよい。また、サンプルの数Nも、3個よりも多くして精度を向上してもよい。特異な開口部形状を含む場合の他、開口部の直径の分散σ(バラツキ)が大きい場合については、サンプル数Nは、i=1又は2として、N個の開口部直径の数値を平均値Davgi(N)をN個のサンプルデータを別のデータに変えながら複数個求めた場合のDavgi(N)の値の分散σi(N)が所望の精度に收束するに足るような大きさのサンンプル数Nを決定すればよい。一般的には、Nは多い程分散σi(N)が小さくなる(收束する)為、好ましいが、Nの増加に伴い測定と計算とが煩雜となる。通常は、本発明の粘着層の開口部の場合、N=5〜100、より好ましくはN=10〜30が平均値の精度(收束性)と測定、計算の手間とのバランンスの点から好ましい。
以上説明したように、本実施形態の床材1は、粘着層13の両面に気泡に基づく凹形状が複数形成されている。よって、本体部10を加熱することなく粘着シートの形態の床材とすることができ、本体部10にダメージを与えることなく容易に製造可能である。
また、粘着層13の粘着力は、凹形状13aの吸着力によるものであるから、リワーク性が高く、貼り付けを失敗したとしても張り直しが容易であり、使い勝手がよい。
さらに、凹形状13aは、微細なサイズであって多数設けられていることから、被着体の表面に多少の凹凸が有ったとしても、粘着力(吸着力)を発揮することができる。
さらにまた、床材1を剥がした後の被着体の表面には、糊残りのような現象は発生しないことから、清掃の必要がなく、そのまま再貼り付けを行うことができ、作業性が良好である。
また、本実施形態の床材1は、加熱することなく粘着層13を形成可能であることから、熱に弱い本体部10を含め、様々な形態の本体部10を利用して粘着シートを構成することが可能である。
(第2実施形態)
図12は、本発明による床材の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の床材1Bは、本体部10Bの構成が、第1実施形態の床材1における第2接着層104と、化粧層105とが設けられていない点で異なる他は、第1実施形態の床材1と同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の床材1Bは、上述したように、第1実施形態の床材1における第2接着層104と、化粧層105とが設けられていないことから、最表面に緩衝材層103が露出する。したがって、床材1Bのみでは、外観上の意匠性は期待できない。しかし、第2実施形態の床材1Bは、床材1Bの施工後に、さらにその上に任意の化粧シートを重ねて施工することにより、意匠性の高い外観を実現できる。よって、重ねて施工する化粧シートの自由度が高いことから、様々な外観の床面構造を提供可能である。
さらに、本実施形態では、床材1Bに重ねて施工する化粧シート200(後述)についても、床材1Bが備える粘着層13と同様な構成の粘着層113を備えた構成として、さらに施工を容易にするとともに、化粧シート200の貼り替えも容易に行うことができるようにした。
図13は、第2実施形態の床材1Bの施工方法を順次示す図である。
第2実施形態の床材1Bは、図13(a)に示すように、剥離性基材シート14を備えている。床材1Bを被着体50に貼り付けるときには、剥離性基材シート14を剥離する(図13(b))。そして、露出した粘着層13を被着体50に貼り付けて、その表面に適度な圧力を加えることにより、粘着層の露出面に多数存在する凹形状13aが弾性変形することにより従来のマイクロ吸盤と同様な作用によって被着体50に対して吸着(粘着)することとなる(図13(c))。ここまでの工程は、第1実施形態の床材1の場合と同様である。
図14は、第2実施形態の床材1Bの上にさらに化粧シート200を重ねて施工する施工方法を順次示す図である。
第2実施形態では、被着体50に貼り付けられた床材1Bの上にさらに化粧シート200を貼り付ける。
化粧シート200は、図14(a)に示すように、化粧層205と、化粧シート粘着層213と、剥離性基材シート214とがこの順に積層されている。
化粧層205は、例えば、実施形態1の化粧層105と同様な構成とすることができる。
化粧シート粘着層213は、第1実施形態の粘着層13と同様な構成の粘着層である。すなわち、化粧シート粘着層213は、両面に気泡に基づく凹形状が複数形成されている。また、化粧シート粘着層213は、化粧層205側の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave とし、化粧層205とは反対側に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave としたときに、
|Dave −Dave |/Dave ≦0.5
の関係を満たす。
また、化粧シート粘着層213についても、
|Dave −Dave |/Dave ≦0.25
の関係を満たすことがさらに望ましい。
剥離性基材シート214は、例えば、床材1Bの剥離性基材シート14と同様な構成とすることができる。
化粧シート200を床材1Bの上に貼るには、図14(a)に示すように、化粧シート200の剥離性基材シート214を剥離する。そして、露出した化粧シート粘着層213を緩衝材層103に貼り付けて(図14(b))、その表面に適度な圧力を加えることにより、化粧シート粘着層213の露出面に多数存在する凹形状が弾性変形することにより従来のマイクロ吸盤と同様な作用によって緩衝材層103に対して吸着(粘着)することとなる(図14(c))
以上説明したように、第2実施形態の床材1Bは、表面側に化粧層を備えていない構成となっている。よって、床材1Bの上にさらに化粧シート200を貼り付けることにより、意匠選択の幅が広がる。また、化粧シート200の化粧シート粘着層213は、両面に気泡に基づく凹形状が複数形成されているものとした。これにより、化粧シート200の施工も容易であり、かつ、化粧シート200の貼り替えも簡単に行うことができる。
(第3実施形態)
図15は、本発明による床材の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態の床材1Cは、第2実施形態の床材1Bをさらに簡素な構成としたものである。よって、前述した第1実施形態及び第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態の床材1Cは、緩衝材層103と、粘着層13と、剥離性基材シート14とがこの順で積層されている。また、第3実施形態の床材1Cは、第1実施形態及び第2実施形態の床材1、1Cが備えている基材層101及び第1接着層102を備えておらず、緩衝材層103と粘着層13とが直接積層されている。粘着層13は、微細な凹形状13aによる吸盤粘着作用によって被着体に対する吸着性(粘着性)を備えることから、緩衝材層103に対しても、十分な接合強度(粘着性)を確保することができる。よって、第3実施形態のように、より簡単な構成としてもよい。
また、第3実施形態の床材1Cを施工(貼り付け)した後は、第2実施形態と同様に、その上にさらに化粧シート200等を貼り付けて、意匠性を高めることができる。
第3実施形態によれば、より簡単な構成によって、衝撃吸収作用及びリワーク性を備えた床材を提供することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、具体的な層構成を例示して説明を行ったが、これらは代表的な形態を例示したに過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、化粧層105、205の構成は、単層であってもよいし、複数の層が積層されて構成されていてもよい。また、最表面に保護層等が設けられていてもよいし、粘着層13との接触面に粘着層13との接合力(粘着力)を増減するためのプライマー層等を設けてもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1、1B、1C 床材
10、10B 本体部
13 粘着層
13a 凹形状
14 剥離性基材シート
50 被着体
101 基材層
102 第1接着層
103 緩衝材層
104 第2接着層
105 化粧層
113 粘着層
130 気泡含有組成物
200 化粧シート
205 化粧層
213 化粧シート粘着層
214 剥離性基材シート
301 攪拌機
302 配管
303 塗工裝置
304 乾燥裝置
305 ラミネート裝置

Claims (10)

  1. 緩衝材層と、
    前記緩衝材層の裏面側に積層された粘着層と、
    を備え、
    前記粘着層は、その両面に複数の凹形状を備えており、
    前記凹形状は、前記粘着層の両面に均等に形成されており、
    前記緩衝材層側の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave とし、前記緩衝材層とは反対側に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave としたときに、
    |Dave −Dave |/Dave ≦0.5
    の関係を満たす床材。
  2. 請求項1に記載の床材において、
    前記粘着層の層厚tは、20μm≦t≦60μmの範囲にあること、
    を特徴とする床材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の床材において、
    前記粘着層は、気泡を含有する液状の樹脂組成物を硬化したものであり、
    前記気泡に基づく前記凹形状が両面に複数形成されていること、
    を特徴とする床材。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の床材において、
    前記粘着層は、密度が0.1g/cm3以上、0.7g/cm3以下であること、
    を特徴とする床材。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の床材において、
    前記緩衝材層と前記粘着層との間に設けられた基材層を有すること、
    を特徴とする床材。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の床材において、
    前記緩衝材層の表面側に積層された化粧層を有すること、
    を特徴とする床材。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の床材を、前記粘着層を被着体に対して加圧することにより接合させる床材の施工方法。
  8. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の床材を、前記粘着層を被着体に対して加圧することにより接合させ、
    さらに、前記緩衝材層の表面側に化粧シートを積層させる床材の施工方法。
  9. 請求項8に記載の床材の施工方法であって、
    前記化粧シートは、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の粘着層と同等な構成の化粧シート粘着層を備えていること、
    を特徴とする床材の施工方法。
  10. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の床材と、
    前記粘着層が接合した被着体とを備える床構造。
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