JP2003056167A - 吸着性床材及びその製造方法 - Google Patents

吸着性床材及びその製造方法

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JP2003056167A JP2002167495A JP2002167495A JP2003056167A JP 2003056167 A JP2003056167 A JP 2003056167A JP 2002167495 A JP2002167495 A JP 2002167495A JP 2002167495 A JP2002167495 A JP 2002167495A JP 2003056167 A JP2003056167 A JP 2003056167A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が容易であり、滑り止め性及び吸着性に
優れ、容易に脱着することができ、且つ耐久性に優れる
吸着性床材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 吸着性床材は、基材と、基材上に積層さ
れた発泡体層とを備え、発泡体層はアクリル系重合体か
らなり、吸着性を有する。更に、基材と発泡体層との間
に補強用シートが配設されたものとすることができる。
発泡体層は、ガラス転移点が−40〜+10℃のアクリ
ル系重合体からなり、一表面から他表面へとセル径が厚
さ方向に小さくなる傾向にあり、一表面及び他表面にお
ける各セルの平均開口径の比が1.25以上であること
が好ましい。吸着性床材は、アクリル系重合体を含有す
るエマルジョンに、空気等を圧入して気液混合物を調製
し、その後、気液混合物を基材又は補強用シートが積層
された基材の補強用シート側に塗布し、次いで、調厚
し、その後、加熱し、硬化させて得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着性床材及びそ
の製造方法に関する。更に詳しくは、施工が容易であ
り、滑りを防止する滑り止め性及び吸着性に優れるとと
もに、容易に脱着することができ、且つ耐久性に優れる
吸着性床材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイル、タイルカーペット及び長
尺シート等の床材を施工する際、接着剤を下地に塗布
し、貼着するという方法が一般的に用いられている。ま
た、上記床材を、改装等を目的として貼りかえる場合に
は床材を剥がし、下地に付着した接着剤をスクレーパー
等の工具を用いて作業者が削り取った後に、下地に接着
剤を塗布して床材を貼着するという方法が一般的に用い
られている。
【0003】しかしながら、床材を接着剤にて貼着する
際、床材を貼着する下地に接着剤を塗布した後に、上記
接着剤はオープンタイムを必要とし、長ければ30分も
のオープンタイムをとらなければならなかった。この接
着剤の塗布作業は床材の施工業者の労力面での負担が少
なくない。また、上記オープンタイムは接着剤塗布作業
等とともに床材の施工作業の効率向上を阻害する要因の
一つとなっている。更に、床材の施工の際に使用する接
着剤には、水を溶媒とするラテックス系接着剤、又は溶
剤を溶媒とする溶剤系接着剤の2種類があるが、ラテッ
クス系接着剤はオープンタイムを比較的長く必要とし、
床材の貼着後も接着剤の乾燥に長時間を要する。一方、
溶剤系接着剤はオープンタイムや乾燥時間についてはラ
テックス系接着剤ほど必要としないものの、溶媒に使用
されている酢酸エチルやトルエン等の溶剤が人体に好ま
しくない影響を与え、作業環境上好ましくなかった。溶
剤系接着剤の塗布作業をする際には通気性の確保、又は
防毒マスクの着用が必要となる。また、改装工事等に伴
う床材の貼り替え作業においては、上述した床材の剥離
作業、及び下地の残存接着剤の除去作業が施工作業者の
労力面での大きな負担となっていた。更には、接着剤除
去作業時に、下地を破損したり、或いは傷つけてしまう
こともあった。また、残存接着剤の除去作業では、除去
した接着剤の屑が発生することも作業上及び環境上の問
題となっている。
【0004】一方、床材の敷設及び剥離を容易にするこ
とを目的として、塩化ビニル樹脂製等のプラスチックタ
イルの裏面にマイクロポーラスな連続気泡構造を有する
粘着シート状物を設けた床材(登実3018810号公
報)や、カーペット等繊維床材の裏面に粘弾性を有する
微多孔質膜を積層した床材(特開平4−105613号
公報)等が知られている。しかしながら、上記の床材は
いずれも滑り止め、又は両面テープで止着する場合の代
用や、家庭用等の緩やかな使用条件での止着には耐えら
れるが、例えば、オフィスビルや店舗のフロア等、歩行
量が比較的多い場所で使用できるほどの耐久性はなく、
依然としてかかる場所では上述したように接着剤を使用
して施工しなければならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、施工が容易であり、滑りを防止す
る滑り止め性及び吸着性に優れるとともに、容易に脱着
することができ、且つ耐久性に優れる吸着性床材及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の吸着性床材は、
基材と、該基材上に積層された発泡体層とを備え、該発
泡体層はアクリル系重合体からなり、吸着性を有するこ
とを特徴とする(例えば、図2等)。尚、基材と発泡体
層とは、隣接している必要はなく、他の層がそれらの間
に介在していてもよい。
【0007】上記「基材」は、床材に用いることができ
るものであれば、特に限定されないが、例えば、木質
系、プラスチック系、セラミック系からなるタイル又は
シート等が挙げられる。更に具体的には、プラスチック
タイル及びシート、リノリューム、クッションフロア、
カーペット、タイルカーペット等を挙げることができ
る。
【0008】上記「吸着性を有する発泡体層」は、上記
「アクリル系重合体」からなるものである。この吸脱着
の性能はアクリル系重合体のガラス転移点(以下、「T
g」という。)と、発泡体層の弾性回復性により影響を
受け、更にセル構造とも絡んで、吸着性に差異が生じ
る。このため、発泡体層は、ガラス転移点が−40〜+
10℃のアクリル系重合体からなり、一表面から他表面
へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にあり、該一表
面におけるセルの平均開口径(D)と、該他表面にお
けるセルの平均開口径(D)との比(D/D)が
1.25以上であるものとすることができる。
【0009】アクリル系重合体のTgは単量体の種類に
より調整することができ、このTgは−40〜+10℃
(特に−35〜+5℃)であることが好ましい。Tgが
−40℃未満であると、発泡体層の強度が低下し、脱着
する際に発泡体が破損してしまい、再利用することがで
きなくなることがある。また、被着体に吸着跡が残った
り、被着体にブロッキングすることがある。更に、発泡
体形成時に破泡し、発泡体層が形成できないこともあ
る。一方、Tgが+10℃を越えると、吸着力が低下
し、基材との密着性や被着体との吸着性が悪くなること
がある。また、硬度が高くなって弾性が低下し、柔軟性
が損なわれることもある。
【0010】単量体としては、メタクリル酸メチル(T
g;−5℃)、メタクリル酸ラウリル(Tg;−65
℃)、アクリル酸メチル(Tg;+9℃)、アクリル酸
エチル(Tg;−22℃)、アクリル酸ブチル(Tg;
−56℃)、アクリル酸イソブチル(Tg;−30
℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(Tg;−70
℃)等が挙げられる。
【0011】これらのうちでは、Tgが−56〜+9℃
の単量体が、適度な吸着性を有する発泡体層とすること
ができ、好ましい。尚、括弧内は生成するアクリル系重
合体のTgであり、所定のTgを有する重合体が得られ
る単量体は単独で使用することができる。また、重合体
のTgが所定値を外れる場合は、アクリル系又はそれ以
外の単量体と共重合させる必要がある。
【0012】発泡体層のセル径は一表面から他表面へと
厚さ方向に小さくなる傾向にある。この「小さくなる傾
向にある。」とは、発泡体層の厚さ方向の任意の断面に
おける平均開口径が一表面から他表面へと漸次小さくな
っていることを意味する。
【0013】一表面におけるセルの平均開口径(D
と、他表面におけるセルの平均開口径(D)との比は
1.25以上(より好ましくは1.30以上)であるこ
とが好ましい。この比が1.25未満であると、十分な
吸着性を有する発泡体層とすることができないことがあ
る。また、平均開口径の比の上限は、発泡体層の製造方
法、及びその厚さ等にもよるため限定されないが、10
以下、特に6.0以下、更には3.0以下であることが
好ましい。
【0014】発泡体層の吸着性は反発弾性率によっても
変化する。反発弾性率は、3〜85%であることが好ま
しく、特に10〜50%であることがより好ましい。こ
の反発弾性率が小さい場合は、発泡体層を被着体に当接
させて押圧した場合に、周辺から発泡体層への空気の流
入が少なく、且つ弾性回復が遅いため、被着体に十分に
吸着させることができる。しかし、反発弾性率が3%未
満と過度に小さいと、発泡体層の強度が小さいため脱着
させる際に破損することがある。一方、反発弾性率が8
5%を越えると、周辺から発泡体層に空気が流入し易く
なり、弾性回復も速いため、被着体に十分に吸着させる
ことができない。
【0015】また、発泡体層の発泡倍率も特に限定され
ないが、1.1〜6倍であることが好ましく、2〜5倍
であることがより好ましい。この発泡倍率が1.1倍未
満であると、発泡体層が柔軟性に乏しいものとなり、被
着体への吸着性が低下する傾向にある。一方、発泡倍率
が6倍を越えると、吸着性は何ら問題ないが、発泡体層
の強度が低下し、脱着時に破損することがある。尚、発
泡倍率は、発泡体層の体積を、使用したエマルジョンに
混合した原料全ての組成物の体積で除した値である。
【0016】更に、発泡体層の厚さは特に限定されない
が、0.3〜2mmであることが好ましく、特に0.5
〜1.5mmであることがより好ましい。この厚さが
0.3mm未満であると、発泡体層の形成そのものは容
易であり、所定のセル径等を有するものが得られるが、
強度が不十分となり、脱着時に破断することがある。一
方、厚さが2mmを越えると、エマルジョンからの水分
の蒸発、除去に長時間を必要とする。また、床がふわふ
わしたり、或いは床材の継ぎ目に段差が生じて、躓いた
り、ゴミが溜まり易くなるなどの欠点がある。更に、床
材として長期間使用した場合、へたりが生じ歪量が大き
くなることもあり好ましくない。
【0017】また、本発明の吸着性床材は、基材と、発
泡体層との間に補強用シートが配設されたものとするこ
とができる。発泡体層及び補強用シートの数は、特に限
定されず、それぞれ複数用いられていてもよい。例え
ば、基材と、補強用シートと、発泡体層とからなり、基
材、補強用シート及び発泡体層が、この順に接合されて
いる吸着性床材(図3参照)とすることができる。ま
た、基材と、補強用シートと、一の発泡体層と、他の発
泡体層とからなり、基材、一の発泡体層、補強用シート
及び他の発泡体層が、この順に接合されている吸着性床
材(図4参照)とすることができる。更に、基材と、一
の補強用シートと、他の補強用シートと、一の発泡体層
と、他の発泡体層とからなり、基材、一の補強用シー
ト、一の発泡体層、他の補強用シート及び他の発泡体層
が、この順に接合されている吸着性床材(図5参照)と
することができる。
【0018】補強用シートを配設することで、発泡体層
の強度を補強することができ、更には、吸着性床材の製
造時における波打ちや、蛇行を効果的に防止することが
できる。また、吸着性床材を施工した後の寸法安定性を
改善し、反りを防止することもできる。
【0019】このような補強用シートとしては、剛性を
有するものであって、吸着性床材に配設された場合に、
全体が硬くなり過ぎないものであれば、特に限定されな
い。例えば、織布、不織布、金属フィルム、樹脂フィル
ム及びネット状物等が挙げられる。なかでも、織布及び
不織布が適度な強度があるため好ましい。不織布等とし
ては、無機質、又は有機質繊維から構成されるもの、例
えばガラス、炭素及び金属等の無機質繊維や、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレ
ン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、
レーヨン、パルプ、コットン等の有機質繊維から構成さ
れるものが挙げられる。更に、芯の部分と鞘の部分が各
々異なる繊維で構成された鞘芯型の複合型繊維でもよ
い。この補強用シートは、これらのうち1種のみから構
成されていてもよいし、2種以上から構成されているも
のであってもよい。また、PVCシート、ポリプロピレ
ンシート、ポリエチレンシート及びポリエチレンテレフ
タレートフィルム等の通気度の低いものを使用した場合
には、吸着性床材に防湿性を付与することができる。
【0020】本発明の吸着性床材は、例えば、アクリル
系重合体を含有するエマルジョンに、空気又は不活性ガ
スを圧入して気液混合物を調製し、その後、気液混合物
を基材又は補強用シートが積層された基材の補強用シー
ト側に塗布し、次いで、調厚し、その後、加熱し、硬化
させることで製造することができる。特に、気液混合物
を基材に塗布すれば、図2に示す吸着性床材を製造する
ことができる。また、気液混合物を補強用シートが積層
された基材の補強用シート側に塗布すれば、図3に示す
吸着性床材を製造することができる。更には、アクリル
系重合体を含有するエマルジョンに、空気又は不活性ガ
スを圧入して気液混合物を調製し、その後、気液混合物
を基材又は一の補強用シートが積層された基材の補強用
シート側に塗布し、次いで、調厚し、その後、加熱し、
硬化させ、次いで、他の補強用シートを積層し、その
後、更に気液混合物(上記気液混合物と同一のものを使
用してもよいし、異なるものを用いてもよい。)を他の
補強用シートが積層された面に塗布し、次いで、調厚
し、その後、加熱し、硬化させることで製造することも
できる。特に、気液混合物を基材に塗布すれば、図4に
示す吸着性床材を製造することができる。また、気液混
合物を一の補強用シートが積層された基材の補強用シー
ト側に塗布すれば、図5に示す吸着性床材を製造するこ
とができる。これらの製造方法によれば、基材に接する
側が発泡体層における一表面、即ち、セル径が大きい側
となる。
【0021】また、アクリル系重合体を含有するエマル
ジョンに、空気又は不活性ガスを圧入して気液混合物を
調製し、その後、気液混合物を剥離除去可能な補助部
材、例えば、剥離材等の表面に塗布し、次いで、調厚
し、その後、加熱し、硬化させ、補助部材を剥離して、
発泡体層を得ることができる。更には、加熱し、硬化さ
せた後、補強用シートを積層し、プレスロール等により
押圧し、その後、加熱することにより、補強用シートが
配設された発泡体層を得ることができる。そのため、基
材、補強用シート、発泡体層、補強用シートが配設され
た発泡体層を用意して、各々を接着剤、粘着剤により貼
着させて所望の吸着性床材を得ることもできる。接着剤
としては、床材を施工するために慣用的に用いられてい
るものであれば、特に限定されない。例えば、ウレタン
樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系及び酢酸ビニ
ル共重合樹脂系の接着剤が挙げられる。また、粘着剤と
しては、床材を施工するために慣用的に用いられている
ものであれば、特に限定されず、両面テープのようなテ
ープ類も含まれる。更には、予め用意しておいた補強用
シート、発泡体層等を接着剤等により貼着させる方法
と、気液混合物を発泡体層の被形成面に塗布し、加熱し
て、発泡させ、発泡体層を形成する方法とを組み合わせ
ることによって、吸着性床材を製造することもできる。
例えば、基材に、気液混合物を塗布し、加熱して、発泡
させたものに、予め用意しておいた補強用シート及び発
泡体層を、この順に、接着剤等により貼着すれば、図4
に示す形態の吸着性床材を製造できる。
【0022】補強用シートの目付量は特に限定されない
が、20〜200g/mであることが好ましく、30
〜100g/mであることがより好ましい。また、得
られた吸着性床材は、パンチングプレス等の打ち抜き
機、裁断機等により所望の形状及び大きさのものに加工
することができる。
【0023】上記「エマルジョン」に含有されるアクリ
ル系重合体としては前記のものを使用することができ
る。このエマルジョンに含有される固形分は55質量%
以上であることが好ましい。固形分が55質量%未満で
あると、水分が過多となり、発泡体層の強度が低下する
ことがある。また、発泡過程において、破泡し、良好な
発泡体が形成されないことがある。尚、発泡倍率は、空
気等の圧入量で調整することができ、オークスミキサ等
に100g/分の速度でフォーム原料を供給する場合
に、空気等の圧入量を100〜500ミリリットル/分
とすることにより、1.1〜6倍の好ましい発泡倍率の
発泡体層が得られる。
【0024】エマルジョンとしては、市販のものをその
まま使用することができる。そのようなエマルジョンと
しては、商品名「ボンコート350」、「ディックフォ
ームF601」、「ディックフォームMF509」(以
上、大日本インキ化学工業株式会社製)、商品名「F4
39C」、「F439P」、「F439M」(以上、イ
ーテック株式会社製)、商品名「アロンNW7020」
(東亞合成株式会社製)、商品名「AE601C」、
「AE379A」、「AE116」(以上、ジェイエス
アール株式会社製)、商品名「ウルトラゾール」、「ク
ロスレンCL−0090」、「クロスレンAC−15
0」(以上、ガンツ化成株式会社製)等を使用すること
ができる。
【0025】エマルジョンに空気又は不活性ガスを圧入
させ、上記「気液混合物」を調製する方法は特に限定さ
れず、オークスミキサ等に投入されたエマルジョンに空
気又は窒素ガス等の不活性ガスを強制的に吹き込むこと
により、圧入させることができる。これにより、気泡が
均一に分散、含有されたエマルジョン、即ち、気液混合
物を調製することができる。この気液混合物を基材の表
面に塗布し、ローラコータ、ドクターナイフ等により所
定の厚さに調厚した後、オーブン又は乾燥炉等により加
熱し、乾燥させ、固化させることにより発泡体層が形成
される。加熱温度は特に限定されず、アクリル系重合体
の種類、エマルジョンに含まれる重合体の濃度等にもよ
るが、100〜180℃(好ましくは120〜160
℃)とすることができる。
【0026】エマルジョンには発泡助剤、架橋剤等を含
有させることができる。発泡助剤としては、商品名「F
R−25」、「ペレックスTA」(以上、株式会社花王
製)、商品名「サンノールLMT−1430」、「リパ
ールNTD」(以上、ライオン株式会社製)、商品名
「ノニポール100」(三洋化成株式会社製)等の石鹸
類を用いることができる。この発泡助剤の含有量は、エ
マルジョンに含有されるアクリル系重合体を100質量
部とした場合に、5質量部以下、特に0.5〜3質量部
とすることが好ましい。これらは、1種のみを用いても
よいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】架橋剤としては、商品名「DSA」、「リ
アクト」(以上、三洋化成株式会社製)、「キャタリス
ト376」(大日本インキ化学工業株式会社製)、「ス
ミテックスレジンM−6」(住友化学株式会社製)、
「エポクロスWS500」(日本触媒株式会社製)、
「デコナート614P」(長瀬化学株式会社製)等を使
用することができる。この架橋剤の含有量は、エマルジ
ョンに含有されるアクリル系重合体を100質量部とし
た場合に、10質量部以下、特に3〜10質量部とする
ことが好ましい。これらは、1種のみを用いてもよい
し、2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】架橋剤の使用により重合体の分子に架橋構
造が導入され、架橋の程度が高くなるとともに発泡体層
を高温雰囲気等に晒した場合の吸着性の経時的な低下を
抑えることができる。しかし、架橋の程度が過度に高い
と、初期の吸着性が低下し、また、十分な吸着力が持続
しない傾向にあるため、これらを勘案して架橋の程度を
調整することが好ましい。
【0029】発泡助剤、架橋剤の他、エマルジョンには
整泡剤、充填剤、分散剤等、種々の配合剤を含有させる
ことができる。整泡剤としては、商品名「SNフォー
ム」(サンノプコ社製)、「SP−S10」(株式会社
花王製)、「エレミノールJS−2」(三洋化成株式会
社製)、「ペインタット29」(東レ・ダウコーニング
株式会社製)等を用いることができる。この整泡剤の含
有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合体を
100質量部とした場合に、5質量部以下、特に1〜4
質量部とすることが好ましい。これらは、1種のみを用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】充填剤としては、目的に応じて使用するこ
とができ、商品名「ハイジライトH42M」、「ハイジ
ライトC308」(以上、水酸化アルミニウムであり、
住友化学株式会社製)、「BF083−504」(日本
軽金属株式会社製)等を用いることができる。この充填
剤の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重
合体を100質量部とした場合に、100質量部以下、
特に50質量部以下とすることが好ましい。尚、特に、
充填剤が過多であると、破泡し易くなり、吸着性が低下
する傾向にあるため、これらに留意して配合することが
好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
【0031】分散剤としては、商品名「ポイズ521」
(株式会社花王製)、「ユニポールPE−61」(三洋
化成株式会社製)、「リポランPB−800」(ライオ
ン株式会社製)等を使用することができる。この分散剤
の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合
体を100質量部とした場合に、10質量部以下、特に
1〜6質量部とすることが好ましい。これらは、1種の
みを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0032】尚、エマルジョンには、シリコーンエマル
ジョン、パラフィンエマルジョン等のブロッキング防止
剤、及び石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂等の粘着
付与剤などを含有させることもできる。これらブロッキ
ング防止剤及び粘着付与剤により、発泡体層の吸着力を
調整することができる。
【0033】本発明の製造方法において、基材又は補強
用シートが積層された基材にエマルジョンを塗布し、加
熱し、乾燥させた場合は、アクリル系エマルジョンに含
まれる水分が、基材面側からは散逸し難く、上面のみか
ら蒸発していく。また、基材面側へは熱が伝わり難く、
上面からの伝熱により上面から固化が進み、機械的に圧
入された気泡が比較的そのままの形状を保ったまま、セ
ルが形成されていく。
【0034】一方、基材面側は上面に比べて熱が伝わり
難いことの他、蒸発した水蒸気が散逸していく部分、即
ち、上面から離れていること等により、気泡が合一され
て大きなセルとなる傾向にある。このように、上面側で
は相対的に微細なセルとなり、基材面側では相対的に粗
大なセルとなって、一表面(基材面側)から他表面(上
面側)へとセル径が厚さ方向に変化(小さくなってい
く。)している発泡体層が形成される。尚、エマルジョ
ンから水分が散逸することによりセルが形成されるた
め、この発泡体は連続気泡構造となる。
【0035】また、基材又は補強用シートが積層された
基材にエマルジョンを塗布した場合は、発泡体が基材又
は補強用シートが積層された基材の微細な凹凸に入り込
んで形成されるため、基材等との固着をより強固にして
いる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳しく説明する。 [1]吸着性床材の作製 実施例 Tgが−8℃のアクリル系重合体を60質量%含むアク
リル系エマルジョン100質量部に、発泡助剤(前記の
商品名「FR−25」)2質量部、架橋剤(前記の商品
名「キャタリスト376」と「デコナート614P」と
の併用)5質量部、整泡剤(前記の商品名「SNフォー
ム」)3質量部、及び分散剤(前記の商品名「リポラン
PB−800」)5質量部を配合し、フォーム原料を用
意した。その後、図1に示すように、このフォーム原料
をオークスミキサ3に100g/分の速度で供給し、同
時に空気を所定の速度(発泡倍率が3倍の場合は200
ミリリットル/分)で圧入し、気液混合物2を調製し
た。オークスミキサ3の攪拌翼の回転数500rpmと
した。
【0037】この気液混合物2を、防湿性を有する補強
用シート(PVCシート)121を積層した基材(コン
ポジションビニル床タイル、商品名「ヴィアーレ」、東
リ株式会社製)12上に供給して塗布し、ローラコータ
4及びドクターナイフ5により厚さを1.3mmに調整
した。次いで、140℃に調温されたオーブン6によっ
て20分加熱し、乾燥させて発泡倍率3倍の発泡体層1
1(厚み1mm)が積層された吸着性床材1を作製し
た。
【0038】[2]吸着性床材の性能評価 上記で得られた吸着性床材を幅300mm×長さ300
mmに裁断し、下記の条件における各性能を評価し、更
に、発泡体層の厚みによる吸着力の変化、及び架橋剤の
添加量、加熱温度による剥離強度を測定し評価した。
【0039】(1)耐アルカリ性 コンクリート上に直に貼着する場合に、コンクリート面
を通じて化学的劣化を受けることを想定し、NaOH1
%溶液10リットルに、吸着性床材を1日、3日、及び
7日間浸漬させた際の床材の発泡体層の引張強さ、伸
び、外観、反発弾性率及び吸着力により耐アルカリ性を
評価した。この結果を表1に示す。 (2)耐久性 吸着性床材の耐久性を、常温時(20℃)、高温時(8
0℃)及び低温時(−5℃)の各温度における、床材の
発泡体層の引張強さ、伸び、反発弾性率及び吸着力の経
時変化により評価した。これらの結果を、常温時、高温
時及び低温時の順に表2〜4に示す。 発泡体層の厚みによる吸着力の変化 発泡体層の厚みが3mmであるものを上記と同様の方法
により作製し、発泡体層の厚みの変化による吸着力の変
化を測定した。この結果を表5に示す。 (4)発泡体層と補強用シートとの接着力 原料において架橋剤の添加量を2、4、8質量部とし、
更に、加熱温度を120、140、160℃と変化させ
て、発泡体層と補強用シートとの接着力を90度剥離試
験(引張速度は、200/mmである。)により剥離の
有無を目視にて評価した。この結果を表6に示す。尚、
上記の各評価における引張強さ、伸び、外観又は吸着力
は下記に示す方法により評価した。
【0040】引張強さ(kPa)及び伸び(%):J
IS K 6301に従った。試片;ダンベル1号、引
張速度;500mm/分 反発弾性率(%):JIS K 6400に従った。 吸着力(N):フォームシートの一表面又は他表面を
鉄製の水平な測定板に固定し、10cmの高さから直径
50mm、重さ500gの円柱形の錘(フォームシート
に接触する円形の端面はクロームメッキにより滑らかに
仕上げられている。)を垂直方向に自由落下させ、その
状態で15秒間放置した後、オートグラフにより引張速
度200mm/分で錘を引き上げ、錘をフォームシート
から剥離させた場合の吸着力を測定した。また、錘の端
面におけるフォームシートの吸着跡の有無を目視により
観察した。 外観;目視で観察した。尚、良好とは、ひび割れ、ク
ラック等がないことを示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表1の結果によれば、アルカリ溶液に7日
間浸漬したものであっても、優れた引張強さ、伸び、外
観及び吸着力を保持できる、性能バランスに優れる発泡
体層であることが分かった。
【0048】表2〜4の結果によれば、常温時において
は吸着性が若干低下するが、引張強さ及び伸びの低下は
小さく優れた性能を維持していた。また、高温時におい
ては吸着性が若干増大し、引張強さ及び伸びの低下は小
さく優れた性能を維持していた。更に、低温時において
は引張強さが多少増大し、伸びが損なわれこともなく、
吸着力も良好であり、優れた性能バランスを維持してい
た。
【0049】表5の結果によれば、発泡体層の厚みが大
きくなると、吸着力が低下することが分かった。
【0050】表6の結果によれば、全て界面剥離するこ
とはなく、発泡体層が破損した。このことから、補強用
シートとの接着力が発泡体層の破壊強度よりも大きいこ
とが分かった。尚、このときの各発泡体層の90度剥離
強度を表6に追記した。また、架橋剤を増量すること
で、発泡体層の90度剥離強度は向上した。更に、加熱
温度が160℃を超えると、90度剥離強度が低下する
傾向にあった。
【0051】上記の結果から、この吸着性床材は、低温
及び高温時においても優れた性能を有し、耐アルカリ性
にも優れることから床材に適しており、幅広く使用でき
る。
【0052】[3]発泡体原料の比較 表7に示す種類及び量比で、エマルジョン又はラテック
ス、界面活性剤及び架橋剤を配合し、フォーム原料を用
意した。その後、このフォーム原料をオークスミキサに
供給し、同時に空気を圧入し、気液混合物を調製した。
この気液混合物を、ポリエステルシートに上に供給して
塗布し、140℃に調温されたオーブンによって30分
加熱し、乾燥させて発泡倍率3倍のフォームシートを作
製した。
【0053】上記で得られた各フォームの吸着力、吸着
力の経時変化、耐候性、耐光性及び気泡(大きさ、外
観)及び感触を下記の方法により評価した。その結果を
表7に示す。 吸着力:上記[2]と同様の方法による。 吸着力の経時変化:80℃の温度に30時間晒した後
の吸着力の保持率で評価した。 保持率(%)=(加熱後の吸着力/加熱前の吸着力)×
100 耐候性:JIS B 7753に準じて行い、ウェザ
オメータ(63℃)により光照射後、目視により外観を
評価した。 耐光性:FAL 5Hに準じて行い、フェードメータ
(63℃)により光照射後、目視により外観を評価し
た。 気泡の大きさ及び外観:電子顕微鏡写真により大きさ
を測定し、外観を評価した。 発泡体の感触:指触により評価した。
【0054】
【表7】
【0055】表7に示す成分の詳細を以下に示す。 (エマルジョン又はラテックス) アクリルエマルジョン:商品名「F439C」、イー
テック株式会社製 ウレタンエマルジョン:商品名「アイゼックスS40
40N」、保土谷化学工業株式会社製 天然ラテックス:商品名「ダイナテックス」、株式会
社丸紅製 SBRラテックス:商品名「ニポール4850」、日
本ゼオン株式会社製 NBRラテックス:商品名「LX531B」、日本ゼ
オン株式会社製 (界面活性剤) 「ペレックスTA(前記の商品名)」 「FR−25(前記の商品名)」 (架橋剤) エポキシ系架橋剤:商品名「デコナート614P」、
長瀬化学株式会社製 イオウ系架橋剤:商品名「粉末イオウ」、細井化学株
式会社製
【0056】表7の結果によれば、ウレタンエマルジョ
ンによる発泡体は、初期の吸着力においては、さほど小
さくないが、経時変化により低下してしまった。耐候性
及び耐光性においては硬化、粉化及び変色が生じ、やや
劣った。また、セル構造はピンフォールが生じ、感触が
少し硬かった。このように吸着性発泡体としては不安定
であった。また、天然ゴム、SBR、NBRラテックス
による発泡体は、吸着力がなく、耐候性及び耐光性にお
いても硬化、脆化及び変色等が生じてしまい、更にSB
R、NBRラテックス吸着性発泡体においては、気泡に
ピンフォールが生じ、感触が少し硬く、吸着性発泡体と
しては不向きであった。
【0057】これに対して、アクリルエマルジョンより
作製した発泡体は、吸着力が大きく、経時変化も少なか
った。更に、耐候性及び耐光性においても硬化及び変色
が生じず良好であった。また、気泡もピンフォール等が
生じず良好であり、感触も軟らかく、性能バランスに優
れる吸着性発泡体であることが分かった。
【0058】[4]従来品との比較(1) 実施例1〜3 表8に示す基材を用いて上記[1]と同様の方法により
吸着性床材を作製し、室温20±2℃、湿度70±15
%の恒温室内で24時間養生した。その後、この床材を
同様の条件で保管されていたフレキシブルボード(厚さ
8mm、直径80cmの円形)の半円部に貼着させた。
尚、各実施例ごとに2枚ずつ用意した。
【0059】比較例1〜6 上記フレキシブルボードの床材が積層されていない半円
部に、表7に示す各接着剤を塗布し、オープンタイム放
置後、表8に示す各基材を実施例の基材の種類と対応す
るように接着し、圧着ローラーで十分に圧着させた(比
較例1〜6で用いた接着剤及び基材においても、室温2
0±2℃、湿度70±15%の恒温室内で24時間養生
させたものを使用した。)。尚、実施例1〜3及び比較
例1〜6の各床材は同一の厚みであり、隙間なく接着さ
れるようにした。
【0060】(キャスター試験)上記で得られた各床材
上で鉄輪(直径75mm、幅25mm)を60kgの荷
重をかけながら、33rpmで回転させ、一方、上記床
材が圧着されたフレキシブルボードを11rpmで回転
させるという条件の下、各々正転、及び反転を計4時間
繰り返した。上記鉄輪、及びフレキシブルボードの回転
中、及び回転終了後の各床材の治まり状態(床材の端部
からの剥離の有無、又は床材の端部以外の剥離による表
面の膨れ等)を目視により観察した。更に、発泡体層が
設けられている床材(実施例1〜3)においては床材を
フレキシブルボードから脱着し、発泡体層の破損等の異
常の有無を目視により評価した。この結果を表8に示
す。尚、耐久性の評価における「良好」は、床材の端部
からの剥離の有無、又は床材の端部以外の剥離による表
面の膨れ等が認められなかったこと示す。また、耐久性
(発泡体層)における「良好」は、発泡体層に破損等の
異常が認められなかったことを示す。
【0061】
【表8】
【0062】表8に示す基材及び接着剤の詳細を以下に
示す。 (基材) A:コンポジションビニル床タイル、商品名「ヴィアー
レ」、東リ株式会社製 B:ホモジニアスビニル床タイル鏡面品、「テラストー
ン(鏡面)」、東リ株式会社製 C:ホモジニアスビニル床タイルエンボス品、「テラス
トーン(エンボス品)」、東リ株式会社製 (接着剤) ラテックス系:ゴム・ラテックス系接着剤、商品名「ロ
イヤルセメントS」、東リ株式会社製 溶剤系:ビニル共重合樹脂・溶剤系接着剤、商品名「M
Sセメント」、東リ株式会社製
【0063】表8の結果によれば、発泡体層を積層した
実施例1〜3の吸着性床材は、従来の接着剤を用いて接
合した床材と、なんら遜色の固着効果があり、発泡体層
自体にはへたり等が認められず、十分な耐久性を有して
いることが分かった。この結果より、本実施例の吸着性
床材は、いわゆる中歩行程度においては十分使用できる
程度の耐久性を備えていることが分かった。
【0064】[5]従来品との比較(2) 実施例4〜6 表9に示す各基材を用いて上記[4]と同様の方法によ
り吸着性床材を作製し、この吸着性床材を縦150m
m、横450mmになるように裁断し、下記の試験に用
いた。 比較例7〜12 実施例4〜6と同様に裁断した表9に示す各基材と、各
接着剤とを下記の試験に用いた。尚、表9に示す基材及
び接着剤は上記[4]のものと同様である。
【0065】(突き上げ試験)予め、鉄製ガイド(10
mm×10mm×200mm、四角柱状)が固着された
フレキシブルボード(厚さ8mm、900mm×100
0mmの長方形)のガイドに囲まれた床材配置部の半分
に、基材を貼着するための接着剤を塗布し、オープンタ
イム経過後、裁断した発泡体層が設けられていない基材
の一方の側面を鉄製ガイドに沿って接着した。一方、フ
レキシブルボードの接着剤を塗布していない残り半分の
部分に、同一の基材を用いた吸着性床材を上記と同様に
床材の一方の側面を鉄製ガイドに沿って貼着した。尚、
この時、上記床材の各々の他の側面同士を突き合わせる
ように配置した。その後、床材を上記同様圧着ローラー
で十分に圧着させた後、室温5℃に保たれた恒温室に6
時間放置後、室温35℃に保たれた恒温室に24時間放
置し、更に20℃の恒温室に24時間放置した。この
際、各温度条件で放置後の各々床材の突き上げの有無を
目視により確認した。この結果を表9に示す。
【0066】
【表9】
【0067】表9の結果によれば、本実施例では、温度
変化による基材の膨張等の寸法変化による床材の突き上
げを防止できる程度の強度で固着可能であることが分か
った。また、このことから、本実施例の吸着性床材は、
従来の接着剤で接合させる床材と何ら遜色のない固着効
果を奏することが可能であることが分かった。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、施工が容易であり、滑
りを防止する滑り止め性及び吸着性に優れるとともに、
容易に脱着することができ、且つ耐久性に優れる吸着性
床材を提供できる。また、発泡体層を特定の構成とする
ことによって、より優れた吸着性等を有する吸着性床材
とすることができる。更に、吸着性床材に補強用シート
を配設する場合には、発泡体層の強度を補強することが
できる。更には、吸着性床材の製造時における波打ち
や、蛇行を効果的に防止することができ、吸着性床材を
施工した後の寸法安定性を改善し、反りを防止すること
もできる。また、本発明の製造方法によれば、優れた吸
着性等を有する吸着性床材を容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着性床材の製造工程を示す模式図である。
【図2】吸着性床材の一例を説明する模式図である。
【図3】吸着性床材の他例を説明する模式図である。
【図4】吸着性床材の他例を説明する模式図である。
【図5】吸着性床材の他例を説明する模式図である。
【符号の説明】
1;吸着性床材、11、11a、11b;発泡体層、1
2;基材、121、121a、121b;補強用シー
ト、2;気液混合物、3;オークスミキサ、4;ローラ
コータ、5;ドクターナイフ、6;オーブン。
フロントページの続き (72)発明者 馬場 孝幸 兵庫県伊丹市東有岡5丁目125番地 東リ 株式会社内 (72)発明者 野口 昭彦 兵庫県伊丹市東有岡5丁目125番地 東リ 株式会社内 (72)発明者 大西 正純 愛知県安城市今池町三丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 (72)発明者 津嶋 市郎 愛知県安城市今池町三丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 (72)発明者 近藤 敏 愛知県安城市今池町三丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 Fターム(参考) 2E220 AA07 AA25 AA29 AA45 AA51 AA59 AC01 BA01 DA30 DB09 EA04 FA01 FA13 GA02X GA12Z GA22 GA22X GA24X GA25X GA27X GA28X GB01X GB25X GB28X GB31X GB32X GB33X GB34X GB37X GB43X 4F100 AK25B AT00A BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B DJ00B DJ00D EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ42 EJ422 GB07 JA05B JA13B JD14B JK01C JK07B JM01B YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に積層された発泡体層
    とを備え、該発泡体層はアクリル系重合体からなり、吸
    着性を有することを特徴とする吸着性床材。
  2. 【請求項2】 更に、補強用シートを備え、該補強用シ
    ートは、上記基材と上記発泡体層との間に配設されてい
    る請求項1記載の吸着性床材。
  3. 【請求項3】 上記基材と、上記補強用シートと、上記
    発泡体層とからなり、該基材、該補強用シート及び該発
    泡体層が、この順に接合されている請求項2記載の吸着
    性床材。
  4. 【請求項4】 上記基材と、上記補強用シートと、一の
    上記発泡体層と、他の上記発泡体層とからなり、該基
    材、該一の発泡体層、該補強用シート及び該他の発泡体
    層が、この順に接合されている請求項2記載の吸着性床
    材。
  5. 【請求項5】 上記基材と、一の上記補強用シートと、
    他の上記補強用シートと、一の上記発泡体層と、他の上
    記発泡体層とからなり、該基材、該一の補強用シート、
    該一の発泡体層、該他の補強用シート及び該他の発泡体
    層が、この順に接合されている請求項2記載の吸着性床
    材。
  6. 【請求項6】 上記発泡体層は、ガラス転移点が−40
    〜+10℃のアクリル系重合体からなり、一表面から他
    表面へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にあり、該
    一表面におけるセルの平均開口径(D)と、該他表面
    におけるセルの平均開口径(D)との比(D
    )が1.25以上である請求項1乃至5のうちのい
    ずれか1項に記載の吸着性床材。
  7. 【請求項7】 上記発泡体層の反発弾性率が3〜85%
    である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の吸
    着性床材。
  8. 【請求項8】 上記発泡体層の発泡倍率が1.1〜6倍
    である請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の吸
    着性床材。
  9. 【請求項9】 上記発泡体層の厚さが0.3〜2mmで
    ある請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の吸着
    性床材。
  10. 【請求項10】 アクリル系重合体を含有するエマルジ
    ョンに、空気又は不活性ガスを圧入して気液混合物を調
    製し、その後、該気液混合物を基材又は補強用シートが
    積層された基材の該補強用シート側に塗布し、次いで、
    調厚し、その後、加熱し、硬化させることを特徴とする
    吸着性床材の製造方法。
  11. 【請求項11】 アクリル系重合体を含有するエマルジ
    ョンに、空気又は不活性ガスを圧入して気液混合物を調
    製し、その後、該気液混合物を基材又は一の補強用シー
    トが積層された基材の該一の補強用シート側に塗布し、
    次いで、調厚し、その後、加熱し、硬化させ、次いで、
    他の補強用シートを積層し、その後、更に気液混合物を
    該他の補強用シートが積層された面に塗布し、次いで、
    調厚し、その後、加熱し、硬化させることを特徴とする
    吸着性床材の製造方法。
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