JP4118619B2 - 床構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、床構造体に関する。更に詳しくは、床下地と床材との間の滑りを防止でき、且つ床下地の損傷なしに床材の取り外しが容易な床施工用発泡シートを用いた床構造体に関する。本発明は、オフィス、店舗、公共施設、及び家庭等の床の施工等に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイル、タイルカーペット及び長尺シート等の床材を施工する際、接着剤を下地に塗布し、貼着するという方法が一般的に用いられている。また、上記床材を、改装等を目的として貼り替える場合には、床材を剥がし、下地に付着した接着剤をスクレーパー等の工具を用いて作業者が削り取った後に、下地補修材で下地補修を行い、下地に接着剤を塗布して床材を貼着するという方法が一般的に用いられている。
【0003】
しかしながら、床材を接着剤にて貼着する際、下地に接着剤を塗布した後、床材と貼着するまでのオープンタイムを必要とし、長ければ30分ものオープンタイムをとらなければならなかった。この接着剤の塗布作業は床材の施工業者の労力面での負担が少なくない。また、上記オープンタイムは接着剤塗布作業等とともに床材の施工作業の効率向上を阻害する要因の一つとなっている。
更に、床材の施工の際に使用する接着剤には、水を溶媒とするラテックス系接着剤及びエマルジョン系接着剤、又は有機溶剤を溶媒とする溶剤系接着剤の2種類があるが、ラテックス系接着剤及びエマルジョン系接着剤はオープンタイムを比較的長く必要とし、床材の貼着後も接着剤の乾燥に長時間を要する。一方、溶剤系接着剤はオープンタイムや乾燥時間についてはラテックス系接着剤及びエマルジョン系接着剤ほど必要としないものの、溶媒として使用されている酢酸エチルやトルエン等の有機溶剤が人体に悪影響を与え、作業環境上好ましくなかった。尚、溶剤系接着剤の塗布作業をする際には、通気性の確保、又は防毒マスクの着用も必要となる。
また、改装工事等に伴う床材の貼り替え作業においては、上述した床材の剥離作業、及び下地の残存接着剤の除去作業が施工作業者の労力面での大きな負担となっていた。更には、接着剤除去作業時に、下地を破損したり、或いは傷つけてしまうこともあった。また、残存接着剤の除去作業では、除去した接着剤の屑が発生することも作業上及び環境上の問題となっている。
【0004】
一方、床材の敷設及び剥離を容易にすることを目的として、塩化ビニル樹脂製等のプラスチックタイルの裏面にマイクロポーラスな連続気泡構造を有する粘着シート状物を設けた床材(登実3018810号公報)や、カーペット等の繊維床材の裏面に粘弾性を有する微多孔質膜を積層した床材(特開平4−105613号公報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の床材はいずれも、家庭用等の緩やかな使用条件での止着には耐えられるが、例えば、オフィスビルや店舗のフロア等、歩行量が比較的多い場所で使用できるほどの耐久性はなく、依然としてかかる場所では上述したように接着剤を使用して施工しなければならなかった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、床下地と床材との間の滑りを防止でき、且つ床下地の損傷なしに床材の取り外しが容易な床施工用発泡シートを用いた床構造体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の床構造体は、少なくとも、床下地と、一表面側におけるセルの平均開口径(Db)と、他表面側におけるセルの平均開口径(Ds)との比(Db/Ds)が1.25以上で該一表面側から該他表面側へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にある連続気泡構造を有するアクリル系重合体からなる床施工用発泡シートと、床材により構成され、上記床下地側に上記床施工用発泡シートの上記一表面側を積層しており、上記床施工用発泡シートの発泡倍率が1.1〜6倍であることを特徴とする。
請求項2の発明の床構造体は、少なくとも、床下地と、一表面側におけるセルの平均開口径(D b )と、他表面側におけるセルの平均開口径(D s )との比(D b /D s )が1.25以上で該一表面側から該他表面側へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にある連続気泡構造を有するアクリル系重合体からなる床施工用発泡シートと、床材により構成され、上記床下地側に上記床施工用発泡シートの上記一表面側を積層しており、上記床施工用発泡シートの厚さが0.3〜5mmであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]床施工用発泡シート
床施工用発泡シートにおける吸脱着の性能は、アクリル系重合体のガラス転移点(以下、「Tg」という。)と、床施工用発泡シートの弾性回復性により影響を受け、更にセル構造とも絡んで、吸着性に差異が生じる。
アクリル系重合体のTgは単量体の種類により調整することができ、このTgは−40〜+10℃であり、−35〜+5℃であることが好ましい。Tgが−40℃未満であると、床施工用発泡シートの強度が低下し、脱着する際にシートが破損してしまい、再利用することができなくなることがある。また、床材や床下地に吸着跡が残ったり、床材や床下地にブロッキングしたりすることがある。更に、発泡体形成時に破泡し、床施工用発泡シートが形成できないこともある。一方、Tgが+10℃を超えると、吸着力が低下し、床材や床下地との密着性や吸着性が悪くなることがある。また、硬度が高くなって弾性が低下し、柔軟性が損なわれることもある。
【0011】
単量体としては、メタクリル酸メチル(Tg;−5℃)、メタクリル酸ラウリル(Tg;−65℃)、アクリル酸メチル(Tg;+9℃)、アクリル酸エチル(Tg;−22℃)、アクリル酸ブチル(Tg;−56℃)、アクリル酸イソブチル(Tg;−30℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(Tg;−70℃)等が挙げられる。
【0012】
尚、括弧内は生成するアクリル系重合体のTgであり、所定のTgを有する重合体が得られる単量体は単独で使用することができる。また、重合体のTgが所定値を外れる場合は、アクリル系又はそれ以外の単量体と共重合させる必要がある。これらのうちでは、Tgが−56〜+9℃の重合体が得られる単量体が、適度な吸着性を有する床施工用発泡シートとすることができ、好ましい。
【0013】
この床施工用発泡シートのセル径は一表面側から他表面側へと厚さ方向に小さくなる傾向にある。ここでいう「小さくなる傾向にある。」とは、床施工用発泡シートの厚さ方向の任意の断面における平均開口径が一表面側から他表面側へと漸次小さくなっていることを意味する。
【0014】
一表面側におけるセルの平均開口径(Db)と、他表面側におけるセルの平均開口径(Ds)との比は1.25以上であり、1.30以上であることが好ましい。この比が1.25未満であると、十分な吸着性を有する床施工用発泡シートとすることができない。また、平均開口径の比の上限は、床施工用発泡シートの製造方法、及びその厚さ等にもよるため限定されないが、10以下、特に6.0以下、更には3.0以下であることが好ましい。
【0015】
床施工用発泡シートの吸着性は反発弾性率によっても変化する。反発弾性率は、3〜85%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましい。この反発弾性率が小さい場合は、床施工用発泡シートを床材又は床下地に当接させて押圧した場合に、周辺から床施工用発泡シートへの空気の流入が少なく、且つ弾性回復が遅いため、床材又は床下地に十分に吸着させることができる。しかし、反発弾性率が3%未満と過度に小さいと、床施工用発泡シートの強度が小さいため脱着させる際に破損することがある。一方、反発弾性率が85%を超えると、周辺から床施工用発泡シートに空気が流入し易くなり、弾性回復も速いため、床材又は床下地に十分に吸着させることが困難となる。
【0016】
また、請求項1の発明では、床施工用発泡シートの発泡倍率は、1.1〜6倍であり、1.1〜5倍であることがより好ましい。この発泡倍率が1.1倍未満であると、この床施工用発泡シートが柔軟性に乏しいものとなり、床材又は床下地への吸着性が低下する傾向にある。一方、発泡倍率が6倍を超えると、吸着性は何ら問題ないが、床施工用発泡シートの強度が低下し、脱着時に破損することがある。尚、発泡倍率は、発泡前のアクリル系重合体の密度を発泡後のフォームの見かけ密度で除した値で示す。また、見かけ密度とは、発泡後のフォームの全容積に対する重量を意味する。
【0017】
請求項2の発明では、床施工用発泡シートの厚さは、0.3〜5mmであり、0.5〜3mmであることがより好ましい。この厚さが0.3mm未満であると、所定のセル径等を有するものを得ることはできるが、強度が不十分となり、脱着時に破損することがある。一方、厚さが5mmを超えると、エマルジョンからの水分の蒸発、除去に長時間を必要とする。また、床が柔軟になり過ぎたり、或いは床材の継ぎ目に段差が生じて、つまずいたり、ゴミが溜まり易くなることがある。更に、床材として長期間使用した場合、へたりが生じ歪量が大きくなることもある。
【0018】
[2]床施工用複合シート
床施工用発泡シートには補強用シートを積層させることができ、床施工用発泡シートと、この床施工用発泡シートの一面側に接合された補強用シートとを備える床施工用複合シートとすることができる。このように、補強用シートを積層させることで、床施工用発泡シートを床下地に敷設する際の破損、例えば、シートの皺や位置を補正するため、床施工用発泡シートを引っ張ったりした場合のシートの破損を防ぐことができる。更に、移送、又は巻き取り等を目的として、床施工用発泡シートにテンションをかけた場合のシートの破損を防ぐこともできる。また、シートの加工容易性、及び寸法安定性等を向上させることもできる。
【0019】
また、床施工用複合シートには、床施工用発泡シートと、この床施工用発泡シートの一面側に接合された補強用シートとが備わっていれば、その片面側又は両面側に、他の床施工用発泡シート、他の補強用シートが積層されていてもよい。尚、他の床施工用発泡シート及び他の補強用シートの枚数や積層される順序は、それぞれ特に制限されない。但し、床施工用複合シートの表面が補強用シートにより形成される場合は、両面側が共に補強用シートであると、複合シートの吸着性が補強用シートにより損なわれてしまうため、一方の表面側のみに積層することが好ましい。また、床施工用複合シートの両面が、床施工用発泡シートにより形成されている場合には、このシートを床材と床下地の間に敷設することで、接着剤、粘着剤等の貼着剤を使用することなく、強度に優れる床構造体を形成することができる。
【0020】
このような床施工用複合シートとしては、例えば、床施工用発泡シートと、この床施工用発泡シートの一面側に接合された補強用シートとからなるもの(図8参照)とすることができる。また、一の床施工用発泡シートと、他の床施工用発泡シートと、補強用シートとからなり、一の床施工用発泡シート、補強用シート及び他の床施工用発泡シートが、この順に接合されているもの(図7参照)とすることができる。更に、一の床施工用発泡シートと、他の床施工用発泡シートと、一の補強用シートと、他の補強用シートとからなり、一の床施工用発泡シート、一の補強用シート、他の床施工用発泡シート及び他の補強用シートが、この順に接合されているもの(図9参照)とすることができる。
【0021】
補強用シートとしては、剛性を有するものであって、床施工用発泡シートに積層された場合に、シート全体が硬くなり過ぎないものであれば、特に限定されない。例えば、織布、不織布、金属フィルム、樹脂フィルム及びネット状物等が挙げられる。なかでも、織布及び不織布が適度な強度があるため好ましい。不織布等としては、無機質、又は有機質繊維から構成されるもの、例えば、ガラス、炭素及び金属等の無機質繊維や、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、レーヨン、パルプ、コットン等の有機質繊維から構成されるものが挙げられる。更に、芯の部分と鞘の部分が各々異なる繊維で構成された鞘芯型の複合型繊維でもよい。この補強用シートは、これらのうち1種のみから構成されていてもよいし、2種以上から構成されているものであってもよい。
また、PVCシート、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート及びポリエチレンテレフタレートフィルム等の通気度の低いものを使用した場合には、シートに防湿性を付与することができる。
【0022】
床施工用発泡シート及び床施工用複合シートの形態は、長尺シート状、所定の寸法及び形態、若しくは特定の形状にしたもの等とすることができる。また、この床施工用発泡シート及び床施工用複合シートは、長辺が1000mm以下の長方形、又は一辺が1000mm以下の正方形であれば、各々のシートのハンドリング性が向上し、敷設作業時の作業効率が向上することも期待される。即ち、床施工用発泡シート及び床施工用複合シートが長尺シート状であって、その幅が広い形態となる場合、例えば、幅が2000mm以上の場合は、各々のシートを敷設するためにはシートのずれ等を修正する必要があるため、作業効率上、少なくとも2名の作業員が共同して作業しなければ敷設が困難である。一方、これらのシートが1000mm以下の長方形、又は正方形であれば、シートのずれ等が長尺シート状のものと比較して生じにくい上、ハンドリング性に優れるため1名の作業員でも十分に敷設可能である。更には、運搬や保管する際にも上記寸法及び形態の床施工用発泡シート及び床施工用複合シートは折り曲げたり、丸めたりせず、平らな状態での梱包、ひいては、箱詰めが可能となるため、運搬や保管が極めて容易になる。
【0023】
[3]床施工用発泡シート及び床施工用複合シートの製造方法
床施工用発泡シートは、アクリル系重合体を含有するエマルジョンに、空気又は不活性ガスを圧入して気液混合物を調製し、その後、気液混合物を剥離除去可能な補助部材、例えば、剥離材等の表面に塗布し、次いで、調厚し、その後、加熱し、硬化させ、補助部材を剥離して得ることができる。この場合、補助部材に接する側が床施工用発泡シートにおける一表面側となる。
【0024】
補助部材上に床施工用発泡シートを形成させる場合には、アクリル系重合体を含有するエマルジョンに含まれる水分が、補助部材面、又は補強用シート等が積層されている面側からは散逸し難く、主に上面から蒸発していく。また、補助部材面、又は補強用シート等が積層されている面側へは熱が伝わり難く、上面からの伝熱により上面から固化が進み、機械的に圧入された気泡が比較的そのままの形状を保ったまま、セルが形成されていく。
【0025】
一方、補助部材面、又は補強用シート等が積層されている面側は上面に比べて熱が伝わり難いことの他、水蒸気が散逸していく部分、即ち、上面から離れていること等により、気泡が合一されて大きなセルとなる傾向にある。このように、上面側では相対的に微細なセルとなり、補助部材面、又は補強用シート等が積層されている面側では相対的に粗大なセルとなって、一表面側(補助部材面、又は補強用シート等が積層されている面側)から他表面側(上面側)へとセル径が厚さ方向に変化(小さくなっていく。)している床施工用発泡シートが形成される。尚、アクリル系重合体を含有するエマルジョンから水分が散逸することによりセルが形成されるため、この発泡体は連続気泡構造となる。
【0026】
また、床施工用複合シートは、予め用意しておいた所定の数の床施工用発泡シート及び補強用シートを、接着剤、粘着剤等の貼着剤を用いることにより、所定の順序で接合して製造することができる。接着剤としては、床材等を施工するために慣用的に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系及び酢酸ビニル共重合樹脂系等の接着剤が挙げられる。また、粘着剤としては、床材等を施工するために慣用的に用いられているものであれば、特に限定されず、両面テープのようなテープ類も含まれる。
更に、この床施工用複合シートは、補助部材上に補強用シートを載置した後、又は補助部材を用いずに補強用シートの表面に、上記と同様に気液混合物を塗布し、加熱し、乾燥させて補強用シート上に床施工用発泡シートを形成して、製造することもできる。また、このように気液混合物を塗布する手段で、一方の表面側に補強用シートが積層されたシートにおける補強用シートの他の表面側に、気液混合物を塗布し、加熱し、乾燥させて、他の床施工用発泡シートを更に積層することもできる。
更には、気液混合物を塗布する手段と、貼着剤により接合する手段とを組み合わせて、床施工用発泡シートと、補強用シートとが所定の順序で積層された床施工用複合シートを製造してもよい。
【0027】
床施工用複合シートの製造方法において、補強用シート等の表面に気液混合物を塗布して床施工用発泡シートを形成した場合は、発泡体が補強用シート等の表面の微細な凹凸に入り込んで形成される。そのため、特に表面が凹凸な補強用シートにおいては、投錨効果によって補強用シートと床施工用発泡シートとがより強固に固着される。
また、補強用シートの目付量は特に限定されないが、20〜200g/m2であることが好ましく、30〜100g/m2であることがより好ましい。
【0028】
エマルジョンに含有されるアクリル系重合体としては前記の単量体を重合してなるものを使用することができる。このエマルジョンに含有される固形分は55質量%以上であることが好ましい。固形分が55質量%未満であると、水分が過多となり、床施工用発泡シートの強度が低下することがある。また、発泡過程において、破泡し、良好な発泡体が形成されないことがある。尚、発泡倍率は、空気等の圧入量で調整することができ、オークスミキサ等に100g/分の速度でフォーム原料を供給する場合に、空気等の圧入量を100〜500ミリリットル/分とすることにより、1.1〜6倍の好ましい発泡倍率の床施工用発泡シートが得られる。
【0029】
エマルジョンとしては、市販のものをそのまま使用することができる。そのようなエマルジョンとしては、商品名「ボンコート350」、「ディックフォームF601」、「ディックフォームMF509」(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、商品名「F439C」、「F439P」、「F439M」(以上、イーテック株式会社製)、商品名「アロンNW7020」(東亞合成株式会社製)、商品名「AE601C」、「AE379A」、「AE116」(以上、ジェイエスアール株式会社製)、商品名「ウルトラゾール」、「クロスレンCL−0090」、「クロスレンAC−150」(以上、ガンツ化成株式会社製)等を使用することができる。
【0030】
アクリル系重合体を含有するエマルジョンに空気又は不活性ガスを圧入させ、気液混合物を調製する方法は特に限定されず、オークスミキサ等に投入されたエマルジョンに空気又は窒素ガス等の不活性ガスを強制的に吹き込むことにより、圧入させることができる。これにより、気泡が均一に分散、含有されたエマルジョン、即ち、気液混合物を調製することができる。この気液混合物を補助部材の表面に塗布し、ローラコータ、ドクターナイフ等により所定の厚さに調厚した後、オーブン又は乾燥炉等により加熱し、乾燥させ、固化させることにより床施工用発泡シートが形成される。加熱温度は特に限定されず、アクリル系重合体の種類、エマルジョンに含まれる重合体の濃度等にもよるが、100〜180℃(好ましくは120〜160℃)とすることができる。
【0031】
エマルジョンには発泡助剤、架橋剤等を含有させることができる。
発泡助剤としては、商品名「FR−25」、「ペレックスTA」(以上、株式会社花王製)、商品名「サンノールLMT−1430」、「リパールNTD」(以上、ライオン株式会社製)、商品名「ノニポール100」(三洋化成株式会社製)等の石鹸類を用いることができる。この発泡助剤の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合体を100質量部とした場合に、5質量部以下、特に0.5〜3質量部とすることが好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
架橋剤としては、商品名「DSA」、「リアクト」(以上、三洋化成株式会社製)、「キャタリスト376」(大日本インキ化学工業株式会社製)、「スミテックスレジンM−6」(住友化学株式会社製)、「エポクロスWS500」(日本触媒株式会社製)、「デコナート614P」(長瀬化学株式会社製)等を使用することができる。この架橋剤の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合体を100質量部とした場合に、10質量部以下、特に3〜10質量部とすることが好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
架橋剤の使用により重合体の分子に架橋構造が導入され、架橋の程度が高くなるとともに床施工用発泡シートを高温雰囲気等に晒した場合の吸着性の経時的な低下を抑えることができる。しかし、架橋の程度が過度に高いと、初期の吸着性が低下し、また、十分な吸着力が持続しない傾向にあるため、これらを勘案して架橋の程度を調整することが好ましい。
【0034】
発泡助剤、架橋剤の他、エマルジョンには整泡剤、充填剤、分散剤等、種々の配合剤を含有させることができる。
整泡剤としては、商品名「SNフォーム」(サンノプコ社製)、「SP−S10」(株式会社花王製)、「エレミノールJS−2」(三洋化成株式会社製)、「ペインタット29」(東レ・ダウコーニング株式会社製)等を用いることができる。この整泡剤の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合体を100質量部とした場合に、5質量部以下、特に1〜4質量部とすることが好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
充填剤としては、目的に応じて各種のものを使用することができ、商品名「ハイジライトH42M」、「ハイジライトC308」(以上、水酸化アルミニウムであり、住友化学株式会社製)、「BF083−504」(日本軽金属株式会社製)等を用いることができる。この充填剤の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合体を100質量部とした場合に、100質量部以下、特に50質量部以下とすることが好ましい。尚、特に、充填剤が過多であると、破泡し易くなり、吸着性が低下する傾向にあるため、これらに留意して配合することが好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
分散剤としては、商品名「ポイズ521」(株式会社花王製)、「ユニポールPE−61」(三洋化成株式会社製)、「リポランPB−800」(ライオン株式会社製)等を使用することができる。この分散剤の含有量は、エマルジョンに含有されるアクリル系重合体を100質量部とした場合に、10質量部以下、特に1〜6質量部とすることが好ましい。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
尚、エマルジョンには、シリコーンエマルジョン、パラフィンエマルジョン等のブロッキング防止剤、及び石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂等の粘着付与剤等を含有させることもできる。これらブロッキング防止剤及び粘着付与剤により、床施工用発泡シートの吸着力を調整することができる。
【0038】
[4]施工方法
本発明の床構造体の施工方法は、床下地に、床施工用発泡シートの一面側を積層する工程と、床施工用発泡シートの他面側に、床材を積層する工程とを備える。床構造の施工に際しては、積層する順序は特に限定されないが、例えば、以下のように施工することで、図1に示す床構造体を形成できる。
まず、床下地1に床施工用発泡シート2の一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。次いで、積層された床施工用発泡シート2の他面側に床材3を積層し、圧着して固定する。また、床施工用発泡シート2の一面側を、床下地1に積層した後、圧着しない場合は、床材3を積層した後の圧着により、同時に固定することができる。
【0039】
この場合、床下地と床施工用発泡シートとの界面、及び床施工用発泡シートと床材との界面を、接着剤、粘着剤等の貼着剤を使用することなく、発泡シートの吸着能により固定させることができるため、床構造形成時の作業効率が著しく向上する。更に、このようにして形成された床構造体においては、床下地と床施工用発泡シートとの界面、及び床施工用発泡シートと床材との界面が、発泡シートの吸着能により固定されているため、床下地から床施工用発泡シート及び床材を容易に剥離することができる。その結果、改装等の際に床材の剥離が容易であり、且つ床材を剥離した後の貼着剤等の除去作業が不要となるため、床構造形成時ばかりでなく、床材の剥離時においても作業効率が著しく向上する。
また、この床構造の施工方法においては、床施工用発泡シートと、床下地又は床材との界面が貼着剤により接合される施工方法とすることができる。この場合には、貼着剤を乾燥させるためのオープンタイムが必要となり、床構造形成時の作業効率の向上を図れなくなるが、床材等の接合されていない側の界面における剥離は容易に行えるため、その際の作業効率は著しく向上する。
【0040】
本発明の床構造体の他の施工方法は、床下地に、床施工用発泡シートの一面側を積層する工程と、床施工用発泡シートの他面側に、補強用シートの一面側を積層する工程と、補強用シートの他面側に、床材を積層する工程とを備える。床構造の施工に際しては、積層する順序は特に限定されないが、例えば、以下のように施工することで、図2に示す床構造体を形成できる。
まず、床下地1に床施工用発泡シート2の一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。次いで、積層された床施工用発泡シート2の他面側に、補強用シート4の一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。その後、補強用シート4の他面側に、必要に応じて貼着剤を塗布した後、床材3を積層し、圧着して固定する。
【0041】
このようにして形成された床構造体においては、床下地と床施工用発泡シートとの界面が、発泡シートの吸着能により固定されているため、床下地から床材及び床施工用発泡シートを容易に剥離することができる。そのため、改装等の際に床材の剥離が容易であり、且つ床材の剥離後の貼着剤等の除去作業が不要となり、作業効率が著しく向上する。
また、この場合、補強用シートと床材との界面は、必ずしも貼着剤により接合する必要はないが、貼着剤を用いた方がより強度等に優れる。貼着剤を使用しない場合は、床構造形成時の作業効率が著しく向上される。貼着剤を使用した場合には、貼着剤を乾燥させるためのオープンタイムが必要となり、敷設時間の短縮は図れない。しかし、床材等の剥離は容易に行えるため、その際の作業効率は向上する。
【0042】
更に本発明の床構造体の他の施工方法は、床下地に、補強用シートの一面側を積層する工程と、補強用シートの他面側に、床施工用発泡シートの一面側を積層する工程と、床施工用発泡シートの他面側に、床材を積層する工程とを備える。床構造の施工に際しては、積層する順序は特に限定されないが、例えば、以下のように施工することで、図3に示す床構造体を形成できる。
まず、床下地1に必要に応じて接着剤等の貼着剤を塗布し、補強用シート4の一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。次いで、積層された補強用シート4の他面側に、床施工用発泡シート2の一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。その後、積層された床施工用発泡シート2の他面側に、床材3を積層し、圧着して固定する。
【0043】
このようにして形成された床構造体においては、床材と床施工用発泡シートとの界面が、発泡シートの吸着能により固定されているため、床材を容易に剥離することができる。そのため、改装時に床材の剥離が容易であり、作業効率が著しく向上する。更に、床材のみの貼り替えが可能である。
また、この場合、床下地と補強用シートとの界面は、必ずしも貼着剤により接合する必要はないが、貼着剤を用いた方がより強度等に優れる。一方、貼着剤を使用しない場合は、床構造形成時の作業効率が著しく向上する。貼着剤を使用した場合には、貼着剤を乾燥させるためのオープンタイムが必要となり、敷設時間の短縮は図れない。しかし、床材等の剥離は容易に行えるため、その際の作業効率は向上する。
【0044】
また、これらの方法以外に、床施工用発泡シート及び補強用シートのうち少なくとも床施工用発泡シートを複数用いて、床構造を施工することもできる。以下、床施工用発泡シートを2枚、補強シートを1枚用いた場合の一例を示す。
まず、床下地に、一の床施工用発泡シートの一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。次いで、積層された一の床施工用発泡シートの他面側に、補強用シートの一面側を積層し、必要に応じて圧着する。その後、補強用シートの他面側に、他の床施工用発泡シートの一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。次いで、床材を積層し、圧着して固定することで、床構造体を形成する。尚、積層する順序は、特に限定されるものではない。
【0045】
また、その他の本発明の床構造体の施工方法は、床下地に、床施工用複合シートの一面側を積層する工程と、床施工用複合シートの他面側に、床材を積層する工程とを備える。床構造の施工に際しては、積層する順序は特に限定されないが、例えば、図7に示す形態の床施工用複合シートを用いて、以下のように施工することで、図4に示す床構造体を形成することができる。
まず、床下地1に、床施工用複合シートの一面側を積層し、必要に応じて圧着して固定する。次いで、積層された床施工用複合シートの他面側に、床材3を積層し、圧着して固定する。
また、図8に示す形態の床施工用複合シートを用いた場合には、同様にして施工することで、図2又は図3に示す床構造体を形成することができる。
更に、床施工用複合シートの一面側が補強用シートにより形成されている場合(例えば、図8、図9等の形態)は、補強用シートと、床下地又は床材との界面が貼着剤により接合されており、床施工用複合シートの両面側が床施工用発泡シートにより形成されている場合(例えば、図7等の形態)は、床施工用複合シートと床下地との界面、及び床施工用複合シートと床材との界面のうちの一方が貼着剤により接合される床構造の施工方法とすることができる。
【0046】
また、床施工用複合シートの両面側が、床施工用発泡シートにより形成されている場合は、床下地と床施工用複合シートとの界面、及び床施工用複合シートと床材との界面を、貼着剤を使用することなく、このシートの吸着能により固定させることができるため、床構造形成時の作業効率が著しく向上する。また、このようにして形成された床構造体においては、床下地と床施工用複合シートとの界面、及び床施工用複合シートと床材との界面が、このシートの吸着能により固定されているため、床下地から床材等を容易に剥離することができる。その結果、改装等の際に床材等の剥離が容易であり、且つ床材の剥離後の貼着剤等の除去作業が不要となるため、床構造形成時ばかりでなく、床材の剥離時においても作業効率が著しく向上する。更に、床下地と床施工用複合シートとの界面、及び床施工用複合シートと床材との界面のうちの一方は、貼着剤により接合してもよい。この場合には、貼着剤を乾燥させるためのオープンタイムが必要となり、床構造形成時の作業効率の向上を図れなくなるが、床材等の剥離は容易に行えるため、その際の作業効率は著しく向上する。
【0047】
また、床施工用複合シートの一面側が補強用シートにより形成されている場合は、補強用シートと、床材又は床下地との界面は、貼着剤により必ずしも接合する必要はないが、貼着剤を用いた方がより強度等に優れる。貼着剤を使用しない場合は、床構造形成時の作業効率が著しく向上される。貼着剤を使用した場合には、貼着剤を乾燥させるためのオープンタイムが必要となり、敷設時間の短縮は図れない。しかし、床材等の剥離は容易に行えるため、その際の作業効率は向上する。
【0048】
床構造の施工に用いられる貼着剤としては、接着剤、粘着剤等が挙げられ、接着剤としては、床材等を施工するために慣用的に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系及び酢酸ビニル共重合樹脂系の接着剤が挙げられる。また、粘着剤としては、床材等を施工するために慣用的に用いられているものであれば、特に限定されず、両面テープのようなテープ類も含まれる。
【0049】
[5]床構造体
本発明の床構造体は、床下地と、床施工用発泡シートと、床材とが、この順序で積層されているものである。また、用いられている床施工用発泡シートの枚数は、1枚であっても、2枚以上であってもよいが、通常、1枚で十分である。更に、それぞれの界面ごとに補強用シートが積層されていてもよい。
他の本発明の床構造体は、床下地と、床施工用複合シートと、床材とが、この順序で積層されているものである。また、用いられている床施工用複合シートの枚数は、1枚であっても、2枚以上であってもよいが、通常、1枚で十分である。更に、それぞれの界面ごとに補強用シートが積層されていてもよい。
【0050】
これらの床構造体によれば、床施工用発泡シート及び床施工用複合シートの吸着性により、床材が床下地に固定されており、貼着剤により接合されていない界面では、容易に剥離が可能である。従って、取り外しが容易で、床材の貼り替え時の作業性が向上するとともに、貼着剤等の除去作業も不要で、床下地の損傷も防止される。
【0051】
上記「床材」は、特に限定されるものではなく、公知の床材が用いられる。例えば、木質系、プラスチック系、セラミック系、金属系の素材からなるタイル、又はシート等が挙げられる。更に具体的には、各種プラスチックタイル、及びシート、リノリウム、クッションフロア、カーペット、タイルカーペット等を挙げることができる。
【0052】
また、プラスチック製床材の素材としては、床施工用発泡シートを変質等させず、且つこのシートと積層可能であれば特に限定はされないが、具体的には塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂及びポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の他、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アモルファスポリα−オレフィン樹脂、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のエチレン−α−オレフィン共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂(EMMA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)等の各種のアクリル系共重合樹脂が例示できる。
【0053】
床材の裏面、即ち、床施工用発泡シート又は床施工用複合シート等と積層される面は平滑であることが特に好ましい。平滑でない場合には床施工用発泡シートの吸着性が十分に発揮できない場合があり、施工後の床材の貼着安定性という観点から好ましくないからである。
尚、床施工用発泡シート及び床施工用複合シートが敷設可能な床下地として、例えば、一般的なモルタル、コンクリートからなる床下地の他、木床、金属床、塗り床等が挙げられる。また、床下地の床施工用発泡シート又は床施工用複合シート等と積層される面も平滑であることが好ましく、この表面を平滑にするために、床下地表面に合成樹脂からなるシートの貼着やプライマー、又は塗料等を塗布するなどの処理をしたものであってもよい。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
[1]床施工用発泡シートの作製
(実施例1)
Tgが−8℃のアクリル系重合体を60質量%含むアクリル系エマルジョン100質量部に、発泡助剤(前記の商品名「FR−25」)2質量部、架橋剤(前記の商品名「キャタリスト376」と「デコナート614P」との併用)5質量部、整泡剤(前記の商品名「SNフォーム」)3質量部、及び分散剤(前記の商品名「リポランPB−800」)5質量部を配合し、フォーム原料を用意した。その後、図5に示すように、このフォーム原料をオークスミキサ5に100g/分の速度で供給し、同時に空気を所定の速度(発泡倍率が3倍であるこの実施例では200ミリリットル/分)で圧入し、気液混合物6を調製した。オークスミキサ5の攪拌翼の回転数は500rpmとした。
【0055】
この気液混合物6を、剥離材(PETフィルム)7上に供給して塗布し、ローラコータ8及びドクターナイフ9により厚さを2.8mmに調整した。次いで、140℃に調温されたオーブン10によって20分加熱し、乾燥させて剥離材7から剥離し、図6に示すような発泡倍率3倍の床施工用発泡シート2(厚み2.5mm)を作製した。
【0056】
[2]床施工用発泡シートの性能評価
実施例1で得られた床施工用発泡シートを幅300mm×長さ300mmに裁断し、下記の条件における各性能を評価し、更に、実施例1の床施工用発泡シートの耐アルカリ性、耐久性、厚みによる吸着力の変化、並びに架橋剤の添加量及び加熱温度を変化させた場合の剥離強度を測定し評価した。
【0057】
(1)耐アルカリ性
コンクリート上に直に貼着する場合に、コンクリート面を通じて化学的劣化を受けることを想定し、NaOH1%溶液10リットルに、実施例1の床施工用発泡シートを1日、3日、及び7日間浸漬させた際の引張強さ、伸び、外観、反発弾性率及び吸着力により耐アルカリ性を評価した。この結果を表1に示す。
(2)耐久性
実施例1の床施工用発泡シートの耐久性を、常温時(20℃)、高温時(80℃)及び低温時(−5℃)の各温度における、引張強さ、伸び、反発弾性率及び吸着力の経時変化により評価した。これらの結果を、常温時、高温時及び低温時の順に表2〜4に示す。
(3)床施工用発泡シートの厚みによる吸着力の変化
床施工用発泡シートの厚みが1mm及び3mmであるものを上記と同様の方法により作製し、床施工用発泡シートの厚みの変化による吸着力の変化を測定した。この結果を表5に示す。
(4)床施工用発泡シートと補強用シートとの接着力
上記剥離材の代わりに、防湿効果を有する補強用シート(PVCシート)を積層した基材(コンポジションビニル床タイル、商品名「ヴィアーレ」、東リ株式会社製)上に気液混合物を供給して塗布し、床施工用発泡シート(厚み0.8mm)が積層された吸着性床材を作製した。この際、原料において架橋剤の添加量を2、4、8質量部とし、更に、加熱温度を120、140、160℃と変化させて、床施工用発泡シートと補強用シートとの接着力を90度剥離試験(引張速度は、200/mmである。)により界面での剥離の有無を目視にて評価した。この結果を表6に示す。
尚、上記の各評価における引張強さ、伸び、外観、反発弾性率又は吸着力は下記に示す方法により評価した。
【0058】
〔1〕引張強さ(kPa)及び伸び(%):JIS K 6301に従った。試片;ダンベル1号、引張速度;500mm/分
〔2〕反発弾性率(%):JIS K 6400に従った。
〔3〕吸着力(N):床施工用発泡シートの一表面又は他表面を鉄製の水平な測定板に固定し、10cmの高さから直径50mm、重さ500gの円柱形の錘(床施工用発泡シートに接触する円形の端面はクロームメッキにより滑らかに仕上げられている。)を垂直方向に自由落下させ、その状態で15秒間放置した後、オートグラフにより引張速度200mm/分で錘を引き上げ、錘をシートから剥離させた場合の吸着力を測定した。また、錘の端面におけるシートの吸着跡の有無を目視により観察した。
〔4〕外観;目視で観察した。尚、良好とは、ひび割れ、クラック等がないことを示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
表1の結果によれば、アルカリ溶液に7日間浸漬したものであっても、優れた引張強さ、伸び、外観、反発弾性率及び吸着力を保持できる、性能バランスに優れる床施工用発泡シートであることが分かった。
【0066】
表2〜4の結果によれば、常温時においては吸着性が若干低下するが、引張強さ及び伸びの低下は小さく優れた性能を維持していた。また、高温時においては吸着性が若干増大し、引張強さ及び伸びの低下は小さく優れた性能を維持していた。更に、低温時においては引張強さが多少増大し、伸びが損なわれることもなく、吸着力も良好であり、優れた性能バランスを維持していた。
【0067】
表5の結果によれば、床施工用発泡シートの厚みが大きくなると、吸着力が低下することが分かった。
【0068】
表6の結果によれば、剥離することはなく、全ての界面で床施工用発泡シートが破損した。このことから、補強用シートとの接着力が床施工用発泡シートの破壊強度よりも大きいことが分かった。尚、このときの各床施工用発泡シートの90度剥離強度を表6に追記した。
また、架橋剤を増量することで、床施工用発泡シートの90度剥離強度は向上した。更に、加熱温度が160℃を超えると、90度剥離強度が低下する傾向にあった。
【0069】
上記の結果から、この床施工用発泡シートは、低温及び高温時においても優れた性能を有し、耐アルカリ性にも優れることから床構造体を形成するためのシートとして適しており、幅広く使用できる。
【0070】
[3]発泡体原料の比較
表7に示す種類及び量比で、エマルジョン又はラテックス、界面活性剤及び架橋剤を配合し、フォーム原料を用意した。その後、このフォーム原料をオークスミキサに供給し、同時に空気を圧入し、気液混合物を調製した。
この気液混合物を、ポリエステルシートに上に供給して塗布し、140℃に調温されたオーブンによって30分加熱し、乾燥させて発泡倍率3倍の床施工用発泡シートを作製した。
【0071】
上記で得られた各床施工用発泡シートの吸着力、吸着力の経時変化、耐候性、耐光性、気泡の大きさ及び外観並びに感触を下記の方法により評価した。その結果を表7に示す。
〔1〕吸着力:上記[2]と同様の方法による。
〔2〕吸着力の経時変化:80℃の温度に30時間晒した後の吸着力の保持率で評価した。
保持率(%)=(加熱後の吸着力/加熱前の吸着力)×100
〔3〕耐候性:JIS B 7753に準じて行い、ウェザオメータ(63℃)により光照射後、目視により外観を評価した。
〔4〕耐光性:FAL 5Hに準じて行い、フェードメータ(63℃)により光照射後、目視により外観を評価した。
〔5〕気泡の大きさ及び外観:電子顕微鏡写真により大きさを測定し、外観を評価した。
〔6〕発泡体の感触:指触により評価した。
【0072】
【表7】
【0073】
表7に示す成分の詳細を以下に示す。
(エマルジョン又はラテックス)
〔1〕アクリルエマルジョン:商品名「F439C」、イーテック株式会社製
〔2〕ウレタンエマルジョン:商品名「アイゼックスS4040N」、保土谷化学工業株式会社製
〔3〕天然ゴムラテックス:商品名「ダイナテックス」、株式会社丸紅製
〔4〕SBRラテックス:商品名「ニポール4850」、日本ゼオン株式会社製
〔5〕NBRラテックス:商品名「LX531B」、日本ゼオン株式会社製
(界面活性剤)
〔1〕「ペレックスTA(前記の商品)」
〔2〕「FR−25(前記の商品)」
(架橋剤)
〔1〕エポキシ系架橋剤:商品名「デコナート614P」、長瀬化学株式会社製
〔2〕イオウ系架橋剤:商品名「粉末イオウ」、細井化学株式会社製
【0074】
表7の結果によれば、ウレタンエマルジョンによる発泡体は、初期の吸着力においては、さほど小さくないが、経時変化により低下してしまった。耐候性及び耐光性においては硬化、粉化及び変色が生じ、やや劣った。また、セル構造はピンフォールが生じ、感触が少し硬かった。このように床施工用発泡シートとしては不安定であった。また、天然ゴム、SBR、NBRラテックスによる発泡体は、吸着力がなく、耐候性及び耐光性においても硬化、脆化及び変色等が生じてしまい、更にSBR、NBRラテックス吸着性発泡体においては、気泡にピンフォールが生じ、感触が少し硬く、床施工用発泡シートとしては不向きであった。
【0075】
これに対して、アクリルエマルジョンより作製した発泡体は、吸着力が大きく、経時変化も少なかった。更に、耐候性及び耐光性においても硬化及び変色が生じず良好であった。また、気泡もピンフォール等が生じず良好であり、感触も軟らかく、性能バランスに優れる床施工用発泡シートであることが分かった。
【0076】
[4]床施工用複合シートの作製
(実施例2)
上記実施例1と同様にして、気液混合物を調整し、剥離材上に供給して塗布し、ローラコータ及びドクターナイフにより厚さを1.3mmに調整した。次いで、140℃に調温されたオーブンによって20分加熱し、乾燥させて剥離材から剥離し、発泡倍率3倍の床施工用発泡シート(厚み1.0mm)を作製した。その後、厚さ0.3mmのガラス不織布(補強用シート)を上記床施工用発泡シートに載置後、その表面に上記気液混合物を、上記と同様に供給して塗布し、ローラコータ及びドクターナイフにより厚さを1.3mmに調整した。次いで、140℃に調温されたオーブンによって20分加熱し、乾燥させて、図7に示すような床施工用発泡シート21、22に補強用シート4が挟まれた形態の発泡倍率3倍の床施工用複合シート(全厚2.3mm)を作製した。
【0077】
(実施例3)
上記実施例1と同様にして、気液混合物を調整し、厚さ0.3mmのガラス不織布(補強用シート)上に供給して塗布し、ローラコータ、及びドクターナイフにより厚さを2.8mmに調整した。次いで、140℃に調温されたオーブンによって20分加熱し、乾燥させて、図8に示すような、床施工用発泡シート2の一面側に、補強用シート4が積層された、発泡倍率3倍の床施工用複合シート(厚み2.5mm)を作製した。
【0078】
(実施例4)
上記実施例1と同様にして、気液混合物を調整し、厚さ0.3mmのガラス不織布(補強用シート)上に供給して塗布し、ローラコータ及びドクターナイフにより厚さを1.2mmに調整した。次いで、140℃に調温されたオーブンによって20分加熱し、乾燥させて発泡倍率3倍の床施工用発泡シート(厚み1.2mm)を作製した。その後、上記と同種のガラス不織布(補強用シート)を上記床施工用発泡シートに載置後、その表面に上記気液混合物を供給して塗布し、ローラコータ及びドクターナイフにより厚さを1.2mmに調整した。次いで、上記同様140℃に調温されたオーブンによって20分加熱し、乾燥させて、図9に示すような、床施工用発泡シート21、補強用シート41、床施工用発泡シート22、及び補強用シート42の順に積層された、発泡倍率3倍の床施工用複合シート(全厚2.5mm)を作製した。
【0079】
[5]従来品との比較(1)
実施例1の床施工用発泡シート、実施例2〜4の床施工用複合シート、フレキシブルボード(厚さ8mm、直径80cmの円形)、及び各種ビニル床材を各々室温20±2℃、湿度70±15%の恒温室内で24時間養生した。
その後、床施工用発泡シート及び床施工用複合シートを上記フレキシブルボード(厚さ8mm、直径80cmの円形)の半円部に各々載置させ、圧着ローラで十分に圧着させた。更に、実施例1の床施工用発泡シート、及び実施例2の床施工用複合シートを用いたものについては、その上面に表8に示す床材を載置させ、圧着ローラで十分に圧着させた。一方、実施例3、4の各床施工用複合シートを用いたものについては、各々の上面に表8に示す接着剤を塗布し、オープンタイム放置後、表8に示す床材を積層させ、圧着ローラで十分に圧着させた。尚、これらは実施例ごとに2枚ずつ用意した。
【0080】
【表8】
【0081】
表8に示す床材及び接着剤の詳細を以下に示す。
(床材)
A:コンポジションビニル床タイル、商品名「ヴィアーレ」、東リ株式会社製
B:ホモジニアスビニル床タイル鏡面品、「テラストーン(鏡面品)」、東リ株式会社製
C:ホモジニアスビニル床タイルエンボス品、「テラストーン(エンボス品)」、東リ株式会社製
(接着剤)
ラテックス系:ゴムラテックス系接着剤、商品名「ロイヤルセメントS」、東リ株式会社製
溶剤系:ビニル共重合樹脂・溶剤系接着剤、商品名「MSセメント」、東リ株式会社製
また、接着剤は、実施例3及び4において、床施工用複合シートの補強用シート側と床材とを貼着させるために用いた。
【0082】
(比較例1)
上記フレキシブルボードの床材が積層されていない半円部に、表8に示す各接着剤を塗布し、オープンタイム放置後、表8に示す各床材を実施例の床材の種類と対応するように接着し、圧着ローラで十分に圧着させた(比較例1で用いた接着剤及び床材においても、室温20±2℃、湿度70±15%の恒温室内で24時間養生させたものを使用した。)。
尚、実施例1〜4及び比較例1で用いた各床材は同一の厚みであり、隙間なく接着されるようにした。
【0083】
(キャスター試験)
上記で得られた各床材上で鉄輪(直径75mm、幅25mm)を60kgの荷重をかけながら、33rpmで周方向に回転させ、一方、上記床材が圧着されたフレキシブルボードを11rpmで回転させるという条件の下、各々正転、及び反転を計4時間繰り返した。上記鉄輪、及びフレキシブルボードの回転中、及び回転終了後の各床材の収まり状態(床材の端部からの剥離の有無、又は床材の端部以外の剥離による表面の膨れ等)を目視により観察した。更に、実施例の床施工用発泡シート等が設けられている床材(実施例1〜4)においては床材をフレキシブルボードから脱着し、実施例の床施工用発泡シート等の破損等の異常の有無を目視により評価した。この結果を表8に併記する。
尚、床材の収まり状態の評価における「良好」は、床材の端部からの剥離の有無、及び床材の端部以外の剥離による表面の膨れ等が認められなかったこと示す。また、シートの状態(耐久性)における「良好」は、床施工用発泡シート等に破損等の異常が認められなかったことを示す。
【0084】
表8によれば、実施例1の床施工用発泡シート、及び実施例2〜4の各床施工用複合シートを用いた場合は、従来の接着剤を用いて接合した床材と、なんら遜色ない固着性を有し、且つ床施工用発泡シート等自体にへたり等は認められず、十分な耐久性を有していることが分かった。
この結果より、実施例の床施工用発泡シート及び床施工用複合シートにより貼着した床材は、いわゆる中歩行程度においては十分使用できる程度の耐久性を備えていることが分かった。
【0085】
[6]従来品との比較(2)
次に、実施例1の床施工用発泡シート、実施例2〜4の床施工用複合シート、上記と同様な床材、及び接着剤を用い、各床材を縦150mm、横450mmになるように裁断し、次の試験に用いた。尚、比較例1においても、上記と同様な床材と接着剤を用いた。
(突き上げ試験)
予め、鉄製ガイド(10mm×10mm×200mm、四角柱状)が固着されたフレキシブルボード(厚さ8mm、900mm×1000mmの長方形)のガイドに囲まれた床材配置部の半分に、床材を貼着するための接着剤を塗布し、オープンタイム経過後、裁断した比較例1における床材の一方の側面を鉄製ガイドに沿って接着した。一方、フレキシブルボードの接着剤を塗布していない残り半分の部分に、実施例1〜4で得られた床施工用発泡シート等を用いて上記床材と同一の床材を載置した。即ち、実施例1、2で得られた床施工用発泡シート等については、シートを敷設、圧着し、鉄製ガイドに沿って床材をシート上に圧着させた。また、実施例3、4で得られた床施工用複合シートについては、シートを敷設、圧着し、接着剤を塗布し、オープンタイム経過後、鉄製ガイドに沿って床材を積層した。尚、この時、上記床材の各々の他の側面同士を突き合わせるように配置した。
その後、床材を上記同様圧着ローラで十分に圧着させた後、室温5℃に保たれた恒温室に6時間放置後、室温35℃に保たれた恒温室に24時間放置し、更に室温20℃に保たれた恒温室に24時間放置した。この際、各温度条件で放置後の各々の床材の突き上げの有無を目視により確認した。この結果を表8に併記する。
【0086】
表8によれば、各実施例では、温度変化による床材の膨張等の寸法変化による床材の突き上げを防止できる程度の強度で固着可能であることが分かった。また、このことから、実施例の床施工用発泡シート等は、従来の接着剤で接合させる場合(比較例)と何ら遜色のない固着効果を奏することが可能であることが分かった。
上記突き上げ試験の結果から、床施工用発泡シート等で施工したタイルは、施工後に発生することが多い、タイルの寸法変化によるタイルの突き上げをも防止できる程度の強度で上記タイルを固着可能であることが分かる。
以上のキャスター試験、及び突き上げ試験の結果より、上記各実施例の床施工用発泡シート等を用いてタイルを固着した場合、接着剤で接着させたタイルと何ら遜色のないタイルの固着効果を奏することが可能である。
【0087】
[7]従来品との比較(3)
(施工試験)
室温20±2℃、湿度70±15%で、上記実施例1で得られた床施工用発泡シート(450mm角)、上記実施例2〜4で得られた床施工用複合シート(450mm角)、上記床材A(コンポジションビニル床タイル、商品名「ヴィアーレ」、東リ株式会社製)、接着剤(商品名「ロイヤルセメントS」、東リ株式会社製)、くし目ごて(JIS A 5536に規定する用具)、スクレーパー(「LS−L100」、株式会社タジマツール製)を24時間養生した。尚、比較例1においても、養生させたものを使用した。
次に、床下地がモルタルである50m2の部屋を、予め上記室温及び湿度の下で24時間養生した。また、部屋の床下地を各々10m2ずつに区分した。
【0088】
その後、区分された床下地のうちの1区画に作業者3名で、くし目ごてにより接着剤を塗布し、30分間のオープンタイムを採った後、床材を貼着し、上記施工作業の時間を測定した(比較例1)。
【0089】
一方、残り4区画の各々に作業者3名で上記実施例1〜4で得られた床施工用発泡シート等を床下地とシートの一面側を敷設後、圧着ローラで圧着し固定した。更に、実施例1、2で得られた各シート上には床材を敷設し、圧着ローラで圧着させた。一方、実施例3、4で得られた床施工用複合シート上には、敷設後の上面が不織布の面となるため、上記同様、接着剤を塗布後、床材を貼着させた。以上の施工作業について作業時間、即ち、貼着時間を測定した。
更に、施工後、上記室温、及び湿度の条件の下、2週間放置した。
【0090】
次に、実施例1〜4で得られた床施工用発泡シート等で床材が施工された部分は、(1)実施例1、2で得られた床施工用発泡シート等で施工した床材にあっては上記床材剥離後、更に、シートを剥離、除去するまでの時間、(2)実施例3、4で得られた床施工用複合シートで施工した床材にあっては、シートとともに上記床材を剥離、除去するまでの時間、(3)比較例1においては施工した床材を剥離し、更にスクレーパーを用いての床下地に残存した接着剤のケレンによる除去作業によって、残存接着剤を略除去するまでの時間、(以下、剥離時間と記す)を測定した。以上の結果を表8に併記する。
また、実施例及び比較例において、床構造の形成から、床材の剥離までのフローチャートを図10及び図11に示した。
【0091】
前記表8に示すように、従来の接着剤による比較例1の施工方法と比較して、実施例1、2で得られた床施工用発泡シート等により貼着した床材においては、貼着時間、及び貼替時間が大幅に短縮される。また、実施例3、4で得られた床施工用複合シートにおいては、従来の接着剤による施工方法と比較して貼着時間が多少かかるものの、剥離時間については大幅に短縮され、貼り替えも含めた施工を考えた場合、総合的に見ると施工効率は十分に向上している。
以上より、実施例1〜4はいずれも全ての性能に優れ、そのバランスがよい。特に実施例1及び2においては、接着剤を全く用いずに床材を貼着可能で、作業効率及びその取り外し効率が極めて向上している。更に、実施例2〜4においては、床施工用発泡シートに補強用シートが設けられた床施工用複合シートであるため、引張強度が高く、加工が容易である。
【0092】
【発明の効果】
本発明の床構造体の床施工用発泡シートは、アクリル系重合体からなり、一表面から他表面へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にあり、一表面と他表面とのセルの平均開口径の比が特定であるため、優れた吸着性を有する。
本発明の床構造体においては、床施工用発泡シートの吸着性により接着剤等を用いず、敷設されているため、接着剤等を用いていない界面では、容易に剥離が可能である。従って、取り外しが容易で、床材の貼り替え時の作業性が向上されるとともに、接着剤等の除去作業も不要で、床下地の損傷も防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の床構造体の説明図である。
【図2】 他の床構造体の説明図である。
【図3】 更に他の床構造体の説明図である。
【図4】 その他の床構造体の説明図である。
【図5】 床施工用発泡シートの製造工程を示す模式図である。
【図6】 床施工用発泡シートを説明する模式図である。
【図7】 他の床施工用発泡シートを説明する模式図である。
【図8】 更に他の床施工用複合シートを説明する模式図である。
【図9】 その他の床施工用複合シートを説明する模式図である。
【図10】 実施例の床構造の施工の順序を説明する工程図である。
【図11】 比較例の床構造の施工の順序を説明する工程図である。
【符号の説明】
1;床下地、2、21、22;床施工用発泡シート、3;床材、4、41、42;補強用シート、5;オークスミキサ、6;気液混合物、7;剥離材、8;ローラコータ、9;ドクターナイフ、10;オーブン。
Claims (2)
- 少なくとも、
床下地と、
一表面側におけるセルの平均開口径(Db)と、他表面側におけるセルの平均開口径(Ds)との比(Db/Ds)が1.25以上で該一表面側から該他表面側へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にある連続気泡構造を有するアクリル系重合体からなる床施工用発泡シートと、
床材により構成され、
上記床下地側に上記床施工用発泡シートの上記一表面側を積層しており、
上記床施工用発泡シートの発泡倍率が1.1〜6倍であることを特徴とする床構造体。 - 少なくとも、
床下地と、
一表面側におけるセルの平均開口径(Db)と、他表面側におけるセルの平均開口径(Ds)との比(Db/Ds)が1.25以上で該一表面側から該他表面側へとセル径が厚さ方向に小さくなる傾向にある連続気泡構造を有するアクリル系重合体からなる床施工用発泡シートと、
床材により構成され、
上記床下地側に上記床施工用発泡シートの上記一表面側を積層しており、
上記床施工用発泡シートの厚さが0.3〜5mmであることを特徴とする床構造体。
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