JP2007051449A - タイルカーペット - Google Patents
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Abstract
【課題】タイルカーペットバッキング層に含まれるDOPなどの可塑剤が、滑り止め感圧粘着剤に移行することによって滑り止め感圧粘着剤が軟化し、タイルカーペットズレ止め感圧粘着剤として本来もっていなくてはならない床材に対する再剥離性、非汚染性及びズレ止め性が経時的に失われていくことを遮断すること。
【解決手段】可塑化塩化ビニールのようなタイルカーペットバッキング層と滑り止め感圧粘着剤との間に可塑剤遮断バリアー層を挿入することによってタイルカーペットの再剥離性及びズレ止め性を維持するものである。バリアー層となるフィルムとしては、セルロース系フィルム、ポリ乳酸系フィルム、フッ化エチレン系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、無可塑ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルムなどが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】可塑化塩化ビニールのようなタイルカーペットバッキング層と滑り止め感圧粘着剤との間に可塑剤遮断バリアー層を挿入することによってタイルカーペットの再剥離性及びズレ止め性を維持するものである。バリアー層となるフィルムとしては、セルロース系フィルム、ポリ乳酸系フィルム、フッ化エチレン系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、無可塑ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルムなどが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、滑り止め感圧粘着剤がプリコートされたタイルカーペットに関するものである。
タイルカーペットに感圧接着剤と非粘着材料の両方をプリコートし、裏面同士を貼り合わせた場合感圧接着剤塗布部分が互いに接触しないようパターン・コートする特許が出願されている(特許文献1)。この特許では可塑剤移行を阻止する中間バリアー層についての記載がなく、滑り止め感圧粘着剤の経時的性能低下を阻止できなかった。
SBRとSBSに無機フィラーをブレンドしたものを各種床材に対するフィッティング材とし、塩化ビニール樹脂系熱融着繊維/ポリエステル繊維/ポバールから成る不織布を中間層として介して塩化ビニール系バッキング層と接着した置き敷きタイルに関する特許が出願されている(特許文献2)。この特許には接着剤としての機能をもつ塩化ビニール樹脂系熱融着繊維/ポリエステル繊維/ポバールから成る不織布はフィルムとは異なり、塩化ビニール系バッキング層に塩化ビニールと炭酸カルシウムの混合物に含まれる可塑剤DOPのフィッティング層に対するバリアー層としては機能し得ない。ドライラミネート方式で接着剤を使用してもよいとされているが、当該接着剤の限定もなされず、可塑剤に対するバリアー性の記載はない。
特開昭61−273315号公報
特開平8−4264号公報
本発明が解決しようとする問題点は塩化ビニールと炭酸カルシウムの混合物から成るタイルカーペットバッキング層に含まれるDOPなどの可塑剤がズレ止め感圧粘着剤に移行することによって滑り止め感圧粘着剤が軟化し、タイルカーペット滑り止め感圧粘着剤として本来もっていなくてはならない床材に対する再剥離性、非汚染性及び滑り止め性が経時的に失われていくことである。
即ち、タイルカーペットバッキング層に含まれるDOPが滑り止め感圧粘着剤に移行するのを遮断することが本発明の課題である。
タイルカーペット裏面と滑り止め感圧粘着剤との間にバリアー層が挿入されたタイルカーペットである。タイルカーペットは、可塑化塩化ビニール系樹脂である事が好ましい。
滑り止め感圧粘着剤はホットメルト接着剤である事が好ましく、さらには、スチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤である事が好ましい。
また、バリアー層は、セルロース系フィルム、フッ化エチレン系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、無可塑ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、アクリル系フィルムのいずれかであることが好ましい。
さらには、プリコートされた滑り止め感圧粘着剤の同士の相互剥離力は、最大でも0.5kgf/50mmである事が好ましい。
さらには、滑り止め感圧粘着剤の剪断接着力は、少なくとも1.9kgf/35cm2であることが好ましい。
滑り止め感圧粘着剤はホットメルト接着剤である事が好ましく、さらには、スチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤である事が好ましい。
また、バリアー層は、セルロース系フィルム、フッ化エチレン系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、無可塑ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、アクリル系フィルムのいずれかであることが好ましい。
さらには、プリコートされた滑り止め感圧粘着剤の同士の相互剥離力は、最大でも0.5kgf/50mmである事が好ましい。
さらには、滑り止め感圧粘着剤の剪断接着力は、少なくとも1.9kgf/35cm2であることが好ましい。
現在、塩化ビニール樹脂と炭酸カルシウムの混合物を主成分とするバッキング材を最下層にもつタイルカーペットが一般に市販されていて、OAフロア等への敷設施工ではエマルジョン系接着剤を床材に塗工し乾燥後タイルカーペットを1枚1枚貼り付ける作業又は両面テープを床材に貼り付け剥離紙を剥がしてタイルカーペットを1枚1枚貼り付ける作業が実施されている。
しかしながら、これら接着剤または両面テープの現場施工方式では接着加工に多くの労力を必要とし、近年の施工職人の不足が一般化するなかで効率的な施工方式の開発が急務となっている。
本発明のタイルカーペットを使用することにより、床面に対してタイルカーペットをフィッティングし、かつ床面に対する再剥離性をもつ滑り止め感圧粘着剤をタイルカーペットにプリコートしておくことにより、敷設施工では現場塗工の必要がなく、床に置いていくだけでよい。また、滑り止め感圧粘着剤が再剥離性のため貼り直しが効き非熟練工による施工が可能である。
本発明のタイルカーペットの材料として、例えば、可塑化塩化ビニール系樹脂、エチレン酢酸ビニール樹脂、エチレンプロピレン共重合樹脂等がある。好ましくは、可塑化塩化ビニール系樹脂である。
具体的には、化繊パイル/塩化ビニール混合物/タイルカーペット基材/塩化ビニール混合物を積層して成形された可塑化塩化ビニール系樹脂を使用したりする。
タイルカーペットの厚さは特定されないが通常の2mm〜7mm位のものを使用すればよい。
滑り止め感圧粘着剤は、ホットメルト接着剤、特にスチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤である事が好ましい。
滑り止め感圧粘着剤やホットメルト接着剤は、市販されているものを使用してもよい。
30μm〜100μmの厚さにタイルカーペットに塗工される滑り止め感圧粘着剤は水及び有機溶剤を揮散させる必要のないホットメルト接着剤がエネルギー効率、工程効率、安全性の見地から望ましいが、感圧性のゴム系ホットメルト接着剤は塩ビ可塑剤との親和性が高く、直接可塑化塩化ビニールと接触すると、可塑剤が滑り止め感圧粘着剤に移行し易い欠点がある。本発明者らはこの欠点を克服するため、可塑剤の移行を阻止するバリアー層を、例えば、可塑化塩化ビニールと滑り止め感圧粘着剤の間に介在させることを見出し本発明の完成に至った。
さらに好ましくは滑り止め感圧粘着剤として、スチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤がプリコートされ、また、プリコートされた滑り止め感圧粘着剤同士の相互剥離力は最大でも0.5kgf/50mmである事が好ましく、また、剪断接着力は少なくとも1.9kgf/35cm2であるタイルカーペットである事が好ましい。
バリアー層として、たとえば酢酸セルロース、硝酸セルロースなどのセルロース系フィルム、たとえば3フッ化エチレン、4フッ化エチレンなどのフッ化エチレン系フィルム、たとえば6ナイロン、6,6ナイロン、12ナイロンなどのナイロン系フィルム、たとえばポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、たとえばポリビニルアルコール・コポリマーなどのポリビニルアルコール系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、たとえばデュポン社製商標名:カプトンなどのポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、たとえばアクリロニトリル系などのアクリル系フィルムなどの極性フィルムであることが好ましい。
バリアー層の厚さは特定されないが通常の10〜30μm位のものを使用すればよい。
具体的には、化繊パイル/塩化ビニール混合物/タイルカーペット基材/塩化ビニール混合物を積層して成形された可塑化塩化ビニール系樹脂を使用したりする。
タイルカーペットの厚さは特定されないが通常の2mm〜7mm位のものを使用すればよい。
滑り止め感圧粘着剤は、ホットメルト接着剤、特にスチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤である事が好ましい。
滑り止め感圧粘着剤やホットメルト接着剤は、市販されているものを使用してもよい。
30μm〜100μmの厚さにタイルカーペットに塗工される滑り止め感圧粘着剤は水及び有機溶剤を揮散させる必要のないホットメルト接着剤がエネルギー効率、工程効率、安全性の見地から望ましいが、感圧性のゴム系ホットメルト接着剤は塩ビ可塑剤との親和性が高く、直接可塑化塩化ビニールと接触すると、可塑剤が滑り止め感圧粘着剤に移行し易い欠点がある。本発明者らはこの欠点を克服するため、可塑剤の移行を阻止するバリアー層を、例えば、可塑化塩化ビニールと滑り止め感圧粘着剤の間に介在させることを見出し本発明の完成に至った。
さらに好ましくは滑り止め感圧粘着剤として、スチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤がプリコートされ、また、プリコートされた滑り止め感圧粘着剤同士の相互剥離力は最大でも0.5kgf/50mmである事が好ましく、また、剪断接着力は少なくとも1.9kgf/35cm2であるタイルカーペットである事が好ましい。
バリアー層として、たとえば酢酸セルロース、硝酸セルロースなどのセルロース系フィルム、たとえば3フッ化エチレン、4フッ化エチレンなどのフッ化エチレン系フィルム、たとえば6ナイロン、6,6ナイロン、12ナイロンなどのナイロン系フィルム、たとえばポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、たとえばポリビニルアルコール・コポリマーなどのポリビニルアルコール系フィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、たとえばデュポン社製商標名:カプトンなどのポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、たとえばアクリロニトリル系などのアクリル系フィルムなどの極性フィルムであることが好ましい。
バリアー層の厚さは特定されないが通常の10〜30μm位のものを使用すればよい。
バリアー層を介在させる手段として、より好ましくは対塩化ビニール接着性等を向上させるプライマー処理を施したセルロース系フィルム、フッ化エチレン系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、無可塑ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、アクリル系フィルムなどをバリアー層とし、それらのバリアーフィルムに対して、例えば、タイルカーペットが可塑化塩化ビニール系樹脂の場合、カレンダー塗工により化繊パイル/可塑化塩化ビニール混合物/タイルカーペット基材/可塑化塩化ビニール混合物を積層して成形されたタイルカーペットのフィルム面側に滑り止め感圧粘着剤を塗布して製造してもよい。
タイルカーペットのフィルム面側のホットメルト感圧粘着剤や本発明の滑り止め感圧粘着剤層の塗布はロールコーター又はスロットコーターによって行われる。床面に対する再剥離性を持つ接着剤であるためにバリアーフィルムの種類によってはフィルム面に対する投錨力が低すぎる場合がある。その場合はホットメルト感圧粘着剤に親和性の強いプライマー処理をするか、又はポリオレフィン層を介して耐熱性のある不織布をラミネートすることによって機械的結合力を持たせる手段をとる。
タイルカーペットのフィルム面側等のラミネートされた不織布にロールコーターにより滑り止め感圧粘着剤を塗工するのは、滑り止め感圧粘着剤を不織布がもつ間隙にロールコーターによって強圧で浸入させ機械的な接着力をもたせるためである。滑り止め感圧粘着剤と不織布との機械的接着力以上の凝集力をもつように設計することによって、より間隙の少ない床材に滑り止め感圧粘着剤が転移するおそれはなくなり好ましい。
ホットメルト接着剤でない滑り止め感圧粘着剤には溶剤型ゴム系接着剤、溶剤型アクリル系接着剤、エマルジョン型アクリル系接着剤などがある。溶剤型ゴム系接着剤には、天然ゴム系、SBRゴム系、クロロプレンゴム系などがあり、溶剤型アクリル系には、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートなどの重合物とアクリル酸などの官能基を付加したものにイソシアナート化合物などで架橋されたタイプと、さらにはブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートなどと酢酸ビニールなどを共重合することによって粘着性を調整したタイプがある。またエマルジョン系接着剤にはブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートなどの重合物がある。それらの溶剤型またはエマルジョン型接着剤をタイルカーペット裏面にロールコーター、コンマコーターなどで塗工し、溶剤または水を乾燥する。
可塑剤DOPの滑り止め感圧粘着剤への移行の有無に対してフィルム厚さを10μmから100μmに変化し、滑り止め感圧粘着剤のバリアー層反対側表面のDOP特性吸収体を赤外吸収スペクトル(たとえば1270及び1730cm−1)によってフィルムを透過した可塑剤の有無を確認した。フィルム厚さが20μm以下のものを○、20μmを超えて80μmまでのものを△、80μm以上のものを×とした。結果を表1に記載した。
片面にプライマー(エスジーティー(株)製YP−2使用)処理し、他面に住友化学(株)製ポリエチレンをラミネートし旭化成(株)製ポリエステルスパンボンド不織布を貼り合わせたポリエステルフィルムを東リ(株)製タイルカーペットの塩化ビニールバッキング層にアイロンを用いて接着し、ポリエステルスパンボンド不織布側にずれ止めヤスハラケミカル(株)製ホットメルト感圧粘着剤を塗布し、初期及び60℃−1週間後のずれ止め性能を測定した。結果を表2に記載した。
本発明のタイルカーペットは、床面に対するフィッティングが良好で再剥離可能なタイルカーペットとして提供できる。
1 タイルカーペット表面層
2 可塑化塩化ビニール樹脂層
3 プライマー処理済ポリエステル系フィルム層
4 不織布層
5 滑り止め感圧粘着剤層
2 可塑化塩化ビニール樹脂層
3 プライマー処理済ポリエステル系フィルム層
4 不織布層
5 滑り止め感圧粘着剤層
Claims (7)
- タイルカーペット裏面と滑り止め感圧粘着剤との間にバリアー層が挿入されたタイルカーペット。
- タイルカーペットが可塑化塩化ビニール系樹脂である請求項1記載のタイルカーペット。
- 滑り止め感圧粘着剤がホットメルト接着剤である請求項1〜2記載のタイルカーペット。
- 滑り止め感圧粘着剤が、スチレン・ブロックコポリマーを主成分とするゴム系ホットメルト接着剤である請求項1〜3に記載のタイルカーペット。
- バリアー層が、セルロース系フィルム、フッ化エチレン系フィルム、ナイロン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、無可塑ポリ塩化ビニリデン系フィルム、無可塑塩化ビニール系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、アクリル系フィルムのいずれかである請求項1〜4記載のタイルカーペット。
- プリコートされた滑り止め感圧粘着剤の同士の相互剥離力が、最大でも0.5kgf/50mmである請求項1〜5に記載のタイルカーペット。
- 滑り止め感圧粘着剤の剪断接着力が、少なくとも、1.9kgf/35cm2である請求項1〜6に記載のタイルカーペット。
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- 2005-08-17 JP JP2005236463A patent/JP2007051449A/ja active Pending
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