JP2001329682A - 自己粘着性タイルカーペット - Google Patents

自己粘着性タイルカーペット

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JP2001329682A
JP2001329682A JP2000150806A JP2000150806A JP2001329682A JP 2001329682 A JP2001329682 A JP 2001329682A JP 2000150806 A JP2000150806 A JP 2000150806A JP 2000150806 A JP2000150806 A JP 2000150806A JP 2001329682 A JP2001329682 A JP 2001329682A
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pressure
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ethylene
tile carpet
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JP2000150806A
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Junichi Takeda
潤一 武田
Hiroaki Ishii
宏明 石井
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Suminoe Textile Co Ltd
Original Assignee
Suminoe Textile Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッキング層からの可塑剤のブリードアウト
による影響を受けることがなくて、施工面に対する粘着
強度を十分に確保することができると共に、コスト低減
を図ることができる自己粘着性タイルカーペットを提供
する。 【解決手段】 2枚のタイルカーペット2、2のそれぞ
れの裏面の少なくとも一部に粘着剤組成物からなる粘着
層3が設けられ、両タイルカーペット2、2の裏面同士
が貼り合わされる自己粘着性タイルカーペットにおい
て、粘着剤組成物中にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂を含有せしめた構成とする。粘着剤組成物を構成する
粘着剤としては非架橋のアクリル粘着剤を用いるのが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2枚のタイルカ
ーペットが、それぞれの裏面に塗布された粘着剤組成物
により貼り合わされた自己粘着性タイルカーペットに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、床板等に接着施工される方形状の
タイルカーペットにおいては、敷設現場での施工作業を
容易なものとするため、またフリーアクセスフロアの増
加や、粘着剤が入っていた缶の廃棄物問題に十分に対応
するために、現場施工でタイルカーペットの裏面に粘着
剤を塗布するのではなく、製造段階においてあらかじめ
タイルカーペット裏面に粘着剤を塗布したものが多く用
いられるようになってきている。
【0003】このようなタイルカーペットは、一般に、
工場から出荷する前には、2枚のタイルカーペットが、
それぞれの裏面に塗布された粘着剤により貼り合わされ
ており、これら2枚のタイルカーペットからなるタイル
カーペットセットが複数段に積み重ねられて包装され、
その状態で施工現場に搬入される。そして、施工現場に
おいて、タイルカーペットを相互に分離して、各タイル
カーペットをその裏面に塗布された前記粘着剤を利用し
て接着施工する。
【0004】ところで、タイルカーペットの裏面に形成
されるバッキング層にポリ塩化ビニル樹脂組成物が用い
られている場合、通常この樹脂組成物には可塑剤が多量
に含有されているのであるが、該可塑剤が、製品在庫時
やカーペット施工後等に経時的にバッキング層の裏面に
ブリードアウトし、このブリードアウトした可塑剤の影
響によって粘着剤の粘着力が低下して、カーペットのず
れ移動が生じ易くなるという問題があった。
【0005】このような可塑剤のブリードアウトによる
悪影響を防止し得るものとしては、前記粘着剤として架
橋系アクリル粘着剤等の架橋系粘着剤組成物を用いたタ
イルカーペットが公知である。例えば、架橋剤を添加し
た粘着剤組成物をバッキング層の裏面に塗布した後、遠
赤外線等により加熱することによって反応架橋(硬化)
させた構成のもの(2液タイプの粘着剤)や、光増感剤
を含有させた粘着剤組成物をバッキング層の裏面に塗布
した後、紫外線照射や電子線照射により反応硬化させた
もの(1液タイプの粘着剤)等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
架橋剤を添加した系では、架橋剤が一般的に高価である
ために高コストになるという問題、また架橋剤による架
橋構造の形成によって粘着剤としての初期強度が低下す
るという問題、更には架橋剤添加後は常温においても架
橋反応が徐々に進行して増粘するためにポットライフが
短く、架橋剤添加後は長期保存ができないために例えば
在庫管理が難しいというような問題もあった。
【0007】また、後者の光増感剤を含有させた系で
は、紫外線照射工程や電子線照射工程が必要になるの
で、製造工程が複雑化する上に設備コストやランニング
コストも増大するという問題があった。
【0008】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、バッキング層からの可塑剤のブリ
ードアウトによる影響を受け難くすることができて、施
工面に対する粘着強度を十分に確保することができると
共に、コスト低減を図ることができる自己粘着性タイル
カーペットを提供することを第1の目的とする。
【0009】これに加えて、ポットライフが長くて在庫
管理を容易化し得る自己粘着性タイルカーペットを提供
することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、粘着剤組成物中にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有せしめることによ
り、ブリードアウトした可塑剤からの悪影響を排除する
ことができて、施工面に対して十分な粘着強度を長期間
にわたって確保することができることを見出すに至り、
この発明を完成した。
【0011】即ち、この発明に係る自己粘着性タイルカ
ーペットは、2枚のタイルカーペットのそれぞれの裏面
の少なくとも一部に粘着剤組成物からなる粘着層が設け
られ、両タイルカーペットの裏面同士が貼り合わされる
自己粘着性タイルカーペットにおいて、前記粘着剤組成
物がエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有してなる
ことを特徴とするものである。
【0012】粘着剤組成物がエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂を含有しているので、可塑剤からの悪影響を受
けにくくすることができ、ひいては施工面に対して十分
な粘着強度を長期間にわたって確保することができる。
このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の含有に
より可塑剤からの悪影響を受けにくくすることが可能と
なるのは次のような作用によると推定される。即ち、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂における酢酸ビニル骨
格は可塑剤との相溶性が良好ではなく、これにより可塑
剤の影響を受けにくいということ、更にエチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂のエチレン骨格部分が非極性である
ために全体として極性を有する可塑剤の影響を受けにく
いということ、これらの相互作用によって可塑剤の悪影
響を受け難いものとなっていると推定される。また、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は汎用樹脂であって安
価であるので、コストの低減が可能となる。
【0013】粘着剤組成物を構成する粘着剤としては、
非架橋のアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。粘着
剤としてアクリル系粘着剤を用いるので、粘着強度を一
層向上させることができる。また、非架橋のアクリル系
粘着剤であるので、ポットライフが非常に長く、在庫管
理が極めて容易となる。更に、非架橋のアクリル系粘着
剤は一般的に安価であるから、一層コスト低減を図り得
る。
【0014】エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂におけ
るエチレン含有率は10〜50重量%の範囲にあるの
が、粘着強度の初期強度を向上させることができ、かつ
この優れた粘着強度を長期間にわたって確保できる点
で、好ましい。
【0015】粘着層における粘着剤/エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂の重量比(固形分比)は70/30〜
20/80の範囲にあるのが、粘着強度の初期強度を向
上させることができ、かつこの優れた粘着強度を長期間
にわたって確保できる点で、より好ましい。
【0016】粘着剤組成物塗布領域における粘着剤組成
物の塗布量は、固形分重量で2.5〜50g/m2であ
るのが、粘着強度を十分に確保しつつ、タイルカーペッ
ト同士の分離性をより良好なものとなし得る点で、好ま
しい。
【0017】粘着層は、粘着剤組成物の水性エマルジョ
ンが塗布されることにより形成されたものであるのが好
ましい。これにより、粘着層形成の作業性を向上できる
と共に、粘着強度等の品質をより安定させることがで
き、しかも十分な粘着強度を一層長期間にわたって確保
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態に係る自己
粘着性タイルカーペットを図1に示す。この自己粘着性
タイルカーペットは、カーペット基材(2a)の裏面に
バッキング層(2b)が設けられた2枚のタイルカーペ
ット(2)(2)のそれぞれの裏面の一部に、粘着剤と
ともにエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有してな
る粘着剤組成物からなる粘着層(3)が設けられて、両
タイルカーペット(2)(2)の裏面同士が貼り合わさ
れたものである。なお、この実施形態では、タイルカー
ペット(2)の裏面の一部に粘着層(3)が設けられて
いるが、タイルカーペット(2)の裏面の全面に粘着層
(3)が設けられた構成であっても良い。
【0019】前記粘着層(3)を構成する粘着剤組成物
について説明する。この粘着剤組成物は、粘着剤ととも
にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有している必
要がある。このエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は粘
着性向上には殆ど貢献しないが、これを含有せしめるこ
とによってバッキング層(2b)からブリードアウトし
てくる可塑剤の悪影響を受けにくくすることができ、ひ
いては施工面に対して十分な粘着強度を長期間にわたっ
て確保することができる。
【0020】このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂の含有により可塑剤からの悪影響を受けにくくする
ことが可能となるのは次のような作用によると推定され
る。即ち、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂における
酢酸ビニル骨格は可塑剤との相溶性が良好ではなく、こ
れにより可塑剤の影響を受けにくいということ、更にエ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のエチレン骨格部分が
非極性であるために全体として極性を有する可塑剤の影
響を受けにくいということ、これらの相互作用によって
可塑剤の悪影響を受け難いものとなっていると推定され
る。
【0021】前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に
おけるエチレン含有率は10〜50重量%であるのが好
ましい。エチレン含有率が10重量%未満では、加水分
解による酢酸の生成によりpHの低下が促進されること
があるし、また非極性であるエチレン部分の効果(極性
を有する可塑剤の影響を受けにくくする効果)が発揮さ
れ難くなるので、好ましくない。一方、エチレン含有率
が50重量%を超えると、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂の粘着性が全くないものとなって粘着剤の粘着性
能を阻害する、即ち粘着層(3)全体としての粘着性能
を低下させるので、好ましくない。中でも、前記エチレ
ン含有率は20〜40重量%とするのがより好ましい。
【0022】前記粘着剤組成物を構成する粘着剤として
は、粘着性能を発現するものであれば特に限定されずに
用いることができるが、これらの中でも非架橋系の粘着
剤を用いるのが好ましい。非架橋系であるから、ポット
ライフが非常に長くなり、在庫管理が極めて容易なもの
となるし、初期粘着強度を向上させることができる利点
がある。
【0023】前記非架橋系の粘着剤としては、例えば非
架橋のアクリル系粘着剤、非架橋のシリコーン系粘着
剤、非架橋のゴム系粘着剤などを例示できる。
【0024】これら非架橋系粘着剤の中でも、非架橋の
アクリル系粘着剤を用いるのが特に好ましい。アクリル
系粘着剤であるので、粘着強度を一層向上させることが
できる。また、非架橋系であるから、ポットライフが非
常に長く、在庫管理が極めて容易なものとなる。更に、
非架橋のアクリル系粘着剤は一般的に安価であるから、
一層コストを低減できる利点もある。
【0025】非架橋のアクリル系粘着剤としては、特に
限定されるものではないが、例えば2−エチルヘキシル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、アクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル等の共
重合体等を主としたもの等が挙げられる。
【0026】なお、前記粘着剤としては、架橋系アクリ
ル粘着剤等の架橋系粘着剤を用いたり、併用したりする
こともできる(架橋系粘着剤を単独で用いるのではな
く、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂と併用すること
で可塑剤の影響を排除するものであるので、前記架橋系
粘着剤により生ずる高コスト、ポットライフが短い等の
問題をある程度解消できる)が、粘着剤として非架橋系
粘着剤を用いる場合と比べて、架橋剤による架橋構造の
形成によって初期粘着強度が低下するし、架橋剤の含有
によってポットライフが短いものとなって在庫管理が難
しくなるので、好ましくない。
【0027】前記粘着層(3)における粘着剤/エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂の重量比(固形分比)は7
0/30〜20/80の範囲にあるのが好ましい。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂の重量比が上記下限より
小さくなると、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の含
有による効果が発揮され難くなって、可塑剤の影響を受
けやすくなり、粘着強度の経時的低下を招くので、好ま
しくない。一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の
重量比が上記上限を超えると、タイルカーペットを粘着
施工した際に施工面に対する粘着強度を十分に確保する
ことが困難となるので、好ましくない。中でも、粘着層
(3)における粘着剤/エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂の重量比(固形分比)は60/40〜30/70の
範囲とするのがより好ましい。
【0028】また、粘着剤組成物塗布領域における粘着
剤組成物の塗布量は、固形分重量で2.5〜50g/m
2とするのが好ましい。2.5g/m2未満ではタイルカ
ーペットを粘着施工した際に施工面に対する粘着強度を
十分に確保することが困難となるので、好ましくない。
また、50g/m2を超えると、タイルカーペット同士
の粘着強度が必要以上に大きくなってしまい、タイルカ
ーペットを相互に分離するのが困難となる場合があるの
で、好ましくない。中でも、粘着剤組成物塗布領域にお
ける粘着剤組成物の塗布量は固形分重量で5〜25g/
2とするのが一層好ましい。
【0029】粘着層(3)の形成パターン及び形成面積
は、特に限定されるものではなく、例えば特許第269
3362号公報、特公平6−68205号公報に記載の
形成パターン、形成面積を採用することができる。
【0030】なお、例えば図2に示すような波線状パタ
ーンや、縦縞、横縞等の直線状パターンを採用する場合
において、パターンのピッチ(P)は5〜50mmの範
囲に設定すると共に、パターンの線幅(L)をピッチ
(P)の10〜80%に設定するのが好ましい。バッキ
ング層(2b)の組成によっては、施工面に凹陥部(へ
こみ)があった場合、人等がタイルカーペット上を歩行
等した際に、タイルカーペットと凹陥部とが粘着してい
ない部位では音が発生することがあるが、パターンのピ
ッチ(P)を上記範囲の細かいピッチ間隔とすれば、施
工面に凹陥部があってもタイルカーペットと該凹陥部と
が十分に粘着したものとなって、前記音の発生をなくす
ことができる。
【0031】前記粘着層(3)の形成方法は、特に限定
されるものではないが、前記粘着剤組成物の水性エマル
ジョンを塗布することにより形成するのが、塗布工程に
おける作業性を向上できる点で、好ましい。また、粘着
剤組成物を構成する粘着剤およびエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂のいずれもがエマルジョン形態で塗布され
るので、形成される粘着層(3)において粘着剤とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂とが均一な相互分散形態
となされ、これにより粘着強度等の品質をより安定した
ものとすることができ、またエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂の均一分散により可塑剤の影響をより受け難い
ものとなし得て、十分な粘着強度を一層長期間にわたっ
て確保することができる利点がある。なお、塗布を行う
場合には、スクリーン法を好適に使用できる。
【0032】前記粘着剤組成物の水性エマルジョンにお
いて、樹脂等の固形分含量(濃度)は20〜75重量%
に設定するのが、好ましい。20重量%未満では乾燥に
要するエネルギーコストが増大する上に乾燥時間も長く
なってしまうので、好ましくないし、一方75重量%を
超えると粘度が増大して均一分散塗布を行うのが困難と
なるので、好ましくない。
【0033】前記カーペット基材(2a)としては、特
に限定されるものではなくどのようなものでも使用でき
る。例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、あるいは
麻、綿、羊毛等の天然繊維等の繊維からなる糸を製編織
した布地の他、各種の繊維や糸を、ニードリング等によ
り機械的に接結したり、あるいは接着剤等により化学的
に接結した不織布等を使用できる。また、カーペット基
材(2a)は、その表面にパイル層が形成されたパイル
布帛でも良いし、あるいはパイル層が形成されない平布
地でも良い。
【0034】また、前記バッキング層(2b)の材質は
特に限定されないが、通常は樹脂組成物やゴム組成物で
構成される。この樹脂組成物の樹脂成分としては、ポリ
塩化ビニル、APAO(非晶性ポリオレフィン樹脂)な
どの樹脂を挙げることができる。
【0035】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0036】<実施例1>可塑剤を16重量%含有した
ポリ塩化ビニル樹脂組成物からなるバッキング層が裏面
に形成された2枚のタイルカーペット(厚さ6.5m
m、大きさ50cm×50cm)を準備した。
【0037】一方、非架橋のアクリル系粘着剤とエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)とを固形分重量
比でアクリル系/EVA=60/40で含有する水性エ
マルジョン(水/固形樹脂分=45/55)を、スクリ
ーンを用いて図2に示す塗布パターンで前記タイルカー
ペットのそれぞれの裏面(バッキング層の裏面)に塗布
した。次に、前記エマルジョンを塗布したタイルカーペ
ットをそれぞれ80℃で5分間オーブン内で加熱して乾
燥させた後、両タイルカーペットを貼り合わせて、タイ
ルカーペットセットを得た。なお、裏面全面に対する塗
布面積は20%で、粘着剤組成物塗布領域における粘着
剤組成物の塗布量は9g/m2(固形分重量)であっ
た。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂における
エチレン含有率は30重量%であった。
【0038】なお、図2において、粘着層(3)の波線
状パターンの線幅(L)は2mmであり、該パターンの
ピッチ(P)は10mmであった。従って、裏面全面に
対する塗布面積は20%となる。そして、タイルカーペ
ットセットとした状態時において、底面積の約4%の割
合で粘着層(3)(3)同士が重なり合い、残りの粘着
層は互いに他方のタイルカーペットの裏面の非粘着領域
(10)に接触するものとなされている。
【0039】<実施例2〜5>水性エマルジョンにおけ
るアクリル系粘着剤/エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂の重量比(固形分比)を表1に示す比率とした以外
は、実施例1と同様にして、タイルカーペットセットを
得た。なお、実施例3のみ、塗布領域における粘着剤組
成物の塗布量を、固形分重量で15g/m2とした。
【0040】<比較例1>水性エマルジョンとして、非
架橋のアクリル系粘着剤を含有する水性エマルジョン
(水/固形樹脂分=45/55)を用いた(EVAを全
く含有しない)以外は、実施例1と同様にして、タイル
カーペットセットを得た。
【0041】上記のようにして得られた各タイルカーペ
ットセットに対して下記の評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0042】<初期滑り抵抗強度(施工面上における位
置ずれ防止性の評価)>タイルカーペットセットを相互
に分離して、それぞれPP板(ポリプロピレン板)、ス
レート板、鉄板の上に貼着して、タイルカーペットを面
方向に引っ張った時の滑り抵抗強度を測定した。
【0043】<促進試験後の滑り抵抗強度(経時的にブ
リードアウトしてくる可塑剤の影響の有無の評価)>タ
イルカーペットセットを60℃のオーブン中に10日間
入れた後、これを取り出して常温になってからタイルカ
ーペットセットを相互に分離して、前記同様にそれぞれ
PP板、スレート板、鉄板の上に貼着して、タイルカー
ペットを面方向に引っ張った時の滑り抵抗強度を測定し
た。
【0044】<施工後再剥離時の粘着剤の移行性(施工
面への残存性)>施工後に施工面から再剥離した時の粘
着剤組成物の施工面への移行性(残存付着性)を評価す
るために、施工状態にあるタイルカーペットの上面の面
全体に100kgの荷重を10日間かけた後、タイルカ
ーペットを施工面から剥離して、粘着剤組成物の施工面
への移行性を調べた。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、この発明の実施
例1〜5のタイルカーペットは、いずれの施工面に対し
ても初期滑り抵抗強度が大きくて施工面上における位置
ずれ防止性に優れると共に、いずれの施工面に対しても
長期間にわたって十分な粘着強度を確保できることを確
認し得た。
【0047】中でも、粘着剤/エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂の重量比が70/30〜20/80の範囲に
ある実施例1〜3のタイルカーペットは、粘着強度の初
期強度に特に優れ、かつこの優れた粘着強度が長期間に
わたり十分に維持されると共に、施工後再剥離時に粘着
剤が施工面に移行することもなかった。
【0048】なお、実施例5のタイルカーペットでは、
粘着層におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂の含
有率(粘着剤に対する)が大きいので、初期の粘着強度
は実施例1〜3のそれと比較すると低下するものの、粘
着強度は長期間にわたり低下することなくほぼ一定に維
持されていた。
【0049】これに対し、粘着層にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂を含有しない比較例では、粘着強度の初
期強度は十分にあるが、経時的に粘着強度が顕著に低下
していた。
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明の自己粘着性タ
イルカーペットは、粘着層にエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂を含有しているので、バッキング層からブリー
ドアウトしてくる可塑剤の悪影響を受けにくくすること
ができ、ひいては施工面に対して十分な粘着強度を長期
間にわたって確保することができる。更に、エチレン−
酢酸ビニル共重合体は比較的安価であるので、低コスト
化を図り得る。
【0051】粘着剤組成物を構成する粘着剤として、非
架橋のアクリル系粘着剤が用いられている場合には、粘
着強度を一層向上させることができると共に、コストを
一層低減することができ、しかもポットライフが非常に
長いので、在庫管理が極めて容易となるし、粘着強度等
の品質の安定性を十分に確保することができる。
【0052】エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂におけ
るエチレン含有率が10〜50重量%の範囲にある場合
には、粘着強度の初期強度をより向上させることがで
き、かつこの優れた粘着強度を一層長期間にわたって確
保できる。
【0053】粘着層における粘着剤/エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂の重量比(固形分比)が70/30〜
20/80の範囲にある場合には、粘着強度の初期強度
をより一層向上させることができ、かつこの優れた粘着
強度をより一層長期間にわたって確保できる。
【0054】粘着剤組成物塗布領域における粘着剤組成
物の塗布量が、固形分重量で2.5〜50g/m2であ
る場合には、粘着強度を十分に確保しつつ、タイルカー
ペット同士の分離性をより良好なものとなし得る。
【0055】粘着層が、粘着剤組成物の水性エマルジョ
ンが塗布されることにより形成されたものである場合に
は、粘着層形成の作業性を向上できてコストの低減を図
ることができると共に、粘着強度等の品質安定性に一層
優れたものとなし得、しかも十分な粘着強度を一層長期
間にわたって確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自己粘着性タイルカーペットを示す模式的断面
図である。
【図2】(イ)(ロ)は互いに対をなす第1及び第2の
タイルカーペットの各底面図(一部底面図)、(ハ)は
第1及び第2のタイルカーペットを貼り合わせた状態で
の粘着剤組成物塗布領域の重なり態様を示す一部平面図
である。
【符号の説明】
2…タイルカーペット 2a…カーペット基材 2b…バッキング層 3…粘着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 133/00 C09J 133/00 Fターム(参考) 4J004 AA07 AA09 AA10 AB01 CA07 CC02 EA06 FA08 4J040 DA051 DA052 DE031 DE032 DF041 DF042 DF051 DF052 JA03 JA09 JB09 KA26 LA05 LA06 MA10 MA11 MA12 NA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のタイルカーペットのそれぞれの裏
    面の少なくとも一部に粘着剤組成物からなる粘着層が設
    けられ、両タイルカーペットの裏面同士が貼り合わされ
    る自己粘着性タイルカーペットにおいて、 前記粘着剤組成物がエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
    を含有してなることを特徴とする自己粘着性タイルカー
    ペット。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤組成物を構成する粘着剤とし
    て、非架橋のアクリル系粘着剤が用いられている請求項
    1に記載の自己粘着性タイルカーペット。
  3. 【請求項3】 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
    におけるエチレン含有率が10〜50重量%の範囲にあ
    る請求項1または2に記載の自己粘着性タイルカーペッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記粘着層における粘着剤/エチレン−
    酢酸ビニル共重合体樹脂の重量比(固形分比)が70/
    30〜20/80の範囲にある請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の自己粘着性タイルカーペット。
  5. 【請求項5】 粘着剤組成物塗布領域における粘着剤組
    成物の塗布量が、固形分重量で2.5〜50g/m2
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の自己粘着性タ
    イルカーペット。
  6. 【請求項6】 前記粘着層が、粘着剤組成物の水性エマ
    ルジョンが塗布されることにより形成されたものである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の自己粘着性タイル
    カーペット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051449A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Yasuhara Chemical Co Ltd タイルカーペット
JP2010070906A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Eidai Co Ltd 直貼り用床材とそれを用いた木質フロア
JP2012081145A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Suminoe Textile Co Ltd タフテッドカーペット及びその施工方法

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