JP6358827B2 - 粘着剤組成物、およびそれを硬化してなる粘着剤、並びに粘着テープ - Google Patents

粘着剤組成物、およびそれを硬化してなる粘着剤、並びに粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤として好適なアクリル系樹脂と粘着付与樹脂を含有した粘着剤組成物に関し、更に詳しくは、粘着力と剥離性能にバランスよく優れた粘着剤組成物、ならびに粘着剤に関するものである。
近年、粘着テープは、作業性が良好で接着の信頼性が高い接合手段として家電製品や自動車、OA機器、建築などの各種産業分野で利用されている。
例えば、建築物の建築過程で床材を敷設後に内装工事をする際に、床材の傷つき防止等を目的として床材が床養生シートでカバーされ、その床養生シートを固定するために粘着テープが使用される。このような用途で使用される粘着テープは、床材の保護目的終了後に床養生シートと共に剥離除去される。
このような養生用途に用いられる粘着剤および粘着テープとして、例えば、特許文献1では、基材とその少なくとも片面に粘着剤層を有する粘着テープにおいて、基材はポリオレフィン系樹脂を含有するフィルムから成り、前記基材の300〜400nmにおける光線透過率が10%以下であり、さらに前記粘着剤層は重合ロジン系粘着付与剤を含有するアクリル系粘着剤から成ることを特徴とする粘着テープが提案されており、ポリエチレンラミネート加工表面やエンボス加工表面を有する床養生シート等の非極性の被着体に対する接着固定に対して十分な接着性を満足することができ、固定時にはテープの浮き等の剥がれを生じ難く、保護目的終了後に粘着テープを除去する際には糊残りを生じたり、床材を傷めたりすることがないことが記載されている。
特開2004−189861号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、確かにポリエチレンラミネート加工表面やエンボス加工表面を有する床養生シート等の非極性の被着体に対して接着性と剥離性に優れるものの、剥離時に糊残りが発生しやすく高いレベルでの剥離性が要求される塩化ビニル樹脂などの軟質なプラスチックからなる床材に対しては、充分な剥離性能を示すことができないという問題点があった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、種々の被着体に対して、粘着物性(粘着力、タック)と剥離性とにバランスよく優れる粘着剤を得るための粘着剤組成物であり、特に養生用テープとして、軟質なプラスチックからなる床材に対しても糊残りが生じないアクリル系の粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂と粘着付与樹脂を含む粘着剤組成物において、長鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを主成分として重合してなるアクリル系樹脂を用いる場合に、粘着付与樹脂として特定の2種を組み合わせて使用することで、種々の被着体に対して、粘着物性(粘着力、タック)と剥離性とにバランスよく優れる粘着剤を提供できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を主成分とする重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(A)および粘着付与樹脂(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、アクリル系樹脂(A)を構成する重合成分として、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)および官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)を少なくとも含有し、前記アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)が重合成分全体に対して75〜99.9重量%、その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)が重合成分全体に対して0〜10重量%であり、粘着付与樹脂(B)として、テルペン系樹脂(b1)およびキシレン系樹脂(b2)を含有することを特徴とする粘着剤組成物に関するものである。
更には、本発明は、上記粘着剤組成物を用いてなる粘着剤、それを用いた粘着テープに関するものである。
なお、本発明において、粘着付与樹脂として用いるテルペン系樹脂やキシレン系樹脂は、粘着付与樹脂としてはそれぞれ単独では用いられるものであるが、構造、骨格が類似しており類似の効果しか得られないと考えられており、あえて2種を併用することは行われないと考えられるところであったが、長鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを主成分として重合してなるアクリル系樹脂を用いる場合においては、両者を併用することで粘着物性と剥離性のバランスに優れたものとなるのである。
本発明の粘着剤組成物は、種々の被着体に対して、粘着物性(粘着力、タック)と剥離性とにバランスよく優れる粘着剤を得るための粘着剤組成物であり、特に軟質なプラスチックからなる床材に対しても、剥離時に糊残りが生じない養生用テープとして有用なものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸あるいはメタクリル酸を、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味する。
まず、本発明の粘着剤組成物が必須成分として含有するアクリル系樹脂(A)について説明する。
アクリル系樹脂(A)は、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を主成分とし、官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)を少なくとも含有する重合成分を重合して得られるものであり、必要に応じてその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)を共重合成分として含んでもよい。
上記アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)は、アルキル基の炭素数が5以上であることが必要であり、好ましくは5〜32、特に好ましくは8〜24、更に好ましくは8〜18である。
かかる炭素数が少なすぎると、軟質なプラスチック樹脂に対して剥離時に糊残りが発生し、剥離性が低下するため好ましくない。
上記アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとして具体的には、例えば、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)メタクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、2−ドデシル−ヘキサデカニル(メタ)アクリレート、2−テトラデシル−オクタデカニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、入手のし易く、製造が容易である点で、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートが好ましく、汎用性が高い点で、特に好ましくは2−エチルヘキシルアクリレートである。
また、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を、「主成分とする」とは、重合成分全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であることを意味する。
重合成分全体に対するアルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)の含有割合が少なすぎると、プラスチック被着体に対する剥離性が低下する傾向がある。
上記アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)の含有量は、重合成分全体に対して、75〜99.9重量%であり、好ましくは75〜99.5重量%、特に好ましくは75〜99重量%、さらに好ましくは75〜98重量%である。
上記アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)の含有量が多すぎると粘着力が低下しやすい傾向があり、少なすぎるとプラスチック被着体に対する剥離性が低下しやすい傾向がある。
上記官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、(メタ)アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物(例えば、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、(メタ)アクリル酸テトラマー、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステル(例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、等)等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有不飽和モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有不飽和モノマー;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有不飽和モノマー;
(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブトキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−3−メチルブチルメチルアミン、ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和モノマー;
エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸あるいはその塩等のスルホン酸基含有不飽和モノマー;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和モノマー;
等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種が用いられる。
中でも、カルボキシル基含有不飽和モノマー、水酸基含有不飽和モノマー、グリシジル基含有不飽和モノマー、イソシアネート基含有不飽和モノマー、アミド基含有不飽和モノマーが好適に用いられ、特に好ましくはカルボキシル基含有不飽和モノマー、水酸基含有不飽和モノマーである。
上記官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)の含有量は、重合成分全体に対して、0.1〜35重量%であることが好ましく、特に好ましくは0.3〜30重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%、殊に好ましくは1〜10重量%である。
上記官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)の含有量が少なすぎると、高温高湿下で粘着剤が白化する傾向があり、多すぎると粘着剤が硬くなりすぎタックがなくなる傾向がある。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香環含有モノマー;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、(メタ)アクリロイルモルホリン等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらの中でも、酢酸ビニルを用いることが凝集力が向上する点で好ましい。
また、高分子量化を目的とする場合、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多官能性モノマー等を併用することもできる。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)の含有量は、重合成分全体に対して、010重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%、に好ましくは0.2〜5重量%であり、その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)が多すぎるとポリマーの共重合性が低下しやすく、残留モノマーとして残留しやすく臭気が発生しやすい傾向がある。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を主成分とし、必要に応じて官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)やその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)を含有する共重合成分を適宜選択して用い重合することにより製造することができる。上記重合に当たっては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法により行なうことができる。
例えば、有機溶媒中に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を含有する重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し所定の重合条件にて重合する。これら重合方法のうち、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、更に好ましくは溶液ラジカル重合ある。
上記重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等があげられる。
これらの溶剤の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、更に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
また、かかるラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの溶剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、30万〜180万が好ましく、特に好ましくは40万〜150万、更に好ましくは50万〜110万である。
かかる重量平均分子量が小さすぎると凝集力が低下し剥離性が低下する傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると粘着力が低下しやすく、また製造が困難となる傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、3〜8であることが好ましく、特に好ましくは3.5〜7.5、更に好ましくは4〜7である。
かかる分散度が高すぎると低分子量成分が増え剥離性が低下する傾向があり、低すぎると粘着力が低下しやすく、また製造が困難となる傾向がある。
尚、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−80〜0℃であることが好ましく、特に好ましくは−75〜−20℃、更に好ましくは−70〜−55℃である。
かかるガラス転移温度が高すぎると粘着力が低下しやすくなる。また低すぎてもアクリル系樹脂が硬くなりすぎて剥離性が低下する傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度は、以下のFoxの式より算出されるものである。
1/Tg=w1/Tg1+w2/Tg2+・・・・・・・・・・・・Wk/Tgk
但し、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1,Tg2,・・・・・・・・Tgkは各単量体成分の単独共重合体のTgであり、w1,w2,・・・・・・・・・・wkは各単量体成分のモル分率を表し、w1+w2+・・・・・・・・・wk=1である。
かくして本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)が得られる。
次に本発明で用いられる粘着付与樹脂(B)について説明する。
本発明においては、上記粘着付与樹脂(B)として、テルペン系樹脂(b1)およびキシレン系樹脂(b2)を含有することが必要である。
上記テルペン系樹脂(b1)としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらテルペン系樹脂の変性樹脂(変性テルペン系樹脂)を挙げることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
かかる変性テルペン系樹脂としては、例えば、フェノール変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加変性テルペン系樹脂、炭化水素変性テルペン系樹脂等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、アクリル系樹脂との相溶性の点で、フェノール変性テルペン系樹脂が好ましい。
上記キシレン系樹脂(b2)としては、例えば、ストレート型キシレン系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン系樹脂、フェノール変性ノボラック型キシレン系樹脂、フェノール変性レゾール型キシレン系樹脂、ポリオール変性キシレン系樹脂、エチレンオキサイド付加キシレン系樹脂等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、汎用性に優れる点で、ストレート型キシレン樹脂が好ましい。
本発明においては、上記粘着付与樹脂として、フェノール変性テルペン系樹脂とストレート型キシレン樹脂の組み合わせが特に好適である。
上記粘着付与樹脂(B)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは1〜35重量部、特に好ましくは2〜30重量部、更に好ましくは3〜25重量部である。
かかる含有量が少なすぎると粘着力が充分に高くなりにくい傾向があり、多すぎると被着体からの剥離時に糊残りが発生しやすく剥離性が低下する傾向がある。
上記テルペン系樹脂(b1)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜25重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは1〜15重量部である。
かかる含有量が少なすぎると粘着付与効果が低下したり、プラスチックに対する剥離性が低下する傾向があり、多すぎるとタックが低下する傾向がある。
上記キシレン系樹脂(b2)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。
かかる含有量が少なすぎると、粘着付与効果が低下したり、プラスチックに対する剥離性が低下する傾向があり、多すぎるとタックが低下したり、剥離時に被着体汚染が発生しやすくなる傾向がある。
上記テルペン系樹脂(b1)とキシレン系樹脂(b2)との含有比率は、好ましくは(b1):(b2)=1:0.01〜1:10、特に好ましくは(b1):(b2)=1:0.05〜1:5、更に好ましくは(b1):(b2)=1:0.1〜1:1である。
上記(b1)に対する(b2)の含有量が多すぎるとプラスチック樹脂に対する剥離性が低下する傾向があり、少なすぎるとタックが低下する傾向がある。
粘着付与樹脂(B)全体に対するテルペン系樹脂(b1)とキシレン系樹脂(b2)との合計量の含有割合は、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。通常、上記合計量の上限は100重量%である。
かかるテルペン系樹脂(b1)とキシレン系樹脂(b2)との合計量の含有割合が低すぎると、プラスチック樹脂に対する剥離性が低下する傾向がある。
かくして、本発明のアクリル系樹脂(A)および粘着付与樹脂(B)を含有する粘着剤組成物が得られる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤を含有することが好ましく、架橋剤により架橋され、粘着剤となるものである。
かかる架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等の化学架橋を形成する架橋剤、多官能アクリレート系架橋剤等の物理架橋を形成する架橋剤が挙げられる。これらの中でも、基材との密着性を向上させる点やベースポリマーとの反応性の点で、化学架橋を形成する架橋剤が好ましく、中でも特に好ましくはイソシアネート系架橋剤、エポキシ架橋剤、金属キレート架橋剤であり、更に好ましくはイソシアネート系架橋剤である。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、1,3′−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N‘,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等が挙げられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
なお、かかるアジリジン系架橋剤は、ポットライフが短く、変異原性があることから、粘着剤の使用用途によっては使用が好ましくない場合がある。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
これらの架橋剤は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤の含有量は、通常は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜1.5重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部である。架橋剤が少なすぎると、凝集力が低下し、充分な耐久性が得られない傾向がみられ、多すぎると柔軟性、および粘着力が低下し剥離が起こりやすくなる傾向がみられる。
なお、一般的に、粘着剤組成物中の架橋剤の含有量を増量すると、粘着剤層のゲル分率が高くなるため、該粘着剤層表面側の接着力の低下が認められる。一方で、架橋剤の含有量を減量(低減)すると、粘着剤層の凝集力が低下し、その結果、再剥離性が低下する傾向があった。このため、従来は、接着力と剥離性およびタックといった粘着物性のすべて満たすことは困難であった。
さらに、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、帯電防止剤、その他のアクリル系粘着剤、その他の粘着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂等の上記(b1)や(b2)以外の粘着付与剤、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、機能性色素等の各種添加剤や、紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を配合することができる。また、上記添加剤の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。これら添加量は所望する物性が得られるように適宜設定すればよい。
これらの中でも、経時における樹脂の安定性を向上させられる点で酸化防止剤の配合が好ましい。
つぎに、上記の本発明の粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成することにより粘着テープを作製することができる。すなわち、上記粘着テープは、例えば、次のようにして作製することができる。
なお、本発明において、「粘着テープ」とは「粘着シート」や「粘着フィルム」と表現されるものも含む意味である。
まず、所定の厚みとなるように支持基材の片面もしくは両面に上記粘着剤組成物を塗工し、加熱乾燥することにより粘着剤層を形成する。ついで、必要に応じて上記粘着剤層面に剥離シートを貼り合わせることにより粘着テープを作製することができる。また、得られた粘着テープには、必要に応じて、エージング処理を行なった後、使用時には、上記剥離シートを粘着剤層から剥離して使用に供される。このようにして、支持基材の片面もしくは両面に粘着剤層が形成され、さらにこの粘着剤層面に必要に応じて剥離シートが設けられた粘着テープが得られる。
上記支持基材としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄等の金属箔;ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂フィルムまたはシート、上質紙、グラシン紙等の紙、硝子繊維、天然繊維、合成繊維等から選択される単層体または複層体があげられる。かかる支持基材の厚みとしては、通常1〜500μmであり、好ましくは5〜300μmである。
さらに、上記剥離シートとしては、例えば、上記支持基材で例示した各種合成樹脂シート、紙、布、不織布等に離型処理したものを使用することができる。
また、剥離シートに上記粘着剤組成物を塗工し、加熱乾燥することにより粘着剤層を形成、粘着剤層に剥離シートを貼り合わせることにより、基材レスの粘着テープを作製することもできる。
上記粘着剤組成物の塗工に際しては、この粘着剤組成物を溶剤に希釈して塗布することが好ましく、希釈濃度としては、好ましくは5〜80重量%、特に好ましく10〜70重量%である。
また、上記溶剤としては、粘着剤組成物を溶解させるものであればよく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、アセトン、トルエンが好適に用いられる。
また、上記粘着剤組成物の塗工方法としては、一般的な塗工方法であれば特に限定されることなく、例えば、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の方法があげられる。
そして、上記加熱乾燥条件としては、粘着剤組成物を乾燥させることが可能であればよく、例えば、50〜150℃、好ましくは60〜130℃で、1〜10分間程度、好ましくは1.5〜5分間程度の条件があげられる。
上記エージング処理は、粘着物性のバランスをとるために行なうものであり、エージングの条件としては、温度は、通常室温(20℃±20℃)〜70℃、時間は通常1日〜30日であり、具体的には、例えば20℃で1日〜20日間、40℃で1日〜7日間等の条件で行なえばよい。
さらに、得られる粘着テープにおける粘着剤層の厚みは、通常10〜100μmが好ましく、より好ましくは15〜60μm、特に好ましくは25〜45μmである。この粘着剤層の厚みが薄すぎると粘着物性が安定しにくい傾向があり、厚すぎると乾燥が困難となり、アウトガス量が増加する傾向がある。
このようにして得られる粘着テープの厚みは、用途に応じ適宜設定されるが、例えば、20〜300μmの範囲に設定することが好ましい。
本発明における粘着テープの利用に際し、被着体の種類として、例えば、各種金属面を有する物品;ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂フィルム、シートまたは板があげられる。
また、本発明の粘着テープを養生テープとして用いる際の被着体としては、フローリング・無垢フローリング(無垢・合板・2層・竹・桐・床暖房)、ラミネートフロア(簡単施工・DYIフローリング・石目調・木目調)、各種タイル(陶器質・磁器質・天然石・大理石・セラミック・ガラス)、モザイクタイル・ガラス床(天然石・ガラス・陶器・ステンレス・メタル)、コルク床・シート床(天然コルク・防滑床・リノリウム・ビニル・CF・接着シート床)、舗装材・外構床材 (石材・ブロック・レンガ・タイル・舗装材)、塗り床・床下地材(塗り床・防塵・保護剤・セメント系セルフレベリング材・床断熱材)、インテリアカーペット、畳 (フロア畳・床暖房用・光畳・畳縁等)、巾木・アルミ巾木・(アルミ製・樹脂形材)、ポリエチレンラミネート加工表面やエンボス加工表面を有する床養生シート等などがあげられる。
上記粘着剤層のゲル分率としては、通常、20〜85%、好ましくは30〜80%、特に好ましくは35〜70%である。
かかるゲル分率が低すぎると、剥離の際に凝集破壊を起し糊残りが発生しやすい傾向があり、高すぎると、粘着力が低下し、タックが低下する傾向がある。
本発明の粘着剤組成物は、とりわけ有機溶剤含有タイプの粘着剤組成物として使用し、架橋剤存在下、熱により硬化させて粘着剤とすることで、中程度〜高程度の粘着力(約3N/25mm以上)を示し、短期間(数週間〜数ヶ月)被着体と貼り合せた後、人の手により被着体から剥離することができる粘着剤として好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂を調製した。なお、アクリル系樹脂の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度の測定に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
なお、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘度計法に準じて測定した。
[製造例1]
〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕
2L丸底4ツ口フラスコに、アセトン78g酢酸エチル254g、を投入後攪拌しウォーターバス温を94℃に設定し、還流開始後、2−エチルヘキシルアクリレート788.54g、酢酸ビニル24.9g、アクリル酸24.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.66及び開始剤AIBN0.249gの混合モノマーを2時間で滴下投入した。滴下開始時から3時間後に追加開始剤としてAIBN0.249gと溶解用溶剤の酢酸エチル150gを投入した。更に滴下開始時から5時間後に追加開始剤としてAIBN0.332gと溶解用溶剤の酢酸エチル100gを投入した。反応開始時より7時間後、希釈溶媒のトルエン350gを投入し、その後冷却して反応を終了させることによりアクリル系樹脂(A−1)(重量平均分子量105万;分散度5.94;固形分45.5%;粘度14600mPa・s/25℃)を得た。
なお、反応開始時から終了までの内温は69〜81℃に保ち反応を行なった。
[製造例2]
〔アクリル系樹脂(A’−1)の製造〕
2L丸底4ツ口フラスコに、酢酸エチル254g、開始剤としてAIBN0.34gを投入後攪拌しウォーターバス温を92℃に設定した。
還流開始後2−ブチルアクリレート647.5g、酢酸ビニル35.0g、アクリル酸10.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.2からなる混合モノマーを2時間で滴下投入した。滴下開始時から3時間後に2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.1gと溶剤の酢酸エチル100gを投入した。ついで滴下開始時から3.5時間後に追加開始剤としてAIBN0.18gと溶解用溶剤の酢酸エチル20gを投入した。更に滴下開始から5時間後に2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.7gと溶剤の酢酸エチル70gを投入し、ついで滴下開始時から5.5時間後に追加開始剤としてAIBN0.18gと溶解用溶剤の酢酸エチル20gを投入した。反応開始時より7.5時間後、希釈溶媒の酢酸エチル388gを投入し、その後冷却して反応を終了させることにより、アクリル系樹脂(A’−1)(重量平均分子量89.5万;分散度5.11;樹脂分39.5%;粘度7700mPa・s/25℃)を得た。
なお、反応開始時から終了まで内温を78〜92℃に保ち反応を行なった。
粘着付与樹脂(B)として、以下のものを用意した。
・(b1−1):テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製;商品名「マイティエースG125」)
・(b2−1):キシレン樹脂(三菱ガス化学社製;商品名「ニカノールH-80」)
・(b’−1):ロジン系樹脂(荒川化学工業株式会社製;商品名「スーパーエステルS−100」)
・(b’−2):ロジン系樹脂(荒川化学工業株式会社製;商品名「ペンセルD−135」)
<実施例1>
上記アクリル系樹脂(A−1)100部(固形分換算)に、粘着付与樹脂(b1−1)6部および粘着付与樹脂(b2−1)3.2部(有効成分量)、酸化防止剤(チバ・ジャパン株式会社製;商品名「イルガノックス1010」)0.1部を配合した後、酢酸エチルで固形分濃度30重量%となるように希釈して、粘着剤組成物を得た。
<比較例1>
実施例1において、粘着付与樹脂(b2−1)3.2部(有効成分量)を配合しなかった以外は同様にして、粘着剤組成物を得た。
<比較例2>
実施例1において、粘着付与樹脂(b1−1)6部を配合しなかった以外は同様にして、粘着剤組成物を得た。
<比較例3>
実施例1において、アクリル系樹脂(A−1)の代わりにアクリル系樹脂(A’−1)を使用した以外は同様にして、粘着剤組成物を得た。
<比較例4>
実施例1において、粘着付与樹脂(b1−1)と粘着付与樹脂(b2−1)とを配合しなかった以外は同様にして、粘着剤組成物を得た。
<比較例5>
実施例1において、粘着付与樹脂(b1−1)および(b2−1)に代えて、粘着付与樹脂(b’−1)7部、粘着付与樹脂(b’−2)5.5部を使用した以外は同様にして、粘着剤組成物を得た。
上記実施例1、比較例1〜5で製造した粘着剤組成物に、アクリル系樹脂の固形分100重量部に対して0.48部の架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL55」)を配合した後、離型PET(ポリエチレンテレフタレートフィルム)(東レ株式会社製:商品名「SP−PET38−01」)に、アプリケータを用いて乾燥後の膜厚が35μmになるように塗布し80℃で4分間乾燥させた。その後、形成された粘着剤層側を未処理PET(膜厚38μm;東レ株式会社製:商品名「ルミラー38T60」)と貼り合せ、ついで40℃で4日エージングさせて粘着テープを得た。
<粘着力>
上記粘着剤層付きPETフィルムについて、幅25mm×長さ100mmに裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側を被着体((1)SUS304BA板;(2)JIS Z−0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じ研磨したSUS304)に23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラーを2往復させることで加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、引っ張り試験機(島津オートグラフAG−X)で剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
<剥離性>
得られた粘着剤層付きPETフィルムを用いて幅25mm×長さ50mmの大きさの試験片を作製し(切り出し)、この試験片を被着体((1)未研磨SUS;(2)塩化ビニル樹脂製のプラスチックタイル(株式会社セルコンテクノス製;商品名「CK2400」))に2kgローラーを2往復させる方法で圧着し、40℃雰囲気下に3日間放置し23℃に戻した。人の手で剥離速度300mm/minで45°の方向に全長の3/5程剥離後、残りの部分について高速剥離を行なった。剥離後の被着体表面の様子を観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○…糊残りなし、または端部に少し貼り後が見えた
△…少量の糊残りが点在した〜全表面積の50%未満の面積に糊残りが認められた
×…全表面積の50%以上の面積の糊残り、もしくは基材から粘着剤が剥れ被着体に移行していた。
<タック>
JIS Z−0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準じ、得られた粘着テープのボールタックを傾斜板の角度30度、助走路の長さ100mmで測定した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
○…No.10以上
△…No.5〜No.9
×…No.2〜N.4
Figure 0006358827
実施例1のアルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を主成分とする重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(A)、テルペン系樹脂(b1)およびキシレン系樹脂(b2)を併用した粘着付与樹脂(B)を含有する粘着剤組成物から得られる粘着テープは、粘着力と剥離性にバランスよく優れるものであることがわかる。
粘着付与樹脂(B)として、テルペン系樹脂(b1)またはキシレン系樹脂(b2)の一方しか含まない比較例1および2の粘着テープ、および、テルペン系樹脂(b1)およびキシレン系樹脂(b2)のいずれも含まない比較例4の粘着テープでは、軟質なプラスチックからなる床材(Pタイル)に対する剥離性に劣るものであることがわかる。
また、粘着付与樹脂(B)としてロジン系樹脂のみを含有する比較例5の粘着テープについては、軟質なプラスチックからなる床材(Pタイル)に対する剥離性およびタック感に劣ることがわかる。
アルキル基の炭素数が4の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(A’)を用いて得られる粘着テープは、軟質なプラスチックからなる床材(Pタイル)に対する剥離性に非常に劣るものであることがわかる。
本発明の粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤は、種々の被着体に対して、粘着物性(粘着力、タック)と剥離性とにバランスよく優れる粘着剤を得るための粘着剤組成物であり、特に軟質なプラスチックからなる床材に対しても、剥離時に糊残りが生じない養生用テープとして有用なものである。

Claims (5)

  1. アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を主成分とする重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(A) および粘着付与樹脂(B)を含有してなる粘着剤組成物であって、
    アクリル系樹脂(A)を構成する重合成分として、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)および官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー(a2)を少なくとも含有し、前記アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)が重合成分全体に対して75〜99.9重量%、その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)が重合成分全体に対して0〜10重量%であり、
    粘着付与樹脂(B)として、テルペン系樹脂(b1)およびキシレン系樹脂(b2)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 粘着付与樹脂(B)の含有量が、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して1〜35重量部であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. テルペン系樹脂(b1)とキシレン系樹脂(b2)との含有割合(重量比)が、(b1):(b2)=1:0.01〜1:10であることを特徴する請求項1または2記載の粘着剤組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物を硬化してなることを特徴とする粘着剤。
  5. 請求項4記載の粘着剤からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
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