JP2020165157A - 化粧材、壁構造体、施工セットおよび施工方法 - Google Patents

化粧材、壁構造体、施工セットおよび施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化粧材の下地材への固定化強度と、化粧材の軽量化および運搬容易性とのバランスを向上させる技術を提供する。【解決手段】化粧材10は、化粧層12と、化粧層12の一方の面に一様に設けられたマグネット層14とを有する。化粧材10において、マグネット層14が、化粧層12との対向面の裏面に多極着磁されており、化粧材10の全体の厚さ(mm)に対する着磁ピッチ(mm)について、(着磁ピッチ/全体厚さ)が1.50以上3.00以下であり、化粧層12が、または、化粧層12とマグネット層14との間に介在層が設けられている場合には化粧層12および介在層が、強磁性体層を有しない。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧材、壁構造体、施工セットおよび施工方法に関する。
住宅やビル等の内壁や外装の施工においては、壁の意匠性を高めるために化粧材を施す場合がある。
磁性層を有する化粧材に関する技術として、特許文献1および2に記載のものがある。
特許文献1(特開2004−098296号公報)には、磁性粉を樹脂中に分散した磁性樹脂を化粧板の裏面に塗布し、着磁を施してなる磁性層付き化粧板について記載されている。そして、同文献によれば、下地である金属製躯体に化粧板を接合するにあたり、裏面の磁性層を設けた化粧板を用いるので、施工する際微妙なズレを修正しながら行うことができ、熟練度を必要とせず、また、接着剤が固化するまで磁力により保持することができると記載されている。
また、特許文献2(特開2005−254544号公報)には、軽量であって、かつ、加工性に優れ、その周囲に磁場の影響を及ぼすことがなく、市販のマグネットシート等を磁気吸着させることができる化粧板及びこの化粧板を用いた収納に関する技術が記載されている。かかる課題を解決するため、同文献には、少なくも基材の片面に、軟質磁性材料と樹脂から成る磁性層を設け、該磁性層上に化粧層を設けた化粧板において、磁性層の厚さおよび磁性層中の該軟質磁性材料の含有率をそれぞれ特定の範囲とすることが記載されている。
また、特許文献3(特開2013−213369号公報)には、表面が強磁性体製である壁基体の表面に、表面に表装材を積層した磁石シートを磁気吸着力によって貼着して用いる磁性壁装材に関する技術が記載されている。同文献においては、特定の防火性能を有する表装材の裏面に、特定の厚さの強磁性体薄板を接着剤を用いて積層し、この強磁性体薄板の裏面に、特定の構成を有する磁石シートを積層又は塗布によってすることにより、磁性防火壁装材を形成している。そして、かかる磁性防火壁装材を壁基体の表面に磁気吸着力で貼着することにより磁気閉回路を形成させて強力な磁気吸着力を発揮させると共に、強磁性体薄板の介在により燃焼時に磁石シートへの表装材の燃焼ガス、火炎及び空気の遮断性を付与させて、特定の防火性能を有する構成とすることが記載されている。
特開2004−098296号公報 特開2005−254544号公報 特開2013−213369号公報
ここで、上記特許文献1および2に記載の技術においては、下地に化粧材を固定するにあたり、接着剤を用いたり、下地上に磁性層を直接塗工したりする方法が採用されている。これらの方法の場合、固定時の強度を向上できる可能性がある一方、化粧材を交換したい場合には、下地から化粧材を除去するために、長時間の作業が必要となるとともに、下地にダメージを与える場合があった。
この点、上記特許文献3に記載の技術においては、壁基体の表面に磁気吸着力で貼着する構成となっており、化粧材を交換する際の下地である壁基体へのダメージについては改善されうる。
ところが、特許文献3に記載の技術においては、磁性防火壁装材中に強磁性体薄板が設けられた構成となっている。このため、磁性防火壁装材全体が重量化してしまう点、および、磁性防火壁装材の運搬容易性の点で改善の余地があった。
本発明は、化粧材の下地材への固定化強度と、化粧材の軽量化および運搬容易性とのバランスを向上させる技術を提供する。
本発明者らは、化粧材の下地への固定化強度を充分に確保しつつ、化粧材を軽量化し、また化粧材の運搬容易性を向上させるための設計指針について鋭意検討した。その結果、化粧層の一方の面にマグネット層が一様に設けられており、マグネット層より化粧層側の領域に強磁性体層を有しない構成とするとともに、かかる構成において、化粧材の全体厚さに対する着磁ピッチという尺度が上述した設計指針として有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、
化粧層と、前記化粧層の一方の面に一様に設けられたマグネット層とを有する化粧材であって、
前記マグネット層が、前記化粧層との対向面の裏面に多極着磁されており、当該化粧材の全体の厚さ(mm)に対する着磁ピッチ(mm)について、(着磁ピッチ/全体厚さ)が1.50以上3.00以下であり、
前記化粧層が、または、前記化粧層と前記マグネット層との間に介在層が設けられている場合には前記化粧層および前記介在層が、強磁性体層を有しない、化粧材が提供される。
本発明によれば、
強磁性体を含む下地と、前記本発明における化粧材との積層体を含む、壁構造体が提供される。
本発明によれば、
強磁性体を含む下地材と、前記本発明における化粧材とを含む、内装または外装の施工セットが提供される。
また、本発明によれば、
強磁性体を含む下地に、前記本発明における化粧材を貼り付ける工程を含む、内装または外装の施工方法が提供される。
本発明によれば、化粧材の下地材への固定化強度と、化粧材の軽量化および運搬容易性とのバランスを向上させることができる。
実施形態における化粧材の構成を示す断面図である。 実施形態における化粧材の構成を示す断面図である。 実施形態における化粧材の構成を示す断面図である。 実施形態における化粧材の構成を示す断面図である。 実施形態における施工方法を説明するための図である。 実施形態における施工方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」は断りがなければ「以上」から「以下」を表す。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における化粧材の構成を示す断面図である。
本実施形態における化粧材10は、化粧層12と、化粧層12の一方の面に一様に設けられたマグネット層14とを有する。
化粧層12は、または、化粧層12とマグネット層14との間に接着層等の介在層が設けられている場合には化粧層12および介在層は、強磁性体層を有しない。こうすることにより、化粧材10を軽量化することができる。また、化粧材10の運搬容易性を高めることができる。
そして、マグネット層14は、化粧層12との対向面の裏面に多極着磁されており、化粧材10の全体の厚さ(mm)に対する着磁ピッチ(mm)について、(着磁ピッチ/全体厚さ)が1.50以上3.00以下である。
化粧材10においては、化粧層12の一方の面にマグネット層14が一様に設けられており、化粧層12は、または、化粧層12および介在層は、強磁性体層を有しない。そして、上記(着磁ピッチ/全体厚さ)が上述した範囲にある。このため、化粧材10の下地への固定化強度を充分に確保しつつ、化粧材10の全体を軽量化することができ、化粧材10の運搬容易性に優れた構成となっている。
(着磁ピッチ/全体厚さ)は、化粧材10の下地への固定化強度を高める観点から、1.50以上であり、好ましくは1.80以上である。
また、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、(着磁ピッチ/全体厚さ)は、3.00以下であり、好ましくは2.60以下、さらに好ましくは2.30以下である。
ここで、化粧層12およびマグネット層14として用いる材料の組み合わせを選択することにより、(着磁ピッチ/全体厚さ)を上記範囲とすることができる。
化粧材10の形状は、軽量化の観点、または、運搬容易性を向上させる観点から、好ましくはシート状であり、より好ましくは長尺シート材である。化粧材10の下地への密着性を向上させる観点から、化粧材10は、好ましくは一様の厚さを有するシート状であり、より好ましくは、長尺シート材であって、長さ方向すなわち化粧層12およびマグネット層14の積層方向の断面視において、一様の厚さを有する。
化粧材10の全体の厚さ(本明細書中、単に化粧材10の「厚さ」とも呼ぶ。)は、化粧材10を軽量化し、運搬容易性を高める観点から、好ましくは0.5mm以上であり、より好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上である。
また、下地への固定化強度を向上させる観点から、化粧材10の厚さは、好ましくは3.0mm以下であり、より好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。
化粧材10の磁束密度X(mT)は、下地への固定化強度を向上させる観点から、好ましくは20mT以上であり、好ましくは30mT以上、さらに好ましくは35mT以上である。
また、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、化粧材10の磁束密度X(mT)は、好ましくは80mT以下であり、より好ましくは60mT以下、さらに好ましくは40mT以下である。
ここで、化粧材10の磁束密度X(mT)は、具体的には、化粧材10の下地との対向面の側の表面磁束密度であり、さらに具体的には、化粧材10のマグネット層14の側の表面磁束密度である。
化粧材10は、下地との密着性を向上させる観点、たとえば湾曲した下地等へも固定できるようにする観点、および、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、好ましくは、全体として可撓性を有する。具体的には、化粧材10は、25℃において10mmの曲げ半径で湾曲させたとき、亀裂が生じない程度の可撓性を有することが好ましい。
化粧材10の坪量W(kg/m2)に対する化粧材10の磁束密度X(T)について、X/W(mT・m2/kg)は、化粧材10の下地への固定化強度を高める観点から、好ましくは5.0以上であり、より好ましくは7.0以上、さらに好ましくは9.0以上、よりいっそう好ましくは10.0以上である。
また、化粧材10を軽量化し、運搬容易性を高める観点、および、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、上記X/W(mT・m2/kg)は、たとえば20.0以下であり、好ましくは18.0以下、より好ましくは16.0以下、さらに好ましくは14.0以下、よりいっそう好ましくは12.0以下である。
化粧材10の坪量W(kg/m2)は、化粧材10の強度を高める観点から、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは2.0以上、さらに好ましくは3.0以上である。
また、化粧材10を軽量化し、運搬容易性を高める観点から、化粧材10の坪量W(kg/m2)は、好ましくは10.0以下であり、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは6.0以下、よりいっそう好ましくは4.0以下である。
化粧材10の曲げ弾性率E(MPa)に対する磁束密度X(mT)すなわちX/E(mT/MPa)は、下地への固定化強度を向上させる観点から、好ましくは50以上であり、より好ましくは100以上、さらに好ましくは200以上である。
また、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、上記X/E(mT/MPa)は、好ましくは2000以下であり、より好ましくは1000以下、さらに好ましくは400以下である。
また、化粧材10の曲げ弾性率E(MPa)は、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、好ましくは0.01MPa以上であり、より好ましくは0.05MPa以上、さらに好ましくは0.10MPa以上である。
また、下地への固定化強度を向上させる観点から、上述した方法で測定される化粧材10の曲げ弾性率E(MPa)は、好ましくは1.0MPa以下であり、より好ましくは0.50MPa以下、さらに好ましくは0.30MPa以下である。
ここで、化粧材10の曲げ弾性率E(MPa)の測定方法については実施例の項で後述する。
化粧材10の化粧層12の側の表面(第1面101)のショアD硬度は、化粧材10の表面の強度を高める観点から、ゴム硬度計(Shimadzu社製)を化粧層12の側の表面に垂直に設置し、真上から500gの荷重をかけた際の表示値を読み取る測定方法において、好ましくは50以上であり、より好ましくは60以上、さらに好ましくは70以上、さらにより好ましくは75以上である。
また、化粧材10に適度な可撓性を与えて化粧材10の運搬容易性を高める観点から、化粧材10の化粧層12の側の表面のショアD硬度は、上述の測定方法において、好ましくは120以下であり、より好ましくは110以下、さらに好ましくは95以下、さらにより好ましくは85以下である。
一方、化粧材10のマグネット層14の側の表面(第2面102)のショアD硬度は、下地との固定化面における化粧材10の強度を高める観点から、ゴム硬度計(Shimadzu社製)をマグネット層14の側の表面に垂直に設置し、真上から500gの荷重をかけた際の表示値を読み取る測定方法において、好ましくは50以上であり、より好ましくは60以上、さらに好ましくは70以上、さらにより好ましくは75以上である。
また、化粧材10のマグネット層14の側の表面のショアD硬度は、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、上述の測定方法において、好ましくは120以下であり、より好ましくは110以下、さらに好ましくは95以下、さらにより好ましくは85以下である。
なお、図1においては、化粧材10が、化粧層12とマグネット層14との間に介在層を有しない構成を例示したが、化粧材10が、化粧層12とマグネット層14との間に介在層を有する構成であってもよい。
たとえば、図2は、本実施形態における化粧材10の別の構成を示す断面図である。図2において、化粧材10の基本的な構成は図1に示したものと同じであるが、図2においては、化粧材10の化粧層12とマグネット層14との間に接着層13が設けられている。
以下、化粧材10を構成する各層の構成をさらに具体的に説明する。
(マグネット層)
マグネット層14は、化粧層12の一方の面の側に一様に固定されており、化粧材10の第2面102を構成している。化粧材10がマグネット層14を備えることにより、強磁性体を含む下地に化粧材10を脱着可能に取り付けることができる。また、施工場所で溶剤を用いることなく、化粧材10を下地に取り付けることができる。化粧材10が下地に充分強く固定されるためにマグネット層14の磁束密度は20mT以上であることが好ましい。
マグネット層14は化粧層12の一方の面の側、具体的には化粧材10の第2面の側に一様に設けられていればよい。たとえば、マグネット層14がパターン化された平面形状を有していてもよい。また、平面視において、また、マグネット層に複数の貫通孔、切欠部等が設けられていてもよい。化粧材10の下地への固定化強度の平面内でのばらつきを抑制する観点から、マグネット層が上記貫通孔や切欠部を有しないことが好ましい。
また、化粧材10の下地への固定化強度の平面内でのばらつきを抑制する観点から、マグネット層14は、好ましくは化粧材10の主面に垂直な方向から見て80%以上の領域に設けられており、より好ましくは化粧材10の主面に垂直な方向から見て90%以上の領域に設けられており、さらに好ましくは化粧材10の第2面102の側の全体に設けられている。
また、化粧材10が長尺シート材であり、化粧層12およびマグネット層14の積層方向の断面視において、化粧材10の長手方向の全体にわたってマグネット層14が設けられていることが好ましい。こうすれば、化粧材10を横から見たときに隙間なくマグネット層14が設けられているため、化粧材10の下地への固定化強度の平面内でのばらつきをさらに好適に抑制することができる。
化粧材10の下地への固定化強度の平面内でのばらつきを抑制する観点から、マグネット層14は、好ましくは連続一体構造であり、たとえば一枚の層状またはシート状部材であてもよい。
マグネット層14は、等方性のマグネット層であってもよいし、異方性のマグネット層であってもよい。
化粧材10の下地への固定化強度を高める観点からは、マグネット層14が異方性のマグネット層であることが好ましい。
一方、下地からの化粧材10の除去の容易性を高める観点からは、マグネット層14が等方性のマグネット層であることが好ましい。
マグネット層14の着磁ピッチ(mm)は、化粧材10の下地への固定化強度を高める観点から、たとえば0.2mm以上であり、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上である。
また、化粧材10の下地からの除去の容易性を高める観点から、マグネット層14の着磁ピッチ(mm)は、好ましくは5.0mm以下であり、より好ましくは4.0mm以下、さらに好ましくは3.5mm以下である。
マグネット層14は、たとえば、磁石粉末をバインダー(結合樹脂)で結合してなる層とすることができ、さらに具体的にはマグネットシートである。
磁石粉末は、優れた磁気特性を有するものであることが好ましい。このような磁石粉末は、たとえば、R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である。)を含む合金であり、好ましくはR(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうちの少なくとも1種である。)とTM(ただし、TMは、遷移金属のうちの少なくとも1種である。)とB(ボロン)とを含む合金である。
マグネット層14に含まれるバインダーは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。
このうち、熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66、ナイロン6T、ナイロン9T)、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、たとえば、ビスフェノール型、ノボラック型、ナフタレン型等の各種エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)は、室温で液状のものでも、固形(粉末状)のものでもよい。
マグネット層14の厚さ(平均厚さ)は、化粧材10の下地への吸着強度を高める観点、または、化粧材10の全体を軽量化する観点から適宜変更されるが、好ましくは0.10〜2.92mmであるのが好ましく、0.20〜1.90mmであるのがより好ましい。マグネット層14の大きさ・形状は、化粧材10の形状等によって適宜変更することができる。
(接着層)
マグネット層14は、図2に示したように、接着層13により化粧層12に固定されていてもよい。
接着層13の材料は限定されないが、たとえば、主として粘着剤で構成されている。この粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を挙げることができる。
アクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低ガラス転移温度(Tg)の主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体が挙げられる。
主モノマー成分としては、たとえば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルをはじめとするアクリル酸エステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルをはじめとするメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
コモノマー成分としてはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、ゴム系粘着剤としては、たとえば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン、再生ゴムおよびポリイソブチレンからなる群から選択される1種または2種以上を含むものや、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン等のゴムを含むブロック共重合体を主とするもの等を挙げることができる。
また、シリコーン系粘着剤としては、たとえば、ジメチルシロキサン型のシリコーンおよびジフェニルシロキサン型のシリコーンからなる群から選択される1種または2種を含むものを挙げることができる。
以上のような粘着剤は、非架橋型、架橋型のいずれのものも使用可能である。後者の場合、必要に応じ、架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、たとえば、エポキシ化合物、イソシアナート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。このような粘着剤は、有機溶剤型、エマルション型のいずれでもよい。
また、接着層13には、たとえば、可塑剤、粘着付与剤、増粘剤、充填材、老化防止剤、防腐剤、防カビ剤、染料、顔料等の各種添加剤が必要に応じ添加されていてもよい。
(化粧層)
以下、図1および図2における化粧層12の構成をさらに具体的に説明する。
たとえば、本実施形態において、化粧層12を図3に示す構成としてもよい。図3は、本実施形態に係る化粧材10の構成を示す断面図である。
化粧層12の構造は限定されないが、図3においては、化粧層12は表面層120および芯材層129を含む。化粧層12は、たとえばメラミン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィンおよび(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される1または2以上の樹脂を含んで構成されてもよい。また、化粧層12は、たとえば熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を含んでもよい。
図3に示した構成において、表面層120は芯材層129と接している。さらに表面層120は、印刷基材122、印刷部121、第1樹脂層123、および第2樹脂層124を含んで構成されている。化粧材10の第1面101には、表面層120が露出している。
ただし、表面層120は印刷基材122および印刷部121を含んでいなくてもよい。たとえば表面層120はエンボス加工により凹凸が施された樹脂層や強磁性体以外の金属層を含むことにより、意匠性を生じてもよい。また、化粧材10の第1面101の表面に意匠が施されていてもよい。
化粧層12は、化粧材10の設置領域である壁面等に意匠性を付与する部分である。化粧層12は、第1面101の側から見て美観を起こさせる意匠性を有する。図3に示した例においては、化粧層12は第1面101の側から印刷部121、すなわち印刷された模様等のデザインを視認可能に構成されている。
化粧材10は、化粧層12の側の表面に、メラミン樹脂またはポリ塩化ビニルを含んでもよい。また、化粧層12は、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を含んでもよい。
たとえば、図3において、表面層120は、意匠面となる第1面101の側にメラミン樹脂を含有する樹脂(第1樹脂層123)を担持し、芯材層129と接する第2面102の側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(第2樹脂層124)を担持する印刷基材122からなる表面層材料で構成される。以下に詳しく説明する。
印刷基材122は、たとえばパルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維である。また、印刷基材122は、酸化チタンなどの顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙であってもよい。
図3に示した例において、印刷部121は化粧材10に意匠性を付与する。印刷部121は印刷により印刷基材122に担持されたインクである。印刷部121は、印刷基材122の表面に層状に形成されていてもよいし、少なくとも一部が印刷基材122に含浸していてもよい。印刷法は限定されないが、グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷等を用いることができる。
第1樹脂層123は、樹脂(A)を含む層であり、印刷基材122の第1面101の側に位置する層である。第1樹脂層123は、好ましくは透明な層である。樹脂(A)は、好ましくはメラミン樹脂を含む。これにより、化粧材10の表面がメラミン樹脂を含む材料で構成されることとなり、化粧層12の表面に好適な硬度を付与することができる。ひいては、化粧材10の耐久性を高めることができる。図3に示した例では、化粧材10の第1面101には、第1樹脂層123が露出している。
メラミン樹脂は限定されず、たとえば、メラミンとホルムアルデヒドを中性または弱アルカリ下において反応させて得られるものを用いることができる。
また、メラミン樹脂としては、住友化学社製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
樹脂(A)を印刷基材122の第1面101の側に担持させる方法としては、限定されず、たとえば、樹脂(A)を溶媒に溶解した樹脂ワニスを、たとえば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の装置を用いて塗工した後、80〜130℃程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。
樹脂(A)を溶解する溶剤としては、限定されず、たとえば、水、メタノール等が挙げられる。中でも水が好ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。樹脂ワニスの固形分(溶剤を除く全成分)は限定されないが、樹脂ワニスの30〜70質量%であるのが好ましく、45〜60質量%であるのがより好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
第2樹脂層124は、樹脂(B)を含む層である。樹脂(B)は、たとえば熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分である。なお、本明細書において、熱可塑性エマルジョン樹脂とは、熱可塑性樹脂が溶剤に分散してエマルジョン状態となったものである。また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分とは、熱可塑性エマルジョン樹脂から溶剤を除いた成分を意味する。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、エマルジョン樹脂粒子として存在する成分を含み、金属や各種素材との接着特性を有し、化粧層12に柔軟性を付与する。したがって、表面層120の第2面102の側に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分が担持されることにより、表面層120と芯材層129との接着強度を向上させることができるとともに、化粧層12の曲げ加工性を向上させることができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、たとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等の熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。本明細書において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。
ウレタン樹脂とアクリル樹脂は、各々が芯材層129との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層129との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、たとえば強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、たとえば透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
また、本明細書において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、たとえば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
なお、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分としては、これらの中の1種類が単独で含まれるものを用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
また、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分には、上記熱可塑性樹脂のエマルジョン粒子以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分は、平均粒径が30〜100nmのエマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60〜90nmであることがより好ましい。これにより、表面層基材の繊維間への含浸性が向上し、より表面層基材の内部に含浸させることができるため、表面層120に良好な柔軟性を付与することができる。
熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を印刷基材122の第2面102の側に担持させる方法としては、限定されず、樹脂(A)を印刷基材122の第1面101の側に担持させる上述の方法と同様にして行うことができる。つまり、溶剤に溶解されたエマルジョン状態の熱可塑性エマルジョン樹脂を塗工、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
熱可塑性エマルジョン樹脂に用いられる溶剤としては、限定されず、たとえば水が挙げられる。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(溶剤を除く全成分)は、限定されないが、熱可塑性エマルジョン樹脂の25〜60質量%であるのが好ましく、30〜45質量%であるのがより好ましい。これにより、熱可塑性エマルジョン樹脂の基材への含浸性を向上できる。
なお、第1樹脂層123および第2樹脂層124は単独で層を形成していなくてもよい。すなわち、樹脂(A)および樹脂(B)は印刷基材122に担持されていればよい。ここで、印刷基材122が樹脂を担持するとは、樹脂が印刷基材122(担体)の表面に付着し、または、印刷基材122内部の空隙部に含浸され、表面層材料の成形後に担持させた樹脂の性能を発現することを可能にする状態であることを意味する。第1樹脂層123および第2樹脂層124はたとえば、表面層120において層状の分布を有している。なお、樹脂は、印刷基材122の表面および印刷基材122の内部に均一に分布していなくてもよい。
化粧層12はガラスクロスを含んでもよい。たとえば、図3に示した例において、芯材層129は、たとえばガラスクロス、またはガラスクロスを基材とするプリプレグを含んで構成されている。これにより、化粧層12に、耐熱性、不燃性、剛性などを付与することができる。
芯材層129の厚みは、50μm以上とすることが好ましく、80μm以上とすることがさらに好ましい。これにより、化粧層12に充分な耐熱性、不燃性を付与することができる。また、厚みの上限については、限定されないが、厚みが大きいほど化粧層12の厚みと重量が増大するとともに、コストも嵩むため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、たとえば350μm以下にすることが好ましく、200μm以下とすることがさらに好ましく、100μm以下とすることがよりいっそう好ましい。
また、化粧層12全体の厚さは、軽量化の観点、または、運搬容易性を向上させる観点から、好ましくは80μm以上であり、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは150μm以上である。
また、下地への固定化強度を向上させる観点から、化粧層12全体の厚さは、好ましくは700μm以下であり、より好ましくは600μm以下、さらに好ましくは400μm以下である。
なお、芯材層129に接着剤が含浸されている場合等、芯材層129が接着層13を兼ねていてもよい。また、化粧層12は、さらに保護層を有していてもよい。保護層は第1面101に露出するよう設けることができる。
また、図3においては、印刷部121が化粧層12の内部に位置する例を示したが、印刷部121は化粧層12の第1面101の側の表面に位置していてもよい。
化粧材10の構造は上記した例に限定されない。化粧材10は、たとえば布、麻、綿、絹等のクロス、塩化ビニル・PET・ポリオレフィン等のプラスチック樹脂、SUS・アルミニウム等の金属(箔)、段ボール等の紙類、木材、竹、籐のうちの一以上の材料を含んで構成されることができる。
また、化粧層12または介在層は、強磁性体以外の金属を含む層を有していてもよい。たとえば、図3に示した化粧材10において、表面層120が金属層を含んでいてもよい。さらに具体的には、金属層が芯材層129と第2樹脂層124との間に設けられていてもよい。金属層を設けることにより、化粧層12に金属光沢を付与することができる。
金属層は、たとえばアルミニウム、金および銀からなる群から選択される1種または2種以上を含む層である。金属層の厚さは限定されないが、化粧材10の可撓性を損なうことなく、金属光沢感を生じさせる観点から、好ましくは1nm以上300μm以下である。
(化粧材の製造方法)
次に、化粧材10の製造方法について以下に説明する。
化粧材10は、たとえば化粧層12に接着層13を介してマグネット層14を固定することにより形成される。具体的には、化粧層12に接着層13を構成する粘着剤等を塗布し、マグネット層14を積層する。ただし、粘着剤を塗布したマグネット層14を化粧層12に積層してもよい。
ここで、本実施形態においては、化粧層12およびマグネット層14、ならびに接着層13を有する場合には接着層13として、所定の材料を選択し、組み合わせて用いる。これにより、(着磁ピッチ/全体厚さ)が上述した範囲にある化粧材10を安定的に得ることができる。
また、化粧層12は、たとえば以下のようにして製造される。
化粧層12は、表面層120と芯材層129とを重ね合わせ、これを加熱加圧成形して積層することにより得られる。また、化粧層12の成形時に、所定の板材を重ねることにより、化粧材10の第1面101の表面粗さや光の反射率等を調整することができ、デザイン性を高めることができる。
表面層120は、以下のようにして得られる。まず、印刷基材122に模様等のデザインを印刷することにより印刷部121を形成する。次いで、印刷部121を設けた印刷基材122の一方の面に第1樹脂層123を形成し、他方の面に第2樹脂層124を形成する。
なお、化粧材10の製造方法は上記した方法に限定されない。たとえば、必要に応じて担体フィルムを使用してもよい。担体フィルムは製造時においていずれかの層を保護したり、製造を容易にしたりするために用いられる。担体フィルムは、その後除去されることにより、化粧材10には含まれない。
以上により得られる化粧材10は、たとえば、強磁性体を含む下地にマグネット材を備える化粧材を貼り付ける内装または外装の施工方法に用いることができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態によれば、マグネット層14が化粧層12の一方の面に一様に設けられており、化粧層12は、または、化粧層12および介在層は、強磁性体層を有しない。そして、上記(着磁ピッチ/全体厚さ)が上述した範囲にある。このため、本実施形態によれば、化粧材10の下地への固定化強度を充分に確保しつつ、化粧材10の全体を軽量化することができ、化粧材10の運搬容易性を高めることができる。
また、マグネット層14が化粧層12の一方の面に一様に設けられているため、化粧材10の設置面内における化粧材10の吸着強度のばらつきを抑制することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本実施形態における化粧材10の構造を例示する断面図である。図4に示した化粧材10は、化粧層12の構造を除いて、第1の実施形態に記載の化粧材10(図3)と同じである。
図4において、化粧層12は、第1樹脂層123、第2樹脂層124、および印刷部121を備える。そして第2樹脂層124が印刷基材122として機能する。
第1樹脂層123は、たとえば透明な樹脂フィルムである。第1樹脂層123は、合成樹脂、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン樹脂、または(メタ)アクリル樹脂を含む。第1樹脂層123は、たとえばエンボス圧延加工によるラミネートによって、印刷部121が形成された第2樹脂層124に積層される。第1樹脂層123の厚さはたとえば10μm以上80μm以下である。
第2樹脂層124は、合成樹脂、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンポリエステル、ポリオレフィン樹脂、または(メタ)アクリル樹脂を含む。第2樹脂層124は、さらに、不燃性の無機充填材を含んでもよい。無機充填材としては、CaCO3、Mg(OH)2、Al(OH)3、SiO2、粘土(たとえば、モンモリロナイトまたはカオリン)等が挙げられる。第2樹脂層124の厚さはたとえば60μm以上150μm以下である。第2樹脂層124はたとえばキャスティング、またはカレンダリングにより形成することができる。
図4に示した化粧材10は化粧層12の形成方法を除いて第1の実施形態に係る化粧材10の製造方法と同じである。本実施形態において化粧層12は、第2樹脂層124のうち第1面101の側となる面に印刷により印刷部121を形成し、次いで、印刷部121を覆うように第1樹脂層123を形成することで得られる。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態によれば、たとえば、化粧層12およびこれを備える化粧材10の製造工程を簡素化することも可能となる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
たとえば、図4に示した化粧材10において、所定の位置に強磁性体以外の金属層が設けられていてもよく、たとえば、第2樹脂層124と接着層13との間に金属層を設けてもよい。金属層の構成は、第1の実施形態において前述した構成とすることができる。金属層を設けることにより、化粧層12に金属光沢を付与することができる。
また、図4に示した化粧材10において、化粧層12の第1面101の側に保護層をさらに設けてもよい。保護層を設けることにより、化粧材10の耐久性がさらに向上する。
保護層は、具体的には、耐スクラッチ性を有する透明な層である。化粧材10の第1面101には保護層が露出している。保護層は、たとえば樹脂(C)および充填材を含んで構成される。保護層の厚さは限定されないが、たとえば5μm以上100μm以下である。
樹脂(C)は、たとえば反応性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、シリコーンおよびフルオロポリマーからなる群から選択される1種または2種以上を含む。
充填材としてはたとえばアルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ジルコニウム、チタニウム、またはこれらの混合物からなるビーズまたは粒子が挙げられる。ただし、これらに限定されない。充填材の粒子形状には、球形、房毛状、長球形、針状、多面体、円筒形または不定形が挙げられるが、これらに限定されない。充填材の硬さは、たとえば8〜15モース硬度である。充填材の平均粒子径は乾燥後の保護層の厚さ以上であってよく、たとえば10μm以上110μm以下である。充填材は、保護層に均一に分散されていることが好ましい。
保護層はさらに架橋剤を含んでもよい。架橋剤としてはたとえば、ビスアミド架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、エポキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤が挙げられる。架橋剤の含有量は、樹脂(C)100質量部に対し、固体分でたとえば5質量部以上30質量部以下である。
保護層は、上記の成分を混合した材料をたとえばバーコーティング法等により第1樹脂層123の第1面101の側となる面に塗布し、加熱したロールと非加熱のニップロールとで押圧することで形成できる。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、以上の実施形態に記載の化粧材10を用いる施工方法の具体例を示す。
図5および図6は、本実施形態における施工方法を説明するための図である。図5は本実施形態の方法で施工された壁の断面を示している。図6は、本実施形態の方法で施工された壁の斜視図であり、下地20および化粧材10の一部は省略されている。
本実施形態の施工方法は、強磁性体を含む下地20に、マグネット材(マグネット層14)を備える化粧材、具体的には以上の実施形態に記載の化粧材10を貼り付ける工程を含む、内装または外装の施工方法である。
また、本実施形態の施工方法によれば、強磁性体を含む下地20と、以上の実施形態に記載の化粧材10との積層体を含む壁構造体が得られる。以下に詳しく説明する。
本実施形態の施工方法は、たとえば部屋や通路等の内壁または外壁を施工する方法である。内装または外装を施工する建物に限定はないが、ビルや住宅等が挙げられる。
化粧材10は、壁と一体となって壁の外観に美観を付与する部材である。図5および図6において、化粧材10は、たとえば化粧層12、マグネット層14、および、化粧層12とマグネット層14とを接合する接着層13を備える。化粧材10としては、上述したいずれの実施形態に記載のものを用いることもできる。
化粧材10は下地20のほぼ全体を覆うように固定される。たとえば下地20のうち躯体30とは反対側の面の95%以上は化粧材10で覆われている。図5および図6の例において、下地20は複数の下地層を有する。下地層は壁の骨組みと化粧材10との間に位置する層である。または、化粧材10よりも壁の内側に位置するように下地層は壁の枠組み嵌め込まれた層である。下地層は、単独でまたは複数が協働して、たとえば構造補強、断熱、防湿、防水、耐火等の機能を発揮する。図5および図6の例では、下地20は第1下地層22および第2下地層24を備える。ただし、下地20は、さらに他の下地層を備えてもよい。下地20は躯体30に対して固定されている。
躯体30は、たとえば建物の躯体であり、建物の構造を支える骨組である。躯体30は、木材、金属、鉄筋コンクリート等である。なお、下地20は建物の躯体30に必ずしも固定されていなくてもよい。たとえば、下地20と化粧材10との積層体は、室内の空間を区切るパーテーションの一部であってもよい。また、化粧材10は、出隅入り隅材、見切り材、ジョイナー、掲示パネル等として機能してもよい。
下地20には強磁性体が含まれ、下地20にマグネットが引きつけられる。強磁性体はたとえば鉄である。本実施形態において下地20は、強磁性体を含む強磁性層を含む。たとえば第2下地層24および第1下地層22の少なくとも一方は強磁性層である。ここで、下地20のうち最も化粧材10に近い下地層が強磁性体層であることが好ましい。そうすれば、下地20に対する化粧材10の固定強度を向上させることができる。強磁性層以外の下地層としては、ケイカル(ケイ酸カルシウム)板、石膏ボード、火山性ガラス質複層板等の無機質板や木製合板等が挙げられる。
本実施形態において強磁性層は、たとえば強磁性材料を含む板材である。強磁性材料を含む板材は、たとえば鉄板等、強磁性体の板である。また、強磁性材料を含む板材は、強磁性体以外の材料と鉄粉や鉄箔等の強磁性材料との複合部材であってもよい。複合部材を用いることで、形状の自由度の向上、および軽量化を図ることができる。強磁性体以外の材料としては樹脂や木材、石膏、ケイ酸カルシウム、セメント、ガラス質材料等が挙げられる。複合部材において、強磁性体以外の材料と強磁性材料とは、混合されていてもよいし、積層されていてもよい。複合部材はたとえば、樹脂粒子や木材のチップ等と鉄粉を混合して板状に成形することで得られる。または、複合部材は、強磁性体以外の材料の板状部材と鉄箔とを積層し、接着することで得られる。また、下地層を土壁で形成する場合、強磁性材料を混合した土を用いて層を形成することで複合部材としてもよい。強磁性体層の厚さは限定されないが、たとえば1mm以上20mm以下である。
下地20は、主面に垂直な方向から見て、少なくとも一部の領域に強磁性体を含んでいればよく、全体に強磁性体を含んでいる必要はない。下地20全体の面積に対する、強磁性体を含む領域の面積は限定されないが、20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。たとえば、下地20は、格子状にパターン化された強磁性体層を含んでもよい。また、下地20のうち各化粧材10の外周に対向する領域には、強磁性体が含まれることが好ましい。
下地20に強磁性体が含まれることにより、マグネット層14が下地20に引きつけられ、化粧材10を下地20に固定することができる。本実施形態の施工方法によれば、化粧材10は下地20に対して脱着可能であることから、化粧材10が汚れたり傷んだりした場合や、内装または外装のデザインを変更したい場合に下地20にダメージを与えることなく、短時間で容易に化粧材10の張り替えができる。また、施工現場において下地20に化粧材10を固定する際、接着剤を使用する必要がない。したがって、乾燥時に有機溶剤等による臭気が発生することがない。さらに、化粧材10へ下地20を素早く容易に固定できることから、施工期間の短縮を図ることができる。
図6に示すように、第1下地層22および第2下地層24はそれぞれ複数の板材で形成されていてもよい。ここで、第1下地層22における複数の板材の境界と、第2下地層24における複数の板材の境界とは、交差点を除いて互いに重ならないことが好ましい。そうすることで、火災時に境界部から火が漏れ広がることが避けられ、耐火性が向上する。
また、最も化粧材10の側の下地層である第2下地層24において、複数の板材の境界はパテ201で埋められている。また、板材と板材との境界に生じる段差は、パテ201によっておよそ平らに均されている。
化粧材10は下地20に対し磁力で固定されている。一つの壁面には、複数の化粧材10が敷き詰められてもよい。そうすれば、施工場所までの化粧材10の運搬が容易となる。壁面に複数の化粧材10を並べて固定する場合、化粧材10と化粧材10との間には隙間を設けてもよい。そうすれば、化粧材10が水分等によって膨張・収縮する場合でも、化粧材10にたわみ等が生じにくい。ただし、化粧材10の全体が、樹脂などの膨張・収縮しにくい材料からなる場合には、化粧材10と化粧材10との間には隙間を設けなくてもよい。
強磁性材料を含む板材は、一つの、または二つ以上の開口を有していてもよい。板材が開口を有することで、下地20の重さを低減することができ、建物の耐震性を向上できる。ただし、耐火性向上の観点から、開口は他の下地層を構成する板材同士の境界と重ならないことが好ましい。
また、本実施形態に係る施工方法は、躯体30等、壁の構造部材(骨組み)に下地20を固定する工程、および下地20に化粧材10を磁力で固定する工程をさらに含んでもよい。
下地20を固定する工程では、構造部材に対し、ステイプラーやネジ等で、壁面のほぼ全体を覆うように複数の板材を取り付け、第1下地層22を形成する。次いで、第1下地層22に対し、第1下地層22のほぼ全体を覆うように複数の板材をステイプラーやネジ等で取り付け、第2下地層24を形成する。たとえば第2下地層24は強磁性体層である。そして、第2下地層24を構成する複数の板材同士の境界にパテ201を塗って隙間を埋めるとともに段差を均す。次いで、下地20に化粧材10を磁力で固定する工程では、化粧材10のマグネット層14を下地20の側に向け、化粧材10を下地20に貼り付ける。
もし、化粧材10を交換したい場合には、化粧材10を下地20から剥がし、新たな化粧材10を下地20に貼り付ければよい。
なお、下地20の強磁性体層と化粧材10との間には他のシート材が挟み込まれてもよい。そうすれば、やむを得ず化粧材10を取り外した状態としている間にも、意匠性を失わずに済む。シート材としてはたとえば、塩化ビニルシート等の樹脂シート、および紙が挙げられる。シート材は、下地20の一部としてたとえば下地20の最表面(最も化粧材10の側の面)を形成するように張り付けられていてもよいし、下地20と化粧材10との間に挟み込まれてもよい。また、シート材を設ける代わりに、下地20の最表面に、塗料による塗装膜を形成してもよい。その場合でも同様の効果が得られる。
本実施形態に係る施工方法は、強磁性体を含む下地材と、以上の実施形態に記載の化粧材10とを含む内装または外装の施工セットを用いて実現できる。本実施形態において、強磁性体を含む下地材は、強磁性層を構成する部材であり、上述した強磁性材料を含む板材である。なお、化粧材10を取り替えたい場合には、別途、化粧材10のみを新しく準備すればよい。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態によれば、強磁性体を含む下地20に前述した構成の化粧材10を貼り付けるため、化粧材10の下地20への固定化強度と化粧材の軽量化および運搬容易性とのバランスを向上させることができる。
また、強磁性体を含む下地20にマグネット層14を備える化粧材10を貼り付けることにより、化粧材10が下地20に確実に固定化される一方、化粧材10を交換したい場合には短時間で容易に交換可能な壁構造を実現できる。
また、施工現場で接着剤を用いる必要がないため、短時間で化粧材を取り付け可能であるとともに、有機溶剤等による臭気の発生も避けることができる。
次に、本実施形態の変形例を示す。
たとえば、図5および図6に示した施工方法において、強磁性層が、強磁性材料を含む塗料の固化物であってもよい。強磁性体を含む下地20にマグネット層14を備える化粧材10を貼り付けることにより、化粧材10を交換したい場合には短時間で容易に交換可能な壁構造を実現できる。また、塗料を塗ることで強磁性体を含む下地を容易に準備でき、湾曲した壁面等にも容易に施工できる。
具体的には、下地20が、第1下地層22、第2下地層24に加えて、第3下地層を含む構成とする。第3下地層は、第2下地層24とマグネット層14との間に設けられる。第3下地層は、強磁性材料を含む塗料の固化物からなり、強磁性体層である。塗料の固化物とは、塗料が固化、または硬化して得られる固体である。この構成においては、第1下地層22および第2下地層24は、強磁性体を含まなくてよい。すなわち、第1下地層22および第2下地層24は、ケイカル板、石膏ボード、火山性ガラス質複層板等の無機質板や木製合板等であってよい。第3下地層は、他の下地層に強磁性材料を含む塗料を塗布し、固化または硬化させることにより形成される。
強磁性材料を含む塗料の固化物からなる第3下地層を設ける構成において、壁の構造部材(骨組み)に下地20を固定する工程では、上述の施工方法と同様に、第1下地層22および第2下地層24を形成し、パテ201を塗った後、第2下地層24の表面に強磁性材料を含む塗料(以下、単に「塗料」とも呼ぶ。)を塗る。塗料が乾燥することで第3下地層が形成される。次いで、上述した施工方法と同様に、下地20に化粧材10を磁力で固定する工程を行う。
なお、ケイカル板、石膏ボード、木製合板等の板材に予め強磁性材料を含む塗料が塗られ、乾燥させることで塗料の固化物を形成した下地用板材を用いて第1下地層22および第2下地層24の少なくとも一方を形成してもよい。そうすれば、施工場所で塗料を乾燥させる必要がなく、臭気の発生を避けることができる。また、乾燥時間を設ける必要がなく、短時間で施工できる。
塗料は第2下地層24の全体を覆うように塗ることが好ましいが、第2下地層24の一部のみを覆うように塗ってもよい。下地20の主面に垂直な方向から見て、下地20全体の面積に対する、塗料が塗られた領域の面積は限定されないが、20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。たとえば、下地20は、格子を描くように塗料を塗ってもよい。また、下地20のうち各化粧材10の外周に対向する領域には、塗料を塗ることが好ましい。
塗料は、強磁性材料およびバインダーを含む。強磁性材料はたとえば鉄粉等の強磁性粉末である。粒子の大きさは限定されないが、強磁性粉末のメディアン径D50は0.02mm以上0.2mm以下が好ましく、0.05mm以上0.1mm以下がより好ましい。そうすれば、塗料を均一に塗布しやすくなる。また、塗料の固形物における強磁性粉末の含有率は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。そうすれば、化粧材10を下地20に充分な磁力で固定することができる。
塗料に含まれるバインダーとしては、マグネット層14に含まれるバインダーとして例示した樹脂と同様の樹脂が挙げられる。
また、塗料は、強磁性材料およびバインダーに加えて、溶剤、可塑剤、分散材、増粘剤、その他の添加剤を含んでもよい。これらの添加剤の含有量の合計は、たとえば塗料の固化物に対して5質量%以下である。
塗料は、以上に述べた各成分を混合することにより得られる。
かかる施工方法は、強磁性体を含む下地材と、以上の実施形態に記載の化粧材10とを含む内装または外装の施工セットを用いて実現できる。また、強磁性体を含む下地材は、強磁性材料を含む塗料、または、強磁性材料を含む塗料の固化物が形成された下地用板材である。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1〜4、比較例1)
表1に記載の構成を有するマグネット層および化粧層からなる化粧材を以下の方法で作製し、評価した。評価結果を表1にあわせて示す。
(実施例1)
図3に示した構成の化粧材を作製した。具体的には、酸化チタン含有化粧紙を印刷基材122として模様(印刷部121)を印刷し、印刷した面にメラミン樹脂(第1樹脂層123)を担持させた。また、印刷基材122の印刷面とは逆側の面に熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分(第2樹脂層124)を担持させた。このようにして得られた表面層120となる積層体と、芯材層129を構成する厚さ100μmのガラスクロス1とを重ね合わせ、これを加熱加圧成形して一体化し、化粧層12となる積層体1(厚さ0.3mm)を得た。積層体1のガラスクロス1の側に接着剤を塗布したマグネットシート1(接着層13の厚さ:0.1mm)を貼り付け、化粧材1を得た。接着剤としてはアクリル系粘着剤を用い、マグネット層14に用いたマグネットシート1としては片面着磁型の等方性多極着磁シート(ニチレイマグネット社製、004404、厚さ1.2mm、着磁ピッチ3.0mm)を用いた。
(実施例2)
マグネットシート1の代わりにマグネットシート2を用いた以外は実施例1に準じて化粧材2を得た。マグネットシート2としては片面着磁型の等方性着磁シート(マグエックス社製、NT−7S 0.8ムジ、厚さ0.8mm、着磁ピッチ2.0mm)を用いた。
(実施例3)
化粧層12となる積層体1の代わりに積層体2(厚さ0.5mm)を用い、マグネットシート1の代わりにマグネットシート3を用いた以外は実施例1に準じて化粧材3を得た。
積層体2は、ガラスクロス1の代わりに厚さ250μmのガラスクロス2を用いた以外は積層体1に準じて得た。また、マグネットシート3としては片面着磁型の異方性多極着磁シート(ニチレイマグネット社製、007863、厚さ0.4mm、着磁ピッチ2.0mm)を用いた。
(実施例4)
図2に示した構成の化粧材を作製した。具体的には、化粧層12となる厚さ0.1mmのポリ塩化ビニル製のフィルムと、アクリル系粘着剤からなる接着層13(厚さ0.1mm)とが積層されたフィルムからライナーを剥がし、マグネット層14となるマグネットシート2に55℃で貼り付けて化粧材4を得た。
(比較例1)
化粧層12となる積層体1の代わりに積層体2(厚さ0.5mm)を用い、マグネットシート1の代わりにマグネットシート4を用いた以外は実施例1に準じて化粧材5を得た。マグネットシート4としては片面着磁型の等方性着磁シート(厚さ1.6mm、着磁ピッチ3.0mm)を用いた。
(化粧材の物性測定、評価方法)
以上の各例で得られた化粧材について以下の評価または評価を行った。
(表面磁束密度、坪量)
KANETEC社製テスラメータ TM−701を用いて、化粧材のマグネット層が露出している面すなわち第2面の表面磁束密度X(mT)を測定した。また、化粧材の坪量W(kg/m2)を計測し、X/W(mT・m2/kg)で求められる値を算出した。
(ショアD硬度)
ゴム硬度計(Shimadzu社製)を測定対象面に垂直に設置し、真上から500gの荷重をかけた際の表示値を読み取った。
(曲げ弾性率)
測定試料は幅20mm、長さ80mmとし、試料をループ状に曲げ10mm重なるよう貼り付けループとした。そのループを直径方向に3mm/minの速度で押しつぶしたときの反発力をテンシロン(A&D社製)にて測定し、得られた反発力から弾性率(MPa)を求め、これを曲げ弾性率Eとした。
(固定化強度)
各例で得られた化粧材の固定化強度を以下の方法により評価した。
具体的には、表面に塩化ビニルシート(厚み0.2mm)を貼り付けた亜鉛メッキ鋼板を下地として準備した。準備した下地の表面が鉛直方向に平行になるように立て、その下地に10cm角の化粧材を貼り付けた。このとき、化粧材の第2面102が下地に対向するようにした。そして、化粧材の第1面101に重りを貼り付け、下地に対して化粧材がずれないかどうかを確認した。300gの重りでずれなかった場合を「◎」とし、200gの重りでずれなかったが300gの重りでずれた場合を「○」とし、200gの重りでずれた場合を「×」とした。
(運搬容易性)
各例で得られた化粧材の運搬容易性(軽量化)を以下の方法により評価した。
具体的には、各化粧材を幅1200mm、長さ2400mmにカットした時の重量が労働基準法で定められた18歳以上の女性が継続的に扱える重量である20kg以下である場合に「〇」とし、それを超える場合に「×」とした。
Figure 2020165157
表1より、各実施例で得られた化粧材は、比較例で得られたものに比べて、下地材への固定化強度と、化粧材の軽量化および運搬容易性との効果のバランスに優れていた。
10 化粧材
12 化粧層
13 接着層
14 マグネット層
20 下地
22 第1下地層
24 第2下地層
30 躯体
101 第1面
102 第2面
120 表面層
121 印刷部
122 印刷基材
123 第1樹脂層
124 第2樹脂層
129 芯材層
201 パテ

Claims (14)

  1. 化粧層と、前記化粧層の一方の面に一様に設けられたマグネット層とを有する化粧材であって、
    前記マグネット層が、前記化粧層との対向面の裏面に多極着磁されており、当該化粧材の全体の厚さ(mm)に対する着磁ピッチ(mm)について、(着磁ピッチ/全体厚さ)が1.50以上3.00以下であり、
    前記化粧層が、または、前記化粧層と前記マグネット層との間に介在層が設けられている場合には前記化粧層および前記介在層が、強磁性体層を有しない、化粧材。
  2. 当該化粧材の坪量W(kg/m2)に対する当該化粧材の磁束密度X(mT)について、X/W(mT・m2/kg)が5.0以上20.0以下である、請求項1に記載の化粧材。
  3. 当該化粧材の前記化粧層の側の表面のショアD硬度が、ゴム硬度計(Shimadzu社製)を前記化粧層の側の前記表面に垂直に設置し、真上から500gの荷重をかけた際の表示値を読み取る測定方法において50以上110以下であり、
    当該化粧材の前記マグネット層の側の表面のショアD硬度が、ゴム硬度計(Shimadzu社製)を前記マグネット層の側の前記表面に垂直に設置し、真上から500gの荷重をかけた際の表示値を読み取る測定方法において50以上110以下である、請求項1または2に記載の化粧材。
  4. 当該化粧材の厚さが0.5mm以上3.0mm以下である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の化粧材。
  5. 前記マグネット層が連続一体構造である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の化粧材。
  6. 当該化粧材が長尺シート材であり、
    前記化粧層および前記マグネット層の積層方向の断面視において、当該化粧材の長手方向の全体にわたって前記マグネット層が設けられている、請求項1乃至5いずれか1項に記載の化粧材。
  7. 前記化粧層がガラスクロスを含む、請求項1乃至6いずれか1項に記載の化粧材。
  8. 前記化粧層が、メラミン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィンおよび(メタ)アクリル樹脂からなる群から選択される1または2以上の樹脂を含む、請求項1乃至7いずれか1項に記載の化粧材。
  9. 前記化粧層が、熱可塑性エマルジョン樹脂の固形分を含む、請求項1乃至8いずれか1項に記載の化粧材。
  10. 当該化粧材が、前記化粧層の側の表面に、メラミン樹脂またはポリ塩化ビニルを含む、請求項1乃至9いずれか1項に記載の化粧材。
  11. 強磁性体を含む下地にマグネット材を備える化粧材を貼り付ける内装または外装の施工方法に用いられる、請求項1乃至10いずれか1項に記載の化粧材。
  12. 強磁性体を含む下地と、請求項1乃至11いずれか1項に記載の化粧材との積層体を含む、壁構造体。
  13. 強磁性体を含む下地材と、請求項1乃至11いずれか1項に記載の化粧材とを含む、内装または外装の施工セット。
  14. 強磁性体を含む下地に、請求項1乃至11いずれか1項に記載の化粧材を貼り付ける工程を含む、内装または外装の施工方法。
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