JPH11145424A - 強誘電体薄膜の形成方法 - Google Patents

強誘電体薄膜の形成方法

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JPH11145424A
JPH11145424A JP9313470A JP31347097A JPH11145424A JP H11145424 A JPH11145424 A JP H11145424A JP 9313470 A JP9313470 A JP 9313470A JP 31347097 A JP31347097 A JP 31347097A JP H11145424 A JPH11145424 A JP H11145424A
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JP
Japan
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thin film
film
heat treatment
ferroelectric
temperature
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JP9313470A
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Wataru Nakamura
亘 中村
Masahiko Imai
雅彦 今井
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスマス層状ペロブスカイト型酸化物からな
る強誘電体薄膜を薄膜形成溶液の塗布及び焼成によって
形成する際に、仮焼成の時間を短縮しかつ得られる強誘
電体膜のスイッチ電荷量Qswを向上させること。 【解決手段】 薄膜形成溶液の塗布後であってその塗膜
を焼成する前に実施する工程として、(A)前記薄膜形
成溶液の塗膜を酸素を含む雰囲気中で150〜400℃
の温度で熱処理する工程、及び(B)前記薄膜形成溶液
の塗膜を窒素を含む雰囲気中で500〜750℃の温度
で熱処理する工程、の少なくともいずれか一方を含むよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体薄膜の形成
方法に関し、特にビスマス層状ペロブスカイト型酸化物
からなる強誘電体薄膜の形成方法に関する。本発明の強
誘電体薄膜は、とりわけ、半導体デバイス及びその他の
デバイスの製造において有利に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体メモリとして主に用いられ
ているものは、DRAM、SRAM、フラッシュ(FL
ASH)メモリなどである。ここで、周知の通り、SR
AMとフラッシュメモリは不揮発性メモリであり、DR
AMは揮発性メモリである。これらのメモリには、それ
ぞれ、次のような一長一短がある。
【0003】DRAMは、メモリの読み出し、書き込み
の速度が早く、耐用年数も長いという特徴を有してい
る。しかし、このメモリは、上記したように揮発性メモ
リであるので、リフレッシュ動作を必要とし、また、し
たがって、常に電源と接続されていなければならない。
これに対して、フラッシュメモリは不揮発性メモリであ
るため、リフレッシュ動作を必要としない。しかし、こ
のメモリの場合、書き込み速度が遅く、例えば、DRA
Mが100nsecの高速で書き込みを行うことができ
るのに反して、通常1〜10msecの長時間を必要と
する。また、耐用年数も短く、DRAMの1015回に対
して、高々105 回である。
【0004】また、同じく不揮発性メモリであるSRA
Mは、それに電源を接続している限りにおいて、メモリ
の内容は消えず、また、読み出し、書き込みの速度が早
いという特徴を有するけれども、セル面積が大きく(通
常、DRAMの3〜4倍の面積)、集積化には向かない
という欠点を有している。これらのメモリの問題点をす
べて解決し得るものとして最近注目されているものが、
強誘電体膜の分極特性を利用し、そのためにリフレッシ
ュ動作を必要としないFRAMである。
【0005】FRAMの製造のために現在主に使用され
ている強誘電体材料は、PZT、すなわち、チタン酸ジ
ルコン酸鉛であり、その優れた特性のために好成績を与
えている。しかし、PZTは、分極疲労、リテンショ
ン、インプリント、デポラリレーションなどの面で問題
点を抱えている。そこで期待されている材料が、層状ビ
スマス化合物、典型的にはSrBi2 Ta2 9 (SB
T)である。SBTは、それをPZTと比較した場合、
PZTのもつ問題点のすべてにおいてより良好な特性を
有しており、したがって、次世代のFRAM用強誘電体
膜として、開発が進められている。なお、SBT膜の形
成及びその使用は、例えば特許国際公開(WO)第94
/10702号公報において開示されている。
【0006】SBTは、しかし、出発物質として使用す
る原料の種類、組成、組成比等によって、得られる膜に
おいて特性が大きく変動するという問題を有している。
さらに、SBT膜の特性は、その薄膜形成プロセスによ
っても大きく影響を受けるという問題もある。特性のう
ちでも特にスイッチ電荷量Qswは、プロセスによって
大きく左右されるため、注意深いプロセスの選択が必要
である。
【0007】SBT膜は、現在、主にゾル−ゲル法によ
って製造されている。ゾル−ゲル法は、Sr、Bi及び
Taを含む有機物を有機溶剤で溶解した溶液を薄膜形成
溶液として使用し、この溶液をスピンコート法で所定の
膜厚で塗布し、さらに焼成して成膜する方法である。こ
こで問題となるものが、スピンコートに供される薄膜形
成溶液(通常、「SBTゾルゲル」と呼ばれる)の濃度
であり、適度な濃度のゾルゲルを用いなければならな
い。すなわち、高濃度のゾルゲルを厚膜で塗布したよう
な場合には、得られるSBT膜にクラックが入ってしま
い、また、反対に低濃度のゾルゲルを用いた場合には、
所望の膜厚が得られるまでの間、ゾルゲルを何回も重ね
塗りすることが必要となる。ゾルゲルを重ね塗りするに
当たっては、塗布したゾルゲル中の溶剤を除去し塗膜を
固化させるため、1層ごとに塗膜の低温ベークを行うこ
とが必要である。ベーク温度は、通常、150〜400
℃の範囲である。
【0008】塗布したゾルゲルの低温ベークは、通常、
大気雰囲気中においてホットプレート上で行われてお
り、また、したがって、ベーク時の雰囲気(ガスの組
成、湿度)はコントロールされていない。所望の膜厚が
得られた後、膜中の有機成分(炭素、水素等)を除去す
るため、600〜750℃の高温でアニールを行う。こ
の工程は、一般に、電気炉やRTA(ラピッド・サーマ
ル・アニーリング)装置で、酸素雰囲気中で行われる。
【0009】最後に、SBT膜を結晶化し、強誘電性を
持たせるため、700〜1000℃の高温で焼成を行
う。この工程は、一般に、先の高温アニール工程と同様
に、電気炉やRTA装置で、酸素雰囲気中で行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにしてゾル
−ゲル法によりSBT膜を作製する方法は、しかし、い
くつかの解決されなければならない問題点を有してい
る。例えば、膜中の有機成分を除去するための高温アニ
ールは、かなりの長時間に及び、その短縮が望まれてい
る。また、得られるSBT膜において、そのスイッチ電
荷量Qswは10〜16μC/cm2 の範囲であり、PZ
Tのレベル(約35μC/cm2 のオーダー)まで増加さ
せることが望まれている。
【0011】本発明の課題は、したがって、強誘電体薄
膜をゾル−ゲル法あるいはその他の方法に従って形成す
る際に、焼成に先がけて実施する高温アニールの時間を
短縮することが可能であり、かつ得られる強誘電体膜に
おいて非常に大きなスイッチ電荷量Qswを提供するこ
とが可能な改良された強誘電体薄膜の形成方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、本発明
に従うと、次式(I)により表されるビスマス層状ペロ
ブスカイト型酸化物: (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- (I) (上式において、Aは、Bi3+、Ba2+、Sr2+、Ca
2+、Pb2+、K+ 又はNa+ であり、Bは、Ti4+、N
5+、Ta5+、Mo6+、W6+又はFe3+であり、そして
mは1〜8の自然数である)からなる強誘電体薄膜を薄
膜形成溶液の塗布及び焼成によって形成する方法であっ
て、前記薄膜形成溶液の塗布後であってその塗膜を焼成
する前に実施する工程として、下記の熱処理工程: (A)前記薄膜形成溶液の塗膜を酸素を含む雰囲気中で
150〜400℃の温度で熱処理すること、及び(B)
前記薄膜形成溶液の塗膜を窒素を含む雰囲気中で500
〜750℃の温度で熱処理すること、の少なくともいず
れか一方を含むことを特徴とする強誘電体薄膜の形成方
法によって解決することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
の形態について説明する。本発明方法により形成される
べき強誘電体薄膜の強誘電体は、次式(I)により表さ
れるビスマス層状ペロブスカイト型酸化物である。 (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- (I) 上式において、A、B及びmは、それぞれ、前記定義に
同じである。このような化合物は、この技術分野におい
て通常SBT、SBTN等として呼ばれているものを包
含し、好ましい化合物の典型例は、次式により表され
る。 SBT: Srx Biy Ta2 9 (上式において、x は0〜1の実数であり、そしてy は
0〜3の実数である)。 SBTN: Srx Biy (Ta1-n Nbn 2 9 (上式において、xは0〜1の実数であり、yは0〜3
の実数であり、そしてnは0〜1の実数である)。
【0014】また、本発明の実施において、上記したS
BT及びSBTN以外の、有用なビスマス層状ペロブス
カイト型酸化物としては、例えば、BaBi2 Ta2
9 、SrBi2 Nb2 9 、SrBi4 Ti4 15など
を挙げることができる。このビスマス層状ペロブスカイ
ト型酸化物からなる強誘電体薄膜は、いろいろな成膜法
に従って製造することができるというものの、有用な成
膜法は、例えば、ゾル−ゲル法、MOD法などである。
【0015】本発明による強誘電体薄膜の形成方法は、
好ましくは、ゾル−ゲル法に基づく次のような一連の工
程を包含する。 工程1 薄膜形成溶液(強誘電体ゾルゲル)の調製 工程2 薄膜形成溶液の塗布 工程3 溶剤の除去(低温ベーク) 工程4 塗膜の固化(高温アニール;仮焼成) 工程5 焼成(本焼成) 以下、それぞれの工程を説明する。工程1、薄膜形成溶液(強誘電体ゾルゲル)の調製 薄膜形成溶液としては、ゾル−ゲル法の分野で一般的に
使用されているものを慣用の手法に従って調製してもよ
く、さもなければ、もしも薄膜形成剤として商業的に入
手可能であるならば、それをそのままあるいは適宜変更
して使用してもよい。薄膜形成溶液は、通常、Bi及び
その他の必須成分、例えばSr、Taなどを含む有機物
を所定の濃度で例えばメタノール、エタノール等の有機
溶剤に溶解した溶液である。薄膜形成溶液の濃度は、得
られる薄膜においてクラックが発生するのを防止した
り、所望の膜厚を得るための重ね塗りの回数をできる限
り少なくするため、一般に0.05〜0.2μmの範囲
が有利である。工程2、薄膜形成溶液の塗布 得られた薄膜形成溶液を適当な基板上に所定の膜厚で塗
布する。ここで使用する基板は、強誘電体薄膜の使途に
応じて広く変更することができるというものの、通常、
半導体基板、例えばシリコン基板などである。塗布方法
は、コーティングの分野で広くかつ一般的に用いられて
いるもののなかから適宜選択して使用することができ、
例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップ
コート法などを挙げることができる。ゾル−ゲル法で
は、スピンコート法がとりわけ有用である。薄膜形成溶
液は、一回塗りで所望の膜厚を得てもよいけれども、通
常、所望の膜厚が得られるまで重ね塗りを行うことが好
ましい。重ね塗りの回数は、特に限定されず、また、膜
厚に応じて変動するというものの、一般に2〜8回もし
くはそれ以上、好ましくは3〜5回である。形成される
薄膜形成溶液の塗膜は、引き続く溶剤除去のための熱処
理が完了した後で、一般に0.05〜0.3μm、好ま
しくは0.15〜0.25μmである。工程3、溶剤の除去(低温ベーク) 塗布の完了後、薄膜形成溶液中で使用した溶剤を除去し
て塗膜を固化させるため、基板上の塗膜を酸素を含む雰
囲気中で約150〜400℃の温度で熱処理(「低温ベ
ーク」とも呼ばれる)する。熱処理時間は、その時の温
度や繰り返される塗布の回数によって変動するというも
のの、通常、約5〜15分である。また、この熱処理工
程における酸素含有雰囲気中の酸素濃度は、好ましくは
少なくとも20%であり、100%酸素雰囲気であって
もよい。この熱処理工程は、通常、薄膜形成溶液の重ね
塗りの都度、すなわち、塗布の完了後に1層ごとに実施
するのが好ましい。熱処理装置としては、一般的に用い
られている加熱手段、例えばホットプレートなどを使用
することができる。
【0016】また、もしも引き続いて実施する仮焼成の
ための熱処理工程が本発明の処理条件を満足させている
のであるならば、この熱処理工程は、常法に従って、例
えば大気中あるいは窒素雰囲気中においてホットプレー
ト上で行ってもよい。工程4、塗膜の固化(高温アニール;仮焼成) 所望の膜厚が得られた後、塗膜中の有機成分(炭素、水
素等)を除去しかつ固化するため、基板上の塗膜を窒素
を含む雰囲気中で500〜750℃の温度で熱処理
(「高温アニール」あるいは「仮焼成」とも呼ばれる)
する。熱処理時間は、通常、約20〜40分であり、な
るべく短くなるようにプロセスを設計することが好まし
い。また、この熱処理工程における窒素含有雰囲気中の
窒素濃度は、好ましくは少なくとも80%であり、10
0%窒素雰囲気であってもよい。熱処理装置としては、
一般的に用いられているアニール装置、例えば電気炉、
RTA装置などを使用することができる。
【0017】また、もしも先に実施した溶剤除去のため
の熱処理工程が本発明の処理条件を満足させているので
あるならば、この熱処理工程は、常法に従って、例えば
大気中又は酸素雰囲気中で行ってもよい。なお、本発明
の好ましい1態様に従うと、上記した工程3及び4は、
次のように連続して実施することができる。すなわち、
最初に薄膜形成溶液の塗膜を酸素を含む雰囲気中で15
0〜400℃の温度で熱処理する工程を反復し、そし
て、所望とする膜厚が得られた後、上記のようにして熱
処理した後の塗膜を窒素を含む雰囲気中で500〜75
0℃の温度でさらに熱処理する。すなわち、連続した2
つの工程をどちらも本発明方法に従って実施することが
できる。工程5、焼成(本焼成) 最後に、熱処理後の薄膜を結晶化し、強誘電性を持たせ
るため、700〜1000℃の高温で焼成(先の仮焼成
と区別して、「本焼成」と呼ばれる)を行う。この焼成
工程は、一般に、先の高温アニール工程と同様に、電気
炉、RTA装置等の装置を使用して、酸素雰囲気中ある
いはその他の雰囲気中で行うことができる。
【0018】さらに、本発明の実施に当たっては、上記
したような工程に追加して、この技術分野において一般
的に用いられている処理工程、例えばRIE、イオンミ
リング、フォトリソグラフィなどを任意の段階で組み込
んでもよい。本発明方法は、上述のように、特に半導体
デバイスの製造において有利に使用することができる。
また、本発明方法により形成される強誘電体薄膜は、従
来公知な強誘電体薄膜に比較してより大きなスイッチ電
荷量Qswを与えることができるので、FRAMの製造
において使用した時に、増幅して読み取り易くすること
ができ、S/N比を向上させることができる。また、本
発明方法のその他の応用分野としては、例えば、セラミ
ック材料の焼成、常誘電性絶縁膜(SOG等)の形成な
どを挙げることができる。
【0019】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例について詳
細に説明する。なお、下記の実施例においては特に強誘
電体キャパシタの製造を参照して本発明を説明するけれ
ども、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
いことを理解されたい。製造例 下記の異なるプロセスフローに従って6種類の強誘電体
キャパシタを製造した。 〔プロセスフロー1(本発明例、図1参照)〕三菱マテ
リアル社製のSBT薄膜形成剤(ゾルゲル溶液、組成比
Sr:Bi:Ta=8:24:20)をスピンコート法
でウェハ上に塗布した。ここで使用したウェハは、シリ
コン基板を熱酸化してその上に膜厚1μmで酸化膜を形
成した後、Ti膜を膜厚30nmでスパッタ法にて形成
し、さらにその上に、基板温度400℃でPt膜を膜厚
175nmでスパッタ法にて形成したものである。
【0020】ウェハをスピンコート装置に設置した後、
1mLのSBT薄膜形成剤をウェハ上に滴下した。溶液塗
布のため、ウェハを、500rpmで3秒間、そして3
000rpmで15秒間、回転させた。上記の溶液塗布
工程は合計4回繰り返し、塗布完了の都度、溶剤除去の
ための熱処理を電気炉上で行った。熱処理条件は、4回
とも同一で、100%酸素雰囲気、処理温度250℃、
処理時間10分間であった。
【0021】重ね塗りが完了して所望の膜厚が得られた
後、電気炉で仮焼成のための熱処理を行った。仮焼成の
条件は、100%酸素雰囲気、処理温度600℃、処理
時間30分間であった。その後、上部電極の形成のた
め、Pt膜を基板温度25℃で膜厚150nmでスパッタ
法にて形成した。最後に、仮焼成に使用したものと同じ
電気炉で本焼成を行った。本焼成の条件は、100%酸
素雰囲気、処理温度800℃、処理時間30分間であっ
た。所望とするSBT薄膜が、膜厚180nmで得られ
た。 〔プロセスフロー2(本発明例、図2参照)〕前記プロ
セスフロー1の手法を繰り返したが、本例では、溶剤除
去のための熱処理及び仮焼成のための熱処理を、それぞ
れ、酸素雰囲気に代えて100%窒素雰囲気中で実施し
た。得られたSBT薄膜の膜厚は180nmであった。 〔プロセスフロー3(本発明例、図3参照)〕前記プロ
セスフロー1の手法を繰り返したが、本例では、仮焼成
のための熱処理を、酸素雰囲気に代えて100%窒素雰
囲気中で実施した。得られたSBTN薄膜の膜厚は18
0nmであった。 〔プロセスフロー3A(本発明例)〕前記プロセスフロ
ー3の手法を繰り返したが、本例では、三菱マテリアル
社製のSBT薄膜形成剤に代えて、高純度化学社製のS
BTN薄膜形成剤、“YZ”(商品名)を使用した。得
られたSBTN薄膜の膜厚は180nmであった。 〔プロセスフロー4(従来例、図4参照)〕前記プロセ
スフロー1の手法を繰り返したが、本例では、比較のた
め、溶剤除去のための熱処理を、酸素雰囲気に代えて1
00%窒素雰囲気中で実施した。得られたSBT薄膜の
膜厚は180nmであった。 〔プロセスフロー5(従来例、図5参照)〕前記プロセ
スフロー3の手法を繰り返したが、本例では、比較のた
め、溶剤除去のための熱処理を、酸素雰囲気に代えて1
00%窒素雰囲気中で実施し、また、仮焼成のための熱
処理を、窒素雰囲気に代えて100%酸素雰囲気中で実
施するとともに、その際の熱処理時間を30分間から1
20分間に延長した。得られたSBTN薄膜の膜厚は1
80nmであった。特性評価試験 上記のようにして製造した強誘電体キャパシタのそれぞ
れについて、スイッチ電荷量Qswを測定した。使用し
た測定装置は、RADIANT TECHNOLOGI
ES社製の「RT−66A」(商品名)であり、測定の
条件は、電極面積1.96×10-3cm2 、パルス幅2m
secであった。 〔プロセスフロー1及び4の比較〕製造した強誘電体キ
ャパシタのスイッチ電荷量Qswが動作電圧の変化とと
もにどのように変化するかを測定したところ、図6にプ
ロットするような結果が得られた。図示の通り、本発明
方法(プロセスフロー1)により製造された強誘電体キ
ャパシタのほうが、従来例(プロセスフロー4)に比較
して顕著に大きなスイッチ電荷量Qswを示している。 〔プロセスフロー2及び4の比較〕製造した強誘電体キ
ャパシタのスイッチ電荷量Qswが動作電圧の変化とと
もにどのように変化するかを測定したところ、図7にプ
ロットするような結果が得られた。図示の通り、本発明
方法(プロセスフロー2)により製造された強誘電体キ
ャパシタのほうが、従来例(プロセスフロー4)に比較
してより大きなスイッチ電荷量Qswを示している。 〔プロセスフロー3及び4の比較〕製造した強誘電体キ
ャパシタのスイッチ電荷量Qswが動作電圧の変化とと
もにどのように変化するかを測定したところ、図8にプ
ロットするような結果が得られた。図示の通り、本発明
方法(プロセスフロー3)により製造された強誘電体キ
ャパシタのほうが、従来例(プロセスフロー4)に比較
してはるかに大きなスイッチ電荷量Qswを示してい
る。 〔プロセスフロー3A及び5の比較〕製造した強誘電体
キャパシタのスイッチ電荷量Qswが動作電圧の変化と
ともにどのように変化するかを測定したところ、図9に
プロットするような結果が得られた。図示の通り、本発
明方法(プロセスフロー3A)により製造された強誘電
体キャパシタは、仮焼成時間が30分間であったにもか
かわらず、120分間もの長い仮焼成時間を必要とした
従来例(プロセスフロー5)に比較してより大きなスイ
ッチ電荷量Qswを示した。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、強誘電体薄膜をゾル−ゲル法などに従い薄膜形成溶
液の塗布及び焼成によって形成する際に、焼成に先がけ
て実施する仮焼成の時間を短縮することが可能であり、
かつ得られる強誘電体膜において非常に大きなスイッチ
電荷量Qswを提供することも可能であり、また、した
がって、S/N比の向上などをはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による強誘電体キャパシタの形成方
法の好ましい一例を順を追って示したフローシートであ
る。
【図2】本発明方法による強誘電体キャパシタの形成方
法のもう1つの好ましい例を順を追って示したフローシ
ートである。
【図3】本発明方法による強誘電体キャパシタの形成方
法のさらにもう1つの好ましい例を順を追って示したフ
ローシートである。
【図4】従来の方法による強誘電体キャパシタの形成方
法を順を追って示したフローシートである。
【図5】従来の方法による強誘電体キャパシタの形成方
法を順を追って示したフローシートである。
【図6】従来の方法(図4)及び本発明方法(図1)に
より製造された強誘電体キャパシタの、動作電圧とスイ
ッチ電荷量Qswとの関係をプロットしたグラフであ
る。
【図7】従来の方法(図4)及び本発明方法(図2)に
より製造された強誘電体キャパシタの、動作電圧とスイ
ッチ電荷量Qswとの関係をプロットしたグラフであ
る。
【図8】従来の方法(図4)及び本発明方法(図3)に
より製造された強誘電体キャパシタの、動作電圧とスイ
ッチ電荷量Qswとの関係をプロットしたグラフであ
る。
【図9】従来の方法(図5)及び本発明方法(図3の変
形)により製造された強誘電体キャパシタの、同一の動
作電圧(5V)の時のスイッチ電荷量Qswの値を示し
たグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/316 H01L 27/10 451 27/10 451 29/78 371 21/8247 29/788 29/792

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)により表されるビスマス層状
    ペロブスカイト型酸化物: (Bi2 2 2+(Am-1 m 3m+12- (I) (上式において、Aは、Bi3+、Ba2+、Sr2+、Ca
    2+、Pb2+、K+ 又はNa+ であり、Bは、Ti4+、N
    5+、Ta5+、Mo6+、W6+又はFe3+であり、そして
    mは1〜8の自然数である)からなる強誘電体薄膜を薄
    膜形成溶液の塗布及び焼成によって形成する方法であっ
    て、 前記薄膜形成溶液の塗布後であってその塗膜を焼成する
    前に実施する工程として、下記の熱処理工程: (A)前記薄膜形成溶液の塗膜を酸素を含む雰囲気中で
    150〜400℃の温度で熱処理すること、及び(B)
    前記薄膜形成溶液の塗膜を窒素を含む雰囲気中で500
    〜750℃の温度で熱処理すること、の少なくともいず
    れか一方を含むことを特徴とする強誘電体薄膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記薄膜形成溶液の塗膜を酸素を含む雰
    囲気中で150〜400℃の温度で熱処理すること(工
    程A)を反復し、そして、所望とする膜厚が得られた
    後、 上記のようにして熱処理した後の塗膜を窒素を含む雰囲
    気中で500〜750℃の温度でさらに熱処理すること
    (工程B)を特徴とする請求項1に記載の強誘電体薄膜
    の形成方法。
  3. 【請求項3】 熱処理工程(A)における酸素含有雰囲
    気中の酸素濃度が少なくとも20%であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の強誘電体薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 熱処理工程(B)における窒素含有雰囲
    気中の窒素濃度が少なくとも80%であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の強誘電体薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記ビスマス層状ペロブスカイト型酸化
    物が、次式: Srx Biy Ta2 9 (上式において、x は0〜1の実数であり、そしてy は
    0〜3の実数である)により表されることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の強誘電体薄膜の形
    成方法。
  6. 【請求項6】 前記ビスマス層状ペロブスカイト型酸化
    物が、次式: Srx Biy (Ta1-n Nbn 2 9 (上式において、xは0〜1の実数であり、yは0〜3
    の実数であり、そしてnは0〜1の実数である)により
    表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の強誘電体薄膜の形成方法。
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