JPH11144620A - プラズマディスプレイパネルの背面板を製造する為に用いられる隔壁形成用部材の製造方法及び該背面板の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの背面板を製造する為に用いられる隔壁形成用部材の製造方法及び該背面板の製造方法

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JPH11144620A
JPH11144620A JP31909997A JP31909997A JPH11144620A JP H11144620 A JPH11144620 A JP H11144620A JP 31909997 A JP31909997 A JP 31909997A JP 31909997 A JP31909997 A JP 31909997A JP H11144620 A JPH11144620 A JP H11144620A
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pattern
partition
forming
manufacturing
electrode pattern
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JP31909997A
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Sukeaki Hamanaka
亮明 濱中
Kazuo Ando
一雄 安藤
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Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toray Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細化された大型のプラズマディスプレイ
パネルを製造するのに好適な背面板の製造方法及びそれ
に用いるに好適な隔壁形成用部材の製造方法を得るこ
と。 【解決手段】 アルミニウム箔1の一方の一面1aに電
極パターン2を形成すると共に他方の面1bに隔壁パタ
ーン形成用のレジストパターン3を形成し、次いで、面
1aにベース部材5を塗布若しくは貼着した後、アルミ
ニウム箔1を湿式エッチングして隔壁パターン6を形成
し、次いで、保護部材7を塗布若しくは貼着した後、ベ
ース部材5を除去して隔壁形成用部材8を得る。次い
で、この部材8をガラス基板に固着せしめた後、保護部
材7を除去すると共に酸化処理して隔壁パターン6に絶
縁体層を形成し、その後、焼成してプラズマディスプレ
イパネルの背面板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルの背面板を製造する為に用いられる隔壁形成
用部材の製造方法及び該背面板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、周知のように、プラズマディスプ
レイパネルの背面板は、ガラス基板上に電極パターン及
び隔壁パターンを形成して構成されているが、かかる隔
壁パターンは、例えば、特開平5−166460号公報
において開示されているように、電極パターンが形成さ
れたガラス基板上にスクリーン印刷により隔壁形成材料
を所定パターンに積層する方法、或いは、例えば、特開
平7−45190号公報において開示されているよう
に、電極パターンが形成されたガラス基板上に一面に塗
布されている隔壁形成材料を隔壁部分を残すように削り
取るサンドフラスト方法、更には、例えば、特開平6−
139922号公報において開示されているように、電
極パターンが形成されたガラス基板上に貼着されている
感光性樹脂フイルムをパターンマスクを介して露光し、
次いで現像して未露光部分を除去した後、その箇所に隔
壁形成材料を充填する等、各種の方法が提案されてい
る。なお、隔壁形成材料は、ガラス粉末を有機バイン
ダ、溶媒等と混合せしめたガラスペースが広く用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
はいずれも、電極パターンが形成されたガラス基板上に
隔壁形成材料や感光性樹脂フィルム等を直接、塗布若し
くは貼着して隔壁パターンを形成するものであるから、
その幅が狭くて背が高い隔壁を広い面積にわたって一様
に形成することの困難性を有していた。
【0004】また、ガラス基板は、内部歪みを有してい
るので、加熱すると冷却しても元の寸法に戻らず変形し
てしまう特性を有しており、しかも、その内部歪みは、
ガラス基板が製造された時以降の温度と時間の経歴によ
り個々に異なる故、これに電極パターンを形成する等の
為に加熱と冷却を繰り返すと、ガラス基板に不規則な変
形が生じ、その為、ガラス基板に形成されている電極パ
ターンと隔壁パターンの形成の為に用いられるパターン
マスク間にずれが発生し、これに起因して、高精細化さ
れた大型のプラズマディスプレイパネルを製造するのに
好適な背面板の製造を困難にしていた。更に、ガラスペ
ースト等の隔壁形成材料は高価であるから、それの有効
利用化を図る必要もあった。
【0005】そこで、本発明者らは、ガラス基板とは別
に、隔壁パターン及び電極パターンを形成した隔壁形成
用部材を準備し、この隔壁形成用部材をガラス基板に固
着し、かつ、その不要分を除去してガラス基板上に隔壁
パターン及び電極パターンを形成せしめるようにするこ
とにより、上述の欠点を一挙に解消することができるこ
とを見い出し、それを先願(特願平9−110215)
において提案した。
【0006】ところが、かかる先願発明においては、隔
壁形成用部材の隔壁パターンを高価なガラスペースト
(隔壁形成材料)で形成している為に、製造コストの低
減化が十分でなく、かつ、隔壁パターンの背丈や断面形
状が不均一になり易かった。
【0007】また、隔壁形成用部材をガラス基板上に固
着せしめた後において、これの焼成を行わなければなら
ないが、隔壁パターンをガラスペーストで形成している
関係上、その温度を550℃前後の高温度に制御しなけ
ればならなく、その為、加熱による不規則な変形の発生
防止を考慮して一定以下の薄いガラス基板を用いること
ができず、ガラス基板の薄板化が阻止されていた。
【0008】本発明は、このような欠点に鑑みて発明さ
れたものであって、隔壁形成用部材の隔壁パターンをア
ルミニウム箔で形成し得るようにすることにより、製造
コストの低減化及びガラス基板の薄板化等を図ることが
できることを見い出し本発明をなし得たものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
隔壁形成用部材の製造方法の一つは、請求項1に記載す
るように、プラズマディスプレイパネルの背面板を製造
する為に用いられる電極パターン及び隔壁パターンを形
成した隔壁形成用部材の製造方法において、アルミニウ
ム箔の一方の面に電極パターンを形成すると共に前記電
極パターンが形成されていない方の面に隔壁パターン形
成用のレジストパターンを形成する第1工程と、前記ア
ルミニウム箔の前記電極パターンが形成されている方の
面を被覆するようにベース部材を塗布若しくは貼着する
第2工程と、前記ベース部材が塗布若しくは貼着されて
いる前記アルミニウム箔を湿式エッチングして隔壁パタ
ーンを形成する第3工程と、前記隔壁パターンを被覆す
るように保護部材を塗布若しくは貼着した後、前記ベー
ス部材を除去する第4工程とを有していることを特徴と
するものである。
【0010】また、本発明に係る隔壁形成用部材の製造
方法の他の一つは、請求項2に記載するように請求項1
に記載の隔壁形成用部材の製造方法において、電極パタ
ーンの形成及びレジストパターンの形成を同時に行うこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、本発明に係る隔壁形成用部材の製造
方法の他の一つは、請求項3に記載するように請求項1
又は2に記載の隔壁形成用部材の製造方法において、電
極パターンの形成及びレジストパターンの形成のうち、
少なくともどちらか一方をスクリーン印刷若しくは露光
方法により行うことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明に係る隔壁形成用部材の製造
方法の他の一つは、請求項4に記載するように、請求項
1,2又は3に記載の隔壁形成用部材の製造方法におい
て、湿式エッチングをエッチング液のスプレーにより行
うことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明に係るプラズマディスプレイ
パネルの背面板の製造方法の一つは、請求項5に記載す
るように、請求項1,2,3又は4に記載の方法により
製造した隔壁形成用部材をガラス基板に固着せしめた
後、保護部材を除去し、次いで、少なくとも隔壁パター
ンの酸化処理を行って絶縁体層を形成せしめた後、焼成
することを特徴とするものである。
【0014】また、本発明に係るプラズマディスプレイ
パネルの背面板の製造方法の他の一つは、請求項6に記
載するように、請求項5に記載のプラズマディスプレイ
パネルの背面板の製造方法において、酸化処理に続いて
封孔処理を行うことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1においては、本発明に係る隔
壁形成用部材の製造方法の一実施形態について、そのフ
ローが示されているが、第1工程においては、アルミニ
ウム箔1の一方の面1aに電極パターン2が形成される
と共に反対側の面1bに隔壁パターン形成用のレジスト
パターン3が形成される。
【0016】すなわち、最初に、同図の(a)において
示されているように、アルミニウム箔1の一方の面1a
に、電極パターン2を形成する為に必要なレジストパタ
ーン4aが形成されると共に反対側の面1bに、レジス
ト4bが全面塗布される。このように全面塗布するの
は、電極パターン2を形成する際において面1bにメッ
キが付着するのを防止する為である。
【0017】なお、レジストパターン4aの形成は、ス
クリーン印刷により行うのが好ましいと共に、それの形
成後、所定に乾燥せしめられる。しかし、必要に応じて
他の方法、例えば、ドライフィルムレジスト(DFR)
を貼着し、これを露光及び現像して形成する方法等を選
択することができ、かつ、その際において用いられるレ
ジストも、液状の感光レジスト等、いかなるものであっ
てもよい。
【0018】また、レジストパターン4bの形成は、ス
クリーン印刷の他に、ダイコーティング等のいかなる方
法で行ってよいと共に、その形成後、所定に乾燥せしめ
られる。また、アルミニウム箔1は、後工程での加熱影
響を考慮、すなわち、これに形成される電極2等との線
膨脹係数の相違に基づいて惹起される悪影響を極力緩和
させる為に、柔らかく伸び易いアニールされたものを用
いるのが好ましく、かつ、その際の加熱温度は、出来る
限り高温度で行うのが好ましいが、一般には、後工程の
焼成温度まで加熱すればよい。
【0019】次いで、同図の(b)において示されてい
るように、レジストパターン4aが形成されていない箇
所(アルミニウム箔1の一方の面1aが露出している箇
所)に電極パターン2が形成される。これは、ニッケル
や銀或いは他の金属(例えば、銅やクロム等)をカニゼ
ンメッキしたり或いは他の方法(例えば、無電解メッキ
等)で形成される。なお、ニッケルをカニゼンメッキす
る場合においては、レジストパターン3が形成されてい
ない箇所(アルミニウム箔1の一方の面1aが露出して
いる箇所)を亜鉛処理してからメッキするのが好まし
い。
【0020】次いで、同図の(c)において示されてい
るように、アルミニウム箔1の一方の面1aに形成され
ているレジストパターン4aが除去されると共に他方の
面1bに全面塗布されているレジスト4bが除去され
る。このレジスト除去は、所定の除去液を選択して行う
ことができるが、水酸化ナトリウム水溶液をスプレーし
て行うのが好ましい。
【0021】次いで、同図の(d)において示されてい
るように、アルミニウム箔1の電極パターン2が形成さ
れている方の面1aと反対側の面1bに隔壁パターン形
成用のレジストパターン3が形成される。なお、このレ
ジストパターン3は、後工程における隔壁パターンの形
成に際しエッチング用マスクとしての役割をなす。
【0022】その為、電極パターン2との相対的位置関
係が正確であることが要求されるから、これの形成も、
スクリーン印刷により行うのが好ましい。しかし、必要
に応じて他の方法、例えば、ドライフィルムレジスト
(DFR)を貼着し、これを露光及び現像して形成する
方法等を選択することができ、かつ、その際において用
いられるレジストも、液状の感光レジスト等、いかなる
ものであってもよい。なお、パターン形成後、所定に乾
燥せしめられる。
【0023】また、上述の形態においては、アルミニウ
ム箔1に対して、電極パターン2と、隔壁パターン形成
用のレジストパターン3とを時差的に形成しているが、
それを同時に形成してもよく、かつ、同時に形成するこ
とにより、両パターンの相対位置関係をより正確にする
ことができるから好ましい。
【0024】かかる同時形成の形態として、例えば、両
面スクリーン印刷若しくは両面露光方法によって電極パ
ターン2と隔壁パターン形成用のレジストパターン3と
を同時に形成する形態の他、感光性の導電ペースト(電
極パターン2を形成する為のペースト)をアルミニウム
箔1の一方の面1aに全面塗布すると共に他方の面1b
に、液状レジストを全面塗布するか若しくはドライフィ
ルムレジスト(DFR)を貼着した後、その両面を同時
に露光し現像する形態等が挙げられる。
【0025】次いで、第2工程においては、電極パター
ン2及び隔壁パターン形成用のレジストパターン3が形
成されているアルミニウム箔1にベース部材5が貼着若
しくは塗布されるが、ベース部材5は、電極パターン2
を被覆するように一方の面1aに全面貼着若しくは全面
塗布される。
【0026】なお、ベース部材5は、液状、シート状の
いずれであってもよく、液状のものである場合には、ブ
レードコーティングやダイコーティング等により塗布さ
れると共にシート状のものである場合には、適当な接着
剤や粘着剤で貼着、すなわち、後工程において溶剤等に
よって容易に剥離することができるような接着剤や粘着
剤で貼着される。
【0027】かかる接着剤又は粘着剤の例として、ウレ
タン系、PPS系等の高分子系接着剤、ポリビニルアル
コール等の水溶性ポリマー、デキストリン等の澱粉化合
物、アクリル系、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラ
ール等の粘着剤、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴ
ム等のゴム系粘着剤、熱剥離性粘着剤、紫外線剥離性粘
着剤等が挙げられる。
【0028】また、ベース部材5の例として、後工程に
おいて用いられる酸やアルカリ等に侵され難いもの、例
えば、PETやPP等の高分子ポリマーが好ましいと共
にその厚さは、後工程におけるハンドリングに際してシ
ワが発生するのを防止する為に50μm以上のものが好
ましい。
【0029】次いで、第3工程において、アルミニウム
箔1を湿式エッチングして隔壁パターン6が形成され
る。その際、同図の(e)において示されているよう
に、隔壁パターン形成用のレジストパターン3が、エッ
チング用マスクとして利用され、その後、同図の(f)
において示されているように、隔壁パターン形成用のレ
ジストパターン3が除去される。
【0030】なお、かかる湿式エッチングは、エッチン
グ液をスプレーして行うのが好ましく、これにより、良
好なエッチング形状が得易い。しかし、必要に応じて、
これ以外の例えば、浸漬エッチングや泡沫によるエッチ
ング等を選択してもよい。また、その際において用いら
れるエッチング液も、所定のものを適宜に選択すること
ができるが、一般には、濃塩酸水溶液が用いられ、か
つ、その濃度、温度等については必要に応じて適宜に設
定される。
【0031】よって、このエッチングにより、電極パタ
ーン2の直上までエッチングすることができ、残ったア
ルミニウム箔1で隔壁パターン6を形成することができ
る。なお、電極パターン2直上においてアルミニウム箔
1のエッチングを停止することにより、後工程における
陽極酸化処理時において、隔壁パターン6と一緒に電極
パターン2直上のアルミニウム箔1を酸化アルミニウム
にすることができ、従って、電極パターン2直上にも絶
縁体層を同時に形成することができる。
【0032】また、このようにして形成された電極パタ
ーン2及び隔壁パターン6は、ベース部材5で支持され
ていると共に隔壁パターン形成用のレジストパターン3
は、エッチング後において除去される。その際、所定の
除去液を選択して行うことができるが、水酸化ナトリウ
ム水溶液をスプレーして行うのが好ましい。
【0033】次いで、第4工程において、隔壁パターン
6を被覆するように保護部材7が塗布若しくは貼着され
た後、ベース部材5が除去される。なお、保護部材7
は、塗布若しくは貼着後、所定に乾燥せしめられる。
【0034】また、保護部材7の塗布は、液状の保護部
材7が用いられる場合において行われ、その塗布状態が
同図の(g)において示されているが、これにより、隔
壁パターン6どうし間に保護部材7を充填することがで
きて隔壁パターン6の折れ等をより有効に防止すること
ができる。
【0035】なお、必要に応じて、それに代えて、シー
ト状の保護部材を隔壁パターン6の上端に貼着してもよ
い。しかし、このように貼着すると、隣り合う隔壁パタ
ーン6どうし間に空間が形成されるから、前者よりも隔
壁パターン6の折れ防止等が劣る。従って、前者の方が
好ましい。また、前者の場合においては、一般に50μ
m以上の厚さに全面塗布すればよいのに対し、後者の場
合においては、100μm以上の厚さのシート状保護部
材が必要とされる。
【0036】なお、保護部材7は、乾燥等により固化せ
しめることができると共に再溶解(又は再溶融)できる
ものであれば、樹脂や低融点の金属等、いかなるもので
あってもよいが、一般に、ベース部材5を除去する場合
においては容易に剥離し得ない一方において、後工程に
おいてガラス基板に貼着せしめた後においては容易に剥
離することができるものが好適である。
【0037】このような保護部材7の例として、ポリビ
ニルアルコール等の水溶性ポリマー、にかわ、ゼラチン
等のゼラチン物質、メチルセルロース等のセルロース化
合物、デキストリン等の澱粉化合物、アクリル樹脂、ビ
ニル樹脂、スチロール樹脂等の高分子ポリマー等が挙げ
られる。
【0038】よって、必要に応じて、剥離を容易化せし
める為の適当な前処理、例えば、加熱等を行ってベース
部材5を容易に除去することができ、従って、同図の
(h)において示されているように、電極パターン2及
び隔壁パターン6を形成した隔壁形成用部材8を得るこ
とができ、そして、この隔壁形成用部材8を用いて図2
において示されているように、固着工程、除去工程、酸
化工程及び焼成工程を経てプラズマディスプレイパネル
の背面板9を製造することができる。
【0039】すなわち、固着工程においては、図2の
(i)において示されているように、隔壁形成用部材8
の一面(ベース部材5が除去された方の面)に接着剤1
0が塗布され、かつ、これが同図の(j)において示さ
れているように、ガラス基板11に固着される。なお、
接着剤10は、シリカやアルミナ等を主成分とする無機
接着剤や低融点ガラスフリットが好適であり、また、こ
の無機接着剤や低融点ガラスフリットを用いる場合にお
いては、隔壁形成用部材8をガラス基板11に貼着して
から、それを加熱して無機接着剤中の水分或いは低融点
ガラスフリットを塗布する為に混ぜた水分の大部分を保
護部材7に吸収せしめる仮乾燥を行い、その後、更に高
温度に加熱して本乾燥を行うのが好ましい。
【0040】次いで、除去工程において保護部材7が除
去される。これは、適当な剥離液を用いたり、或いは、
例えば、保護部材7がポリビニルアルコールである場合
においては、かかるポリビニルアルコールを熱水で溶解
して除去するといったように適当な手段により行うこと
ができる。
【0041】以下、保護部材7が除去されて乾燥せしめ
られた後、酸化工程において、隔壁パターン6が陽極酸
化処理される。これにより、隔壁パターン6を構成して
いるアルミニウム箔1が酸化アルミニウムにせしめられ
て、蛍光体からの可視光線を反射して輝度を向上させる
絶縁体層が形成される。
【0042】そして、引き続いて、前記酸化アルミニウ
ムの緻密性を向上させる為に、封孔処理するのが好まし
く、一般には、白色に着色され、かつ、その為に、一般
には染料が用いられるが、後工程における焼成におい
て、その成分の大部分が消失したり変質したりしない、
例えば、鉛、亜鉛、チタン、錫、ニッケル、鉄、銀、マ
グネシウム等の無機顔料を電解着色するのが好適であ
る。
【0043】また、白色以外の着色、例えば黒色に着色
する場合においては、上述と同一理由により、染料より
も、例えば、鉛、ニッケル、コバルト、セレン、銀、ク
ロムや銅等の無機顔料を電解着色するのが好適である。
更に、白色度又は黒色度を向上させる為に染料を塗布し
てもよい。この場合においても、上述と同一理由によ
り、有機系染料よりも無機顔料の方が好ましい。
【0044】なお、酸化工程における隔壁パターン6の
酸化処理は、上述の陽極酸化処理の他、化学被膜処理等
によって行ってもよいが、前者によると、厚膜化しても
全体にわたって完全に酸化させ得ることができるから、
これの方が好ましい。しかし、隔壁パターン6の表層部
分だけを酸化アルミニウムにさせようとすると、酸化ア
ルミニウムの厚みのバラツキが生じ易いから、隔壁パタ
ーン6の表層部分だけでなく、その内部も含めた全体を
酸化アルミニウムにさせるように処理するのが無難であ
る。
【0045】また、酸化アルミニウムは絶縁物であるか
ら、酸化速度のバラツキによって酸化されない部分が取
り残されてしまうと、その部分は以後、酸化されなくな
ってしまうから、そのようなことを防止する為に、酸化
速度に対応させて電解液に順次浸漬させて行くのが無難
である。
【0046】次いで、焼成工程において、所定に加熱さ
れて焼成される。この焼成は、今までの工程において接
着剤10等に吸着されて乾燥されずに残留している水分
を除去する為に行われる。従って、一般には、150℃
以下で行うことができ、これにより、電極パーン2及び
隔壁パター6が形成された背面版9を得ることができ
る。
【0047】このように、本発明においては、プラズマ
ディスプレイパネルの背面板を製造する為に用いられ
る、電極パターン及び隔壁パターンを形成した隔壁形成
用部材を、ガラスペーストを用いずにアルミニウム箔1
を用い、これを所定に加工して隔壁パターン6を形成す
るようにしている。
【0048】その為、隔壁パターン6を容易に、しか
も、高密度、かつ、正確に(隔壁パターンの背丈や断面
形状が不均一にならないように正確に)形成することが
できるから、高精細化された大型のプラズマディスプレ
イパネルを製造するのに好適な背面板の製造を可能なら
しめると共に、その製造コストの低減化を図ることがで
きる。
【0049】また、背面板の製造工程における最終工程
での焼成を150℃以下といった低温で行うことができ
て、ガラスペーストを用いる従来方法における550℃
での焼成に比して一段と低温化を図ることができ、従っ
て、このことに基づいてガラス基板11を一段と薄くす
ることもできる。
【0050】更に、隔壁形成用部材8をガラス基板11
に固着して背面板9を製造する工程を単純化することも
でき、特に、絶縁体層の形成を、隔壁パターン自体の酸
化処理により行うことができることに基づく効果が顕著
である。
【0051】
【実施例】下記第1〜4工程を経て隔壁形成用部材8を
製造し、そして、この隔壁形成用部材8を用いて下記固
着工程、除去工程、酸化工程及び焼成工程を経てプラズ
マディスプレイパネルの背面板9を製造した。
【0052】[第1工程]…厚さ150μmのアルミニ
ウム箔1を用い、その表面の一方の面4aに線幅80μ
m、間隔200μmのパターンを残し、かつ、もう一方
の面4bには全面に、レジストをスクリーン印刷し、6
0℃で乾燥させて電極形成用のパターン4aと反対側の
面を全面被覆のレジスト4bとを形成した。次いで、レ
ジストパターン4aが形成されていない箇所(アルミニ
ウム箔1の一方の面1aが露出している箇所)を亜鉛処
理し、ここにカニゼンメッキによりニッケルを15μm
の厚さにメッキし、電極パターン2を形成した。次い
で、水洗し乾燥させた後に、2%水酸化ナトリウム水溶
液を用いてレジストパターン4a及び全面被覆のレジス
ト4bを除去した。次いで、電極パターン2が形成され
ていない方の面4bに、スクリーン印刷により線幅が8
0μmの隔壁形成用のレジストパターン3を形成し、こ
れを60℃で乾燥させてエッチング加工用のマスクを形
成した。
【0053】[第2工程]…第1工程に引き続き、電極
パターン2が形成されている方の面1aに、電極パター
ン2を被覆するように厚さが50μmのPETで構成さ
れたシート状のベース部材5を、80℃で粘着力が低下
する熱剥離性粘着剤を用いて貼着した。
【0054】[第3工程]…第2工程に引き続き、28
%濃塩酸水溶液を50℃でスプレーしてアルミニウム箔
1をエッチングし、隔壁パターン6を形成した。次い
で、水洗し乾燥後、2%水酸化ナトリウム水溶液を用い
て隔壁形成用のレジストパターン3を除去した。
【0055】[第4工程]…第3工程に引き続き、水洗
し乾燥後、隔壁パターン6を被覆するように液状の保護
部材7をダイコーティングで塗布し、105℃で乾燥さ
せた。次いで、80℃に加熱してベース部材5を剥離除
去した。
【0056】[固着工程]…第3工程に引き続き、ベー
ス部材5を除去した面に、シリカ、アルミナ等を主成分
とする無機接着剤10を塗布した。次いで、これをガラ
ス基板11に張り付け、80℃に加熱して無機接着剤1
0中の水分の大半を保護部材7に吸収させて無機接着剤
10の仮乾燥を行い、その後、105℃に加熱して本乾
燥させた。
【0057】[除去工程]…固着工程に引き続き、保護
部材7のポリビニルアルコールを80℃の熱水で溶解し
て保護部材7を除去した。
【0058】[酸化工程]…除去工程に引き続き、隔壁
パターン6を陽極酸化して酸化アルミニウムにし、次い
で、それを白色に着色し封孔処理した。
【0059】[焼成工程]…酸化工程に引き続き、ガラ
ス基板11を加熱し150℃以下で焼成した。これによ
り、高精細化された大型のプラズマディスプレイパネル
を製造するのに好適な背面板を製造することができた。
【0060】
【発明の効果】上述の如く、本発明によると、高精細化
された大型のプラズマディスプレイパネルを製造するの
に好適な背面板の製造を可能ならしめる隔壁形成用部材
を得ることができる。
【0061】すなわち、アルミニウム箔を所定に加工し
て隔壁パターンを形成するようにしている為に、広い面
積にわたって隔壁パターンを容易に、しかも、高密度、
かつ、正確に(隔壁パターンの背丈や断面形状が不均一
にならないように正確に)形成することができるから、
そのような効果を奏し得る。
【0062】加えて、そのような隔壁形成用部材をガラ
ス基板に固着して背面板を製造するようにしている為
に、その製造工程の単純化並びにガラス基板の薄板化等
を図ることができるから、製造コストの低減化の効果を
奏し得る。なお、誘電体層の形成を、隔壁パターン自体
の酸化処理により行うことができることに基づく製造コ
ストの低減化の効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】隔壁形成用部材を製造するフローを示す図であ
る。
【図2】隔壁形成用部材を用いてプラズマディスプレイ
パネルの背面板を製造するフローを示す図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム箔 2 電極パターン 3 隔壁パターン形成用のレジストパターン 5 ベース部材 6 隔壁パターン 7 保護部材 8 隔壁形成用部材 9 プラズマディスプレイパネルの背面板 11 ガラス基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマディスプレイパネルの背面板を
    製造する為に用いられる、電極パターン及び隔壁パター
    ンを形成した隔壁形成用部材の製造方法において、アル
    ミニウム箔の一方の面に電極パターンを形成すると共に
    前記電極パターンが形成されていない方の面に隔壁パタ
    ーン形成用のレジストパターンを形成する第1工程と、
    前記アルミニウム箔の前記電極パターンが形成されてい
    る方の面を被覆するようにベース部材を塗布若しくは貼
    着する第2工程と、前記ベース部材が塗布若しくは貼着
    されている前記アルミニウム箔を湿式エッチングして隔
    壁パターンを形成する第3工程と、前記隔壁パターンを
    被覆するように保護部材を塗布若しくは貼着した後、前
    記ベース部材を除去する第4工程とを有していることを
    特徴とする隔壁形成用部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 電極パターンの形成及びレジストパター
    ンの形成を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載
    の隔壁形成用部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 電極パターンの形成及びレジストパター
    ンの形成のうち、少なくともどちらか一方をスクリーン
    印刷若しくは露光方法により行うことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の隔壁形成用部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 湿式エッチングをエッチング液のスプレ
    ーにより行うことを特徴とする請求項1,2又は3に記
    載の隔壁形成用部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の方法に
    より製造した隔壁形成用部材をガラス基板に固着せしめ
    た後、保護部材を除去し、次いで、少なくとも隔壁パタ
    ーンの酸化処理を行って絶縁体層を形成せしめた後、焼
    成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの
    背面板の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化処理に続いて封孔処理を行うことを
    特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの背面板の製造方法。
JP31909997A 1997-11-04 1997-11-04 プラズマディスプレイパネルの背面板を製造する為に用いられる隔壁形成用部材の製造方法及び該背面板の製造方法 Pending JPH11144620A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100361263C (zh) * 2002-04-04 2008-01-09 Lg电子株式会社 用水基溶液蚀刻厚膜来制造pdp阻隔筋的方法和组合物

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