JPH11140489A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JPH11140489A
JPH11140489A JP10095610A JP9561098A JPH11140489A JP H11140489 A JPH11140489 A JP H11140489A JP 10095610 A JP10095610 A JP 10095610A JP 9561098 A JP9561098 A JP 9561098A JP H11140489 A JPH11140489 A JP H11140489A
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恭尚 和田
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美由紀 笠井
Sukemichi Yomo
資通 四方
Atsushi Suzumatsu
淳 凉松
Kenzo Koike
謙造 小池
Yuuji Hatada
勇二 秦田
Toru Kobayashi
徹 小林
Susumu Ito
進 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 プロトペクチン又はポリガラクツロン酸
を基質としたときの最適反応pHが7.0以上であるプロ
トペクチナーゼを含有する洗浄剤組成物。 【効果】 泥汚れに対する洗浄力が極めて強い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関
し、さらに詳細には泥汚れに対する洗浄力の優れる洗浄
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】衣料に付着する汚れは一般に有機質汚れ
と無機質汚れとに大別することができる。このうち、無
機質汚れの代表的なものとしては、泥汚れが挙げられ
る。靴下等に付着する泥汚れは発生頻度も高く、昔から
落としにくい汚れの一つとして問題になってきた汚れで
あるが、衣料用洗剤の主成分である界面活性剤やビルダ
ーの効果は無機質汚れに対しては比較的小さい。そこ
で、この無機質汚れに対する洗浄効果を上げるため、こ
れまでに様々な技術が開発されてきた。しかし、そのほ
とんどは既存の洗剤用基剤の応用技術であり、それぞれ
難点を抱えている。例えば、カルボキシメチルセルロー
スやポリアクリル酸といったカルボン酸系ポリマーは泥
に対する分散効果を発揮するものであるが、これら高分
子ポリマーの使用はコストや生分解性の問題で十分量配
合することが難しい。また、還元剤を使用する方法も提
案されているが、場合により染色衣料の脱色を招く恐れ
もあり、配合する上で問題がある。
【0003】一方こうした既存物質の応用以外に、酵素
により無機質汚れに対する洗浄効果を上げようとする試
みもなされてきた。酵素は特定基質にのみ作用するた
め、僅かな配合量で効果を発揮でき、洗浄剤組成物に占
める役割は今後も大きくなっていくものと予想される優
れた基剤である。特開昭59−49279号公報にはセ
ルラーゼを洗剤に配合することにより泥に対する洗浄力
が向上することが記載されている。また、特表平3−5
04080号公報記載のセルラーゼには木綿含有布の手
粗さ軽減効果や汚れ除去効果があるとされている。さら
に、ペクチナーゼを配合した洗浄剤に関する特許出願と
しては、WO95/25790号公報及び特公平6−3
9596号公報が挙げられ、特に特公平6−39596
号公報には、ペクチナーゼが泥汚れに対して効果的であ
ることが記載されている。しかしながら、これらの公報
に開示されたペクチナーゼは、その洗浄効果において不
十分であり、40℃で1時間浸漬した後に洗浄した場合
でも満足のいく効果は得られないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は泥汚れに対する洗浄力の強い洗浄剤組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ領域
に最適反応pHを有するプロトペクチナーゼを配合するこ
とにより従来の洗浄剤に比べて極めて優れた泥汚れ洗浄
効果を有する洗浄剤組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、プロトペクチナ
ーゼとは、Ca2+,Mg2+や分子間結合によりペクチン
分子同士の結合、あるいはセルロース分子への結合等で
不溶化したペクチン質であるプロトペクチン(不溶性天
然ペクチン)に作用する酵素の総称である。
【0007】「岩波生物学辞典」(第3版岩波書店、19
83年3月10日発行)や辻坂好夫編著「応用酵素学」(第
50頁、株式会社講談社、1979年6月1日発行)による
と、プロトペクチナーゼについては、その存在が推定さ
れてはいたものの、最近まで標品として得られておら
ず、実際に酵素標品として見出されたのは最近であり報
告されているものに関しても、ごく限られたものである
(T. Sakai and M. Okushima, Agric.Biol.Chem., 42,2
427(1978), T. Sakai and M. Okushima, Agric.Biol.Ch
em.,46,667(1982),T. Sakai and T. Sakamoto, Agric.
Biol.Chem., 54,879(1990)等)。
【0008】また、プロトペクチナーゼの応用に関して
は、特開平6−220772号公報や「染色工業」(43
巻, No.4, p162〜173(1995))にプロトペクチナーゼを
繊維の精練に用いることが提案されているにすぎず、洗
浄剤への配合に関する報告はない。
【0009】プロトペクチナーゼは、AタイプとBタイ
プの2種に分類されることが知られている(坂井,阪
本,繊維工学,45, 301 (1992))。すなわち、プロトペ
クチンのポリガラクツロン酸の部分を分解して可溶化す
る酵素をAタイププロトペクチナーゼ、またそれ以外の
部分(ペクチン質とセルロース分子が結合する部位等)
に作用する酵素をBタイププロトペクチナーゼとして分
類するものである。本発明においては、これらAタイプ
及びBタイプのいずれも使用できる。
【0010】本発明に用いられるプロトペクチナーゼの
最適反応pHはプロトペクチン又はポリガラクツロン酸を
基質とした系で7.0以上であれば良いが、洗浄力の面
から最適反応pH7.5以上のものが好ましく、さらにpH
8.0以上のものが特に好ましい。なお、最適反応pHの
測定には、当業者に公知のさまざまな緩衝液系を用いる
ことができるが、そのいずれかの緩衝液系で最適反応pH
が7.0以上であれば良い。また、基質としてはプロト
ペクチンを基質とする場合にはペクチン質を含有する綿
繊維を用いるが、測定上、含有ペクチン質量が多いもの
が好ましい。また、プロトペクチナーゼがAタイプであ
り、ペクチナーゼ活性を有する酵素である場合にはペク
チン酸等を基質として最適反応pHを求めることができ
る。最適反応pHの測定の具体例としては、後述の実施例
に示した如く、ブリトン・ロビンソン広域緩衝液(リン
酸/酢酸/ホウ酸/水酸化ナトリウム)(日本化学会
編、新実験化学講座20,生物化学〔II〕,1229頁丸善
(株), 1978年10月20日発行)又はグリシン−水酸化ナ
トリウム緩衝液を用い、綿布又はポリガラクツロン酸を
基質とした系が挙げられる。
【0011】また、本発明に用いられるプロトペクチナ
ーゼとしては、pH8.0における綿ペクチン遊離力が高
い酵素が好ましく、0.2mg/g綿以上の綿ペクチン遊
離力を有する酵素が洗浄効果の面でより好ましい。ここ
で、綿ペクチン遊離力とは、綿糸(20mg/ml)に酵素
(0.4mg/ml)を30℃、1時間作用させたときに綿
糸1gから遊離するペクチン量(mg)をいい、詳細には
後述の実施例の如くして測定される。
【0012】本発明で用いるプロトペクチナーゼとして
は、植物、細菌及び菌類に広く分布しているものを使用
でき、その起源は特に限定されないが、例えば、バチル
ス属(Bacillus)等の細菌類;トリコスポロン属(Tric
osporon)、エンドマイセス属(Endomyces)、エンドマ
イコプシス属(Endomycopsis)、サッカロマイセス属
Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizos
accharomyces)、ピヒア属(Pichia)、ハンセヌラ属
Hansenula)、デバリオマイセス属(Debaryomyce
s)、ハンセニアスポラ属(Hanseniaspora)、トルロプ
シス属(Torulopsis)、カンジダ属(Candida)、クル
イベロマイセス属(Kluyveromyces)等の酵母類;フサ
リウム属(Fusarium)、ガラクトマイセス属(Galactom
yces)、アスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス
属(Rhizopus)、トラメテス属(Trametes)等の糸状菌
類等が挙げられる。このうちバチルス属に属する微生物
由来のプロトペクチナーゼが特に好ましい。
【0013】また、本発明で用いるプロトペクチナーゼ
としては、前述のようなプロトペクチナーゼ活性を有す
る限り、他の酵素活性を併せもっていてもよく、例えば
プロトペクチナーゼ活性を有するペクチン酸リアーゼで
あってもよい。プロトペクチナーゼ活性を有する酵素の
具体例としては、バチルス エスピーKSM−P15株
やバチルス エスピー KSM−366株の生産するペ
クチン酸リアーゼ、バチルス ズブチリス IFO12
113株由来のBタイププロトペクチナーゼ、これらの
酵素を構成するアミノ酸配列の1又は2以上のアミノ酸
が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列を有する酵
素、及びこれらの酵素の抗体と免疫交差反応を示す酵素
が挙げられる。
【0014】特に本発明ではKSM−P15株由来の酵
素が好ましい。KSM−P15株の生産するプロトペク
チナーゼ活性を有するペクチン酸リアーゼのアミノ酸配
列を配列番号1に示す。本発明では配列番号1に示すア
ミノ酸配列又は該アミノ酸配列の1若しくは2以上のア
ミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を
有する酵素を使用することができ、詳しくは、欠失、置
換若しくは付加(以下、変異ということがある)は、プ
ロトペクチナーゼ活性とペクチン酸リアーゼ活性を失わ
ない限り特に制限されないが、配列番号1における10
7位リジン、129位リジン及び132位アルギニンを
保存するような変異であるのが望ましい。また、変異の
程度は特に制限されないが、上記107位、129位及
び132位を保存する限り、配列番号1中のアミノ酸番
号36〜132のうち55.7%以上の相同性を有して
いるのが好ましく、70%以上の相同性を有しているの
がより好ましく、80%以上の相同性を有しているのが
特に好ましい。
【0015】なお、バチルス エスピー KSM−36
6株の生産するプロトペクチナーゼ活性を有するペクチ
ン酸リアーゼの詳細な酵素学的性質は、以下の通りであ
り、その測定方法については後述している(実施例の
(III−1−B)参照)。
【0016】 (1)作用 ペクチン酸(ポリガラクツロン酸)をβ−脱離反応に よってエンド的にα−1,4結合を切断すると共に非 還元末端のC4−C5位に二重結合を付与し不飽和ジ ガラクツロニド、あるいは不飽和オリゴガラクツロニ ドを生成する。 (2)基質特異性 プロトペクチン、ペクチン酸(ポリガラクツロン酸) 、酸可溶性ペクチン酸、ペクチンに作用する。 (3)最適反応pH pH8.0〜9.0(ブリトン・ロビンソン広域緩衝液 ) (4)最適反応温度 約60℃(pH8、トリス−塩酸緩衝液) (5)分子量 約43kDa(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動 法) (6)等電点 pH10.3付近(等電点電気泳動法)
【0017】また、バチルス エスピー KSM−P1
5株の生産するプロトペクチナーゼ活性を有するペクチ
ン酸リアーゼの詳細な酵素学的性質は、以下の通りであ
り、その測定方法については後述している(実施例(II
I−2−B)参照)。
【0018】 (1)作用 ペクチン酸(ポリガラクツロン酸)をβ−脱離反応に よってエンド的にα−1,4結合を切断すると共に非 還元末端のC4−C5位に二重結合を付与し不飽和ジ ガラクツロニド、あるいは不飽和オリゴガラクツロニ ドを生成する。 (2)基質特異性 プロトペクチン、ペクチン酸(ポリガラクツロン酸) 、酸可溶性ペクチン酸、ペクチンに作用する。 (3)最適反応pH pH10.3〜10.7(グリシン−水酸化ナトリウム 緩衝液) (4)最適反応温度 50〜55℃(pH10.5、グリシン−水酸化ナトリ ウム緩衝液) (5)分子量 約20〜21kDa(沈降平衡法;SDS−ポリアク リルアミド電気泳動法では約26kDa) (6)等電点 pH10.3付近(等電点電気泳動法) (7)アミノ末端配列 アミノ末端配列はAPTVVHETIRVPAGQT FDGKを含む。
【0019】前記アルカリプロトペクチナーゼ活性を有
する酵素の生産菌としては、前述した菌又は、それらの
変異株、あるいはこれらの酵素若しくはその変異体をコ
ードするDNA配列を有する組換えベクターで形質転換
された宿主細胞等が挙げられる。
【0020】組換えベクターを作製するには、目的とす
る宿主内で遺伝子を発現するのに適した任意のベクター
に該遺伝子を組み込めばよい。かかるベクターとして
は、大腸菌を宿主とする場合、pBR322、pUC1
8、pUC19等が挙げられ、枯草菌を宿主とする場
合、pUB110等が挙げられる。
【0021】前記プロトペクチナーゼ活性を有する酵素
の生産菌及びその変異株、ならびにこれらの酵素又はそ
の変異体をコードするDNA配列を有する組換え体DN
Aで形質転換された宿主細胞等を用いてプロトペクチナ
ーゼ活性を有する酵素を生産するには、菌株を同化性の
炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地に接種
し、常法に従い培養すれば良い。
【0022】かくして得られた培養液中からの目的物質
であるプロトペクチナーゼ活性を有する酵素の採取及び
精製は、一般の酵素の採取及び精製方法に準じて行うこ
とができる。このようにして得られる酵素液は、そのま
ま用いることもできるがさらに公知の方法により精製、
結晶化又は造粒化することもできる。また、洗剤用組成
物として用いる場合には、培養液を濃縮、透析した後、
噴霧乾燥し、公知の方法により造粒物を製造することも
できる。
【0023】本発明洗浄剤組成物へのプロトペクチナー
ゼの配合量は、酵素活性を発揮し得る量であれば特に制
限されないが、前記綿ペクチン遊離力を指標にして配合
するのが好ましい。例えば上記の綿ペクチン遊離力が
0.2mg/g綿以上となるような酵素標品に換算して洗
濯液中に0.001〜500mg/L、より好ましくは、
0.05〜50mg/Lになるように配合することが望ま
しい。本発明品プロトペクチナーゼがAタイププロトペ
クチナーゼであり、ペクチナーゼ活性を有している場合
には、後述のペクチナーゼ活性測定法により、洗浄時濃
度1〜10000U/L、より好ましくは5〜5000
U/L、さらに好ましくは10〜2000U/Lとなる
ように配合してもよい。本発明による高い泥汚れ洗浄効
果を得るために重要なのは、実際に洗浄が行われるアル
カリ領域においてプロトペクチナーゼ活性を有する酵素
を配合することであり、最適反応pHが7.0以上のプロ
トペクチナーゼ、又はpH8.0において綿ペクチン遊離
力が0.2mg/g綿以上であるプロトペクチナーゼを配
合するのが好適である。すなわち、本発明の実施態様と
しては、配合された洗浄剤のアルカリ溶液中において、
プロトペクチナーゼが作用し、線ペクチンの遊離が起こ
ることが重要である。
【0024】また、本発明の洗浄剤組成物には、公知の
洗浄剤成分を配合することができ、当該公知の洗浄剤成
分としては、例えば次のものが挙げられる。
【0025】(1)界面活性剤:平均炭素数10〜18
のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸
塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオ
キサイドを付加したアルキルエトキシ硫酸塩、平均炭素
数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、平
均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィン
スルホン酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に
有するアルカンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原
子を1分子中に有するα−スルホ脂肪酸メチルあるいは
エチルエステル塩、平均炭素数8〜20の高級脂肪酸
塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオ
キサイドを付加したアルキルエーテルカルボン酸塩など
のアニオン性界面活性剤;平均炭素数10〜20のアル
キル基を有し、1〜20モルのエチレンオキシドを付加
したポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級脂肪酸
アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加
物、またプロピレンオキサイドとプロピレングリコール
との縮合物にエチレンオキサイドを付加させた、プルロ
ニックという名称で知られているものなどの非イオン性
界面活性剤;その他ベタイン型両性界面活性剤;スルホ
ン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、
アミノ酸型界面活性剤、カチオン性界面活性剤など。
【0026】このうち、洗浄性を高める上で界面活性剤
は、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤を主界面
活性剤として使用することが好ましい。特に陰イオン界
面活性剤としては、炭素数10〜18のアルキル鎖を持
つ直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸
塩、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩が好まし
く、牛脂やヤシ由来の脂肪酸塩を少量配合してもよい。
また非イオン界面活性剤としてはポリオキシアルキレン
〔好ましくはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレ
ン〕アルキルエーテルが好適である。
【0027】これらの界面活性剤は洗浄剤組成物中0.
5〜60重量%(以下単に%で示す)配合され、特に粉
体状洗浄剤組成物については10〜45%、液体洗浄剤
組成物については20〜50%配合することが好まし
い。また、洗浄剤組成物が漂白剤を40%(有効酸素濃
度10%換算)以上含有する洗浄剤である場合には、界
面活性剤は好ましくは1〜10%より好ましくは1〜5
%配合される。
【0028】(2)その他酵素成分 本発明の洗浄剤組成物は、 プロトペクチナーゼ以外の酵
素を含有してもよい。反応性から分類すると、ハイドロ
ラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トラ
ンスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類が挙げられ、特に
好ましいのはセルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ア
ミラーゼ、プルラナーゼ、エステラーゼ、ヘミセルラー
ゼ、パーオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ及びプ
ロトペクチナーゼ以外のペクチナ−ゼであり、市販され
ている酵素を公知の配合量で配合してもよい。例示され
る好ましい酵素としては、特開平5−25492号記載
のプロテアーゼ、アルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナ
ーゼ、デュラザイム(ノボノルディクス社)、プラフェ
クト、マキサペム、プロペラーゼ(ジェネンコア社)等
のプロテアーゼや特公平4−43119号記載のセルラ
ーゼ、セルザイム(ノボノルディスク社)等のセルラー
ゼ、リポラーゼ(ノボノルディスク社)、リポマックス
(ジェネンコア社)等のリパーゼ、WO94/2688
1記載の液化型α−アミラーゼ、特公平7−8993
号、特公平7−49594号記載のプルラナーゼ、特開
平6−264094号記載のα−アミラーゼ活性を有す
るアルカリプルラナーゼ、ターマミル、デュラミル(ノ
ボノルディスク社)、マキサミル、プラフェクト Ox
Am(ジェネンコア社)等のアミラーゼ等が挙げられ
る。
【0029】これらの酵素のうち、前記プロトペクチナ
ーゼにセルラーゼ又はプロテアーゼを併用すると泥汚れ
に対する洗浄力がより向上する。また、前記プロトペク
チナーゼにセルラーゼ及びプロテアーゼを併用すると泥
汚れに対する洗浄力はさらに向上する。
【0030】(3)漂白剤 本発明の洗浄剤組成物は、漂白剤を配合することによ
り、さらに泥汚れに対する洗浄力を向上させることがで
きる。かかる漂白剤としては、過炭酸ナトリウム、過ホ
ウ酸ナトリウム等が挙げられる。
【0031】(4)金属イオン封鎖剤:トリポリリン酸
塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩などの縮合リン酸
塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、合成層状結晶
性ケイ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢
酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアセタールカ
ルボン酸塩など。
【0032】このうち、結晶性アルミノ珪酸塩(合成ゼ
オライト)が特に好ましく、A型、X型、P型ゼオライ
トのうち、A型が特に好ましい。合成ゼオライトは、平
均一次粒径0.1〜10μm、特に0.1〜5μmのも
のが好適に使用される。
【0033】この金属イオン封鎖剤は、0〜50%、好
ましくは5〜40%配合される。また、リンを含有しな
い金属イオン封鎖剤を用いることがより好ましい。また
特開平7−89712号公報、特開昭60−22789
5号公報及びPhys. Chem. Giasses, 7, p127-p138(196
6)、Z. Kristallogr., 129. p396-p404(1969)等に記載
されている高い金属イオン封鎖能を有する結晶性珪酸塩
も好ましく、具体的には結晶性珪酸塩としてクラリアン
ト社(旧ヘキストトクヤマ社)より市販されている「S
KS−6」(δ−Na2Si25)を配合することが好
ましい。
【0034】(5)再汚染防止剤:ポリエチレングリコ
ール、カルボン酸系ポリマー、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等が用いられる。このうち、カル
ボン酸系ポリマーは、再汚染防止作用の他、金属イオン
を封鎖する機能、固体粒子汚れを衣料から洗濯浴中へ分
散させる作用がある。カルボン酸系ポリマーはアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸等のホモポリマーないし
コポリマーであり、コポリマーとしては上記モノマーと
マレイン酸と共重合したものが好適であり、分子量が数
千〜10万のものが好ましい。上記カルボン酸系ポリマ
ー以外に、ポリグリシジル酸塩等のポリマー、カルボキ
シメチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリア
スパラギン酸塩などのアミノカルボン酸系のポリマーも
金属イオン封鎖能、分散能及び再汚染防止能を有するの
で好ましい。再汚染防止剤は20%以下、好ましくは1
0%以下、もっとも好ましくは1〜5%配合される。
【0035】(6)アルカリ剤 アルカリ剤としては、従来より知られているアルカリ剤
を配合することが好ましい。アルカリ剤としては、粉末
洗剤の場合、デンス灰や軽灰と総称される炭酸ナトリウ
ム等のアルカリ金属炭酸塩、並びにJIS1号、2号、
3号等の非晶質のアルカリ金属珪酸塩が挙げられる。こ
れら、無機性のアルカリ剤は洗剤乾燥時に、粒子の骨格
形成において効果的であり、比較的硬く、流動性に優れ
た洗剤を得ることができる。これら以外のアルカリとし
ては、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど
が挙げられ、またトリポリリン酸塩等のリン酸塩もアル
カリ剤としての作用を有する。また液体洗剤に使用され
るアルカリ剤としては、上記アルカリ剤の他に、水酸化
ナトリウムならびにモノ、ジ又はトリエタノールアミン
を使用することができ、活性剤の対イオンとしても使用
できる。本発明において、アルカリ剤は、組成物中に
0.01〜60%、さらに1〜50%、特に1〜20%
配合することが好ましい。
【0036】(7)その他の成分としては、硫酸ナトリ
ウム等の増量剤、特開平6−316700号公報記載及
びテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)等の漂
白活性化剤、ホウ素化合物及び亜硫酸ナトリウム等の酵
素安定剤、非晶質アルミノ珪酸塩などの吸油性担体、シ
リコーン/シリカ系等の消泡剤、酸化防止剤、蛍光染
料、青味付剤並びに香料等の従来から公知の成分を公知
の配合量で配合することができる。上記成分として具体
的には特開平8−218093号公報第4頁右欄18行
目〜7頁左欄17行目に記載されているものを使用する
ことができる。
【0037】本発明の洗浄剤組成物は、上記プロトペク
チナーゼ及び上記公知の成分を組み合せて常法に従い、
製造することができる。洗浄剤の形態は、用途に応じて
選択することができ、例えば液体、粉末、顆粒等とする
ことができる。また、本発明洗浄剤組成物は、衣料用洗
浄剤、漂白洗浄剤等として使用することができるが、特
に衣料用洗浄剤として好適に使用することができる。衣
料用顆粒状洗浄剤とする場合、基本的には、別途製造し
た洗剤生地に別に造粒した酵素粒子をドライブレンドす
る方法が好適である。
【0038】
【実施例】
I.各種測定法 (I−1)最適反応pHの測定法 プロトペクチンを基質とした場合 反応系での綿繊維の終濃度が2%(w/v)となるよう
な基質溶液1.9ml(ブリトン・ロビンソン広域緩衝液
/pH3〜12)に、適当濃度の酵素溶液0.1mlを加え
て30℃にて1時間反応させた。反応液を遠心分離(30
00rpm,5分,4℃)した上清0.25mlに氷冷濃硫酸
(96%)3mlを添加して混合した。さらに、0.25
mlのカルバゾール溶液(0.2%カルバゾール/100
%エタノール)を加えて混合し、80℃の湯浴中にて2
0分間発色させた。20分間水冷した後、525nmでの
吸光度を測定した。遊離したペクチン量を同時に作成し
たD−ガラクツロン酸の検量線より算出した。綿ペクチ
ンはプロトペクチンであり、これを遊離・可溶化する酵
素は、すなわちプロトペクチナーゼである。最も高い綿
ペクチン遊離量を示したpHを最適反応pHとした。なお、
本測定法に用いる基質である綿繊維としては、ペクチン
質を含有する各種綿布や綿糸等が使用できるが、測定
上、よりペクチン質含量の多いものが好ましく、シュウ
酸アンモニウム抽出法(後述)では5mg/g綿以上とな
るようなものが特に好ましい。また、本測定法に用いる
緩衝液は、ブリトン・ロビンソン広域緩衝液以外の緩衝
液であってもよい。酵素によっては特定の緩衝液が酵素
活性に影響を与える場合があること等から、目的・場面
に応じて当業者に公知の任意の緩衝液系を用いてよい。
【0039】ポリガラクツロン酸を基質とした場合 反応系でのポリガラクツロン酸(PG;ICN Biomedicals
社,オハイオ)終濃度が0.5%、塩化カルシウムの終
濃度が0.5mMとなるような基質溶液0.9ml(ブリト
ン・ロビンソン広域緩衝液/pH3〜12)に、適当濃度
の酵素溶液0.1mlを加えて、30℃、20分間反応さ
せた。反応後1mlのDNS溶液(3,5−ジニトロサリ
チル酸0.5%,水酸化ナトリウム1.6%,酒石酸カ
リウムナトリウム30%)を加え、5分間煮沸して還元
糖を発色させた。発色後直ちに氷冷し(15分程度)、
4mlのイオン交換水を加えて混合し、遠心分離(3000rp
m,10分)した上清の535nmでの吸光度を測定した。生
成した還元糖量を同時に作成したD−ガラクツロン酸の
検量線から算出して酵素活性値を求め、活性値が最大で
あるpHを最適反応pHとした。なお、本測定法に用いる緩
衝液は、ブリトン・ロビンソン広域緩衝液以外の緩衝液
であってもよい。酵素によっては特定の緩衝液が活性に
影響を与える場合があること等から、目的・場面に応じ
て当業者に公知の任意の緩衝液系を用いてよい。
【0040】(I−2)綿ペクチン遊離力(pH8.0)
の測定法 反応系での綿糸の終濃度が2%(w/v)となるような
基質溶液1.9ml(終濃度50mMトリス−塩酸緩衝液/
pH8.0)に終濃度0.4mg/mlとなるような酵素溶液
0.1mlを加えて、30℃、1時間反応させた。反応液
を遠心分離(3000rpm,5分,4℃)した上清0.25ml
に氷冷濃硫酸(96%)3mlを添加して混合した。さら
に0.25mlのカルバゾール溶液(0.2%カルバゾー
ル/100%エタノール)を加えて混合し、80℃の湯
浴中にて20分間発色させた。20分間水冷したのち5
25nmでの吸光度を測定した。遊離したペクチン量を同
時に作成したD−ガラクツロン酸の検量線より算出し
た。この値から綿1gから遊離したペクチン量を算出
し、pH8.0における綿ペクチン遊離力とした。綿ペク
チンはプロトペクチンであり、綿ペクチン遊離力を有す
る酵素は、すなわちアルカリ領域でプロトペクチナーゼ
活性を有する酵素である。なお、本測定法に用いる基質
である綿糸としては、ペクチン質含量がシュウ酸アンモ
ニウム抽出法(後述)で1.5〜2.5mg/g綿となる
糸を用いる。本発明ではカネボウカタン糸の30番手や
40番手等を使用した。
【0041】(I−3)綿ペクチンのシュウ酸アンモニ
ウム抽出法と定量 シュウ酸アンモニウム抽出法により綿繊維からペクチン
質を抽出・定量した。0.5%シュウ酸アンモニウム溶
液に1%(w/v)となるよう細断綿を加えて抽出操作
を行い、カルバゾール硫酸法にて抽出ペクチン量を定量
した。抽出定量操作は「静岡県浜松工業技術センター研
究報告」(No. 4, p17〜22(1994))記載の方法に準じて
行った。
【0042】(I−4)酵素粉末のペクチナーゼ活性値
の測定 反応系でのポリガラクツロン酸(PG;ICN Biomedicals
社,オハイオ)終濃度が0.5%、塩化カルシウムの終
濃度が0.5mMとなるような基質溶解緩衝液0.9ml
に、適当濃度の酵素溶液0.1mlを加えて、30℃、2
0分間反応させた。なお、基質溶液の緩衝液系は、測定
酵素がアルカリ酵素である場合には終濃度50mMグリシ
ン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.0)を、酸性酵
素である場合には終濃度10mMクエン酸緩衝液(pH5.
0)を用いた。反応後1mlのDNS溶液(3,5−ジニ
トロサリチル酸0.5%,水酸化ナトリウム1.6%,
酒石酸カリウムナトリウム30%)を加え、5分間煮沸
して還元糖を発色させた。発色後直ちに氷冷し(15分
程度)、4mlのイオン交換水を加えて混合し、遠心分離
(3000rpm,10分)して上清の535nmでの吸光度を測定
した。生成した還元糖量を同時に作成したD−ガラクツ
ロン酸検量線から算出し、酵素活性値を求めた。なお、
酵素活性は1分間に1μmol のガラクツロン酸等量の還
元糖を生成する酵素量を1Uと定義した。
【0043】(I−5)セルラーゼ活性測定法 反応系でのカルボキシメチルセルロース(CMC:Sunrose
A01MC, DS=0.65-0.75, DP=250, 日本製紙(株))終
濃度が1.0%、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH10.0)の終濃度が100mMとなるような基質溶
液0.9mlに、適当濃度の酵素溶液0.1mlを加えて、
40℃、20分間反応させた。反応後1mlのDNS溶液
(3,5−ジニトロサリチル酸0.5%,水酸化ナトリ
ウム1.6%,酒石酸カリウムナトリウム30%)を加
え、5分間煮沸して還元糖を発色させた。発色後直ちに
氷冷し(15分程度)、4mlのイオン交換水を加えて混
合した後535nmでの吸光度を測定した。生成した還元
糖量を同時に作成したD−グルコース検量線から算出
し、酵素活性値を求めた。なお、酵素活性は1分間に1
μmol のグルコース当量の還元糖を生成する酵素量を1
Uと定義した。
【0044】(I−6)プロテアーゼ活性測定法 アンソン−ヘモグロビン法(M. L. Anson, J. Gen. Phy
siol., 22,79(1938))の改良法により尿素変性ヘモグロ
ビンに対する分解活性を測定した。すなわち、反応系で
の尿素変性ヘモグロビン終濃度が1.47%、塩化カル
シウムの終濃度が0.4mM、となるような基質溶液0.
65mlに、適当濃度の酵素溶液0.1mlを加えて、pH1
0.5、25℃、20分間反応させた。反応後1mlのト
リクロロ酢酸(TCA:5%w/v溶液)を加えて反応を
停止させ、遠心分離(3000rpm,10分)した。上清中の蛋
白をフェノール試薬により呈色させ、TCA可溶化蛋白
量を同時に作成したチロシンの検量線から算出して酵素
活性値を求めた。なお、酵素活性は1分間に1mmolのチ
ロシン等量のTCA可溶化蛋白を生成する酵素量を1U
と定義した。
【0045】II.アルカリプロトペクチナーゼ生産菌の
分離 II−1.バチルス エスピー KSM−366株の分離 日本各地の土壌を滅菌水に懸濁したもの、あるいは花王
(株)で保存している微生物をポリガラクツロン酸を含
有する寒天平板培地に塗布し、30℃で3〜5日間培養
を行った。菌が生育した後、1%(w/v)CTAB溶
液(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)を流し
込み10分間静置した。コロニーの周辺にポリガラクツ
ロン酸の分解によるクリアーゾーンを形成した菌を選抜
してペクチン酸リアーゼ生産菌として保存し、粗酵素を
調製し種々の評価に供した。その結果、アルカリプロト
ペクチナーゼ活性を有する酵素の生産菌としてバチルス
エスピー KSM−366株を得た。
【0046】KSM−366株の菌学的性質は以下の通
りである。
【0047】 A 形態学的性質 (a)細胞の形及び大きさ 桿菌 0.6〜0.8×3〜5μm (b)多形性 無し (c)運動性 有り(周鞭毛) (d)胞子(大きさ、形、位置、膨潤の有無) 0.6〜1.0×1.0〜5μm,中央、 準端、膨潤無し (e)グラム染色 陽性 (f)抗酸性 陰性 (g)肉汁寒天平板培地上での生育 乳白色、円滑あるいは葉状のコロニーを形 成 (h)リトマスミルク アルカリになり、液化する
【0048】 B 生理学的性質 (a)硝酸塩の還元 陽性 (b)脱窒反応 陰性 (c)MRテスト 陰性(pH5.8) (d)VPテスト 陽性 (e)インドール生成 陰性 (f)硫化水素生成 陰性 (g)デンプン加水分解 陽性 (h)クエン酸の利用 陽性 (i)無機窒素の利用 硝酸塩、アンモニウム塩を利用する (j)色素の生成 無し (k)ウレアーゼ 陰性 (l)オキシダーゼ 陽性 (m)カタラーゼ 陽性 (n)生育の温度範囲 10℃〜45℃(至適温度は、30℃〜4 0℃) (o)生育のpH範囲 pH5〜11(最適生育pHは、pH6〜9) (p)生育における酸素の影響 嫌気条件下で生育する (q)OFテスト −(生育するが、色調の変化はない) (r)塩化ナトリウムに対する耐性 10%の塩化ナトリウムを含有する培地で 生育可能 (s)糖からの酸生成 ガラクトース、キシロース、アラビノース 、シュークロース、グルコース、マンニト ール、マンノース、イノシトール、ソルビ トール、トレハロース、グリセリン、マル トース、フラクトース、ラフィノース、メ リビオース及び可溶性でんぷんから酸を生 成し、ラクトースから酸を生成しない (t)グルコースからのガスの発生 無し
【0049】以上の菌学的性質について「Bergey' s Ma
nual of Systematic Bacteriology」(Willianm & Wilki
ns社、1984年)の記載に準じ検討したところ、本菌株は
バチルス リケニホルミス(Bacillus licheniformis
に属させることが妥当である。しかし、本菌株は、45
℃までしか生育できない点、pH11まで生育できるとい
う点において既知のバチルス リケニホルミスとは明ら
かに異なる新規な微生物である。
【0050】以上の結果から、本菌株はバチルス リケ
ニホルミスに属させることが妥当であるが、いくつかの
点においてこれと相違し、他の公知の菌株とも異なるの
で本菌株を工業技術院生命工学技術研究所に バチルス
エスピー (Bacillus sp.)KSM−366(FER
M P−14772 FERM BP−6262)とし
て寄託した。
【0051】II−2.バチルス エスピー KSM−P
15株の分離 前記II−1と同じ方法により、アルカリプロトペクチナ
ーゼ活性を有する酵素の生産菌としてバチルス エスピ
ー KSM−P15株を得た。
【0052】KSM−P15株の菌学的性質を以下に示
す。
【0053】 A 形態学的性質 (a)細胞の形及び大きさ 桿菌 0.3〜0.5×1.6〜2.1μ m (b)多形性 無し (c)運動性 有り (d)胞子(大きさ、形、位置、膨潤の有無) 0.6〜0.7×1.2〜1.4μm, 中央、準端,膨潤有り (e)グラム染色 陽性 (f)抗酸性 陰性 (g)肉汁寒天平板培地上での生育 黄白色、点状、隆起状、全縁のコロニーを 形成 (h)リトマスミルク 僅かに赤色を呈するが凝固はしない
【0054】 B 生理学的性質 (a)硝酸塩の還元 陽性 (b)脱窒反応 陰性 (c)MRテスト 陽性(pH5.5) (d)VPテスト 陽性 (e)インドール生成 陰性 (f)硫化水素生成 陰性 (g)デンプン加水分解 陽性 (h)クエン酸の利用 陽性 (i)無機窒素の利用 硝酸塩、アンモニウム塩を利用しない (j)色素の生成 無し (k)ウレアーゼ 陰性 (l)オキシダーゼ 陽性 (m)生育の温度範囲 20℃〜45℃ (n)生育のpH範囲 pH7〜10 (o)生育における酸素の影響 嫌気条件下で生育する (p)OFテスト 生育するが色調の変化は認められない (q)グルコースからのガス産生 無し (r)塩化ナトリウムに対する耐性 3%塩化ナトリウム含有培地で生育で きない (s)糖からの酸生成 ガラクトース、キシロース、アラビノース 、シュークロース、グルコース、マンニト ール、マンノース、トレハロース、ラクト ース、グリセリン、マルトース、フラクト ース、ラフィノース、メリビオース及び可 溶性でんぷんから酸を生成するが、イノシ トール、ソルビトールから酸生成しない
【0055】以上の菌学的性質について「Bergey' s Ma
nual of Systematic Bacteriology」(Williams & Wilki
ns社、1984年)の記載に準じ検討したところ、本菌株は
バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)に属
させることが妥当である。しかし、バチルス サーキュ
ランスは、一般的に非常に多様性に富む菌株であり、本
菌株の諸性質は既知のバチルス サーキュランスの諸性
質とは完全に一致しない新規な微生物である。そこで
本菌株を工業技術院生命工学技術研究所にバチルス エ
スピー (Bacillus sp.)KSM−P15(FERM
P−15987、FERM BP−6241)として寄
託した。
【0056】III.アルカリプロトペクチナーゼ活性を
有するペクチン酸リアーゼの調製法と酵素学的性質 III−1.バチルス エスピー KSM−366株の生
産するペクチン酸リアーゼ
【0057】A.酵素の調製法 バチルス エスピー KSM−366株を、ペクチン質
0.5%、炭酸ナトリウム0.5%を含むニュートリエ
ントブロス0.8%で総計72時間培養した後、培養液
を遠心分離して菌体を除去し、得られた上澄み液を限外
濾過(分画分子量6000)により濃縮した。この濃縮
液を凍結乾燥して酵素原末を得た。本酵素はプロトペク
チナーゼ活性を有しており、本酵素を以後プロトペクチ
ナーゼAとする。
【0058】次いでプロトペクチナーゼAを25mMのト
リス−塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、同緩衝液にて
平衡化したスーパーQ トヨパール650C(東ソー
(株))カラム(5×20cm)に適用した。平衡化緩衝
液にて溶出される画分(カラムに非吸着な画分)を集
め、さらにこれを20mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平
衡化したSPトヨパール550C(東ソー(株))カラ
ム(2.5×20cm)に添着した。0〜0.3Mの塩化
ナトリウムを含む同平衡化緩衝液を用いた濃度勾配溶出
法によりタンパク質を溶出させ、ペクチナーゼ活性を示
す画分を集めた。この画分を限外濾過(PM10メンブ
レン, 分画分子量10000,アミコン社)にて濃縮
後、100mM塩化ナトリウム、1mM塩化カルシウムを含
む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化した
セファクリルS−200(ファルマシア社)カラム
(2.6×60cm)に適用して同緩衝液にて溶出させ
た。溶出したほぼ単一タンパクより成るペクチナーゼ活
性画分を集めて透析、凍結乾燥して精製粉末酵素を得
た。本酵素はプロトペクチナーゼ活性を有しており、本
酵素をプロトペクチナーゼPAとする。
【0059】B.酵素学的性質 (a)標準酵素活性測定法 0.5mM塩化カルシウム、0.2%ポリガラクツロン酸
(シグマ社)、及び0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH
8)を含む基質溶液(3ml)を30℃で5分間恒温した
後、0.1mlの適当に希釈した酵素液(希釈は1mM塩化
カルシウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液,pH7.5
により行った)を加え反応を開始した。30℃で20分
間インキュベートした後、沸騰水中で5分間放置し反応
を停止した。生成した不飽和オリゴガラクツロン酸量は
235nmにおける吸光度を測定し、不飽和ジガラクツロ
ン酸の分子吸光係数4600M-1cm-1(S. Hasegawa an
d C.W. Nagel, J. Food Sci., 31, 838(1966))を用い
て求めた。なお、ブランクは酵素液を加えた直後に沸騰
水中で5分間放置したものを用いた。酵素1単位(1
U)は、上記反応条件下において1分間に1μmol の不
飽和ジガラクツロン酸相当の不飽和オリゴガラクツロン
酸を生成する量とした。尚、最適反応pHを求める実験で
は235nmでの吸光度の増加を直接測定するタイムスキ
ャン法を用いた。
【0060】(b)最適反応pH 0.2Mブリトン・ロビンソン広域緩衝液(pH6.5〜
12.0)を用いて標準酵素活性測定法に従って測定し
た。その結果、最適反応pHは8.0〜9.0であった。
【0061】(c)最適反応温度 0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)中にて5℃〜
70℃の各温度で酵素反応を行い、最適反応温度を調べ
た。その結果、本酵素は、10℃〜70℃の広範囲にお
いて作用し、その最適反応温度は約60℃であった。
【0062】(d)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミ
ド電気泳動法(12.5%ゲル)により求めた。その結
果、本酵素の分子量は約43kDaと見積られた。
【0063】(e)等電点 pH8〜10.5、又はpH3〜10のアンフォライン(フ
ァルマライト,ファルマシア社)を含む5%ポリアクリ
ルアミドゲルを用いた等電点電気泳動法により求めた。
その結果、本酵素の等電点はpH10.3付近であった。
【0064】III−2.バチルス エスピー KSM−
P15株の生産するペクチン酸リアーゼ
【0065】A.酵素の調製法 バチルス エスピー KSM−P15株を、III−1.
A.と同様にして培養し、酵素原末を得た。本酵素はプ
ロトペクチナーゼ活性を有しており、本酵素を以後プロ
トペクチナーゼBとする。
【0066】次いでプロトペクチナーゼBを1mM塩化カ
ルシウムを含む50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)に溶解し、同緩衝液にて平衡化したスーパーQ ト
ヨパール650C(東ソー(株))カラム(5×20c
m)に適用した。平衡化緩衝液にて溶出される画分(カ
ラムに非吸着な画分)を集め、さらにこの画分をBio Ca
d60 HPLCシステム (日本パーゼプティブ社) を用いて精
製した。この際の使用カラムはHS( スルフォプロピル
基;1×10cm) 、使用緩衝液は0.2mM塩化カルシウ
ムを含む20mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.0)とし
た。同カラムに吸着したタンパクを0〜0.2Mの塩化
ナトリウムを含む同緩衝液を用いた濃度勾配溶出法によ
って溶出し、ほぼ単一のタンパクよりなるペクチナーゼ
活性画分を集めて、透析、凍結乾燥して精製粉末酵素を
得た。本酵素はプロトペクチナーゼ活性を有しており本
酵素をプロトペクチナーゼPBとする。
【0067】B.酵素学的性質 (a)標準酵素活性測定法 試験管に0.3mlの0.5M グリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液(pH10.5)、0.3mlの6mM 塩化カル
シウム溶液、1.7mlの脱イオン水を加え、30℃で5
分間恒温した後、0.1mlの適当に希釈した酵素液(希
釈は1mM塩化カルシウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝
液、pH7.5により行った)を加えさらに5分間恒温し
た。反応は、0.6mlの1%(w/v)ポリガラクツロ
ン酸(ICN Biomedicals社)水溶液を添加し開始した。
30℃で10分間インキュベートした後、3mlの50mM
塩酸を加え反応を停止した。生成した不飽和オリゴガ
ラクツロン酸量は235nmにおける吸光度を測定し、不
飽和ジガラクツロニドの分子吸光係数4600M-1cm-1
(S. Hasegawa and C. W. Nagel, J. Food Sci., 31, 8
38(1966))を用いて求めた。なお、ブランクは酵素液を
加えずに処理した反応液に3mlの50mM塩酸を加え、そ
の後に0.1mlの酵素液を添加したものを用意した。酵
素1単位(1U)は、上記反応条件下において1分間に
1μmol の不飽和ジガラクツロニド相当の不飽和オリゴ
ガラクツロニドを生成する量とした。
【0068】(b)最適反応pH 50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7〜9)、又は50mMグ
リシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5〜11.
0)を用いて標準酵素活性測定法に従って測定した。そ
の結果、本酵素はグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液pH
10.5中で最大の活性を示した。pH10.3〜10.
7の範囲内においては最高活性の90%以上の活性を示
した。さらにpH10.0〜11.0の範囲内においては
最高活性の70%以上の活性を示した。
【0069】(c)最適反応温度 50mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.
5)中にて10℃〜70℃の各温度で酵素反応を行い、
最適反応温度を調べた。その結果、本酵素は、10℃−
65℃の広範囲において作用し、その最適反応温度は5
0〜55℃であった。
【0070】(d)分子量 (d−1)沈降平衡法による本酵素の分子量は20.3
±1.0kDaであった。
【0071】(d−2)SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動法(15%ゲル)により求めた。その結果、本酵
素の分子量は約26kDaと見積られた。尚、標準蛋白
質として分子量マーカー(SDS-PAGE Molecular Weight
Standard, Low Range(Bio-Rad社))を用いた。
【0072】(e)等電点 pH8−10.5のアンフォライン(ファルマライト,フ
ァルマシア社)を含む5%ポリアクリルアミドゲルを用
いた等電点電気泳動法により求めた。その結果、本酵素
の等電点はpH10.3付近であった。
【0073】(f)アミノ末端配列 本酵素をProSorbフィルター(パーキンエルマー
社)にブロッティングし、プロテインシークエンサー
(674型,アプライドバイオシステム社製)を用いて
アミノ末端配列を決定した結果、APTVVHETIR
VPAGQTFDGKを含んでいた。
【0074】(g)分子内アミノ酸配列 酵素をリシルエンドペプチダーゼで処理し、分子内ペプ
チドフラグメントをC末端フラグメント自動分取装置
(CTFF−1:島津製作所(株))を用いて得た。こ
のサンプルをProSorbフィルターにブロッティン
グし、プロティンシークエンサーによりN−末端アミノ
酸配列を決定したところ、VVIGAPAADGVHで
あった。
【0075】(h)各種化合物の影響 各種化合物を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)中
に添加し、酵素液を加えて30℃、1時間恒温した後に
残存活性を標準酵素活性測定法にて調べた。その結果、
本酵素は、各種界面活性剤(0.01〜0.1%)、各
種キレート剤(0.15〜0.20%)、他の化合物に
より阻害されることはなかった。
【0076】IV. バチルス エスピー KSM−P1
5株由来のペクチン酸リアーゼ遺伝子のクローニングと
形質転換株からの該酵素の調製
【0077】IV−1.遺伝子のクローニング A.ゲノムDNAの調製 バチルス エスピー KSM−P15株を液体培地で好
気的に培養し、培養液を遠心し、菌体を回収した。得ら
れた菌体からSaitoとMiuraの方法(Biochim.
Biophys. Acta, 72, 619(1963))でゲノムDNAを調
製した。
【0078】B.プライマーの調製 前記(III−2)のB−f及びB−gの結果から、プラ
イマー1及びプライマー2を合成した(図1)。 C.クローニング このプライマー1と2を用い、バチルス エスピー K
SM−P15のゲノムDNA(0.5μg)を鋳型とし
て、PCRを行った。得られた増幅断片をPCR断片精
製キット(ベーリンガー・マンハイム社)で精製した
後、プラスミドベクターpUC19のSmaI部位に導
入してクローン化した。得られたクローンの塩基配列を
決定したところ、目的とするペクチン酸リアーゼ遺伝子
配列の一部が検出され、アミノ酸配列も推定できた(図
2参照)。次に、上述のPCR増幅断片の上流と下流の
領域を増幅するためにインバースPCR(inverse PC
R)を行った。図2中に認められる塩基配列、プライマ
ー3とプライマー4を用いた。KSM−P15株のゲノ
ムDNA(1μg)を、あらかじめPstIで消化し、
フェノール/クロロホルム抽出して、T4DNAリガー
ゼを用いて分子内結合(環状化DNA結合)させて鋳型
とした。PCRは、Long Template Sy
stem PCRキット(TaKaRa(株))を用いて行っ
た。その結果約2.0kbp の増幅断片が検出され、ダイ
レクトシークエンスによってこのDNA断片の配列を決
定した。N−末端アミノ酸配列から終止コドン(TAA)
の前のアミノ酸までの197アミノ酸からなるペクチン
酸リアーゼのアミノ酸配列及び塩基配列を配列番号1に
示した。KSM−P15株の生産するペクチン酸リアー
ゼ(分泌型成熟酵素)の分子量は、この配列から209
24Da(約21kDa)と推定される。
【0079】KSM−P15株の産生するペクチン酸リ
アーゼのN−末端アミノ酸Alaの直上流に存在する、
推定シグナルペクチナーゼ認識配列Ala−Glu−A
laと、用いた宿主のベクター由来のシグナル配列が連
結するようにプライマー5(図3参照)をデザインし
た。プライマー6(図3参照)は、ペクチン酸リアーゼ
遺伝子の終止コドン(TAA)から372bp下流に位置す
る26bpからなる配列をデザインした。
【0080】プライマー5と6を用い、KSM−P15
株のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、約1kbp
のDNA断片が増幅された。これをSalIで消化して
おき、SalIとSmaIで切断されたpHSP64
(Sumitomo et al., Biosci. Biotech. Biochem., 56,
872(1992))とリガーゼで連結した(図4を参照)。こ
の組換えプラスミドで大腸菌HB101を形質転換さ
せ、寒天平板培地で生育させたところ、クリアーゾーン
を集落の囲りに形成した(実施例II参照)。得られた本
発明の遺伝子をコードする組換えプラスミドをpHSP
−A156と命名した。
【0081】IV−2.酵素の調製 pHSP−A156で枯草菌ISW1214を形質転換
し、液体培地中で30℃で3日間培養したところ菌体外
に著量のペクチン酸リアーゼを生産した。
【0082】得られたペクチン酸リアーゼの粗酵素液を
前記III−2−Aに従って精製した。本酵素はプロトペ
クチナーゼ活性を有しており、本酵素を以後プロトペク
チナーゼRBとする。プロトペクチナーゼRBのpH−活
性曲線はプロトペクチナーゼPBのそれとほぼ完全に一
致していた。
【0083】V.洗浄試験 V−1.洗浄実験に使用する各種酵素の調製 (a)プロトペクチナーゼA:前記III−1−A記載の
方法により調製 (b)プロトペクチナーゼPA:前記III−1−A記載
の方法により調製 (c)プロトペクチナーゼB:前記III−2−A記載の
方法により調製 (d)プロトペクチナーゼPB:前記III−2−A記載
の方法により調製 (e)プロトペクチナーゼRB:前記IV−2記載の方法
により調製
【0084】(f)プロトペクチナーゼC バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)IFO1
2113株を、坂井らの方法(Agric. Biol. Chem., 5
3, 1213 (1989))に準じて培養した後、菌体を遠心分離
し、得られた上澄み液を限外濾過(分画分子量600
0)により濃縮した。この濃縮液を凍結乾燥して酵素原
末を得た。本酵素は綿ペクチン遊離力を有しており、本
酵素を以後プロトペクチナーゼCとする。本酵素はペク
チナーゼ活性を有していないことからBタイププロトペ
クチナーゼと判断された。
【0085】(g)ペクチナーゼD バチルス エスピー KSM−S272株(工業技術院
生命工学技術研究所寄託番号FERM P-16066)を培養した
後、培養液を遠心分離して菌体を除去し、得られた上澄
み液を限外濾過(分画分子量6000)により濃縮し
た。この濃縮液を凍結乾燥してペクチナーゼ活性を有す
る酵素原末を得た。本酵素を以後ペクチナーゼDとす
る。プロトペクチナーゼDは、アルカリペクチン酸リア
ーゼ活性を有していたが、プロトペクチナーゼ活性を有
していなかった。
【0086】(h)ペクチナーゼPD 次いでペクチナーゼDを1mM塩化カルシウムを含む50
mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、同緩衝
液にて平衡化したスーパーQ トヨパール650M(東
ソー(株))カラム(2.5×10cm)に適用した。平
衡化緩衝液にて溶出される画分(カラムに非吸着な画
分)を集め、さらにこの画分をBio Cad 60HPLC システ
ム (日本パーゼプティブ社) を用いて精製した。この際
の使用カラムはHS(スルフォプロピル基;1×10c
m)、使用緩衝液は0.2mM塩化カルシウムを含む20m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)とした。同カラムに
吸着したタンパクを0〜0.2Mの塩化ナトリウムを含
む同緩衝液を用いた濃度勾配溶出法によって溶出し、ほ
ぼ単一のタンパクよりなるペクチナーゼ活性画分を集め
て、透析、凍結乾燥して精製粉末酵素を得た。本酵素を
ペクチナーゼPDとする。なおペクチナーゼPDは、プ
ロトペクチナーゼPA、PBと同様にアルカリペクチン
酸リアーゼ活性を有していたが、プロトペクチナーゼ活
性は有していなかった。
【0087】(i)市販ペクチナーゼ 以下のものを使用した。 スクラーゼN(三共(株)) ペクチナーゼタナベ(田辺製薬(株)) ペクトリアーゼ(キッコーマン(株)) ペクチナーゼSS(ヤクルト(株)) ペクチナーゼHL(ヤクルト(株))
【0088】V−2.洗浄試験に使用する酵素の活性
【0089】
【表1】
【0090】1)ブリトン・ロビンソン広域緩衝液を用
いて測定。ただし、*部は同緩衝液中では活性測定不能
のため、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液にて測定。 2)トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)にて測定。 3)プロトペクチナーゼA,PA,B,PB,RBとペ
クチナーゼDはグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH
10.0)、その他の酵素はクエン酸緩衝液(pH5.
0)中にて測定。 4)Bタイププロトペクチナーゼ。ポリガラクツロン酸
分解活性を有しない。 5)活性がないため測定できず。
【0091】V−3.洗浄試験方法 1.人工泥汚れ汚染布洗浄試験 鹿沼赤玉土を木綿メリヤス布に付着させた人工泥汚れ汚
染布を調製した。4°DH硬水(71.2mg CaCO3/l)に後
述の配合組成からなる洗剤を使用濃度に溶解し、洗剤溶
液1Lを調製し、ターゴトメーター用ステンレスビーカ
ーに移す。人工泥汚染布5枚を洗剤溶液中に加え、10
0rpm 、30℃、10分間攪拌洗浄する。流水下で濯い
だ後、アイロンプレスして反射率測定に供した.汚染布
の原布、及び洗浄前後の汚染布の反射率を自記色彩計
(島津製作所(株))にて測定し、次式によって洗浄率
(%)を算出した。
【0092】
【数1】
【0093】2.泥靴下汚れ洗浄試験 スポーツソックス(綿/アクリル等の混紡・グンゼ
(株))を人に着用させ、布に用いたのと同じ泥を左右
均等に付着させた後、靴下の片側10足(左右5足ず
つ)を比較洗剤系で、残りの10足を試料洗剤組成系で
洗浄した。
【0094】洗浄方法は30℃、4°DHの水30Lに
後述の配合組成からなる洗剤を使用濃度に溶解し、家庭
用2槽式洗濯機で10分間洗浄し、5分間流水濯ぎした
後、脱水して乾燥させた。
【0095】洗浄力評価は酵素無添加洗剤(基準洗剤)
で洗浄した靴下の片側を対照として、試験組成(酵素添
加洗剤)で洗浄したもう片側の靴下と下記基準で一対比
較して判定した。判定は10足の靴下を3名の判定者で
行い、全ての総合点数により洗浄力評価点数とした。
【0096】 +2:基準洗剤より明らかに優る +1:基準洗剤よりやや優る 0:基準洗剤と同等 −1:基準洗剤よりやや劣る −2:基準洗剤より明らかに劣る
【0097】V−4.洗浄試験結果 A.衣料用洗浄剤における効果 (a)使用洗浄剤組成
【0098】
【表2】
【0099】LAS:直鎖アルキル(C12-14)ベンゼ
ンスルホン酸ソーダ(液体洗剤は酸型で配合) AS:ドデシルアルコール硫酸エステルソーダ AE−1:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO
平均付加モル数4) AE−2:ポリオキシエチレンアルキル(C12-14)エ
ーテル(EO平均付加モル数6) AEP:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウ
リルエーテル(EO平均付加モル数8、PO平均付加モ
ル数3) AES:ポリオキシエチレンアルキル(C10-12)エー
テル硫酸ソーダ(EO平均付加モル数2.5) 脂肪酸:ヤシ油由来脂肪酸ソーダ ゼオライト:4A型ゼオライト、平均粒径3μm 非晶質アルミノ珪酸塩:下記合成例1記載 炭酸ソーダ:デンス粒灰 非晶質珪酸塩:JIS2号珪酸ソーダ 結晶性珪酸塩:SKS−6(ヘキストトクヤマ社)粉砕
品、平均粒径15μm AA−MA:ソカランCP5、アクリル酸−マレイン酸
共重合体(BASF社) PEG:ポリエチレングリコール、平均分子量8,00
【0100】合成例1(非晶質アルミノ珪酸塩の製造方
法) アルミン酸ナトリウム水溶液(Na2O 1.55 重量%、Al2O
3 2.30重量%、Na2O/Al2O3=1.11(モル比))1010
gを40℃に加熱し、1500rpm の回転数で攪拌しな
がら、そこに、ケイ酸ナトリウム水溶液(Na2O 2.75重
量%、SiO2 7.88重量%、SiO2/Na2O=2.96(モル比))
700gと塩化カルシウム2水和物1.2gを20分間
かけて滴下しつつ反応させた。滴下終了後、さらに15
分間加熱処理を行い、その後、固体を濾別、洗浄した。
得られた湿潤ケーキを、105℃、300torrで10時
間乾燥し、粉砕することによって、X線的に非晶質のア
ルミノケイ酸塩微粉末を得た。得られた非晶質アルミノ
ケイ酸塩の組成は、原子吸光分析及びプラズマ発光分析
の結果、Al23=21.1重量%、SiO2=57.
2重量%、Na2O=20.8重量%、CaO=0.9
重量%であった(1.65Na2O・0.08CaO・Al2O3・4.75Si
O2)。また、その吸油能は210ml/100gであっ
た。
【0101】(b)試験結果 上記の組成を有する洗剤(ア)〜(エ)に各種酵素を添
加して洗浄した結果を(b−1)〜(b−5)に示す。
これらの結果から明らかなように、本発明品プロトペク
チナーゼ配合洗剤は、諸条件下で比較品ペクチナーゼよ
りも明らかに高い洗浄効果を示す。しかもプロトペクチ
ナーゼAやBのようなアルカリ酵素であれば、洗液pHの
高い洗剤中で高い効果を発揮できる。また、この効果は
浸漬等を行わなくとも得ることができる。さらに同じよ
うにアルカリ至適のペクチナーゼ活性を有する酵素であ
っても、綿ペクチン遊離力を有するプロトペクチナーゼ
AやBには高い洗浄効果があり、綿ペクチン遊離力がな
いペクチナーゼDには洗浄効果が認められないことか
ら、アルカリプロトペクチナーゼが洗浄成分として有効
であることは明らかである。
【0102】(b−1)洗剤(ア) での洗浄試験結果
(洗液pH10.7) 洗浄条件:ターゴトメーター100rpm、10分、30
℃洗浄
【0103】
【表3】
【0104】本発明品プロトペクチナーゼ配合洗剤は洗
液pHの高い重質洗剤中でも普通洗浄で高い洗浄効果を挙
げていることがわかる。一方比較品の市販ペクチナーゼ
配合洗剤はほとんど洗浄効果が認められない。また、そ
の洗浄効果の違いは泥靴下洗浄評価で一層顕著である。
また、洗浄効果は粗酵素でも認められるが、精製したプ
ロトペクチナーゼを用いれば僅かな配合量でも高い洗浄
効果が得られることがわかる。
【0105】(b−2)洗剤(イ) での洗浄試験結果
(洗液pH10.6) 洗浄条件:ターゴトメーター100rpm、10分、30
℃洗浄
【0106】
【表4】
【0107】本発明品プロトペクチナーゼ配合洗剤はノ
ニオン活性剤を主体とする洗液pHの高い重質洗剤中でも
普通洗浄で高い洗浄効果を挙げていることがわかる。一
方比較品の市販ペクチナーゼ配合洗剤はほとんど洗浄効
果が認められない。また、洗浄効果は粗酵素でも認めら
れるが、精製したプロトペクチナーゼを用いれば僅かな
配合量でも高い洗浄効果が得られることがわかる。
【0108】(b−3)洗剤(ウ) での洗浄試験結果
(洗液pH9.2) 洗浄条件:ターゴトメーター100rpm、10分、30
℃洗浄
【0109】
【表5】
【0110】本発明品プロトペクチナーゼ配合洗剤が液
体洗剤組成中でも高い洗浄効果を挙げていることがわか
る。一方比較品の市販ペクチナーゼ配合洗剤はほとんど
洗浄効果が認められない。また、洗浄効果は粗酵素でも
認められるが、精製したプロトペクチナーゼを用いれば
僅かな配合量でも高い洗浄効果が得られることがわか
る。
【0111】(b−4)洗剤(エ) での洗浄試験結果
(洗液pH8.0) 洗浄条件:使用濃度の6倍濃度にて1時間、40℃浸漬
後、使用濃度とし、ターゴトメーター100rpm、10
分、30℃洗浄した。
【0112】
【表6】
【0113】本発明品プロトペクチナーゼ配合洗剤が高
い洗浄効果を挙げていることがわかる。40℃、6倍濃
度浸漬条件では比較品の市販ペクチナーゼ配合洗剤でも
若干の効果が認められるが、その効果は本発明品には及
ばない。また、洗浄効果は粗酵素でも認められるが、精
製したプロトペクチナーゼを用いれば僅かな配合量でも
高い洗浄効果が得られることがわかる。
【0114】(b−5)洗剤(エ) での洗浄試験結果
(洗液pH8.0) 洗浄条件:ターゴトメーター100rpm、10分、30
℃洗浄
【0115】
【表7】
【0116】本発明品プロトペクチナーゼ配合洗剤は浸
漬洗浄しなくても高い洗浄効果を挙げていることがわか
る。一方比較品の市販ペクチナーゼ配合洗剤は普通洗浄
だけではほとんど洗浄効果が認められない。また、洗浄
効果は粗酵素でも認められるが、精製したプロトペクチ
ナーゼを用いれば僅かな配合量でも高い洗浄効果が得ら
れることがわかる。
【0117】さらに、表8及び9に示す組成の洗浄剤1
00重量部にプロトペクチナーゼA、B、PA、PB又
はRBを0.1重量部配合して本発明洗浄剤組成物を調
製した。なお、粒状洗浄剤の場合には、酵素、PC、A
C−1、AC−2を除いた成分で粒子化した洗剤生地
に、酵素、PC、AC−1、AC−2をそれぞれ粒子化
したものをブレンドすることにより製造する。得られた
洗浄剤は、優れた洗浄力を有し、衣料用洗浄剤として有
用である。
【0118】
【表8】
【0119】
【表9】
【0120】LAS−2:アルキルベンゼンスルホン酸
「アルケンL(アルキル鎖の炭素数10〜14),日石
洗剤(株)」を48%NaOHで中和したもの LAS−3:アルキルベンゼンスルホン酸「アルケンL
(アルキル鎖の炭素数10〜14),日石洗剤(株)」
を50%KOHで中和したもの AS−2:ドバノール25サルフェート(C12〜C15
酸)のソーダ塩,三菱化学(株) SAS:Hostapur SAS 93(C13〜C18アルカンス
ルホン酸ソーダ),ヘキストジャパン(株) AOS:アルファオレフィンスルホン酸ソーダ SFE:パーム油由来、アルファスルホ脂肪酸メチルエ
ステルソーダ 脂肪酸塩:パルミチン酸ソーダ AES−2:ポリオキシエチレンアルキル(C12
15)エーテル硫酸ソーダ(EO平均付加モル数2) AE−3:ノニデッド Sー3(C12、C13アルコール
にEOを平均3モル付加したもの),三菱化学(株) AE−4:ノニデッド R−7(C12〜C15アルコール
にEOを平均7.2モル付加したもの),三菱化学
(株) AE−5:ソフタノール 70(C12〜C15 2級アルコ
ールにEOを平均7モル付加したもの),日本触媒 AG:アルキル(ヤシ油由来)グルコシド(平均重合度
1.5) 吸油性担体:TIXOLEX 25(非晶質アルミノ珪
酸ソーダ、吸油能235ml/100g),コフランケミ
カル社 結晶性珪酸塩:SKS−6(δーNa2Si25,結晶
性層状シリケート,平均粒子径20μm),ヘキストト
クヤマ社 非晶質珪酸塩:JIS1号珪酸ソーダ STPP:トリポリリン酸ソーダ NTA:ニトリロトリ酢酸ソーダ PAA:ポリアクリル酸ソーダ、平均分子量12000 AA−MA:ソカランCP5(アクリル酸−マレイン酸
共重合体),BASF社 CMC:サンローズB1B(カルボキシメチルセルロー
スソーダ),山陽国策パルプ(株)(現在、日本製紙
(株)) PEG:ポリエチレングリコール、平均分子量6000 PVP:ポリビニルピロリドン、平均分子量4000
0、K値=26〜35 蛍光染料:チノパールCBS(チバガイギー社)と、ホ
ワイテックスSA(住友化学社)を重量比1:1で配合
したもの(注意:液体洗剤の場合はチノパールCBSの
み配合) 香料:特開平8−239700号公報の実施例記載の香
料組成を使用 酵素:サビナーゼ12.0TW(プロテアーゼ)、リポラーゼ
100T(リパーゼ)、ターマミル60T(アミラーゼ)(以
上の酵素はノボノルディスク社)、及びKAC500
(セルラーゼ、花王)を重量比率で2:1:1:1の割
合で配合したもの(注意:液体洗剤はサビナーゼ16.0L
(プロテアーゼ、ノボノルディスク社)のみを配合) PC:過炭酸ソーダ、平均粒子径400μm、メタホウ
酸ソーダにて被覆したもの AC−1:TAED(テトラアセチルエレンジアミ
ン),ヘキスト社 AC−2:ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ソーダ
【0121】B.漂白洗浄剤における効果 表10記載の組成の漂白洗浄剤を調製し、0.5%水溶
液中20℃、30分浸漬後、洗剤(ア)にてターゴトメ
ーターで100rpm 、10分、20℃で人工泥汚染布を
洗浄した。その結果を表10に示す。
【0122】
【表10】
【0123】1)直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(炭素数12〜14) 2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基
の炭素数12〜14、EO平均付加モル数12) 3)平均分子量8000 4)プロトペクチナーゼPBを特開昭62−25799
0記載の方法に基づき、50000U/g(pH10でのペク
チナーゼ活性)造粒物としたもの 5)プロトペクチナーゼRBを特開昭62−25799
0記載の方法に基づき、50000U/g(pH10.0での
ペクチナーゼ活性)造粒物としたもの
【0124】表10から、本発明品プロトペクチナーゼ
配合漂白洗浄剤が非常に高い泥汚れ洗浄力を有している
ことがわかる。
【0125】C.プロトペクチナーゼとセルラーゼ及び
/又はプロテアーゼとの併用系における効果 前記洗剤(ア)(表2参照)に下記表11記載の配合量
にて各種酵素を添加して人工泥汚染布を洗浄した(洗液
pH10.7、洗浄条件:ターゴトメーター100rpm,
10分,30℃洗浄)。
【0126】
【表11】
【0127】1)プロトペクチナーゼPBを特開昭62
−257990記載の方法に基づき、50000U/g(pH
10.0でのペクチナーゼ活性)造粒物としたもの。 2)プロトペクチナーゼRBを特開昭62−25799
0記載の方法に基づき、50000U/g(pH10.0での
ペクチナーゼ活性)造粒物としたもの。 3)KAC−500(セルラーゼ,花王製)500U/
g。 4)特開平5−25492号記載のプロテアーゼK−1
6を特開昭62−257990記載の方法に基づき、5
U/g造粒物としたもの。
【0128】その結果、本発明品プロトペクチナーゼと
セルラーゼ、又はプロテアーゼとを併用することで泥汚
れ洗浄効果がより向上することがわかる。また、本発明
品プロトペクチナーゼ、セルラーゼ及びプロテアーゼの
3者を併用することでさらに泥汚れ洗浄効果が向上する
ことがわかる。
【0129】また、こうした酵素の併用効果は下に例示
した商標名で市販されている他のセルラーゼやプロテア
ーゼでも得ることができる。 セルラーゼ:セルザイム(ノボノルディスク社) プロテアーゼ:アルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナー
ゼ、デュラザイム(ノボノルディスク社)プラフェク
ト、マキサペム、プロペラーゼ(ジェネンコア社)
【0130】
【発明の効果】本発明洗浄剤組成物は、泥汚れに対する
洗浄力が極めて高く、衣料用洗浄剤として特に優れてい
る。
【0131】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:591 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:バチルス エスピー(Bacillus sp.) 株名:KSM−P15 配列 GCG CCG ACG GTC GTT CAT GAA ACG ATT CGT GTG CCT GCC GGT CAG ACG 48 Ala Pro Thr Val Val His Glu Thr Ile Arg Val Pro Ala Gly Gln Thr 5 10 15 TTT GAC GGA AAA GGG CAG ACC TAT GTG GCT AAT CCG AAT ACA TTG GGG 96 Phe Asp Gly Lys Gly Gln Thr Tyr Val Ala Asn Pro Asn Thr Leu Gly 20 25 30 GAC GGA TCG CAG GCG GAG AAT CAG AAG CCG ATC TTT CGT CTG GAG GCT 144 Asp Gly Ser Gln Ala Glu Asn Gln Lys Pro Ile Phe Arg Leu Glu Ala 35 40 45 GGG GCA AGC CTG AAA AAT GTA GTG ATT GGC GCT CCT GCC GCT GAC GGG 192 Gly Ala Ser Leu Lys Asn Val Val Ile Gly Ala Pro Ala Ala Asp Gly 50 55 60 GTG CAC TGC TAC GGG GAT TGT ACG ATT ACA AAT GTC ATC TGG GAG GAT 240 Val His Cys Tyr Gly Asp Cys Thr Ile Thr Asn Val Ile Trp Glu Asp 65 70 75 80 GTT GGT GAG GAT GCG CTG ACG CTT AAA TCG TCC GGA ACG GTG AAC ATC 288 Val Gly Glu Asp Ala Leu Thr Leu Lys Ser Ser Gly Thr Val Asn Ile 85 90 95 TCG GGC GGG GCA GCC TAC AAG GCG TAT GAC AAG GTG TTC CAA ATC AAT 336 Ser Gly Gly Ala Ala Tyr Lys Ala Tyr Asp Lys Val Phe Gln Ile Asn 100 105 110 GCA GCG GGG ACG ATC AAC ATT CGT AAC TTC AGG GCC GAT GAC ATC GGG 384 Ala Ala Gly Thr Ile Asn Ile Arg Asn Phe Arg Ala Asp Asp Ile Gly 115 120 125 AAG CTG GTT CGG CAG AAC GGA GGC ACC ACC TAC AAA GTG GTG ATG AAC 432 Lys Leu Val Arg Gln Asn Gly Gly Thr Thr Tyr Lys Val Val Met Asn 130 135 140 GTG GAA AAC TGC AAC ATT TCC AGA GTG AAG GAT GCG ATC CTG AGA ACG 480 Val Glu Asn Cys Asn Ile Ser Arg Val Lys Asp Ala Ile Leu Arg Thr 145 150 155 160 GAC AGC AGC ACA AGC ACA GGA CGA ATT GTG AAT ACC CGC TAT TCT AAC 528 Asp Ser Ser Thr Ser Thr Gly Arg Ile Val Asn Thr Arg Tyr Ser Asn 165 170 175 GTG CCA ACA TTG TTC AAA GGC TTT AAA TCA GGC AAT ACC ACC GCA TCC 576 Val Pro Thr Leu Phe Lys Gly Phe Lys Ser Gly Asn Thr Thr Ala Ser 180 185 190 GGA AAT ACG CAG TAT 591 Gly Asn Thr Gln Tyr 195
【図面の簡単な説明】
【図1】ペクチン酸リアーゼ遺伝子クローニング用プラ
イマー1及び2のDNA配列を示す図である。
【図2】プライマー1とプライマー2の間のDNA配列
と推定アミノ酸配列及びプライマー3とプライマー4の
位置を示す図である。
【図3】本発明ペクチン酸リアーゼ全領域を増幅するた
めのプライマー5とプライマー6を示す図である。実施
例IV−1.C.で示したPCR増幅用プライマーで、生
成する増幅断片(約1kbp)はSalIで消化された
後、SalIとSmaIで消化されたpHSP64に連
結される。
【図4】ペクチン酸リアーゼ遺伝子の分泌ベクター(p
HSP64)への導入と創製されたペクチン酸リアーゼ
発現分泌ベクターpHSP−A156を示す図である。 Amp:アンピシリン耐性マーカー遺伝子 Tet:テトラサイクリン耐性マーカー遺伝子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 凉松 淳 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 小池 謙造 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 秦田 勇二 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 小林 徹 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 伊藤 進 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 妻鳥 正樹 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロトペクチン又はポリガラクツロン酸
    を基質としたときの最適反応pHが7.0以上であるプロ
    トペクチナーゼを含有することを特徴とする洗浄剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 プロトペクチナーゼが、0.2mg/g綿
    以上の綿ペクチン遊離力を有するプロトペクチナーゼで
    ある請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 プロトペクチナーゼが、バチルス属に属
    する微生物由来のものである請求項1又は2記載の洗浄
    剤組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、界面活性剤を含有するものであ
    る請求項1〜3のいずれか1項記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、セルラーゼ、プロテアーゼ又は
    それらの混合物を含有するものである請求項1〜4のい
    ずれか1項記載の洗浄剤組成物。
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